JP7320183B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

本開示は、コネクタに関するものである。
特許文献1には、端子が挿入されるハウジングと、ハウジングに取り付けられるリテーナとを備えたコネクタが開示されている。リテーナは、ハウジングに挿入された端子を抜止めする。ハウジングには係止突起が形成され、リテーナには弾性変形可能なロックアームが形成されている。ロックアームの係止突起をハウジングの係止突起に係止させることによって、リテーナがハウジングに対して取付け状態に保持される。
特開2016-058209号公報
リテーナをハウジングに対して相対変位させる過程では、リテーナの係止突起が、ロックアームを弾性変位させることによってハウジングの係止突起に乗り上がる。このとき、ロックアームは、係止突起の突出方向と平行な方向に弾性変位する。そのため、係止突起同士の係止代を大きくして係止力の向上を優先すると、ロックアームの弾性変位に起因して係止突起同士の間に生じる摩擦抵抗が大きくなり、リテーナを変位させるときの作業性が低下する。逆に、リテーナを変位させるときの作業性を向上させるために、係止突起同士の係止代を小さくすると、係止突起同士の係止力が低下する。
本開示のコネクタは、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、リテーナの係止力を低下させることなく、リテーナを変位させるときの作業性を向上させることを目的とする。
本開示のコネクタは、
端子金具が挿入されるハウジングと、
前記ハウジングに対して相対的に変位可能であり、前記端子金具を抜止めすることが可能なリテーナとを備え、
前記ハウジングと前記リテーナのうち一方には、前記リテーナの変位方向と交差する方向へ突出した固定側突起部が形成され、
前記ハウジングと前記リテーナのうち他方には、前記リテーナの変位方向と交差する方向へ弾性変位可能な弾性アーム部が形成され、
前記弾性アーム部には、前記固定側突起部の突出方向とは逆方向へ突出した可動側突起部が形成され、
前記固定側突起部と前記可動側突起部のうち少なくとも一方の突起部には、前記リテーナが変位する過程で、前記弾性アーム部を前記リテーナの変位方向及び前記固定側突起部の突出方向の両方向に対して交差する方向へ弾性変位させる誘導面が形成されている。
本開示によれば、リテーナの係止力を低下させることなく、リテーナを変位させるときの作業性を向上させることができる。
図1は、実施例1のハウジングの底面図である。 図2は、図1のX-X線断面図である。 図3は、リテーナの正面図である。 図4は、リテーナの側面図である。 図5は、リテーナが仮係止位置にある状態において端子収容室を切断した側断面図である。 図6は、リテーナが本係止位置にある状態において端子収容室を切断した側断面図である。 図7は、リテーナをハウジングに組み付ける過程で、可動側突起部が固定側突起部に突き当たった状態をあらわす側断面図である。 図8は、リテーナが仮係止位置に組み付けられ、可動側突起部が固定側突起部に係止した状態をあらわす側断面図である。 図9は、リテーナの組付け過程で、可動側突起部が固定側突起部に突き当たった状態をあらわす部分拡大正断面図である。 図10は、リテーナの組付け過程で、可動側突起部が誘導面に摺接している状態をあらわす部分拡大正断面図である。 図11は、リテーナの組付け過程で、可動側突起部が誘導面に摺接している状態をあらわす部分拡大側断面図である。 図12は、リテーナの組付け過程で、弾性アーム部の弾性変位量が最大になった状態をあらわす部分拡大正断面図である。 図13は、リテーナの組付け過程で、弾性アーム部の弾性変位量が最大になった状態をあらわす部分拡大側断面図である。 図14は、リテーナが仮係止位置に組み付けられ、可動側突起部が固定側突起部に係止した状態をあらわす部分拡大正断面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
本開示のコネクタは、
(1)端子金具が挿入されるハウジングと、前記ハウジングに対して相対的に変位可能であり、前記端子金具を抜止めすることが可能なリテーナとを備え、前記ハウジングと前記リテーナのうち一方には、前記リテーナの変位方向と交差する方向へ突出した固定側突起部が形成され、前記ハウジングと前記リテーナのうち他方には、前記リテーナの変位方向と交差する方向へ弾性変位可能な弾性アーム部が形成され、前記弾性アーム部には、前記固定側突起部の突出方向とは逆方向へ突出した可動側突起部が形成され、前記固定側突起部と前記可動側突起部のうち少なくとも一方の突起部には、前記リテーナが変位する過程で、前記弾性アーム部を前記リテーナの変位方向及び前記固定側突起部の突出方向の両方向に対して交差する方向へ弾性変位させる誘導面が形成されている。
本開示の構成によれば、リテーナが変位する過程では、可動側突起部が固定側突起部に突き当たり、その状態からリテーナの変位を進めると、誘導面が、弾性アーム部をリテーナの変位方向及び固定側突起部の突出方向の両方向に対して交差する方向へ弾性変位させる。弾性アーム部は、固定側突起部の突出端に摺接しながら固定側突起部を乗り上がるように通過するのではなく、固定側突起部の側方を迂回するようにして固定側突起部を通過する。したがって、固定側突起部の突出寸法、即ち、固定側突起部と可動側突起部との係止代を大きくしても、弾性アーム部の弾性変位量が増大することはない。本開示によれば、リテーナの係止力を低下させることなく、リテーナを変位させるときの作業性を向上させることができる。
(2)前記誘導面が前記固定側突起部に形成され、前記誘導面は、前記リテーナの変位方向に対して傾斜し、かつ前記固定側突起部の突出方向に対して傾斜していることが好ましい。この構成によれば、誘導面上における可動側突起部の摺動軌跡は、リテーナの変位方向及び固定側突起部の突出方向の両方向に対して斜め方向の経路となる。これにより、リテーナの変位量に対する弾性アーム部の弾性変位量の比率を小さくすることができるので、可動側突起部が固定側突起部を通過するときの摺動抵抗を低減できる。
(3)(2)において、前記固定側突起部の突出方向と平行に見たときに、前記リテーナの変位方向に対する前記誘導面の傾斜角度が第1傾斜角度であり、前記リテーナの変位方向及び前記固定側突起部の突出方向の両方向と直角な方向に見たときに、前記リテーナの変位方向に対する前記誘導面の傾斜角度が第2傾斜角度であり、前記第1傾斜角度が前記第2傾斜角度よりも小さいことが好ましい。この構成によれば、弾性アーム部が弾性変位するときに、固定側突起部の突出方向への弾性変位量を抑えることができる。
(4)前記ハウジングには、前記端子金具が収容される端子収容室が形成され、前記固定側突起部が前記端子収容室に臨むように形成され、前記弾性アーム部が前記リテーナに形成され、前記誘導面は、前記弾性アーム部を前記端子収容室内へ進入させる向きに傾斜していることが好ましい。この構成によれば、端子収容室が、弾性アーム部を弾性変位させるための撓み空間を兼ねているので、ハウジングを小型化することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
[実施例1]
本開示のコネクタを具体化した実施例1を、図1~図14を参照して説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。本実施例1において、前後の方向については、図1,4~8、11,13における左方を前方と定義する。上下の方向については、図2~14にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。左右の方向については、図2,3,9,10,12,14にあらわれる向きを、そのまま左方、右方と定義する。
本実施例1のコネクタは、1つのハウジング10と、ハウジング10に取り付けられる複数の端子金具25と、ハウジング10に取り付けられる1つのリテーナ30とを備えて構成されている。ハウジング10は、合成樹脂製であり、図1,2に示すように、全体として左右方向に長い直方形をなす、ハウジング10内には、前後方向に細長い複数の端子収容室11が、上下2段に分かれ、左右方向に整列して形成されている。図5,6に示すように、端子収容室11内には、ハウジング10の後方から端子金具25が挿入されている。端子収容室11内に挿入された端子金具25は、ランス12による一次係止によって抜止めされている(図6を参照)。
ハウジング10内には、リテーナ30を収容するための収容空間13が形成されている。収容空間13は、複数の端子収容室11と連通し、かつハウジング10の下面に開口している。リテーナ30は、ハウジング10の下面の開口から収容空間13内に収容される。収容空間13内に収容されたリテーナ30は、仮係止位置(図5,8を参照)と、仮係止位置よりも上方の本係止位置(図6を参照)との間でハウジング10に対して相対的に変位可能である。ハウジング10に対するリテーナ30の組付け方向と、リテーナ30が、ハウジング10に対して仮係止位置から本係止位置へ相対的に変位する方向は、同じ方向(上方向)である。
リテーナ30は、左右方向に長い直方形をなす本体部31を有する。本体部31には、複数の端子収容室11と個別に対応する複数の抜止め部32が形成されている。リテーナ30が仮係止位置にある状態では、図5に示すように、抜止め部32が端子収容室11の下方へ退避するので、端子収容室11に対する端子金具25の挿抜が可能である。リテーナ30が本係止位置にある状態では、図6に示すように、抜止め部32が端子金具25に係止し、リテーナ30による二次係止によって端子金具25が確実に抜止めされる。
次に、リテーナ30をハウジング10に対して仮係止位置と本係止位置に保持するための構造について説明する。リテーナ30には、左右一対の第1弾性アーム部33と、左右一対の第2弾性アーム部35が形成されている。第1弾性アーム部33は、本体部31の左右両端部から上方へ片持ち状に突出した形態である。第1弾性アーム部33は、第1弾性アーム部33の基端部(下端部)を支点として前後方向及び左右方向へ弾性変形することが可能である。第1弾性アーム部33の突出端部(上端部)には、後方へ突出した形態の第1可動側突起部34が形成されている。
第2弾性アーム部35は、本体部31の左右両端部における第1弾性アーム部33よりも前方の位置から、上方へ片持ち状に突出した形態である。第2弾性アーム部35は、第2弾性アーム部35の基端部(下端部)を支点として前後方向へ弾性変形することが可能である。第2弾性アーム部35の突出端部(上端部)には、前方へ突出した形態の第2可動側突起部36が形成されている。
収容空間13の左右両端部は、左右対称な一対の取付空間14として機能する。取付空間14は、全ての端子収容室11を左右両側から挟む位置に配置されている。取付空間14は、複数の端子収容室11のうち上段側において左右方向最も端部に位置する2室の端子収容室11と連通している。
取付空間14内には、取付空間14を構成する後側内壁面15から前方へ突出した形態の第1固定側突起部16が形成されている。第1固定側突起部16の突出方向は、ハウジング10に対するリテーナ30の組付け方向(以下、単に「リテーナ30の組付け方向」という)と直角な方向である。第1固定側突起部16の上面には、水平な第1係止面17が形成されている。第1係止面17は、ハウジング10に対するリテーナ30の組付け方向と直角な平面である。
第1固定側突起部16の下面には、第1誘導面18が形成されている。第1誘導面18は、図7~14に示すように、リテーナ30の組付け方向及び第1固定側突起部16の突出方向の両方向に対して傾斜している。第1誘導面18は平面からなるので、図9,11に示すように、第1誘導面18の基端側端縁と後側内壁面15との基端側境界線19と、第1誘導面18の先端側端縁と第1係止面17との突出端側境界線20は、平行である。
図9に示すように、後側内壁面15を固定側突起の突出方向と平行に前方から見たときの正面視において、リテーナ30の組付け方向に対する第1誘導面18の傾斜角度を、第1傾斜角度αと定義する。本実施例1では、第1傾斜角度αは45°である。リテーナ30の変位方向及び第1固定側突起部16の突出方向の両方向と直角に側方から見た側面視において、図11に示すように、リテーナ30の組付け方向に対する第1誘導面18の傾斜角度を、第2傾斜角度βと定義する。本実施例1では、第2傾斜角度βは60°である。第1傾斜角度αは第2傾斜角度βよりも小さい。
図7,8に示すように、取付空間14内には、取付空間14を構成する前側内壁面21から後方へ突出した形態の第2固定側突起部22が形成されている。第2固定側突起部22の突出方向は、リテーナ30の組付け方向と直角な方向である。第2固定側突起部22の上面には、水平な第2係止面23が形成されている。第2係止面23は、ハウジング10に対するリテーナ30の組付け方向と直角な平面である。
次に、コネクタの組付け工程を説明する。ハウジング10に端子金具25を取り付ける前に、リテーナ30をハウジング10に組み付けて仮係止位置に保持する。リテーナ30を組付ける際には、ハウジング10の下方からリテーナ30を収容空間13内に挿入する。挿入過程では、図7,9に示すように、第1可動側突起部34の突出端上端が、第1固定側突起部16の第1誘導面18の基端部に当接する。
この状態からリテーナ30の挿入を進めると、第1可動側突起部34が第1誘導面18上を摺動する。第1誘導面18は、正面視においてリテーナ30の組付け方向に対して45°の角度で傾斜しているので、第1弾性アーム部33は、図10に示すように、基端部(下端部)を支点として左右方向(図10における右方)へ傾くように弾性変位する。第1固定側突起部16は端子収容室11に臨んでおり、第1誘導面18は、正面視において端子収容室11に臨むように傾斜している。したがって、第1弾性アーム部33は、第1可動側突起部34を端子収容室11内に進入させるように変位する。第1誘導面18は、図11に示すように、リテーナ30の組付け方向に対して60°角度で傾斜している。したがって、第1弾性アーム部33は、第1固定側突起部16に乗り上がるように前方(図11における左方)へ弾性変位する。
第1可動側突起部34が第1誘導面18上を摺動する状態から、更にリテーナ30の組付けが進むと、第1可動側突起部34が第1誘導面18を通過し、図12に示すように、第1可動側突起部34が、第1固定側突起部16の右側面(端子収容室11に臨む面)に摺接する状態となる。このときの第1弾性アーム部33の弾性変位量は、リテーナ30をハウジング10に組み付ける過程において最大量である。第1可動側突起部34が第1誘導面18を通過すると、第1弾性アーム部33は、第1誘導面18の傾斜による影響から解放されるので、図13に示すように、後方(後側内壁面15に接近する方向)へ弾性復帰する。
この状態から、更にリテーナ30の組付けが進み、第1可動側突起部34が第1固定側突起部16を通過すると、リテーナ30が仮係止位置に到達し、第1弾性アーム部33が第1固定側突起部16との干渉から解放される。これにより、第1弾性アーム部33は左方(端子収容室11から遠ざかる方向)へ弾性復帰し、図8,14に示すように、第1可動側突起部34が第1係止面17に対して上から当接する。この当接により、リテーナ30は、ハウジング10に対して下方への相対変位、つまりハウジング10から外れる方向への変位ができなくなる。このとき、第2可動側突起部36が第2固定側突起部22に対して下から当接するので、リテーナ30はハウジング10に対して上方(本係止位置側)への変位ができなくなる。これにより、リテーナ30は仮係止位置に保持される。
仮係止位置のリテーナ30に対して上向きの押圧力を付与すると、第2弾性アーム部35が、第2可動側突起部36を第2固定側突起部22から解離させる方向(後方)へ弾性変位する。そして、リテーナ30が本係止位置に到達すると、第2可動側突起部36が、第2固定側突起部22を通過し、第2係止面23に対して上から当接する。この当接により、リテーナ30は、本係止位置に保持され、仮係止位置へ変位できなくなる。
本実施例1のコネクタは、端子金具25が挿入されるハウジング10と、ハウジング10に対して相対的に変位可能であり、端子金具25を抜止めすることが可能なリテーナ30とを備えている。ハウジング10には、リテーナ30の変位方向と交差する方向(前方)へ突出した第1固定側突起部16が形成されている。リテーナ30には、リテーナ30の変位方向(ハウジング10に対する組付け方向)と交差する方向(後方)へ弾性変位可能な第1弾性アーム部33が形成されている。
第1弾性アーム部33には、第1固定側突起部16の突出方向とは逆方向(前方)へ突出した第1可動側突起部34が形成されている。第1固定側突起部16には、リテーナ30が変位する過程で、第1弾性アーム部33をリテーナ30の変位方向及び第1固定側突起部16の突出方向の両方向に対して交差する方向へ弾性変位させる第1誘導面18が形成されている。
この構成によれば、リテーナ30が変位する過程では、第1可動側突起部34が第1固定側突起部16に突き当たり、その状態からリテーナ30の変位を進めると、第1誘導面18が、第1弾性アーム部33をリテーナ30の変位方向及び第1固定側突起部16の突出方向の両方向に対して交差する方向へ弾性変位させる。第1弾性アーム部33は、第1固定側突起部16の突出端に摺接しながら第1固定側突起部16を乗り上がるように通過すのではなく、第1固定側突起部16の側方を迂回するようにして第1固定側突起部16を通過する。したがって、第1固定側突起部16の突出寸法、即ち、第1固定側突起部16と第1可動側突起部34との前後方向の係止代を大きくしても、第1弾性アーム部33の弾性変位量が増大することはない。本実施例1のコネクタによれば、リテーナ30の係止力を低下させることなく、リテーナ30を変位させるときの作業性を向上させることができる。
第1誘導面18は、第1固定側突起部16に形成されている。第1誘導面18は、リテーナ30の変位方向に対して傾斜し、第1固定側突起部16の突出方向に対して傾斜している。この構成によれば、第1誘導面18上における第1可動側突起部34の摺動軌跡は、リテーナ30の変位方向及び第1固定側突起部16の突出方向の両方向に対して斜め方向の経路となる。これにより、リテーナ30の変位量に対する第1弾性アーム部33の弾性変位量の比率を小さくすることができるので、第1可動側突起部34が第1固定側突起部16を通過するときの摺動抵抗を低減できる。
第1固定側突起部16の突出方向と平行に見たときに、リテーナ30の変位方向に対する第1誘導面18の傾斜角度(第1傾斜角度α)は、45°である。リテーナ30の変位方向及び第1固定側突起部16の突出方向の両方向と直角な方向に見たときに、リテーナ30の変位方向に対する第1誘導面18の傾斜角度(第2傾斜角度β)は、60°である、第1傾斜角度αは第2傾斜角度βよりも小さいので、第1弾性アーム部33が弾性変位するときに、第1固定側突起部16の突出方向への第1弾性アーム部33の変位量を抑えることができる。
ハウジング10には、端子金具25が収容される端子収容室11が形成されている。第1固定側突起部16が端子収容室11に臨むように形成されている。第1弾性アーム部33はリテーナ30に形成されており、第1誘導面18は、第1弾性アーム部33を端子収容室11内へ進入させる向きに傾斜している。この構成によれば、端子収容室11が、第1弾性アーム部33を弾性変位させるための撓み空間を兼ねているので、ハウジング10を小型化することができる。
[他の実施例]
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示される。本発明には、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれ、下記のような実施形態も含まれることが意図される。
上記実施例1では、第1誘導面が第1固定側突起部のみに形成されているが、第1誘導面は、第1可動側突起部のみに形成されていてもよく、第1固定側突起部と第1可動側突起部の両方に形成されていてもよい。
上記実施例1では、第1誘導面は、リテーナの組付け方向と第1固定側突起部の突出方向との両方向に対して傾斜しているが、第1誘導面は、リテーナの組付け方向に対して傾斜し、かつ第1固定側突起部の突出方向に対しては平行であってもよい。
上記実施例1では、ハウジングに第1固定側突起部を形成し、リテーナに第1弾性アーム部と第1可動側突起部を形成したが、リテーナに第1固定側突起部を形成し、ハウジングに第1弾性アーム部と第1可動側突起部を形成してもよい。
上記実施例1では、端子収容室が第1弾性アーム部の撓み空間を兼ねているが、端子収容室内に第1弾性アーム部が進入しない形態としてもよい。
上記実施例1では、第1固定側突起部が、仮係止位置のリテーナを抜止めするための突起であるが、第1固定側突起部は、本係止位置のリテーナを仮係止位置へ戻るのを防止する突起であってもよい。
上記実施例1では、第1誘導面の第1傾斜角度が第2傾斜角度よりも小さいが、第1傾斜角度は、第2傾斜角度と同じ角度でもよく、第2傾斜角度より小さくてもよい。
上記実施例1では、第1傾斜角度を45°に設定したが、第1傾斜角度は、45°よりも大きい角度に設定してもよく、45°よりも小さい角度に設定してもよい。
上記実施例1では、第2傾斜角度を60°に設定したが、第1傾斜角度は、60°よりも大きい角度に設定してもよく、60°よりも小さい角度に設定してもよい。
10…ハウジング
11…端子収容室
12…ランス
13…収容空間
14…取付空間
15…後側内壁面
16…第1固定側突起部(固定側突起部)
17…第1係止面
18…第1誘導面(誘導面)
19…基端側境界線
20…突出端側境界線
21…前側内壁面
22…第2固定側突起部
23…第2係止面
25…端子金具
30…リテーナ
31…本体部
32…抜止め部
33…第1弾性アーム部(弾性アーム部)
34…第1可動側突起部(可動側突起部)
35…第2弾性アーム部
36…第2可動側突起部
α…第1傾斜角度
β…第2傾斜角度

Claims (4)

  1. 端子金具が挿入されるハウジングと、
    前記ハウジングに対して相対的に変位可能であり、前記端子金具を抜止めすることが可能なリテーナとを備え、
    前記ハウジングと前記リテーナのうち一方には、前記リテーナの変位方向と交差する方向へ突出した固定側突起部が形成され、
    前記ハウジングと前記リテーナのうち他方には、前記リテーナの変位方向と交差する方向へ弾性変位可能な弾性アーム部が形成され、
    前記弾性アーム部には、前記固定側突起部の突出方向とは逆方向へ突出した可動側突起部が形成され、
    前記固定側突起部と前記可動側突起部のうち少なくとも一方の突起部には、前記リテーナが変位する過程で、前記弾性アーム部を前記リテーナの変位方向及び前記固定側突起部の突出方向の両方向に対して交差する方向へ弾性変位させる誘導面が形成されているコネクタ。
  2. 前記誘導面が前記固定側突起部に形成され、
    前記誘導面は、前記リテーナの変位方向に対して傾斜し、かつ前記固定側突起部の突出方向に対して傾斜している請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記固定側突起部の突出方向と平行に見たときに、前記リテーナの変位方向に対する前記誘導面の傾斜角度が第1傾斜角度であり、
    前記リテーナの変位方向及び前記固定側突起部の突出方向の両方向と直角な方向に見たときに、前記リテーナの変位方向に対する前記誘導面の傾斜角度が第2傾斜角度であり、
    前記第1傾斜角度が前記第2傾斜角度よりも小さい請求項2に記載のコネクタ。
  4. 前記ハウジングには、前記端子金具が収容される端子収容室が形成され、
    前記固定側突起部が前記端子収容室に臨むように形成され、
    前記弾性アーム部が前記リテーナに形成され、
    前記誘導面は、前記弾性アーム部を前記端子収容室内へ進入させる向きに傾斜している請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコネクタ。
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