JP7319223B2 - 異材接合用アークスポット溶接法 - Google Patents

異材接合用アークスポット溶接法 Download PDF

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Description

本発明は、鋼とアルミニウム合金又はマグネシウム合金との異材接合用アークスポット溶接法に関する。
自動車を代表とする輸送機器には、(a)有限資源である石油燃料消費、(b)燃焼に伴って発生する地球温暖化ガスであるCO、(c)走行コストといった各種の抑制を目的として、走行燃費の向上が常に求められている。その手段としては、電気駆動の利用など動力系技術の改善の他に、車体重量の軽量化も改善策の一つである。軽量化には現在の主要材料となっている鋼を、軽量素材であるアルミニウム合金、マグネシウム合金、炭素繊維などに置換する手段がある。しかし、全てをこれら軽量素材に置換するには、高コスト化や強度不足になるといった課題があり、解決策として、鋼と軽量素材を適材適所に組み合わせた、いわゆるマルチマテリアルと呼ばれる設計手法が注目を浴びている。
鋼と上記軽量素材を組み合わせるには、必然的にこれらを接合する箇所が出てくる。鋼同士、アルミニウム合金同士又はマグネシウム合金同士では容易である溶接が、異材では極めて困難であることが知られている。この理由として、鋼とアルミニウム又はあるいはマグネシウムとの溶融混合部には、極めて脆い性質である金属間化合物(IMC)が生成し、引張や衝撃といった外部応力で溶融混合部が容易に破壊してしまうことにある。このため、抵抗スポット溶接法やアーク溶接法といった溶接法が異材接合には採用できず、他の接合法を用いるのが一般的である。鋼と炭素繊維の接合も、後者が金属ではないことから溶接を用いることができない。
従来の鋼とアルミニウム又はマグネシウムの異材接合技術としては、鋼製の下板と、該下板との重ね合わせ面に臨む穴が設けられたアルミニウム合金又はマグネシウム合金製の上板と、中空部を有し上板の穴に挿入される鋼製の接合補助部材とを備え、接合補助部材の中空部に、アーク溶接によって鉄合金又はNi合金の溶接金属を充填して、鋼同士の拘束力により下板と上板とを接合する異材接合技術として、例えば、特許文献1及び特許文献2が知られている。
また、あらかじめ貫通穴を溶接線に沿って設けた鋼材とアルミニウム材とを互いに重ね合わせ、溶接トーチに後退角を設けて溶接線に沿って走らせながら、アルミニウム溶接ワイヤによって、鋼材側に設けた貫通穴に、アルミニウム溶接材料を溶融充填させつつ、ビードを形成してアーク溶接する異材接合技術である、いわゆるスクラムリベット法として、例えば、特許文献3が知られている。
特許第6461056号公報 米国特許第3095951号明細書 特許第4933923号公報
ところで、特許文献1や特許文献2の技術は、鋼製の下板に、鋼製の接合補助部材を用いてアルミニウム合金又はマグネシウム合金製の上板を接合する技術であって、特許文献1や特許文献2とは逆に、アルミニウム合金又はマグネシウム合金製の下板に、鋼製の上板を接合する技術が求められている。また、特許文献3の技術によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金製の下板に、鋼製の上板を接合可能であるものの、鋼材に設けた貫通穴を、アルミニウム溶接材料の溶融金属で充填して接合するため、接合に長時間を要し、短時間での接合が困難であった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、アルミニウム系材料又はマグネシウム系材料と鋼との異材を、安価なアーク溶接設備を用いて、短時間で強固かつ信頼性の高い品質で接合できる、異材接合用アークスポット溶接法を提供することにある。
したがって、本発明の上記目的は、異材接合用アークスポット溶接法に係る下記(1)の構成により達成される。
(1) 鋼製の第1の板と、アルミニウム系材料又はマグネシウム系材料製の第2の板と、を接合する異材接合用アークスポット溶接法であって、
前記第1の板に穴を空ける工程と、
前記第1の板と前記第2の板を重ね合わせる工程と、
板厚方向に貫通する中空部が形成されたアルミニウム系材料又はマグネシウム系材料製の接合補助部材を、前記第1の板に設けられた前記穴に挿入する工程と、
以下の(a)~(e)のいずれかの手法によって、前記第1の板を溶融することなく、前記接合補助部材を溶融させた溶接金属を前記第2の板に裏波が出る状態まで溶け込ませて、前記第2の板及び前記接合補助部材を溶接する工程と、
を備える異材接合用アークスポット溶接法。
(a)アルミニウム系材料又はマグネシウム系材料の前記溶接金属が得られる溶接ワイヤを溶極として用いるガスシールドアーク溶接法。
(b)前記溶接ワイヤを溶極として用いるノンガスアーク溶接法。
(c)前記溶接ワイヤを非溶極フィラーとして用いるガスタングステンアーク溶接法。
(d)前記溶接ワイヤを非溶極フィラーとして用いるプラズマアーク溶接法。
(e)アルミニウム系材料又はマグネシウム系材料の前記溶接金属が得られる被覆アーク溶接棒を溶極として用いる被覆アーク溶接法。
この構成によれば、アルミニウム系材料又はマグネシウム系材料と鋼との異材を、安価なアーク溶接設備を用いて短時間で強固かつ信頼性の高い品質で接合できる。
また、異材接合用アークスポット溶接法に係る本発明の好ましい実施形態は、以下の(2)~(5)のいずれか1つに関する。
(2) 前記接合補助部材は、挿入部と非挿入部とを持った段付きの外形形状を有し、且つ、前記挿入部及び前記非挿入部を貫通する中空部が形成された、(1)に記載の異材接合用アークスポット溶接法。
この構成によれば、接合補助部材は、挿入部と非挿入部とを持った段付きの外形形状を有するため、非挿入部を溶融した溶接金属により、第1の板の穴径より大きな直径を有する溶接金属を、短時間かつ容易に形成することができる。また、形成された溶接金属のアンカー効果により、板厚方向の外部応力に対して強い抵抗力を発揮する。
(3) 前記第1の板の表面に形成された前記溶接金属の直径が、前記接合補助部材における前記非挿入部の直径より大きくなる溶接条件で溶接される、(2)に記載の異材接合用アークスポット溶接法。
この構成によれば、接合補助部材における非挿入部の直径より大きい直径の溶接金属が、第1の板の表面に形成されるため、形成された溶接金属のアンカー効果により、板厚方向の外部応力に対して更に強い抵抗力を発揮する。
(4) 前記第2の板に形成された前記裏波の直径が、前記第1の板に設けられた前記穴の直径より大きくなる溶接条件で溶接される、(1)~(3)のいずれか1つに記載の異材接合用アークスポット溶接法。
この構成によれば、第1の板に設けられた穴の直径より大きい直径の裏波が、第2の板に形成されるため、該裏波のアンカー効果により、板厚方向の外部応力に対して更に強い抵抗力を発揮する。また、裏波の有無を観察することにより、接合界面の強度が推定可能となる。
(5) シールドガスとして、100%アルゴンガスを用いる、(1)~(4)のいずれか1つに記載の異材接合用アークスポット溶接法。
この構成によれば、アルミニウム系材料又はマグネシウム系材料の酸化を防止して良好な溶接部を形成できる。
本発明の異材接合用アークスポット溶接法によれば、アルミニウム系材料又はマグネシウム系材料製の下板と鋼製との上板との異材を、安価なアーク溶接設備を用いて、短時間で強固かつ信頼性の高い品質で接合できる。
図1Aは、本実施形態の異材接合用アークスポット溶接法の穴開け工程(ステップS1)を示す図である。 図1Bは、本実施形態の異材接合用アークスポット溶接法の重ね合わせ工程(ステップS2)を示す図である。 図1Cは、本実施形態の異材接合用アークスポット溶接法の挿入工程(ステップS3)を示す図である。 図1Dは、本実施形態の異材接合用アークスポット溶接法の溶接工程(ステップS4)を示す図である。 図2Aは、接合前の溶接部の断面図である。 図2Bは、第1の板の穴の直径より大きい直径の裏波、及び第1の板の穴の直径より大きいフランジ部が形成された異材溶接継手の断面図である。 図3は、実施例で用いた接合補助部材の仕様を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る異材接合用アークスポット溶接法を図面に基づいて詳細に説明する。
図1A~図1Dに示すように、本実施形態の異材接合用アークスポット溶接法は、互いに重ね合わせされる、鋼製の上板10(第1の板)と、アルミニウム合金又はマグネシウム合金製の下板20(第2の板)とを、後述するアークスポット溶接法によって、アルミニウム合金又はマグネシウム合金製の接合補助部材30を溶融させ、その溶接金属40を下板20に裏波が出る状態まで溶け込ませて接合する異材接合用溶接法である。
具体的な異材接合用アークスポット溶接法について、図1A~図1Dを参照して説明する。まず、図1Aに示すように、上板10に対し、板厚方向に貫通して下板20の重ね合わせ面に臨む穴11を空ける穴開け作業を行う(ステップS1)。穴開け作業の具体的な手法としては、(A)電動ドリルやボール盤といった回転工具を用いた切削、(B)ポンチを用いた打抜き、又は(C)金型を用いたプレス型抜きが挙げられる。
次に、図1Bに示すように、上板10と下板20を重ね合わせる重ね合わせ作業を行う(ステップS2)。さらに、図1Cに示すように、接合補助部材30の挿入部31を、上板10の上面から、上板10の穴11に挿入する(ステップS3)。接合補助部材30は、上板10の穴11に挿入される挿入部31と、上板10の上面に配置されるフランジ形状の非挿入部32とを持った、段付きの外形形状を有する。また、接合補助部材30には、挿入部31及び非挿入部32を貫通する中空部33が形成されている。なお、非挿入部32の外形形状は、図1Cに示すような円形に限定されず、任意の形状とすることができる。また、中空部33の形状も、円形に限定されず、任意の形状とすることができる。
続いて、図1Dに示すように、以下に詳述する(a)溶極式ガスシールドアーク溶接法、(b)ノンガスアーク溶接法、(c)ガスタングステンアーク溶接法、(d)プラズマアーク溶接法、(e)被覆アーク溶接法のいずれかのアーク溶接作業により、上板10を溶融させない溶接条件で溶接ワイヤとともに接合補助部材30を溶融し、上板10と下板20とを接合する(ステップS4)。なお、図1Dは、一例として、上記(a)の溶極式ガスシールドアーク溶接法を用いてアーク溶接作業が行われた場合を示している。
(a)溶極式ガスシールドアーク溶接法は、一般的にMAG(マグ)やMIG(ミグ)と呼ばれる溶接法であり、ソリッドワイヤ又はフラックス入りワイヤをフィラー兼アーク発生溶極として用い、CO、ArやHeといったシールドガスで溶接部を大気から遮断して健全な溶接部を形成する手法である。
(b)ノンガスアーク溶接法は、セルフシールドアーク溶接法とも呼ばれ、特殊なフラックス入りワイヤをフィラー兼アーク発生溶極として用い、一方、シールドガスを不要として、健全な溶接部を形成する手段である。
(c)ガスタングステンアーク溶接法は、ガスシールドアーク溶接法の一種であるが非溶極式であり、一般的にTIG(ティグ)とも呼ばれる。シールドガスは、Ar又はHeの不活性ガスが用いられる。タングステン電極と母材との間にはアークが発生し、フィラーワイヤはアークに横から送給される。一般的に、フィラーワイヤは通電されないが、通電させて溶融速度を高めるホットワイヤ方式TIGもある。この場合、フィラーワイヤにはアークは発生しない。
(d)プラズマアーク溶接法はTIGと原理は同じであるが、ガスの2重系統化と高速化によってアークを緊縮させ、アーク力を高めた溶接法である。
(e)被覆アーク溶接法は、金属の芯線にフラックスを塗布した被覆アーク溶接棒をフィラーとして用いるアーク溶接法であり、シールドガスは不要である。
具体的には、まず図2Aに示すように、挿入部31と非挿入部32とを持った段付きの接合補助部材30を、上板10の穴11に挿入した後、図2Bに示すように、上記したいずれかのアーク溶接によって、鋼製の上板10を溶融させることなく、フィラー材及び接合補助部材30の溶融により生成された溶接金属40を、上板10の穴11に充填して、上板10の上面にフランジ部42を形成するとともに、溶接金属40を下板20に裏波41が出る状態まで溶け込ませて、上板10と下板20とを接合する。接合補助部材30の非挿入部32を溶融することにより、フランジ部42が隙間なく上板10に密着して形成され、接合強度がより向上する。
なお、裏波41の直径D及びフランジ部42の直径Dのそれぞれは、上板10の穴11の直径Dより大きく形成することが好ましい。これにより、溶接による接合強度に加えて、裏波41及びフランジ部42によるアンカー効果によって、板厚方向の外部応力に対して、更に強固な接合が得られる。なお、フランジ部42の直径Dは、溶接条件によって容易に変更可能であるため、溶接後のフランジ部42の直径Dに合わせて非挿入部32の直径が異なる複数種の接合補助部材30を準備する必要はない。
すなわち、板幅方向の力に対しては、溶接金属40が抵抗体として作用するが、板厚方向の力に対しては、溶接金属40と上板10の界面が剥離して抜ける、いわゆる、すっぽ抜けが起きやすい。しかし、本実施形態の溶接方法によれば、裏波41の直径D及びフランジ部42の直径Dのそれぞれが、上板10の穴11の直径Dより大きいため、板厚方向への外力が作用した場合でも、アンカー効果によってすっぽ抜けが防止される。その結果、上板10及び下板20間の接合強度が更に高められる。
また、本実施形態の溶接方法では、裏波41の直径Dが、上板10の穴11の直径Dより小さくても、溶接金属40が下板20の板厚を超えて形成されていれば、すなわち、溶接金属40が下板20に裏波41が出る状態まで溶け込んでいれば、実用上、十分な接合強度が得られる。ただし、溶接金属40が深く溶け込みすぎて、溶接金属40と下板20が溶け落ちてしまわないように、溶接条件を制御して溶接する必要がある。
このアークスポット溶接においては、上板10である鋼が溶融しないように、溶接電流やアークタイムなどの溶接条件が制御されるため、鋼とアルミニウム又はマグネシウムとの溶融混合部は生成されない。すなわち、溶接金属40に極めて脆い性質の金属間化合物(IMC)が生成されることがなく、接合強度が向上する。
上板10の穴11に充填される溶接金属40は、接合補助部材30を溶融させて形成した溶接金属40だけでは不足するため、フィラー材、すなわち溶接材料を溶融した溶接金属40の充填も必要であり、このアーク溶接には充填材となる溶接材料が不可欠となる。また、上板10の穴11には、フィラー材を溶融させて形成した溶接金属40だけでなく、接合補助部材30を溶融した溶接金属40が充填されるため、フィラー材を溶融した溶接金属40のみによって上板10の穴11を充填する場合と比較して、接合時間が大幅に短縮される。また、すべての溶接金属40を、フィラー材を溶融して供給する場合と比較して、入熱量を下げることができ、下板20、すなわちアルミニウム合金又はマグネシウム合金の溶け込みを防止し易くなる。
なお、接合補助部材30は、非挿入部32を備えずに挿入部31のみで形成された略円筒形状であってもよいが、非挿入部32を備えることにより、該非挿入部32が溶融した溶接金属40によって、短時間で上板10の穴11に溶接金属40を充填することができ、好ましい。さらに、非挿入部32が溶融した溶接金属40が上板10の上面に広がり易くなり、より大きな直径Dのフランジ部42を形成することができる。
また、上記のアークスポット溶接を行うにあたり、接合補助部材30を用いずに、溶接材料を溶融した溶接金属40のみによって、上板10の穴11に溶接材料を充填することも可能ではあるが、作業時間が長くなり、溶接効率上から現実的ではない。これに対し、本実施形態に係る溶接方法によれば、接合補助部材30、好ましくは非挿入部32を有する接合補助部材30を用いることで、溶接金属40を短時間で生成することができ、溶接時間を大幅に短縮できる。
本実施形態においては、鋼製の上板10の種類や形状は特に限定するものではなく、構造部材に汎用される用途又は構造部材用途から適宜選択される。なお、本実施形態に係る異材接合方法の効果を阻害しない限り、亜鉛などのメッキ(メッキ鋼板)や、種々の表面処理が施されても良い。
また、アルミニウム合金又はマグネシウム合金製の下板20としては、純アルミニウム系材又はアルミニウム合金系材のようなアルミニウム材、若しくは、純マグネシウム系材又はマグネシウム合金系材のようなマグネシウム材が例として挙げられる。本実施形態で用いられる下板20は、その合金の種類や形状を特に限定するものではなく、各構造用部材としての要求特性に応じて、汎用されている圧延などの板材、押出などの形材、鍛造材、鋳造材などが適宜選択される。
なお、アルミニウム合金の種類として、5000系(Al-Mg系)や6000系(Al-Mg-Si系)などを挙げることができるが、本実施形態ではいずれの合金でも使用することができる。また、マグネシウム合金の種類として、JIS規格のMS-AZ31B、MS-AZ61、MS-AZ80、MS-M1、MS-AZX611などを挙げることができる。
また、フィラー材(溶接材料)の材質については、溶接金属40がアルミニウム合金又はマグネシウム合金となるものであれば、一般的に用いられる溶接用ワイヤが適用可能であり、溶接継手や溶接条件に応じて適宜選択される。例えば、アルミニウム系溶接材料としては、JISで規定される、A4043-WY、A4047-WY、A5356-WY、A5183-WYなどが例として挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
なお、より好ましくは、Siを1.7~2.7質量%、Tiを0.05~0.25質量%含有し、残部がアルミニウム及び不可避的不純物であるアルミニウム合金からなる筒状の皮材と、この皮材内に充填されAlFを7~15質量%含有し、残部がKAlF系フラックス及び不純物であるフラックスとを有し、該フラックスの充填率がワイヤの全質量あたり2.5~20質量%である、フラックス入りワイヤの使用が望まれる。
以下、実施例を挙げて本発明についてより詳細に説明するが、本発明はこれに限定され
るものではない。
板厚1.4mmの980Mp級の高張力鋼板に対し、直径5mmの穴11を明けた上板10と、板厚2.0mmの6000系のアルミニウム合金(A6061)の下板20とを、直径1.2mmのアルミ系溶接ワイヤ(Z3232 A5356)を用い、FD-V8(株式会社ダイヘン製)の溶接装置によって、100%アルゴンガスでシールドした状態で、一定時間定点でのアークスポット溶接を下記に示す種々の条件により実施した。
表1は、上板10及び下板20を溶接するに際し、図3に示す仕様の接合補助部材(アルミニウム合金:6000系)を用いた場合(実施例1~4)と、図3に示す仕様の接合補助部材を用いなかった場合(比較例1~4)の引張強度試験の結果を示している。なお、図3において各寸法の単位はいずれもmmである。引張強度試験は、板幅方向の力(TSS;Tensile shear strength)及び板厚方向の力(CTS;Cross tension strength)を付与し、破断時の強度をそれぞれ測定した。なお、表1に示すTSSの値(kN)及びCTSの値(kN)は、いずれも3個のサンプルの測定値の平均値、すなわちN=3回の平均値(kN)である。また、図3に示す仕様の接合補助部材を用いた場合及び用いなかった場合のそれぞれに対し、アークタイム、すなわち接合時間(sec)を変化させた結果を示している。
Figure 0007319223000001
表1に示すように、引張強度に関し、接合補助部材を用いた場合の実施例1~4では、TSSが3.4~4.4kN、CTSが2.6~4.4kNであるのに対し、接合補助部材を用いなかった場合の比較例1~4では、TSSが4.1~4.3kN、CTSが3.4~4.3kNであった。よって、接合補助部材を用いた場合において、接合補助部材を用いなかった場合と同等レベルの引張強度を確保できることが確認された。
続いて、TSS及びCTSが高強度を示し、かつ、TSS及びCTSの結果が同等レベルの結果を示した実施例3及び比較例4の結果を抽出して、表2に示す。なお、表2中、「溶接電流」はそれぞれ最適な溶接電流を示している。
Figure 0007319223000002
表2に示すように、比較例4ではアークタイムが2.6secであったのに対し、実施例3ではアークタイムが1.3secと、1/2の時間でありながら、同等レベルの引張強度を実現できていることが分かる。すなわち、本発明に係るアークスポット溶接法によれば、短時間で強固かつ信頼性の高い品質で接合できることが理解される。
以上、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
10 上板(第1の板)
11 穴
20 下板(第2の板)
30 接合補助部材
31 挿入部
32 非挿入部
33 中空部
40 溶接金属
41 裏波
42 フランジ部(第1の板の表面に形成された溶接金属)
裏波の直径
フランジ部の直径
上板の穴の直径

Claims (5)

  1. 鋼製の第1の板と、アルミニウム系材料又はマグネシウム系材料製の第2の板と、を接合する異材接合用アークスポット溶接法であって、
    前記第1の板に穴を空ける工程と、
    前記第1の板と前記第2の板を重ね合わせる工程と、
    挿入部と非挿入部とを持った段付きの外形形状を有し、且つ、前記挿入部及び前記非挿入部を板厚方向に貫通する中空部が形成されたアルミニウム系材料又はマグネシウム系材料製の接合補助部材を、前記第1の板に設けられた前記穴に挿入する工程と、
    以下の(a)~(e)のいずれかの手法によって、前記第1の板を溶融することなく、前記接合補助部材を溶融させた溶接金属を前記第2の板に裏波が出る状態まで溶け込ませて、前記第2の板及び前記接合補助部材を溶接する工程と、
    を備え
    前記第1の板の表面に形成された前記溶接金属の直径が、前記接合補助部材における前記非挿入部の直径より大きくなる溶接条件で溶接される異材接合用アークスポット溶接法。
    (a)アルミニウム系材料又はマグネシウム系材料の前記溶接金属が得られる溶接ワイヤを溶極として用いるガスシールドアーク溶接法。
    (b)前記溶接ワイヤを溶極として用いるノンガスアーク溶接法。
    (c)前記溶接ワイヤを非溶極フィラーとして用いるガスタングステンアーク溶接法。
    (d)前記溶接ワイヤを非溶極フィラーとして用いるプラズマアーク溶接法。
    (e)アルミニウム系材料又はマグネシウム系材料の前記溶接金属が得られる被覆アーク溶接棒を溶極として用いる被覆アーク溶接法。
  2. 鋼製の第1の板と、アルミニウム系材料又はマグネシウム系材料製の第2の板と、を接合する異材接合用アークスポット溶接法であって、
    前記第1の板に穴を空ける工程と、
    前記第1の板と前記第2の板を重ね合わせる工程と、
    板厚方向に貫通する中空部が形成されたアルミニウム系材料又はマグネシウム系材料製の接合補助部材を、前記第1の板に設けられた前記穴に挿入する工程と、
    以下の(a)~(e)のいずれかの手法によって、前記第1の板を溶融することなく、前記接合補助部材を溶融させた溶接金属を前記第2の板に裏波が出る状態まで溶け込ませて、前記第2の板及び前記接合補助部材を溶接する工程と、
    を備え
    前記第2の板に形成された前記裏波の直径が、前記第1の板に設けられた前記穴の直径より大きくなる溶接条件で溶接される異材接合用アークスポット溶接法。
    (a)アルミニウム系材料又はマグネシウム系材料の前記溶接金属が得られる溶接ワイヤを溶極として用いるガスシールドアーク溶接法。
    (b)前記溶接ワイヤを溶極として用いるノンガスアーク溶接法。
    (c)前記溶接ワイヤを非溶極フィラーとして用いるガスタングステンアーク溶接法。
    (d)前記溶接ワイヤを非溶極フィラーとして用いるプラズマアーク溶接法。
    (e)アルミニウム系材料又はマグネシウム系材料の前記溶接金属が得られる被覆アーク溶接棒を溶極として用いる被覆アーク溶接法。
  3. 前記接合補助部材は、挿入部と非挿入部とを持った段付きの外形形状を有し、且つ、前記挿入部及び前記非挿入部を貫通する中空部が形成された、請求項に記載の異材接合用アークスポット溶接法。
  4. 前記第1の板の表面に形成された前記溶接金属の直径が、前記接合補助部材における前記非挿入部の直径より大きくなる溶接条件で溶接される、請求項に記載の異材接合用アークスポット溶接法。
  5. シールドガスとして、100%アルゴンガスを用いる、請求項1~4のいずれか1項に記載の異材接合用アークスポット溶接法。
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