JP7323865B2 - 感放射線性樹脂組成物及びパターン形成方法 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物及びパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物及びパターン形成方法に関する。
半導体素子における微細な回路形成にレジスト組成物を用いるフォトリソグラフィー技術が利用されている。代表的な手順として、例えば、レジスト組成物の被膜に対するマスクパターンを介した放射線照射による露光で酸を発生させ、その酸を触媒とする反応により露光部と未露光部とにおいて樹脂のアルカリ系や有機系の現像液に対する溶解度の差を生じさせることで、基板上にレジストパターンを形成する。
上記フォトリソグラフィー技術ではArFエキシマレーザー等の短波長の放射線を利用したり、さらに露光装置のレンズとレジスト膜との間の空間を液状媒体で満たした状態で露光を行う液浸露光法(リキッドイマージョンリソグラフィー)を用いたりしてパターン微細化を推進している。
さらなる技術進展に向けた取り組みが進む中、レジスト組成物にクエンチャー(拡散制御剤)を配合し、未露光部まで拡散した酸を塩交換反応により捕捉してArF露光によるリソグラフィー性能を向上させる技術が提案されている(特許文献1)。また、次世代技術として、電子線、X線及びEUV(極端紫外線)等のより短波長の放射線を用いたリソグラフィーも検討されつつある。
特許第5556765号公報
こうした次世代技術への取り組みの中でも、感度やライン幅やホール径の均一性の指標であるクリティカルディメンションユニフォーミティー(CDU)性能、レジストパターンの線幅のバラつきを示すラインウィドゥスラフネス(LWR)性能等の点で従来と同等以上のレジスト諸性能が要求される。しかしながら、既存の感放射線性樹脂組成物ではそれらの特性は十分なレベルで得られていない。
本発明は、感度やCDU性能、LWR性能を十分なレベルで発揮可能な感放射線性樹脂組成物及びパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、本課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記構成を採用することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、一実施形態において、下記式(1)で表されるオニウム塩化合物(以下、「化合物(1)」ともいう。)と、
酸解離性基を有する構造単位を含む樹脂と、
溶剤と
を含む感放射線性樹脂組成物に関する。
Figure 0007323865000001
(上記式(1)中、
は置換又は非置換のn価の有機基である。
nは1又は2である。
nが1である場合、Rは、置換又は非置換の1価の有機基であるか、又はR及びRは互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3~20の2価の環状構造の一部である。nが2である場合、2つのRは、それぞれ独立して、置換又は非置換の1価の有機基であるか、又は2つのRは互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数5~20の2価の環状構造の一部である。
は、1価のオニウムカチオンである。ただし、RとRの炭素数の合計は3以上である。)
当該感放射線性樹脂組成物は、クエンチャー(酸拡散制御剤)として化合物(1)を含むので、レジストパターン形成の際に優れた感度やCDU性能、LWR性能を発揮することができる。この理由としては、いかなる理論にも束縛されないものの、次のように推察される。カルボン酸アニオンに隣接する炭素原子にヒドロキシ基が結合することで、5員環の分子内水素結合が形成され、その結果、他の骨格での6員環の分子内水素結合を形成する場合と比較し、塩基性が相対的に強まり、これにより発生酸との塩交換を促進することが挙げられる。当該作用により、化合物(1)の未露光部での酸拡散制御能が向上し、優れたレジスト諸性能を発揮することができると推測される。なお、有機基とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
本発明は、別の実施形態において、 基板上に直接又は間接に感放射線性樹脂組成物を塗布してレジスト膜を形成する工程と、
上記レジスト膜を露光する工程と、
露光された上記レジスト膜を現像液で現像する工程と
を含むパターン形成方法であって、
上記感放射線性樹脂組成物が、
下記式(1)で表されるオニウム塩化合物と、
酸解離性基を有する構造単位を含む樹脂と、
溶剤と
を含むパターン形成方法に関する。
Figure 0007323865000002
(上記式(1)中、
は置換又は非置換のn価の有機基である。
nは1又は2である。
nが1である場合、Rは、置換又は非置換の1価の有機基であるか、又はR及びRは互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3~20の2価の環状構造の一部である。nが2である場合、2つのRは、それぞれ独立して、置換又は非置換の1価の有機基であるか、又は2つのRは互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数5~20の2価の環状構造の一部である。
は、1価のオニウムカチオンである。ただし、RとRの炭素数の合計は3以上である。)
当該パターン形成方法では、感度、CDU性能及びLWR性能に優れる上記感放射線性樹脂組成物を用いているので、高品位のレジストパターンを効率的に形成することができる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
<感放射線性樹脂組成物>
本実施形態に係る感放射線性樹脂組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、化合物(1)、樹脂及び溶剤を含む。さらに必要に応じて、感放射線性酸発生剤を含む。上記組成物は、本発明の効果を損なわない限り、他の任意成分を含んでいてもよい。
(化合物(1))
化合物(1)は、露光前又は未露光部における酸を捕捉するクエンチャー(「光崩壊性塩基」、「酸拡散制御剤」とも称される。)として機能し得る。化合物(1)は、下記式(1)で表される。
Figure 0007323865000003
(上記式(1)中、
は置換又は非置換のn価の有機基である。
nは1又は2である。
nが1である場合、Rは、置換又は非置換の1価の有機基であるか、又はR及びRは互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3~20の2価の環状構造の一部である。nが2である場合、2つのRは、それぞれ独立して、置換又は非置換の1価の有機基であるか、又は2つのRは互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数5~20の2価の環状構造の一部である。
は、1価のオニウムカチオンである。ただし、RとRの炭素数の合計は3以上である。)
化合物(1)を含むことにより、感放射線性樹脂組成物に高いレベルでの感度、CDU性能及びLWR性能を付与することができる
上記式(1)中、上記nが1又は2である場合、R及びRで表される置換又は非置換の1価の有機基としては特に限定されず、鎖状構造、環状構造又はこれらの組み合わせのいずれであってもよい。上記鎖状構造としては、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖のいずれをも問わない鎖状炭化水素基が挙げられる。上記環状構造としては、脂環式、芳香族又は複素環式のいずれをも問わない環状炭化水素基が挙げられる。また、鎖状構造を有する基や環状構造を有する基が含む水素原子の一部又は全部を置換基で置換した基、これらの基の炭素-炭素間に、CO、CS、O、S、SO若しくはNR’、又はこれらのうちの2種以上を組み合わせて含む基等も挙げられる。中でも、置換又は非置換の1価の有機基としては、置換若しくは非置換の炭素数1~20の1価の鎖状炭化水素基、置換若しくは非置換の炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基、又は置換若しくは非置換の炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基が好ましい。
上記有機基が有する水素原子の一部又は全部を置換する置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;カルボキシ基;シアノ基;ニトロ基;アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基又はこれらの基の水素原子をハロゲン原子で置換した基;オキソ基(=O)等が挙げられる。
上記炭素数1~20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば、炭素数1~20の直鎖若しくは分岐鎖飽和炭化水素基、又は炭素数1~20の直鎖若しくは分岐鎖不飽和炭化水素基等を挙げることができる。炭素数は1以上であればよいものの、下限としては2が好ましく、3がより好ましく、4がさらに好ましい。炭素数の上限としては18が好ましく、16がより好ましく、14がさらに好ましく、12が特に好ましい。
中でも、上記鎖状炭化水素基は、置換若しくは非置換の炭素数1~10の直鎖又は分岐鎖炭化水素基であることが好ましい。これにより、化合物(1)の拡散長制御性や5員環水素結合の形成性、溶剤への溶解性等を良好に発揮することができる。
上記炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、単環若しくは多環の飽和炭化水素基、又は単環若しくは多環の不飽和炭化水素基等が挙げられる。単環の飽和炭化水素基としてはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が好ましい。多環のシクロアルキル基としてはノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の有橋脂環式炭化水素基が好ましい。なお、有橋脂環式炭化水素基とは、脂環を構成する炭素原子のうち互いに隣接しない2つの炭素原子間が1つ以上の炭素原子を含む結合連鎖で結合された多環性の脂環式炭化水素基をいう。
中でも、上記脂環式炭化水素基は、置換若しくは非置換の炭素数3~10の単環脂環式基又は置換若しくは非置換の炭素数6~14の多環脂環式基であることが好ましい。これにより、化合物(1)の拡散長制御性や5員環水素結合の形成性、溶剤への溶解性等を高いレベルで発揮することができる。
上記炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記nが1である場合、上記R及びRが互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3~20の2価の環状構造としては、上記炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基、又は上記炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基からさらに水素原子を1個取り除いた基を好適に挙げることができる。
上記nが2である場合、上記2つのRが互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数5~20の2価の環状構造としては、上記炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基、又は上記炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基からさらに水素原子を1個取り除いた基のうち炭素数が5~20である基を好適に挙げることができる。
上記複素環式の環状炭化水素基としては、芳香族複素環構造から水素原子を1個取り除いた基及び脂環複素環構造から水素原子を1個取り除いた基が挙げられる。ヘテロ原子を導入することで芳香族性を有する5員環の芳香族構造も複素環構造に含まれる。ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
上記芳香族複素環構造としては、例えば
フラン、ピラン、ベンゾフラン、ベンゾピラン等の酸素原子含有芳香族複素環構造;
ピロール、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナジン、カルバゾール等の窒素原子含有芳香族複素環構造;
チオフェン等の硫黄原子含有芳香族複素環構造;
チアゾール、ベンゾチアゾール、チアジン、オキサジン等の複数のヘテロ原子を含有する芳香族複素環構造等が挙げられる。
上記脂環複素環構造としては、例えば
オキシラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキソラン、ジオキサン等の酸素原子含有脂環複素環構造;
アジリジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン等の窒素原子含有脂環複素環構造;
チエタン、チオラン、チアン等の硫黄原子含有脂環複素環構造;
モルホリン、1,2-オキサチオラン、1,3-オキサチオラン等の複数のヘテロ原子を含有する脂環複素環構造等が挙げられる。
上記ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造としては、例えば下記式(H-1)~(H-9)で表される構造等が挙げられる。
Figure 0007323865000004
上記式中、mは1~3の整数である。
上記式(1)において、nが1であり、R及びRは、それぞれ独立して、置換又は非置換の1価の有機基であることが、カルボン酸アニオンの共鳴構造の点から好ましい。
上記式(1)において、RとRの炭素数の合計は、化合物(1)の拡散長制御性や5員環水素結合の形成性(すなわち化合物(1)の塩基性)、溶剤への溶解性等の観点から、5以上であることが好ましい。上記RとRの炭素数の合計の下限は、6がより好ましく、7がさらに好ましく、8が特に好ましい。上記RとRの炭素数の合計の上限は、25が好ましく、22がさらに好ましく、20が特に好ましい。
上記1価のオニウムカチオンとしては、例えば、S、I、O、N、P、Cl、Br、F、As、Se、Sn、Sb、Te、Bi等の元素を含む放射線分解性オニウムカチオンが挙げられ、例えばスルホニウムカチオン、テトラヒドロチオフェニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ジアゾニウムカチオン、ピリジニウムカチオン等が挙げられる。中でも、スルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンが好ましい。スルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンは、好ましくは下記式(X-1)~(X-5)で表される。
Figure 0007323865000005
Figure 0007323865000006
Figure 0007323865000007
Figure 0007323865000008
Figure 0007323865000009
Figure 0007323865000010
上記式(X-1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1~12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基若しくはアルコキシカルボニルオキシ基、置換若しくは非置換の炭素数3~12の単環若しくは多環のシクロアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6~12の芳香族炭化水素基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、-OSO-R、-SO-R若しくは-S-Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。当該環構造は骨格を形成する炭素-炭素結合間にOやS等のヘテロ原子を含んでいてもよい。R、R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1~12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5~25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6~12の芳香族炭化水素基である。k1、k2及びk3は、それぞれ独立して0~5の整数である。Ra1~Ra3並びにR、R及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRa1~Ra3並びにR、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(X-2)中、Rb1は、置換若しくは非置換の炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基若しくはアルコキシ基、置換若しくは非置換の炭素数2~8のアシル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6~8の芳香族炭化水素基、又はヒドロキシ基である。nは0又は1である。nが0のとき、k4は0~4の整数であり、nが1のとき、k4は0~7の整数である。Rb1が複数の場合、複数のRb1は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb1は、互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。Rb2は、置換若しくは非置換の炭素数1~7の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6若しくは7の芳香族炭化水素基である。Lは単結合又は2価の連結基である。k5は、0~4の整数である。Rb2が複数の場合、複数のRb2は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb2は互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。qは、0~3の整数である。式中、Sを含む環構造は骨格を形成する炭素-炭素結合間にOやS等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
上記式(X-3)中、Rc1、Rc2及びRc3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1~12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6~12の芳香族炭化水素基である。
上記式(X-4)中、Rg1は、置換若しくは非置換の炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基若しくはアルコキシ基、置換若しくは非置換の炭素数2~8のアシル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6~8の芳香族炭化水素基、又はヒドロキシ基である。nは0又は1である。nk2が0のとき、k10は0~4の整数であり、nk2が1のとき、k10は0~7の整数である。Rg1が複数の場合、複数のRg1は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRg1は、互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。Rg2は及びRg3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1~12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基若しくはアルコキシカルボニルオキシ基、置換若しくは非置換の炭素数3~12の単環若しくは多環のシクロアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6~12の芳香族炭化水素基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であるか、又はこれらの基が互いに合わせられ構成される環構造を表す。k11及びk12は、それぞれ独立して0~4の整数である。Rg2は及びRg3がそれぞれ複数の場合、複数のRg2は及びRg3はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(X-5)中、Rd1及びRd2は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1~12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基若しくはアルコキシカルボニル基、置換若しくは非置換の炭素数6~12の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、炭素数1~4のハロゲン化アルキル基、ニトロ基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。k6及びk7は、それぞれ独立して0~5の整数である。Rd1及びRd2がそれぞれ複数の場合、複数のRd1及びRd2はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(X-6)中、Re1及びRe2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、置換若しくは非置換の炭素数1~12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6~12の芳香族炭化水素基である。k8及びk9は、それぞれ独立して0~4の整数である。
化合物(1)は、上記鎖状構造を有する基、上記環状構造を有する基又はこれらの組み合わせを含む任意のアニオン部分と、上記1価のオニウムカチオンとの組み合わせで形成される。化合物(1)の具体例としては、下記式(1-1)~(1-29)が好適に挙げられる。
Figure 0007323865000011
Figure 0007323865000012
Figure 0007323865000013
中でも、上記式(1-1)~(1-20)、(1-27)で表される化合物(1)が好ましい。
本実施形態に係る感放射線性樹脂組成物における化合物(1)の含有量は、後述の樹脂100質量部に対し0.05質量部以上30質量部以下であることが好ましい。上記含有量の上限は25質量部がより好ましく、20質量部がさらに好ましく、15質量部が特に好ましい。上記含有量の下限は、0.1質量部がより好ましく、0.2質量部がさらに好ましい。化合物(1)の含有量は、使用する樹脂の種類、露光条件や求められる感度、後述する感放射線性酸発生剤の種類や含有量に応じて適宜選択される。これによりレジストパターン形成の際に優れた感度やCDU性能、LWR性能を発揮することができる。
(化合物(1)の合成方法)
化合物(1)は、代表的には、下記スキームに沿って合成することができる。
Figure 0007323865000014
(式中、R、R及びXは上記式(1)と同義である。TMSCNはトリメチルシリルシアニドである。Zはハロゲン化物イオンである。)
上記式(1)においてnが1の場合、化合物(1)のアニオン部分におけるR及びRに対応する構造を有するケトンとトリメチルシリルシアニドとを反応させてヒドロキシ基がトリメチルシリル基で保護されたシアノヒドリン誘導体を生成する。次いで、酸によりシアノヒドリン誘導体を加水分解して、カルボン酸誘導体を生成する。最後に得られたカルボン酸誘導体とオニウムカチオン部分に対応するオニウムカチオンハロゲン化物と反応させて塩交換を進行させることにより目的の化合物(1)を合成することができる。上記式(1)においてnが2の場合、出発原料として分子内にケトンを2つ有するジケトン体を用い、以降の工程を上記スキームに沿って進めることで化合物(1)を合成することができる。他の構造を有する化合物(1)についても同様にアニオン部分及びオニウムカチオン部分に対応する前駆体を適宜選択することで合成することができる。
(樹脂)
樹脂は、酸解離性基を含む構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有する重合体の集合体である(以下、この樹脂を「ベース樹脂」ともいう。)。「酸解離性基」とは、カルボキシ基、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、スルホ基等が有する水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。当該感放射線性樹脂組成物は、樹脂が構造単位(I)を有することで、パターン形成性に優れる。
ベース樹脂は、構造単位(I)以外にも、後述するラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位(II)を有することが好ましく、構造単位(I)及び(II)以外のその他の構造単位を有していてもよい。以下、各構造単位について説明する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、酸解離性基を含む構造単位である。構造単位(I)としては、酸解離性基を含む限り特に限定されず、例えば、第三級アルキルエステル部分を有する構造単位、フェノール性水酸基の水素原子が第三級アルキル基で置換された構造を有する構造単位、アセタール結合を有する構造単位等が挙げられるが、当該感放射線性樹脂組成物のパターン形成性の向上の観点から、下記式(2)で表される構造単位(以下、「構造単位(I-1)」ともいう)が好ましい。
Figure 0007323865000015
上記式(2)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、炭素数1~20の1価の炭化水素基である。R及びR10は、それぞれ独立して、炭素数1~10の1価の鎖状炭化水素基若しくは炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3~20の2価の脂環式基を表す。
上記Rとしては、構造単位(I-1)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子、メチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記Rで表される炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1~10の鎖状炭化水素基、炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記R~R10で表される炭素数1~10の鎖状炭化水素基としては、炭素数1~10の直鎖若しくは分岐鎖飽和炭化水素基、又は炭素数1~10の直鎖若しくは分岐鎖不飽和炭化水素基が挙げられる。
上記R~R10で表される炭素数3~20の脂環式炭化水素基としては、単環若しくは多環の飽和炭化水素基、又は単環若しくは多環の不飽和炭化水素基が挙げられる。単環の飽和炭化水素基としてはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が好ましい。多環のシクロアルキル基としてはノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の有橋脂環式炭化水素基が好ましい。なお、有橋脂環式炭化水素基とは、脂環を構成する炭素原子のうち互いに隣接しない2つの炭素原子間が1つ以上の炭素原子を含む結合連鎖で結合された多環性の脂環式炭化水素基をいう。
上記Rで表される炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
上記Rとしては、炭素数1~10の直鎖又は分岐鎖飽和炭化水素基、炭素数3~20の脂環式炭化水素基が好ましい。
上記R及びR10で表される鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3~20の2価の脂環式基は、上記炭素数の単環又は多環の脂環式炭化水素の炭素環を構成する同一炭素原子から2個の水素原子を除いた基であれば特に限定されない。単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基のいずれでもよく、多環式炭化水素基としては、有橋脂環式炭化水素基及び縮合脂環式炭化水素基のいずれでもよく、飽和炭化水素基及び不飽和炭化水素基のいずれでもよい。なお、縮合脂環式炭化水素基とは、複数の脂環が辺(隣接する2つの炭素原子間の結合)を共有する形で構成された多環性の脂環式炭化水素基をいう。
単環の脂環式炭化水素基のうち飽和炭化水素基としては、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、シクロヘプタンジイル基、シクロオクタンジイル基等が好ましく、不飽和炭化水素基としてはシクロペンテンジイル基、シクロヘキセンジイル基、シクロヘプテンジイル基、シクロオクテンジイル基、シクロデセンジイル基等が好ましい。多環の脂環式炭化水素基としては、有橋脂環式飽和炭化水素基が好ましく、例えばビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,2-ジイル基(ノルボルナン-2,2-ジイル基)、ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,2-ジイル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン-2,2-ジイル基(アダマンタン-2,2-ジイル基)等が好ましい。
これらの中で、Rは炭素数1~4のアルキル基であり、R及びR10が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される脂環構造が多環又は単環のシクロアルカン構造であることが好ましい
構造単位(I-1)としては、例えば、下記式(3-1)~(3-6)で表される構造単位(以下、「構造単位(I-1-1)~(I-1-6)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 0007323865000016
上記式(3-1)~(3-6)中、R~R10は、上記式(2)と同義である。i及びjは、それぞれ独立して、1~4の整数である。k及びlは0又は1である。
i及びjとしては、1が好ましい。Rとしては、メチル基、エチル基又はイソプロピル基が好ましい。R及びR10としては、メチル基又はエチル基が好ましい。
ベース樹脂は、構造単位(I)を1種又は2種以上組み合わせて含んでいてもよい。
構造単位(I)の含有割合(複数種含む場合は合計の含有割合)の下限としては、ベース樹脂を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、15モル%がより好ましく、20モル%がさらに好ましく、30モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、65モル%がさらに好ましく、60モル%が特に好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のパターン形成性をより向上させることができる。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位である。ベース樹脂は、構造単位(II)をさらに有することで、現像液への溶解性を調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物は、解像性等のリソグラフィー性能を向上させることができる。また、ベース樹脂から形成されるレジストパターンと基板との密着性を向上させることができる。
構造単位(II)としては、例えば、下記式(T-1)~(T-10)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 0007323865000017
上記式中、RL1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。RL2~RL5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基、ジメチルアミノ基である。RL4及びRL5は、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3~8の2価の脂環式基であってもよい。Lは、単結合又は2価の連結基である。Xは、酸素原子又はメチレン基である。kは0~3の整数である。mは1~3の整数である。
上記RL4及びRL5が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3~8の2価の脂環式基としては、上記式(2)中のR及びR10で表される鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3~20の2価の脂環式基のうち炭素数が3~8の基が挙げられる。この脂環式基上の1つ以上の水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。
上記Lで表される2価の連結基としては、例えば、炭素数1~10の2価の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基、炭素数4~12の2価の脂環式炭化水素基、又はこれらの炭化水素基の1個以上と-CO-、-O-、-NH-及び-S-のうちの少なくとも1種の基とから構成される基等が挙げられる。
構造単位(II)としては、これらの中で、ラクトン構造を含む構造単位が好ましく、ノルボルナンラクトン構造を含む構造単位がより好ましく、ノルボルナンラクトン-イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がさらに好ましい。
構造単位(II)の含有割合の下限としては、ベース樹脂を構成する全構造単位に対して、20モル%が好ましく、25モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、75モル%がより好ましく、70モル%がさらに好ましい。構造単位(II)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物は解像性等のリソグラフィー性能及び形成されるレジストパターンの基板との密着性をより向上させることができる。
[その他の構造単位]
ベース樹脂は、上記構造単位(I)及び(II)以外にも、その他の構造単位を任意で有する。上記その他の構造単位としては、例えば、極性基を含む構造単位等が挙げられる(但し、構造単位(II)に該当するものを除く)。ベース樹脂は、極性基を含む構造単位をさらに有することで、現像液への溶解性を調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物の解像性等のリソグラフィー性能を向上させることができる。上記極性基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、スルホンアミド基等が挙げられる。これらの中で、ヒドロキシ基、カルボキシ基が好ましく、ヒドロキシ基がより好ましい。
この極性基を有する構造単位としては、例えば、下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 0007323865000018
上記式中、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
上記ベース樹脂が上記極性基を有する構造単位を有する場合、上記極性基を有する構造単位の含有割合の下限としては、ベース樹脂を構成する全構造単位に対して、5モル%が好ましく、8モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、40モル%が好ましく、35モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましい。極性基を有する構造単位の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の解像性等のリソグラフィー性能をさらに向上させることができる。
ベース樹脂は、その他の構造単位として、上記極性基を有する構造単位以外に、ヒドロキシスチレンに由来する構造単位又はフェノール性水酸基を有する構造単位(以下、両者を合わせて「構造単位(III)」ともいう。)を任意で有する。構造単位(III)はエッチング耐性の向上と、露光部と未露光部との間の現像液溶解性の差(溶解コントラスト)の向上に寄与する。特に、電子線やEUVといった波長50nm以下の放射線による露光を用いるパターン形成に好適に適用することができる。この場合、樹脂は、構造単位(III)とともに構造単位(I)を有することが好ましい。
この場合、重合時にはアルカリ解離性基等の保護基によりフェノール性水酸基を保護した状態で重合させておき、その後加水分解を行って脱保護することにより構造単位(III)を得るようにすることが好ましい。加水分解により構造単位(III)を与える構造単位としては、下記式(4-1)、(4-2)で表されることが好ましい。
Figure 0007323865000019
上記式(4-1)、(4-2)中、R11は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R12は、炭素数1~20の1価の炭化水素基又はアルコキシ基である。R12の炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、構造単位(I)におけるRの炭素数1~20の1価の炭化水素基が挙げられる。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基及びtert-ブトキシ基等が挙げられる。
上記R12としては、アルキル基及びアルコキシ基が好ましく、中でもメチル基、tert-ブトキシ基がより好ましい。
波長50nm以下の放射線による露光用の樹脂の場合、構造単位(III)の含有割合の下限としては、樹脂を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましい。上記含有割合の上限としては、70モル%が好ましく、60モル%がより好ましい。
(ベース樹脂の合成方法)
ベース樹脂は、例えば、各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶剤中で重合することにより合成できる。
上記ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’-アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤等が挙げられる。これらの中で、AIBN、ジメチル2,2’-アゾビスイソブチレートが好ましく、AIBNがより好ましい。これらのラジカル開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記重合に使用される溶剤としては、例えば
n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸i-ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、4-メチル-2-ペンタノン、2-ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、4-メチル-2-ペンタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの重合に使用される溶剤は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
上記重合における反応温度としては、通常40℃~150℃であり、50℃~120℃が好ましい。反応時間としては、通常1時間~48時間であり、1時間~24時間が好ましい。
ベース樹脂の分子量は特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が1,000以上50,000以下が好ましく、2,000以上30,000以下がより好ましく、3,000以上15,000以下がさらに好ましく、4,000以上12,000以下が特に好ましい。ベース樹脂のMwが上記下限未満だと、得られるレジスト膜の耐熱性が低下する場合がある。ベース樹脂のMwが上記上限を超えると、レジスト膜の現像性が低下する場合がある。
ベース樹脂のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)は、通常、1以上5以下であり、1以上3以下が好ましく、1以上2以下がさらに好ましい。
本明細書における樹脂のMw及びMnは、以下の条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される値である。
GPCカラム:G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本(以上、東ソー製)
カラム温度:40℃
溶出溶剤:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
ベース樹脂の含有割合としては、当該感放射線性樹脂組成物の全固形分に対して、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、85質量%以上がさらに好ましい。
(他の樹脂)
本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、他の樹脂として、上記ベース樹脂よりもフッ素原子の質量含有率が大きい樹脂(以下、「高フッ素含有量樹脂」ともいう。)を含んでいてもよい。当該感放射線性樹脂組成物が高フッ素含有量樹脂を含有する場合、上記ベース樹脂に対してレジスト膜の表層に偏在化させることができ、その結果、液浸露光時のレジスト膜の表面の撥水性を高めることができる。
高フッ素含有量樹脂としては、例えば下記式(5)で表される構造単位(以下、「構造単位(IV)」ともいう。)を有することが好ましく、必要に応じて上記ベース樹脂における構造単位(I)や構造単位(II)を有していてもよい。
Figure 0007323865000020
上記式(5)中、R13は、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Gは、単結合、酸素原子、硫黄原子、-COO-、-SOONH-、-CONH-又は-OCONH-である。R14は、炭素数1~20の1価のフッ素化鎖状炭化水素基又は炭素数3~20の1価のフッ素化脂環式炭化水素基である。
上記R13としては、構造単位(IV)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記Gとしては、構造単位(IV)を与える単量体の共重合性の観点から、単結合及び-COO-が好ましく、-COO-がより好ましい。
上記R14で表される炭素数1~20の1価のフッ素化鎖状炭化水素基としては、炭素数1~20の直鎖又は分岐鎖アルキル基が有する水素原子の一部又は全部がフッ素原子により置換されたものが挙げられる。
上記R14で表される炭素数3~20の1価のフッ素化脂環式炭化水素基としては、炭素数3~20の単環又は多環式炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部がフッ素原子により置換されたものが挙げられる。
上記R14としては、フッ素化鎖状炭化水素基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましく、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロピル基及び5,5,5-トリフルオロ-1,1-ジエチルペンチル基がさらに好ましい。
高フッ素含有量樹脂が構造単位(IV)を有する場合、構造単位(IV)の含有割合の下限としては、高フッ素含有量樹脂を構成する全構造単位に対して、30モル%が好ましく、35モル%がより好ましく、40モル%がさらに好ましく、45モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、85モル%がより好ましく、80モル%がさらに好ましい。構造単位(IV)の含有割合を上記範囲とすることで、高フッ素含有量樹脂のフッ素原子の質量含有率をより適度に調整してレジスト膜の表層への偏在化をさらに促進することができ、その結果、液浸露光時のレジスト膜の撥水性をより向上させることができる。
高フッ素含有量樹脂は、構造単位(IV)とともに又は構造単位(IV)に代えて、下記式(f-2)で表されるフッ素原子含有構造単位(以下、構造単位(V)ともいう。)を有していてもよい。高フッ素含有量樹脂は構造単位(f-2)を有することで、アルカリ現像液への溶解性が向上し、現像欠陥の発生を抑制することができる。
Figure 0007323865000021
構造単位(V)は、(x)アルカリ可溶性基を有する場合と、(y)アルカリの作用により解離してアルカリ現像液への溶解性が増大する基(以下、単に「アルカリ解離性基」とも言う。)を有する場合の2つに大別される。(x)、(y)双方に共通して、上記式(f-2)中、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは単結合、炭素数1~20の(s+1)価の炭化水素基、この炭化水素基のR側の末端に酸素原子、硫黄原子、-NRdd-、カルボニル基、-COO-若しくは-CONH-が結合された構造、又はこの炭化水素基が有する水素原子の一部がヘテロ原子を有する有機基により置換された構造である。Rddは、水素原子又は炭素数1~10の1価の炭化水素基である。sは、1~3の整数である。
構造単位(V)が(x)アルカリ可溶性基を有する場合、Rは水素原子であり、Aは酸素原子、-COO-*又は-SOO-*である。*はRに結合する部位を示す。Wは単結合、炭素数1~20の炭化水素基又は2価のフッ素化炭化水素基である。Aが酸素原子である場合、WはAが結合する炭素原子にフッ素原子又はフルオロアルキル基を有するフッ素化炭化水素基である。Rは単結合又は炭素数1~20の2価の有機基である。sが2又は3の場合、複数のR、W、A及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。構造単位(V)が(x)アルカリ可溶性基を有することで、アルカリ現像液に対する親和性を高め、現像欠陥を抑制することができる。(x)アルカリ可溶性基を有する構造単位(V)としては、Aが酸素原子でありWが1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-メタンジイル基である場合が特に好ましい。
構造単位(V)が(y)アルカリ解離性基を有する場合、Rは炭素数1~30の1価の有機基であり、Aは酸素原子、-NRaa-、-COO-*又は-SOO-*である。Raaは水素原子又は炭素数1~10の1価の炭化水素基である。*はRに結合する部位を示す。Wは単結合又は炭素数1~20の2価のフッ素化炭化水素基である。Rは、単結合又は炭素数1~20の2価の有機基である。Aが-COO-*又は-SOO-*である場合、W又はRはAと結合する炭素原子又はこれに隣接する炭素原子上にフッ素原子を有する。Aが酸素原子である場合、W、Rは単結合であり、Rは炭素数1~20の炭化水素基のR側の末端にカルボニル基が結合された構造であり、Rはフッ素原子を有する有機基である。sが2又は3の場合、複数のR、W、A及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。構造単位(V)が(y)アルカリ解離性基を有することにより、アルカリ現像工程においてレジスト膜表面が疎水性から親水性へと変化する。この結果、現像液に対する親和性を大幅に高め、より効率的に現像欠陥を抑制することができる。(y)アルカリ解離性基を有する構造単位(V)としては、Aが-COO-*であり、R若しくはW又はこれら両方がフッ素原子を有するものが特に好ましい。
としては、構造単位(V)を与える単量体の共重合性等の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
が2価の有機基である場合、ラクトン構造を有する基が好ましく、多環のラクトン構造を有する基がより好ましく、ノルボルナンラクトン構造を有する基がより好ましい。
高フッ素含有量樹脂が構造単位(V)を有する場合、構造単位(V)の含有割合の下限としては、高フッ素含有量樹脂を構成する全構造単位に対して、40モル%が好ましく、50モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、95モル%が好ましく、90モル%がより好ましく、85モル%がさらに好ましい。構造単位(V)の含有割合を上記範囲とすることで、液浸露光時のレジスト膜の撥水性をより向上させることができる。
高フッ素含有量樹脂のMwの下限としては、1,000が好ましく、2,000がより好ましく、3,000がさらに好ましく、5,000が特に好ましい。上記Mwの上限としては、50,000が好ましく、30,000がより好ましく、20,000がさらに好ましく、15,000が特に好ましい。
高フッ素含有量樹脂のMw/Mnの下限としては、通常1であり、1.1がより好ましい。上記Mw/Mnの上限としては、通常5であり、3が好ましく、2がより好ましく、1.7がさらに好ましい。
高フッ素含有量樹脂の含有量の下限としては、当該感放射線性樹脂組成物中の全固形分に対して、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましく、1.5質量%がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、20質量%が好ましく、15質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましく、7質量%が特に好ましい。
高フッ素含有量樹脂の含有量の下限としては、上記ベース樹脂100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましく、1.5質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、15質量部が好ましく、10質量部がより好ましく、8質量部がさらに好ましく、6質量部が特に好ましい。
高フッ素含有量樹脂の含有量を上記範囲とすることで、高フッ素含有量樹脂をレジスト膜の表層へより効果的に偏在化させることができ、その結果、液浸露光時におけるレジスト膜の表面の撥水性をより高めることができる。当該感放射線性樹脂組成物は、高フッ素含有量樹脂を1種又は2種以上含有していてもよい。
(高フッ素含有量樹脂の合成方法)
高フッ素含有量樹脂は、上述のベース樹脂の合成方法と同様の方法により合成することができる。
(感放射線性酸発生剤)
本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、露光により、化合物(1)から発生する酸よりpKaが小さい酸、すなわち相対的に強い酸を発生する感放射線性酸発生剤をさらに含むことが好ましい。樹脂が酸解離性基を有する構造単位(I)を含む場合、露光により該感放射線性酸発生剤から発生した酸は該構造単位(I)の有する酸解離性基を解離させ、カルボキシ基等を発生させることができる。この機能は、上記感放射線性樹脂組成物を用いたパターン形成条件において、樹脂の構造単位(I)等が有する酸解離性基などを実質的に解離させず、未露光部において上記感放射線性酸発生剤から発生した酸の拡散を抑制するという化合物(1)の機能とは異なる。化合物(1)及び感放射線性酸発生剤の機能の別は、樹脂の構造単位(I)等が有する酸解離性基が解離するのに必要とするエネルギー、および感放射線性樹脂組成物を用いてパターンを形成する際に与えられる熱エネルギー条件等によって決まる。感放射線性樹脂組成物における感放射線性酸発生剤の含有形態としては、それ単独で化合物として存在する(重合体から遊離した)形態でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよいものの、単独で化合物として存在する形態が好ましい。
感放射線性樹脂組成物が上記感放射線性酸発生剤を含有することにより、露光部の樹脂の極性が増大し、露光部における樹脂が、アルカリ水溶液現像の場合は現像液に対して溶解性となり、一方、有機溶媒現像の場合は現像液に対して難溶性となる。
感放射線性酸発生剤としては、例えばオニウム塩化合物(ただし、化合物(1)を除く。)、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物等が挙げられる。オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。これらのうち、スルホニウム塩、ヨードニウム塩が好ましい。
露光により発生する酸としては、露光によりスルホン酸を生じるものをあげることができる。このような酸として、スルホ基に隣接する炭素原子に1以上のフッ素原子またはフッ素化炭化水素基が置換した化合物を挙げることができる。中でも、感放射線性酸発生剤としては、環状構造を有するものが特に好ましい。
これらの感放射線性酸発生剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。感放射線性酸発生剤の含有量の下限は、上記ベース樹脂100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、1質量部がより好ましく、5質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限は、上記樹脂100質量部に対して、40質量部が好ましく、35質量部がより好ましく、30質量部がさらに好ましい。これによりレジストパターン形成の際に優れた感度やCDU性能、LWR性能を発揮することができる。
(溶剤)
本実施形態に係る感放射線性樹脂組成物は、溶剤を含有する。溶剤は、少なくとも化合物(1)及び樹脂、並びに所望により含有される感放射線性酸発生剤等を溶解又は分散可能な溶剤であれば特に限定されない。
溶剤としては、例えば、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、アミド系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、
iso-プロパノール、4-メチル-2-ペンタノール、3-メトキシブタノール、n-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、フルフリルアルコール、シクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、ジアセトンアルコール等の炭素数1~18のモノアルコール系溶剤;
エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,5-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の炭素数2~18の多価アルコール系溶剤;
上記多価アルコール系溶剤が有するヒドロキシ基の一部をエーテル化した多価アルコール部分エーテル系溶剤等が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のジアルキルエーテル系溶剤;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶剤;
ジフェニルエーテル、アニソール(メチルフェニルエーテル)等の芳香環含有エーテル系溶剤;
上記多価アルコール系溶剤が有するヒドロキシ基をエーテル化した多価アルコールエーテル系溶剤等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えばアセトン、ブタノン、メチル-iso-ブチルケトン等の鎖状ケトン系溶剤:
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶剤:
2,4-ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えばN,N’-ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン等の環状アミド系溶剤;
N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶剤等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、
酢酸n-ブチル、乳酸エチル等のモノカルボン酸エステル系溶剤;
ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルアセテート系溶剤;
γ-ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン系溶剤;
ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶剤;
ジ酢酸プロピレングリコール、酢酸メトキシトリグリコール、シュウ酸ジエチル、アセト酢酸エチル、乳酸エチル、フタル酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶剤が挙げられる。
炭化水素系溶剤としては、例えば
n-ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;
ベンゼン、トルエン、ジ-iso-プロピルベンセン、n-アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶剤等が挙げられる。
これらの中で、エステル系溶剤、ケトン系溶剤が好ましく、多価アルコール部分エーテルアセテート系溶剤、環状ケトン系溶剤、ラクトン系溶剤がより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトンがさらに好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、溶剤を1種又は2種以上含有していてもよい。
(その他の任意成分)
上記感放射線性樹脂組成物は、上記成分以外にも、その他の任意成分を含有していてもよい。上記その他の任意成分としては、例えば、架橋剤、偏在化促進剤、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等をあげることができる。これらのその他の任意成分は、それぞれ1種又は2種以上を併用してもよい。
(架橋剤)
架橋剤は2つ以上の官能基を有する化合物であり、一括露光工程後のベーク工程において、酸触媒反応により(1)重合体成分において架橋反応を引き起こし、(1)重合体成分の分子量を増加させることで、パターン露光部の現像液に対する溶解度を低下させるものである。上記官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、エポキシ基、ビニルエーテル基等をあげることができる。
(偏在化促進剤)
偏在化促進剤は、上記高フッ素含有量樹脂をより効率的にレジスト膜表面に偏在させる効果を有するものである。上記感放射線性樹脂組成物にこの偏在化促進剤を含有させることで、上記高フッ素含有量樹脂の添加量を従来よりも少なくすることができる。従って、上記感放射線性樹脂組成物のリソグラフィー性能を維持しつつ、レジスト膜から液浸媒体への成分の溶出をさらに抑制したり、高速スキャンにより液浸露光をより高速に行うことが可能になり、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を抑制するレジスト膜表面の疎水性を向上させることができる。このような偏在化促進剤として用いることができるものとしては、例えば、比誘電率が30以上200以下で、1気圧における沸点が100℃以上の低分子化合物をあげることができる。このような化合物としては、具体的には、ラクトン化合物、カーボネート化合物、ニトリル化合物、多価アルコール等をあげることができる。
上記ラクトン化合物としては、例えば、γ-ブチロラクトン、バレロラクトン、メバロニックラクトン、ノルボルナンラクトン等をあげることができる。
上記カーボネート化合物としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等をあげることができる。
上記ニトリル化合物としては、例えば、スクシノニトリル等をあげることができる。
上記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン等をあげることができる。
偏在化促進剤の含有量の下限としては、当該感放射線性樹脂組成物における樹脂の総量100質量部に対して、10質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、20質量部がさらに好ましく、25質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、300質量部が好ましく、200質量部がより好ましく、100質量部がさらに好ましく、80質量部が特に好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、偏在化促進剤を1種又は2種以上含有していてもよい。
(界面活性剤)
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn-オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn-ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤;市販品としては、KP341(信越化学工業製)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ製)、メガファックF171、同F173(以上、DIC製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンS-382、同SC-101、同SC-102、同SC-103、同SC-104、同SC-105、同SC-106(以上、旭硝子工業製)等をあげることができる。上記感放射線性樹脂組成物における界面活性剤の含有量としては、樹脂100質量部に対して通常2質量部以下である。
(脂環式骨格含有化合物)
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
脂環式骨格含有化合物としては、例えば、
1-アダマンタンカルボン酸、2-アダマンタノン、1-アダマンタンカルボン酸t-ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t-ブチル、デオキシコール酸t-ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2-エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t-ブチル、リトコール酸t-ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2-エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3-〔2-ヒドロキシ-2,2-ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.1(2,5).1(7,10)]ドデカン、2-ヒドロキシ-9-メトキシカルボニル-5-オキソ-4-オキサ-トリシクロ[4.2.1.0(3,7)]ノナン等をあげることができる。上記感放射線性樹脂組成物における脂環式骨格含有化合物の含有量としては、樹脂100質量部に対して通常5質量部以下である。
(増感剤)
増感剤は、感放射線性酸発生剤等からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、上記感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
増感剤としては、例えば、カルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等をあげることができる。これらの増感剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。上記感放射線性樹脂組成物における増感剤の含有量としては、樹脂100質量部に対して通常2質量部以下である。
<感放射線性樹脂組成物の調製方法>
上記感放射線性樹脂組成物は、例えば、化合物(1)、樹脂、感放射線性酸発生剤、必要に応じて高フッ素含有量樹脂等、及び溶剤を所定の割合で混合することにより調製できる。上記感放射線性樹脂組成物は、混合後に、例えば、孔径0.05μm程度のフィルター等でろ過することが好ましい。上記感放射線性樹脂組成物の固形分濃度としては、通常0.1質量%~50質量%であり、0.5質量%~30質量%が好ましく、1質量%~20質量%がより好ましい。
<パターン形成方法>
本発明の一実施形態に係るパターン形成方法は、
基板上に直接又は間接に上記感放射線性樹脂組成物を塗布してレジスト膜を形成する工程(1)(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう)と、
上記レジスト膜を露光する工程(2)(以下、「露光工程」ともいう)と、
露光された上記レジスト膜を現像する工程(3)(以下、「現像工程」ともいう)とを含む。
上記レジストパターン形成方法によれば、露光工程における感度やCDU性能、LWR性能に優れた上記感放射線性樹脂組成物を用いているため、高品位のレジストパターンを形成することができる。以下、各工程について説明する。
[レジスト膜形成工程]
本工程(上記工程(1))では、上記感放射線性樹脂組成物でレジスト膜を形成する。このレジスト膜を形成する基板としては、例えば、シリコンウエハ、二酸化シリコン、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知のもの等を挙げることができる。また、例えば、特公平6-12452号公報や特開昭59-93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成してもよい。塗布方法としては、例えば、回転塗布(スピンコーティング)、流延塗布、ロール塗布等をあげることができる。塗布した後に、必要に応じて、塗膜中の溶剤を揮発させるため、プレベーク(PB)を行ってもよい。PB温度としては、通常60℃~140℃であり、80℃~120℃が好ましい。PB時間としては、通常5秒~600秒であり、10秒~300秒が好ましい。形成されるレジスト膜の膜厚としては、10nm~1,000nmが好ましく、10nm~500nmがより好ましい。
液浸露光を行う場合、上記感放射線性樹脂組成物における上記高フッ素含有量樹脂等の撥水性重合体添加剤の有無にかかわらず、上記形成したレジスト膜上に、液浸液とレジスト膜との直接の接触を避ける目的で、液浸液に不溶性の液浸用保護膜を設けてもよい。液浸用保護膜としては、現像工程の前に溶剤により剥離する溶剤剥離型保護膜(例えば、特開2006-227632号公報参照)、現像工程の現像と同時に剥離する現像液剥離型保護膜(例えば、WO2005-069076号公報、WO2006-035790号公報参照)のいずれを用いてもよい。ただし、スループットの観点からは、現像液剥離型液浸用保護膜を用いることが好ましい。
また、次工程である露光工程を波長50nm以下の放射線にて行う場合、上記組成物中のベース樹脂として上記構造単位(I)及び構造単位(III)を有する樹脂を用いることが好ましい。
[露光工程]
本工程(上記工程(2))では、上記工程(1)であるレジスト膜形成工程で形成されたレジスト膜に、フォトマスクを介して(場合によっては、水等の液浸媒体を介して)、放射線を照射し、露光する。露光に用いる放射線としては、目的とするパターンの線幅に応じて、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、EUV(極端紫外線)、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線などをあげることができる。これらの中でも、遠紫外線、電子線、EUVが好ましく、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、電子線、EUVがより好ましく、次世代露光技術として位置付けされる波長50nm以下の電子線、EUVがさらに好ましい。
露光を液浸露光により行う場合、用いる液浸液としては、例えば、水、フッ素系不活性液体等をあげることができる。液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつ膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー光(波長193nm)である場合、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤をわずかな割合で添加しても良い。この添加剤は、ウェハ上のレジスト膜を溶解させず、かつレンズの下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。使用する水としては蒸留水が好ましい。
上記露光の後、ポストエクスポージャーベーク(PEB)を行い、レジスト膜の露光された部分において、露光により感放射線性酸発生剤から発生した酸による樹脂等が有する酸解離性基の解離を促進させることが好ましい。このPEBによって、露光部と未露光部とで現像液に対する溶解性に差が生じる。PEB温度としては、通常50℃~180℃であり、80℃~130℃が好ましい。PEB時間としては、通常5秒~600秒であり、10秒~300秒が好ましい。
[現像工程]
本工程(上記工程(3))では、上記工程(2)である上記露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。これにより、所定のレジストパターンを形成することができる。現像後は、水又はアルコール等のリンス液で洗浄し、乾燥することが一般的である。
上記現像に用いる現像液としては、アルカリ現像の場合、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n-プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ-[4.3.0]-5-ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液等をあげることができる。これらの中でも、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
また、有機溶媒現像の場合、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶媒、又は有機溶媒を含有する溶媒をあげることができる。上記有機溶媒としては、例えば、上述の感放射線性樹脂組成物の溶剤として列挙した溶剤の1種又は2種以上等をあげることができる。これらの中でも、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましい。エーテル系溶媒としては、グリコールエーテル系溶媒が好ましく、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルがより好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n-ブチル、酢酸アミルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトンが好ましく、2-ヘプタノンがより好ましい。現像液中の有機溶媒の含有量としては、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、99質量%以上が特に好ましい。現像液中の有機溶媒以外の成分としては、例えば、水、シリコンオイル等をあげることができる。
上述のように、現像液としてはアルカリ現像液、有機溶媒現像液のいずれであってもよいが、上記現像液が有機溶媒を含み、得られるパターンがネガ型パターンであることが好ましい。
現像方法としては、例えば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等をあげることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。各種物性値の測定方法を以下に示す。
[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]
重合体のMw及びMnは、上述した条件により測定した。また、分散度(Mw/Mn)は、Mw及びMnの測定結果より算出した。
13C-NMR分析]
重合体の13C-NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子(株)の「JNM-Delta400」)を用いて行った。
<樹脂及び高フッ素含有量樹脂の合成>
各実施例及び各比較例における各樹脂(ベース樹脂)及び高フッ素含有量樹脂の合成で用いた単量体を以下に示す。なお、以下の合成例においては特に断りのない限り、質量部は使用した単量体の合計質量を100質量部とした場合の値を意味し、モル%は使用した単量体の合計モル数を100モル%とした場合の値を意味する。
Figure 0007323865000022
[合成例1]
(樹脂(A-1)の合成)
単量体(M-1)、単量体(M-2)及び単量体(M-10)を、モル比率が40/15/45(モル%)となるよう2-ブタノン(200質量部)に溶解し、開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)(使用した単量体の合計100モル%に対して3モル%)を添加して単量体溶液を調製した。反応容器に2-ブタノン(100質量部)を入れ、30分窒素パージした後、反応容器内を80℃とし、撹拌しながら上記単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。冷却した重合溶液をメタノール(2,000質量部)中に投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末をメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で24時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A-1)を得た(収率:80%)。重合体(A-1)のMwは8,700であり、Mw/Mnは1.49であった。また、13C-NMR分析の結果、(M-1)、(M-2)及び(M-10)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ39.9モル%、14.3モル%及び45.8モル%であった。
[合成例2~11]
(樹脂(A-2)~樹脂(A-11)の合成)
下記表1に示す種類及び配合割合の単量体を用いたこと以外は合成例1と同様にして、樹脂(A-2)~樹脂(A-11)を合成した。得られた樹脂の各構造単位の含有割合(モル%)、収率(%)及び物性値(Mw及びMw/Mn)を下記表1に併せて示す。なお、下記表1における「-」は、該当する単量体を使用しなかったことを示す。
Figure 0007323865000023
[合成例12]
(樹脂(A-12)の合成)
単量体(M-1)及び単量体(M-18)を、モル比率が50/50(モル%)となるよう1-メトキシ-2-プロパノール(200質量部)に溶解し、開始剤としてAIBN(5モル%)を添加して単量体溶液を調製した。反応容器に1-メトキシ-2-プロパノール(100質量部)を入れ、30分窒素パージした後、反応容器内を80℃とし、撹拌しながら上記単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。冷却した重合溶液をヘキサン(2,000質量部)中に投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末をヘキサンで2回洗浄した後、ろ別し、1-メトキシ-2-プロパノール(300質量部)に溶解した。次いで、メタノール(500質量部)、トリエチルアミン(50質量部)及び超純水(10質量部)を加え、撹拌しながら70℃で6時間加水分解反応を実施した。反応終了後、残溶媒を留去し、得られた固体をアセトン(100質量部)に溶解し、水(500質量部)の中に滴下して樹脂を凝固させた。得られた固体をろ別し、50℃で13時間乾燥させて白色粉末状の樹脂(A-12)を得た(収率:79%)。樹脂(A-12)のMwは5,200であり、Mw/Mnは1.60であった。また、13C-NMR分析の結果、(M-1)及び(M-18)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ51.3モル%及び48.7モル%であった。
[合成例13~15]
(樹脂(A-13)~樹脂(A-15)の合成)
下記表2に示す種類及び配合割合の単量体を用いたこと以外は合成例12と同様にして、樹脂(A-13)~樹脂(A-15)を合成した。得られた樹脂の各構造単位の含有割合(モル%)、収率(%)及び物性値(Mw及びMw/Mn)を下記表2に併せて示す。
Figure 0007323865000024
[合成例16]
(高フッ素含有量樹脂(E-1)の合成)
単量体(M-1)及び単量体(M-20)を、モル比率が20/80(モル%)となるよう2-ブタノン(200質量部)に溶解し、開始剤としてAIBN(4モル%)を添加して単量体溶液を調製した。反応容器に2-ブタノン(100質量部)を入れ、30分窒素パージした後、反応容器内を80℃とし、撹拌しながら上記単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。溶媒をアセトニトリル(400質量部)に置換した後、ヘキサン(100質量部)を加えて撹拌しアセトニトリル層を回収する作業を3回繰り返した。溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに置換することで、高フッ素含有量樹脂(E-1)の溶液を得た(収率:69%)。高フッ素含有量樹脂(E-1)のMwは6,000であり、Mw/Mnは1.62であった。また、13C-NMR分析の結果、(M-1)及び(M-20)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ19.9モル%及び80.1モル%であった。
[合成例17~20]
(高フッ素含有量樹脂(E-2)~高フッ素含有量樹脂(E-5)の合成)
下記表3に示す種類及び配合割合の単量体を用いたこと以外は合成例16と同様にして、高フッ素含有量樹脂(E-2)~高フッ素含有量樹脂(E-5)を合成した。得られた高フッ素含有量樹脂の各構造単位の含有割合(モル%)、収率(%)及び物性値(Mw及びMw/Mn)を下記表3に合わせて示す。
Figure 0007323865000025
<化合物(1)(酸拡散制御剤)の合成>
[合成例21]
(化合物(C-1)の合成)
以下の合成スキームに従って化合物(C-1)を合成した。
Figure 0007323865000026
反応容器にシクロヘキシルフェニルケトン20.0mmol、トリメチルシリルシアニド25.0mmol、4-メチルモルホリン-N-オキシド1.00mmol及びジジクロロメタン50gを加えて室温で4時間撹拌した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて希釈したのち、ジクロロメタンを加えて抽出し、有機層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液、次いで水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィーで精製することで、シアノヒドリン誘導体を良好な収率で得た。
反応容器に上記シアノヒドリン誘導体20.0mmol、及び4M塩酸100gを加えて70℃で1時間撹拌した。その後、水を加えて希釈したのち、ジクロロメタンを加えて抽出し、有機層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液、次いで水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去することで、カルボン酸誘導体を良好な収率で得た。
上記カルボン酸誘導体18.0mmolにトリフェニルスルホニウムクロリド20.0mmol、炭酸水素ナトリウム40.0mmolを加え、水及びジクロロメタン(水1:ジクロロメタン3(質量比))の混合液40gを加えた。室温で3時間激しく撹拌した後、ジクロロメタンを加えて抽出し、有機層を分離した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒留去することで、上記式(C-1)で表される化合物(C-1)を良好な収率で得た。
[合成例22~41]
(化合物(C-2)~(C-21)の合成)
原料及び前駆体を適宜変更したこと以外は合成例21と同様にして、下記式(C-2)~(C-21)で表される酸拡散制御剤としての化合物(C-2)~(C-21)を合成した。
Figure 0007323865000027
<感放射線性樹脂組成物の調製>
各感放射線性樹脂組成物の調製に用いた樹脂、高フッ素含有量樹脂及び化合物(1)以外の成分を以下に示す。
[感放射線性酸発生剤]
B-1~B-6:下記式(B-1)~(B-6)で表される化合物(以下、式(B-1)~(B-6)で表される化合物をそれぞれ「感放射線性酸発生剤(B-1)」~「感放射線性酸発生剤(B-6)」と記載する場合がある。)
Figure 0007323865000028
[化合物(C-1)~(C-21)以外の酸拡散制御剤]
cc-1~cc-9:下記式(cc-1)~(cc-9)で表される化合物(以下、式(cc-1)~(cc-9)で表される化合物をそれぞれ「化合物(cc-1)」~「化合物(cc-9)」と記載する場合がある。)
Figure 0007323865000029
[溶剤(D)]
D-1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
D-2:シクロヘキサノン
D-3:γ-ブチロラクトン
D-4:乳酸エチル
<ArF露光用ネガ型感放射線性樹脂組成物の調製>
[実施例1]
樹脂としての(A-1)100質量部、感放射線性酸発生剤としての(B-4)15.0質量部、酸拡散制御剤としての(C-1)3.0質量部、高フッ素含有量樹脂としての(E-1)5.0質量部(固形分)、並びに溶剤としての(D-1)/(D-2)/(D-3)=2,240/960/30(全て質量部)の混合溶剤3,230質量部を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物(J-1)を調製した。
[実施例2~49及び比較例1~11]
下記表4に示す種類及び含有量の各成分を用いたこと以外は実施例1と同様にして、感放射線性樹脂組成物(J-2)~(J-49)及び(CJ-1)~(CJ-11)を調製した。
Figure 0007323865000030
<ArF露光用ネガ型感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンの形成>
12インチのシリコンウエハ上に、スピンコーター(東京エレクトロン(株)の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより平均厚さ105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に上記スピンコーターを使用して上記調製したArF露光用ネガ型感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃で60秒間PB(プレベーク)を行った。その後、23℃で30秒間冷却することにより、平均厚さ90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に対し、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(ASML社の「TWINSCAN XT-1900i」)を用い、NA=1.35、Annular(σ=0.8/0.6)の光学条件にて、40nmスペース、105nmピッチのマスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で60秒間PEB(ポストエクスポージャーベーク)を行った。その後、有機溶媒現像液として酢酸n-ブチルを用いて上記レジスト膜を有機溶媒現像し、乾燥させることでネガ型のレジストパターン(40nmラインアンドスペースパターン)を形成した。また、マスクパターンを代えたこと以外は上述の操作と同様にして、ネガ型のレジストパターン(40nmホール、105nmピッチ)を形成した。
<評価>
上記ArF露光用ネガ型感放射線性樹脂組成物を用いて形成したレジストパターンについて、感度、LWR性能及びCDU性能を下記方法に従って評価した。その結果を下記表5に示す。なお、レジストパターンの測長には、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ(株)の「CG-5000」)を用いた。
[感度]
上記ArF露光用ネガ型感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンの形成において、40nmラインアンドスペースパターンを形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度(mJ/cm)とした。感度は、27mJ/cm以下の場合は「良好」と、27mJ/cmを超える場合は「不良」と評価した。
[CDU性能]
40nmホール、105nmピッチのレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から任意のポイントで計1,800個測長した。寸法のバラつき(3σ)を求め、これをCDU性能(nm)とした。CDUは、その値が小さいほど、長周期でのホール径のばらつきが小さく良好であることを示す。CDU性能は、4.5nm以下の場合は「良好」と、4.5nmを超える場合は「不良」と評価した。
[LWR性能]
上記感度の評価で求めた最適露光量を照射して40nmラインアンドスペースパターンを形成するようにマスクサイズを調整して、レジストパターンを形成した。形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。線幅のばらつきを計500点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、この3シグマ値をLWR(nm)とした。LWRは、その値が小さいほど、ラインのラフネスが小さく良好であることを示す。LWR性能は、3.5nm以下の場合は「良好」と、3.5nmを超える場合は「不良」と評価した。
Figure 0007323865000031
表5の結果から明らかなように、実施例の感放射線性樹脂組成物は、ArF露光に用いた場合、感度、LWR性能及びCDU性能が良好であったのに対し、比較例では、各特性が実施例に比べて劣っていた。したがって、実施例の感放射線性樹脂組成物をArF露光に用いた場合、高い感度でLWR性能及びCDU性能が良好なレジストパターンを形成することができる。
[極端紫外線(EUV)露光用ポジ型感放射線性樹脂組成物の調製]
[実施例50]
樹脂としての(A-12)100質量部、感放射線性酸発生剤としての(B-4)20.0質量部、酸拡散制御剤としての(C-1)4.0質量部、高フッ素含有量樹脂としての(E-5)3.0質量部、並びに溶剤としての(D-1)/(D-4)=4,280/1,830(全て質量部)の混合溶剤6,110質量部を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物(J-50)を調製した。
[実施例51~60及び比較例12~15]
下記表6に示す種類及び含有量の各成分を用いたこと以外は実施例50と同様にして、感放射線性樹脂組成物(J-51)~(J-60)及び(CJ-12)~(CJ-15)を調製した。
Figure 0007323865000032
<EUV露光用ポジ型感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンの形成>
12インチのシリコンウエハ上に、スピンコーター(東京エレクトロン(株)の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより平均厚さ105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に上記スピンコーターを使用して上記調製したEUV露光用ポジ型感放射線性樹脂組成物を塗布し、130℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却することにより、平均厚さ55nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に対し、EUV露光装置(ASML社の「NXE3300」)を用い、NA=0.33、照明条件:Conventional s=0.89、マスク:imecDEFECT32FFR02にて露光した。露光後、120℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液として2.38質量%のTMAH水溶液を用いて上記レジスト膜をアルカリ現像し、現像後に水で洗浄し、さらに乾燥させることでポジ型のレジストパターン(32nmラインアンドスペースパターン)を形成した。
<評価>
上記EUV露光用ポジ型感放射線性樹脂組成物を用いて形成したレジストパターンについて、感度及びLWR性能を下記方法に従って評価した。その結果を下記表7に示す。なお、レジストパターンの測長には、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ(株)の「CG-5000」)を用いた。
[感度]
上記EUV露光用ポジ型感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンの形成において、32nmラインアンドスペースパターンを形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度(mJ/cm)とした。感度は、30mJ/cm以下の場合は「良好」と、30mJ/cmを超える場合は「不良」と評価した。
[LWR性能]
上記感度の評価で求めた最適露光量を照射して32nmラインアンドスペースのパターンを形成するようにマスクサイズを調整して、レジストパターンを形成した。形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。線幅のばらつきを計500点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、この3シグマ値をLWR(nm)とした。LWRは、その値が小さいほど、ラインのがたつきが小さく良好であることを示す。LWR性能は、3.8nm以下の場合は「良好」と、3.8nmを超える場合は「不良」と評価した。
Figure 0007323865000033
表7の結果から明らかなように、実施例の感放射線性樹脂組成物は、EUV露光に用いた場合、感度及びLWR性能が良好であったのに対し、比較例では、各特性が実施例に比べて劣っていた。
<ArF露光用ポジ型感放射線性樹脂組成物の調製、この組成物を用いたレジストパターンの形成及び評価>
[実施例61]
樹脂としての(A-4)100質量部、感放射線性酸発生剤としての(B-4)12.0質量部、酸拡散制御剤としての(C-1)2.5質量部、高フッ素含有量樹脂としての(E-2)3.0質量部(固形分)、並びに溶剤としての(D-1)/(D-2)/(D-3)=2,240/960/30(全て質量部)の混合溶剤3,230質量部を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物(J-61)を調製した。
12インチのシリコンウエハ上に、スピンコーター(東京エレクトロン(株)の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより平均厚さ105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に上記スピンコーターを使用して上記調製したArF露光用ポジ型感放射線性樹脂組成物(J-61)を塗布し、90℃で60秒間PB(プレベーク)を行った。その後、23℃で30秒間冷却することにより、平均厚さ90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に対し、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(ASML社の「TWINSCAN XT-1900i」)を用い、NA=1.35、Annular(σ=0.8/0.6)の光学条件にて、40nmスペース、105nmピッチのマスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で60秒間PEB(ポストエクスポージャーベーク)を行った。その後、アルカリ現像液として2.38質量%のTMAH水溶液を用いて上記レジスト膜をアルカリ現像し、現像後に水で洗浄し、さらに乾燥させることでポジ型のレジストパターン(40nmラインアンドスペースパターン)を形成した。
上記ArF露光用ポジ型感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンについて、上記ArF露光用ネガ型感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンの評価と同様にして評価した。その結果、実施例61の感放射線性樹脂組成物は、ArF露光にてポジ型のレジストパターンを形成した場合においても、感度、LWR性能及びCDU性能が良好であった。
<EUV露光用ネガ型感放射線性樹脂組成物の調製、この組成物を用いたレジストパターンの形成及び評価>
[実施例62]
樹脂としての(A-12)100質量部、感放射線性酸発生剤としての(B-4)21.0質量部、酸拡散制御剤としての(C-10)5.0質量部、高フッ素含有量樹脂としての(E-5)3.0質量部、並びに溶剤としての(D-1)/(D-4)=4,280/1,830(全て質量部)の混合溶剤6,110質量部を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物(J-62)を調製した。
12インチのシリコンウエハ上に、スピンコーター(東京エレクトロン(株)の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより平均厚さ105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に上記スピンコーターを使用して上記調製したEUV露光用ネガ型感放射線性樹脂組成物を塗布し、130℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却することにより、平均厚さ55nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に対し、EUV露光装置(ASML社の「NXE3300」)を用い、NA=0.33、照明条件:Conventional s=0.89、マスク:imecDEFECT32FFR02にて露光した。露光後、120℃で60秒間PEBを行った。その後、有機溶媒現像液として酢酸n-ブチルを用いて上記レジスト膜を有機溶媒現像し、乾燥させることでネガ型のレジストパターン(32nmラインアンドスペースパターン)を形成した。
上記EUV露光用ネガ型感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンについて、上記EUV露光用ポジ型感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンの評価と同様にして評価した。その結果、実施例62の感放射線性樹脂組成物は、EUV露光にてネガ型のレジストパターンを形成した場合においても、感度、及びLWR性能が良好であった。
上記で説明した感放射線性樹脂組成物及びパターン形成方法によれば、露光光に対する感度が良好であり、LWR性能及びCDU性能に優れるレジストパターンを形成することができる。したがって、これらは、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの加工プロセス等に好適に用いることができる。

Claims (13)

  1. 下記式(1)で表されるオニウム塩化合物と、
    酸解離性基を有する構造単位を含む樹脂と、
    溶剤と
    を含み、
    (上記式(1)中、
    1は置換又は非置換のn価の有機基である。
    nは1又は2である。
    nが1である場合、R2は、置換又は非置換の1価の有機基であるか、又はR1及びR2は互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3~20の2価の環状構造の一部である。nが2である場合、2つのR2は、それぞれ独立して、置換又は非置換の1価の有機基であるか、又は2つのR2は互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数5~20の2価の環状構造の一部である。
    +は、1価のオニウムカチオンである。ただし、R1とR2の炭素数の合計は3以上である。)
    ただし、上記オニウム塩化合物として、下記式で表される化合物を除く、感放射線性樹脂組成物。
  2. nが1であり、R1及びR2は、それぞれ独立して、置換又は非置換の1価の有機基である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. 1とR2の炭素数の合計が5以上である請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
  4. 上記有機基は、置換若しくは非置換の炭素数1~20の鎖状炭化水素基、置換若しくは非置換の炭素数3~20の脂環式炭化水素基、又は置換若しくは非置換の炭素数6~20の芳香族炭化水素基である請求項1~3のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  5. 上記鎖状炭化水素基は、置換若しくは非置換の炭素数1~10の直鎖又は分岐鎖炭化水素基である請求項4に記載の感放射線性樹脂組成物。
  6. 上記脂環式炭化水素基は、置換若しくは非置換の炭素数3~10の単環脂環式基又は置換若しくは非置換の炭素数6~14の多環脂環式基である請求項4に記載の感放射線性樹脂組成物。
  7. 上記式(1)におけるオニウムカチオンが、スルホニウムカチオンである請求項1~6のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  8. 上記オニウム塩化合物の含有量は、上記樹脂100質量部に対して0.05質量部以上30質量部以下である請求項1~7のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  9. 上記式(1)で表される化合物から発生する酸よりpKaが小さい酸を発生する感放射線性酸発生剤をさらに含む請求項1~8のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  10. ネガ型パターン形成用である請求項1~9に記載の感放射線性樹脂組成物。
  11. 基板上に直接又は間接に感放射線性樹脂組成物を塗布してレジスト膜を形成する工程と、
    上記レジスト膜を露光する工程と、
    露光された上記レジスト膜を現像液で現像する工程と
    を含むパターン形成方法であって、
    上記感放射線性樹脂組成物が、
    下記式(1)で表されるオニウム塩化合物と、
    酸解離性基を有する構造単位を含む樹脂と、
    溶剤と
    を含み、
    (上記式(1)中、
    1は置換又は非置換のn価の有機基である。
    nは1又は2である。
    nが1である場合、R2は、置換又は非置換の1価の有機基であるか、又はR1及びR2は互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3~20の2価の環状構造の一部である。nが2である場合、2つのR2は、それぞれ独立して、置換又は非置換の1価の有機基であるか、又は2つのR2は互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数5~20の2価の環状構造の一部である。
    +は、1価のオニウムカチオンである。ただし、R1とR2の炭素数の合計は3以上である。)
    ただし、上記オニウム塩化合物として、下記式で表される化合物を除く、パターン形成方法。
  12. 前記現像液が有機溶媒を含み、得られるパターンがネガ型パターンである請求項11に記載のパターン形成方法。
  13. 前記有機溶媒は、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒及びエステル系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種である請求項12に記載のパターン形成方法。
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