JP7048355B2 - 異材接合継手および異材接合方法 - Google Patents

異材接合継手および異材接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動車、鉄道車両、船舶などの輸送分野、機械部品、建築構造物等の構造部材などとして好適で、特に、自動車用構造物などの組立工程の際に必要となる、鉄系材料とアルミニウム系材料との異材接合継手および異材接合方法に関する。
自動車の各種構造材は、その軽量化のために、一部アルミニウム系材料が使用されており、このため、鉄系材料とアルミニウム系材料との異材同士を接合する方法の開発が要望されている。
同種材料同士を接合する方法としては、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接やMIG(Metal Inert Gas)溶接などのアーク溶接及びレーザー溶接等の溶融溶接方法が一般的に使用されている。アルミニウム系材料と鉄系材料との異材接合においては、両材料の溶融温度に差があるため、融点の低い側のアルミニウム系材料を溶融させ、鉄系材料はほとんど溶融させず、両者の界面で接着させる、ブレーズ溶接が知られている。しかし、アルミニウム系材料と鉄系材料との界面に、FeAl又はFeAl等の脆いAl-Fe系金属間化合物が比較的厚く生成し易く、これがアルミニウム系材料と鉄系材料との間の接合強度を著しく低下させるため、これまでの上記ブレーズ溶接法では安定した接合強度を得ることが困難であった。
このため、異材接合にMIG(Metal Inert Gas)溶接を適用した例として、電極ワイヤに酸化膜除去効果のあるアルミニウム系溶接材料であるフラックス入りワイヤ(FCW;Flux Cored Wire)を使用し、純アルミニウムと裸鋼板とを直流パルス電源を使用してMIG溶接したものがある(非特許文献1を参照)。しかし、異材接合にMIG溶接を適用した場合、直流パルスMIGにおいては、電流を絞る必要があるために、アークが不安定になってスパッタが発生しやすく、酸化膜を除去するクリーニング作用が不十分である等の問題点がある。
上記の課題を解決するための異材接合方法が、特許文献1、2及び非特許文献2に開示されている。すなわち、アルミニウム系溶接材料であるフラックス入りワイヤ(FCW)を使用するものの、そのフラックスとワイヤの成分を調整し、交流パルス電源を用いて、裸鋼板または表面処理された亜鉛メッキ鋼板と、アルミニウム材間の接合をブレーズ溶接で実現する方法が開発されている。これはワイヤ中のフラックスが鋼板の表面処理成分を除去してクリーニングし、かつフラックスの蒸発に伴う吸熱作用により接合界面の温度が高温になるのを防いで、これら効果により接合界面での金属間化合物の発生の抑制を可能としたものである。
特開平7-148571号公報 特開平10-314933号公報
"溶融プロセスアルミ/鋼異材接合技術に関する調査研究"p75-93、平成14年度成果報告書(平成15年3月)、大阪大学接合科学研究所異材接合研究会編 溶接学会論文集第22巻第2号p315-322(2004)
しかしながら、鉄系材料とアルミニウム系材料との異材同士を接合する方法として、アルミニウム系溶接材料(ワイヤ)を用いたブレーズ溶接を行おうとすると、鉄系材料とアルミニウム系材料との間に形成された溶融金属中に大きなブローホールが残存しやすいという欠点がある。溶着金属中に大きなブローホールが多く残存すると、接合継手の引張強さや疲労強度が低下したり、良好なビード外観が得られない等の問題があった。
また、前述のフラックス入りワイヤ(FCW)を用いて接合した場合、フラックスおよびフラックスと化合した材料成分の蒸発ガスによってブローホールが更に残存しやすくなるという問題もある。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、鉄系材料とアルミニウム系材料とを、フラックス入りワイヤを含むアルミニウム系ワイヤ、を用いたブレーズ溶接により接合する場合において、溶着金属中の大きなブローホールを低減することにより、接合継手の引張強さの低下を抑制しつつ、良好なビード外観を得ることのできる異材接合継手および異材接合方法を提供することにある。
上記課題を解決する本発明の異材接合継手は、鉄系材料とアルミニウム系材料とが、アルミニウム系ワイヤを用いたブレーズ溶接により突合せ接合された異材接合継手であって、前記鉄系材料と前記アルミニウム系材料の突合せ部には、アルミニウムを含有する溶着金属が形成されており、前記鉄系材料と前記アルミニウム系材料のルートギャップが0.5mm以上2.0mm未満であることを特徴とする。
また、上記課題を解決する本発明の異材接合方法は、鉄系材料とアルミニウム系材料とを、アルミニウム系ワイヤを用いたブレーズ溶接により突合せ接合する異材接合方法であって、前記鉄系材料と前記アルミニウム系材料のルートギャップを0.5mm以上2.0mm未満に設定し、該鉄系材料と該アルミニウム系材料の突合せ部にアルミニウムを含有する溶着金属を形成することを特徴とする。
また、上記課題を解決する本発明の異材接合継手は、鉄系材料とアルミニウム系材料とが、アルミニウム系ワイヤを用いたブレーズ溶接により重ね接合された異材接合継手であって、前記鉄系材料と前記アルミニウム系材料の重ね合せ部には、アルミニウムを含有する溶着金属が形成されており、前記アルミニウム系材料は前記重ね合せ部に開先を有するとともに、該開先の開先角度が30°以上50°以下であることを特徴とする。
また、上記課題を解決する本発明の異材接合方法は、鉄系材料とアルミニウム系材料とを、アルミニウム系ワイヤを用いたブレーズ溶接により重ね接合する異材接合方法であって、前記アルミニウム系材料に対し開先角度が30°以上50°以下の開先を設け、該鉄系材料と該アルミニウム系材料の重ね合せ部にアルミニウムを含有する溶着金属を形成することを特徴とする。
本発明によれば、鉄系材料とアルミニウム系材料とを、アルミニウム系ワイヤを用いたブレーズ溶接により接合する場合において、溶着金属中の大きなブローホールを低減することにより、接合継手の引張強さの低下を抑制しつつ、良好なビード外観を得ることのできる異材接合継手および異材接合方法を提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係る異材接合方法により突合せ接合された接合継手部付近の断面概略図である。 図2は、第2の実施形態に係る異材接合方法により重ね接合された接合継手部付近の断面概略図である。 図3は、後述する実施例1で用いた突合せ接合試験の態様を示す断面概略図である。 図4Aは、比較例1-1に係るAl合金材と鋼材との突合せ継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図4Bは、比較例1-2に係るAl合金材と鋼材との突合せ継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図4Cは、比較例1-3に係るAl合金材と鋼材との突合せ継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図4Dは、実施例1-1に係るAl合金材と鋼材との突合せ継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図4Eは、実施例1-2に係るAl合金材と鋼材との突合せ継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図4Fは、実施例1-3に係るAl合金材と鋼材との突合せ継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図5Aは、比較例1-6に係るAl合金材と鋼材との突合せ継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図5Bは、実施例1-4に係るAl合金材と鋼材との突合せ継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図6Aは、後述する実施例2で用いた重ね接合試験(開先加工なし)の態様を示す断面概略図である。 図6Bは、後述する実施例2で用いた重ね接合試験(開先加工あり)の態様を示す断面概略図である。 図7Aは、比較例2-1に係るAl合金材と鋼材との重ね継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図7Bは、比較例2-2に係るAl合金材と鋼材との重ね継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図7Cは、比較例2-3に係るAl合金材と鋼材との重ね継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図7Dは、実施例2-1に係るAl合金材と鋼材との重ね継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図7Eは、実施例2-2に係るAl合金材と鋼材との重ね継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図7Fは、実施例2-3に係るAl合金材と鋼材との重ね継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図8Aは、比較例2-4に係るAl合金材と鋼材との重ね継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図8Aは、比較例2-5に係るAl合金材と鋼材との重ね継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図8Cは、比較例2-6に係るAl合金材と鋼材との重ね継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図8Dは、実施例2-4に係るAl合金材と鋼材との重ね継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図8Eは、実施例2-5に係るAl合金材と鋼材との重ね継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図8Fは、実施例2-6に係るAl合金材と鋼材との重ね継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図9Aは、比較例3に係るAl合金材と鋼材との重ね継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。 図9Bは、実施例3に係るAl合金材と鋼材との重ね継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。
以下、本発明の一実施形態(本実施形態)に係る異材接合継手および異材接合方法について図面に基づいて詳細に説明する。
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態に係る異材接合継手および異材接合方法について説明する。図1は、本実施形態に係る異材接合方法により突合せ接合された接合継手部付近の断面概略図である。本実施形態の異材接合継手(突合せ継手)は、鉄系材料1とアルミニウム系材料2とが、溶着金属3を介したブレーズ溶接により突合せ接合されることにより形成される。
突合せ接合は、例えばMIG溶接機を用いたMIGを熱源として行われる。MIG溶接は、溶接トーチから溶加材として働くワイヤが一定速度で送給され、また給電されて、ワイヤ-母材間でアークを発生させる接合法であり、接合部に大気が混入しないように、ガスノズルから不活性ガスを発生させることを特徴とする。ワイヤは、アルミニウム系のものが使用される。また、突合せ接合時の溶接条件については、アルミニウム系ワイヤが適切に溶ける条件であれば特に制限はされない。ただし、突合せ継手において高い接合強度(引張強さ)を得る観点からは、溶接速度は300mm/min超、500mm/min未満であることが好ましい。
溶着金属3は、突合せ接合時に溶加材であるアルミニウム系ワイヤと、アルミニウム系材料2の一部とが溶け合わされて形成される。鉄系材料1が、例えば亜鉛メッキ鋼板である場合には、亜鉛メッキ層の一部も溶けて気化して溶着金属3が形成される。ただし、アルミニウム系材料2や亜鉛メッキ層と比べ融点の高い鉄系材料1(鋼板など)は、溶かされることなく溶着金属3が形成されるため、金属間化合物の成長が低減される。
次に、本実施形態の特徴について説明する。
鉄系材料1とアルミニウム系材料2との異材同士を突合せ接合する場合において、一般的にはアルミニウム系溶接材料(アルミニウム系ワイヤ)を使用するブレーズ溶接による方法が適用される。しかし、アルミニウム系ワイヤを用いたブレーズ溶接を行おうとすると、鉄系材料1とアルミニウム系材料2との間に形成された溶着金属3中に大きなブローホールが残存する場合がある。溶着金属3中に大きなブローホールが多く残存すると、接合継手の引張強さや疲労強度が低下したり、良好なビード外観が得られないなどの問題が発生する。
そこで本実施形態では、異材同士を突合せ接合する場合において、鉄系材料1とアルミニウム系材料2のルートギャップGを0.5mm以上2.0mm未満に設定し、鉄系材料1とアルミニウム系材料2の突合せ部4にアルミニウムを含有する溶着金属3を形成する。ここで、ルートギャップGとは、溶着金属3の溶け込みを促進して接合強度を高めるために、鉄系材料1とアルミニウム系材料2の間に設けられる所定の間隙である。
鉄系材料1とアルミニウム系材料2のルートギャップGを0.5mm以上に設定することで、ブレーズ溶接時に発生するガス(ワイヤに含まれるフラックスなどの成分の気化や、鋼板やアルミの表面成分がワイヤやフラックスと反応した気化ガスH、Mgなど)が、凝固する前の溶着金属3内部から抜けやすくなるため、溶着金属3中に大きなブローホールが多く残存するのを抑制することができる。結果として、接合継手の引張強さが低下したり、良好なビード外観が得られないなどの問題を効果的に防止することができる。
上記作用をより効果的に得るためには、ルートギャップGを0.5mm以上とすることが好ましく、0.8mm以上とすることがより好ましい。
ただし、ルートギャップGが大き過ぎると、鉄系材料1とアルミニウム系材料2をブレーズ溶接する際に、溶解した溶着金属3が鉄系材料1側までなじまず、溶着金属3が溶け落ちてしまうおそれがある。その結果、異材接合ができないおそれがあるため、ルートギャップGは2.0mm未満に設定する。
上記作用をより効果的に得るためには、ルートギャップGを1.5mm未満とすることが好ましく、1.2mm未満とすることがより好ましい。最も好ましいのは、ルートギャップG=1.0mmの場合である。
また、アルミニウム系材料2は突合せ部4に開先を有しており、開先の開先角度θが30°以上50°以下であることが好ましい。開先角度θが30°以上50°以下の範囲で、アルミニウム系材料2に開先を設けることで、ブレーズ溶接時に溶融するアルミニウム系材料2の溶融量が少なくなり、ブローホールの要因となるアルミニウム系材料2の含有成分、または酸化膜など表面成分の気化量を抑えることができるため、溶着金属3中に大きなブローホールが多く残存することを更に抑制することができる。
上記作用をより効果的に得るためには、開先角度θを30°以上とすることが好ましく、40°以上とすることがより好ましい。
ただし、開先角度θを大きくし過ぎると、アルミニウム系材料2側のビード端部にアンダーカットの問題が発生するため、開先角度θは60°以下に設定する。上記作用をより効果的に得るためには、開先角度θを55°以下とすることが好ましく、50°以下とすることがより好ましい。最も好ましいのは、開先角度θ=45°の場合である。
鉄系材料1側には、突合せ部4に開先を設けても構わないが、特に設けなくても構わない。
アルミニウム系材料2に開先を設ける場合において、開先形状は特に制限されないが、突合せ接合時の熱源に近い側の面を斜面とする、いわゆるレ型開先とすることが好ましい。
アルミニウム系材料2に開先を設ける場合に、ルート面を残す(ルート面を0mm超とする)ようにしても構わない。
本実施形態で使用される溶接ワイヤ素材としては、アルミニウム系の材料であれば特に制限されることはなく、溶接継手や溶接条件に応じて適宜選択される。例えば、JISで規定される、A4043-WY、A4047-WY、A5356-WY、A5183-WYなどが例として挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
なお、より好ましくは、Siを1.7乃至2.7質量%、Tiを0.05乃至0.25質量%含有し、残部がアルミニウム及び不可避的不純物であるアルミニウム合金からなる筒状の皮材と、この皮材内に充填されAlFを7乃至15質量%含有し、残部がKAlF系フラックス及び不純物であるフラックスとを有し、該フラックスの充填率がワイヤの全質量あたり2.5乃至20質量%である、フラックス入りワイヤの使用が望まれる。
また、上記ワイヤには、ソリッドワイヤ及びフラックス入りワイヤ(FCW)の両方が含まれる。このうちフラックス入りワイヤは、円筒状のアルミニウム合金シースの内部にフラックスを充填させたものであり、接合の際、MIGなどの熱源による加熱によってアルミニウム系材料2の一部が溶融する。このとき、フラックスがアルミニウム合金シースと共に溶融する。この場合、鉄系材料1の表面はフラックスがぬれ広がるため溶融しない(亜鉛メッキ鋼板の場合は、表面の亜鉛メッキ層のみが溶融する)。
そして、鉄系材料1の表面は、溶融部においてぬれ性が向上し、鉄系材料1の表面を溶融したアルミニウム合金の溶湯が滑らかに覆う。これにより、アルミニウム系材料2と鉄系材料1とが強固に密着するため、結果として他のアルミニウム系材料を用いたワイヤ類、例えばJISで規定された上述のワイヤやその改良材などと比較し、強固な界面接合力を得ることができる。
本実施形態で使用される鉄系材料1としては、普通鋼、高張力鋼(ハイテン;HTSS)などの鋼材が例として挙げられ、CR(Cold Rolled)鋼板(すなわち、メッキなし鋼板)やステンレス鋼板などを用いることができる。本実施形態においては、継手に使用する鋼材の種類や形状を特に限定するものではなく、構造部材に汎用される、あるいは構造部材用途から選択される、鋼板、鋼形材、鋼管などの適宜の形状、材料が使用可能である。なお、本実施形態の異材接合方法を阻害しない範囲であれば、亜鉛などのメッキ(メッキ鋼板)や、種々の表面処理が施されても良い。
本実施形態で使用されるアルミニウム系材料2としては、純アルミニウム系材あるいはアルミニウム合金系材のようなアルミニウム材が例として挙げられる。本実施形態で用いられるアルミニウム系材料2は、その合金の種類や形状を特に限定するものではなく、各構造用部材としての要求特性に応じて、汎用されている圧延などの板材、押出などの形材、鍛造材、鋳造材などが適宜選択される。
なお、アルミニウム合金の種類として、5000系(Al-Mg系)や6000系(Al-Mg-Si系)などを挙げることができるが、本実施形態ではいずれの合金でも使用することができる。
ただし、沸点が比較的低いMg(マグネシウム)の含有量が6000系より多い5000系アルミニウム合金においては、ブレーズ溶接時に気化してガスとなるMg量も多くなる。このため、5000系アルミニウム合金をアルミニウム系材料2として用いた場合には、溶着金属3内に残存するブローホールも多くなり得ることから、本実施形態の異材接合継手および異材接合方法は、特に5000系アルミニウム合金を用いた場合に有効である。
鉄系材料1の板厚tに関しては特に制限されないが、一般的には1.0mm~5.0mmのものが用いられる。また、アルミニウム系材料2の板厚tに関しても特に制限されず、一般的には1.0mm~5.0mmのものが用いられる。
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態に係る異材接合継手および異材接合方法について説明する。図2は、本実施形態に係る異材接合方法により重ね接合された接合継手部付近の断面概略図である。本実施形態の異材接合継手(重ね継手)は、鉄系材料1とアルミニウム系材料2とが、溶着金属3を介したブレーズ溶接により重ね接合されることにより形成される。重ね接合は、第1の実施形態と同様の方法により実施することができる。また、溶着金属3の形成過程についても第1の実施形態と同様である。
次に、本実施形態の特徴について説明する。
第1の実施形態で説明したのと同様、鉄系材料1とアルミニウム系材料2との異材同士を、アルミニウム系ワイヤを用いたブレーズ溶接により重ね接合する場合において、鉄系材料1とアルミニウム系材料2との間に形成された溶着金属3中に大きなブローホールが残存する場合がある。
そこで本実施形態では、異材同士を重ね接合する場合において、アルミニウム系材料2に対し開先角度θが30°以上50°以下の開先を設け、鉄系材料1とアルミニウム系材料2の重ね合せ部5にアルミニウムを含有する溶着金属3を形成する。
開先角度θが30°以上50°以下の範囲で、アルミニウム系材料2に開先を設けることで、ブレーズ溶接時に溶融するアルミニウム系材料2の溶融量が少なくなり、ブローホールの要因となるアルミニウム系材料2の酸化膜の溶融量を抑えることができる。結果として、溶着金属3中に大きなブローホールが多く残存することを効果的に抑制することができる。
上記作用をより効果的に得るためには、開先角度θを30°以上とすることが好ましく、40°以上とすることがより好ましい。
ただし、開先角度θを大きくし過ぎると、アルミニウム系材料2側のビード端部にアンダーカットの問題が発生するため、開先角度θは60°以下に設定する。上記作用をより効果的に得るためには、開先角度θを55°以下とすることが好ましく、50°以下とすることがより好ましい。最も好ましいのは、開先角度θ=45°の場合である。なお、鉄系材料1側には、突合せ部4に開先を設けなくても構わないが、特に設けても構わない。また、アルミニウム系材料2に開先を設ける場合に、ルート面を残す(ルート面を0mm超とする)ようにしても構わない。
また、鉄系材料1とアルミニウム系材料2のルートギャップGを0.5mm以上2.0mm未満に設定することが好ましい。鉄系材料1とアルミニウム系材料2のルートギャップGを0.5mm以上に設定することで、ブレーズ溶接時に発生するガス(ワイヤに含まれるフラックスなどの成分の気化や、鋼板やアルミの表面成分がワイヤやフラックスと反応した気化ガスH、Mgなど)が、凝固する前の溶着金属3内部から抜けやすくなるため、溶着金属3中に大きなブローホールが多く残存することをより効果的に抑制することができる。
上記作用を更に効果的に得るためには、ルートギャップGを0.5mm以上とすることが好ましく、0.8mm以上とすることがより好ましい。
ただし、ルートギャップGが大き過ぎると、鉄系材料1とアルミニウム系材料2をブレーズ溶接する際に、溶解した溶着金属3が鉄系材料1側までなじまず、溶着金属3が溶け落ちてしまうおそれがある。その結果、異材接合ができないおそれがあり、また接合できたとしても接合継手の引張強さの低下のおそれがあるため、ルートギャップGは2.0mm未満に設定することが好ましい。
上記作用をより効果的に得るためには、ルートギャップGを1.5mm未満とすることがより好ましく、1.2mm未満とすることが更に好ましい。最も好ましいのは、ルートギャップG=1.0mmの場合である。
上記重ね接合を行う場合の鉄系材料1とアルミニウム系材料2との重ね代に関しては特に制限されないが、一般的には3.0mm~7.0mmの範囲に設定される。
なお、本実施形態で使用される溶接ワイヤ素材、鉄系材料1およびアルミニウム系材料2の詳細については、第1の実施形態と同様のため説明を省略する。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することが可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
<実施例1>
鉄系材料とアルミニウム系材料における突合せ接合に関する試験を行った。溶接条件は表1に示す通りであり、溶接速度以外は、全ての実施例および比較例において共通とした。なお、ここで説明する溶接条件は一例であり、本実施形態では以下の溶接条件に限定されるものではない。
また、表2に示すように、鉄系材料(鋼材)としてSS400を、アルミニウム系材料(Al合金材)として5000系アルミニウム合金であるA5052または6000系アルミニウム合金であるA6022を使用し、ルートギャップおよび溶接速度を表2に示す各条件に設定の上、上記突合せ接合を実施した。なお、本実施例における突合せ接合試験の態様を示す断面概略図を図3に示す。
また、その他の共通条件を下記に示す。
溶接ワイヤ ナイス(株)製 AluS4M φ1.2mm
溶接機 (株)ダイヘン社製 DW300+
モード:軟質アルミ
極性/プロセス:AC/パルス
突出し長さ:15mm
シールドガス:Ar 20L/min
溶接方法 自動(DX100+MH6)
アルミニウム系材料の開先形状 45°レ形開先、ルート面1mm
溶接長さ 約200mm
なお、ルートギャップを設ける場合には、ワーク両端を仮止めしてから、本溶接を実施
した。
上記AluS4Mの規格は、Siを1.7乃至2.7質量%、Tiを0.05乃至0.25質量%含有し、残部がアルミニウム及び不可避的不純物であるアルミニウム合金からなる筒状の皮材と、この皮材内に充填されAlFを7乃至15質量%含有し、残部がKAlF系フラックス及び不純物であるフラックスとを有し、該フラックスの充填率がワイヤの全質量あたり2.5乃至20質量%であるフラックス入りワイヤである。
Figure 0007048355000001
Figure 0007048355000002
表2において、ビード外観、表面欠陥、最大試験力および引張強さについての評価結果を示す。なお、ビード外観の調査は、突合せ継手の長手方向の垂直断面形状を目視で観察するとともに、ビード幅を測定した。また、表面欠陥の調査は、目視により溶接ビード表面上の気孔欠陥の有無を確認した。更に、引張試験の調査は、突合せ継手をJIS5号に記載の試験片に加工して引張試験を行い、その引張強さ(N/mm)および最大試験力(N)を評価した。
なお、ビード外観、ビード幅、最大試験力および引張強さの調査にあたっては、溶接ビード方向における両端から15mmと中央位置の3か所において、25mm幅の試料をウォータージェット(WJ)加工により採取した。そして、表2におけるビード幅、最大試験力および引張強さの値は、溶接開始側、試料中央部、溶接終端側の3点の平均値とした。
表2において、本発明の要件を満足する実施例1-1~実施例1-4(ルートギャップ=1.0mmの場合)は、ビード外観がほぼ良好または良好であるとともに、表面欠陥がなく、最大試験力および引張強さに優れていた。
なお、実施例1-1~実施例1-3および比較例1-1~比較例1-3(ルートギャップ=0mmの場合)において、それぞれ同じ溶接速度における実施例と比較例とで比較した場合、比較例に対する実施例の引張強さの向上代が、実施例1-1~実施例1-3の中で実施例1-2が最も大きかった。
実施例1-1の引張強さ(134N/mm)/比較例1-1の引張強さ(80N/mm)=約1.68倍
実施例1-2の引張強さ(171N/mm)/比較例1-2の引張強さ(66N/mm)=約2.59倍
実施例1-3の引張強さ(202N/mm)/比較例1-3の引張強さ(143N/mm)=約1.41倍
これは、実施例1-2がより好ましい溶接速度の条件である300mm/min超、500mm/min未満を満足することによると考えられる。
また、6000系アルミニウム合金を用いた実施例1-4の比較例1-6に対する引張強さの向上代は、実施例1-4の引張強さ(198N/mm)/比較例1-6の引張強さ(176N/mm)=約1.13倍であり、この結果を踏まえると、上述の通り、本実施形態の異材接合継手および異材接合方法は、特に5000系アルミニウム合金を用いた場合に有効であることが理解される。
一方、本発明の要件を満足しない比較例1-1~比較例1-3、比較例1-6(ルートギャップ=0mmの場合)は、ビード外観や表面欠陥上の問題はなかったものの、最大試験力や引張強さに劣っていた。
また、本発明の要件を満足しない比較例1-4および比較例1-5(ルートギャップ=2.0mmの場合)は、突合せ接合時に溶接ワイヤなどが由来の溶着金属が鉄系材料側まで十分になじまず、溶け落ちてしまった結果、良好なビード形状を得ることができなかった。このため、比較例1-4および比較例1-5においては引張試験を行っておらず、表2中の「ビード幅」、「最大試験力(N)」および「引張強さ(N/mm)」の値を「-」としている。
続いて、実施例1-1~実施例1-4、比較例1-1~比較例1-3および比較例1-6について、溶着金属中のブローホールの状態をマイクロスコープ(倍率:20倍、装置名:(株)キーエンス製VHX-6000)により確認した結果を示す。
図4A~図4Cは、それぞれ比較例1-1~比較例1-3に係るAl合金材と鋼材との突合せ継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。また、図4D~図4Fは、それぞれ実施例1-1~実施例1-3に係るAl合金材と鋼材との突合せ継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。なお、これらの写真は、溶接ビード方向における試料中央部の断面を示している。
例えば、ルートギャップの条件以外の試験条件が同一である、実施例1-1と比較例1-1を比較した場合、溶着金属内のブローホール(図4Aや図4D中における、多数の黒丸で示された部分)に着目すると、実施例1-1の方が大きなブローホールが低減されていることが分かる。また同様に、実施例1-2と比較例1-2の比較、実施例1-3と比較例1-3の比較および実施例1-4と比較例1-6の比較においても、実施例の突合せ継手は大きなブローホールが低減されていることが分かる。
なお、図4Bおよび図4Cにおいては、断面写真の確認時に鋼材が剥離してしまったため、図中には鋼材が示されていない。
<実施例2>
鉄系材料とアルミニウム系材料における重ね接合に関する試験を行った。溶接条件は表3に示す通りであり、全ての実施例および比較例において共通とした。なお、ここで説明する溶接条件は一例であり、本実施形態では以下の溶接条件に限定されるものではない。
また、表4に示すように、鉄系材料(鋼材)としてCR980またはSS400を、アルミニウム系材料(Al合金材)として5000系アルミニウム合金であるA5052または6000系アルミニウム合金であるA6022を使用し、アルミニウム系材料における開先加工の有無およびルートギャップを表4に示す各条件に設定の上、上記重ね接合を実施した。なお、本実施例における重ね接合試験の態様を示す断面概略図を図6A(開先加工なし)および図6B(開先加工あり)に示す。
また、その他の共通条件を下記に示す。
溶接ワイヤ ナイス(株)製 AluS4M φ1.2mm
溶接機 (株)ダイヘン社製 DW300+
極性/プロセス:AC/パルス
モード:軟質アルミ
突出し長さ:15mm
シールドガス:Ar 20L/min
溶接方法 自動(DX100+MH6)
アルミニウム系材料に開先を設ける場合の開先形状 45°レ形開先、ルート面1mm
重ね代 5mm
溶接長さ 約200mm
なお、ルートギャップを設ける場合には、ワーク両端を仮止めしてから、本溶接を実施した。
上記AluS4Mの規格は、実施例1で説明した通りである。
Figure 0007048355000003
Figure 0007048355000004
表4において、ビード外観、表面欠陥、最大試験力および引張強さについての評価結果を示す。なお、これらの評価手法は実施例1と共通のため説明を省略する。
表4において、本発明の要件を満足する実施例2-1~実施例1-6(開先加工あり)は、ビード外観が良好であるとともに、表面欠陥がなく、最大試験力および引張強さに優れていた。
なお、それぞれ同じアルミニウム系材料およびルートギャップにおける実施例(開先加工あり)と比較例(開先加工なし)とで比較した場合、比較例に対する実施例の引張強さの向上代は、実施例2-1および実施例2-2が実施例2-3よりも大きく、また、実施例2-4および実施例2-5が実施例2-6よりも大きかった。
実施例2-1の引張強さ(359N/mm)/比較例1-1の引張強さ(126N/mm)=約2.85倍
実施例2-2の引張強さ(349N/mm)/比較例2-2の引張強さ(171N/mm)=約2.04倍
実施例2-3の引張強さ(273N/mm)/比較例2-3の引張強さ(143N/mm)=約1.91倍
実施例2-4の引張強さ(261N/mm)/比較例2-4の引張強さ(217N/mm)=約1.20倍
実施例2-5の引張強さ(304N/mm)/比較例2-5の引張強さ(226N/mm)=約1.35倍
実施例2-6の引張強さ(244N/mm)/比較例2-6の引張強さ(235N/mm)=約1.04倍
これは、実施例2-1、実施例2-2、実施例2-4および実施例2-5が、好ましいルートギャップの条件である0.5mm以上2.0mm未満を満足することによると考えられる。
また、5000系アルミニウム合金を用いた実施例2-1~実施例2-3の引張強さの向上代が、6000系アルミニウム合金を用いた実施例2-4~実施例2-6の引張強さの向上代よりもかなり大きいことを踏まえると、上述の通り、本実施形態の異材接合継手および異材接合方法は、特に5000系アルミニウム合金を用いた場合に有効であることが理解される。
一方、本発明の要件を満足しない比較例2-1~比較例2-6は、ビード外観や表面欠陥上の問題がないものも含まれていたが、いずれの場合も最大試験力や引張強さに劣っていた。
続いて、実施例2-1~実施例2-6および比較例2-1~比較例2-6について、溶着金属中のブローホールの状態をマイクロスコープ(倍率:20倍、装置名:(株)キーエンス製VHX-6000)により確認した結果を示す。
図7A~図7Cは、それぞれ比較例2-1~比較例2-3に係るAl合金材と鋼材との突合せ継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。また、図7D~図7Fは、それぞれ実施例2-1~実施例2-3に係るAl合金材と鋼材との突合せ継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。
図8A~図8Cは、それぞれ比較例2-4~比較例2-6に係るAl合金材と鋼材との突合せ継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。
図8D~図8Fは、それぞれ実施例2-4~実施例2-6に係るAl合金材と鋼材との突合せ継手における、溶着金属中のブローホールの状態を示す断面写真である。
例えば、アルミニウム系材料が5000系で共通し、ルートギャップの条件が同一である、実施例2-1と比較例2-1を比較した場合、溶着金属内のブローホール(図7Aや図7D中における、多数の黒丸で示された部分)に着目すると、実施例2-1の方が大きなブローホールが低減されていることが分かる。また同様に、実施例2-2と比較例2-2の比較、実施例2-3と比較例2-3の比較、実施例2-4と比較例2-4の比較、実施例2-5と比較例2-5の比較および実施例2-6と比較例2-6の比較においても、実施例の重ね継手は大きなブローホールが低減されていることが分かる。
<実施例3>
実施例2と同様、鉄系材料とアルミニウム系材料における重ね接合に関する試験を行った。溶接条件は表5に示す通りであり、実施例および比較例において共通とした。なお、ここで説明する溶接条件は一例であり、本実施形態では以下の溶接条件に限定されるものではない。
また、表6に示すように、鉄系材料(鋼材)としてSS400を、アルミニウム系材料(Al合金材)として5000系アルミニウム合金であるA5052を使用し、アルミニウム系材料における開先加工の有無およびルートギャップを表6に示す各条件に設定の上、上記重ね接合を実施した。なお、実施例3では、実施例と比較例において開先加工の有無以外の条件は全て同一とした。また、その他の共通条件は実施例2と共通のため説明を省略する。
Figure 0007048355000005
Figure 0007048355000006
表6において、ビード外観、表面欠陥、最大試験力および引張強さについての評価結果を示す。なお、これらの評価手法は実施例1と共通のため説明を省略する。
表6において、本発明の要件を満足する実施例3(開先加工あり)は、ビード外観が良好であるとともに、表面欠陥がなく、最大試験力および引張強さに優れていた。一方、本発明の要件を満足しない比較例3(開先加工なし)は、ビード外観が良好であるとともに、表面欠陥がなかったものの、最大試験力や引張強さに劣っていた。この結果より、アルミニウム系材料における開先加工の有無以外の各条件が共通の場合にも、開先加工を設けることによる引張強さの向上が確認された。
また、実施例3および比較例3においても同様に、溶着金属中のブローホールの状態をマイクロスコープ(倍率:20倍、装置名:(株)キーエンス製VHX-6000)により確認した所、実施例3(図9Bを参照)の方が比較例3(図9Aを参照)よりも大きなブローホールが低減されていることが認められた。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
[1]鉄系材料とアルミニウム系材料とが、アルミニウム系ワイヤを用いたブレーズ溶接により突合せ接合された異材接合継手であって、
前記鉄系材料と前記アルミニウム系材料の突合せ部には、アルミニウムを含有する溶着金属が形成されており、
前記鉄系材料と前記アルミニウム系材料のルートギャップが0.5mm以上2.0mm未満であることを特徴とする異材接合継手。
[2]前記アルミニウム系材料は前記突合せ部に開先を有しており、該開先の開先角度が30°以上50°以下であることを特徴とする上記[1]に記載の異材接合継手。
[3]前記アルミニウム系材料が5000系アルミニウム合金からなることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の異材接合継手。
[4]前記アルミニウム系材料の板厚が1.0mm以上5.0mm以下であることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の異材接合継手。
[5]鉄系材料とアルミニウム系材料とを、アルミニウム系ワイヤを用いたブレーズ溶接により突合せ接合する異材接合方法であって、
前記鉄系材料と前記アルミニウム系材料のルートギャップを0.5mm以上2.0mm未満に設定し、該鉄系材料と該アルミニウム系材料の突合せ部にアルミニウムを含有する溶着金属を形成することを特徴とする異材接合方法。
[6]前記アルミニウム系材料に対し開先角度が30°以上50°以下の開先を設け、前記溶着金属を形成することを特徴とする上記[5]に記載の異材接合方法。
[7]前記アルミニウム系材料として5000系アルミニウム合金を用いることを特徴とする上記[5]または[6]に記載の異材接合方法。
[8]前記アルミニウム系材料の板厚として1.0mm以上5.0mm以下のものを用いることを特徴とする上記[5]~[7]のいずれか1つに記載の異材接合方法。
[9]前記突合せ接合する際の熱源として、MIGを用いることを特徴とする上記[5]~[8]のいずれか1つに記載の異材接合方法。
[10]鉄系材料とアルミニウム系材料とが、アルミニウム系ワイヤを用いたブレーズ溶接により重ね接合された異材接合継手であって、
前記鉄系材料と前記アルミニウム系材料の重ね合せ部には、アルミニウムを含有する溶着金属が形成されており、
前記アルミニウム系材料は前記重ね合せ部に開先を有するとともに、該開先の開先角度が30°以上50°以下であることを特徴とする異材接合継手。
[11]前記鉄系材料と前記アルミニウム系材料のルートギャップが0.5mm以上2.0mm未満であることを特徴とする上記[10]に記載の異材接合継手。
[12]前記アルミニウム系材料が5000系アルミニウム合金からなることを特徴とする上記[10]または[11]に記載の異材接合継手。
[13]前記アルミニウム系材料の板厚が1.0mm以上5.0mm以下であることを特徴とする上記[10]~[12]のいずれか1項に記載の異材接合継手。
[14]鉄系材料とアルミニウム系材料とを、アルミニウム系ワイヤを用いたブレーズ溶接により重ね接合する異材接合方法であって、
前記アルミニウム系材料に対し開先角度が30°以上50°以下の開先を設け、該鉄系材料と該アルミニウム系材料の重ね合せ部にアルミニウムを含有する溶着金属を形成することを特徴とする異材接合方法。
[15]前記鉄系材料と前記アルミニウム系材料のルートギャップを0.5mm以上2.0mm未満に設定し、前記溶着金属を形成することを特徴とする上記[14]に記載の異材接合方法。
[16]前記アルミニウム系材料として5000系アルミニウム合金を用いることを特徴とする上記[14]または[15]に記載の異材接合方法。
[17]前記アルミニウム系材料の板厚として1.0mm以上5.0mm以下のものを用いることを特徴とする上記[14]~[16]のいずれか1つに記載の異材接合方法。
[18]前記重ね合せ接合する際の熱源として、MIGを用いることを特徴とする上記[14]~[17]のいずれか1つに記載の異材接合方法。
1 鉄系材料
2 アルミニウム系材料
3 溶着金属
4 突合せ部
5 重ね合せ部
G ルートギャップ
θ 開先角度
鉄系材料の板厚
アルミニウム系材料の板厚

Claims (9)

  1. 鉄系材料とアルミニウム系材料とが、アルミニウム系ワイヤを用いたブレーズ溶接により突合せ接合された異材接合継手であって、
    前記鉄系材料と前記アルミニウム系材料の突合せ部には、アルミニウムを含有する溶着金属が形成されており、
    前記鉄系材料と前記アルミニウム系材料のルートギャップが0.5mm以上2.0mm未満であることを特徴とする異材接合継手。
  2. 前記アルミニウム系材料は前記突合せ部に開先を有しており、該開先の開先角度が30°以上50°以下であることを特徴とする請求項1に記載の異材接合継手。
  3. 前記アルミニウム系材料が5000系アルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1または2に記載の異材接合継手。
  4. 前記アルミニウム系材料の板厚が1.0mm以上5.0mm以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の異材接合継手。
  5. 鉄系材料とアルミニウム系材料とを、アルミニウム系ワイヤを用いたブレーズ溶接により突合せ接合する異材接合方法であって、
    前記鉄系材料と前記アルミニウム系材料のルートギャップを0.5mm以上2.0mm未満に設定し、該鉄系材料と該アルミニウム系材料の突合せ部にアルミニウムを含有する溶着金属を形成することを特徴とする異材接合方法。
  6. 前記アルミニウム系材料に対し開先角度が30°以上50°以下の開先を設け、前記溶着金属を形成することを特徴とする請求項5に記載の異材接合方法。
  7. 前記アルミニウム系材料として5000系アルミニウム合金を用いることを特徴とする請求項5または6に記載の異材接合方法。
  8. 前記アルミニウム系材料の板厚として1.0mm以上5.0mm以下のものを用いることを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の異材接合方法。
  9. 前記突合せ接合する際の熱源として、MIGを用いることを特徴とする請求項5~8のいずれか1項に記載の異材接合方法。
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