JP7319938B2 - 液中微粒子計測システムおよび脱気器 - Google Patents

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この発明は、液中微粒子計測システムおよび脱気器に関し、特に、光散乱方式の液中微粒子計(液中パーティクルカウンター)を用いて液中の微粒子数の計測を行うのに適用して好適な液中微粒子計測システムおよびこの液中微粒子計測システムに用いられる脱気器に関する。
光(レーザー光) の散乱方式を採用する液中微粒子計は、半導体業界や関連する材料業界等で、水や薬液等の液の清浄度管理に幅広く使用されている。近年、半導体業界では、素子の微細化に伴い10nmオーダーの粒径の微粒子の管理が要求されている。しかし、液中微粒子計では、液中の溶存酸素等による気泡も微粒子と同様に光を散乱するため微粒子として計測されてしまう誤計測(誤カウント)の問題がある。一方、12インチの大口径シリコンウエーハが用いられるようになってから、洗浄方法は従来のバッチ洗浄から一枚一枚に薬液を吹き付ける枚葉洗浄へと変化している。ところが、この枚葉洗浄では、洗浄後の薬液に気泡が混ざるようになった。また、超音波洗浄やオゾン洗浄に使用される洗浄液にも同様に気泡が発生する。
この気泡による誤計測の問題を解消するために、液中の溶存酸素等の気体成分を脱気する脱気器(脱気モジュール、脱気ユニット等とも言われる)に液を通してから液中微粒子計に導入することが考えられる。従来、脱気器としては、脱気膜に中空糸を用いた多孔性膜を用いたものが主流である(例えば、非特許文献1、2参照)。
[令和1年7月9日検索]、インターネット〈URL:http://www.dic-global.com/ja/products/membrane/separel/water.html 〉 [令和1年7月9日検索]、インターネット〈URL:https://www.gore.co.jp/products/categories/module 〉
しかし、本発明者の検討によれば、上述の従来の脱気器では、脱気膜に粒径0.5μm以下の微粒子が吸着・残存する可能性が高いため、液中の微粒子の一部が脱気膜に取り込まれてしまうことに加えて、脱気膜に吸着・残存した微粒子が突然、液中に放出されることもあることから、液中に存在する真の微粒子数を計測することができないだけでなく、脱気膜自体が微粒子により目詰まりしてしまうため、脱気能力を発揮することができなくなってしまう。また、液中微粒子計には定格流量が定められているが、この定格流量に対応した流量の脱気器を入手することは困難である。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、定格流量が10mL(ミリリットル)/min(分)前後の液中微粒子計に対応可能な脱気器により微粒子計測の対象となる液中に存在する気泡だけを効率的に除去することができ、気泡による誤計測の大幅な減少により液中の微粒子数の真値に近い計測値を得ることができる液中微粒子計測システムおよびこの液中微粒子計測システムに用いられる脱気器を提供することである。
本発明者は、定格流量が10mL/min前後の光散乱方式の液中微粒子計の使用を前提とし、この液中微粒子計の液導入口の前段に接続することで定格流量に整合した流量で液を流して効率的に脱気を行うことが可能な脱気器の実現を目指して鋭意検討を行った。その結果、まず、極めて平滑な表面を有するPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)製の非多孔性膜からなるPFAチューブを中空糸気液分離膜として選択することとした。このPFA製非多孔性膜は1nm以下の径のごく微小な細孔しか有しておらず、酸素等の気体は透過するが、微粒子は勿論、純水や薬液等は透過しない性質を有する。このようなPFAチューブを用いることにより、このPFAチューブを流れる液に含まれる微粒子がチューブ内面に吸着・残存する可能性は殆どない。液の脱気を効率良く行うために、このPFAチューブを複数本結束してPFAチューブ束として使用することとした。しかし、PFAチューブの内径や結束する本数等の選定に当たっては明確な指針がないため、種々の観点から独自に理論的検討および実験的検討を繰り返し行った結果、PFAチューブの内径は0.5mm以上0.7mm以下、PFAチューブの結束本数は20本以上32本以下あるいは20本以上30本以下とするのが最善であるという結論に至った。内径が0.5mm以上0.7mm以下のPFAチューブを20本以上32本以下あるいは20本以上30本以下結束してPFAチューブ束とすることで、このPFAチューブ束の各PFAチューブに液が流れる時の抵抗を液中微粒子計の定格流量に整合した流量を確保することができる範囲に抑えることができ、しかもPFAチューブ束の液が流入する端面における液中の微粒子の堆積も抑えることができる。後述のように、各PFAチューブを構成する非多孔性膜を透過する気体の透過量を大きくするためには、非多孔性膜の厚さをできるだけ小さくし、かつ膜面積をできるだけ大きくするために各PFAチューブ、従ってPFAチューブ束をできるだけ長くすればよい。
この発明は、本発明者が独自に得た上記の知見に基づいて鋭意検討を行った結果、案出されたものである。
すなわち、上記課題を解決するために、この発明は、
定格流量が9.5mL/min以上10.5mL/min以下の光散乱方式の液中微粒子計と、
微粒子の計測を行う液の供給元と上記液中微粒子計の液導入口との間の流路に接続された少なくとも一つの脱気器とを有する液中微粒子計測システムであって、
上記脱気器が、内径が0.5mm以上0.7mm以下で内面の粗さRt が0.8μm以下のPFAチューブが20本以上32本以下結束されたPFAチューブ束が密閉容器の内部に収容され、上記PFAチューブ束の一端が直接または間接的に上記密閉容器の液導入口に接続され、上記PFAチューブ束の他端が直接または間接的に上記密閉容器の液排出口に接続されたものからなることを特徴とする液中微粒子計測システムである。
PFAチューブ束を構成するPFAチューブの内面の粗さRt は、粗さ曲線の最大断面高さであり、評価長さにおいて、輪郭曲線の山高さzp の最大値と谷深さzv の最大値との和を表す。PFAチューブの内面のRt は、好適には0.4μm以下、より好適には0.2μm以下、さらに好適には0.1μm以下、最も好適には0.01μm(10nm)以下である。好適には、PFAチューブ束の一端と液の供給元との間およびPFAチューブ束の他端と液中微粒子計の液導入口との間がそれぞれ、PFAチューブ束を構成するPFAチューブと同様に、内面の粗さRt が0.8μm以下のPFAチューブにより接続される。このPFAチューブは、接液部となる内面が極めて平滑であるため、微粒子を含む液がこのPFAチューブを流れる際に、微粒子がチューブ内面に吸着・残存するのを効果的に抑えることができる。このため、液中の微粒子がチューブ内面に吸着・残存することによる誤計測を大幅に減少させることができる。密閉容器の真空排気口と真空ポンプとの間を直接または間接的に接続するチューブは上記のPFAチューブに限定されないが、上記のPFAチューブを用いることで、密閉容器内を真空排気する際に、微粒子がチューブの内面に吸着・残存するのを効果的に抑えることができる。PFAチューブ束を構成する各PFAチューブは、例えばその両端部で結束される。具体的には、例えば、各PFAチューブを通す複数の貫通孔が形成された円柱部材を用意し、この円柱部材の各貫通孔にPFAチューブの一端部を通した後、接着等によりPFAチューブを円柱部材に固定し、PFAチューブの他端部も同様に、別の円柱部材の各貫通孔に通した後、接着等によりPFAチューブを円柱部材に固定する。この場合、PFAチューブ束の両端部以外の部分が実質的な脱気部となる。円柱部材の材質は必要に応じて選ばれるが、一例を挙げると、樹脂、例えば変性PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)により形成する。こうすることで、円柱部材の各貫通孔に通されたPFAチューブを円柱部材に対して融着させることができる。
PFAチューブ束を構成するPFAチューブは非多孔性中空糸膜であるが、一般に中空糸膜内部に気体を通したときに膜外部に透過してくる気体の量、すなわち気体透過量を求めるには次の透過理論式が使用される。すなわち、気体透過量をQ、気体透過係数をα、膜内外の圧力差をP、膜面積をS、透過時間をT、膜厚をtとすると、Q=α×P×S×T÷tである。この透過理論式より、各PFAチューブを構成する非多孔性膜の膜厚を小さくし、長さを大きくすること等により膜面積が大きなPFAチューブを選定することにより、気体の透過が短時間で進むことがわかる。PFAチューブを構成する非多孔性膜の膜厚は、小さ過ぎるとPFAチューブの強度が小さくなり過ぎるため、好適には25μm以上、より好適には30μm以上に選ばれ、大き過ぎると気体が透過しにくくなるので好適には50μm以下、より好適には40μm以下に選ばれる。各PFAチューブの内径をD、長さをL、PFAチューブ束を構成するPFAチューブの本数をNとすると、膜面積はS=πD×L×Nと表される。
PFAチューブ束を構成する全てのPFAチューブの合計膜内容量は、液中微粒子計の定格流量(9.5mL/min以上10.5mL/min以下)に対し、好適には、その1.2倍以上に選ばれる。合計膜内容量はV=(πD2 /4)×L×Nと表されるので、V≧1.2×(定格流量×1分)に選ばれる。こうすることで、脱気器から液中微粒子計に定格流量で液を円滑に導入することができる。
液中微粒子計の定格流量は、上述のように9.5mL/min以上10.5mL/min以下であるが、典型的な一つの例では10mL/minである。脱気器のPFAチューブ束を構成する、内径が0.5mm以上0.7mm以下のPFAチューブの本数が20本以上32本以下であることにより、上記の液中微粒子計の定格流量で液がPFAチューブ束の一端面に流入した場合、液の流れの抵抗を十分に低く抑えることができるとともに、PFAチューブ束の液流入側の一端面に液中の微粒子が堆積し、各PFAチューブへの液の導入に支障が生じるのを効果的に防止することができる。PFAチューブ束を構成するPFAチューブの本数は、好適には22本以上32本以下あるいは20本以上30本以下、より好適には24本以上30本以下である。
各PFAチューブの膜面積を十分に大きくするためにPFAチューブ束の長さを大きくする場合、PFAチューブを流れる液を繰り返しチューブ内面に当てて攪拌することにより脱気の効率の向上を図るとともに、PFAチューブ束をコンパクトなサイズに抑えるために、好適には、PFAチューブ束の少なくとも一部、典型的には大部分が繰り返し折れ曲がった形状とされ、好適にはらせん状に繰り返し巻かれる。
脱気器の使用時には、密閉容器の内部を真空排気して減圧する。密閉容器の内部の圧力は必要に応じて選ばれるが、例えば12kPa以下に選ばれる。密閉容器の形状や大きさ等は、密閉容器に収容されるPFAチューブ束の形状や大きさ等に応じて適宜選ばれる。密閉容器の形状は、具体的には、例えば円筒や直方体等である。密閉容器の壁の材質や厚さ等は、密閉容器の内部を真空排気した時に外部より加わる圧力に耐えられるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン(PP)等の硬質プラスチック、ステンレス鋼(例えば、SUS304)等の金属等である。
液中微粒子計の液導入口に導入されて微粒子数の計測を行う液の供給元は様々であるが、例えば、液が流される配管、液が貯蔵された試料ボトル等である。液の供給元が液が流される配管である場合、第1PFAチューブの一端が上記の配管の液の採集口(サンプリングポート)に接続され、第1PFAチューブの他端が例えばフレア異径ユニオンを介して第2PFAチューブの一端と接続され、この第2PFAチューブの他端がPFAチューブ束の一端と接続され、このPFAチューブ束の他端が第3PFAチューブの一端と接続され、第3PFAチューブの他端がフレア異径ユニオンを介して第4PFAチューブの一端と接続され、この第4PFAチューブの他端が液中微粒子計の液導入口に接続され、液中微粒子計の液排出口に第5PFAチューブを介して圧力対応流量制御器が接続される。これらの第1PFAチューブ、第2PFAチューブ、第3PFAチューブ、第4PFAチューブおよび第5PFAチューブの内面の粗さRt は0.8μm以下である。液の供給元が液が貯蔵された試料ボトルである場合には、第1PFAチューブの一端が試料ボトルに貯蔵された液に浸漬され、第1PFAチューブの他端が例えばフレア異径ユニオンを介して第2PFAチューブの一端と接続され、この第2PFAチューブの他端がPFAチューブ束の一端と接続され、このPFAチューブ束の他端が第3PFAチューブの一端と接続され、第3PFAチューブの他端がフレア異径ユニオンを介して第4PFAチューブの一端と接続され、この第4PFAチューブの他端が液中微粒子計の液導入口に接続され、液中微粒子計の液排出口に第5PFAチューブを介して吸引ポンプが接続され、使用時に脱気器の内部が減圧された時にPFAチューブ束を構成する各PFAチューブの内部が減圧状態にならないようにするために、試料ボトルに貯蔵された液の液面および吸引ポンプのバルブ部のうちのより低いものから脱気器の上記の密閉容器の液排出口までの落差が最低でも800mm以上、必要に応じて1000mm以上に設定される。これらの第1PFAチューブ、第2PFAチューブ、第3PFAチューブ、第4PFAチューブおよび第5PFAチューブの内面の粗さRt は0.8μm以下である。あるいは、液の供給元が液が貯蔵された試料ボトルである場合、第1PFAチューブの一端が試料ボトルに貯蔵された液に浸漬され、第1PFAチューブの他端が例えばフレア異径ユニオンを介して第2PFAチューブの一端と接続され、この第2PFAチューブの他端がPFAチューブ束の一端と接続され、このPFAチューブ束の他端が第3PFAチューブの一端と接続され、第3PFAチューブの他端がフレア異径ユニオンを介して第4PFAチューブの一端と接続され、この第4PFAチューブの他端が液中微粒子計の液導入口に接続され、液中微粒子計の液排出口に第5PFAチューブが接続され、使用時に脱気器の内部が減圧された時にPFAチューブ束を構成する各PFAチューブの内部が減圧状態にならないようにするために、試料ボトルに貯蔵された液の液面から脱気器の上記の密閉容器の液排出口までの落差が最低でも800mm以上、必要に応じて1000mm以上に設定される。これらの第1PFAチューブ、第2PFAチューブ、第3PFAチューブ、第4PFAチューブおよび第5PFAチューブの内面の粗さRt は0.8μm以下である。以上の三つの例においては、接液部が全て上記のPFAチューブであるため、液中の微粒子がチューブ内面に付着・残存するのを防止することができる。
微粒子の計測を行う液は特に限定されないが、例えば、純水、薬液を含む純水、薬液等である。液の粘性が純水より高い場合は、酸素除去効率の低下を防止するため、必要に応じて、二つまたはそれ以上の脱気器が直列に接続されて使用される。
また、この発明は、
微粒子の計測を行う液の供給元と定格流量が9.5mL/min以上10.5mL/min以下の光散乱方式の液中微粒子計の液導入口との間の流路に接続されて使用される脱気器であって、
内径が0.5mm以上0.7mm以下で内面の粗さRt が0.8μm以下のPFAチューブが20本以上32本以下結束されたPFAチューブ束が密閉容器の内部に収容され、
上記PFAチューブ束の一端が上記密閉容器の液導入口に直接または間接的に接続され、上記PFAチューブ束の他端が上記密閉容器の液排出口に直接または間接的に接続されていることを特徴とする脱気器である。
この脱気器の発明においては、その性質に反しない限り、上記の液中微粒子計測システムの発明に関連して説明したことが成立する。
この発明によれば、脱気器が、内径が0.5mm以上0.7mm以下で内面の粗さRt が0.8μm以下のPFAチューブが20本以上32本以下結束されたPFAチューブ束を中空糸気液分離膜として用いたものであるため、定格流量が9.5mL/min以上10.5mL/min以下の光散乱方式の液中微粒子計の液導入口に至る流路にこの脱気器を接続することにより、脱気器の流量を液中微粒子計の定格流量に整合させることができる。この場合、液の流れの抵抗の増大を抑えることができるとともに、液が流れ込むPFAチューブ束の一端面に液中の微粒子が堆積するのを防止することができることにより、液中微粒子計の液導入口に導入される前に液の脱気を支障なく効率的に行うことができる。例えば、PFAチューブを構成する非多孔性膜の厚さを十分に小さく選び、膜面積を十分に大きく選ぶことにより、液中微粒子計の液導入口に導入される前の液の酸素除去効率を例えば80%程度以上にすることができる。こうして、液中の気泡だけを効率的に除去することができるので、気泡による誤計測を大幅に減少させることができ、液中の微粒子数の真値に近い計測値を得ることができる。
この発明の第1の実施の形態による脱気器を示す断面図である。 この発明の第1の実施の形態による脱気器に用いられるPFAチューブ束の両端部およびその間の部分の横断面を示す断面図である。 この発明の第1の実施の形態による脱気器の要部を示す断面図である。 この発明の第2の実施の形態による液中微粒子計測システムを示す略線図である。 この発明の第3の実施の形態による液中微粒子計測システムを示す略線図である。 この発明の第4の実施の形態による液中微粒子計測システムを示す略線図である。 この発明の第5の実施の形態による液中微粒子計測システムの脱気器の部分を示す略線図である。 試作した脱気器の高低差による流量変化測定試験に用いた配置を示す略線図である。
以下、発明を実施するための形態(以下「実施の形態」という)について説明する。
〈第1の実施の形態〉
[脱気器]
図1は第1の実施の形態による脱気器を示す。この脱気器は、微粒子の計測を行う液の供給元と光散乱方式の液中微粒子計(定格流量は9.5mL/min以上10.5mL/min以下)の液導入口との間の流路に接続されて使用され、液中微粒子計の液導入口に導入される液を事前に脱気するためのものである。
図1に示すように、この脱気器は、密閉容器10の内部にPFAチューブ束20が収容されている。密閉容器10は、PFAチューブ束20を空間的余裕を持って収容することができる形状および大きさである限り、形状および大きさは必要に応じて選ばれる。密閉容器10は例えば円筒状の形状を有する。PFAチューブ束20に流される液の脱気を効率的に行うことができるようにするために、PFAチューブ束20は、コイル状に複数回、一般的には多数回巻かれた形状を有する(図1においては巻き数が2回の場合が示されている)。このようにPFAチューブ束20をコイル状に形成することにより、十分に大きい長さを確保しながら、PFAチューブ束20をコンパクトに構成することができる。PFAチューブ束20は両端部で結束されている。
PFAチューブ束20の両端部の横断面の一例を図2Aに、両端部の間の部分の横断面の一例を図2Bに示す。図2AおよびBに示すように、PFAチューブ束20は、20本以上32本以下、典型的には24本以上30本以下の互いに同一のPFAチューブ21の両端部が円柱部材22に形成された貫通孔をそれぞれ通されて融着等により円柱部材22に固定されて結束されたものであり、円柱部材22以外の部分はPFAチューブ21のみからなる。PFAチューブ21の内径は0.5mm以上0.7mm以下、内面の粗さRt は0.8μm以下である。PFAチューブ21を構成する非多孔性膜の膜厚は、例えば20μm以上50μm以下に選ばれる。PFAチューブ束20の長さ、従ってPFAチューブ21の長さは非多孔性膜に要求される膜面積に応じて選ばれる。また、PFAチューブ束20全体の膜内容量は、液中微粒子計の定格流量(9.5mL/min以上10.5mL/min以下)の1.2倍以上に選ばれる。例えば、定格流量が10mL/minの場合は、PFAチューブ束20全体の膜内容量は12mL以上に選ばれる。PFAチューブ21内の液の流速は、例えば、1000mm/min以上3500mm/min以下に選ばれる。PFAチューブ束20の両端部の横断面におけるPFAチューブ21の配列は図2Aに示すものに限定されず、必要に応じて選ばれるが、PFAチューブ束20の直径を小さくするため、好適には最密充填構造に近い密な配列に選ばれる。
PFAチューブ束20の上流側(液導入側)の一端は、中継用のPFAリング31および円筒状のPFA部材41を介して液導入用のPFAチューブ50の下流側の一端と接続されている。PFAチューブ50は、密閉容器10の上面に設けられた開口10aを貫通して設けられている。PFAチューブ50の内径は、このPFAチューブ50内で微粒子の滞留が発生しないようにPFAチューブ束20と同様の流速を確保することができるように選ばれる。例えば、内径が2mm程度のPFAチューブ50が用いられる。密閉容器10の外部のPFAチューブ50の根元の部分は、密閉容器10の上面に取り付けられた円筒状のシール部材61の中心部に設けられた開口を貫通している。シール部材61と密閉容器10およびPFAチューブ50との間の部分は真空シールされている。真空シールは従来公知の方法を用いて行うことができる。
PFAチューブ束20の下流側(液排出側)の他端は、中継用のPFAリング32および円筒状のPFA部材42を介して液排出用のPFAチューブ70の一端と接続されている。PFAチューブ70は、密閉容器10の上面に設けられた開口10bを貫通して設けられている。PFAチューブ70は、PFAチューブ50と同様に、このPFAチューブ70内で微粒子の滞留が発生しないようにPFAチューブ束20と同様の流速を確保することができるように選ばれる。例えば、内径が2mm程度のPFAチューブ70が用いられる。密閉容器10の外部のPFAチューブ70の根元の部分は、密閉容器10の上面に取り付けられた円筒状のシール部材62の中心部に設けられた開口を貫通している。シール部材62と密閉容器10およびPFAチューブ70との間の部分は真空シールされている。真空シールは従来公知の方法を用いて行うことができる。
PFAチューブ束20、PFAリング31、PFA部材41、PFAチューブ50、密閉容器10およびシール部材61の部分の詳細な構成を図3に示す。図3に示すように、PFAリング31の内周面はPFAチューブ束20の外周部とPFA製の融着材(図示せず)で融着されている。PFAリング31の上流側の一端面はPFAチューブ束20の上流側の一端面と同一面上にある。そして、PFAチューブ束20およびPFAリング31の上流側の一端面に中空部41aを有する円筒状のPFA部材41が取り付けられている。PFAリング31とPFA部材41との接合部の外周はPFA材(図示せず)で溶接されてシールされている。PFA部材41の中空部41aのPFAチューブ束20側の端部はPFAチューブ束20に向かって末広がりになっており、PFAチューブ束20の上流側の一端面と接触する部分ではPFAチューブ束20の直径と同一の直径を有する。PFA部材41とPFAチューブ50との接合部の外周はPFA材(図示せず)で溶接されてシールされている。PFA部材41の中空部41aのうち末広がり部以外の部分の直径はPFAチューブ50の内径と同一に選ばれている。
PFAチューブ束20、PFAリング32、PFA部材42、PFAチューブ70、密閉容器10およびシール部材62の部分も図3と同様に構成されている。
密閉容器10の上面には開口10cが設けられている。真空排気用のPFAチューブ80がこの開口10cを貫通して設けられている。密閉容器10の外部のPFAチューブ80の根元の部分は、密閉容器10の上面に取り付けられた円筒状のシール部材63の中心部に設けられた開口を貫通している。シール部材63と密閉容器10およびPFAチューブ80との間の部分は真空シールされている。真空シールは従来公知の方法を用いて行うことができる。
この脱気器の各部の寸法等の具体例を挙げると次の通りである。すなわち、密閉容器10は直径が150mm、高さが150mmの円筒状である。PFAチューブ束20は結束部の直径が4mm、長さが2000mm、PFAチューブ束20を構成するPFAチューブ21は内径が0.5mm、非多孔質膜の厚さが35μmである。PFAチューブ50、70は内径が2mm、外径が4mm、PFAチューブ80は内径が4mm、外径が6mmである。
[脱気器の動作方法]
PFAチューブ80の他端を真空ポンプに接続して密閉容器10の内部を所定の圧力、例えば12kPa程度に真空排気する。
PFAチューブ50の他端から脱気を行う液を供給する。図1において矢印で示すように、この液はPFAチューブ50およびPFA部材41の中空部41aを通ってPFAチューブ束20の一端に到達し、このPFAチューブ束20を構成する各PFAチューブ21を流れ、さらにPFA部材42の中空部を通ってPFAチューブ70に流れ、このPFAチューブ70を通って脱気器から排出される。密閉容器10の内部は真空になっているため、図1において破線の矢印で示すように、PFAチューブ束20の各PFAチューブ21内を液が流れる途中で液中に含まれる酸素や窒素等の気体が各PFAチューブ21の非多孔性膜を透過してPFAチューブ束20の外部に強制的に除去され、脱気が行われる。PFAチューブ70にはこうして脱気が行われた液が流れる。
以上のように、この第1の実施の形態によれば、脱気器が、内径が0.5mm以上0.7mm以下で内面の粗さRt が0.8μm以下のPFAチューブが20本以上32本以下結束されたPFAチューブ束20を中空糸気液分離膜として用いているため、定格流量が9.5mL/min以上10.5mL/min以下の光散乱方式の液中微粒子計の液導入口に至る流路にこの脱気器を接続することにより、脱気器の流量を液中微粒子計の定格流量に整合させることができる。この場合、液の流れの抵抗の増大を抑えることができるとともに、液が流れ込むPFAチューブ束20の一端面に液中の微粒子が堆積するのを防止することができることにより、液中微粒子計の液導入口に導入される前に液の脱気を支障なく効率的に行うことができる。そして、PFAチューブ21を構成する非多孔性膜の厚さを十分に小さく選び、膜面積を十分に大きく選ぶことにより、液中微粒子計の液導入口に導入される前の液の酸素除去効率を例えば約80%程度以上にすることができ、それによって液から気泡だけを効率的に除去することができる。このため、この脱気器を定格流量が9.5mL/min以上10.5mL/min以下の光散乱方式の液中微粒子計の液導入口に至る流路に接続して脱気を行うことにより、液中に存在する気泡による誤計測を大幅に減少させることができ、液中の微粒子数の真値に近い計測値を得ることができる。
〈第2の実施の形態〉
[液中微粒子計測システム]
図4は第2の実施の形態による液中微粒子計測システムを示す。
図4に示すように、この液中微粒子計測システムは、液中微粒子計100に第1の実施の形態による脱気器200を組み合わせたものである。液中微粒子計100は光散乱方式により液中の微粒子数の計測を行うものであり、定格流量は9.5mL/min以上10.5mL/min以下(例えば、10mL/min)である。
すなわち、図4に示すように、液(例えば、純水や純水を含む薬液等)が流される管300のオンラインのサンプリングポートに一端が接続されたPFAチューブ410の他端がフレア異径ユニオン420を介して脱気器200のPFAチューブ50と接続されている。脱気器200のPFAチューブ70はフレア異径ユニオン430を介してPFAチューブ440の一端に接続されている。PFAチューブ410、440の内径は、PFAチューブ410、440内で微粒子の滞留が発生しないようにするため、好適には、脱気器200と同様の流速を確保することができる内径に選ばれる。例えば、内径が2mm、外径が4mmのPFAチューブ410、440が用いられる。PFAチューブ440の他端は液中微粒子計100の液導入口に接続されている。脱気器200のPFAチューブ80はフレア異径ユニオン450を介してPFAチューブ460の一端と接続されている。このPFAチューブ460の他端は真空ポンプ500の吸気口に接続されている。例えば、PFAチューブ460の内径は4mm、外径は6mmである。真空ポンプ500の排気口にはPFAチューブ470が接続されている。液中微粒子計100の液排出口にはPFAチューブ480の一端が接続されている。PFAチューブ480の他端は圧力対応流量制御器600の入口に接続されている。圧力対応流量制御器600は、PFAチューブ440を介して液中微粒子計100に導入される液の流速を液中微粒子計100の定格流量に合わせた流速に調節するためのものである。圧力対応流量制御器600の排出口にはPFAチューブ490が接続されている。このPFAチューブ490から排出された液はドレインに廃棄される。
[液中微粒子計測システムの動作方法]
液が流されている管300のオンラインサンプリングポートから液のサンプリングが行われ、PFAチューブ410およびPFAチューブ50を介して脱気器200に導入され、第1の実施の形態において説明した方法によりPFAチューブ束20において液の脱気が行われる。こうして脱気が行われた液は、PFAチューブ70およびPFAチューブ440を介して液中微粒子計100の液導入口に供給され、光散乱方式により液中の微粒子数の計測が行われる。こうして微粒子数の計測が行われた液は液中微粒子計100の排出口から排出され、PFAチューブ480を介して圧力対応流量制御器600に送られた後、PFAチューブ490からドレインに廃棄される。
この第2の実施の形態によれば、脱気器100のPFAチューブ束20において液の脱気が効率的に行われ、こうして脱気が行われた液が液中微粒子計200の液導入口に供給されるため、液中に含まれる気泡を大幅に減少させることができ、従って気泡による誤計測を大幅に減少させることができ、このため液中の微粒子数の真値に近い計測値を得ることができる。
〈第3の実施の形態〉
[液中微粒子計測システム]
図5は第3の実施の形態による液中微粒子計測システムを示す。
この液中微粒子計測システムは、液の供給元が液が流される管300ではなく、液が貯蔵された試料ボトルであること、圧力対応流量制御器600の代わりに吸引ポンプを用いていることが第2の実施の形態による液中微粒子計測システムと異なる。
すなわち、図5に示すように、この液中微粒子計測システムにおいては、試料ボトル700中に貯蔵された液710の中にPFAチューブ410の一端が浸漬され、他端がフレア異径ユニオン420を介して脱気器200のPFAチューブ50と接続されている。液中微粒子計100の液排出口にはPFAチューブ480の一端が接続されている。PFAチューブ480の他端はフレア異径ユニオン495を介してPFAチューブ496の一端と接続されている。PFAチューブ496の他端は吸引ポンプ800の吸液口に接続されている。吸引ポンプ800は、PFAチューブ440を介して液中微粒子計100に導入される液の流速を液中微粒子計100の定格流量に合わせた流速に調節するためのものである。吸引ポンプ800の排出口にはPFAチューブ490が接続されている。吸引ポンプ800には、PFAチューブ496とPFAチューブ490との間にバルブ(図示せず)が設けられており、このバルブの制御によりPFAチューブ440に流れる液の流量を調節することができるようになっている。
ここで重要なことは、PFAチューブ束20の内部が減圧状態とならないようにするため、脱気器200の密閉容器10の上面が、試料ボトル700中に貯蔵された液710の液面と吸引ポンプ800のバルブ部とのどちらか高さが低いものの高さより最低でも800mm以上、必要に応じて1000mm以上低い位置になるようにすることである。
この液中微粒子計測システムの上記以外の構成は第2の実施の形態による液中微粒子計測システムと同様である。
[液中微粒子計測システムの動作方法]
試料ボトル700中に貯蔵された液710のサンプリングが行われ、PFAチューブ410およびPFAチューブ50を介して脱気器100に導入され、第1の実施の形態において説明した方法によりPFAチューブ束20において液の脱気が行われる。こうして脱気が行われた液は、PFAチューブ70およびPFAチューブ440を介して液中微粒子計100の液導入口に供給され、光散乱方式により液中の微粒子数の計測が行われる。こうして微粒子数の計測が行われた液は液中微粒子計100の排出口から排出され、吸引ポンプ800およびPFAチューブ490を通ってドレインに廃棄される。
この第3の実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈第4の実施の形態〉
[液中微粒子計測システム]
図6は第4の実施の形態による液中微粒子計測システムを示す。
この液中微粒子計測システムは、液の供給元が液が流される管300ではなく、液が貯蔵された試料ボトルであること、圧力対応流量制御器600を用いていないことが第2の実施の形態による液中微粒子計測システムと異なる。
すなわち、図6に示すように、試料ボトル700中に貯蔵された液(例えば、純水を含む薬液)の中にPFAチューブ410の一端が浸漬され、フレア異径ユニオン420を介して脱気器200のPFAチューブ50と接続されている。液中微粒子計100の液排出口にはPFAチューブ480の一端が接続されている。PFAチューブ480の他端は自由空間に開放されている。このPFAチューブ480から排出される液はドレインに廃棄される。
ここで重要なことは、PFAチューブ束20の内部が減圧状態とならないようにするため、脱気器100の密閉容器10の上面が、試料ボトル700中に貯蔵された液710の液面の高さより最低でも800mm以上、必要に応じて1000mm以上低い位置になるようにすることである。
この液中微粒子計測システムの上記以外の構成は第2の実施の形態による液中微粒子計測システムと同様である。
[液中微粒子計測システムの動作方法]
試料ボトル700中に貯蔵された液710のサンプリングが行われ、PFAチューブ410およびPFAチューブ50を介して脱気器200に導入され、第1の実施の形態において説明した方法によりPFAチューブ束20において液の脱気が行われる。こうして脱気が行われた液は、PFAチューブ70およびPFAチューブ440を介して液中微粒子計100の液導入口に供給され、光散乱方式により液中の微粒子数の計測が行われる。こうして微粒子数の計測が行われた液は液中微粒子計100の液排出口から排出され、PFAチューブ480を通ってドレインに廃棄される。
この第4の実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈第5の実施の形態〉
[液中微粒子計測システム]
第5の実施の形態による液中微粒子計測システムにおいては、第2~第4の実施の形態のいずれかの液中微粒子計測システムにおいて、二つの脱気器200を直列に接続することが、第2~第4の実施の形態と異なる。
すなわち、図7に、この液中微粒子計測システムのうちの直列に接続された二つの脱気器200の部分を示す。図7に示すように、上流側の脱気器200のPFAチューブ70の一端はフレア異径ユニオン430を介してPFAチューブ441の一端と接続され、このPFAチューブ441の他端はフレア異径ユニオン420を介して下流側の脱気器200のPFAチューブ50の一端と接続されている。この下流側の脱気器200のPFAチューブ70はフレア異径ユニオン430を介してPFAチューブ440の一端と接続されている。PFAチューブ440の他端は液中微粒子計100の液導入口に接続されている。上流側の脱気器200のPFAチューブ460と下流側の脱気器200のPFAチューブ460とは合流し、真空ポンプ500の吸気口に接続されている。
この液中微粒子計測システムは、上記以外のことについては、第2~第4の実施の形態のいずれかの液中微粒子計測システムと同様である。
[液中微粒子計測システムの動作方法]
この液中微粒子計測システムの動作方法は、液を二つの脱気器200に順次通して脱気を行うことを除いて、第2~第4の実施の形態のいずれかの液中微粒子計測システムと同様である。
この第5の実施の形態によれば、二つの脱気器200に液を順次通して脱気を行うことができるため、液が純水より粘性の高い液である場合にも、液から酸素等の気体を効率的に除去することができ、例えば80%程度の酸素除去効率を得ることができる。
[脱気器200の高低差(落差)による流量変化測定試験]
脱気器200を試作し、高低差(落差)による流量変化測定試験を行った。測定に用いた配置を図8に示す。図8に示すように、室内の床900上に置いたテーブル910上に試作した脱気器200を設置した。脱気器200の定格流量は10mL/minである。脱気器200の密閉容器10は直径が150mm、高さが150mmの円筒状であり、PFAチューブ束20は結束部の直径が4mm、長さが2700mm、PFAチューブ束20を構成するPFAチューブ21は内径が0.5mm、内面の粗さRt が0.8μm、本数が28本、PFAチューブ21を構成する非多孔質膜の厚さは35μmである。脱気器200の液導入側のPFAチューブ50および液排出側のPFAチューブ70は内径が2mm、外径が4mm、長さが100mmである。真空排気用のPFAチューブ80は設けられていない。PFAチューブ50、70にそれぞれフレア異径ユニオン420、430を介してPFAチューブ410、440の一端を接続した。PFAチューブ410、440は内径が2mm、外径が4mm、長さが1000mmである。テーブル910上に液710として水を貯蔵した試料ボトル700を置いた。PFAチューブ410の他端を試料ボトル700中に貯蔵された液710、すなわち水に浸漬した。PFAチューブ440は水平方向に延びる部分と鉛直方向に延びる部分とからなり、鉛直方向に延びる部分の下端(先端)は床900上に置かれた500mL用のメスシリンダー920の内部に位置させた。試料ボトル700中に貯蔵された液710、すなわち水の液面とPFAチューブ440の鉛直方向に延びる部分の下端との間の高低差(落差)を750mm、800mm、1000mmの3水準に変化させて流量計測を行った。測定時間は5分とし、各高低差に対して2回または3回計測を行った。室内温度は20℃であった。測定結果は次の通りである。
〈高低差(落差)750mmの場合〉
(1)1回目 45.0mL 9.0mL/min
(2)2回目 46.0mL 9.2mL/min
〈高低差(落差)800mmの場合〉
(1)1回目 50.3mL 10.06mL/min
(2)2回目 50.3mL 10.06mL/min
〈高低差(落差)1000mmの場合〉
(1)1回目 62.8mL 12.56mL/min
(2)2回目 61.0mL 12.2mL/min
(3)3回目 63.0mL 12.6mL/min
以上の結果より、高低差(落差)が750mmの場合は定格流量10mL/minを確保することができないが、高低差(落差)が800mmの場合および1000mmの場合は定格流量10mL/minを確保することができることが分かる。すなわち、高低差(落差)を800mm以上確保することで定格流量10mL/minを確保することができる。これは、高低差(落差)を800mm以上確保することで、試作した脱気器200の液排出側から吸引(減圧)して液を流す場合に、高低差により脱気器200のPFAチューブ束20を構成する各PFAチューブの内部が減圧状態にならないようにすることができることを意味する。
以上、この発明の実施の形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施の形態において挙げた数値、構造、構成等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構造、構成等を用いてもよい。
10…密閉容器、20…PFAチューブ束、21、50、70、80、410、440、460、470、480、490…PFAチューブ、22…円柱部材、31、32…PFAリング、41、42…PFA部材、61、62、63…シール部材、100…液中微粒子計、200…脱気器、300…管、500…真空ポンプ、600…圧力対応流量制御器、710…液、800…吸引ポンプ

Claims (9)

  1. 定格流量が9.5mL/min以上10.5mL/min以下の光散乱方式の液中微粒子計と、
    微粒子の計測を行う液の供給元と上記液中微粒子計の液導入口との間の流路に接続された少なくとも一つの脱気器とを有する液中微粒子計測システムであって、
    上記脱気器が、内径が0.5mm以上0.7mm以下で内面の粗さRt が0.8μm以下のPFAチューブが20本以上32本以下結束されたPFAチューブ束が密閉容器の内部に収容され、上記PFAチューブ束の一端が上記密閉容器の液導入口に直接または間接的に接続され、上記PFAチューブ束の他端が上記密閉容器の液排出口に直接または間接的に接続されたものからなることを特徴とする液中微粒子計測システム。
  2. 上記密閉容器の上記液導入口と上記液の供給元との間および上記密閉容器の上記液排出口と上記液中微粒子計の上記液導入口との間がそれぞれ、内面の粗さRt が0.8μm以下のPFAチューブにより接続されている請求項1記載の液中微粒子計測システム。
  3. 上記脱気器の上記PFAチューブ束を構成する上記PFAチューブが24本以上30本以下である請求項1または2記載の液中微粒子計測システム。
  4. 上記脱気器の上記PFAチューブ束の少なくとも一部がらせん状に巻かれている請求項1~3のいずれか一項記載の液中微粒子計測システム。
  5. 上記PFAチューブ束を構成する上記PFAチューブは両端部で結束されている請求項1~4のいずれか一項記載の液中微粒子計測システム。
  6. 上記液の供給元が上記液が流される配管であり、第1PFAチューブの一端が上記配管の上記液の採集口に接続され、上記第1PFAチューブの他端がフレア異径ユニオンを介して第2PFAチューブの一端と接続され、上記第2PFAチューブの他端が上記PFAチューブ束の一端と接続され、上記PFAチューブ束の他端が第3PFAチューブの一端と接続され、上記第3PFAチューブの他端がフレア異径ユニオンを介して第4PFAチューブの一端と接続され、上記第4PFAチューブの他端が上記液中微粒子計の液導入口に接続され、上記液中微粒子計の液排出口に第5PFAチューブを介して圧力対応流量制御器が接続され、上記第1PFAチューブ、上記第2PFAチューブ、上記第3PFAチューブおよび上記第4PFAチューブの内面の粗さRt が0.8μm以下である請求項1~5のいずれか一項記載の液中微粒子計測システム。
  7. 上記液の供給元が上記液が貯蔵された試料ボトルであり、第1PFAチューブの一端が上記試料ボトルに貯蔵された上記液に浸漬され、上記第1PFAチューブの他端がフレア異径ユニオンを介して第2PFAチューブの一端と接続され、上記第2PFAチューブの他端が上記PFAチューブ束の一端と接続され、上記PFAチューブ束の他端が第3PFAチューブの一端と接続され、上記第3PFAチューブの他端がフレア異径ユニオンを介して第4PFAチューブの一端と接続され、上記第4PFAチューブの他端が上記液中微粒子計の液導入口に接続され、上記液中微粒子計の液排出口に第5PFAチューブを介して吸引ポンプが接続され、上記試料ボトルに貯蔵された上記液の液面および上記吸引ポンプのバルブ部のうちのより低いものから上記脱気器の上記密閉容器の上記液排出口までの落差が800mm以上に設定され、上記第1PFAチューブ、上記第2PFAチューブ、上記第3PFAチューブ、上記第4PFAチューブおよび上記第5PFAチューブの内面の粗さRt が0.8μm以下である請求項1~5のいずれか一項記載の液中微粒子計測システム。
  8. 上記液の供給元が上記液が貯蔵された試料ボトルであり、第1PFAチューブの一端が上記試料ボトルに貯蔵された上記液に浸漬され、上記第1PFAチューブの他端がフレア異径ユニオンを介して第2PFAチューブの一端と接続され、上記第2PFAチューブの他端が上記PFAチューブ束の一端と接続され、上記PFAチューブ束の他端が第3PFAチューブの一端と接続され、上記第3PFAチューブの他端がフレア異径ユニオンを介して第4PFAチューブの一端と接続され、上記第4PFAチューブの他端が上記液中微粒子計の液導入口に接続され、上記液中微粒子計の液排出口に第5PFAチューブが接続され、上記試料ボトルに貯蔵された上記液の液面から上記脱気器の上記密閉容器の上記液排出口までの落差が800mm以上に設定され、上記第1PFAチューブ、上記第2PFAチューブ、上記第3PFAチューブ、上記第4PFAチューブおよび上記第5PFAチューブの内面の粗さRt が0.8μm以下である請求項1~5のいずれか一項記載の液中微粒子計測システム。
  9. 微粒子の計測を行う液の供給元と定格流量が9.5mL/min以上10.5mL/min以下の光散乱方式の液中微粒子計の液導入口との間の流路に接続されて使用される脱気器であって、
    内径が0.5mm以上0.7mm以下で内面の粗さRt が0.8μm以下のPFAチューブが20本以上32本以下結束されたPFAチューブ束が密閉容器の内部に収容され、
    上記PFAチューブ束の一端が上記密閉容器の液導入口に直接または間接的に接続され、上記PFAチューブ束の他端が上記密閉容器の液排出口に直接または間接的に接続されていることを特徴とする脱気器。
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