JP7321446B2 - リチウム硫黄固体電池 - Google Patents
リチウム硫黄固体電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7321446B2 JP7321446B2 JP2019059146A JP2019059146A JP7321446B2 JP 7321446 B2 JP7321446 B2 JP 7321446B2 JP 2019059146 A JP2019059146 A JP 2019059146A JP 2019059146 A JP2019059146 A JP 2019059146A JP 7321446 B2 JP7321446 B2 JP 7321446B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lithium
- sulfur
- positive electrode
- solid
- conductive layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Landscapes
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
Description
一方、電気自動車の普及や、自然エネルギーの利用の推進には、さらに大きなエネルギー密度の電池が必要とされる。そこで、LiCoO2等のリチウム複合酸化物を正極の構成材料とするリチウムイオン二次電池に替わる、新たなリチウム二次電池の開発が望まれている。
そこで、このような問題点を解決するために、電解液に塩酸や硝酸等の酸を添加して電解液を改質する方法(特許文献1参照)、正極の構成材料として、ケッチェンブラックに硫黄ナノ粒子を内包した複合体を用いる方法(特許文献2参照)等が提案されている。
このような電解液を用いた場合の問題点を解決する方法として、固体電解質を用いる方法がある。しかし、固体電解質を備えたリチウム硫黄固体電池は、まだ技術的に十分に検討されておらず、大きな改善の余地がある。
[1].硫黄正極と、リチウム負極と、固体電解質と、を備え、前記固体電解質は、前記硫黄正極と前記リチウム負極との間に配置され、少なくとも、前記リチウム負極と前記固体電解質との間には、リチウムビス(オキサレート)ボレートを含む電解液を有する、リチウム硫黄固体電池。
[3].前記リチウム負極と前記固体電解質との間の前記電解液、及び、前記リチウムイオン伝導層を備えている場合には、前記リチウムイオン伝導層が含有する前記電解液が、イオン液体を含む、[1]又は[2]に記載のリチウム硫黄固体電池。
[4].前記リチウム負極と前記固体電解質との間の前記電解液、及び、前記リチウムイオン伝導層を備えている場合には、前記リチウムイオン伝導層が含有する前記電解液において、リチウムビス(オキサレート)ボレートと、リチウムボロハイドライドと、のいずれにも該当しないリチウム塩、及びリチウムビス(オキサレート)ボレートの合計モル量に対する、リチウムビス(オキサレート)ボレートのモル量の割合が、1モル%以上である、[1]~[3]のいずれか一項に記載のリチウム硫黄固体電池。
[5].前記固体電解質の構成材料が酸化物系材料である、[1]~[4]のいずれか一項に記載のリチウム硫黄固体電池。
[6].前記イオン液体が、グライム-リチウム塩錯体からなる溶媒和イオン液体である、[3]~[5]のいずれか一項に記載のリチウム硫黄固体電池。
本発明の一実施形態に係るリチウム硫黄固体電池は、硫黄正極と、リチウム負極と、固体電解質と、を備え、前記固体電解質は、前記硫黄正極と前記リチウム負極との間に配置され、少なくとも、前記リチウム負極と前記固体電解質との間には、リチウムビス(オキサレート)ボレート(Lithium bis(oxalato)borate)を含む電解液を有する。
本実施形態のリチウム硫黄固体電池は、リチウム負極と前記固体電解質との間に、添加剤としてリチウムビス(オキサレート)ボレートを含む電解液を有しており、充放電時において、この電解液は還元安定性に優れるため、前記リチウム硫黄固体電池は、短絡(ショート)が生じるまでのサイクル数が多く、電池特性が高い。
なお、以降の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
ここに示すリチウム硫黄固体電池1は、硫黄正極11と、リチウム負極12と、固体電解質13と、リチウムイオン伝導層14と、を備えて構成されている。
リチウム硫黄固体電池1において、固体電解質13は、硫黄正極11とリチウム負極12との間に配置され、リチウムイオン伝導層14は、リチウム負極12と固体電解質13との間に配置されている。すなわち、リチウム硫黄固体電池1においては、硫黄正極11、固体電解質13、リチウムイオン伝導層14及びリチウム負極12がこの順に、これらの厚さ方向において積層されている。
図1中、符号13bは、固体電解質13のリチウム負極12側の面(本明細書においては、「第2面」と称することがある)を示す。
さらに、リチウムイオン伝導層14は、この空隙部等に、電解液(図示略)を保持しており、この電解液中には、リチウムイオンが溶解可能である。このように、リチウムイオン伝導層14が電解液を含有している(図示略)ことにより、リチウムイオン伝導層14を介して、リチウム負極12と固体電解質13との間(リチウムイオン伝導層14の厚さ方向)においては、リチウムイオンが容易に伝導可能となっている。
このように、リチウム負極12と固体電解質13との間の電解液15がLiBOBを含んでいることにより、リチウム負極12の固体電解質13側の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)12aにおいて、金属リチウムが析出したとしても、その伸長(成長)が抑制される。その理由は定かではないが、放電中にLiBOBが還元されて生じた、オキサレートボレート由来の分解物が、析出した金属リチウムの表面に積層して被覆層を形成し、上記のような樹枝状等の形状での金属リチウムのさらなる析出を抑制することにより、金属リチウムの析出を安定化させるからであると推測される。析出当初の金属リチウムの形状は、上記のとおり樹枝状等であり、充放電中には、その突起の先端部に電流が集中し易い。したがって、通常は、充放電を繰り返すことにより、この突起の先端部でさらに金属リチウムが析出し、析出物が伸長すると考えられる。これに対して、リチウム硫黄固体電池1においては、析出した金属リチウムの表面に前記被覆層が形成され、樹枝状等の金属リチウムの析出が抑制されて、その結果、金属リチウムの析出が特定の箇所に集中し難くなって、リチウム負極12の第1面12aにおいて、金属リチウムの伸長(成長)が抑制されると推測される。
前記イオン液体は、公知のものであってよいが、グライム-リチウム塩錯体からなる溶媒和イオン液体であることが好ましい。
前記イオン液体については、別途詳細に説明する。
ここで、「リチウム塩」とは、後述するように、「LiBOBと、リチウムボロハイドライド(LiBH4)と、のいずれにも該当しないリチウム塩」を意味し、その具体例としては、当該分野で公知のリチウム塩が挙げられる。「溶媒」とは「前記リチウム塩を溶解させている液状の媒体」を意味し、その具体例としては、グライム、後述する液状のイオン性化合物等が挙げられる。「添加剤」とは「リチウム塩及び溶媒、のいずれにも該当しない成分」を意味し、その具体例としては、LiBOBが挙げられる。
なお、本明細書において、「リチウム塩」とは、特に断りのない限り、「LiBOBと、LiBH4と、のいずれにも該当しないリチウム塩」を意味する。
ただし、リチウム硫黄固体電池1においては、リチウムイオン伝導層14が設けられていることにより、リチウム負極12の第1面12aにおいて、金属リチウムが析出しても、リチウムイオン伝導層14において、その伸長が抑制される。
このように、リチウム硫黄固体電池1は、電解液15がLiBOBを含んでいることに加え、さらに、このようにリチウムイオン伝導層14を備えていることによって、金属リチウムの伸長の抑制効果がさらに高く、充放電時において、短絡(ショート)が生じるまでのサイクル数が通常よりもさらに多い。
リチウム硫黄固体電池1において、リチウムイオン伝導層14とリチウム負極12は、互いに接触することなく、離間して配置されているが、互いに接触していてもよい。すなわち、リチウム硫黄固体電池1においては、リチウムイオン伝導層14の第2面14bと、リチウム負極12の第1面12aと、は直接接触していてもよい。
リチウム硫黄固体電池1においては、例えば、硫黄正極11及びリチウム負極12に、さらに、それぞれ外部回路との接続用の端子が設けられる。
なお、図2以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
次に、本実施形態のリチウム硫黄固体電池の各層の構成について、より詳細に説明する。
本実施形態のリチウム硫黄固体電池における硫黄正極は、硫黄を含有し、正極として機能するものであれば、特に限定されない。
硫黄正極としては、例えば、集電体(正極集電体)上に正極活物質層を備えて構成された、公知のものが挙げられる。
このような硫黄正極としては、例えば、前記導電性シートが、前記空隙部に、硫黄、導電助剤、バインダー及び電解液を含有しているもの(本明細書においては、「硫黄正極(I)」と称することがある);前記導電性シートが、前記空隙部に、硫黄を含有し、かつ導電助剤及びバインダーを含有していないもの(本明細書においては、「硫黄正極(II)」と称することがある)が挙げられる。硫黄正極(II)は、さらに、前記空隙部に電解液を含有していることが好ましい。
以下、硫黄正極ごとに、硫黄正極のこれら構成材料について、詳細に説明する。
[導電性シート]
硫黄正極(I)において、導電性シートは、正極集電体として機能し得る。
導電性シート中の前記空隙部は、硫黄正極(I)の導電性シート以外の構成成分、すなわち、硫黄、導電助剤、バインダー及び電解液を保持する。そして、導電性シートは、正極集電体として機能し得る。
また、前記空隙部は、導電性シートの外部に対して開口しており、導電性シートに対して、後から硫黄等の各成分を加えることで、これら成分を保持させることが可能となっている。
例えば、空隙部は、1個又は2個以上の他の空隙部と連結しいてもよいし、他の空隙部と連結することなく、独立していてもよい。
また、連結している空隙部、及び連結していない空隙部は、いずれも、導電性シートの一方の表面から反対側の他方の表面まで貫通していてもよいし、貫通することなく、導電性シートの内部で行き止まりとなっていてもよい。
また、連結している空隙部、及び連結していない空隙部は、いずれも、導電性シートの一方の表面から導電性シートの内部を経由して、再び同じ表面に到達していてもよい。
導電性シートの構成材料として、より具体的には、例えば、炭素、金属(単体金属、合金)等が挙げられる。
なかでも、導電性シートの好ましい構成材料としては、正極集電体の構成材料が挙げられ、より具体的には、例えば、炭素、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、ステンレス鋼等が挙げられる。
前記導電助剤は、公知のものでよく、具体的なものとしては、例えば、黒鉛(グラファイト);ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;カーボンナノチューブ;グラフェン;フラーレン等が挙げられる。
硫黄正極(I)が含有する導電助剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
例えば、硫黄と、炭素含有材料(例えば、ケッチェンブラック等)と、を混合し、焼成することで、硫黄-炭素複合体が得られる。このような、複合体も、硫黄正極(I)の含有成分として好適である。
前記バインダーは、公知のものでよく、具体的なものとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン-六フッ化プロピレン共重合体(PVDF-HFP)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリル酸リチウム(PAALi)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)等が挙げられる。
硫黄正極(I)が含有するバインダーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
硫黄正極(I)が含有する電解液は、イオン液体を含むことが好ましく、イオン液体からなる(電解液がイオン液体である)ものであってもよい。
硫黄正極(I)が含有する電解液は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
硫黄正極(I)が含有する前記イオン液体は、リチウムイオンを容易に移動させるための成分であり、高温安定性に優れる。硫黄正極(I)がイオン液体を含有していることにより、硫黄正極(I)と固体電解質との接触面積が小さいものの、イオン液体が硫黄正極(I)と固体電解質との間でリチウムイオンを移動させる。したがって、前記硫黄正極(I)を用いた固体電池は、固体電解質を用いているにも関わらず、硫黄正極界面での界面抵抗値が小さく、優れた電池特性を有する。
ただし、イオン液体は、例えば、170℃未満の温度範囲で、硫黄の溶解度が低いものほど好ましく、硫黄を溶解させないものが特に好ましい。
前記イオン性化合物を構成するカチオン部は、有機カチオン及び無機カチオンのいずれでもよいが、有機カチオンであることが好ましい。
前記イオン性化合物を構成するアニオン部も、有機アニオン及び無機アニオンのいずれでもよい。
ただし、前記有機カチオンは、これらに限定されない。
トシレートアニオン(CH3C6H4SO3 -);
メタンスルホネートアニオン(CH3SO3 -)、エタンスルホネートアニオン(C2H5SO3 -)、ブタンスルホネートアニオン(C4H9SO3 -)等のアルカンスルホネートアニオン(alkanesulfonate anion);
トリフルオロメタンスルホネートアニオン(CF3SO3 -)、ペンタフルオロエタンスルホネートアニオン(C2F5SO3 -)、ヘプタフルオロプロパンスルホネートアニオン(C3H7SO3 -)、ノナフルオロブタンスルホネートアニオン(C4H9SO3 -)等のパーフルオロアルカンスルホネートアニオン(perfluoroalkanesulfonate anion);
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン((CF3SO2)N-)、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドアニオン((C4F9SO2)N-)、ノナフルオロ-N-[(トリフルオロメタン)スルホニル]ブタンスルホニルイミドアニオン((CF3SO2)(C4F9SO2)N-)、N,N-ヘキサフルオロ-1,3-ジスルホニルイミドアニオン(SO2CF2CF2CF2SO2N-)等のパーフルオロアルカンスルホニルイミドアニオン(perfluoroalkanesulfonylimide anion);
アセテートアニオン(CH3COO-);
ハイドロジェンサルフェートアニオン(HSO4 -);等が挙げられる。
ただし、前記有機アニオンは、これらに限定されない。
ただし、前記無機アニオンは、これらに限定されない。
前記溶媒和イオン液体で好ましいものとしては、例えば、グライム-リチウム塩錯体からなるもの等が挙げられる。
硫黄正極(I)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、導電性シート以外の構成成分として、硫黄、導電助剤、バインダー及び電解液以外に、その他の成分(ただし、後述する溶媒を除く)を含有していてもよい。
前記その他の成分は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
硫黄正極(I)が含有するその他の成分は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
硫黄正極(I)は、例えば、硫黄、導電助剤、バインダー及び電解液を含有する正極材を、前記導電性シートに含浸させる工程を有する製造方法で、製造できる。そして、前記製造方法は、さらに、含浸させた正極材を乾燥させる工程等、他の工程を有していてもよい。以下、このような硫黄正極の製造方法について説明する。
好ましい前記正極材としては、例えば、硫黄、導電助剤、電解液、イオン液体、溶媒、及び必要に応じて前記その他の成分を含有するものが挙げられる。
なお、本明細書においては、特に断りのない限り、如何なるイオン液体も溶媒には包含されない(すべてのイオン液体は溶媒として取り扱わない)ものとする。
前記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール等のアルコール;N-メチルピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド;アセトン等のケトン等が挙げられる。
正極材が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
正極材の溶媒の含有量は、特に限定されず、溶媒以外の成分の種類に応じて、適宜調節できる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの成分(すなわち、上述の硫黄、導電助剤、バインダー、電解液及び前記その他の成分のいずれかの成分)と混合して、この成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、上述の溶媒以外のいずれかの成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら成分と混合することで用いてもよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各成分が劣化しない限り特に限定されない。通常、混合時の温度は、15~30℃であることが好ましい。
正極材は、公知の方法で導電性シートに塗工できる。
導電性シートへ含浸させる正極材の温度は、特に限定されないが、例えば、15~30℃とすることができる。ただし、これは、前記温度の一例である。
硫黄正極(II)は、前記空隙部に硫黄を含有しており、導電性シートに、溶融した硫黄又は硫黄溶液を含浸させて得られたものである。
硫黄正極(II)における導電性シートは、硫黄正極(I)における導電性シートと同じものであり、硫黄正極(I)の場合と同様に用いることができる。
前記硫黄溶液は、溶媒に硫黄を溶解させることで、得られる。
前記硫黄溶液の溶媒は、硫黄を溶解可能であり、かつ、導電性シートを変質させないものであれば、特に限定されない。
前記溶媒は、無機溶媒及び有機溶媒のいずれであってもよい。
前記無機溶媒としては、例えば、二硫化炭素等が挙げられる。
前記有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、n-ヘキサン等が挙げられる。
硫黄溶液の硫黄の濃度は、例えば、溶媒の種類に応じて、適宜調節できる。
硫黄溶液の硫黄の濃度は、例えば、0.1~35質量%であることが好ましい。前記濃度が前記下限値以上であることで、硫黄の含有量が多い硫黄正極(II)をより容易に得られる。前記濃度が前記上限値以下であることで、導電性シートへの含浸時における硫黄溶液の取り扱い性が、より良好となる。
含浸方法Aにおいては、例えば、導電性シート上の硫黄を、この導電性シートとともに加熱してもよい。
含浸方法Bにおいては、例えば、溶融させた状態の硫黄を加熱しながら、導電性シートの表面に供給してもよい。また、導電性シートを硫黄と同等の温度で加熱しながら、硫黄を供給してもよい。
したがって、溶融した硫黄を導電性シートに含浸させる方法は、含浸方法Aであることが好ましい。
硫黄溶液の乾燥は、公知の方法で行えばよく、例えば、常圧下、減圧下及び送風条件下のいずれで行ってもよく、大気下及び不活性ガス雰囲気下のいずれで行ってもよい。
乾燥温度(溶媒の除去温度)は、硫黄溶液中の溶媒の種類に応じて、適宜調節することが好ましい。例えば、硫黄溶液の乾燥温度は、硫黄溶液中の溶媒の沸点以上であることが好ましい。
本実施形態のリチウム硫黄固体電池は、硫黄正極(II)において、このように硫黄が特有の含有状態となることで、通常使用される導電助剤及びバインダーが不要となり、エネルギー密度が高くなる。
硫黄正極(II)が含有する電解液は、イオン液体を含むことが好ましく、イオン液体からなる(電解液がイオン液体である)ものであってもよい。
硫黄正極(II)が含有する電解液は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
硫黄正極(II)におけるイオン液体は、硫黄正極(I)におけるイオン液体と同じものである。
硫黄正極(II)が含有するイオン液体は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
硫黄正極(II)は、導電性シートの空隙部の内外によらず、導電性シート、硫黄及び電解液のいずれにも該当しない、その他の成分を含有していてもよい。
前記その他の成分は、硫黄正極(II)の機能を阻害しないものであれば、特に限定されない。
硫黄正極(II)が含有する前記その他の成分は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
例えば、導電助剤、バインダー等の、通常の正極で使用される成分を、硫黄正極(II)は含有していてもよい。硫黄正極(II)は、導電助剤を含有する場合、硫黄及び導電助剤の複合体として含有していてもよい。硫黄及び導電助剤の複合体とは、例えば、硫黄と、炭素含有材料(例えば、ケッチェンブラック等)と、を混合し、焼成することで得られるものである。
硫黄正極(II)におけるバインダーは、硫黄正極(I)におけるバインダーと同じである。
このような観点から、硫黄正極(II)において、導電性シート以外の成分の総含有量に対する、前記その他の成分の含有量の割合([硫黄正極(II)におけるその他の成分の含有量(質量部)]/[硫黄正極(II)における導電性シート以外の成分の総含有量(質量部)]×100)は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましく、1質量%以下であることが特に好ましく、0質量%であること、すなわち、硫黄正極(II)が前記その他の成分を含有しないことが最も好ましい。
換言すると、硫黄正極(II)において、導電性シート以外の成分の総含有量に対する、硫黄及び電解液の合計含有量の割合([硫黄正極(II)における硫黄及び電解液の合計含有量(質量部)]/[硫黄正極(II)における導電性シート以外の成分の総含有量(質量部)]×100)は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、97質量%以上であることがさらに好ましく99質量%以上であることが特に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
このような条件を満たすリチウム硫黄固体電池は、より優れた電池特性を有する。
本実施形態のリチウム硫黄固体電池におけるリチウム負極は、公知のものであってよい。
本実施形態のリチウム硫黄固体電池における固体電解質の構成材料は、特に限定されず、結晶性材料、アモルファス材料及びガラス材料のいずれであってもよい。
固体電解質の構成材料として、より具体的には、例えば、硫化物を含まず、かつ酸化物を含むもの(本明細書においては「酸化物系材料」と称することがある)、少なくとも硫化物を含むもの(本明細書においては「硫化物系材料」と称することがある)等、公知のものが挙げられる。
また、前記酸化物系材料としては、例えば、Li7La3Zr2O12(LLZ)等の複合酸化物に、アルミニウム、タンタル、ニオブ、ビスマス等の元素が添加(ドープ)されたものも挙げられる。ここで、添加される元素は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
本実施形態のリチウム硫黄固体電池におけるリチウムイオン伝導層は、先の説明のとおり、電解液を含有し、かつ、リチウム負極と固体電解質との間でリチウムイオンを伝導させる層である。
先の説明のとおり、前記リチウムイオン伝導層は、本体部と、電解液と、を含む。
リチウムイオン伝導層の前記本体部としては、先の説明のとおり、多孔質体、繊維集合体等が挙げられる。
リチウムイオン伝導層の本体部は、リチウム硫黄固体電池の作動時の温度条件下において、リチウム負極と反応せず、溶解せず、変質しないものが好ましい。ここで、「本体部の変質」とは、本体部の成分の組成が変化することを意味する。リチウム硫黄固体電池の作動時の温度は、硫黄正極の種類に応じて、適宜設定できる。公知の硫黄正極、又は硫黄正極(I)を用いる場合には、リチウム硫黄固体電池の作動時の温度は、例えば、好ましくは110℃以下、より好ましくは100℃以下である。したがって、この場合のリチウムイオン伝導層の本体部は、例えば、120℃程度の温度条件下において安定なものが好ましい。一方、硫黄正極(II)を用いる場合には、リチウム硫黄固体電池の作動時の温度は、好ましくは110~160℃である。したがって、この場合のリチウムイオン伝導層の本体部は、このような温度条件下において安定なものが好ましい。
なかでも、前記本体部の構成材料は、ポリイミド又はガラスであることがより好ましい。すなわち、リチウムイオン伝導層は、その構成材料として、ポリイミド又はガラスを含むことがより好ましい。
リチウムイオン伝導層が含有する電解液は、図1を引用して先に説明したものと同じであり、例えば、上述の硫黄正極が含有する電解液と同様のものであってもよい。
電解液が含むイオン液体としては、硫黄正極(I)が含有する前記イオン液体と同様のものが挙げられ、グライム-リチウム塩錯体からなる溶媒和イオン液体が好ましい。
ただし、リチウムイオン伝導層の前記本体部中の空隙部の合計体積に対する、リチウムイオン伝導層に保持されている電解液の合計体積の割合([リチウムイオン伝導層に保持されている電解液の合計体積]/[リチウムイオン伝導層の本体部中の空隙部の合計体積]×100)は、常温下において、80~120体積%であることが好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、固体電解質中での金属リチウムの析出抑制効果がより高くなる。前記割合が前記上限値以下であることで、電解液の過剰使用が抑制される。
前記割合が100体積%より大きくなり得るのは、リチウムイオン伝導層中、前記本体部の空隙部以外にも、電解液が存在し得るからである。
なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15~25℃の温度等が挙げられる。
なお、本明細書においては、リチウムイオン伝導層の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよいし、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の構成材料及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
複数層からなるリチウムイオン伝導層の厚さとは、リチウムイオン伝導層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
通常、リチウムイオン伝導層が薄くなるほど、リチウムイオン伝導層での抵抗値が減少し、リチウム硫黄固体電池のエネルギー密度が高くなる。
塗工する第1原料組成物の温度は、リチウムイオン伝導層の形成対象面、本体部の構成材料、イオン液体及び溶媒等が劣化しない限り特に限定されない。例えば、このときの第1原料組成物の温度は、15~50℃であってもよいが、これは一例である。
一方、リチウムイオン伝導層の形成対象面が、リチウム硫黄固体電池中でのリチウムイオン伝導層の配置面ではない場合には、形成したリチウムイオン伝導層は、この面から剥離させ、リチウム硫黄固体電池中での目的とする配置面に貼り合わせることで、移動させればよい。
この場合には、本体部は、リチウム硫黄固体電池中でのリチウムイオン伝導層の配置面には配置しておかずに、独立して取り扱い、リチウムイオン伝導層を形成した後、得られたリチウムイオン伝導層を、さらに、リチウム硫黄固体電池中での目的とする配置面に貼り合わせることが好ましい。
また、前記本体部は、市販品であってもよい。
前記本体部に含浸させる、前記電解液又は混合液の温度は、前記本体部、電解液及び溶媒等の各原料が劣化しない限り特に限定されない。例えば、含浸時の前記電解液又は混合液の温度は、15~50℃であってもよいが、これは一例である。
本実施形態のリチウム硫黄固体電池が、リチウム負極と固体電解質との間に有する電解液は、図1を引用して先に説明したものと同じである。
電解液が含むイオン液体としては、硫黄正極(I)が含有する前記イオン液体と同様のものが挙げられ、グライム-リチウム塩錯体からなる溶媒和イオン液体が好ましい。
前記他の層は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
本実施形態のリチウム硫黄固体電池は、前記固体電解質が前記硫黄正極と前記リチウム負極との間に位置し、必要に応じて前記リチウムイオン伝導層が前記固体電解質と前記リチウム負極との間に位置するように、前記硫黄正極、リチウム負極、及び固体電解質、並びに必要に応じてリチウムイオン伝導層を配置し、かつ、少なくとも、前記リチウム負極と前記固体電解質との間に、LiBOBを含む電解液を保持させる工程を有する方法により、製造できる。
換言すると、本実施形態のリチウム硫黄固体電池は、硫黄正極と、固体電解質と、必要に応じてリチウムイオン伝導層と、リチウム負極と、をこの順に、これらの厚さ方向において積層し、かつ、少なくとも、前記リチウム負極と前記固体電解質との間に、LiBOBを含む電解液を保持させる工程を有する方法により、製造できる。
例えば、本実施形態のリチウム硫黄固体電池は、必要に応じてリチウムイオン伝導層を新たに用い、硫黄正極と、固体電解質と、必要に応じてリチウムイオン伝導層と、リチウム負極と、を上述の配置となるように積層し、さらに、少なくとも、前記リチウム負極と前記固体電解質との間に、LiBOBを含む電解液を保持させる点を除けば、公知のリチウム硫黄固体電池の場合と同じ方法で製造できる。硫黄正極として、上述の導電性シートを備えたものを用いる場合には、さらに追加で、従来の硫黄正極に代えて、このような硫黄正極を用いる点以外は、公知のリチウム硫黄固体電池の場合と同じ方法で製造できる。
方法(a)においては、さらに、リチウム負極の固体電解質側の面(第1面)と、固体電解質のリチウム負極側の面(第2面)と、のいずれか一方又は両方に、前記電解液を付着させておいてもよい。その場合、リチウム負極に付着させる電解液と、固体電解質に付着させる電解液と、リチウムイオン伝導層全体に含侵させる電解液と、の3種は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよいし、2種のみ同一であってもよい。
[実験例1]
リチウムイオン伝導層として、本体部であるポリイミド製シート(直径17mm、厚さ30μm)に、電解液を80μL含侵させたもの準備した。電解液としては、LiTFSI:LiBOB:テトラグライムのモル比が、0.99:0.01:1であるものを用いた。この電解液は、リチウム塩としてLiTFSIを含有し、添加剤としてLiBOBを含有しており、リチウム塩とLiBOBとの合計モル量に対する、LiBOBのモル量の割合は、1モル%である。
電解液として、LiTFSI:LiBOB:テトラグライムのモル比が、0.95:0.05:1であるもの、すなわち、リチウム塩(LiTFSI)とLiBOBとの合計モル量に対する、LiBOBのモル量の割合が、5モル%であるものを用いた点以外は、実験例1の場合と同じ方法でハーフセルを製造した。
電解液として、LiTFSI:LiBOB:テトラグライムのモル比が、0.90:0.10:1であるもの、すなわち、リチウム塩(LiTFSI)とLiBOBとの合計モル量に対する、LiBOBのモル量の割合が、10モル%であるものを用いた点以外は、実験例1の場合と同じ方法でハーフセルを製造した。
電解液として、LiTFSI:LiBOB:テトラグライムのモル比が、1:0:1であるもの、すなわち、リチウム塩(LiTFSI)とLiBOBとの合計モル量に対する、LiBOBのモル量の割合が、0モル%であるものを用いた点以外は、実験例1の場合と同じ方法でハーフセルを製造した。
[試験例1]
<正極の表面状態の観察>
実験例1~4で得られたハーフセルの温度を120℃とし、この温度条件下で、電流密度を1mA/cm2とし、5mAh分放電させた。
次いで、ハーフセルから正極を取り出し、そのリチウムイオン伝導層側に配置されていた表面について、走査型電子顕微鏡(SEM、日本電子社製)を用いて観察した。このとき取得した、倍率が800倍の撮像データを、図3~図6に示す。図3が実験例1、図4が実験例2、図5が実験例3、図6が実験例4、における正極の撮像データである。
これらの結果は、実験例1~3においては、LiBOBの分解によって、正極の前記表面において、被覆層が生成され、樹枝状等の形状での金属リチウムの析出が抑制され、金属リチウムの伸長が抑制されていることを示していた。
<サイクル特性の評価>
実験例1~4で得られたハーフセルの温度を120℃とし、この温度条件下で、電流密度を1mA/cm2として30分放電させ、次いで、カットオフ電圧を1Vとして充電した。この充放電を1サイクルとして、充放電サイクルを繰り返し行い、ハーフセルのクーロン効率を求めた。実験例1のハーフセルにおける結果を図7に、実験例4のハーフセルにおける結果を図8に、それぞれ示す。
実験例2~3のハーフセルも、実験例1のハーフセルと同様の結果が得られた。
このように、LiBOBを含む電解液を用いたことにより、電池特性の向上が認められた。本試験例の結果は、本実施形態のリチウム硫黄固体電池でも、上記のハーフセルの場合と同様に、電池特性が向上することを示していた。
<電流値の評価>
実験例2及び4で得られたハーフセルについて、以下に示すサイクリックボルタンメトリ試験を行った。
すなわち、これらハーフセルの温度を120℃とし、掃引速度を5mV/minとして、この温度条件下で、-0.001~2.8Vの電位範囲で電位走査を3サイクル実施し、流れる電流値を測定した。
このときの電流値の測定結果を、図9~図11に示す。なお、ここに示すのは、還元反応側の結果である。図9は1サイクルでの測定結果であり、図10は2サイクルでの測定結果であり、図11は3サイクルでの測定結果である。
このように、LiBOBを含む電解液を用いたことにより、電池特性の向上が認められた。本試験例の結果は、本実施形態のリチウム硫黄固体電池でも、上記のハーフセルの場合と同様に、電池特性が向上することを示していた。
Claims (7)
- 硫黄正極と、リチウム負極と、固体電解質と、を備えたリチウム硫黄固体電池であって、
前記リチウム硫黄固体電池は、さらに、リチウムイオン伝導層を備え、
前記固体電解質は、前記硫黄正極と前記リチウム負極との間に配置され、
前記リチウム負極と前記固体電解質との間に、前記リチウムイオン伝導層が配置されており、
前記リチウム負極と前記固体電解質は、互いに接触することなく、離間して配置されており、
少なくとも、前記リチウム負極と前記固体電解質との間には、リチウムビス(オキサレート)ボレートを含む電解液を有し、
前記固体電解質と前記リチウムイオン伝導層は、互いに接触することなく、離間して配置され、前記リチウムイオン伝導層と前記リチウム負極は、互いに接触することなく、離間して配置されており、
前記固体電解質と前記リチウムイオン伝導層との間の前記電解液、及び前記リチウムイオン伝導層と前記リチウム負極との間の前記電解液は、いずれも、リチウムビス(オキサレート)ボレートを含み、
前記リチウムイオン伝導層は、リチウムビス(オキサレート)ボレートを含む電解液を含有し、かつ、前記リチウム負極と前記固体電解質との間でリチウムイオンを伝導させる、リチウム硫黄固体電池。 - 前記リチウム負極と前記固体電解質との間の前記電解液が、イオン液体を含む、請求項1に記載のリチウム硫黄固体電池。
- 前記リチウムイオン伝導層が含有する前記電解液が、イオン液体を含む、請求項1に記載のリチウム硫黄固体電池。
- 前記リチウム負極と前記固体電解質との間の前記電解液において、リチウムビス(オキサレート)ボレートと、リチウムボロハイドライドと、のいずれにも該当しないリチウム塩、及びリチウムビス(オキサレート)ボレートの合計モル量に対する、リチウムビス(オキサレート)ボレートのモル量の割合が、1モル%以上である、請求項1に記載のリチウム硫黄固体電池。
- 前記リチウムイオン伝導層が含有する前記電解液において、リチウムビス(オキサレート)ボレートと、リチウムボロハイドライドと、のいずれにも該当しないリチウム塩、及びリチウムビス(オキサレート)ボレートの合計モル量に対する、リチウムビス(オキサレート)ボレートのモル量の割合が、1モル%以上である、請求項1に記載のリチウム硫黄固体電池。
- 前記固体電解質の構成材料が酸化物系材料である、請求項1、2及び4のいずれか一項に記載のリチウム硫黄固体電池。
- 前記イオン液体が、グライム-リチウム塩錯体からなる溶媒和イオン液体である、請求項2又は3に記載のリチウム硫黄固体電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019059146A JP7321446B2 (ja) | 2019-03-26 | 2019-03-26 | リチウム硫黄固体電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019059146A JP7321446B2 (ja) | 2019-03-26 | 2019-03-26 | リチウム硫黄固体電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020161317A JP2020161317A (ja) | 2020-10-01 |
JP7321446B2 true JP7321446B2 (ja) | 2023-08-07 |
Family
ID=72643612
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019059146A Active JP7321446B2 (ja) | 2019-03-26 | 2019-03-26 | リチウム硫黄固体電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7321446B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20180331393A1 (en) | 2017-05-11 | 2018-11-15 | Korea Institute Of Science And Technology | Electrolyte system for lithium metal secondary battery and lithium metal secondary battery including the same |
CN109148956A (zh) | 2018-09-21 | 2019-01-04 | 成都新柯力化工科技有限公司 | 一种提高安全稳定性的锂硫电池电解液 |
JP6485574B1 (ja) | 2018-03-30 | 2019-03-20 | 東京電力ホールディングス株式会社 | リチウム硫黄固体電池 |
-
2019
- 2019-03-26 JP JP2019059146A patent/JP7321446B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20180331393A1 (en) | 2017-05-11 | 2018-11-15 | Korea Institute Of Science And Technology | Electrolyte system for lithium metal secondary battery and lithium metal secondary battery including the same |
JP6485574B1 (ja) | 2018-03-30 | 2019-03-20 | 東京電力ホールディングス株式会社 | リチウム硫黄固体電池 |
CN109148956A (zh) | 2018-09-21 | 2019-01-04 | 成都新柯力化工科技有限公司 | 一种提高安全稳定性的锂硫电池电解液 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020161317A (ja) | 2020-10-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102571111B1 (ko) | 리튬 2차 전지용 하이브리드 고상 전해질 | |
CN108475808B (zh) | 用于锂二次电池的固态电解质 | |
JP6485574B1 (ja) | リチウム硫黄固体電池 | |
KR102243405B1 (ko) | 리튬-이온 배터리 전극의 이온 전도성 개선을 위한 첨가제 | |
KR20120083520A (ko) | 상온 용융염, 전극, 전지, 차지 업 방지제 및 시료의 관찰 방법 | |
JP5151329B2 (ja) | 正極体およびそれを用いたリチウム二次電池 | |
JP2019121537A (ja) | 水系電解液及び水系リチウムイオン二次電池 | |
CN113994512A (zh) | 锂二次电池及其制备方法 | |
JP6891804B2 (ja) | 固体電池 | |
Kainat et al. | Electrolytes in Lithium-Ion Batteries: Advancements in the Era of Twenties (2020's) | |
JP7113424B2 (ja) | リチウム硫黄固体電池、電池用正極シート、電池用負極シート、積層電池 | |
JP6481989B1 (ja) | リチウム硫黄固体電池 | |
JP6578496B2 (ja) | 硫黄正極の製造方法 | |
KR102038943B1 (ko) | 바이오매스 유래 황-탄소 튜브 복합체 및 이의 제조방법 | |
JP7321446B2 (ja) | リチウム硫黄固体電池 | |
JP7321447B2 (ja) | リチウム硫黄固体電池 | |
JP7125043B2 (ja) | 硫黄正極及びリチウム硫黄固体電池 | |
JP6535917B1 (ja) | リチウム硫黄固体電池 | |
KR102152982B1 (ko) | 리튬-황 이차전지용 수계 바인더, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 리튬-황 이차전지 | |
JP7283691B2 (ja) | リチウム硫黄固体電池 | |
JP7207132B2 (ja) | リチウム硫黄固体電池 | |
JP2019179600A (ja) | リチウム硫黄固体電池 | |
WO2023210232A1 (ja) | リチウム硫黄電池用正極、リチウム硫黄電池及びその充放電方法 | |
JP5246348B2 (ja) | 常温溶融塩、電極、電池、チャージアップ防止剤および試料の観察方法 | |
JP2019179605A (ja) | リチウム硫黄固体電池の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190426 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190524 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211222 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220921 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221018 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221214 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20230131 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230421 |
|
C60 | Trial request (containing other claim documents, opposition documents) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60 Effective date: 20230421 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20230502 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230620 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230718 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7321446 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |