JP7322441B2 - 転倒防止部材、及び転倒防止装置を備えた機器 - Google Patents

転倒防止部材、及び転倒防止装置を備えた機器 Download PDF

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Description

本発明は転倒防止部材及び転倒防止装置を備えた機器に関する。
画像形成装置、給紙装置、OA機器等の、横幅よりも高さが大きい縦型の電子機器では、複数の給紙トレイを同時に引き出した場合、平坦でない床面や斜面を移動する場合、地震等が発生した場合等において重量バランスが崩れると傾きを起こし、最悪の場合には転倒する虞がある。
特許文献1には、床面と対向した底面に脚部(キャスター)を有する機器の底面に配設され、脚部の支軸を中心として回動自在に設けられ、支軸を頂部とした互いに形状の異なる2つの湾曲扇形を一体化した形状を呈する転倒防止部材を有する転倒防止装置が開示されている。
特許文献1にあっては、4個のキャスター全てに設けた転倒防止部材を突出させて4方向への転倒を防止している。つまり、転倒防止部材の搭載個数と転倒防止できる方向の数が同じであった。このため、転倒防止部材の個数が多くなってコストダウンが難しく、4個の転倒防止部材を全て操作する作業が煩わしいという問題がある。
本発明は複数方向への機器の転倒を防止できるようにした転倒防止部材及び転倒防止装置を備えた機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、設置面上における機器の転倒を防止する転倒防止部材であって、前記機器の底面に配置された複数個の脚部のうちの少なくとも一つの脚部を中心として機器底面内側に退避した初期位置と、該機器底面の外周縁から外側に突出した突出位置との間で回動自在に構成された回動部材と、前記回動部材に配置されて前記設置面と接することにより前記機器からの負荷を受承する受承部材と、を備え、且つ前記脚部を中心として回動して転倒が懸念される複数方向の各突出位置へ突出する構成を備え、前記初期位置にある一つの前記回動部材が前記機器底面に配置された突出物と干渉する部位に、該突出物を回避する迂回部を備え、前記迂回部の底面視形状がU字形状、又はS字形状であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、転倒防止装置を備えた機器であって、前記転倒防止装置は設置面上における前記機器の転倒を防止する転倒防止部材を備え、前記転倒防止部材は、前記機器の底面に配置された複数個の脚部のうちの少なくとも一つの脚部を中心として機器底面内側に退避した初期位置と、該機器底面の外周縁から外側に突出した突出位置との間で回動自在に構成された回動部材と、前記回動部材に配置されて前記設置面と接することにより前記機器からの負荷を受承する受承部材と、を備え、且つ前記脚部を中心として回動して転倒が懸念される複数方向の各突出位置へ突出する構成を備え、前記転倒防止装置は、前記機器が転倒する虞が発生した時に、転倒が懸念される方向を検知する転倒検知手段と、前記転倒防止部材を前記脚部を中心として回動させる駆動部と、前記転倒検知手段からの検知信号に基づいて前記駆動部を転倒防止に適した方向、角度に回動させる制御手段と、を備え、前記機器を前記設置面に沿って移動する際に、前記機器に装備された操作部を操作することにより前記転倒防止部材を移動の障害とならない位置に移動させ、且つ前記転倒防止部材を前記任意の突出方向、及び位置に移動できない場合に、前記操作部に警告を表示することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明における「且つ前記転倒防止部材を前記任意の突出方向、及び位置に移動できない場合に、前記操作部に警告を表示する」に替えて、「且つ前記転倒検知手段がある方向への前記機器の転倒の虞があることを検知した時、当該ある方向とは異なる逆方向へ前記転倒防止部材を突出させることにより、前記機器の重心を前記逆方向へ移動して前記ある方向への転倒を防止する」としたことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項4記載の発明における「且つ前記転倒防止部材を前記任意の突出方向、及び位置に移動できない場合に、前記操作部に警告を表示する」に替えて、「且つ前記転倒防止部材が障害物の存在によって前記突出位置に移動できない場合に、前記機器の可動部や、前記機器の周辺機器の可動部を動作できないようにロックするロック機構を備えた」としたことを特徴とする。

本発明によれば、個々の転倒防止部材により複数方向への機器の転倒を防止できる。
本発明の一実施形態に係る転倒防止装置を備えた機器の一例としての画像形成装置の概略正面図である。 画像形成装置(転倒防止装置)の制御ブロック図である。 (a)及び(b)は同転倒防止部材を含む機器の底面図、及び転倒防止部材の詳細を示す正面図である。 機器の転倒の可能性を判断する手順を示すフローチャートである。 転倒の可能性(転倒リスク)に関する閾値に基づいて転倒防止装置を動作させるための制御手順を示すフローチャートである。 転倒の可能性に関する閾値を複数設けた場合において転倒防止装置を動作させるための制御手順を示すフローチャートである。 転倒防止部材の回動角度(突出長)を任意の値に調整するための制御手順を示すフローチャートである。 転倒リスクに応じて転倒防止部材を段階的に突出させる転倒防止装置を備えた機器の底面図である。 転倒防止をする必要ない時に突出位置にある転倒防止部材を初期位置に戻す制御手順を示すフローチャートである。 機器の移動時に転倒防止部材を移動への障害とならない位置に移動させる場合の制御手順を示すフローチャートである。 転倒防止部材がユーザーが意図した位置に存在していない場合に操作部にその旨の警告を表示する場合の転倒防止装置の構成を示した機器底面図である。 操作部の構成例を示しており、表示部に警告表示がなされている状態を示した図である。 他の実施形態に係る転倒防止装置を備えた機器底部の構成を示す図である。 転倒防止部材が初期位置にある時に機器底面に配置された突出物を回避する形状を備えた一つの実施形態を示した機器底面図である。 転倒防止部材が初期位置にある時に機器底面に配置された突出物を回避する形状を備えた他の実施形態を示した機器底面図である。 本発明の転倒防止部材の他の構成例(シャフト先端部)を示す説明図である。 (a)は本発明の他の実施形態に係る転倒防止装置Tの構成を示す機器底面図であり、(b)は正面図である。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る転倒防止装置を備えた機器の一例としての画像形成装置の正面図であり、図2は画像形成装置の制御ブロック図であり、図3(a)及び(b)は同転倒防止部材を含む機器の底面図、及び転倒防止部材の詳細を示す正面図である。
画像形成装置(機器)1は、画像形成装置本体(機器本体)2の底面(底部)3に4個のキャスター(回転体、脚部)10を備えており、各キャスターの転動により設置面F上を移動可能に設置されている。
画像形成装置本体2内には、画像形成部(作像部)20、給紙部21、搬送経路22等を構成するユニットや部品が配置され、画像形成装置本体上には自動原稿給紙装置(ADF)24が配置されている。画像形成部20としては、例えば、感光体、露光部、現像部、転写部、定着部等を備えた電子写真式の複写機、プリンタを例示することができる。給紙部21には、筐体2の正面に設けた複数のトレイ着脱穴に引出し式に装備されて記録紙を収容した給紙トレイ5が上下位置関係に配置されている。搬送経路22は、給紙トレイから取り出された記録紙を画像形成部20、排紙トレイ23等に搬送する手段である。
画像形成装置本体2の上面には自動原稿給紙装置24が背面側に設けたヒンジ部を中心として上下方向へ開閉自在に取付られている。
図3(a)に示した4つのキャスター10(10a~10d)のうちの対角位置関係にある2つのキャスター10a、10cには夫々転倒防止部材30(30A、30B)が水平方向へ回動自在に支持されている。
図3(b)に示すように、キャスター10は、機器底面3(駆動部105の回動軸部106)から下方へ突設された支軸(縦支軸)11と、支軸11の下部により支軸に対して相対回転自在に軸支された車輪ホルダ12と、車輪ホルダに設けた水平な車軸13により回転自在に軸支された車輪14と、を概略備えている。
転倒防止装置Tは、転倒防止部材30と、駆動部105と、制御手段100等から概略構成されている。
転倒防止部材30は、設置面F上に配置された画像形成装置(機器)1の転倒(転倒に至らない傾倒を含む)を防止する手段であり、画像形成装置の底面3に配置された複数個、本例では4個のキャスター(脚部)10a~10dのうちの少なくとも一つのキャスターの支軸11(駆動部105の回動軸部106)に一体化されて初期位置(機器底面内への退避位置)と機器底面外周縁から外部へ突出した突出位置との間で(水平方向へ)回動自在(進退自在)に軸支されたシャフト(回動部材)31と、シャフト31の先部に配置されて設置面と接することにより画像形成装置の重量を受承する受承部材50と、を備えている。更に、転倒防止部材30は、駆動部105の回動軸部106と一体化されたキャスターの支軸11と一体的に回動して転倒が懸念される方向へ(機器底面よりも外側へ)突出することにより、個々の転倒防止部材が複数の異なった方向への転倒(本例では2つの方向への転倒)を防止する。
本発明の転倒防止部材30は、1つの転倒防止部材により複数の異なった方向への転倒を防止できるようにした点が特徴的である。
本例では、受承部材50は画像形成装置底面3のキャスター10よりも小型のキャスターであり、シャフト31の先部底面から突出した軸部51と、軸部により回動自在に支持された車輪ホルダ52と、車輪ホルダの車軸53により回転自在に軸支された車輪54と、を備えている。
キャスター10の支軸11はモータ等のアクチュエータから成る駆動部105により正逆転駆動され、本例に係るシャフト31はその基端部を支軸11(回動軸部106)に固定されている。なお、図示しないが、回転しない支軸11によりシャフト31の基端部を回動自在に軸支し、且つモータ、ソレノイド等のアクチュエータによりシャフトを直接回動させる構成としてもよい。
図3(b)の例では、シャフト31は先端に向かう程斜め下向きに傾斜しているが、これは一例に過ぎず、シャフトの姿勢は水平であってもよい。シャフトを水平にする場合にも受承部材50としてのキャスターの車輪54が設置面Fと接するように構成する。
なお、本明細書では、回動軸部106をキャスターの支軸11と同視する場合がある。
図3(a)の構成例に係る底面図では、四隅に位置する各キャスター10a~10dのうちの左上隅と右下隅に位置する各キャスター10a、10cの支軸11(回動軸部106)に夫々転倒防止部材30A、30Bが固定されている。2つの転倒防止部材30A、30Bは、通常は画像形成装置の底面3の外周縁から外側に突出することなく、その内側(初期位置)に収まっており、ユーザーの履物(足)や床面の他物体と接触することはない。受承部材50は初期位置にある時には設置面Fから離間していてもよいし、接触していてもよいが、突出位置にある時には設置面Fと接して機器からの荷重を受承するように構成されている。つまり、各転倒防止部材がキャスターの支軸を中心として底面3の外周縁から外側へ突出する方向へ回動した場合には受承部材50が底面の外周縁の外側に位置する設置面F部分と接することにより転倒方向へ加わる荷重を受承する。
なお、機器を急激に傾倒させる負荷が加わった場合に突出姿勢にある転倒防止部材の受承部材がその負荷を受けたことによりバウンドを起こして機器を傾倒方向とは逆方向へ傾倒させる結果をもたらす虞を解消するために、図示しないバネ等の弾性部材によるクッション作用を転倒防止部材に付与するようにしてもよい。
図3(a)に示した2つの転倒防止部材30A、30Bのうちの正面側の転倒防止部材30Bは、対応するキャスター10cの支軸11を中心として、且つ支軸と一体的に実線で示した初期位置から破線で示した正面への突出位置(作動位置)までA方向(反時計回り方向)に回動(往復回動)するだけでなく、初期位置から破線で示した右側方への突出位置へ向かうB方向(時計回り方向)へも回動(往復回動)自在に構成されている。
また、背面側の転倒防止部材30Aは、対応するキャスター10aの支軸を中心として、実線で示した初期位置から破線で示した背面への突出位置(作動位置)までC方向(反時計回り方向)に回動(往復回動)するだけでなく、初期位置から破線で示した左側方への突出位置へ向かうD方向(時計回り方向)へも回動(往復回動)自在に構成されている。
転倒防止部材30A、30Bはユーザーによる手動操作によってその突出方向、位置を変更、調整するようにしてもよいが、以下の実施形態では駆動部により自動的に転倒防止部材を出没、進退させるようにした構成例を中心に説明する。
即ち、本例に係る転倒防止装置T(画像形成装置1)は、転倒防止部材30A、30Bをキャスターの支軸11を中心として(支軸回りに)回動させる駆動部(アクチュエータ)105と、内部的要因、外部的要因、その他の要因により機器の重量バランスが不安定化した時に、転倒(傾倒)の虞(危険性の程度)と、転倒が懸念される方向を検知する転倒検知手段110と、転倒検知手段110からの検知信号に基づいて駆動部を転倒防止に適した方向、角度、位置に回動させる制御手段100と、を備えている。
個々の転倒防止部材30A、30Bは、それぞれが一つの転倒防止部材で機器の複数方向への転倒を防止できる点が特徴的である。
例えば、図1中の5つの給紙トレイ5を全て正面方向へ引き出したままの状態とした場合には機器全体の正面方向への転倒が懸念されるが、図3(a)において例えば正面側の転倒防止部材30Bを図中右下のキャスター10cの支軸を中心として正面方向(反時計回り方向)Aへ所定角度θ1だけ回動させて受承部材50が機器の底面3の外周縁の外側において設置面Fと接触した状態を維持させることにより、機器が正面方向へ転倒(傾倒)しようとしても転倒防止部材30Bの受承部材50が転倒方向への荷重を受承して転倒を防止する。
また、図3(a)の底面3から見て右方向へ機器が倒れることが懸念される場合には、転倒防止部材30Bは時計回り方向Bへ回動して破線で示した突出位置にて停止して先端の受承部材50により転倒方向への荷重を受承して転倒を防止する。
他の転倒防止部材30Aについても同様にC方向、D方向へ往復回動して、夫々背面方向への傾倒による荷重、左側方への傾倒による荷重を各受承部材50により受承して転倒を防止する。
また、転倒防止部材30は、キャスターの支軸11に対して着脱自在としても良いし、後述するようにシャフト31(回動部材)を着脱自在な複数の部材から構成してもよい。
図4は機器の転倒の可能性を判断する手順を示すフローチャートであり、給紙トレイ5が2段以上引き出されることにより発生する機器正面方向への転倒の虞を一例として示している。給紙トレイの引出し状態(引出し数)の検知手段115としては、フォトセンサ、リミットスイッチ等の通常の技術を使用することができる。
即ち、本実施形態に係る転倒防止装置Tでは、転倒検知手段115(110)は、転倒の虞の程度(方向)を検知する機能を備え、制御手段100は、転倒の虞の程度に応じて作動させる転倒防止部材30を選択し、且つ選択した転倒防止部材30の突出方向、及び突出位置を調整する。
図4において、機器の電源が投入された状態で転倒検知手段110が作動可能な状態となる(ステップS1)。電源ステップS2では給紙トレイ5が2段以上引き出されたか否かをチェックし、2段以上引き出されている場合には正面への転倒の可能性があるとして、制御手段100は駆動部105を正転方向へ駆動して転倒防止部材30Bを正面側Aへ回動させて図3(a)の破線で示す突出位置に移動させる(ステップS3)。このため、正面方向への傾倒、転倒を未然に防止することができる(転倒防止動作終了、ステップS4)。
本例では機器が転倒する虞がある場合の一例として引き出された給紙トレイの数や、引き出し量を示しているが、これは一例に過ぎない。
画像形成部20、給紙部21、搬送経路22、ADF24等、稼動した時に機器の重量バランスの変動に影響を与える構成要素(ユニット、部品)を全て検知の対象とする。また、設計段階ではこれらの重量バランスに影響を与える構成要素の稼動時に、機器の前後左右方向に対して、どの程度の転倒リスクが発生するかを予め算出し、データとして制御手段のメモリに保持しておく。
例えば、自動原稿給紙装置(ADF)24の開閉状態を検知するフォトセンサによりADFが所定の角度以上開放している場合に後方への転倒の可能性があることを検知するようにしてもよい。
また、本例では底面形状が四角い機器を前提としているが、機器底面の形状の違いや、機器特有の重量バランスに応じて脚部の個数、転倒方向が異なるため、それらの違いに応じて脚部の配置、個数を異ならせることは勿論である。
機器の傾き量に基づいて転倒のリスクを検知する転倒検知手段110としては、例えばスマートフォンや携帯ゲーム機等に搭載されているジャイロセンサ(加速度センサ)を利用することができる。どの程度の傾斜角度で転倒リスクありと判断するかは機器の重量バランス等の各種条件により異なるが、例えば実験により一つの方向へ20度傾けると転倒の危険性があると判断されれば20度以上で危険と判断する。
また、図3(a)において機器が右側方に倒れることが懸念される場合には、制御手段100は初期位置にある転倒防止部材30BをA方向とは逆方向のB方向へ回動させるために駆動部105を所定量逆転させて同図中に破線で示した右側方へ突出させる。
また、図3(a)において機器が背面方向(奧方向)へ倒れることが懸念される場合には、制御手段100は転倒防止部材30AをC方向へ回動させるために駆動部105を所定量正転させることにより同図中に破線で示した後方へ突出させる。また、機器が左側方へ倒れることが懸念される場合には、制御手段100は転倒防止部材30AをD方向へ回動させるために駆動部105を所定量逆転させることにより同図中に破線で示した左側方位置に突出させる。
本発明の転倒防止装置Tを備えた機器1によれば、一つの転倒防止部材により複数方向(本例では二方向、他例では最大4方向)への機器の転倒を防止することができるため、転倒防止装置、転倒防止部材の個数を削減し、コスト低減、制御プログラムのシンプル化を実現でき、4個の転倒防止部材を全て操作せねばならないという従来の煩わしさから解放される。また、転倒防止機能が必要な時のみに転倒防止部材を突出させればよいので周辺の人物の移動や、機器操作の邪魔になることがない。このことは以下の全ての実施形態に共通する。
次に、図5は転倒の可能性(転倒リスク)に関する閾値に基づいて転倒防止装置を動作させるための制御手順を示すフローチャートである。
本実施形態に係る転倒防止装置Tでは、制御手段100は、転倒の虞の程度に応じて作動させる転倒防止部材30を選択し、且つ選択した転倒防止部材30の突出方向、及び突出位置を調整する。
本例では、転倒検知手段115(110)が転倒の虞の程度、転倒方向を検知する機能を備えていることが前提であり、機器の転倒が懸念される程度に応じて作動させる転倒防止部材を選択してその突出位置を調整し、リスクが小なら少ない距離だけ突出させ、リスクが大なら機器底面よりも大幅に突出させる。リスクの大小の判定方法としては、例えば給紙トレイ一つについての引き出しポイントを+2ポイント、機器の前ドア開放の開放ポイントを+4ポイントと予め決めておく。給紙トレイや前ドアの状態をフォトセンサなどにより常時監視しておき、各状態でのポイント合計がしきい値(例えば、5ポイント未満は安全、6ポイント以上は危険)を超えれば転倒防止装置を駆動する。なお、閾値を2段階にすることで、安全、リスク小、リスク大の3状態を判断することができる。
以上のように本例では、転倒防止部材30を動作させるための閾値を予め決めておく。例えば、給紙トレイの引き出し状態や引出し個数についても、機器を動作させた時にその閾値を超えれば転倒の可能性があると判断されて転倒防止部材を動作させるように構成する。例えば、図1における5個の給紙トレイのうちの一個を引き出した時に機器正面側へ倒れる転倒リスクが2ポイント発生すると共に、転倒防止部材の動作閾値を5ポイントと決めておく。
従って、例えばユーザーが給紙トレイを1段ずつ引き出すと、3段目を引き出した時点で6ポイントになって閾値5を超えるので、駆動部105を作動させて転倒防止部材30B(図3(a))を正面側の突出位置に移動させる。
図5において、ステップS11で機器の電源をONすると、給紙トレイの引き出し状態の検知手段(転倒検知手段110でもある)115が作動可能な状態となり、給紙トレイが引き出された時に引き出された給紙トレイの数を検知し、引き出された給紙トレイの数に基づいて転倒リスクポイントを算出し、閾値である6ポイントを超えたか否かを判定する(ステップS12)。閾値を超えている場合にはステップS13へ進んで駆動部105を駆動して初期位置にあった転倒防止部材30Aを正面A方向へ突出させることにより、転倒防止動作を完了する(ステップS14)。
なお、閾値は機器の前後左右の4方向に関して最適のポイントを設定するが、個々の機器の状態(重量バランスなど)の違いに応じて閾値も適切な値を柔軟に設定する。
次に、図6は転倒の可能性に関する閾値を複数設けた場合において転倒防止装置を動作させるための制御手順を示すフローチャートである。
本例では転倒の可能性に関する閾値を複数設けることにより、転倒防止部材30Aの突出距離(突出量)を閾値に応じて変化させるようにしている。例えば、図5の例では閾値としては一つの閾値である5ポイントのみを設定しているが、本例では閾値を3ポイント(リスク小)と、7ポイント(リスク大)と複数にしている。給紙トレイを2段引き出した状態では4ポイントとなるためリスク小となり、転倒防止部材30Bの突出量が小(例えば、図3(a)中に破線で示した正面への突出位置)となるように駆動部105を動作させる。また、給紙トレイを4段引き出した状態では8ポイントとなるためリスク大となり、転倒防止部材30Bの突出量が大(例えば、図3(a)で破線で示した突出位置(小)よりも更に正面方向へ突出した位置)となるように駆動部105を動作させる。
即ち、図6のステップS21で機器の電源をONすると、給紙トレイの引き出し状態の検知手段115が作動可能な状態となり、給紙トレイが引き出された時に引き出された給紙トレイの数を検知し、引き出された給紙トレイの数に基づいて転倒リスクポイントを算出し、第1の閾値である4ポイントを超えたか否かを判定する(ステップS22)。閾値4ポイントを超えている場合にはステップS23へ進む。ステップS23では、引き出された給紙トレイの数に基づいて転倒リスクポイントを算出し、第2の閾値である8ポイントを超えたか否かを判定する。8ポイントを超えている場合にはステップ24に進んで駆動部105を駆動して転倒防止部材30Bを正面側の最大突出位置にまで突出させる(ステップS26)。ステップS23において第2の閾値である8ポイントに達していない場合にはステップS25に進んで転倒防止部材30Bの正面側突出量を突出量が小となる位置にまで突出させる(ステップS26)。
次に、図7は転倒防止部材の回動角度を任意の値に調整するための制御手順を示すフローチャートであり、図8は転倒リスクに応じて転倒防止部材を段階的に突出させる例を示した機器の底面図である。なお、給紙トレイを1段引き出すと2ポイント、閾値を6ポイントとして説明する。
転倒防止部材30の回動角度(突出量、突出位置)は、駆動部105を構成するステッピングモータのクロック数での制御か、或いは駆動部を構成するDCモータのエンコーダ(波数)制御を用いることにより任意の角度に調整する。
まず、ステップS31で機器の電源をONすると、給紙トレイの引き出し状態の検知手段115が作動可能な状態となり、給紙トレイが引き出された時に引き出された給紙トレイの数を検知し、引き出された給紙トレイの数に基づいて転倒リスクポイントを算出し、閾値である6ポイントを越えたか否かを判定する(ステップS32)。閾値6ポイントを超えている場合にはステップS33へ進み、駆動部105を構成するステッピングモータ、或いはDCモータが転倒防止部材30Bを転倒リスクポイント数×20度(単位回動角度)だけ正面方向Aへ向けて回動させる(図8の転倒防止部材30Bの位置P1、或いは位置P2)。このように現在の転倒リスクポイントに所定の単位回動角度、本例では20度を掛けることにより得た回動角度分だけ正面方向へ回動させる。例えば、転倒リスクポイントが3ポイントであれば60度、4ポイントであれば80度だけ回動させることになるので、転倒リスクのレベルに応じた転倒防止部材の突出量とすることができる。
次に、図3(a)において破線で示した突出位置にある各転倒防止部材30A、30Bはそのままではユーザーが足を引っ掛けたりする可能性がある。そこで、転倒防止をする必要ない時は機器底面の内側の初期位置に戻すことでリスクを抑えることが好ましい。
即ち、本実施形態に係る転倒防止装置Tでは、転倒防止部材30が突出位置にある期間に転倒検知手段110(115)が転倒の虞がないことを検知した時に、駆動部105を駆動することにより転倒防止部材を初期位置に復帰させる。
図9は転倒防止をする必要ない時に突出位置にある転倒防止部材を初期位置に戻す制御手順を示すフローチャートである。
本例では転倒検知手段110を用いた転倒防止装置(駆動部)の制御手順について説明する。
まず、ステップS41で機器の電源をONすると、転倒検知手段110が作動して機器の傾斜角度が許容値を超えていない場合には検知信号を制御手段100に出力し(ステップS42 No)、制御手段は駆動部105を制御してそれまで突出位置にあった転倒防止部材を初期位置に戻す(ステップS43、S44)。
次に、図10のフローチャートに基づいて機器の移動時に転倒防止部材を移動への障害とならない位置に移動させる場合の制御手順について説明する。
本実施形態に係る転倒防止装置Tを備えた機器1は、機器を設置面Fに沿って移動する際に、機器に装備された操作部120を操作することにより転倒防止部材を移動の障害とならない位置(任意の位置)に移動させるようにした点が特徴的である。
言い換えれば、本実施形態では、設置面上の機器を移動する際に、転倒防止部材30が移動作業への支障とならない方向、位置に移動するための操作を、ユーザーが操作部(操作表示パネル)120でのキー操作等によって実現するようにしている。
転倒防止部材30が機器底面3から外側に突出した位置にある状態で機器を移動させようとすると、機器を作業者が保持して移動する際に操作者の転倒防止部材が足に当たる等、作業性を悪化させる原因となるので、機器底面から外側に突出しない初期位置に戻しておくことが便利である。
図10において、ステップS51で機器の電源をONすると駆動部105が動作可能な状態となり、転倒防止部材30が突出位置にある期間に何らかの理由によりユーザーが機器を移動しようとする場合には、ユーザーは操作部120に設けられた転倒防止部材退避スイッチを操作することにより駆動部を作動させて転倒防止部材を初期位置、その他の機器運搬に支障が生じない位置に退避させる(ステップS52 NO、ステップS53)。
また、機器を移動する場合の運搬性を高めることとは関係なく、定置された機器において転倒防止部材30が機器底面よりも外側に突出した状態にあると、子供、その他の人間や、機器周辺の床面を移動する他の物品の移動の障害となって、転倒、衝突の原因となる予知不能のリスクが想定される。そこで、転倒防止部材退避スイッチを操作することにより任意のタイミングで、突出状態にある転倒防止部材を任意の位置、例えば退避位置に移動させるように構成する。この任意の位置とは、退避位置に限らず、人間や物品との衝突を回避できる位置であればよい。
即ち、操作部102を操作することにより、転倒防止部材を任意の突出方向、及び位置に移動できるように構成する。
このようにユーザーによる操作部への入力により転倒防止部材を任意の位置に移動できるようにすれば、例えば地震、子供が転倒防止部材にぶつかる等、機器では予知できない転倒リスクをユーザーの指示により回避、低減することができる。
次に、図11は転倒防止部材がユーザーが意図した位置に存在していない場合に操作部にその旨の警告を表示する場合の装置構成を示した機器底面図である。
言い換えれば、本例に係る機器1にあっては、転倒防止部材30を任意の突出方向、及び位置に移動できない場合に、機器の操作部(表示部)120に警告を表示する。
更に具体的には、本例では、図10の実施形態のように機器を移動する場合に転倒防止部材が移動の障害となったり、定置された機器において突出位置にある転倒防止部材が人や物品の移動の障害となる場合に、突出位置にある転倒防止部材を退避位置に移動させようとしても何らかの不具合により意図した位置に移動させることができないケースを想定する。そのような場合、その異常状態を検知して操作部120の表示部にその旨を表示してユーザーに警告を発する。
図12は操作部120の構成例を示しており、表示部122に警告表示がなされている状態を示している。
本実施形態では、制御手段100は、転倒防止部材30が意図した位置に移動できないことの判断を、例えばキャスターの支軸11(回動軸部106)の回動動作を確認するエンコーダ(位置検知センサ125)の出力、或いは転倒防止部材が特定の位置にあること、或いは特定位置にないことを検知するセンサ127からの検知信号に基づいて実施する。
次に、以上の各実施形態では転倒防止部材(例えば、図3(a)の転倒防止部材30B)の突出方向を底面が四角い機器の転倒が予想される方向(例えば、図3(a)の正面方向)と一致した方向としていたが、機器の転倒が予想される方向と逆方向(図3(a)の背面方向)に転倒防止部材(30A)を突出させることにより機器の重心を逆方向に移動させて本来の転倒予想方向への転倒を防止することも可能である。
即ち、本実施形態に係る機器1では、転倒検知手段110、115がある方向(例えば、正面方向)への機器の転倒の虞があることを検知した時、当該ある方向とは異なる逆方向(背面方向)、或いはその他の方向へ転倒防止部材を突出させることにより、機器の重心を逆方向へ移動してある方向への転倒を防止する。
上記の各実施形態では、転倒を防止しようとする方向と同じ方向に転倒防止部材を突出させるので、その方向において転倒防止部材がユーザーの邪魔になったりするが、本例によれば転倒を防止する方向に転倒防止部材が位置しないので邪魔になることがない。
図13は他の実施形態に係る転倒防止部材を備えた機器底部の構成を示す図面であり、転倒防止部材を構成するシャフトを2つの部材31a、31bから構成し、両部材を着脱自在とした構成が特徴的である。
即ち、本例では、画像形成装置の側面(例えば、排紙方向側面)に対して用紙後処理装置等の周辺機器を取り付けることにより画像形成装置が周辺機器側に転倒する虞がなくなる場合や、設置環境により転倒が懸念されない方向がある場合、例えば機器背面に壁等がある場合に、転倒防止部材(転倒防止装置)の全部、又は一部を画像形成装置から取り外すことができるようにしている。
ユーザーにおける機器の設置環境において何れかの転倒防止部材30が不要とされることが予め判明している場合には、当該転倒防止部材やそれに関わるアクチュエータ類を取り外す、或いは取り外した状態で出荷することでコストを低減することが可能となる。
本例では、転倒防止部材30を構成するシャフト31をキャスターの支軸11(106)から延びる基部材31aと、基部に対して着脱自在な先部材31bと、から構成し、先部材31bの一端に設けた雄螺子部を基部材31aの先端に設けたネジ穴内に螺着するように構成している。
なお、転倒防止部材30をキャスターの支軸11に対して着脱自在としてもよい。即ち、転倒防止部材はキャスターの支軸(脚部)に対して着脱自在であるか、或いはシャフト(回動部材)31が着脱自在な複数の部材31a、31bから構成されていてもよい。
次に、図14、及び図15は初期位置にある時に機器底面に配置された他のキャスター(突出物)、その他の突出物(レベラー等)を回避する形状(迂回部)を備えている転倒防止部材の実施形態を示している。
図14の実施形態に係る転倒防止装置Tを構成する各転倒防止部材30A、30Bは、夫々底面視で左上のキャスター10a、及び右下のキャスター10cの支軸を回動軸として水平方向(横方向)へ回動するように構成されている一方で、各シャフト31が隣接する他のキャスター(突出物)10b、10dと干渉する中間部位には当該他のキャスター10b、10dを回避するU字状の迂回部32bが形成されている。各迂回部32bの先には受承部材50が連設されている。
言い換えれば、図14に係る各転倒防止部材30A、30Bは、夫々キャスター10a、10cの支軸11に設けられたシャフト31が実線で示した初期位置(退避位置)にある時に、キャスター10a、10cから延びて他のキャスター10b、10dに向けて延びる第1の部分32aと、該第1の部分32aに連設されて他のキャスター10b、10dを迂回するU字状の第2の部分(迂回部)32bと、該第2の部分に連設されて他のキャスター10b、10dを越えた方向(正面方向、及び後方向)へ延びる第3の部分32cと、受承部材50と、を備えている。
右側の転倒防止部材30Bに着目した場合に、転倒防止部材30Bは右下のキャスター10cの支軸を中心として実線で示した後方へ向いた初期位置から、破線で示した右側方を向いた位置、破線で示した正面を向いた位置へ向けて時計回りに180度回動される。このため、初期位置では受承部材50が他のキャスター10dを越えて機器底面3の外周縁から後方へ突出して後方への転倒を防止し、右側方に突出した位置、及び正面に突出した位置では夫々右側方、及び正面方向への転倒を防止することができる。なお、転倒防止部材30Bは、破線で示した正面方向への突出位置よりも更に時計回り方向へ回動できるようにしてもよい。
左側の転倒防止部材30Aも同様に初期位置から時計回り方向へ180度回動して3方向への転倒防止機能を発揮する。
図14のように両転倒防止部材30A、30Bが初期位置にある時には、夫々の先端の受承部材が機器の正面方向と後方への転倒を同時に抑制している。
なお、迂回部32bが回避する機器底面の突出物はキャスターのみならず、例えばレベラーと称される機器の高さを調整する部品を含む。レベラーは機器底面のネジ穴に螺着(螺合)されるボルトのような形状を有しており、下降方向へ回転させるとボルト頭部が下降してきて設置面Fに接地することで機器底部を持ち上げる手段である。
図14の実施形態は、迂回部の底面視形状をU字形状にすることで、一つの転倒防止部材が隣接する他の1個のキャスター(突出物)を迂回して回避しつつ3方向への機器の転倒を防止するものであるが、図15の実施形態は迂回部の底面視形状をS字形状にすることで、一つの転倒防止部材が隣接する他の2個のキャスターを迂回して回避しつつ4方向への機器の転倒を防止するものである。
即ち、図15は他の実施形態に係る転倒防止装置Tの構成例を示す機器底面図であり、図14の転倒防止装置と異なる点は、転倒防止部材30が単一であり、且つ該転倒防止部材を構成する迂回部32bがS字状をなしている点にある。このため、単一の転倒防止部材により四方向への機器転倒を防止することが可能になる。
即ち、図15に係る単一の転倒防止部材30は、左上隅の一つのキャスター10aの支軸に設けられたシャフト31が実線で示した初期位置(退避位置)にある時に、該一つのキャスター10aの支軸から他のキャスター10dに向けて右方向へ延びる直線状の第1の部分32aと、該第1の部分32aに連設されて他のキャスター10dを迂回するS字状の第2の部分(迂回部)32bと、該第2の部分に連設されて他のキャスター10dを越えた方向(右方向)へ延びる直線状の第3の部分32cと、受承部材50と、を備えている。S字状の第2の部分32bはU字状部と逆U字状部を連設した構成を有し、実線で示した初期状態では右側の逆U字状部がキャスター10dを回避する役割を果たす。手前側のU字状部は転倒防止部材が破線で示した正面突出位置にある時に正面左のキャスター10bを回避する役割を果たす。
転倒防止部材30は、キャスター10aの支軸を中心として実線で示した右方向を向いた初期位置から、破線で示した後方を向いた位置と、破線で示した左方向を向いた位置と、破線で示した正面方向を向いた位置へ向けて反時計回りに270度回動される。このため、初期位置では受承部材50が他のキャスター10dを越えて機器底面3の外周縁から右側方へ突出して右側方への機器の転倒を防止し、後方へ突出した位置、左側方に突出した位置、及び正面に突出した位置では夫々後方、左側方、及び正面方向への機器の転倒を防止することができる。
なお、単一の転倒防止部材30はキャスター10dの支軸だけに設けても良い。
なお、迂回部32bが回避する機器底面の突出物はキャスターのみならず、レベラー、その他の突出物を含む。
次に、図16は本発明の転倒防止装置の他の構成例(シャフト先端部)を示す説明図である。
本実施形態に係る転倒防止装置Tは、転倒防止部材30を構成するシャフト31の先端の受承部材50がキャスターではなく、モールド成型された一体物の回転しない円筒体、球状体、或いは楕円球状体等々の外周面(設置面Fとの接触面)がR状(曲面状)の部材である点が特徴的である。本例では受承部材50はシャフト31の底面に固定されるが、シャフトのどの部位に固定されてもよい。
即ち、受承部材50は、シャフト(回動部材)31により回転自在に軸支された回転体としてのキャスター以外であっても良く、例えば、シャフトに固定されて設置面Fと接触する部位が曲面である非回転体であってもよい。曲面の湾曲方向は、非回転体としての受承部材が設置面と摺接しながら移動する際に設置面との摩擦抵抗を減少させる方向となるように設計する。
言い換えれば、受承部材50は、シャフト31により回転自在に軸支されたキャスター(回転体)以外の、シャフトに固定されて設置面と接触する部位が曲面である非回転体としてもよい。
受承部材50としてキャスターに代えて、樹脂、ゴム、金属等から成るR形状物を用いることにより機器からの荷重を受承する機能を発揮しつつ、コスト低減を図ることができる。また、この受承部材50が矢印方向へ移動する際に設置面との間の摩擦抵抗が少なくなる材質を選定することにより移動方向への負荷を低減することができる。また、傾倒時等に機器からの大きな荷重を受ける場合には滑りを起こさない程度の摩擦抵抗とする。
なお、本実施形態の受承部材50は、設置面Fとの接触面だけが曲面であれば良いので、下面が平坦なシャフト31に取り付ける場合には受承部材の上面を平坦面としてシャフト面に固定し易くしてもよい。
次に、図17(a)は本発明の他の実施形態に係る転倒防止装置Tの構成を示す機器底面図であり、(b)は機器全体の正面図である。本例の転倒防止装置Tを備えた機器1は、用紙補充時の紙束が機器正面に置かれている場合等、障害物の存在によって転倒防止部材が狙いの位置(突出位置)へ移動できない場合に給紙トレイや引出しユニット等の他の周辺装置の動作にロックを掛けるようにした点が特徴的である。
即ち、本実施形態に係る機器1は、転倒防止部材が障害物の存在によって突出位置に移動できない場合に、機器の重量バランスを左右する機器の可動部(給紙トレイ等)や、機器の周辺機器の可動部を動作できないようにロックするロック機構130を備えたことを特徴とする。
つまり、障害物の存在等の事情により転倒防止部材を突出方向、及び突出位置に移動することができない場合に、ロック機構130を作動させて機器の重量バランスが不安定化する機器の動作、例えば給紙トレイの引出し動作を阻止して転倒を防止する。
図17(b)におけるロック機構130としては、例えば電気洗濯機において脱水工程中にカバーロックするロック機構を流用することができる。
1…機器(画像形成装置)、2…筐体(画像形成装置本体)、3…機器底面、5…給紙トレイ、10…キャスター(回転体、脚部)、10…脚部、10a、10b、10c、10d…キャスター、11…支軸、12…車輪ホルダ、13…車軸、14…車輪、20…画像形成部、21…シャフト、21…給紙部、22…搬送経路、
23…排紙トレイ、24…自動原稿給紙装置(ADF)、T…転倒防止装置、30…転倒防止部材、30A、30B…転倒防止部材、31…シャフト(回動部材)、31a…基部材、31b…先部材、32a…第1の部分、32b…第2の部分(迂回部)、32c…第3の部分、50…受承部材、51…軸部、52…車輪ホルダ、53…車軸、54…車輪、100…制御手段、102…操作部、105…駆動部、106…回動軸部、110、115…転倒検知手段、120…操作部、122…表示部、125…位置検知センサ、127…センサ、130…ロック機構。
特許第3987292号

Claims (6)

  1. 設置面上における機器の転倒を防止する転倒防止部材であって、
    前記機器の底面に配置された複数個の脚部のうちの少なくとも一つの脚部を中心として機器底面内側に退避した初期位置と、該機器底面の外周縁から外側に突出した突出位置との間で回動自在に構成された回動部材と、
    前記回動部材に配置されて前記設置面と接することにより前記機器からの負荷を受承する受承部材と、を備え、且つ
    前記脚部を中心として回動して転倒が懸念される複数方向の各突出位置へ突出する構成を備え、
    前記初期位置にある一つの前記回動部材が前記機器底面に配置された突出物と干渉する部位に、該突出物を回避する迂回部を備え、
    前記迂回部の底面視形状がU字形状、又はS字形状であることを特徴とする転倒防止部材。
  2. 前記迂回部の底面視形状をU字形状、又はS字形状にすることで、隣接する他の1個、又は2個の前記突出物を迂回して回避しつつ3方向、又は4方向への機器の転倒を防止できることを特徴とする請求項に記載の転倒防止部材。
  3. 前記転倒防止部材は、前記脚部に対して着脱自在であるか、或いは前記回動部材が着脱自在な複数の部材から構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の転倒防止部材。
  4. 転倒防止装置を備えた機器であって、
    前記転倒防止装置は設置面上における前記機器の転倒を防止する転倒防止部材を備え、
    前記転倒防止部材は、
    前記機器の底面に配置された複数個の脚部のうちの少なくとも一つの脚部を中心として機器底面内側に退避した初期位置と、該機器底面の外周縁から外側に突出した突出位置との間で回動自在に構成された回動部材と、
    前記回動部材に配置されて前記設置面と接することにより前記機器からの負荷を受承する受承部材と、を備え、且つ
    前記脚部を中心として回動して転倒が懸念される複数方向の各突出位置へ突出する構成を備え、
    前記転倒防止装置は、
    前記機器が転倒する虞が発生した時に、転倒が懸念される方向を検知する転倒検知手段と、
    前記転倒防止部材を前記脚部を中心として回動させる駆動部と、
    前記転倒検知手段からの検知信号に基づいて前記駆動部を転倒防止に適した方向、角度に回動させる制御手段と、を備え、
    前記機器を前記設置面に沿って移動する際に、前記機器に装備された操作部を操作することにより前記転倒防止部材を移動の障害とならない位置に移動させ、且つ前記転倒防止部材を前記任意の突出方向、及び位置に移動できない場合に、前記操作部に警告を表示することを特徴とする
    転倒防止装置を備えた機器。
  5. 転倒防止装置を備えた機器であって、
    前記転倒防止装置は設置面上における前記機器の転倒を防止する転倒防止部材を備え、
    前記転倒防止部材は、
    前記機器の底面に配置された複数個の脚部のうちの少なくとも一つの脚部を中心として機器底面内側に退避した初期位置と、該機器底面の外周縁から外側に突出した突出位置との間で回動自在に構成された回動部材と、
    前記回動部材に配置されて前記設置面と接することにより前記機器からの負荷を受承する受承部材と、を備え、且つ
    前記脚部を中心として回動して転倒が懸念される複数方向の各突出位置へ突出する構成を備え、
    前記転倒防止装置は、
    前記機器が転倒する虞が発生した時に、転倒が懸念される方向を検知する転倒検知手段と、
    前記転倒防止部材を前記脚部を中心として回動させる駆動部と、
    前記転倒検知手段からの検知信号に基づいて前記駆動部を転倒防止に適した方向、角度に回動させる制御手段と、を備え、
    前記機器を前記設置面に沿って移動する際に、前記機器に装備された操作部を操作することにより前記転倒防止部材を移動の障害とならない位置に移動させ、且つ前記転倒検知手段がある方向への前記機器の転倒の虞があることを検知した時、当該ある方向とは異なる逆方向へ前記転倒防止部材を突出させることにより、前記機器の重心を前記逆方向へ移動して前記ある方向への転倒を防止することを特徴とする
    転倒防止装置を備えた機器。
  6. 転倒防止装置を備えた機器であって、
    前記転倒防止装置は設置面上における前記機器の転倒を防止する転倒防止部材を備え、
    前記転倒防止部材は、
    前記機器の底面に配置された複数個の脚部のうちの少なくとも一つの脚部を中心として機器底面内側に退避した初期位置と、該機器底面の外周縁から外側に突出した突出位置との間で回動自在に構成された回動部材と、
    前記回動部材に配置されて前記設置面と接することにより前記機器からの負荷を受承する受承部材と、を備え、且つ
    前記脚部を中心として回動して転倒が懸念される複数方向の各突出位置へ突出する構成を備え、
    前記転倒防止装置は、
    前記機器が転倒する虞が発生した時に、転倒が懸念される方向を検知する転倒検知手段と、
    前記転倒防止部材を前記脚部を中心として回動させる駆動部と、
    前記転倒検知手段からの検知信号に基づいて前記駆動部を転倒防止に適した方向、角度に回動させる制御手段と、を備え、
    前記機器を前記設置面に沿って移動する際に、前記機器に装備された操作部を操作することにより前記転倒防止部材を移動の障害とならない位置に移動させ、且つ前記転倒防止部材が障害物の存在によって前記突出位置に移動できない場合に、前記機器の可動部や、前記機器の周辺機器の可動部を動作できないようにロックするロック機構を備えたことを特徴とする
    転倒防止装置を備えた機器。
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