JP7319969B2 - エステル化合物、樹脂組成物、硬化物、及び、ビルドアップフィルム - Google Patents
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Description
本発明は、硬化後の耐熱性及び誘電特性に優れる樹脂組成物に用いることができるエステル化合物に関する。また、本発明は、該エステル化合物を含有する樹脂組成物、該樹脂組成物の硬化物、及び、該樹脂組成物を用いてなるビルドアップフィルムに関する。
低収縮であり、接着性、絶縁性、及び、耐薬品性に優れるエポキシ樹脂等の硬化性樹脂は、多くの工業製品に使用されている。特に、プリント配線板の層間絶縁材料等に用いられる樹脂組成物には、低誘電率、低誘電正接といった誘電特性が必要となる。このような誘電特性に優れる樹脂組成物として、例えば、特許文献1、2には、硬化性樹脂と、硬化剤として特定の構造を有する化合物とを含有する樹脂組成物が開示されている。しかしながら、このような樹脂組成物は、硬化後の耐熱性と誘電特性とを両立することが困難であるという問題があった。
本発明は、硬化後の耐熱性及び誘電特性に優れる樹脂組成物に用いることができるエステル化合物を提供することを目的とする。また、本発明は、該エステル化合物を含有する樹脂組成物、該樹脂組成物の硬化物、及び、該樹脂組成物を用いてなるビルドアップフィルムを提供することを目的とする。
本発明は、主鎖にフェニレンエーテルオリゴマー構造を有し、かつ、両末端に多環式芳香族環カルボニルオキシ基を有するエステル化合物である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、硬化後の耐熱性と誘電特性とを両立することのできる樹脂組成物を得るため、硬化性樹脂の種類や配合割合を調整することを検討した。しかしながら、硬化性樹脂の種類や配合割合の調整だけでは、硬化後の耐熱性と誘電特性とを両立することが困難であった。そこで本発明者らは、硬化後の耐熱性を向上させるため、硬化剤として高分子量のフェニレンエーテル化合物を用いることを検討したが、樹脂成分との相溶性に劣るために反応が充分に進行せず、得られる硬化物が誘電特性に劣るものとなることがあった。そこで本発明者らは更に鋭意検討した結果、主鎖にフェニレンエーテルオリゴマー構造を有し、かつ、両末端に多環式芳香族環カルボニルオキシ基を有するエステル化合物を硬化剤として用いることにより、硬化後の耐熱性及び誘電特性に優れる樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のエステル化合物は、主鎖にフェニレンエーテルオリゴマー構造を有する。主鎖にフェニレンエーテルオリゴマー構造を有することにより、得られる樹脂組成物の硬化物が耐熱性に優れるものとなる。
なお、本明細書において上記「フェニレンエーテルオリゴマー構造」は、置換されていてもよいフェニレンオキシ単位の繰り返し構造を意味する。
なお、本明細書において上記「フェニレンエーテルオリゴマー構造」は、置換されていてもよいフェニレンオキシ単位の繰り返し構造を意味する。
上記フェニレンエーテルオリゴマー構造は、下記式(1-1)で表される構造単位の繰り返し構造及び/又は下記式(1-2)で表される構造単位の繰り返し構造であることが好ましく、下記式(2-1)で表される構造単位の繰り返し構造及び/又は下記式(2-2)で表される構造単位の繰り返し構造であることがより好ましい。
式(1-1)及び式(1-2)中、R1~R4は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1以上10以下のアルキル基である。
本発明のエステル化合物は、両末端に多環式芳香族環カルボニルオキシ基を有する。両末端に多環式芳香族環カルボニルオキシ基を有することにより、樹脂成分との相溶性に優れるものとなり、得られる樹脂組成物の硬化物が低誘電正接等の誘電特性に優れるものとなる。
上記多環式芳香族環カルボニルオキシ基は、多環式アリールカルボニルオキシ基であってもよいし、多環式ヘテロアリールカルボニルオキシ基であってもよい。即ち、上記多環式芳香族環カルボニルオキシ基が有する多環式芳香族環は、多環式アリール基であってもよいし、多環式ヘテロアリール基であってもよい。
上記多環式アリールカルボニルオキシ基に含まれる多環式アリール基は、置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。また、上記多環式ヘテロアリールカルボニルオキシ基に含まれる多環式ヘテロアリール基は、置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。
上記多環式アリール基としては、例えば、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。なかでもナフチル基が好ましい。
上記多環式ヘテロアリール基としては、例えば、キノリル基、アクリジン基、インドリル基、ベンゾチエニル基等が挙げられる。
上記多環式アリールカルボニルオキシ基としては、具体的には例えば、ナフチルカルボニルオキシ基、アントリルカルボニルオキシ基等が挙げられる。なかでも、ナフチルカルボニルオキシ基が好ましい。
上記多環式ヘテロアリールカルボニルオキシ基としては、具体的には例えば、キノリルカルボニルオキシ基、アクリジンカルボニルオキシ基、インドリルカルボニルオキシ基、ベンゾチエニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
上記多環式アリールカルボニルオキシ基に含まれる多環式アリール基は、置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。また、上記多環式ヘテロアリールカルボニルオキシ基に含まれる多環式ヘテロアリール基は、置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。
上記多環式アリール基としては、例えば、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。なかでもナフチル基が好ましい。
上記多環式ヘテロアリール基としては、例えば、キノリル基、アクリジン基、インドリル基、ベンゾチエニル基等が挙げられる。
上記多環式アリールカルボニルオキシ基としては、具体的には例えば、ナフチルカルボニルオキシ基、アントリルカルボニルオキシ基等が挙げられる。なかでも、ナフチルカルボニルオキシ基が好ましい。
上記多環式ヘテロアリールカルボニルオキシ基としては、具体的には例えば、キノリルカルボニルオキシ基、アクリジンカルボニルオキシ基、インドリルカルボニルオキシ基、ベンゾチエニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
本発明のエステル化合物は、上記多環式芳香族環を含む構造として、下記式(3-1)で表される構造を有することが好ましく、下記式(3-2)で表される構造を有することがより好ましい。
式(3-1)及び式(3-2)中、R5は、多環式芳香族環であり、*は、結合位置である。式(3-2)中、R6~R9は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1以上10以下のアルキル基である。
上記式(3-1)及び式(3-2)中、R5は、多環式芳香族環である。即ち、該R5で表される多環式芳香族環は、上述した多環式芳香族環カルボニルオキシ基が有する多環式芳香族環である。
また、上記式(3-2)で表される構造は、R6及びR8がメチル基であり、かつ、R7及びR9が水素原子である構造であることが好ましい。
また、上記式(3-2)で表される構造は、R6及びR8がメチル基であり、かつ、R7及びR9が水素原子である構造であることが好ましい。
本発明のエステル化合物は、上記フェニレンエーテルオリゴマー構造及び上記多環式芳香族環カルボニルオキシ基に加えて、主鎖にアリーレン基と2以上のカルボニルオキシ基とを含む構造を有していてもよい。該2以上のカルボニルオキシ基は、それぞれ別の上記フェニレンエーテルオリゴマー構造と結合していることが好ましい。
上記アリーレン基は、置換されていてもよい。また、2以上のアリーレン基が酸素原子等を介して結合していてもよい。
上記アリーレン基を含む基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレン基、ビフェニレン基、ジフェニレンエーテル基、ビスフェニレン基等が挙げられる。なかでも、ジフェニレンエーテル基が好ましい。
上記アリーレン基を含む基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレン基、ビフェニレン基、ジフェニレンエーテル基、ビスフェニレン基等が挙げられる。なかでも、ジフェニレンエーテル基が好ましい。
特に、本発明のエステル化合物は、下記式(4-1)で表される構造を有することが好ましく、下記式(4-2)で表される構造を有することがより好ましい。
式(4-1)及び式(4-2)中、R10は、アリーレン基を含む基であり、*は、結合位置である。式(4-2)中、R11~R18は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1以上10以下のアルキル基である。
上記式(4-2)で表される構造は、R12、R14、R15、及び、R17がメチル基であり、かつ、R11、R13、R16、及び、R18が水素原子である構造であることが好ましい。
本発明のエステル化合物の分子量の好ましい下限は500、好ましい上限は4万である。上記分子量がこの範囲であることにより、本発明のエステル化合物は、樹脂成分との相溶性により優れるものとなり、得られる樹脂組成物の硬化物が低誘電正接等の誘電特性により優れるものとなる。本発明のエステル化合物の分子量のより好ましい下限は1000、より好ましい上限は15000である。
なお、本明細書において上記「分子量」は、分子構造が特定される化合物については、構造式から求められる分子量であるが、重合度の分布が広い化合物及び変性部位が不特定な化合物については、数平均分子量を用いて表す場合がある。本明細書において上記「数平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で溶媒としてテトラヒドロフランを用いて測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、JAIGEL-2H-A(日本分析工業社製)等が挙げられる。
また、本発明のエステル化合物の活性エステル当量の好ましい上限は5000である。上記活性エステル当量の上限が5000以下であることにより、樹脂成分との相溶性により優れるものとなり、得られる樹脂組成物の硬化物が低誘電正接等の誘電特性により優れるものとなる。上記活性エステル当量のより好ましい上限は4000、更に好ましい上限は3000である。本発明のエステル化合物の活性エステル当量の下限は特に限定されないが、通常250以上である。
なお、上記「活性エステル当量」は、エステル化合物の分子量を該エステル化合物に含まれるエステル基の数で除した値を意味する。
なお、本明細書において上記「分子量」は、分子構造が特定される化合物については、構造式から求められる分子量であるが、重合度の分布が広い化合物及び変性部位が不特定な化合物については、数平均分子量を用いて表す場合がある。本明細書において上記「数平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で溶媒としてテトラヒドロフランを用いて測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、JAIGEL-2H-A(日本分析工業社製)等が挙げられる。
また、本発明のエステル化合物の活性エステル当量の好ましい上限は5000である。上記活性エステル当量の上限が5000以下であることにより、樹脂成分との相溶性により優れるものとなり、得られる樹脂組成物の硬化物が低誘電正接等の誘電特性により優れるものとなる。上記活性エステル当量のより好ましい上限は4000、更に好ましい上限は3000である。本発明のエステル化合物の活性エステル当量の下限は特に限定されないが、通常250以上である。
なお、上記「活性エステル当量」は、エステル化合物の分子量を該エステル化合物に含まれるエステル基の数で除した値を意味する。
本発明のエステル化合物を製造する方法としては、例えば、フェニレンエーテルオリゴマー構造を有するジオール化合物と、多環式芳香族環を有するモノカルボン酸又はその酸ハライドとを反応させる方法等が挙げられる。また、例えば、フェニレンエーテルオリゴマー構造を有するジオール化合物と、多環式芳香族環を有するモノカルボン酸又はその酸ハライドと、アリーレン基を有する多価カルボン酸又はその酸ハライドとを反応させる方法等も挙げられる。
上記フェニレンエーテルオリゴマー構造を有するジオール化合物としては、例えば、下記式(5-1)で表される化合物、下記式(5-2)で表される化合物等が挙げられる。
式(5-1)及び式(5-2)中、m及びnは、ジメチルフェニレンオキシ単位の繰り返し数を意味する。
上記多環式芳香族環を有するモノカルボン酸としては、例えば、1-ナフタレンカルボン酸、2-ナフタレンカルボン酸、1-アントラセンカルボン酸、2-アントラセンカルボン酸、9-アントラセンカルボン酸、フェナントレンカルボン酸、ピレンカルボン酸等が挙げられる。また、上記多環式芳香族環を有するモノカルボン酸の酸ハライドとしては、上述した多環式芳香族環を有するモノカルボン酸の酸クロリド、酸ボロミド等が挙げられる。
上記アリーレン基を有する多価カルボン酸としては、例えば、3,3’-オキシ二安息香酸、4,4’-オキシ二安息香酸、4,4’-オキシジフタル酸、2,6’-ナフタレンジカルボン酸、1,7’-ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、5-ノルボルナン-2,3’ジカルボン酸、2,4-シクロペンタジエン1,1-ジカルボン酸等が挙げられる。また、上記アリーレン基を有する多価カルボン酸の酸ハライドとしては、上述したアリーレン基を有する多価カルボン酸の酸クロリド、酸ボロミド等が挙げられる。
硬化性樹脂と硬化剤とを含有する樹脂組成物であって、上記硬化剤は、本発明のエステル化合物を含む樹脂組成物もまた、本発明の1つである。
本発明のエステル化合物を含有することにより、本発明の樹脂組成物は、硬化物が耐熱性及び誘電特性に優れるものとなる。
本発明のエステル化合物を含有することにより、本発明の樹脂組成物は、硬化物が耐熱性及び誘電特性に優れるものとなる。
本発明の樹脂組成物は、未硬化状態での加工性を向上させる等のために、本発明の目的を阻害しない範囲において、本発明のエステル化合物に加えて他の硬化剤を含有してもよい。
上記他の硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤、チオール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、シアネート系硬化剤、本発明のエステル化合物以外の他の活性エステル系硬化剤等が挙げられる。なかでも、本発明のエステル化合物以外の他の活性エステル系硬化剤、シアネート系硬化剤が好ましい。
上記他の硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤、チオール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、シアネート系硬化剤、本発明のエステル化合物以外の他の活性エステル系硬化剤等が挙げられる。なかでも、本発明のエステル化合物以外の他の活性エステル系硬化剤、シアネート系硬化剤が好ましい。
上記硬化剤として、本発明のエステル化合物のみを用いる場合の本発明のエステル化合物の含有量は、硬化性樹脂1当量に対して、好ましい下限が0.3当量、好ましい上限が2.0当量である。上記硬化剤として本発明のエステル化合物のみを用いる場合、本発明のエステル化合物の含有量がこの範囲であることにより、得られる樹脂組成物が、耐熱性及び誘電特性により優れるものとなる。上記硬化剤として本発明のエステル化合物のみを用いる場合の本発明のエステル化合物の含有量のより好ましい下限は0.6当量、より好ましい上限は1.5当量である。
また、上記硬化剤として、本発明のエステル化合物とその他の硬化剤を併用する場合の本発明のエステル化合物の含有量は、硬化性樹脂1当量に対して、好ましい下限が0.05当量、好ましい上限が1.8当量である。上記硬化剤として本発明のエステル化合物とその他の硬化剤を併用する場合、本発明のエステル化合物の含有量がこの範囲であることにより、得られる樹脂組成物が、耐熱性及び誘電特性により優れるものとなる。上記硬化剤として本発明のエステル化合物とその他の硬化剤を併用する場合の本発明のエステル化合物の含有量のより好ましい下限は0.2当量、より好ましい上限は1.2当量である。上記硬化剤として本発明のエステル化合物とその他の硬化剤を併用する場合の本発明のエステル化合物とその他の硬化剤との合計の含有量は、硬化性樹脂1当量に対して、好ましい下限が0.3当量、好ましい上限が2.0当量である。
なお、上記硬化性樹脂1当量に対するエステル化合物の含有量(当量)は、硬化性樹脂が有する硬化性反応基の含有量を1とした場合のエステル化合物中の活性エステル基の含有量の比を意味する。上記硬化性反応基の含有量は、硬化性樹脂の含有重量を硬化性樹脂の反応基当量(例えば、硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合、エポキシ当量)で除することで求められる。上記活性エステル基の含有量は、エステル化合物の含有重量を上記活性エステル当量で除することで求められる。
また、上記硬化剤として、本発明のエステル化合物とその他の硬化剤を併用する場合の本発明のエステル化合物の含有量は、硬化性樹脂1当量に対して、好ましい下限が0.05当量、好ましい上限が1.8当量である。上記硬化剤として本発明のエステル化合物とその他の硬化剤を併用する場合、本発明のエステル化合物の含有量がこの範囲であることにより、得られる樹脂組成物が、耐熱性及び誘電特性により優れるものとなる。上記硬化剤として本発明のエステル化合物とその他の硬化剤を併用する場合の本発明のエステル化合物の含有量のより好ましい下限は0.2当量、より好ましい上限は1.2当量である。上記硬化剤として本発明のエステル化合物とその他の硬化剤を併用する場合の本発明のエステル化合物とその他の硬化剤との合計の含有量は、硬化性樹脂1当量に対して、好ましい下限が0.3当量、好ましい上限が2.0当量である。
なお、上記硬化性樹脂1当量に対するエステル化合物の含有量(当量)は、硬化性樹脂が有する硬化性反応基の含有量を1とした場合のエステル化合物中の活性エステル基の含有量の比を意味する。上記硬化性反応基の含有量は、硬化性樹脂の含有重量を硬化性樹脂の反応基当量(例えば、硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合、エポキシ当量)で除することで求められる。上記活性エステル基の含有量は、エステル化合物の含有重量を上記活性エステル当量で除することで求められる。
本発明の樹脂組成物は、硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、マレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。なかでも、上記硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、マレイミド樹脂、及び、ベンゾオキサジン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、エポキシ樹脂を含むことがより好ましい。上記硬化性樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、マレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。なかでも、上記硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、マレイミド樹脂、及び、ベンゾオキサジン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、エポキシ樹脂を含むことがより好ましい。上記硬化性樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’-ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、硬化促進剤を含有することが好ましい。上記硬化促進剤を含有することにより、硬化時間を短縮させて生産性を向上させることができる。
上記硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤、ホスフィン系硬化促進剤、光塩基発生剤、スルホニウム塩系硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、貯蔵安定性及び硬化性の観点から、イミダゾール系硬化促進剤、ホスフィン系硬化促進剤が好ましい。
上記硬化促進剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記硬化促進剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記硬化促進剤の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が5重量部である。上記硬化促進剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる樹脂組成物の接着性を悪化させることなく硬化時間を短縮させる効果により優れるものとなる。上記硬化促進剤の含有量のより好ましい下限は0.05重量部、より好ましい上限は3重量部である。
本発明の樹脂組成物は、無機充填剤を含有することが好ましい。
上記無機充填剤を含有することにより、本発明の樹脂組成物は、優れた接着性及び長期耐熱性を維持したまま、吸湿リフロー耐性、めっき耐性、及び、加工性により優れるものとなる。
上記無機充填剤を含有することにより、本発明の樹脂組成物は、優れた接着性及び長期耐熱性を維持したまま、吸湿リフロー耐性、めっき耐性、及び、加工性により優れるものとなる。
上記無機充填剤は、シリカ及び硫酸バリウムの少なくともいずれかであることが好ましい。上記無機充填剤としてシリカ及び硫酸バリウムの少なくともいずれかを含有することにより、本発明の樹脂組成物は、吸湿リフロー耐性、めっき耐性、及び、加工性により優れるものとなる。
上記シリカ及び上記硫酸バリウム以外のその他の無機充填剤としては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、ガラスパウダー、ガラスフリット、ガラス繊維、カーボンファイバー、無機イオン交換体等が挙げられる。
上記無機充填剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記無機充填剤の平均粒子径の好ましい下限は50nm、好ましい上限は20μmである。上記無機充填剤の平均粒子径がこの範囲であることにより、得られる樹脂組成物が塗布性や加工性により優れるものとなる。上記無機充填剤の平均粒子径のより好ましい下限は100nm、より好ましい上限は10μmである。
上記無機充填剤の含有量は、後述する溶媒を用いる場合は該溶媒を除く樹脂組成物の合計100重量部に対して、好ましい下限が10重量部、好ましい上限が1000重量部である。上記無機充填剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる樹脂組成物が吸湿リフロー耐性、めっき耐性、及び、加工性により優れるものとなる。上記無機充填剤の含有量のより好ましい下限は20重量部である。
本発明の樹脂組成物は、被着体への短時間での塗れ性と形状保持性とを向上させる等の目的で流動調整剤を含有してもよい。
上記流動調整剤としては、例えば、アエロジル等のヒュームドシリカや層状ケイ酸塩等が挙げられる。
上記流動調整剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
また、上記流動調整剤としては、平均粒子径が100nm未満のものが好適に用いられる。
上記流動調整剤としては、例えば、アエロジル等のヒュームドシリカや層状ケイ酸塩等が挙げられる。
上記流動調整剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
また、上記流動調整剤としては、平均粒子径が100nm未満のものが好適に用いられる。
上記流動調整剤の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が100重量部である。上記流動調整剤の含有量がこの範囲であることにより、被着体への短時間での塗れ性と形状保持性とを向上させる等の効果により優れるものとなる。上記流動調整剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は50重量部である。
本発明の樹脂組成物は、応力緩和、靭性付与等を目的として有機充填剤を含有してもよい。
上記有機充填剤としては、例えば、シリコーンゴム粒子、アクリルゴム粒子、ウレタンゴム粒子、ポリアミド粒子、ポリアミドイミド粒子、ポリイミド粒子、ベンゾグアナミン粒子、及び、これらのコアシェル粒子等が挙げられる。なかでも、ポリアミド粒子、ポリアミドイミド粒子、ポリイミド粒子が好ましい。
上記有機充填剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記有機充填剤としては、例えば、シリコーンゴム粒子、アクリルゴム粒子、ウレタンゴム粒子、ポリアミド粒子、ポリアミドイミド粒子、ポリイミド粒子、ベンゾグアナミン粒子、及び、これらのコアシェル粒子等が挙げられる。なかでも、ポリアミド粒子、ポリアミドイミド粒子、ポリイミド粒子が好ましい。
上記有機充填剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記有機充填剤の含有量は、後述する溶媒を用いる場合は該溶媒を除く樹脂組成物の合計100重量部に対して、好ましい上限が300重量部である。上記有機充填剤の含有量がこの範囲であることにより、優れた接着性等を維持したまま、得られる樹脂組成物の硬化物が靭性等により優れるものとなる。上記有機充填剤の含有量のより好ましい上限は200重量部である。
本発明の樹脂組成物は、難燃剤を含有してもよい。
上記難燃剤としては、例えば、ベーマイト型水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水和物、ハロゲン系化合物、りん系化合物、窒素化合物等が挙げられる。なかでも、ベーマイト型水酸化アルミニウムが好ましい。
上記難燃剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記難燃剤としては、例えば、ベーマイト型水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水和物、ハロゲン系化合物、りん系化合物、窒素化合物等が挙げられる。なかでも、ベーマイト型水酸化アルミニウムが好ましい。
上記難燃剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記難燃剤の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が2重量部、好ましい上限が300重量部である。上記難燃剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる樹脂組成物が優れた接着性等を維持したまま、難燃性に優れるものとなる。上記難燃剤の含有量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は250重量部である。
本発明の樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で熱可塑性樹脂を含有してもよい。上記熱可塑性樹脂を用いることにより、本発明の樹脂組成物は、流動特性により優れ、熱圧着時の充填性及び浸出防止性を両立することがより容易となり、かつ、硬化後の耐屈曲性により優れるものとなる。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ビスマレイミド樹脂等が挙げられる。なかでも、耐熱性や取り扱い性の点から、ポリイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂が好ましい。
上記熱可塑性樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記熱可塑性樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記熱可塑性樹脂の数平均分子量の好ましい下限は2000、好ましい上限は10万である。上記熱可塑性樹脂の上記数平均分子量がこの範囲であることにより、得られる樹脂組成物が流動特性や硬化後の耐屈曲性により優れるものとなる。上記熱可塑性樹脂の数平均分子量のより好ましい下限は5000、より好ましい上限は5万である。
上記熱可塑性樹脂の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.5重量部、好ましい上限は120重量部である。上記熱可塑性樹脂の含有量が0.5重量部以上であることにより、得られる樹脂組成物が流動特性や硬化後の耐屈曲性により優れるものとなる。上記熱可塑性樹脂の含有量が120重量部以下であることにより、得られる樹脂組成物が接着性や耐熱性により優れるものとなる。上記熱可塑性樹脂の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は80重量部である。
本発明の樹脂組成物は、塗工性等の観点から溶媒を含有してもよい。
上記溶媒としては、塗工性や貯蔵安定性等の観点から、沸点が160℃以下の非極性溶媒又は沸点が160℃以下の非プロトン性極性溶媒が好ましい。
上記沸点が160℃以下の非極性溶媒又は沸点が160℃以下の非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒、エーテル系溶媒、含窒素系溶媒等が挙げられる。
上記ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
上記エステル系溶媒としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル等が挙げられる。
上記炭化水素系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ノルマルヘプタン等が挙げられる。
上記ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン等が挙げられる。
上記エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン等が挙げられる。
上記含窒素系溶媒としては、例えば、アセトニトリル等が挙げられる。
なかでも、取り扱い性や上記硬化剤の溶解性等の観点から、沸点が60℃以上のケトン系溶媒、沸点が60℃以上のエステル系溶媒、及び、沸点が60℃以上のエーテル系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。このような溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸イソブチル、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
なお、上記「沸点」は、101kPaの条件で測定される値、又は、沸点換算図表等で101kPaに換算された値を意味する。
上記溶媒としては、塗工性や貯蔵安定性等の観点から、沸点が160℃以下の非極性溶媒又は沸点が160℃以下の非プロトン性極性溶媒が好ましい。
上記沸点が160℃以下の非極性溶媒又は沸点が160℃以下の非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒、エーテル系溶媒、含窒素系溶媒等が挙げられる。
上記ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
上記エステル系溶媒としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル等が挙げられる。
上記炭化水素系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ノルマルヘプタン等が挙げられる。
上記ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン等が挙げられる。
上記エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン等が挙げられる。
上記含窒素系溶媒としては、例えば、アセトニトリル等が挙げられる。
なかでも、取り扱い性や上記硬化剤の溶解性等の観点から、沸点が60℃以上のケトン系溶媒、沸点が60℃以上のエステル系溶媒、及び、沸点が60℃以上のエーテル系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。このような溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸イソブチル、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
なお、上記「沸点」は、101kPaの条件で測定される値、又は、沸点換算図表等で101kPaに換算された値を意味する。
本発明の樹脂組成物100重量部中における上記溶媒の含有量の好ましい下限は10重量部、好ましい上限は80重量部である。上記溶媒の含有量がこの範囲であることにより、本発明の樹脂組成物は、塗工性等により優れるものとなる。上記溶媒の含有量のより好ましい下限は20重量部、より好ましい上限は70重量部である。
本発明の樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で反応性希釈剤を含有してもよい。
上記反応性希釈剤としては、接着信頼性の観点から、1分子中に2つ以上の反応性官能基を有する反応性希釈剤が好ましい。
上記反応性希釈剤としては、接着信頼性の観点から、1分子中に2つ以上の反応性官能基を有する反応性希釈剤が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、更に、カップリング剤、分散剤、貯蔵安定化剤、ブリード防止剤、フラックス剤、レベリング剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、混合機を用いて、硬化性樹脂と、本発明のエステル化合物と、必要に応じて添加する溶媒等とを混合する方法等が挙げられる。
上記混合機としては、例えば、ホモディスパー、万能ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等が挙げられる。
上記混合機としては、例えば、ホモディスパー、万能ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物を基材フィルム上に塗工し、乾燥させることにより、本発明の樹脂組成物からなる樹脂組成物フィルムを得ることができ、該樹脂組成物フィルムを硬化させて硬化物を得ることができる。本発明の樹脂組成物の硬化物もまた、本発明の1つである。
本発明の樹脂組成物は、硬化物のガラス転移温度の好ましい下限が100℃、好ましい上限が250℃である。上記硬化物のガラス転移温度がこの範囲であることにより、本発明の樹脂組成物は、硬化物が機械的強度及び長期耐熱性により優れるものとなる。上記硬化物のガラス転移温度のより好ましい下限は130℃、より好ましい上限は220℃である。
なお、本明細書において上記「硬化物のガラス転移温度」は、動的粘弾性測定装置を用い、昇温速度10℃/分、周波数10Hz、チャック間距離24mmで-0℃から300℃までの昇温条件で測定した際に得られるtanδカーブのピーク温度として求めることができる。上記動的粘弾性測定装置としては、例えば、レオバイブロン動的粘弾性自動測定器DDV-GPシリーズ(エー・アンド・デイ社製)等が挙げられる。上記ガラス転移温度を測定する硬化物は、厚さを約400μmとした上記樹脂組成物フィルムを190℃で30分加熱することにより得ることができる。
なお、本明細書において上記「硬化物のガラス転移温度」は、動的粘弾性測定装置を用い、昇温速度10℃/分、周波数10Hz、チャック間距離24mmで-0℃から300℃までの昇温条件で測定した際に得られるtanδカーブのピーク温度として求めることができる。上記動的粘弾性測定装置としては、例えば、レオバイブロン動的粘弾性自動測定器DDV-GPシリーズ(エー・アンド・デイ社製)等が挙げられる。上記ガラス転移温度を測定する硬化物は、厚さを約400μmとした上記樹脂組成物フィルムを190℃で30分加熱することにより得ることができる。
上記硬化性樹脂としてビフェニル型エポキシ樹脂を含有する場合、本発明の樹脂組成物は、硬化物の40℃から120℃までの温度範囲における線膨張係数の好ましい下限が5ppm/℃、好ましい上限が100ppm/℃である。本発明の樹脂組成物は、硬化物が耐熱性により優れるものとなる。上記線膨張係数のより好ましい下限は10ppm/℃、より好ましい上限は80ppm/℃である。
なお、本明細書において上記「線膨張係数」は、TMA法により昇温速度10℃/分、力50Nの条件で測定される値を示す。また、上記線膨張係数の測定に用いる硬化物は、例えば、厚さを約200μmとした上記樹脂組成物フィルムを190℃で30分加熱することにより得ることができる。
なお、本明細書において上記「線膨張係数」は、TMA法により昇温速度10℃/分、力50Nの条件で測定される値を示す。また、上記線膨張係数の測定に用いる硬化物は、例えば、厚さを約200μmとした上記樹脂組成物フィルムを190℃で30分加熱することにより得ることができる。
上記硬化性樹脂としてビフェニル型エポキシ樹脂を含有する場合、本発明の樹脂組成物は、硬化物の23℃における誘電正接の好ましい上限が0.015である。上記硬化物の23℃における誘電正接が0.015以下であることにより、本発明の樹脂組成物は、多層プリント配線板等の層間絶縁材料に好適に用いることができる。上記硬化物の23℃における誘電正接のより好ましい上限は0.01である。
なお、上記「誘電正接」は、誘電率測定装置及びネットワークアナライザーを用いて5GHzの条件で測定される値である。なお、上記「誘電正接」を測定する硬化物は、厚さを約40μmから約200μmとした上記樹脂組成物フィルムを190℃で90分間加熱することにより得ることができる。
なお、上記「誘電正接」は、誘電率測定装置及びネットワークアナライザーを用いて5GHzの条件で測定される値である。なお、上記「誘電正接」を測定する硬化物は、厚さを約40μmから約200μmとした上記樹脂組成物フィルムを190℃で90分間加熱することにより得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、広い用途に用いることができるが、特に高い耐熱性が求められている電子材料用途に好適に用いることができる。例えば、航空、車載用電気制御ユニット(ECU)用途や、SiC、GaNを用いたパワーデバイス用途におけるダイアタッチ剤等に用いることができる。また、例えば、パワーオーバーレイパッケージ用接着剤、プリント配線基板用接着剤、フレキシブルプリント回路基板のカバーレイ用接着剤、銅張積層板、半導体接合用接着剤、層間絶縁材料、プリプレグ、LED用封止剤、構造材料用接着剤等にも用いることができる。
なかでも、本発明の樹脂組成物は、硬化物が低誘電率、低誘電正接であり、誘電特性に優れるため、ビルドアップフィルムに好適に用いることができる。本発明の樹脂組成物を用いてなるビルドアップフィルムもまた、本発明の1つである。
なかでも、本発明の樹脂組成物は、硬化物が低誘電率、低誘電正接であり、誘電特性に優れるため、ビルドアップフィルムに好適に用いることができる。本発明の樹脂組成物を用いてなるビルドアップフィルムもまた、本発明の1つである。
本発明によれば、硬化後の耐熱性及び誘電特性に優れる樹脂組成物に用いることができるエステル化合物を提供することができる。また、本発明によれば、該エステル化合物を含有する樹脂組成物、該樹脂組成物の硬化物、及び、該樹脂組成物を用いてなるビルドアップフィルムを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(合成例1(エステル化合物Aの作製))
上記式(5-1)で表される化合物20重量部、及び、トリエチルアミン7重量部をテトラヒドロフラン100重量部に溶解させた。得られた溶液に2-ナフタレンカルボン酸クロリド7.5重量部を添加し、室温で6時間撹拌してエステル化反応を進行させた。上記式(5-1)で表される化合物としては、数平均分子量が約1000であるOPE(三菱ガス化学社製)を用いた。反応後、析出物をろ過により除去し、得られた溶液からエバポレーターにてテトラヒドロフランを除去した。更に純水で洗浄を行った後、真空乾燥を行いエステル化合物Aを得た。
なお、1H-NMR、GPC、及び、FT-IR分析により、エステル化合物Aは、下記式(6)で表されることを確認した。また、該エステル化合物Aの数平均分子量は2150であった。
上記式(5-1)で表される化合物20重量部、及び、トリエチルアミン7重量部をテトラヒドロフラン100重量部に溶解させた。得られた溶液に2-ナフタレンカルボン酸クロリド7.5重量部を添加し、室温で6時間撹拌してエステル化反応を進行させた。上記式(5-1)で表される化合物としては、数平均分子量が約1000であるOPE(三菱ガス化学社製)を用いた。反応後、析出物をろ過により除去し、得られた溶液からエバポレーターにてテトラヒドロフランを除去した。更に純水で洗浄を行った後、真空乾燥を行いエステル化合物Aを得た。
なお、1H-NMR、GPC、及び、FT-IR分析により、エステル化合物Aは、下記式(6)で表されることを確認した。また、該エステル化合物Aの数平均分子量は2150であった。
式(6)中、m及びnは、ジメチルフェニレンオキシ単位の繰り返し数を意味する。
(合成例2(エステル化合物Bの作製))
上記式(5-1)で表される化合物30重量部、及び、トリエチルアミン12重量部及び4,4’-オキシ二安息香酸クロリド4.5重量部をテトラヒドロフラン150重量部に溶解させた。得られた溶液に2-ナフタレンカルボン酸クロリド6重量部を添加し、室温で10時間撹拌してエステル化反応を進行させた。上記式(5-1)で表される化合物としては、数平均分子量が約1000であるOPE(三菱ガス化学社製)を用いた。反応後、析出物をろ過により除去し、得られた溶液からエバポレーターにてテトラヒドロフランを除去した。更に純水で洗浄を行った後、真空乾燥を行いエステル化合物Bを得た。
なお、1H-NMR、GPC、及び、FT-IR分析により、エステル化合物Bは、下記式(7)で表されることを確認した。また、該エステル化合物Bの数平均分子量は4100であった。
上記式(5-1)で表される化合物30重量部、及び、トリエチルアミン12重量部及び4,4’-オキシ二安息香酸クロリド4.5重量部をテトラヒドロフラン150重量部に溶解させた。得られた溶液に2-ナフタレンカルボン酸クロリド6重量部を添加し、室温で10時間撹拌してエステル化反応を進行させた。上記式(5-1)で表される化合物としては、数平均分子量が約1000であるOPE(三菱ガス化学社製)を用いた。反応後、析出物をろ過により除去し、得られた溶液からエバポレーターにてテトラヒドロフランを除去した。更に純水で洗浄を行った後、真空乾燥を行いエステル化合物Bを得た。
なお、1H-NMR、GPC、及び、FT-IR分析により、エステル化合物Bは、下記式(7)で表されることを確認した。また、該エステル化合物Bの数平均分子量は4100であった。
式(7)中、m、n、o、及び、pは、ジメチルフェニレンオキシ単位の繰り返し数を意味する。
(合成例3(エステル化合物Cの作製))
2-ナフタレンカルボン酸クロリド7.5重量部をシクロヘキサンカルボン酸クロリド5.1重量部に変更したこと以外は合成例1と同様にして、エステル化合物Cを得た。
なお、1H-NMR、GPC、及び、FT-IR分析により、エステル化合物Cは、下記式(8)で表されることを確認した。また、該エステル化合物Cの数平均分子量は1930であった。
2-ナフタレンカルボン酸クロリド7.5重量部をシクロヘキサンカルボン酸クロリド5.1重量部に変更したこと以外は合成例1と同様にして、エステル化合物Cを得た。
なお、1H-NMR、GPC、及び、FT-IR分析により、エステル化合物Cは、下記式(8)で表されることを確認した。また、該エステル化合物Cの数平均分子量は1930であった。
式(8)中、m及びnは、ジメチルフェニレンオキシ単位の繰り返し数を意味する。
(合成例4(エステル化合物Dの作製))
2-ナフタレンカルボン酸クロリド7.5重量部をイソ酪酸クロリド4.2重量部に変更したこと以外は合成例1と同様にして、エステル化合物Dを得た。
なお、1H-NMR、GPC、及び、FT-IR分析により、エステル化合物Dは、下記式(9)で表されることを確認した。また、該エステル化合物Dの数平均分子量は1780であった。
2-ナフタレンカルボン酸クロリド7.5重量部をイソ酪酸クロリド4.2重量部に変更したこと以外は合成例1と同様にして、エステル化合物Dを得た。
なお、1H-NMR、GPC、及び、FT-IR分析により、エステル化合物Dは、下記式(9)で表されることを確認した。また、該エステル化合物Dの数平均分子量は1780であった。
式(9)中、m及びnは、ジメチルフェニレンオキシ単位の繰り返し数を意味する。
(合成例5(エステル化合物Eの作製))
2-ナフタレンカルボン酸クロリド7.5重量部を安息香酸クロリド5.6重量部に変更したこと以外は合成例1と同様にして、エステル化合物Eを得た。
なお、1H-NMR、GPC、及び、FT-IR分析により、エステル化合物Eは、下記式(10)で表されることを確認した。また、該エステル化合物Eの数平均分子量は2010であった。
2-ナフタレンカルボン酸クロリド7.5重量部を安息香酸クロリド5.6重量部に変更したこと以外は合成例1と同様にして、エステル化合物Eを得た。
なお、1H-NMR、GPC、及び、FT-IR分析により、エステル化合物Eは、下記式(10)で表されることを確認した。また、該エステル化合物Eの数平均分子量は2010であった。
式(10)中、m及びnは、ジメチルフェニレンオキシ単位の繰り返し数を意味する。
(実施例1~6、比較例1~5)
表1に記載された配合比の各材料に溶媒としてメチルエチルケトンを加え、撹拌機を用いて1200rpmで4時間撹拌し、樹脂組成物を得た。なお、上記式(5-1)で表される化合物の分子量を1000とみなした場合に、上記式(6)~(10)の構造より求められる理論分子量を各エステル基の数で除すことでエステル化合物A~Eの活性エステル当量を求めた。その結果、化合物Aの活性エステル当量は651、化合物Bの活性エステル当量は630、化合物Cの活性エステル当量は607、化合物Dの活性エステル当量は567、化合物Eの活性エステル当量は601であった。また、表1の組成には、溶媒を除く固形分について記載した。
アプリケーターを用いて、得られた樹脂組成物を厚み25μmのPETフィルムの離型処理面上に塗工した。PETフィルムとしては、XG284(東レ社製)を用いた。その後、100℃のギアオーブン内で5分間乾燥し、溶媒を揮発させることにより、PETフィルムと、該PETフィルム上に厚さが40μmの樹脂組成物層とを有する未硬化積層フィルムを得た。
表1に記載された配合比の各材料に溶媒としてメチルエチルケトンを加え、撹拌機を用いて1200rpmで4時間撹拌し、樹脂組成物を得た。なお、上記式(5-1)で表される化合物の分子量を1000とみなした場合に、上記式(6)~(10)の構造より求められる理論分子量を各エステル基の数で除すことでエステル化合物A~Eの活性エステル当量を求めた。その結果、化合物Aの活性エステル当量は651、化合物Bの活性エステル当量は630、化合物Cの活性エステル当量は607、化合物Dの活性エステル当量は567、化合物Eの活性エステル当量は601であった。また、表1の組成には、溶媒を除く固形分について記載した。
アプリケーターを用いて、得られた樹脂組成物を厚み25μmのPETフィルムの離型処理面上に塗工した。PETフィルムとしては、XG284(東レ社製)を用いた。その後、100℃のギアオーブン内で5分間乾燥し、溶媒を揮発させることにより、PETフィルムと、該PETフィルム上に厚さが40μmの樹脂組成物層とを有する未硬化積層フィルムを得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各未硬化積層フィルムについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られた各未硬化積層フィルムについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(硬化物のガラス転移温度)
実施例及び比較例で得られた各未硬化積層フィルムから基材PETフィルムを剥離し、ラミネーターを用いて樹脂組成物層を重ね合わせて厚さ約400μmの積層体を得た。得られた積層体を190℃で90分間加熱して硬化物を得た。得られた硬化物について、動的粘弾性測定装置を用い、昇温速度10℃/分、周波数10Hz、チャック間距離24mmの条件で0℃から300℃まで昇温した際に得られたtanδカーブのピーク温度をガラス転移温度として求めた。動的粘弾性測定装置としては、レオバイブロンDDV-25GP(エー・アンド・デイ社製)を用いた。
実施例及び比較例で得られた各未硬化積層フィルムから基材PETフィルムを剥離し、ラミネーターを用いて樹脂組成物層を重ね合わせて厚さ約400μmの積層体を得た。得られた積層体を190℃で90分間加熱して硬化物を得た。得られた硬化物について、動的粘弾性測定装置を用い、昇温速度10℃/分、周波数10Hz、チャック間距離24mmの条件で0℃から300℃まで昇温した際に得られたtanδカーブのピーク温度をガラス転移温度として求めた。動的粘弾性測定装置としては、レオバイブロンDDV-25GP(エー・アンド・デイ社製)を用いた。
(線膨張係数)
実施例及び比較例で得られた各未硬化積層フィルムから基材PETフィルムを剥離し、ラミネーターを用いて樹脂組成物層を重ね合わせて厚さ約400μmの積層体を得た。得られた積層体を190℃で90分間加熱して硬化物を得た。得られた硬化物について、TMA装置を用い、昇温速度10℃/分、力50Nの条件で40℃から120℃までの温度範囲における線膨張係数を測定した。TMA装置としては、TMA7100(日立ハイテクサイエンス社製)を用いた。
実施例及び比較例で得られた各未硬化積層フィルムから基材PETフィルムを剥離し、ラミネーターを用いて樹脂組成物層を重ね合わせて厚さ約400μmの積層体を得た。得られた積層体を190℃で90分間加熱して硬化物を得た。得られた硬化物について、TMA装置を用い、昇温速度10℃/分、力50Nの条件で40℃から120℃までの温度範囲における線膨張係数を測定した。TMA装置としては、TMA7100(日立ハイテクサイエンス社製)を用いた。
(誘電正接)
実施例及び比較例で得られた各未硬化積層フィルムを幅2mm、長さ80mmの大きさに裁断した。裁断後の樹脂組成物フィルムから基材PETフィルムを剥離し、ラミネーターを用いて樹脂組成物層を重ね合わせて厚さ約200μmの積層体を得た。得られた積層体を190℃で90分間加熱して硬化物を得た。得られた硬化物について、空洞共振摂動法誘電率測定装置及びネットワークアナライザーを用いて、空洞共振法で23℃、周波数5GHzの条件にて誘電正接を測定した。空洞共振摂動法誘電率測定装置としては、CP521(関東電子応用開発社製)を用い、ネットワークアナライザーとしては、N5224A PNA(キーサイトテクノロジー社製)を用いた。
実施例及び比較例で得られた各未硬化積層フィルムを幅2mm、長さ80mmの大きさに裁断した。裁断後の樹脂組成物フィルムから基材PETフィルムを剥離し、ラミネーターを用いて樹脂組成物層を重ね合わせて厚さ約200μmの積層体を得た。得られた積層体を190℃で90分間加熱して硬化物を得た。得られた硬化物について、空洞共振摂動法誘電率測定装置及びネットワークアナライザーを用いて、空洞共振法で23℃、周波数5GHzの条件にて誘電正接を測定した。空洞共振摂動法誘電率測定装置としては、CP521(関東電子応用開発社製)を用い、ネットワークアナライザーとしては、N5224A PNA(キーサイトテクノロジー社製)を用いた。
本発明によれば、硬化後の耐熱性及び誘電特性に優れる樹脂組成物に用いることができるエステル化合物を提供することができる。また、本発明によれば、該エステル化合物を含有する樹脂組成物、該樹脂組成物の硬化物、及び、該樹脂組成物を用いてなるビルドアップフィルムを提供することができる。
Claims (7)
- 主鎖にフェニレンエーテルオリゴマー構造を有し、かつ、両末端に多環式芳香族環カルボニルオキシ基を有することを特徴とするエステル化合物。
- 前記多環式芳香族環カルボニルオキシ基は、ナフチルカルボニルオキシ基である請求項1記載のエステル化合物。
- 前記フェニレンエーテルオリゴマー構造及び前記多環式芳香族環カルボニルオキシ基に加えて、主鎖にアリーレン基と2以上のカルボニルオキシ基とを含む構造を有し、該2以上のカルボニルオキシ基は、それぞれ別の前記フェニレンエーテルオリゴマー構造と結合している請求項1又は2記載のエステル化合物。
- 硬化性樹脂と硬化剤とを含有する樹脂組成物であって、
前記硬化剤は、請求項1、2又は3記載のエステル化合物を含む樹脂組成物。 - 前記硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を含む請求項4記載の樹脂組成物。
- 請求項4又は5記載の樹脂組成物の硬化物。
- 請求項4又は5記載の樹脂組成物を用いてなるビルドアップフィルム。
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