JP7323794B2 - 発泡性アクリル系樹脂粒子、アクリル系樹脂発泡粒子、アクリル系樹脂発泡粒子成形体 - Google Patents
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Description
多価アルコールと炭素数12~24の脂肪酸とのエステルである高級脂肪酸エステル(A1)と、シリコーンオイル(A2)とを含み、前記粒子本体の表面を被覆する被覆剤(A)と、を有し、
前記高級脂肪酸エステル(A1)にはペンタエリスリトールと炭素数12~24の脂肪酸とのエステルであるペンタエリスリトール高級脂肪酸エステルが含まれており、
前記高級脂肪酸エステル(A1)と前記シリコーンオイル(A2)との被覆量の合計は、前記粒子本体100質量部に対して0.05~0.5質量部であり、
前記シリコーンオイル(A2)の被覆量は、前記粒子本体100質量部に対して0.01~0.1質量部である、発泡性アクリル系樹脂粒子にある。
・アクリル系樹脂
前記発泡性粒子における粒子本体には、アクリル系樹脂(B)が含まれている。アクリル系樹脂は(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合してなる重合体であり、アクリル系樹脂(B)には、少なくとも、(メタ)アクリル酸エステル成分が含まれている。なお、前述した「(メタ)アクリル酸」という表現は、アクリル酸とメタクリル酸とを包含する概念である。例えば、アクリル系樹脂(B)は、メタクリル酸エステル及び/またはアクリル酸エステルの重合体であってもよいし、メタクリル酸エステル及び/またはアクリル酸エステルと、(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。
粒子本体には、アクリル系樹脂(B)とともに物理発泡剤(C)が含まれている。物理発泡剤(C)としては、例えば、鎖式飽和炭化水素や脂環式飽和炭化水素などを使用することができる。発泡性粒子中の物理発泡剤(C)の含有量は、例えば、6~10質量%の範囲内から適宜設定することができる。
また、粒子本体には、本発明の目的を阻害しない範囲内において、他の樹脂や添加剤等を配合することができる。他の成分の含有量は、アクリル系樹脂100質量部に対して10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、3質量部以下であることがさらに好ましい。
粒子本体の単位質量当たりの表面積(以下、単に比表面積ともいう。)は、10mm2/mgを超え25mm2/mg以下であり、より好ましくは12~21mm2/mgであり、さらに好ましくは13~20mm2/mgである。粒子本体の比表面積が大きすぎる場合には、発泡性粒子を発泡させにくく、見掛け密度の低い発泡粒子が得られにくくなると共に、得られる発泡粒子の型内成形性が低下するおそれがある。一方、粒子本体の比表面積が小さすぎる場合には、得られる発泡粒子の粒径が大きくなる傾向がある。そのため、例えば複雑な形状を有するキャビティにおいて、発泡粒子を隅々まで充填することが難しくなるおそれがある。
粒子本体の平均粒子径は、0.2mm以上0.5mm未満であることが好ましく、0.25mm以上0.45mm以下であることがより好ましい。平均粒子径がこの範囲内にあれば、発泡粒子の発泡性を高めることができる。また、この場合には、発泡性粒子を発泡させることで得られる発泡粒子の金型への充填性がより向上するため、例えば消失模型のような複雑な形状の成形体をより容易に得ることが可能となり、発泡粒子成形体の表面性状をより良化させることができる。
前記粒子本体の表面は、被覆剤(A)により覆われている。被覆剤(A)は、前述した作用効果を損なわない範囲であれば、粒子本体の表面の全部を覆っていてもよいし、一部を覆っていてもよい。被覆剤には、少なくとも、多価アルコールと炭素数12~24の脂肪酸とのエステルである高級脂肪酸エステル(A1)と、シリコーンオイル(A2)とが含まれている。前記発泡性粒子は、粒子本体の表面をこれら2種の化合物(A1)、(A2)を含む被覆剤(A)で被覆することにより、被覆剤(A)の脱離及び発泡粒子の帯電を効果的に抑制することができ、隙間が少なく、平滑な表面を有する成形体を得ることができる。なお、高級脂肪酸エステル(A1)における高級脂肪酸としては、炭素数14~20の脂肪酸を用いることがより好ましい。
高級脂肪酸エステル(A1)には、ペンタエリスリトールと炭素数12~24の脂肪酸とのエステルであるペンタエリスリトール高級脂肪酸エステルが含まれている。つまり、高級脂肪酸エステル(A1)は、ペンタエリスリトール高級脂肪酸エステルのみから構成されていてもよい。また、高級脂肪酸エステル(A1)には、ペンタエリスリトール高級脂肪酸エステルと、ペンタエリスリトール高級脂肪酸エステル以外の高級脂肪酸エステルとが含まれていてもよい。なお、高級脂肪酸エステル(A1)における高級脂肪酸としては、炭素数14~20の脂肪酸を用いることがより好ましい。また、高級脂肪酸は、飽和脂肪酸であることがより好ましい。
シリコーンオイル(A2)は、オルガノポリシロキサンからなり、常温においてオイル状を呈する化合物である。シリコーンオイル(A2)としては、例えば、メチルフェニルシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル等を用いることができる。シリコーンオイル(A2)は、前述した化合物のうち1種のみから構成されていてもよいし、2種以上の化合物の混合物であってもよい。これらの中でも、ジメチルシリコーンオイルを用いることが好ましい。
前記被覆剤(A)には、高級脂肪酸エステル(A1)及びシリコーンオイル(A2)に加えて、炭素数12~24の脂肪酸の金属塩である高級脂肪酸金属塩(A3)が含まれていてもよい。高級脂肪酸金属塩(A3)を含む被覆剤(A)は、発泡時のブロッキング、つまり、発泡性粒子同士が融着し、塊状になる現象をより効果的に抑制することができる。
前記発泡性粒子は、例えば懸濁重合等の従来公知の方法によって粒子本体を作製した後、粒子本体の表面に被覆剤(A)を被覆することによって製造することができる。
発泡粒子は、発泡性粒子を、例えば従来公知の方法により発泡させることにより得られる。発泡は、例えば発泡性粒子にスチーム等の加熱媒体を供給し、発泡性粒子を加熱することにより行うことができる。具体的には、例えば撹拌装置の付いた円筒形の発泡機を用いて、スチーム等により発泡性粒子を加熱して発泡させる方法がある。
発泡粒子成形体は、例えば次のようにして製造される。まず、所望する成形体の形状に対応したキャビティを有する金型内に発泡粒子を充填し、蒸気などの加熱媒体により金型内で多数の発泡粒子を加熱する。キャビティ内の発泡粒子は、加熱によってさらに発泡すると共に、相互に融着する。これにより、多数の発泡粒子が一体化し、キャビティの形状に応じた発泡粒子成形体が得られる。
まず、撹拌装置の付いた内容積が3Lのオートクレーブ内に、脱イオン水700g、懸濁剤6.0g、界面活性剤4.2g、電解質としての酢酸ナトリウム1.1g、懸濁助剤2.5gを投入した。なお、懸濁剤は、具体的には濃度20.5質量%の第三リン酸カルシウムスラリー(太平化学産業株式会社製)である。また、界面活性剤は、具体的には濃度1質量%のドデシルジフェニルエーテルスルホン酸二ナトリウム水溶液(具体的には、花王株式会社製「ペレックス(登録商標)SSH」)である。また、懸濁助剤は、具体的には濃度0.01質量%の過硫酸カリウム水溶液である。
MMA:メタクリル酸メチル
IBOMA:メタクリル酸イソボルニル
MA:アクリル酸メチル
Sy:スチレン
MeSy:α-メチルスチレン
GMSt:グリセリンモノステアレート
PEDSt:モノペンタエリスリトールジステアレート
PDMS:ポリジメチルシロキサン
ZnSt:ステアリン酸亜鉛
CaSt:ステアリン酸カルシウム
被覆剤(A)の配合量を、グリセリンモノステアレート0.11質量部、ステアリン酸亜鉛0.07質量部、ステアリン酸カルシウム0.10質量部にそれぞれ変更するとともに、N-ヒドロキシエチル-N-[2-ヒドロキシアルキル]アミンの配合量を0.01質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、発泡性粒子、発泡粒子、発泡粒子成形体を作製した。本例の仕込み組成等を後述する表1に示す。
モノマー成分の配合量を、メタクリル酸メチル425g、メタクリル酸イソボルニル50g、アクリル酸メチル25gにそれぞれ変更し、物理発泡剤としてのシクロヘキサンを10g添加し、連鎖移動剤をα-メチルスチレンダイマーからn-オクチルメルカプタン1.40gに変更した以外は、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子及び発泡粒子成形体を作製した。本例の仕込み組成等を後述する表1に示す。
高級脂肪酸エステル(A1)の配合量を、グリセリンモノステアレート0.105質量部、モノペンタエリスリトールジステアレート0.025質量部にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子及び発泡粒子成形体を作製した。本例の仕込み組成等を後述する表1に示す。
高級脂肪酸エステル(A1)としてのグリセリンモノステアレートを添加せず、モノペンタエリスリトールジステアレートの配合量を0.13質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子及び発泡粒子成形体を作製した。本例の仕込み組成等を後述する表1に示す。
高級脂肪酸エステル(A1)の配合量を、グリセリンモノステアレート0.127質量部、モノペンタエリスリトールジステアレート0.003質量部にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子及び発泡粒子成形体を作製した。本例の仕込み組成等を後述する表1に示す。
高級脂肪酸エステル(A1)としてのモノペンタエリスリトールジステアレートを使用しない以外は、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子及び発泡粒子成形体を作製した。本例の仕込み組成等を後述する表2に示す。
シリコーンオイル(A2)としてのポリジメチルシロキサンを使用しない以外は、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子及び発泡粒子成形体を作製した。本例の仕込み組成等を後述する表2に示す。
ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によりアクリル系樹脂のクロマトグラムを取得した。そして、得られたクロマトグラムに基づき、アクリル系樹脂の数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw及びz平均分子量Mzを算出した。
メタノールを用いた再沈殿精製により、アクリル系樹脂のメタノール不溶分を抽出した。具体的には、発泡性粒子1gをメチルエチルケトン10mLに溶解させた。次いで、500mLのメタノールを入れた容器を準備し、容器内のメタノールを攪拌しながら、メタノールにメチルエチルケトン溶液を滴下した。この滴下により、樹脂を沈殿させた。沈殿物をろ取し、室温で恒量になるまで真空乾燥させた。このようにして得られた沈殿物がメタノール不溶分である。なお、発泡性粒子に替えて、発泡粒子、発泡粒子成形体を用いて再沈殿精製を行っても、メタノール不溶分を抽出することが可能である。
まず、約0.28gの発泡性粒子を秤量した。加熱水分気化装置を用いて発泡性粒子を温度160℃まで加熱することにより、発泡性粒子の内部の水分を気化させた。この水分を加熱水分気化装置に接続されたカールフィッシャー水分測定装置(平沼産業株式会社製「AQ-6」)へ導き、水分量を測定した。発泡性粒子中の水分量は表1及び表2に示す通りであった。
小数点以下4桁まで正確に秤量した約1gの発泡性粒子を温度120℃に設定した熱風乾燥機内で4時間乾燥させた。乾燥後の発泡性粒子を室温まで冷却した後、発泡性粒子を秤量した。加熱前後の質量変化から総揮発分量を求め、総揮発分量から水分量を減じることにより揮発成分の含有量を求めた。計算式はそれぞれ以下のとおりである。発泡性粒子中の揮発成分の含有量は表1及び表2に示す通りであった。
総揮発分(質量%)={加熱前質量(g)-加熱後質量(g)}÷加熱前質量(g)×100
揮発成分の含有量(質量%)=総揮発分(質量%)-水分(質量%)
精秤した発泡性粒子1gをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)25mlに溶解させ、ガスクロマトグラフィー(GC)による測定を行い、発泡性粒子中の物理発泡剤(シクロヘキサン、ペンタン)の含有量を定量した。なお、ガスクロマトグラフィーの測定条件は次の通りである。
測定装置:株式会社島津製作所製ガスクロマトグラフGC-9A
カラム材質:内径3mm、長さ3000mmのガラスカラム
カラム充填剤:
〔液相名〕PEG-20M
〔液相含浸率〕25質量%
〔担体粒度〕60/80メッシュ
〔担体処理方法〕AW-DMCS(水洗、焼成、酸処理、シラン処理)
キャリアガス:N2
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)
定量方法:内部標準法
以下の方法により、日機装社製の粒度分布測定装置「ミリトラック JPA」を用いて粒子本体の粒度分布を測定した。まず、被覆剤を被覆する前の粒子本体を篩にかけ、直径0.30~0.54mmの粒子本体を取り出した。この粒子本体30gを測定装置の試料供給部に供給した。次いで、試料供給部から粒子本体を自由落下させ、自由落下時の粒子本体の投影像をCCDカメラで撮像した。このようにして撮像した画像情報に対して演算・結合処理を順次行い、粒度分布結果を出力する画像解析方式の条件で、粒子本体の粒度分布を測定した。以上により得られた粒度分布における体積積算値63%での各粒径(d63)mmを求め、これを粒子本体の平均粒子径とした。粒子本体の平均粒子径は表1及び表2に示す通りであった。
まず、前記の方法により得られた粒子本体の平均粒子径(つまり、粒度分布から算出したd63の値)を有する真球の表面積を算出し、これを粒子本体の平均表面積とした。次に、無作為に選択された100個の粒子本体の質量を測定し、これらの算術平均値を粒子本体の平均質量とした。以上により得られた粒子本体の表面積を粒子本体の平均質量で除することにより、粒子本体の単位質量当たりの表面積を算出した。粒子本体の平均表面積、平均質量及び単位質量当たりの表面積は表1及び表2に示す通りであった。
目開き0.25mmの試験用篩上で100gの発泡性粒子を5分間振とうした後、ふるい下に落下した被覆剤(A)の質量を測定した。ふるい下に落下した被覆剤(A)の質量が0.15g以下の場合には表1及び表2の「被覆剤の脱離量」欄に記号「A」、0.15gを超えた場合には記号「B」を記載した。被覆剤の脱離量の評価においては、ふるい下に落下した被覆剤(A)の質量が0.15g以下である記号「A」の場合を被覆剤(A)の脱離が起こりにくいため合格と判断し、0.15gを超えた記号「B」の場合を被覆剤(A)の脱離が起こりやすいため不合格と判断した。
JIS Z8801の規定に適合する試験用篩を用いて予備発泡機の内容物をふるい分けした。篩上に粒子同士が融着した融着体が残らなかった場合には表1及び表2の「ブロッキング」欄に記号「A」、融着体が残った場合には記号「B」を記載した。ブロッキングの評価においては、篩上に融着体が残らなかった記号「A」の場合をブロッキングが起こらなかったため合格と判断し、篩上に融着体が残った記号「B」の場合を、ブロッキングが起こったため不合格と判断した。
型内成形時の成形性は、発泡粒子成形体における発泡粒子同士の融着率及び表面性状に基づいて評価することができる。
縦300mm×横75mm×厚さ25mmの板状を呈する発泡粒子成形体を長さ方向に略等分となるように折り曲げて成形体を破断させた。その後、試験片の破断面を観察し、目視により成形体内部で破断(材料破壊)した発泡粒子数と発泡粒子界面で剥離した発泡粒子数をそれぞれ計測した。次いで、成形体内部で破断した発泡粒子数と界面で剥離した発泡粒子数との合計に対する成形体内部で破断した発泡粒子数の割合を算出し、これを百分率で表して融着率(%)とした。発泡粒子成形体における発泡粒子同士の融着率は表1及び表2に示す通りであった。融着率の評価においては、融着率が60%以上の場合を合格と判定し、融着率が60%未満の場合を不合格と判定した。
成形性評価用金型を使用して成形した発泡粒子成形体の表面を目視観察し、薄肉部への発泡粒子の充填状況や、表面に露出した発泡粒子同士の間の隙間の発生状況について評価した。
鋳造性は、鋳造物の鋳肌により評価した。まず、発泡性粒子を発泡させて見掛け密度約30kg/m3の発泡粒子を作製した。次に、この発泡粒子を型内成形して、30kg/m3の見掛け密度を有し、横75mm×縦150mm×厚み40mmの直方体状を呈する発泡粒子成形体を作製した。
鋳物を目視観察し、発泡粒子成形体の表面性状に起因する陥没や隙間等の鋳肌表面の欠陥の有無を評価した。表1及び表2の「鋳肌」欄には、鋳物の表面に欠陥がほとんど確認されず、表面全体が平滑である場合に記号「A」、鋳物の表面に欠陥がわずかに確認される場合に記号「B」、鋳物の表面に隙間がいくらか確認される場合に記号「C」を記載した。鋳肌の評価においては、記号「A」及び記号「B」の場合を、表面性状が良好であるため合格と判定し、記号「C」の場合を、表面性状が悪いため不合格と判定した。
0.08MPaの成形スチーム圧で発泡粒子の型内成形を行うことにより、22kg/m3の見掛け密度を有し、縦300mm×横75mm×厚さ25mmの板状を呈する発泡粒子成形体を作製した。この成形体を試験片とし、JIS K7221-2(1999年)の附属書1に記載された大形試験片による曲げ試験方法に準拠して3点曲げ試験を行い、応力-歪曲線を取得した。この応力-歪曲線に基づいて算出した最大荷重における曲げ応力を発泡粒子成形体の曲げ強度とした。なお、3点曲げ試験には万能試験機(株式会社島津製作所製「オートグラフ(登録商標)」)を使用し、下部支点間距離200mm、試験速度10mm/分の条件で試験を行った。発泡粒子成形体の曲げ強度は、表1及び表2に示す通りであった。
0.08MPaの成形スチーム圧で発泡粒子の型内成形を行うことにより作製した見掛け密度22kg/m3の発泡粒子成形体の中央部分から縦50mm、横50mm、厚み25mmの直方体状の試験片を採取した。この試験片を用いて、JIS K6767(1999年)に準拠して3点曲げ試験を行い、ひずみ10%における圧縮荷重を測定した。そして、ひずみ10%における圧縮荷重を試験片の受圧面積で除した値を圧縮応力(10%圧縮応力)とした。なお、3点曲げ試験には万能試験機(株式会社島津製作所製「オートグラフ(登録商標)」)を使用し、下部支点間距離200mm、試験速度10mm/分の条件で試験を行った。発泡粒子成形体の10%圧縮応力は、表1及び表2に示す通りであった。
Claims (11)
- メタクリル酸メチルに由来する構成単位を50質量%以上含むアクリル系樹脂と、物理発泡剤とを含み、単位質量当たりの表面積が10mm2/mgを超え25mm2/mg以下である粒子本体と、
多価アルコールと炭素数12~24の脂肪酸とのエステルである高級脂肪酸エステル(A1)と、シリコーンオイル(A2)とを含み、前記粒子本体の表面を被覆する被覆剤(A)と、を有し、
前記高級脂肪酸エステル(A1)にはペンタエリスリトールと炭素数12~24の脂肪酸とのエステルであるペンタエリスリトール高級脂肪酸エステルが含まれており、
前記高級脂肪酸エステル(A1)と前記シリコーンオイル(A2)との被覆量の合計は、前記粒子本体100質量部に対して0.05~0.5質量部であり、
前記シリコーンオイル(A2)の被覆量は、前記粒子本体100質量部に対して0.01~0.1質量部である、発泡性アクリル系樹脂粒子。 - 前記高級脂肪酸エステル(A1)には、更にグリセリンと炭素数12~24の脂肪酸とのエステルであるグリセリン高級脂肪酸エステルが含まれている、請求項1に記載の発泡性アクリル系樹脂粒子。
- 前記グリセリン高級脂肪酸エステルにはグリセリンモノステアレートが含まれており、前記ペンタエリスリトール高級脂肪酸エステルにはモノペンタエリスリトールジステアレートが含まれている、請求項2に記載の発泡性アクリル系樹脂粒子。
- 前記高級脂肪酸エステル(A1)中の前記ペンタエリスリトール高級脂肪酸エステルの含有量は3~40質量%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の発泡性アクリル系樹脂粒子。
- 前記粒子本体の単位表面積当たりの前記高級脂肪酸エステル(A1)の被覆量は0.02~0.4μg/mm2である、請求項1~4のいずれか1項に記載の発泡性アクリル系樹脂粒子。
- 前記被覆剤(A)中の前記高級脂肪酸エステル(A1)に対する前記シリコーンオイル(A2)の質量比は0.1~0.5である、請求項1~5のいずれか1項に記載の発泡性アクリル系樹脂粒子。
- 前記被覆剤(A)には、更に炭素数12~24の脂肪酸の金属塩である高級脂肪酸金属塩(A3)が含まれている、請求項1~6のいずれか1項に記載の発泡性アクリル系樹脂粒子。
- 前記被覆剤(A)中の前記高級脂肪酸エステル(A1)に対する前記高級脂肪酸金属塩(A3)の質量比は1.0を超え3.0以下である、請求項7に記載の発泡性アクリル系樹脂粒子。
- 前記被覆剤(A)中の前記高級脂肪酸エステル(A1)と前記高級脂肪酸金属塩(A3)との合計に対する前記シリコーンオイル(A2)の質量比は0.05~0.3である、請求項7または8に記載の発泡性アクリル系樹脂粒子。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の発泡性アクリル系樹脂粒子を発泡させてなるアクリル系樹脂発泡粒子。
- 請求項10に記載のアクリル系樹脂発泡粒子を型内成形してなるアクリル系樹脂発泡粒子成形体。
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