JP7324894B2 - 印刷終了通知機能を有する画像形成装置 - Google Patents
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Description
試し刷り機能のように、画像形成装置において1つの機能が複数のジョブに分けて実行されるものは、他にもある。例えば、原稿送り装置に一度にセットできる枚数を超える大量の原稿のコピーをとる大量原稿読取機能である。大量原稿読取機能が設定されると、複数の束に分けてセットされる原稿を原稿送り装置に読み取らせる。そして、各束に分けて読み取られた原稿をまとめて1冊として扱い、一括して出力する。束毎に原稿をセットして読み取りに係るジョブの実行要求を行う操作入力はユーザーが行う。また、最後の束の原稿読取が終了した後、一括出力の開始を指示する操作入力もユーザーが行う。
この発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、1つの機能が複数のジョブに分けて実行される場合に、各ジョブの終了を通知させるか否かを決定する画像形成装置を提供することを目的とする。
(1)プリンターとしてのプリンタージョブまたはコピアとしてのコピアジョブの何れかを少なくとも実行可能な画像処理ユニットと、仕上がりを確認するための試し刷り機能のユーザーによる設定を受付ける設定受付部と、設定された試し刷り機能に基づいて、前記プリンタージョブまたは前記コピアジョブの試し刷りに係る実行要求を受付けて前記画像処理ユニットに試し刷りを実行させ、さらに、本刷りに係るジョブの実行要求を受付けて前記画像処理ユニットに本刷りを実行させるジョブ制御部と、試し刷りに係るジョブおよび本刷りに係るジョブの終了をユーザーに知らせる通知ユニットと、前記プリンタージョブまたはコピアジョブに係る設定および処理する画像の属性の少なくとも何れかに基づいて、試し刷りに係るジョブの終了および本刷りに係るジョブの終了をそれぞれ前記通知ユニットに通知させるか否かを制御する通知制御部と、を備える画像形成装置を提供する。
(2)スキャナーとしてのスキャナージョブ、または、コピアジョブの少なくとも何れかを実行可能な画像処理ユニットと、ユーザーによりセットされた複数の原稿を前記画像処理ユニットが読み取るために、各原稿を順次給送する原稿搬送ユニットと、複数回に分けて前記原稿搬送ユニットにセットされる原稿を一冊の原稿として扱い一括出力する大量原稿読取機能のユーザーによる設定を受付ける設定受付部と、各回の原稿読取に係るジョブの実行要求を受付け、セットされた原稿を前記原稿搬送ユニットに給送させ、給送された原稿を前記画像処理ユニットに読み取らせ、さらに、出力に係るジョブの実行要求を受付けて、複数回に分けて読み取られた原稿を一括出力させるジョブ制御部と、原稿読み取りに係るジョブおよび出力に係るジョブの終了をユーザーに知らせる通知ユニットと、前記大量原稿読取機能を含むジョブに係る設定および処理する画像の属性の少なくとも何れかに基づいて、各回の原稿読取に係るジョブの終了および出力に係るジョブの終了を前記通知ユニットに通知させるか否かを制御する通知制御部と、を備える画像形成装置を提供する。
(3)スキャナー、プリンター、およびコピーの少なくとも何れかの種類のジョブを実行する画像処理ユニットと、ユーザーによる前記ジョブに係る設定を受付ける設定受付部と、1の機能の実行について予め定められた同種または異種の複数のジョブに係る実行要求を受付け、受付けたジョブを前記画像処理ユニットに実行させるジョブ制御部と、各ジョブの終了をユーザーに知らせる通知ユニットと、各ジョブに係る設定および処理する画像の属性の少なくとも何れかに基づいて、各ジョブの終了を前記通知ユニットに通知させるか否かを決定する通知制御部と、を備える画像形成装置を提供する。
(4)画像処理ユニットを制御するコンピュータが、仕上がりを確認するための試し刷り機能のユーザーによる設定を受付けるステップと、設定された試し刷り機能に基づいて、プリンタージョブまたはコピアジョブの試し刷りに係る実行要求を受付けて前記画像処理ユニットに試し刷りを実行させるステップと、本刷りに係るジョブの実行要求を受付けて前記画像処理ユニットに本刷りを実行させるステップと、前記プリンタージョブまたはコピアジョブに係る設定および処理する画像の属性の少なくとも何れかに基づいて、試し刷りに係るジョブの終了および本刷りに係るジョブの終了をそれぞれユーザーに通知するか否かを決定するステップと、を備える画像形成方法を提供する。
(5)画像処理ユニットを制御するコンピュータが、複数回に分けて原稿搬送ユニットにセットされ前記画像処理ユニットに読み取られる原稿を一冊の原稿として扱い一括出力する大量原稿読取機能のユーザーによる設定を受付けるステップと、各回の原稿読取に係るジョブの実行要求を受付け、セットされた原稿を前記原稿搬送ユニットに給送させ、給送された原稿を前記画像処理ユニットに読み取らせるステップと、出力に係るジョブの実行要求を受付けて、複数回に分けて読み取られた原稿を一括出力させるステップと、前記大量原稿読取機能を含むジョブに係る設定および処理する画像の属性の少なくとも何れかに基づいて、各回の原稿読取に係るジョブの終了および出力に係るジョブの終了をユーザーに通知するか否かを決定するステップと、を備える画像形成方法を提供する。
(6)画像処理ユニットを制御するコンピュータが、スキャナー、プリンター、およびコピーの少なくとも何れかの種類のジョブに係るユーザーによる設定を受付けるステップと、1の機能の実行について予め定められた同種または異種の複数のジョブに係る実行要求を受付け、受付けたジョブを前記画像処理ユニットに実行させるステップと、各ジョブに係る設定および処理する画像の属性の少なくとも何れかに基づいて、各ジョブの終了をユーザーに通知するか否かを決定するステップと、を備える画像形成方法を提供する。
(1)試し刷りに係る実行要求を受付けて画像処理ユニットに試し刷りを実行させ、さらに、本刷りに係るジョブの実行要求を受付けて画像処理ユニットに本刷りを実行させるジョブ制御部と、ジョブに係る設定および処理する画像の属性の少なくとも何れかに基づいて、試し刷りに係るジョブの終了および本刷りに係るジョブの終了をそれぞれ通知ユニットに通知させるか否かを制御する通知制御部を備えるので、1つの機能が試し刷りに係るジョブと本刷りに係るジョブに分けて実行される試し刷り機能において、各ジョブの終了を通知させるか否かを決定できる。
試し刷り終了に係る通知の要否、および本刷り終了に係る通知の要否をそれぞれ手動で設定することはユーザーに煩雑な操作の負担を課すことになる一方、不要な通知が都度なされることもユーザーにとって心地のよいものといえない。この発明によれば、通知制御部が状況に応じてジョブの終了に係る通知の要否を決定するので、ユーザーに煩雑な操作を強いることなく、必要な通知のみが提供される。
上記(4)に係る発明についても同様である。
原稿読取終了に係る通知の要否、および出力の終了に係る通知の要否をそれぞれ手動で設定することはユーザーに煩雑な操作の負担を課すことになる一方、不要な通知が都度なされることもユーザーにとって心地のよいものといえない。この発明によれば、通知制御部が状況に応じてジョブの終了に係る通知の要否を決定するので、ユーザーに煩雑な操作を強いることなく、必要な通知のみが提供される。
上記(5)に係る発明についても同様である。
上記(6)に係る発明についても同様である。
(実施の形態1)
≪画像形成装置の構成例≫
図1は、この発明の画像形成装置の一実施形態であるデジタル複合機の外観を示す斜視図である。図2は、図1に示すデジタル複合機の平面図である。図3は、図1に示すデジタル複合機100の本体部分の機構的構成を示す断面図である。図1および図2に示すように、デジタル複合機100は、原稿搬送ユニット103、人体感知ユニット109、排出トレイ39aおよび39bを備える。
デジタル複合機100においては、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像を印刷シートに印刷する。あるいは、単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像を印刷シートに印刷する。このため、現像装置12、感光体ドラム13、ドラムクリーニング装置14、および帯電器15等は、それぞれ4個ずつ設けられる。各色に応じた4種類のトナー像を形成するために、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
中間転写ベルト21は矢印方向Cに周回移動する。ベルトクリーニング装置22は周回移動する中間転写ベルト21の残留トナーを除去および回収する。各感光体ドラム13の表面に形成された各色のトナー像が中間転写ベルト21に順次転写して重ね合わせられて、中間転写ベルト21上にカラーのトナー像が形成される。
定着装置17を通過した印刷シートは、排出ローラ36aまたは36bを経て排出トレイ39aまたは39bへ排出される。印刷シートの排出先は、後述する制御部101によって制御され、図示しない切替え機構によって排出トレイ39aおよび39bの何れかへ印刷シートが導かれるように搬送経路が切替えられる。印刷シートの搬送経路の切替え機構は、画像形成装置の技術分野で周知であるので詳細な図示を省略している。
図4は、本実施形態のデジタル複合機100の電気的構成を示すブロック図である。図4に示すように、デジタル複合機100は、制御部101、画像処理ユニット102、原稿搬送ユニット103、操作ユニット105、通知ユニット107および人体感知ユニット109を備える。
図4において、制御部101は、デジタル複合機100を統合的に制御するものであって、CPU101c、ROM101b、RAM101aや各種のインターフェース回路等からなる。制御部101は、設定受付部、ジョブ制御部および通知制御部の機能を包含する。制御部101は、操作ユニット105が受付けた操作に基づくジョブの実行および通信インターフェース回路55を介して外部の機器から受信した指示に基づくジョブの実行を管理する。また、画像処理ユニット102、通知ユニット107および人体感知ユニット109を制御する。
画像読取デバイス111は、原稿を走査する機構と、走査した原稿の画像を読み取るセンサーおよびその駆動回路を備える。
原稿搬送ユニット103は、原稿トレイ103aにセットされた原稿を1枚ずつ搬送して画像読取デバイス111に読み取らせる機構および回路である。
画像処理回路113は、画像読取デバイス111が読み取った原稿の画像を調整および編集する回路である。さらに、通信インターフェース回路55を介して受信した印刷データを画像データに変換し、調整および編集する回路である。
画像形成デバイス115は、電子写真方式により印刷画像を印刷シートに印刷するための機構および回路からなる。画像形成デバイス115は、図3における光走査装置11、現像装置12、感光体ドラム13、ドラムクリーニング装置14および帯電器15に係る電気的構成要素を含んで構成される。さらに、中間転写ベルト21、定着装置17、シート搬送経路R1、給送トレイ18、および排出トレイ39a、39bに係る電気的構成要素を含んで構成される。
通知ユニット107は、ジョブの完了をユーザーに通知するものであって、通知デバイス駆動回路107a、LED107bおよびスピーカー107cを備える。LED107bの光と、スピーカー107cからの音の少なくとも何れかの手段によって通知を行う。さらに、通信インターフェース回路55を介して通信可能に接続された外部の機器へ通知を送るようにしてもよい。
操作ユニット105は、キーやタッチパネルからなる入力デバイス105aおよび液晶表示装置などからなる表示デバイス105bを有する。
人体感知ユニット109は、ユーザーが操作ユニット105から所定の範囲内にいることを感知する。
人体感知ユニット109は、感知した人体までのおおよその距離を検出する。人体感知ユニット109としては、赤外線センサー、超音波センサーあるいは焦電センサー等が適用できる。また、撮像デバイスを用いて顔認識処理を行う態様も考えられる。顔認識処理を用いて人を認識する場合、不特定の人物の検出有無だけでなく、より高度な判断をしてもよい。例えば、試し刷りあるいは本刷りに係るジョブの終了時に人物を検出した場合、ジョブの開始時と同一人物を検出したか否かを識別し、異なる場合は人物を検出しない場合と同様に、ユーザーへの通知を行うようにしてもよい。
以上がデジタル複合機100の構成の概要である。
この明細書において、試し刷り機能は、設定した部数をコピーする前に、試しに1部だけを印刷して仕上がりを確認し、必要に応じてユーザーが設定を変更できる機能である。あるいはその1部のうちでユーザーが設定した頁だけを印刷できてもよい。試し刷り機能は、コピアジョブおよびプリンタージョブについて設定可能な機能である。コピアジョブの場合、設定した部数のコピーが完了するまで読み込んだ原稿の画像データを画像メモリ114に保持している。プリンタージョブの場合、受信した印刷データあるいはそれを展開した画像データを画像メモリ114に保持している。試し刷りを確認したユーザーが設定を変更した場合に、改めて原稿を読み込んだり印刷データを受信したりする必要がない。
「試しコピー」ボタンは2つあって、それらのうち「試しコピー」ボタン120bがタッチされると、制御部101はジョブ設定に応じた白黒コピーの試し刷りを実行する。もう一つの「試しコピー」ボタン120cがタッチされると、制御部101はジョブ設定に応じたカラーコピーの試し刷りを実行する。
よって、この実施形態の最も基本的な一態様によれば、制御部101は試し刷り終了に係る通知は行わない。但し、後述するように制御部101がジョブに係る種々の設定に基づいて通知を行うか否かを判断する態様も考えられる。
なお、試し刷りについては、図5に示す1部の印刷に限るものでなく、1部のうちどの頁を試し刷りするかをユーザーが設定できてもよい。
図5の例で、本刷りは残りの4部のコピーを印刷するジョブに対応する。原稿を読取ることなく画像メモリ114に保持された画像データを用いて印刷を行う点において、本刷りに係るジョブはプリンタージョブと共通する。本刷りが終了すると、制御部101は、本刷り終了に係る通知を行う。この実施形態の最も基本的な一態様によれば、制御部101は本刷り終了に係る通知を行なう。但し、後述するようにジョブに係る種々の設定に基づいて通知を行うか否かを判断する態様も考えられる。
以上に述べたように、試し刷り機能は、試し刷りに係る1以上のジョブと、本刷りに係る1のジョブで構成され、各ジョブはユーザーの指示に基づいて開始される。なお、コピアジョブを例に挙げて説明したが、プリンタージョブについても同様の試し刷り機能があってもよい。
一方、試し刷り機能が設定されることなくOKボタン121eがクリックされた場合は、設定された部数が全て印刷される。
制御部101は、本刷り開始の指示を受信したジョブの設定と印刷データに基づいて、画像メモリ114に保持されたデータを用いて本刷りに係るプリンタージョブを実行する。残りの4部の印刷である。
なお、本刷り開始は、図8に示す操作画面でなく、操作ユニット105を用いて指示できるようにしてもよい。
フローチャートを用いて、試し刷り機能が設定されたジョブの処理の流れを説明する。図9は、この実施形態において、試し印刷処理の流れを示すフローチャートである。コピアジョブを想定したものであるが、プリンタージョブについても同様の流れであるので、当業者であれば図9から容易に類推可能である。プリンタージョブの場合、通知ユニット107は、光と音による通知に代えて、あるいはそれらの通知と共に、印刷データを送信した機器へ、通信インターフェース回路55を介して通知を表すパケットを送信するようにしてもよい。
なお、制御部は、並行して他の種々のタスクを処理する(マルチタスク処理)。例えば、原稿搬送ユニット103の原稿トレイ103aの状態を逐次監視する。そして、ユーザーによって原稿がセットされると、原稿のサイズを検出する。そして、表示デバイス105b上に表示されるコピアジョブ操作画面120の「原稿」ボタンの箇所に原稿のサイズを表示する。さらに、原稿搬送ユニット103を示すイラストの近くに原稿がセットされたことを示すアイコンを表示させる。ただし、図9では、他のタスクの処理は省略している。
受付けた操作がジョブに係る設定でなく(ステップS13のNo)、「試しコピー」ボタン120bまたは120cがタッチされた場合(ステップS17のYes)、制御部101は、ジョブに係る設定に従った態様で試し刷りに係るコピアジョブを実行する(ステップS19)。「試しコピー」ボタン120bおよび120cの何れがタッチされたかに応じてモノクロまたはカラーの試し刷りに係るコピアジョブを実行する。
また、別の変形例としては、制御部101は、デジタル複合機100が図4に示す人体感知ユニット109を備える機種か否かを判断し、人体感知ユニット109を備えた機種の場合、さらにその人体感知ユニット109が感知領域53内に人を検出しているか否かを判断する。その結果、人体感知ユニット109が人を検出していない場合、本刷りを指示したユーザーが操作ユニット105の近くに居ないと判断し、本刷り終了に係る通知を行うものとする。一方、人体感知ユニット109が人を検出している場合、本刷り終了に係る通知は行わないものとする。
ところで、図9は、試しコピーに係る一連のジョブの流れのみを示している。その他、例えばコピアジョブ操作画面120で、「白黒スタート」ボタンまたは「カラースタート」ボタンがタッチされた場合、制御部101は、設定部数を一括でコピーする通常のコピアジョブを実行するが、そのような他の流れは省略している。
単純な通知判定の態様として、試し刷りが終了した際、ユーザーは仕上がりを確認するために近くにいる可能性が高いものとして、試し刷りに係るジョブの終了時は通知を行わず、本刷りに係るジョブの終了時には通知を行う態様が考えられる。
この実施形態においては、それよりも複雑な条件判断を行う態様を述べる。
図10は、図9のフローチャートにおいて、試し刷り終了に係る通知判定の処理を示すフローチャートである。
図10に示すように、制御部101は、デジタル複合機100が図4に示す人体感知ユニット109を備える機種か否かを判断する(ステップS41)。人体感知ユニット109を備えた機種の場合(ステップS41のYes)、さらにその人体感知ユニット109が感知領域53内に人を検出しているか否かを判断する(ステップS42)。
一方、人体感知ユニット109が人を検出している場合(ステップS42のNo)、基本的に終了通知は行わないが、セキュリティーに係る機能が設定されていれば慎重を期して終了通知を行うようにする。その判断のためにルーチンは以下のステップS49へ進む。
一方、前記ステップS41において、人体感知ユニット109を備えない機種の場合は(ステップS41のNo)、さらに試し刷りの頁数あるいは試し刷りのコピアジョブに係る原稿枚数に基づいて、試し刷り終了に係る通知を行うか否かを以下のように判断する。
制御部101は、試し刷りの対象が、1部を通して行われる設定か、1部に満たない限られた範囲の頁として設定されているか否かを判断する(ステップS45)。
即ち、制御部101は、1部を構成する原稿の枚数が、予め定められた値未満の設定か否かを判断する(ステップS47)。所定値以上の場合は(ステップS47のNo)、試し刷りを開始してから原稿をすべて読み取って1部の印刷を終えるまでに時間を要したものと判断する。試し刷り開始から終了までの間に、ユーザーが操作ユニット105の傍から離れる可能性があるとして、試し刷り終了に係る通知を行うものとする(ステップS59)。
一方、1部を構成する原稿枚数が所定値未満の場合(ステップS47のYes)、基本的に終了通知は行わない。しかし、セキュリティーに係る機能が設定されていれば慎重を期して終了通知を行うようにする。その判断のためにルーチンは後述するステップS49へ進む。
文書セキュリティー強化のための重畳印刷機能が未設定の場合(ステップS49のYes)、セキュリティーに係る他の機能が設定されているかを判断するためルーチンは後述するステップS51へ進む。
一方、前記重畳印刷機能が設定されている場合(ステップS49のNo)、ルーチンはステップS59へ進み、試し刷り終了に係る通知を行うものとする。
また、追跡パターンは、コピーが不正使用されるのを防止するために、予めユーザーが設定した追跡可能な情報を強制的に付加して印刷するものである。追跡パターンは画像枠外に印字され、付加される情報の例としては、デジタル複合機を使用するためのユーザーアカウントとコピーが行われた日付、時刻等である。
文書セキュリティー強化のためのスタンプパターンとは、例えば、「極秘」、「複写禁止」あるいはそれに類する定型のパターンである。
文書セキュリティー強化に係る特定の情報が含まれていない場合(ステップS51のYes)、セキュリティーに係る他の機能が設定されているかを判断するためルーチンは後述するステップS53へ進む。
一方、文書セキュリティー強化に係る情報が含まれている場合(ステップS51のNo)、ルーチンはステップS59へ進み、試し刷り終了に係る通知を行うものとする。
コピアジョブの設定にセキュリティー強化に係る特定の設定が含まれていない場合(ステップS53のYes)、ルーチンは後述するステップS55へ進み、試し刷り終了に係る通知を行わないものとする。
一方、コピアジョブの設定にセキュリティー強化に係る特定の設定が含まれている場合(ステップS53のNo)、ルーチンはステップS59へ進み、試し刷り終了に係る通知を行うものとする。
以上が、試し刷り終了に係る通知判定の処理である。
実施の形態1で、通知ユニット107は、LED107bの光とスピーカー107cからの音の少なくとも何れかの手段で通知を行うことを述べた。
さらに詳細な態様として、制御部101は、光の点滅周期の長短、点灯および消灯の時間比、光の色等にバリエーションを持たせてもよい。音についても、通知音の種類、通知音のオンオフ周期の長短、オンおよびオフの時間比、音色等にバリエーションを持たせてもよい。
そして、例えば試し刷り終了と本刷り終了とで通知のバリエーションを異ならせて通知の種類をユーザーが識別できるようにしてもよい。
実施の形態1において、人体感知ユニット109を備えた機種で試し刷りおよび本刷りに係るコピアジョブの終了通知を、光と音で行う態様について述べた。異なる態様として、その通知に代えて、あるいはその通知と共に、ユーザーが予め登録した携帯通信端末(スマートフォンなど)に通信インターフェース回路55を介して通知を送るようにしてもよい。
プリンタージョブについては、印刷データを送信した外部の機器を宛先としてもよいが、その宛先に代えて、あるいはその宛先と共に、ユーザーが予め登録した携帯通信端末(スマートフォンなど)に通信インターフェース回路55を介して通知を送るようにしてもよい。
通知方法としては、通信インターフェース回路55を介してSMTPサーバーに対して通知メールを配送要求してもよい。あるいは、ネットワーク上に設置した中継サーバーに対して通知内容とユーザーアカウントもしくは携帯通信端末を識別するトークンを含んだ通知パケットを送信し、通知パケットを受信した中継サーバーがSMTPサーバーに対して通知メールを配送要求、もしくは携帯通信端末に対してプッシュ通知を送信してもよい。また、プリンタージョブについては、通信インターフェース回路55を介して印刷データを送信した外部の機器に対して、通知内容を含む通知パケットを送信し、通知パケットを受信した機器はプリンタージョブ操作画面121等において通知内容を表示するようにしてもよい。
この実施形態において、試し刷りはユーザーが仕上がりを確認する必要があるので、試し刷り終了に係る通知は、かならず登録された通知先へ送信するようにしてもよい。
この実施の形態では、1つの機能が複数のジョブに分けて実行されるもので、試し刷り機能と異なる機能の例として、大量原稿読取機能について説明する。
図11は、大量原稿読取機能の具体的な一例として、大量原稿読取機能を用いたコピアジョブ(大量原稿コピー)の流れを示す説明図である。図12は、この実施形態において、大量原稿読取機能のコピアジョブの構成を示す説明図である。
図12に示すように、大量原稿コピーは、原稿読取に係る原稿読取ジョブと、読み取った原稿を出力する印刷ジョブからなり、各ジョブはユーザーからの開始指示に応答して実行を開始する。なお、大量原稿読取機能の選択は、図7に示す操作画面で「他の機能」がタッチされた場合に制御部101が表示させる図示しない機能選択画面を用いて行われる。
原稿搬送ユニット103の原稿トレイ103aに一度にセットできる原稿の枚数は上限がある。上限を超えた枚数の原稿がセットされると、原稿トレイ103aから正常に原稿が搬送できなくなる虞がある。一例で上限の値は100枚である。
以上に述べたように、大量原稿コピーは、原稿読取に係る1以上のジョブと、印刷に係る1のジョブで構成され、各ジョブはユーザーの指示に基づいて開始される。なお、コピアジョブを例に挙げて説明したが、スキャナージョブについても同様の流れで大量原稿読取機能が実現される。
図13は、この実施形態において大量原稿読取処理の流れを示すフローチャートである。コピアジョブを想定したものであるが、スキャナージョブについても同様の流れであるので、当業者であれば図13から容易に類推可能である。
図13で示すように、制御部101は、表示デバイス105bにコピアジョブ操作画面120を表示させて(ステップS61)、コピアジョブの大量原稿読取機能を除く設定に係るユーザーによる操作を受付ける(ステップS63)。大量原稿読取機能を除く設定の操作を受付けたら(ステップS63のYes)、制御部101は、受付けた操作に応じてコピアジョブに係る設定の内容を更新する(ステップS65)。その後、ルーチンはステップS61の処理に戻る。
ユーザーからの指示が、次の束の原稿読取の指示である場合(ステップS77のYes)、ルーチンは前述のステップS69へ戻り、制御部101はユーザーが原稿トレイ103aにセットした次の束の原稿読取に係るジョブを実行する。すべての原稿の束を読取るまで、これらの処理のループを繰り返す。即ち、ステップS77のYesから、ステップS69へ戻り、ステップS71、S73およびS75を経てステップS77に至るループである。
続いて、ステップS73の原稿読取終了に係る通知判定処理の内容について述べる。
単純な通知判定の態様として、原稿読取に係るジョブが終了する都度、原稿読取終了に係る通知を行い、ユーザーが確実に次の原稿を原稿トレイにセットし、あるいは原稿読取終了の指示を入力するようにし、さらに、印刷に係るジョブについても印刷終了に係る通知を行う態様が考えられる。
また、デジタル複合機100が人体感知ユニット109を備える場合、原稿読取終了時に人体感知ユニット109が周囲に居る人を検出していなければ原稿読取終了に係る通知を行うようにし、周囲に人を検出していれば前記通知を行わないようにしてもよい。
この実施形態においては、それよりも複雑な条件判断を行う態様を述べる。
読取った原稿枚数が前記閾値以上の場合(ステップS91のNo)、制御部101は、原稿読取に係るジョブを開始してから終了までの時間が長く、ユーザーが操作ユニット105の傍から離れる可能性があるものとして、原稿読取終了に係る通知を行うものとする(ステップS101)。
文書セキュリティー強化のための重畳印刷機能が未設定の場合(ステップS93のYes)、セキュリティーに係る他の機能が設定されているかを判断するためルーチンは後述するステップS95へ進む。
一方、前記重畳印刷機能が設定されている場合(ステップS93のNo)、ルーチンはステップS101へ進み、原稿読取終了に係る通知を行うものとする。
文書セキュリティー強化に係る特定の情報が含まれていない場合(ステップS95のYes)、セキュリティーに係る他の機能が設定されているかを判断するためルーチンは後述するステップS97へ進む。
一方、文書セキュリティー強化に係る情報が含まれている場合(ステップS95のNo)、ルーチンはステップS101へ進み、原稿読取終了に係る通知を行うものとする。
コピアジョブの設定にセキュリティー強化に係る特定の設定が含まれていない場合(ステップS97のYes)、ルーチンは後述するステップS99へ進み、原稿読取終了に係る通知を行わないものとする。
一方、コピアジョブの設定にセキュリティー強化に係る特定の設定が含まれている場合(ステップS97のNo)、ルーチンはステップS101へ進み、原稿読取終了に係る通知を行うものとする。
なお、デジタル複合機100が人体感知ユニット109を備える場合、前記ステップS99の処理の前に制御部101は、人体感知ユニット109が周囲に居る人を検出しているか否かを調べ、検出していれば前記ステップS99の処理へ進んで原稿読取終了に係る通知を行わないが、周囲に人を検出していなければ前記ステップS101の処理へ進んで原稿読取終了に係る通知を行なうにしてもよい。
以上が、原稿読取終了に係る通知判定の処理である。
(i)この発明による画像形成装置は、プリンターとしてのプリンタージョブまたはコピアとしてのコピアジョブの何れかを少なくとも実行可能な画像処理ユニットと、仕上がりを確認するための試し刷り機能のユーザーによる設定を受付ける設定受付部と、設定された試し刷り機能に基づいて、前記プリンタージョブまたは前記コピアジョブの試し刷りに係る実行要求を受付けて前記画像処理ユニットに試し刷りを実行させ、さらに、本刷りに係るジョブの実行要求を受付けて前記画像処理ユニットに本刷りを実行させるジョブ制御部と、試し刷りに係るジョブおよび本刷りに係るジョブの終了をユーザーに知らせる通知ユニットと、前記プリンタージョブまたはコピアジョブに係る設定および処理する画像の属性の少なくとも何れかに基づいて、試し刷りに係るジョブの終了および本刷りに係るジョブの終了をそれぞれ前記通知ユニットに通知させるか否かを制御する通知制御部と、を備えることを特徴とする。
さらにまた、通知ユニットは、ジョブの完了をユーザーに通知するものである。その具体的な態様は、例えば、光や音や通信による通知を行うものであって、前述の実施形態におけるLEDの発光、スピーカーからの音、通信インターフェース回路を介した通信による通知に相当する。
さらにまた、通知制御部は、ジョブに係る設定や画像の属性に基づいてジョブの終了に係る通知を行うか否かを判断するものである。その具体的な態様は、例えば、前述の実施形態における制御部に相当し、CPUを中心とするハードウェアとソフトウェアが有機的に結合してその機能が実現される。
(ii)前記通知制御部は、試し刷り機能が設定されたことに基づいて、試し刷りに係るジョブの終了は通知せず、本刷りに係るジョブの終了を通知するようにしてもよい。
試し刷りは本刷りに比べて印刷部数や印刷枚数が少ないためにより短い期間でジョブが終了し、かつ試し刷り中の仕上がりを確認するためにユーザーが操作ユニット105の傍から離れない可能性が高いと考えられる。一方、本刷りは試し刷りに比べて印刷部数や印刷枚数が多く、より長い時間を要する。この態様によれば、ユーザーにとって不要な可能性が高い試し刷り終了に係る通知は抑制し、ユーザーが必要とする可能性が高い本刷り終了に係る通知は提供できる。
この態様によれば、本刷りの印刷部数または印刷枚数が前述の所定値未満の場合は、本刷りに要する時間が短く、ユーザーが操作ユニット105の傍から離れない可能性が高いものとして本刷り終了に係る通知を抑制する。一方、本刷りの印刷部数または印刷枚数が前述の所定値以上の場合は、本刷りに要する時間が長く、ユーザーが操作ユニット105の傍から離れる可能性があるものとして本刷り終了に係る通知を行う。
このようにすれば、試し刷りが終了した際に人体感知ユニットの感知領域内に人、即ちユーザーがいる場合は試し刷り終了に係る通知を抑制し、感知領域内に人がいなければ通知を行うようにできる。
このようにすれば、秘匿性が高い文書の印刷に用いられる可能性が高いと考えられる情報付加機能が設定された場合は、情報付加機能が設定されたことに基づいて試し刷り終了に係る通知を行ってユーザーが迅速に出力を回収できるようにし、その印刷出力を他人に見られる可能性を減らすことができる。
このようにすれば、印刷に係る画像が秘匿性を有することに基づいて、試し刷り終了に係る通知を行ってユーザーが迅速に出力を回収できるようにし、その印刷出力を他人に見られる可能性を減らすことができる。
さらに、この発明の、好ましい態様について説明する。
この態様によれば、大量原稿読取機能における各回の原稿読取は、原稿トレイにセット可能な上限値に近い枚数の原稿を読取る可能性が高く、原稿読取が終了するまでの間にユーザーが操作ユニット105の傍から離れる可能性があるものとして、各回の原稿読取終了に係る通知を行うようにする。さらに、読取られた大量の原稿の出力に係るジョブついても、ジョブ終了までに時間を要し、その間にユーザーが操作ユニット105の傍から離れる可能性があるものとして、出力終了に係る通知を行うようにする。
例えば、大量原稿読取機能が設定されたジョブにおいて、複数の束に分割された原稿のうち、最後の束については原稿の枚数が前述の上限値に比べてとても少ない場合があり得る。その他の束についても、ユーザーの手で原稿を複数束に分割する際に、少ない枚数を一束にする可能性がないとはいえない。この態様によれば、読取られた原稿の枚数が少なくて短い時間で原稿読取が終了する場合、ユーザーが操作ユニット105の傍から離れずにいる可能性が高いものとして、その回の原稿読取終了に係る通知を抑制できる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
120:コピアジョブ操作画面、 120b,120c:「試しコピー」ボタン、 121:プリンタージョブ操作画面、 121c:カラーモード、 121e:OKボタン、 121p:試し印刷チェックボックス
Pa、Pb、Pc、Pd:画像ステーション、 R1:シート搬送経路
Claims (7)
- 画像処理ユニットと、
ユーザーによりセットされた複数の原稿を前記画像処理ユニットが読み取る原稿読取のために、前記原稿を順次給送する原稿搬送ユニットと、
複数回に分けて前記原稿搬送ユニットにセットされた原稿を一括出力する原稿読取機能の設定を受付ける設定受付部と、
各回の原稿読取に係るジョブの実行要求を受付けて、原稿読み取りに係るジョブを実行しかつ複数回に分けて読み取られた原稿を一括して出力させるジョブを実行するジョブ制御部と、
原稿読み取りに係るジョブおよび出力に係るジョブの終了をユーザーに知らせる通知ユニットと、
各回の前記原稿読み取りに係るジョブの終了および前記出力に係るジョブの終了を前記通知ユニットに通知させる通知制御部と、を備え、
前記通知制御部は、各回の原稿読取に係るジョブの終了時と出力に係るジョブの終了時の通知とを異ならせる、画像読取装置。 - 前記通知制御部は、各回の原稿読取に係るジョブの終了時と、出力に係るジョブの終了時とは、異なる音で通知する請求項1に記載の画像読取装置。
- 前記通知制御部は、各回の原稿読取に係るジョブの終了時には光の点滅と音で通知し、出力に係るジョブの終了時には前記音とは異なる音で通知する請求項1に記載の画像読取装置。
- 画像処理ユニットと、
ユーザーによるジョブに係る設定を受付ける設定受付部と、
1の機能の実行について原稿読み取りおよび印刷を含む異種の複数のジョブに係る実行要求を受付け、受付けたジョブを前記画像処理ユニットに実行させるジョブ制御部と、
各ジョブの終了をユーザーに知らせる通知ユニットと、
各ジョブの終了のうち、前記1の機能の実行を完了させる種類のジョブの終了は、他の種類のジョブの終了とは異なる光と音の組み合わせ、または異なる音のみのいずれか一方で前記通知ユニットに通知させる通知制御部と、を備える画像読取装置。 - 画像処理ユニットを制御するコンピュータが、
複数回に分けて原稿搬送ユニットにセットされ前記画像処理ユニットに読み取られる原稿を一括出力する原稿読取機能のユーザーによる設定を受付けるステップと、
各回の原稿読取に係るジョブの実行要求を受付け、セットされた原稿を前記原稿搬送ユニットに給送させ、給送された原稿を前記画像処理ユニットに読み取らせるステップと、
出力に係るジョブの実行要求を受付けて、複数の原稿読み取りに係る複数回のジョブと複数回に分けて読み取られた原稿を一括して出力させる出力に係るジョブとを実行するステップと、
前記原稿読取機能を含むジョブに係る各回の原稿読取に係るジョブの終了をユーザーに通知するステップと、
前記原稿読取機能を含むジョブに係る出力に係るジョブの終了を、各回の原稿読取に係るジョブの終了とは異なる方法でユーザーに通知するステップと、を備える画像読取方法。 - 画像処理ユニットを制御するコンピュータが、
スキャナー、プリンター、およびコピーの少なくとも何れかの種類のジョブに係るユーザーによる設定を受付けるステップと、
1の機能の実行について原稿読み取りおよび印刷を含む異種の複数のジョブに係る実行要求を受付け、受付けたジョブを前記画像処理ユニットに実行させるステップと、
各ジョブの終了のうち、前記1の機能の実行を完了させる種類のジョブの終了は、他の種類のジョブの終了とは異なる光と音の組み合わせ、または異なる音のみのいずれか一方で、各ジョブの終了をユーザーに通知するステップと、を備える画像読取方法。 - 請求項1~4の何れかに記載の画像読取装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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