JP7324418B2 - 電動車両のパワーユニット搭載部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、電動車両のパワーユニット搭載部構造に関する。
従来の電動車両は、モータ、ギヤボックス、高電圧部品(電力変換装置)などから構成されるパワーユニットの部品を有している。電力変換装置は、バッテリの出力電力をモータの駆動用の交流電力に変換するデバイスであるインバータを備えており、該インバータは、フロントコンパートメントにおいてカウルパネルの前方に位置している(例えば、特許文献1参照)。
インバータの後部には、インバータの内部に収容されているコンデンサを放電させる放電指令を伝達する信号ケーブルの低電圧コネクタと、バッテリから延びる電力線の高電圧コネクタが取付けられている。カウルパネルには、高電圧コネクタの後方の位置に、当該高電圧コネクタに対向するようにストッパが取付けられており、高電圧コネクタからストッパまでの距離が、低電圧コネクタからその後方のカウルパネルまでの距離よりも短くなっている。これにより、従来の車載構造では、衝突の衝撃でインバータが後退したときに、インバータに接続されているコネクタを保護している。
特開2018-83510号公報
しかしながら、上述した従来の電動車両の車載構造は、低電圧コネクタからカウルパネルまでの距離や高電圧コネクタからストッパまでの距離が短く設定されているので、前突時にインバータの上部がカウルパネルやストッパに衝突すると、パワーユニットが回転し、フロントコンパートメントと車室内とを区切るダッシュパネルと衝突する可能性が高く、ケーブル等を保護するための空間確保が不十分であり、高電圧部品の安全性を確保できないという問題があった。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、支持フレームの後端部に設けた突形状部によって、衝突時にダッシュパネルに固定された搭載部品が支持フレームの上側へ向かって移動するのを防ぎ、支持フレーム上に配置されたパワーユニットの要素部品が搭載部品と接触して損傷するのを防ぐことが可能な電動車両のパワーユニット搭載部構造を提供することにある。
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、パワーユニットが搭載されるパワーユニット搭載部と、該パワーユニット搭載部に配置され、かつ車体部材に取付けられる支持フレームを有し、該支持フレームには前記パワーユニットが設置され、前記パワーユニット搭載部の車両後方側には、前記パワーユニット搭載部と車室内とを区切るダッシュパネルが設けられ、前記支持フレームの後端部よりも車両前方側には、前記パワーユニットを構成する要素部品が配置されている電動車両のパワーユニット搭載部構造において、前記ダッシュパネルには、前記パワーユニット搭載部に配置される搭載部品が固定され、該搭載部品は、車両前面視で前記支持フレームと少なくとも一部が重なる高さに配置され、前記支持フレームの後端部には、前記支持フレームから車両後方に突出する突形状部が前記搭載部品と対向して設けられ、該突形状部は、前記支持フレームを起点にして先端部分が車両上方に位置するように傾斜する形状に形成され、前記突形状部の上端部分は、前記ダッシュパネルに固定された前記搭載部品の下端部よりも車両上下方向で上側に位置しており、前記支持フレームの左右両側には、前記車体部材であって、車両前後方向へ延びるサイドメンバに取付けられるフレームマウントが配置され、該フレームマウントは、前記サイドメンバの前後中心位置に対して前寄り側に設けられ、前記フレームマウントに対して、前記サイドメンバは、後方側部分が前方側部分よりも車両前後方向の長さが長く形成されており、前記搭載部品の前端部は、前記フレームマウントよりも車両後方に位置し、前記突形状部は、車両側面視で、少なくとも前記突形状部の先端部分が前記搭載部品と重なる位置に配置されているとともに、前記突形状部の上端部分が前記搭載部品の水平方向の中心線よりも車両上下方向で上側に位置し、前記搭載部品は、前記パワーユニット搭載部において、前記突形状部に対して車両幅方向外側に配置されている。
たがって、本発明の電動車両のパワーユニット搭載部構造においては、衝突時に支持フレームが車両後方へ移動する際に、ダッシュパネルに固定された搭載部品が突形状部によって支持フレームの下側に移動することになるので、搭載部品が支持フレームの上側へ向かって移動するのを防ぐことができ、支持フレーム上に配置されたパワーユニットの要素部品が搭載部品と接触することによって生じる損傷を低減でき、電力変換装置などの高電圧部品の安全性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る電動車両のモータールーム内を車両上方から見た概略平面図である。 図1におけるモータールーム内を車両側方から見た概略側面図である。 図2におけるモータールーム内に配置された支持フレーム、突形状部及びその周辺部を車両側方から見た拡大側面図である。 図3における支持フレーム及び突形状部と搭載部品の負圧タンクとの位置関係を示す拡大側面図である。 図4における支持フレーム、突形状部及び負圧タンクを車両前方の斜め側方から見た拡大斜視図である。 図4における支持フレーム、突形状部及び負圧タンクを車両上方から見た拡大平面図である。 図6における支持フレーム及び突形状部を車両側方から見た拡大側面図である。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1~図7は本発明の実施形態に係る電動車両のパワーユニット搭載部構造を示すものである。なお、図において、矢印Fr方向は車両前方を示し、矢印O方向は車両外側を示し、矢印U方向は車両上方を示している。また、矢印X方向は車両幅方向を示し、矢印Y方向は車両前後方向を示している。
本実施形態の電動車両のパワーユニット搭載部構造は、図1~図7に示すように、電流変換装置11及びモータユニット12を有するパワーユニット1が搭載されるパワーユニット搭載部Pと、パワーユニット搭載部Pに配置され、かつ後述のサイドメンバやサスペンションフレームなどの車体部材に取付けられる支持フレーム2を有しており、該支持フレーム2には、パワーユニット1が設置されている。パワーユニット搭載部Pは、車両前端部に配置され、車両幅方向に延びるフロントバンバメンバ(図示せず)と、車両前部の左右両側に配置され、車両前後方向に延びるサイドメンバ3と、車両幅方向全体に亘って延び、モータールームMと車室R内とを区切るダッシュパネル4などによって囲まれる箇所に形成されている。
支持フレーム2の上側には、高電圧部品の電流変換装置11が設けられており、電流変換装置11は、支持フレーム2の上部に載せられた状態で締結具などを用いて取付けられている。また、支持フレーム2の下側には、モータユニット12が保持されて設けられており、モータユニット12は、ゴムブッシュなどのマウント部材10を介して支持フレーム2に取付けられており、モータユニット12がトルク変動による揺動や振動を発生する駆動部品であっても、支持フレーム2にリジットに固定されずに設けられている。
本実施形態の支持フレーム2の車両幅方向中央側には、図1に示すように、高電圧部品であるボックス状の電流変換装置11が設けられているとともに、支持フレーム2の車両幅方向外側には、低電圧部材(低電圧バッテリ)13が設けられており、電流変換装置11と低電圧部材13とは、車両幅方向でほぼ横並びに配置されている。また、モータールームM内には、高電圧部品の電流変換装置11と低電圧部材13との間を接続する低電圧ケーブル14が配索されているとともに、車室R外側(床下)に配置された高電圧バッテリ(図示せず)から電流変換装置11への高電圧ケーブル15が配索されており、低電圧ケーブル14は、コントローラ(図示せず)と電流変換装置11との間の信号配線も兼ねている。
また、支持フレーム2の後端よりも車両前方側には、パワーユニット1を構成する電流変換装置11、モータユニット12などの要素部品や低電圧ケーブル14等が配置されている。低電圧ケーブル14は、低電圧部材13から延びて電流変換装置11の車両外側側面部11aに接続されている一方、高電圧ケーブル15は、高電圧バッテリ(図示せず)から延びて電流変換装置11の後部に接続されている。しかも、低電圧ケーブル14は、支持フレーム2上に固定されており、電流変換装置11の車両後方側を通って配索されているとともに、モータールームMの車両後方に位置するダッシュパネル4と電流変換装置11との間に配索されている。そのため、支持フレーム2の車両後側には、L字状ブラケット16が起立した状態で設けられており、このL字状ブラケット16の先端部には、当該L字状ブラケット16に取付けられたクランプ16aを介して低電圧ケーブル14が固定されている。
本実施形態の支持フレーム2は、図1に示すように、電流変換装置11の車両前部側に配置され、車両幅方向に延びる前側フレーム21と、該前側フレーム21の車両後方側に間隔を空けて平行に配置され、車両幅方向に延びる中間フレーム22と、該中間フレーム22の車両後方側に配置され、左右両端部に位置する前端部23aを除くフレーム中間部分が車両幅方向に延びる上面視で略U字状の後側フレーム23とを有しており、後側フレーム23の前端部23aは、車両前方へ延びている。前側フレーム21と中間フレーム22とは、左右両端部が連結部材(図示せず)を介して連結され、後側フレーム23の左右前端部23aは、中間フレーム22に接合されている。
すなわち、本実施形態のパワーユニット搭載部構造において、支持フレーム2の後端部である後側フレーム23と電流変換装置11の後端部との間には、隙間が設けられている。そして、電流変換装置11は、車両上面視で、支持フレーム2を構成する前側フレーム21、中間フレーム22及び後側フレーム23の車両幅方向中央部側に位置し、支持フレーム2の内側に配置されており、低電圧ケーブル14が確実に固定できる構造にしている。
また、図1~図3に示すように、車両上面視で、支持フレーム2を構成する後側フレーム23の後部23bと電流変換装置11の後壁11cとの間の隙間には、所定の長さを有するプロテクタ14Aが設定された低電圧ケーブル14が配索されている。さらに、電流変換装置11の低電圧部材13側に位置する部分は、車両後方へ向かって突出して形成された凸部11Aを有しており、電流変換装置11は、支持フレーム2の外形に対して、車両上面視で所定の間隔を空けて配置されている。そして、低電圧ケーブル14のプロテクタ14Aは、凸部11Aに位置する車両内側側面部11b及び後壁11cに配置されており、ボルト51などの締結具を用いて、プロテクタ14Aの固定片5が電流変換装置11と支持フレーム2の後側フレーム23にブラケット6を介して固定されている。
一方、本実施形態のパワーユニット搭載部構造におけるダッシュパネル4の車両幅方向の側部には、図1~図6に示すように、パワーユニット搭載部P(モータールームMを含む)に面した側に配置される搭載部品(補機類)の負圧タンク7が締結具などによって固定されている。本実施形態の負圧タンク7は、負圧ブレーキ用の負圧を溜める円筒形のタンクであって、タンク中心軸Dが車両幅方向に沿って配置されており、車両前面視で支持フレーム2の後側フレーム23と少なくとも一部が重なる高さに配置されている。なお、負圧タンク7の車両内側の端部中央部には、図6に示すように、当該端部中央部から車両内側の方向に所定の直線長さを有するホース71が接続されており、ホース71の端部は、他の箇所に配置されている負圧ポンプ及びバキュームブースター(図示せず)に接続されている。
さらに、本実施形態のパワーユニット搭載部構造において、支持フレーム2の後端部である後側フレーム23の後部23bには、図1~図7に示すように、後側フレーム23から車両後方に突出する突形状部8が搭載部品の負圧タンク7と対向して設けられており、当該突形状部8は、後側フレーム23の後部23bから負圧タンク7へ向かって突出している。
本実施形態の突形状部8は、開口部が車両下側に配置される断面略逆V字状に屈曲された別部材で構成されており、支持フレーム2を構成する後側フレーム23の後部23bを起点にして先端部分8aが車両上方に位置するように傾斜する形状に形成されているとともに、後端部分8bが後側フレーム23の後部23bの上面及び側面に接合されている。また、突形状部8の上端部分8cは、ダッシュパネル4に固定された負圧タンク7の下端部7aよりも車両上下方向で上側に位置し、突形状部8の下側部分は、負圧タンク7へ向かって上り傾斜の傾斜面部8dとして形成されている。そして、突形状部8の上端部分8cは、負圧タンク7のタンク中心軸Dよりも車両上方に位置している。しかも、突形状部8の上端部分8cの車両後方側は、負圧タンク7のタンク中心軸D及びホース71の軸方向と平行で、かつ傾斜面部8dの一部が重なって位置している。
これによって、前突時(特に、運転席側へのオフセット衝突時)に支持フレーム2の後側フレーム23が車両後方へ移動する場合に、搭載部品の負圧タンク7が突形状部8の先端部分8aの下側に当接しながら後側フレーム23の下側に移動することになり、負圧タンク7が後側フレーム23の上側へ向かうような移動を防げるように構成されている。
本実施形態のパワーユニット搭載部構造における支持フレーム2の左右両側には、図1に示すように、車両前後方向へ延びる車体部材のサイドメンバ3に取付けられるフレームマウント9がそれぞれ配置されている。これらフレームマウント9は、サイドメンバ3の前後中心位置Cに対して前寄り側に設けられており、当該フレームマウント9に対して、サイドメンバ3は、後方側部分31の車両前後方向の長さL1が前方側部分32の車両前後方向の長さL2よりも長く形成されている(L1>L2)。そして、負圧タンク7の前端部7bは、フレームマウント9よりも車両後方に位置している。
しかも、支持フレーム2の突形状部8は、図2~図4に示すように、車両側面視で、少なくとも突形状部8の先端部分8aが負圧タンク7と重なる位置に配置されているとともに、突形状部8の上端部分8cが負圧タンク7の水平方向の中心線D1よりも車両上下方向で上側に位置しており、負圧タンク7は、突形状部8寄りの車両外側に配置されている。
このような位置関係でサイドメンバ3及びフレームマウント9を配置するとともに、負圧タンク7及び突形状部8を配置する理由として、サイドメンバ3は、前突時の衝撃荷重により、概ね車両上方に折れ曲がって衝撃荷重を吸収する構造に構成され、フレームマウント9はサイドメンバ3に取付けられており、支持フレーム2の前端部が前突によって車両上方に移動し、支持フレーム2の後端部である後側フレーム23の後部23bが車両下方に移動して車両後方側へ傾斜する変形を生じるからである。また、車両前方からのオフセット衝突により、支持フレーム2の後側フレーム23が車両幅方向に移動し、もしくは、フレームマウント8を中心に時計方向へ回転した場合でも、搭載部品の負圧タンク7が突形状部8の先端部分8aの下側に当接しながら後側フレーム23の下側に移動し、負圧タンク7が後側フレーム23の上部に乗り上げる事態を防げる構造になるからである。
また、本実施形態のパワーユニット搭載部構造において、支持フレーム2の後端部である後側フレーム23は、図1及び図6に示すように、車両上面視で、中央部分が車両後方へ向かって突出する中央凸状部23cを有している。しかも、突形状部8は、車両上面視で、支持フレーム2の後側フレーム23から斜め後方外側へ向かって突出する形状に形成されているとともに、後側フレーム23の中央凸状部23cの後側角部24に配置されている。後側角部24は、後側フレーム23の車両幅方向に延びる部分と車両前後方向に延びる部分とが会合する箇所に設けられており、負圧タンク7のタンク中心軸Dの延長線に対して交差する傾斜角度で形成されている。そして、後側フレーム23の中央凸状部23cには、パワーユニット1の電流変換装置11が搭載されている一方、負圧タンク7は、中央凸状部23cよりも車両外側の位置で、車体のモ-タールームMに設置されている。
これにより、オフセット衝突時などにおいて車両前方から斜め後方に衝撃荷重を受けた場合に、負圧タンク7が支持フレーム2の後側フレーム23上側に搭載された電流変換装置11、低電圧ケーブル14と接触して破損することが回避できるように構成されている。
さらに、本実施形態のパワーユニット搭載部構造において、支持フレーム2を構成する後側フレーム23の突形状部8との接合部25は、図3~図7に示すように、後側フレーム23の中央凸状部23cの後側角部24に位置し、後側フレーム23の他の部分よりも車両上下方向の寸法が大きく形成されており、接合部25の上面部は、後側フレーム23の他の部分の上面部よりも高い段差部となっている。すなわち、後側フレーム23において、接合部25の車両上下方向の寸法H1は、他の部分の車両上下方向の寸法H2よりも大きくなるように設定されている(H1>H2)。
このような寸法設定で接合部25を後側フレーム23に形成することによって、衝突時に負圧タンク7と当接する突形状部8の取付強度が高められることになり、負圧タンク7が確実に後側フレーム23の下側にガイドされながら移動するように構成されている。
このように、本発明の実施形態に係る電動車両のパワーユニット搭載部構造は、パワーユニット1が搭載されるパワーユニット搭載部Pと、パワーユニット搭載部Pに配置され、かつ車体部材のサイドメンバ3に取付けられる支持フレーム2を有しており、支持フレーム2には、パワーユニット1が設置されている。パワーユニット搭載部Pの車両後方側には、パワーユニット搭載部Pと車室R内とを区切るダッシュパネル4が設けられ、支持フレーム2の後端部よりも車両前方側には、パワーユニット1を構成する要素部品が配置されている。そして、ダッシュパネル4には、パワーユニット搭載部Pに配置される搭載部品の負圧タンク7が固定され、負圧タンク7は、車両前面視で支持フレーム2と少なくとも一部が重なる高さに配置されている。また、支持フレーム2の後端部には、支持フレーム2から車両後方に突出する突形状部8が搭載部品の負圧タンク7と対向して設けられ、突形状部8は、支持フレーム2を起点にして先端部分8aが車両上方に位置するように傾斜する形状に形成されているとともに、突形状部8の上端部分8cは、ダッシュパネル4に固定された負圧タンク7の下端部7bよりも車両上下方向で上側に位置している。
したがって、本実施形態の電動車両のパワーユニット搭載部構造では、車両前方からの衝突時(例えば、オフセット衝突時など)において、支持フレーム2が車両後方へ移動する際に、ダッシュパネル4に固定された搭載部品の負圧タンク7が突形状部8に当接してガイドされながら支持フレーム2の下側に移動することになるので、負圧タンク7が支持フレーム2の上側へ向かって移動するのを効果的に防ぐことができる。その結果、本実施形態に係る電動車両のパワーユニット搭載部構造によれば、支持フレーム2上に配置されたパワーユニット1の要素部品(電力変換装置11、低電圧ケーブル14)が負圧タンク7と接触することで生じる損傷を低減させることができ、電力変換装置11などの高電圧部品の安全性向上を図ることができる。
また、本実施形態の電動車両のパワーユニット搭載部構造において、支持フレーム2の左右両側には、車両前後方向へ延びる車体部材のサイドメンバ3に取付けられるフレームマウント9が配置されており、フレームマウント9は、サイドメンバ3の前後中心位置Cに対して前寄り側に設けられている。そして、サイドメンバ3は、フレームマウント9に対して、後方側部分31が前方側部分32よりも車両前後方向の長さが長く形成されている。さらに、搭載部品である負圧タンク7の前端部7bは、フレームマウント9よりも車両後方に位置し、突形状部8は、車両側面視で、少なくとも突形状部8の先端部分8aが負圧タンク7と重なる位置に配置されているとともに、突形状部8の上端部分8cが負圧タンク7の水平方向の中心線D1よりも車両上下方向で上側に位置している。負圧タンク7は、突形状部8寄りの車両外側に配置されている。
したがって、本実施形態の電動車両のパワーユニット搭載部構造では、車両前方からのオフセット衝突時に、支持フレーム2を構成する後側フレーム23が車両幅方向に移動し、もしくは、フレームマウント9を中心に時計方向へ回転した場合でも、搭載部品の負圧タンク7が突形状部8の先端部分8aの下側に当接してガイドされながら後側フレーム23の下側に移動することになるので、負圧タンク7が後側フレーム23の上部に乗り上げるのを防ぐことができ、パワーユニット1の要素部品と負圧タンク7との接触によって生じるパワーユニット1の要素部品の損傷を低減できる。
さらに、本実施形態の電動車両のパワーユニット搭載部構造において、支持フレーム2の後端部である後側フレーム23は、車両上面視で、中央部分が車両後方へ向かって突出する中央凸状部23cを有し、突形状部8は、車両上面視で、支持フレーム2の後側フレーム23から斜め後方外側へ向かって突出する形状に形成されているとともに、後側フレーム23の中央凸状部23cの後側角部24に配置されている。そして、後側フレーム23の中央凸状部23cには、パワーユニット1の電流変換装置11が搭載され、搭載部品の負圧タンク7は、中央凸状部23cよりも車両外側の位置で車体のモータールームMに設置されている。
したがって、本実施形態のパワーユニット搭載部構造によれば、オフセット衝突時において、サイドメンバ3及び支持フレーム2が車両前方から車両斜め後方へ向かう衝撃荷重を受けた際に、負圧タンク7が後側フレーム23の中央凸状部23c上に搭載された電流変換装置11などに接触して破損するのを回避することができ、電力変換装置11などの高電圧部品の安全性を向上させることができる。
そして、本実施形態の電動車両のパワーユニット搭載部構造において、支持フレーム2を構成する後側フレーム23の突形状部8との接合部25は、後側フレーム23の他の部分よりも車両上下方向の寸法が大きく形成されているので、衝突時に負圧タンク7と当接する突形状部8の取付強度を高めることが可能となり、突形状部8が確実に負圧タンク7を後側フレーム23の下側に移動するようにガイドでき、負圧タンク7と電流変換装置11等との接触を避けることができる。
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
例えば、既述の実施の形態では、支持フレーム2が3つの前側フレーム21、中間フレーム22及び後側フレーム23を有しているが、パワーユニット1を確実に保持し、配索した低電圧ケーブル14等をしっかりと固定できれば、支持フレーム2は、2つもしくは4つ以上のフレームを有していても良い。また、突形状部8は、衝突時において、ダッシュパネル4に固定された負圧タンク7が支持フレーム2の上側へ移動するのを防ぐことができる形状であれば、本実施形態に記載された突形状以外の他の突形状を有していても良い。さらに、既述の実施の形態では、ダッシュパネル4に固定される搭載部品として負圧タンク7が配置されているが、本実施形態の構造は、ダッシュパネル4に固定される部品であれば、負圧タンク7以外の搭載部品に適用することも可能である。
1 パワーユニット
2 支持フレーム
3 サイドメンバ(車体部材)
4 ダッシュパネル
7 負圧タンク(搭載部品)
7a 下端部
7b 前端部
8 突形状部
8a 先端部分
8b 後端部分
8c 上端部分
8d 傾斜面部
9 フレームマウント
21 前側フレーム
22 中間フレーム
23 後側フレーム
23a 前端部
23b 後部
23c 中央凸状部
24 中央凸状部の後側角部
25 後側フレームの突形状部との接合部
31 サイドメンバの後方側部分
32 サイドメンバの前方側部分
C サイドメンバの前後中心位置
D タンク中心軸
D1 負圧タンクの水平方向の中心線
M モータールーム(車体)
P パワーユニット搭載部
R 車室

Claims (3)

  1. パワーユニットが搭載されるパワーユニット搭載部と、該パワーユニット搭載部に配置され、かつ車体部材に取付けられる支持フレームを有し、該支持フレームには前記パワーユニットが設置され、前記パワーユニット搭載部の車両後方側には、前記パワーユニット搭載部と車室内とを区切るダッシュパネルが設けられ、前記支持フレームの後端部よりも車両前方側には、前記パワーユニットを構成する要素部品が配置されている電動車両のパワーユニット搭載部構造において、
    前記ダッシュパネルには、前記パワーユニット搭載部に配置される搭載部品が固定され、該搭載部品は、車両前面視で前記支持フレームと少なくとも一部が重なる高さに配置され、
    前記支持フレームの後端部には、前記支持フレームから車両後方に突出する突形状部が前記搭載部品と対向して設けられ、該突形状部は、前記支持フレームを起点にして先端部分が車両上方に位置するように傾斜する形状に形成され、前記突形状部の上端部分は、前記ダッシュパネルに固定された前記搭載部品の下端部よりも車両上下方向で上側に位置しており、
    前記支持フレームの左右両側には、前記車体部材であって、車両前後方向へ延びるサイドメンバに取付けられるフレームマウントが配置され、該フレームマウントは、前記サイドメンバの前後中心位置に対して前寄り側に設けられ、前記フレームマウントに対して、前記サイドメンバは、後方側部分が前方側部分よりも車両前後方向の長さが長く形成されており、
    前記搭載部品の前端部は、前記フレームマウントよりも車両後方に位置し、前記突形状部は、車両側面視で、少なくとも前記突形状部の先端部分が前記搭載部品と重なる位置に配置されているとともに、前記突形状部の上端部分が前記搭載部品の水平方向の中心線よりも車両上下方向で上側に位置し、
    前記搭載部品は、前記パワーユニット搭載部において、前記突形状部に対して車両幅方向外側に配置されていることを特徴とする電動車両のパワーユニット搭載部構造。
  2. 前記支持フレームの後端部は、車両上面視で、中央部分が車両後方へ向かって突出する中央凸状部を有し、前記突形状部は、車両上面視で、前記支持フレームから斜め後方外側へ向かって突出する形状に形成されているとともに、前記支持フレームの前記中央凸状部の後側角部に配置され、
    前記支持フレームの前記中央凸状部には、前記パワーユニットの電流変換装置が搭載されている一方、前記パワーユニット搭載部に配置される前記搭載部品は、前記中央凸状部に対して車両幅方向外側の位置で車体に設置されていることを特徴とする請求項に記載の電動車両のパワーユニット搭載部構造。
  3. 前記支持フレームの前記突形状部との接合部は、前記支持フレームの他の部分よりも車両上下方向の寸法が大きく形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動車両のパワーユニット搭載部構造。
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