JP7207132B2 - リチウム硫黄固体電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム硫黄固体電池に関する。
近年、電子機器や通信機器等のポータブル化やコードレス化が急速に進展している。これら電子機器や通信機器の電源として、エネルギー密度が高く、負荷特性に優れた二次電池が要望されており、高電圧、高エネルギー密度で、サイクル特性にも優れるリチウムイオン二次電池の利用が拡大している。
一方、電気自動車の普及や、自然エネルギーの利用の推進には、さらに大きなエネルギー密度の電池が必要とされる。そこで、LiCoO等のリチウム複合酸化物を正極の構成材料とするリチウムイオン二次電池に替わる、新たなリチウムイオン二次電池の開発が望まれている。
硫黄は、1672mAh/gと極めて高い理論容量密度を有しており、硫黄を正極の構成材料とするリチウム硫黄電池は、電池の中でも、理論的に最も高エネルギー密度を達成できる可能性を有している。そこで、リチウム硫黄電池の研究開発が盛んに行われるようになってきている。
リチウム硫黄電池は、電解質として、固体電解質を用いた場合には、固体電解質と硫黄正極の界面で生じる界面抵抗のために電池のエネルギー密度が期待されるほど高くならない。そのため、リチウム硫黄固体電池用正極材中に、イオン液体もしくは溶媒和イオン液体を含有させることにより、固体電解質と硫黄正極間の界面抵抗を低減させることが検討されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許第6313491号公報 特許第6385486号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載されているリチウム硫黄電池では、固体電解質と硫黄正極間の界面抵抗が十分に低減できていなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、固体電解質と硫黄正極間の界面抵抗を低減したリチウム硫黄固体電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用する。
[1]硫黄正極と、リチウム負極と、固体電解質と、を備え、前記固体電解質は、前記硫黄正極と前記リチウム負極との間に配置され、前記硫黄正極は、LiLaZr12微粒子を含むイオン液体を含有し、前記LiLaZr12微粒子を含むイオン液体は、前記硫黄正極と前記固体電解質との間に介在する、リチウム硫黄固体電池。
[2]前記イオン液体100質量部に対する、前記LiLaZr12微粒子の含有量は、20質量部~30質量部である、[1]に記載のリチウム硫黄固体電池。
[3]前記LiLaZr12微粒子の平均一次粒子径は、10μm以下である、[1]または[2]に記載のリチウム硫黄固体電池。
[4]前記固体電解質の構成材料は、LiLaZr12である、[1]~[3]のいずれか1項に記載のリチウム硫黄固体電池。
本発明によれば、固体電解質と硫黄正極間の界面抵抗を低減したリチウム硫黄固体電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るリチウム硫黄固体電池の要部の一例を模式的に示す断面図である。 図1において、符号αで示す領域を拡大した図である。 実施例および比較例1~比較例3の電池セルの放電容量を示す図である。
<<リチウム硫黄固体電池>>
本発明の一実施形態に係るリチウム硫黄固体電池は、硫黄正極と、リチウム負極と、固体電解質と、を備え、前記固体電解質は、前記硫黄正極と前記リチウム負極との間に配置され、前記硫黄正極は、LiLaZr12微粒子を含むイオン液体を含有し、前記LiLaZr12微粒子を含むイオン液体は、前記硫黄正極と前記固体電解質との間に介在するものである。
本実施形態のリチウム硫黄固体電池が、LiLaZr12微粒子を含むイオン液体が硫黄正極と固体電解質との間に介在することにより、硫黄正極と固体電解質との間にLiLaZr12微粒子が存在するため、硫黄正極を構成する硫黄粒子とLiLaZr12微粒子の接触が増えて、硫黄正極と固体電解質との間に、硫黄粒子とLiLaZr12微粒子によるリチウムイオン(Li)伝導パスが形成される。その結果、固体電解質と硫黄正極間の界面抵抗が低減して、電池容量が大きくなる。
以下、はじめに、図面を参照しながら、本実施形態のリチウム硫黄固体電池の構造について、詳細に説明する。
なお、以降の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
図1は、本実施形態のリチウム硫黄固体電池の要部の一例を模式的に示す断面図である。図2は、図1において、符号αで示す領域を拡大した図である。
図1に示すリチウム硫黄固体電池1は、硫黄正極11と、リチウム負極12と、固体電解質13と、を備えて構成されている。また、図2に示すように、硫黄正極11は、イオン液体14を含有する。さらに、イオン液体14は、LiLaZr12(以下、「LLZ」と称することがある)微粒子15を含む。
リチウム硫黄固体電池1において、固体電解質13は、硫黄正極11とリチウム負極12との間に配置されている。すなわち、リチウム硫黄固体電池1においては、硫黄正極11、固体電解質13及びリチウム負極12がこの順に、これらの厚さ方向において積層されている。また、LLZ微粒子15を含むイオン液体14は、硫黄正極11と固体電解質13との間に介在する。
リチウム硫黄固体電池1においては、LLZ微粒子15を含むイオン液体14が、硫黄正極11と固体電解質13との間に介在することにより、硫黄正極11と固体電解質13との間にLLZ微粒子15が存在するため、硫黄正極11を構成する硫黄粒子20とLLZ微粒子15の接触が増えて、硫黄正極11と固体電解質13との間に、硫黄粒子20とLLZ微粒子15によるリチウムイオン(Li)伝導パスが形成される。その結果、固体電解質13と硫黄正極11間の界面抵抗が低減して、リチウム硫黄固体電池1の電池容量が大きくなる。
リチウム硫黄固体電池1においては、例えば、硫黄正極11及びリチウム負極12に、さらに、それぞれ外部回路との接続用の端子が設けられる。
また、リチウム硫黄固体電池1においては、さらに必要に応じて、上述の硫黄正極11、固体電解質13及びリチウム負極12の積層構造全体が、容器中に収納される。
また、リチウム硫黄固体電池1は、さらに必要に応じて、イオン液体14が、リチウム硫黄固体電池1の外部に漏出することを抑制する機構(漏出抑制機構)を備えていてもよい。例えば、前記容器が、このような漏出抑制機構を兼ねてもよい。
次に、本実施形態のリチウム硫黄固体電池の各層の構成について、詳細に説明する。
<硫黄正極>
本実施形態のリチウム硫黄固体電池における硫黄正極は、硫黄を含有し、正極として機能するものであれば、特に限定されない。
硫黄正極としては、例えば、集電体(正極集電体)上に正極活物質層を備えて構成された、公知のものが挙げられる。
ただし、好ましい硫黄正極としては、例えば、空隙部を多数有する導電性シートを備え、前記空隙部は、前記導電性シートの外部に対して開口しており、前記導電性シートは、前記空隙部に、少なくとも硫黄を含有しているものが挙げられ、前記導電性シートは、前記空隙部に、少なくとも硫黄及びイオン液体を含有している。
このような硫黄正極としては、例えば、前記導電性シートが、前記空隙部に、硫黄、導電助剤、バインダー及びイオン液体を含有しているもの(本明細書においては、「硫黄正極(I)」と称することがある);前記導電性シートが、前記空隙部に、硫黄を含有し、かつ導電助剤及びバインダーを含有していないもの(本明細書においては、「硫黄正極(II)」と称することがある)が挙げられる。硫黄正極(II)は、さらに、前記空隙部にイオン液体を含有している。
以下、硫黄正極ごとに、硫黄正極のこれら構成材料について、詳細に説明する。
○硫黄正極(I)
[導電性シート]
硫黄正極(I)において、導電性シートは、正極集電体として機能し得る。
導電性シート中の前記空隙部は、硫黄正極(I)の導電性シート以外の構成成分、すなわち、硫黄、導電助剤、バインダー及びイオン液体を保持する。そして、導電性シートは、正極集電体として機能し得る。
また、前記空隙部は、導電性シートの外部に対して開口しており、導電性シートに対して、後から硫黄等の各成分を加えることで、これら成分を保持させることが可能となっている。
導電性シート中の空隙部は、上記の条件を満たす限り、その形状は特に限定されない。
例えば、空隙部は、1個又は2個以上の他の空隙部と連結しいてもよいし、他の空隙部と連結することなく、独立していてもよい。
また、連結している空隙部、及び連結していない空隙部は、いずれも、導電性シートの一方の表面から反対側の他方の表面まで貫通していてもよいし、貫通することなく、導電性シートの内部で行き止まりとなっていてもよい。
また、連結している空隙部、及び連結していない空隙部は、いずれも、導電性シートの一方の表面から導電性シートの内部を経由して、再び同じ表面に到達していてもよい。
導電性シートの形態としては、例えば、上述のリチウムイオン伝導層の本体部と同様の、多孔質体、繊維集合体(繊維状の材料が集合し、層を構成している繊維質のもの)等が挙げられる。導電性シートを構成する繊維集合体は、例えば、繊維状の材料が互いに絡み合って構成されているものであってもよいし、繊維状の材料が規則的又は不規則的に積み重なって構成されていてもよい。
導電性シートの構成材料は、導電性を有していればよいが、硫黄との反応性を有しないものが好ましい。
導電性シートの構成材料として、より具体的には、例えば、炭素、金属(単体金属、合金)等が挙げられる。
なかでも、導電性シートの好ましい構成材料としては、正極集電体の構成材料が挙げられ、より具体的には、例えば、炭素、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、ステンレス鋼等が挙げられる。
導電性シートの構成材料は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
好ましい導電性シートとしては、例えば、カーボンフェルト、カーボンクロス等が挙げられる。
導電性シートの厚さは、特に限定されず、適用する電池の目的に応じて適宜設定すればよい。通常、導電性シートの厚さは、50μm~30000μmであることが好ましく、100μm~3000μmであることがより好ましい。
なお、導電性シートの表面における凹凸度が高い場合など、導電性シートの厚さが導電性シートの部位によって明確に変動している場合には、最大の厚さを導電性シートの厚さとする(導電性シートの最も厚い部位の厚さを導電性シートの厚さとする)。これは、導電性シートに限らず、すべての層(後述する硫黄正極、リチウム負極、固体電解質及びリチウムイオン伝導層)の厚さについても、同様である。
[導電助剤]
前記導電助剤は、公知のものでよく、具体的なものとしては、例えば、黒鉛(グラファイト);ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;カーボンナノチューブ;グラフェン;フラーレン等が挙げられる。
硫黄正極(I)が含有する導電助剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
硫黄正極(I)において、硫黄、導電助剤、バインダー及びイオン液体の総含有量に対する、硫黄及び導電助剤の合計含有量の割合([硫黄正極(I)の硫黄及び導電助剤の合計含有量(質量部)]/[硫黄正極(I)の硫黄、導電助剤、バインダー及びイオン液体の総含有量(質量部)]×100)は、特に限定されないが、60質量%~95質量%であることが好ましく、70質量%~85質量%であることがより好ましい。前記合計含有量の割合が前記下限値以上であることで、電池の充放電特性がより向上する。前記合計含有量の割合が前記上限値以下であることで、硫黄及び導電助剤以外の成分を用いたことによる効果が、より顕著に得られる。
硫黄正極(I)において、[硫黄の含有量(質量部)]:[導電助剤の含有量(質量部)]の質量比は、特に限定されないが、30:70~70:30であることが好ましく、45:55~65:35であることがより好ましい。硫黄の含有量の比率が高いほど、電池の充放電特性がより向上し、導電助剤の含有量の比率が高いほど、硫黄正極(I)の導電性がより向上する。
硫黄正極(I)において、硫黄及び導電助剤は、複合体を形成していてもよい。
例えば、硫黄と、炭素含有材料(例えば、ケッチェンブラック等)と、を混合し、焼成することで、硫黄-炭素複合体が得られる。このような、複合体も、硫黄正極(I)の含有成分として好適である。
[バインダー]
前記バインダーは、公知のものでよく、具体的なものとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン-六フッ化プロピレン共重合体(PVDF-HFP)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリル酸リチウム(PAALi)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)等が挙げられる。
硫黄正極(I)が含有するバインダーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
硫黄正極(I)において、硫黄、導電助剤、バインダー及びイオン液体の総含有量に対する、バインダーの含有量の割合([硫黄正極(I)のバインダーの含有量(質量部)]/[硫黄正極(I)の硫黄、導電助剤、バインダー及びイオン液体の総含有量(質量部)]×100)は、特に限定されないが、3質量%~15質量%であることが好ましく、5質量%~9質量%であることがより好ましい。前記含有量の割合が前記下限値以上であることで、硫黄正極(I)の構造をより安定して維持できる。前記含有量の割合が前記上限値以下であることで、電池の充放電特性がより向上する。
[イオン液体]
硫黄正極(I)が含有する前記イオン液体は、リチウムイオンを容易に移動させるための成分であり、高温安定性に優れる。硫黄正極(I)がイオン液体を含有していることにより、硫黄正極(I)と固体電解質との接触面積が小さいものの、イオン液体が硫黄正極(I)と固体電解質との間でリチウムイオンを移動させる。したがって、前記硫黄正極(I)を用いた固体電池は、固体電解質を用いているにも関わらず、硫黄正極界面での界面抵抗値が小さく、優れた電池特性を有する。
イオン液体は、LiLaZr12微粒子を含む。LiLaZr12微粒子は、リチウムイオンの移動をより向上させるための成分である。
イオン液体100質量部に対する、LLZ微粒子の含有量は、20質量部~30質量部であることが好ましく、23質量部~28質量部であることがより好ましい。前記含有量の割合が前記下限値以上であることで、硫黄正極と固体電解質との間にLLZ微粒子が存在するため、硫黄正極を構成する硫黄粒子とLLZ微粒子の接触が増えて、硫黄正極と固体電解質との間に、硫黄粒子とLLZ微粒子によるリチウムイオン(Li)伝導パスが形成される。その結果、固体電解質と硫黄正極間の界面抵抗が低減して、電池容量が大きくなる。前記含有量の割合が前記上限値以下であることで、硫黄正極と固体電解質との間において、LLZ微粒子が過剰に存在して、硫黄粒子とLLZ微粒子によるリチウムイオン(Li)伝導パスの形成を妨げることがない。
LLZ微粒子の平均一次粒子径は、10μm以下であることが好ましく、6μm以下であることがより好ましい。前記平均一次粒子径が前記上限値以下であることで、硫黄正極と固体電解質との間において、硫黄正極を構成する硫黄粒子とLLZ微粒子の接触が増えて、硫黄正極と固体電解質との間に、硫黄粒子とLLZ微粒子によるリチウムイオン(Li)伝導パスが形成される。
前記イオン液体は、例えば、公知のものから適宜選択できる。
ただし、イオン液体は、例えば、170℃未満の温度範囲で、硫黄の溶解度が低いものほど好ましく、硫黄を溶解させないものが特に好ましい。
イオン液体としては、例えば、170℃未満の温度で液状のイオン性化合物、溶媒和イオン液体等が挙げられる。
(170℃未満の温度で液状のイオン性化合物)
前記イオン性化合物を構成するカチオン部は、有機カチオン及び無機カチオンのいずれでもよいが、有機カチオンであることが好ましい。
前記イオン性化合物を構成するアニオン部も、有機アニオン及び無機アニオンのいずれでもよい。
前記カチオン部のうち、有機カチオンとしては、例えば、イミダゾリウムカチオン(imidazolium cation)、ピリジニウムカチオン(pyridinium cation)、ピロリジニウムカチオン(pyrrolidinium cation)、ホスホニウムカチオン(phosphonium cation)、アンモニウムカチオン(ammonium cation)、スルホニウムカチオン(sulfonium cation)等が挙げられる。
ただし、前記有機カチオンは、これらに限定されない。
前記アニオン部のうち、有機アニオンとしては、例えば、メチルサルフェートアニオン(CHSO )、エチルサルフェートアニオン(CSO )等のアルキルサルフェートアニオン(alkylsulfate anion);トシレートアニオン(CHSO );メタンスルホネートアニオン(CHSO )、エタンスルホネートアニオン(CSO )、ブタンスルホネートアニオン(CSO )等のアルカンスルホネートアニオン(alkanesulfonate anion);トリフルオロメタンスルホネートアニオン(CFSO )、ペンタフルオロエタンスルホネートアニオン(CSO )、ヘプタフルオロプロパンスルホネートアニオン(CSO )、ノナフルオロブタンスルホネートアニオン(CSO )等のパーフルオロアルカンスルホネートアニオン(perfluoroalkanesulfonate anion);ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン((CFSO)N)、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドアニオン((CSO)N)、ノナフルオロ-N-[(トリフルオロメタン)スルホニル]ブタンスルホニルイミドアニオン((CFSO)(CSO)N)、N,N-ヘキサフルオロ-1,3-ジスルホニルイミドアニオン(SOCFCFCFSO)等のパーフルオロアルカンスルホニルイミドアニオン(perfluoroalkanesulfonylimide anion);アセテートアニオン(CHCOO);ハイドロジェンサルフェートアニオン(HSO );等が挙げられる。
ただし、前記有機アニオンは、これらに限定されない。
前記アニオン部のうち、無機アニオンとしては、例えば、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン(N(SOF) );ヘキサフルオロホスフェートアニオン(PF );テトラフルオロボレートアニオン(BF );塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)、ヨウ化物イオン(I)等のハライドアニオン(halide anion);テトラクロロアルミネートアニオン(AlCl )、チオシアネートアニオン(SCN)等が挙げられる。
ただし、前記無機アニオンは、これらに限定されない。
前記イオン性化合物としては、例えば、上記のいずれかのカチオン部と、上記のいずれかのアニオン部と、の組み合わせで構成されたものが挙げられる。
カチオン部がイミダゾリウムカチオンであるイオン液体としては、例えば、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムメタンスルホネート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムメタンスルホネート、1,2,3-トリメチルイミダゾリウムメチルサルフェート、メチルイミダゾリウムクロライド、メチルイミダゾリウムハイドロジェンサルフェート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムハイドロジェンサルフェート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムハイドロジェンサルフェート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムハイドロジェンサルフェート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミネート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミネート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムアセテート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムアセテート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムエチルサルフェート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムメチルサルフェート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムチオシアネート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムチオシアネート、1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムエチルサルフェート等が挙げられる。
カチオン部がピリジニウムカチオンであるイオン液体としては、例えば、1-ブチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
カチオン部がピロリジニウムカチオンであるイオン液体としては、例えば、1-メチル-1-プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ブチル-1-メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
カチオン部がホスホニウムカチオンであるイオン液体としては、例えば、テトラブチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリブチルドデシルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
カチオン部がアンモニウムカチオンであるイオン液体としては、例えば、メチルトリブチルアンモニウムメチルサルフェート、ブチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルへキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
(溶媒和イオン液体)
前記溶媒和イオン液体で好ましいものとしては、例えば、グライム-リチウム塩錯体からなるもの等が挙げられる。
前記グライム-リチウム塩錯体におけるリチウム塩としては、例えば、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiN(SOF)、本明細書においては、「LiFSI」と略記することがある)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF、本明細書においては、「LiTFSI」と略記することがある)等が挙げられる。
前記グライム-リチウム塩錯体におけるグライムとしては、例えば、トリエチレングリコールジメチルエーテル(CH(OCHCHOCH、トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(CH(OCHCHOCH、テトラグライム)等が挙げられる。
前記グライム-リチウム塩錯体としては、例えば、グライム1分子とリチウム塩1分子とで構成された錯体等が挙げられるが、グライム-リチウム塩錯体はこれに限定されない。
前記グライム-リチウム塩錯体は、例えば、リチウム塩とグライムとを、リチウム塩(モル):グライム(モル)のモル比が、好ましくは10:90~90:10となるように、混合することで作製できる。
好ましいグライム-リチウム塩錯体としては、例えば、トリグライム-LiFSI錯体、テトラグライム-LiFSI錯体、トリグライム-LiTFSI錯体、テトラグライム-LiTFSI錯体等が挙げられる。
硫黄正極(I)が含有するイオン液体は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
硫黄正極(I)が含有するイオン液体は、上記の中でも、グライム-リチウム塩錯体からなる溶媒和イオン液体であることが好ましい。
硫黄正極(I)において、硫黄、導電助剤、バインダー及びイオン液体の総含有量に対する、イオン液体の含有量の割合([硫黄正極(I)のイオン液体の含有量(質量部)]/[硫黄正極(I)の硫黄、導電助剤、バインダー及びイオン液体の総含有量(質量部)]×100)は、特に限定されないが、5質量%~20質量%であることが好ましく、9質量%~15質量%であることがより好ましい。前記含有量の割合が前記下限値以上であることで、硫黄正極(I)の導電性がより向上する。前記含有量の割合が前記上限値以下であることで、電池の充放電特性がより向上する。
[その他の成分]
硫黄正極(I)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、導電性シート以外の構成成分として、硫黄、導電助剤、バインダー及びイオン液体以外に、その他の成分(ただし、後述する溶媒を除く)を含有していてもよい。
前記その他の成分は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
硫黄正極(I)が含有するその他の成分は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
硫黄正極(I)において、硫黄、導電助剤、バインダー及びイオン液体の総含有量に対する、前記その他の成分の含有量の割合([硫黄正極(I)のその他の成分の含有量(質量部)]/[硫黄正極(I)の硫黄、導電助剤、バインダー及びイオン液体の総含有量(質量部)]×100)は、特に限定されないが、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましく、1質量%以下であることが特に好ましく、0質量%であってもよい。
硫黄正極(I)において、導電性シートの質量に対する、硫黄、導電助剤、バインダー及びイオン液体の合計質量の割合([硫黄、導電助剤、バインダー及びイオン液体の合計質量]/[導電性シートの質量]×100)は、15質量%~45質量%であることが好ましく、25質量%~40質量%であることがより好ましい。
○硫黄正極(I)の製造方法
硫黄正極(I)は、例えば、硫黄、導電助剤、バインダー及びイオン液体を含有する正極材を、前記導電性シートに含浸させる工程を有する製造方法で、製造できる。そして、前記製造方法は、さらに、含浸させた正極材を乾燥させる工程等、他の工程を有していてもよい。以下、このような硫黄正極の製造方法について説明する。
[正極材]
好ましい前記正極材としては、例えば、硫黄、導電助剤、バインダー、イオン液体、溶媒、及び必要に応じて前記その他の成分を含有するものが挙げられる。
前記溶媒は、上述の硫黄等の各成分を溶解又は分散させ、正極材に適度な流動性を付与するための成分である。
なお、本明細書においては、特に断りのない限り、如何なるイオン液体も溶媒には包含されない(すべてのイオン液体は溶媒として取り扱わない)ものとする。
溶媒は、上述の硫黄等の各成分の種類に応じて任意に選択でき、好ましいものとしては、有機溶媒が挙げられる。
前記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール等のアルコール;N-メチルピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド;アセトン等のケトン等が挙げられる。
正極材が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
正極材の溶媒の含有量は、特に限定されず、溶媒以外の成分の種類に応じて、適宜調節できる。
正極材における、溶媒以外の成分の総含有量に対する、硫黄の含有量の割合([正極材の硫黄の含有量(質量)]/[正極材の、溶媒以外の成分の総含有量(質量部)]×100)は、硫黄正極における、硫黄、導電助剤、バインダー、イオン液体及び前記その他の成分の総含有量に対する、硫黄の含有量の割合([硫黄正極の硫黄の含有量(質量部)]/[硫黄正極の、硫黄、導電助剤、バインダー、イオン液体及び前記その他の成分の総含有量(質量部)]×100)と同じである。これは、硫黄以外の、導電助剤、バインダー、イオン液体及び前記その他の成分でも同じである。
正極材は、上述の硫黄等の各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの成分(すなわち、上述の硫黄、導電助剤、バインダー、イオン液体及び前記その他の成分のいずれかの成分)と混合して、この成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、上述の溶媒以外のいずれかの成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌棒、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各成分が劣化しない限り特に限定されない。通常、混合時の温度は、15℃~30℃であることが好ましい。
各成分を添加及び混合して得られた組成物は、そのまま正極材として用いてもよいし、例えば、添加した溶媒の一部を留去等によって除去するなど、得られた組成物に何らかの操作を追加して行って得られたものを、正極材として用いてもよい。
正極材の導電性シートへの含浸は、例えば、液状である正極材を導電性シートに塗工する方法、液状である正極材に導電性シートを浸漬する方法等により、行うことができる。
正極材は、公知の方法で導電性シートに塗工できる。
導電性シートへ含浸させる正極材の温度は、特に限定されないが、例えば、15℃~30℃とすることができる。ただし、これは、前記温度の一例である。
正極材の乾燥は、公知の方法で常圧下又は減圧下で行うことができる。例えば、好ましくは70℃~90℃、8時間~24時間の条件で乾燥させることができるが、乾燥条件はこれに限定されない。
○硫黄正極(II)
硫黄正極(II)は、前記空隙部に硫黄を含有しており、導電性シートに、溶融した硫黄又は硫黄溶液を含浸させて得られたものである。
[導電性シート]
硫黄正極(II)における導電性シートは、硫黄正極(I)における導電性シートと同じものであり、硫黄正極(I)の場合と同様に用いることができる。
[硫黄、硫黄溶液]
前記硫黄溶液は、溶媒に硫黄を溶解させることで、得られる。
前記硫黄溶液の溶媒は、硫黄を溶解可能であり、かつ、導電性シートを変質させないものであれば、特に限定されない。
前記溶媒は、無機溶媒及び有機溶媒のいずれであってもよい。
前記無機溶媒としては、例えば、二硫化炭素等が挙げられる。
前記有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、n-ヘキサン等が挙げられる。
前記硫黄溶液中の溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
前記硫黄溶液の硫黄の濃度は、導電性シートの空隙部に硫黄溶液を含浸可能であれば、特に限定されない。
硫黄溶液の硫黄の濃度は、例えば、溶媒の種類に応じて、適宜調節できる。
硫黄溶液の硫黄の濃度は、例えば、0.1質量%~35質量%であることが好ましい。前記濃度が前記下限値以上であることで、硫黄の含有量が多い硫黄正極(II)をより容易に得られる。前記濃度が前記上限値以下であることで、導電性シートへの含浸時における硫黄溶液の取り扱い性が、より良好となる。
硫黄正極(II)の作製時において、導電性シートに、溶融した硫黄を含浸させる方法としては、例えば、導電性シートの表面上に固体の硫黄を載置し、この状態の硫黄を加熱して溶融させる方法(本明細書においては、「含浸方法A」と略記することがある);加熱によって溶融させた状態の硫黄を、導電性シートの表面に供給する方法(本明細書においては、「含浸方法B」と略記することがある)等が挙げられる。
含浸方法Aにおいては、例えば、導電性シート上の硫黄を、この導電性シートとともに加熱してもよい。
含浸方法Bにおいては、例えば、溶融させた状態の硫黄を加熱しながら、導電性シートの表面に供給してもよい。また、導電性シートを硫黄と同等の温度で加熱しながら、硫黄を供給してもよい。
なかでも、含浸方法Aにおいては、導電性シート上の硫黄を加熱するだけで、溶融した硫黄が重力により、自然に導電性シートに含浸されていくため、極めて簡便に含浸させることができる。
したがって、溶融した硫黄を導電性シートに含浸させる方法は、含浸方法Aであることが好ましい。
導電性シートに溶融した硫黄を含浸させるときの、硫黄の温度は、120℃~160℃であることが好ましく、135℃~160℃であることがより好ましく、150℃~160℃であることが特に好ましい。前記温度がこのような範囲であることで、硫黄の溶融粘度が十分に低下し、導電性シートの空隙部に硫黄を容易に導入できるとともに、空隙部内における硫黄の含有状態が、より良好となる。その結果、硫黄正極(II)において、通常使用される導電助剤及びバインダーが不要となり、リチウム硫黄固体電池のエネルギー密度が、より高くなる。
硫黄正極(II)の作製時において、導電性シートに硫黄溶液を含浸させる方法としては、例えば、硫黄溶液を導電性シートの表面に供給する方法;硫黄溶液中に導電性シートを浸漬する方法等が挙げられる。
導電性シートに硫黄溶液を含浸させるときの、硫黄溶液の温度は、硫黄溶液中の溶媒の種類に応じて、適宜調節することが好ましい。例えば、前記硫黄溶液の温度は、硫黄溶液中の溶媒の沸点以下であることが好ましい。前記温度が前記上限値以下であることで、導電性シートの空隙部に硫黄溶液を容易に導入できるとともに、空隙部内における硫黄の含有状態が、より良好となる。その結果、硫黄正極(II)において、通常使用される導電助剤及びバインダーが不要となり、リチウム硫黄固体電池のエネルギー密度が、より高くなる。
導電性シートに硫黄溶液を含浸させるときの、硫黄溶液の温度の下限値は、硫黄溶液が固化しない限り特に限定されない。例えば、硫黄溶液の調製が容易であり、硫黄溶液の取り扱い性が良好である点では、前記温度は15℃以上であることが好ましい。
導電性シートに前記硫黄溶液を含浸させた場合には、硫黄溶液を乾燥させる(硫黄溶液中の溶媒を除去する)ことが必要となる。
硫黄溶液の乾燥は、公知の方法で行えばよく、例えば、常圧下、減圧下及び送風条件下のいずれで行ってもよく、大気下及び不活性ガス雰囲気下のいずれで行ってもよい。
乾燥温度(溶媒の除去温度)は、硫黄溶液中の溶媒の種類に応じて、適宜調節することが好ましい。例えば、硫黄溶液の乾燥温度は、硫黄溶液中の溶媒の沸点以上であることが好ましい。
硫黄正極(II)が、導電性シートに、溶融した硫黄又は硫黄溶液を含浸させて得られたものである場合、導電性シートの空隙部内においては、硫黄が特有の含有状態となる。
すなわち、硫黄は、導電性シートの空隙部内において、塊状となり、前記空隙部の表面に対して、隙間の発生が抑制された状態で、接触して保持される。換言すると、導電性シートの空隙部内において、塊状の硫黄は、前記空隙部の表面との接触面積が大きくなっている。これは、溶融した硫黄又は硫黄溶液が、導電性シートへの含浸によって、導電性シートの空隙部内に充填されることによる効果である。例えば、溶解していない硫黄を含む硫黄分散液を、導電性シートへ含浸させた場合には、最終的に、溶解していない硫黄がそのまま粒子状等の形状で、導電性シートの空隙部内に保持される。このような硫黄正極(II)では、硫黄と、前記空隙部の表面と、の接触面積は、小さくなってしまう。
本実施形態のリチウム硫黄固体電池は、硫黄正極(II)において、このように硫黄が特有の含有状態となることで、通常使用される導電助剤及びバインダーが不要となり、エネルギー密度が高くなる。
さらに、本実施形態での硫黄正極(II)においては、このように、硫黄が特有の含有状態となることで、そうでない場合よりも、硫黄の含有量の増量が可能である。これは、導電性シートの空隙部内の硫黄の含有量が増大するためである。このように、硫黄の含有量が増大した状態となった場合、本実施形態のリチウム硫黄固体電池は、硫黄の利用量が多くなり、この点でも、優れた電池特性を有する。
本実施形態における硫黄正極(II)としては、例えば、硫黄の含有量が、好ましくは6mg/cm以上、より好ましくは10mg/cm以上、さらに好ましくは15mg/cm以上、特に好ましくは20mg/cm以上であるものが挙げられる。本明細書において、「硫黄正極(II)の硫黄の含有量(mg/cm)」とは、特に断りのない限り、硫黄正極(II)をその真上から見下ろして平面視したときの、硫黄正極(II)の表面積1cmあたりの、硫黄正極(II)の硫黄の含有量(mg)を意味する。
本実施形態において、硫黄正極(II)の硫黄の含有量の上限値は、特に限定されない。硫黄正極(II)の硫黄の含有量は、例えば、硫黄正極(II)の作製がより容易である点では、300mg/cm以下であることが好ましい。
本実施形態においては、硫黄正極(II)の硫黄の含有量を、上述の好ましい下限値及び上限値を任意に組み合わせて設定される範囲内となるように、適宜調節できる。例えば、硫黄正極(II)の硫黄の含有量は、6mg/cm~300mg/cmであることが好ましく、10mg/cm~300mg/cmであることがより好ましく、15mg/cm~300mg/cmであることがさらに好ましく、20mg/cm~300mg/cmであることが特に好ましい。ただし、これらは、硫黄正極(II)の硫黄の含有量の一例である。
上述のとおり、導電性シートの空隙部内での硫黄が特有の含有状態であることにより、本実施形態での硫黄正極(II)においては、導電助剤、バインダー等の、通常の正極で使用される成分が、不要である。このように、導電性シート中で、硫黄以外の成分が不要である(含有されない)ことによっても、硫黄正極(II)における硫黄の含有量の増量が可能である。
[イオン液体]
硫黄正極(II)は、導電性シートの空隙部に、さらに、イオン液体を含有している。イオン液体は、高温安定性に優れるとともに、リチウムイオンを容易に移動させることが可能である。したがって、硫黄正極(II)がイオン液体を含有していることにより、硫黄正極(II)と固体電解質との接触面積が小さいものの、イオン液体が硫黄正極(II)と固体電解質との間でリチウムイオンを移動させる。したがって、このような硫黄正極(II)を用いた固体電池は、固体電解質を用いているにも関わらず、硫黄正極(II)界面での界面抵抗値が小さくなり、より優れた電池特性を有する。
硫黄正極(II)におけるイオン液体は、硫黄正極(I)におけるイオン液体と同じものである。すなわち、硫黄正極(II)におけるイオン液体は、LLZ微粒子を含む。また、硫黄正極(II)におけるLLZ微粒子は、硫黄正極(I)におけるLLZ微粒子と同じものである。
イオン液体を用いる場合、硫黄正極(II)において、硫黄及びイオン液体の合計含有量に対する、イオン液体の含有量の割合([硫黄正極(II)のイオン液体の含有量(質量部)]/[硫黄正極(II)の硫黄及びイオン液体の合計含有量(質量部)]×100)は、特に限定されないが、5質量%~95質量%であることが好ましく、10質量%~90質量%であることがより好ましい。前記含有量の割合が前記下限値以上であることで、硫黄正極(II)の導電性がより向上する。前記含有量の割合が前記上限値以下であることで、電池の充放電特性がより向上する。
硫黄正極(II)においては、上述の点以外は、硫黄正極(I)の場合と同様に、イオン液体を用いることができる。
[その他の成分]
硫黄正極(II)は、導電性シートの空隙部の内外によらず、導電性シート、硫黄及びイオン液体のいずれにも該当しない、その他の成分を含有していてもよい。
前記その他の成分は、硫黄正極(II)の機能を阻害しないものであれば、特に限定されない。
硫黄正極(II)が含有する前記その他の成分は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
例えば、導電助剤、バインダー等の、通常の正極で使用される成分を、硫黄正極(II)は含有していてもよい。硫黄正極(II)は、導電助剤を含有する場合、硫黄及び導電助剤の複合体として含有していてもよい。硫黄及び導電助剤の複合体とは、例えば、硫黄と、炭素含有材料(例えば、ケッチェンブラック等)と、を混合し、焼成することで得られるものである。
硫黄正極(II)における導電助剤は、硫黄正極(I)における導電助剤と同じである。
硫黄正極(II)におけるバインダーは、硫黄正極(I)におけるバインダーと同じである。
ただし、硫黄正極(II)においては、前記その他の成分の含有量が多いほど、その分だけ、硫黄の含有量が少なくなってしまう。
このような観点から、硫黄正極(II)において、導電性シート以外の成分の総含有量に対する、前記その他の成分の含有量の割合([硫黄正極(II)におけるその他の成分の含有量(質量部)]/[硫黄正極(II)における導電性シート以外の成分の総含有量(質量部)]×100)は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましく、1質量%以下であることが特に好ましく、0質量%であること、すなわち、硫黄正極(II)が前記その他の成分を含有しないことが最も好ましい。
換言すると、硫黄正極(II)において、導電性シート以外の成分の総含有量に対する、硫黄及びイオン液体の合計含有量の割合([硫黄正極(II)における硫黄及びイオン液体の合計含有量(質量部)]/[硫黄正極(II)における導電性シート以外の成分の総含有量(質量部)]×100)は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、97質量%以上であることがさらに好ましく99質量%以上であることが特に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
このような条件を満たすリチウム硫黄固体電池は、より優れた電池特性を有する。
硫黄正極の種類によらず、硫黄正極の厚さは、特に限定されず、適用する電池の目的に応じて適宜設定すればよい。通常、硫黄正極の厚さは、100μm~30000μmであることが好ましく、200μm~3000μmであることがより好ましい。
<リチウム負極>
本実施形態のリチウム硫黄固体電池におけるリチウム負極は、公知のものであってよい。
リチウム負極の厚さは、特に限定されず、適用する電池の目的に応じて適宜設定すればよい。通常、リチウム負極の厚さは、10μm~2000μmであることが好ましく、100μm~1000μmであることがより好ましい。
<固体電解質>
本実施形態のリチウム硫黄固体電池における固体電解質の構成材料は、チタン、ゲルマニウム等の硫黄により還元される金属イオンを含むものであれば、特に限定されない。また、固体電解質の構成材料は、結晶性材料、アモルファス材料及びガラス材料のいずれであってもよい。
固体電解質の構成材料は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
固体電解質の構成材料は、大気中における安定性が高く、緻密性が高い固体電解質を作製できる点から、前記酸化物系材料であることが好ましい。
固体電解質の厚さは、特に限定されず、適用する電池の目的に応じて適宜設定すればよい。通常、固体電解質の厚さは、10μm~1200μmであることが好ましい。固体電解質の厚さが前記下限値以上であることで、その製造及び取り扱い性がより良好となる。固体電解質の厚さが前記上限値以下であることで、リチウム硫黄固体電池の抵抗値がより低減される。
固体電解質は、例えば、その目的とする種類に応じて、金属酸化物、金属水酸化物、金属硫化物等の原料を選択し、この原料を焼成あるいは圧粉することで製造できる。原料の使用量は、固体電解質における各金属の原子数比等を考慮して、適宜設定すればよい。
<<リチウム硫黄固体電池の製造方法>>
本実施形態のリチウム硫黄固体電池は、例えば、前記硫黄正極を作製する工程と、前記硫黄正極、固体電解質およびリチウム負極をこの順に、これらの厚さ方向において積層する工程と、を有する製造方法により、製造できる。
例えば、本実施形態のリチウム硫黄固体電池は、硫黄正極を作製する工程として、上述の特定の工程を行う点以外は、公知のリチウム硫黄固体電池の場合と同じ方法で製造できる。
本実施形態のリチウム硫黄固体電池の取り扱い温度は、160℃以下であることが好ましい。このようにすることで、イオン液体の気化を抑制でき、リチウム硫黄固体電池は、より優れた電池特性を発現する。
本実施形態のリチウム硫黄固体電池は、上記の通り優れた電池特性を有し、しかも安全性が高い。前記リチウム硫黄固体電池は、このような特長を生かして、例えば、家庭用電源;非常用電源;飛行機、電気自動車等の電源等として用いるのに好適である。
以下、具体的実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例]
(硫黄正極の製造)
アルミ容器に、硫黄を17.1mg秤量した。
155℃に熱したホットプレートに、硫黄を秤量したアルミ容器を設置し、秤量した硫黄を溶融した。
溶融した硫黄にカーボンクロスを載せ30分静置した。
その後、ピンセットで、アルミ容器から、静置したカーボンクロスをピンセットでアルミ容器より取り上げ、そのカーボンクロスを常温で冷却した。
カーボンクロスを冷却した後、そのカーボンクロスを試験セル内の正極部分に設置した。
スクリュー管瓶に、イオン液体を0.7622g秤量した後、そのイオン液体にLLZ粉末を0.2491g添加し、全体で1.0113gの混合液とした。
得られた混合液を30分間、撹拌した。
ピペットで撹拌後の混合液を150mg採取し、試験セル内に設置したカーボンクロスに、その混合液を添加した。
得られた硫黄正極において、イオン液体100質量部に対する、LLZ微粒子の含有量は25質量部であった。
(固体電解質の製造)
水酸化ランタン(純度99.9%、信越化学工業社製)(33.9g)及び酸化ジルコニウム(東ソー社製)(14.7g)を秤量し、これらをボールミルで1時間、粉砕しながら混合した。
得られた粉体(0.26g)を秤り取り、所定の大きさの金型ダイスに投入し、一軸プレス機で成形することにより、直径13mm、厚さ1mmの円板状ペレットを作製した。
作製したペレットを焼成用セラミック容器に移し、電気炉を用いて1500℃で36時間焼成した。
その後、自然放冷し、ペレット状のランタン-ジルコニウム酸化物を得た。
別途、水酸化リチウム(関東化学社製)(2.8g)を水(30mL)に溶解してリチウム水溶液を調製した。このリチウム水溶液を1.0mL秤り取り、ペレット状のランタン-ジルコニウム酸化物の入った焼成用セラミック容器に添加した。
次いで、焼成用セラミック容器をマイクロ波焼成炉に移し、ランタン-ジルコニウム酸化物の入った焼成用セラミック容器にマイクロ波を照射して、炉内温度400℃で36時間、ランタン-ジルコニウム酸化物を焼成した。
これにより、ペレット状のリチウム-ランタン-ジルコニウム複合酸化物成形体(LLZ成形体(固体電解質))(直径17mm、厚さ0.18mm)を得た。
(電池セルの製造)
上記で得られたLLZ成形体の、電極側となる一方の表面に、正極として、上記で得られた硫黄正極(直径8mm、厚さ300μm)を貼り合わせた。
また、LLZ成形体の、電極側となる他方の表面に、負極として、リチウム金属(直径15mm、厚さ600μm)を貼り合わせた。
以上により、硫黄正極、LLZ成形体、及びリチウム金属(負極)の積層物を得た。
次いで、市販のステンレス製電池セル容器内に、上記で得られた積層物を設置し、最後に上蓋を閉じた。
以上により、実施例の評価用の電池セルを得た。
[比較例1]
イオン液体100質量部に対する、LLZ微粒子の含有量を1質量部としたこと以外は実施例と同様にして、硫黄正極を作製した。
その硫黄正極を用いたこと以外は、実施例と同様にして、比較例1の評価用の電池セルを得た。
[比較例2]
イオン液体100質量部に対する、LLZ微粒子の含有量を50質量部としたこと以外は実施例と同様にして、硫黄正極を作製した。
その硫黄正極を用いたこと以外は、実施例と同様にして、比較例2の評価用の電池セルを得た。
[比較例3]
イオン液体にLLZ微粒子を添加しなかったこと以外は実施例と同様にして、硫黄正極を作製した。
その硫黄正極を用いたこと以外は、実施例と同様にして、比較例3の評価用の電池セルを得た。
[評価]
<電池特性の評価>
実施例および比較例1~比較例3で得られた電池セルの放電容量を評価した。
120℃の高温恒湿槽の中に、実施例、比較例1~比較例3の各電池セルを設置した。
高温恒湿槽の取り込み口から、充放電試験機の電圧、電流プラグを中に引き込み、それぞれの電池セルに接続した。
カットオフ電圧を1V~3.5V、試験レートを0.0035Cとして、充放電試験を開始した。
充放電試験で得られた、それぞれの初期放電サイクル曲線をグラフ上にプロットし、そこから得られた各容量および曲線の波形を比較して、電池特性を評価した。
結果を図3に示す。
図3から、本実施例の電池セルは、比較例1~比較例3の電池セルと比較すると、良好な電池特性を有していることが確認された。すなわち、本実施例の電池セルは、比較例3のLLZ微粒子を含まないイオン液体を含有する硫黄正極を有する電池セルよりも、図3に示す斜線の領域に相当するエネルギーが向上することが分かった。
本発明は、リチウム硫黄固体電池の分野全般で利用可能である。
1・・・リチウム硫黄固体電池、11・・・硫黄正極、12・・・リチウム負極、13・・・固体電解質、14・・・イオン液体、15・・・LiLaZr12(LLZ)微粒子、20・・・硫黄粒子

Claims (4)

  1. 硫黄正極と、リチウム負極と、固体電解質と、を備え、
    前記固体電解質は、前記硫黄正極と前記リチウム負極との間に配置され、
    前記硫黄正極は、LiLaZr12微粒子を含むイオン液体を含有し、
    前記LiLaZr12微粒子を含むイオン液体は、前記硫黄正極と前記固体電解質との間に介在する、リチウム硫黄固体電池。
  2. 前記イオン液体100質量部に対する、前記LiLaZr12微粒子の含有量は、20質量部~30質量部である、請求項1に記載のリチウム硫黄固体電池。
  3. 前記LiLaZr12微粒子の平均一次粒子径は、10μm以下である、請求項1または2に記載のリチウム硫黄固体電池。
  4. 前記固体電解質の構成材料は、LiLaZr12である、請求項1~3のいずれか1項に記載のリチウム硫黄固体電池。
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