JP7319157B2 - 研磨用組成物 - Google Patents
研磨用組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7319157B2 JP7319157B2 JP2019178518A JP2019178518A JP7319157B2 JP 7319157 B2 JP7319157 B2 JP 7319157B2 JP 2019178518 A JP2019178518 A JP 2019178518A JP 2019178518 A JP2019178518 A JP 2019178518A JP 7319157 B2 JP7319157 B2 JP 7319157B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- silica
- polishing
- polishing composition
- abrasive grains
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
Description
(砥粒)
ここに開示される研磨用組成物は、砥粒としてシリカ粒子を含む。シリカ粒子は、シリカを主成分とする各種のシリカ粒子であり得る。ここでシリカを主成分とするシリカ粒子とは、該粒子の90重量%以上、例えば95重量%以上、典型的には98重量%以上がシリカである粒子をいう。使用し得るシリカ粒子の例としては、特に限定されず、コロイダルシリカ、凝結粒シリカ、沈降シリカ(沈殿シリカともいう。)、ケイ酸ソーダ法シリカ、アルコキシド法シリカ、フュームドシリカ、乾燥シリカ、爆発法シリカ等が挙げられる。さらに、上記シリカ粒子を原材料として得られたシリカ粒子を用いることもできる。そのようなシリカ粒子の例には、上記原材料のシリカ粒子(以下「原料シリカ」ともいう。)に、加温、乾燥、焼成等の熱処理、オートクレーブ処理等の加圧処理、解砕や粉砕等の機械的処理、表面改質等から選択される1または2以上の処理を適用して得られたシリカ粒子が含まれ得る。表面改質としては、例えば、官能基の導入、金属修飾等の化学的修飾が挙げられる。ここに開示される技術における砥粒は、このようなシリカ粒子の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて含むものであり得る。
なお、上記所定個数、すなわち粒子毎のアスペクト比を算出する粒子の個数は、測定精度や再現性を高める観点から、1000個以上とすることが適当であり、1500個以上とすることが好ましい。上記所定個数の上限は特に制限されない。測定効率の観点から、上記所定個数は、例えば5000個以下であってよく、2500個以下でもよい。
上記光透過式遠心沈降法による粒度分布は、JIS Z 8823-2:2016に準拠した方法により得られる。上記粒度分布測定の具体的な手順は次のとおりである。まず、ディスク形セルの内部に、粒子を含まない透明な検査液(例えば、スクロース8~24重量%水溶液)を満たし、当該検査液を透過する光ビームをセルに照射する。そして、所定の回転数(例えば、24000rpm)でセルを回転させながら、回転軸と同軸の注入口からセル内に砥粒の分散液を注入する。これによって、分散液中の粒子が遠心方向の外側に向かって沈降し、該沈降する粒子によって光ビームが減衰する。そして、時間経過にともなう光ビームの減衰量の変化に基づいて砥粒の粒度分布を求める。なお、上記砥粒の粒度分布は、上記光ビームの減衰量の変化を粒度分布に変換するソフトウエアを用いて求めることができる。
セル内に導入する検査液:最小濃度8重量%、最大濃度24重量%のスクロース水溶液
セル内に導入する検査液の注入量:12mL
測定用砥粒分散液の砥粒濃度:2重量%
測定用砥粒分散液の注入量:0.1mL
ディスクの回転速度:24000rpm
測定範囲:0.025μm~1.0μm
後述の実施例においても同様の方法で砥粒のD50およびD99は測定される。
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には、上述のような砥粒の他に、該砥粒を分散させる水を含有する。水としては、イオン交換水、純水、超純水、蒸留水等を好ましく用いることができる。イオン交換水は、典型的には脱イオン水であり得る。
ここに開示される研磨用組成物は、研磨促進剤として酸を含む。酸としては、無機酸および有機酸のいずれも使用可能である。有機酸としては、例えば、炭素原子数が1~18程度、典型的には1~10程度の有機カルボン酸、有機スルホン酸、アミノ酸等が挙げられる。酸は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩およびアルカリ金属リン酸水素塩;上記で例示した有機酸のアルカリ金属塩;その他、グルタミン酸二酢酸のアルカリ金属塩、ジエチレントリアミン五酢酸のアルカリ金属塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸のアルカリ金属塩、トリエチレンテトラミン六酢酸のアルカリ金属塩;等が挙げられる。これらのアルカリ金属塩におけるアルカリ金属は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等であり得る。
ここに開示される研磨用組成物は、酸化剤を含有する。酸化剤の例としては、過酸化物、硝酸またはその塩、過ヨウ素酸またはその塩、ペルオキソ酸またはその塩、過マンガン酸またはその塩、クロム酸またはその塩、酸素酸またはその塩、金属塩類、硫酸類等が挙げられるが、これらに限定されない。酸化剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、硝酸、硝酸鉄、硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ペルオキソ一硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸金属塩、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸金属塩、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過塩素酸、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸金属塩、重クロム酸金属塩、塩化鉄、硫酸鉄、クエン酸鉄、硫酸アンモニウム鉄等が挙げられる。好ましい酸化剤として、過酸化水素、硝酸鉄、過ヨウ素酸、ペルオキソ一硫酸、ペルオキソ二硫酸および硝酸が例示される。少なくとも過酸化水素を含むことが好ましく、過酸化水素からなることがより好ましい。
ここに開示される研磨用組成物は、シリカ残低減剤として、リン酸エステル、亜リン酸エステルおよび有機ホスホン酸化合物から選択される1種または2種以上の化合物であって、温度30℃において100mLの純水に対して1gが完全に溶解する水溶解性を有する化合物を含有する。上記シリカ残低減剤を使用することによって、磁気ディスク基板の一次研磨において加工性を損なうことなくシリカ残留を低減することができる。その理由としては、例えば以下のように考えられる。研磨用組成物に含まれるシリカ残低減剤は組成物中に溶解した状態で基板表面に薄膜状に配置され、シリカ砥粒と基板との間にて、シリカ砥粒の基板への直接接触や付着を抑制すると考えられる。そのため、シリカ砥粒は、その後の洗浄によって、水溶性のシリカ残低減剤とともに基板上から除去され、その結果、基板へのシリカ残留を低減するものと考えられる。なお、上記のメカニズムは、実験結果に基づく本発明者らの考察であり、ここに開示される技術は、上記のメカニズムに限定して解釈されるものではない。
後述の実施例においても、上記の条件が採用される。
研磨用組成物には、必要に応じて塩基性化合物を含有させることができる。ここで塩基性化合物とは、研磨用組成物に添加されることによって該組成物のpHを上昇させる機能を有する化合物を指す。塩基性化合物の例としては、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩や炭酸水素塩、第四級アンモニウムまたはその塩、アンモニア、アミン、リン酸塩やリン酸水素塩、有機酸塩等が挙げられる。塩基性化合物は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
炭酸塩や炭酸水素塩の具体例としては、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
第四級アンモニウムまたはその塩の具体例としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の水酸化第四級アンモニウム;このような水酸化第四級アンモニウムのアルカリ金属塩;等が挙げられる。上記アルカリ金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
アミンの具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、1-(2-アミノエチル)ピペラジン、N-メチルピペラジン、グアニジン、イミダゾールやトリアゾール等のアゾール類、等が挙げられる。
リン酸塩やリン酸水素塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属塩が挙げられる。
有機酸塩の具体例としては、クエン酸カリウム、シュウ酸カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸カリウムナトリウム、酒石酸アンモニウム等が挙げられる。
ここに開示される技術は、例えば、塩基性化合物(例えばアゾール類やその誘導体)を実質的に含まない態様で好ましく実施され得る。
ここに開示される研磨用組成物は、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、界面活性剤、水溶性高分子、分散剤、キレート剤、防腐剤、防カビ剤等の、研磨用組成物に使用され得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含有してもよい。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、アルキル硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンスルホコハク酸、アルキルスルホコハク酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ポリアクリル酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、およびこれらの塩等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の他の具体例としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ベンゼンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のポリアルキルアリールスルホン酸系化合物;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸系化合物;リグニンスルホン酸、変成リグニンスルホン酸等のリグニンスルホン酸系化合物;アミノアリールスルホン酸-フェノール-ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸系化合物;その他、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリイソアミレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸;およびこれらの塩等が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルベタイン型、脂肪酸アミドプロピルベタイン型、アルキルイミダゾール型、アミノ酸型、アルキルアミンオキシド型等が挙げられる。
ここに開示される研磨用組成物のpHは特に制限されない。研磨用組成物のpHは、例えば、12.0以下、典型的には0.5~12.0とすることができ、10.0以下、典型的には0.5~10.0としてもよい。加工性や面品質等の観点から、研磨用組成物のpHは、7.0以下、例えば0.5~7.0とすることができ、5.0以下、典型的には1.0~5.0とすることがより好ましく、4.0以下、例えば1.0~4.0とすることがさらに好ましい。研磨用組成物のpHは、例えば3.0以下、典型的には1.0~3.0、好ましくは1.0~2.0、より好ましくは1.0~1.8とすることができる。研磨液において上記pHが実現されるように、必要に応じて有機酸、無機酸、塩基性化合物等のpH調整剤を含有させることができる。上記pHは、例えば、ニッケルリン基板等の磁気ディスク基板の研磨用の研磨用組成物に好ましく適用され得る。特に一次研磨用の研磨用組成物に好ましく適用され得る。
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には該研磨用組成物を含む研磨液の形態で研磨対象物に供給されて、該研磨対象物の研磨に用いられる。上記研磨液は、例えば、研磨用組成物を希釈して調製されたものであり得る。ここで希釈とは、典型的には水による希釈である。あるいは、研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。すなわち、ここに開示される技術における研磨用組成物の概念には、研磨対象物に供給されて該研磨対象物の研磨に用いられる研磨液(ワーキングスラリー)と、希釈して研磨液として用いられる濃縮液との双方が包含される。このような濃縮液の形態の研磨用組成物は、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から有利である。濃縮倍率は、例えば1.5倍~50倍程度とすることができる。濃縮液の貯蔵安定性等の観点から、例えば2倍~20倍、典型的には2倍~10倍程度の濃縮倍率が適当である。
なお、ここに開示される研磨用組成物は、一剤型であってもよいし、二剤型を始めとする多剤型であってもよい。例えば、該研磨用組成物の構成成分、典型的には、水以外の成分のうち一部の成分を含むパートAと、残りの成分を含むパートBとが混合されて研磨対象物の研磨に用いられるように構成されていてもよい。いくつかの好ましい態様に係る多剤型研磨用組成物は、砥粒を含むパートAと、砥粒以外の成分を含むパートBとから構成されている。砥粒を含むパートAは、さらに分散剤を含んでもよい。パートBに含まれる砥粒以外の成分としては、例えば、酸が挙げられる。また、パートBには、水溶性高分子その他の添加剤が含まれ得る。シリカ残低減剤は、パートA、Bのいずれか、または両方に含まれ得る。通常、これらは、使用前は分けて保管されており、使用時に混合され得る。ここでいう使用時とは、典型的には研磨対象基板の研磨時であり得る。混合時には、例えば過酸化水素等の酸化剤がさらに混合され得る。例えば、上記酸化剤が水溶液の形態で供給される場合、当該水溶液は、多剤型研磨用組成物を構成するパートCとなり得る。
ここに開示される研磨用組成物は、例えば以下の操作を含む態様で、磁気ディスク基板を研磨対象物とする研磨に好適に使用することができる。以下、ここに開示される研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する方法の好適な態様につき説明する。以下では、研磨対象物を研磨対象基板ともいう。
すなわち、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を含む研磨液(ワーキングスラリー)を用意する。上記研磨液を用意することには、研磨用組成物に濃度調整やpH調整等の操作を加えて研磨液を調製することが含まれ得る。濃度調整としては、例えば希釈が挙げられる。あるいは、研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。
(1) 砥粒としてのシリカ粒子を用いて磁気ディスク基板の一次研磨を実施した後の基板上のシリカ残留を低減する方法であって、
砥粒としてのシリカ粒子と、酸と、酸化剤と、リン酸エステル、亜リン酸エステルおよび有機ホスホン酸化合物からなる群から選択される少なくとも1種であって、温度30℃において100mLの純水に対して1gが完全に溶解する水溶解性を有するシリカ残低減剤と、水とを含む研磨用組成物を用いて、研磨対象基板を研磨する工程を含む、シリカ残低減方法。
(2) 前記シリカの残留は、前記研磨後の記基板を洗浄機を用いて洗浄した後、日立ハイテクノロジーズ社製の走査型電子顕微鏡「SU8000」を用いて、洗浄後の基板表面(両面)を50000倍の倍率で一面あたり10視野観察し、三谷商事社製の画像解析ソフトウエア「WinROOF」を用いて、各視野における残留シリカ粒子個数を測定し、1視野あたりの残留シリカ粒子個数の平均値から評価される、上記(1)に記載の方法。
(3) 磁気ディスク基板の製造方法であって、
砥粒としてのシリカ粒子と、酸と、酸化剤と、リン酸エステル、亜リン酸エステルおよび有機ホスホン酸化合物からなる群から選択される少なくとも1種であって、温度30℃において100mLの純水に対して1gが完全に溶解する水溶解性を有するシリカ残低減剤と、水とを含む研磨用組成物を用いて、研磨対象基板を一次研磨する工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法。
(4) 磁気ディスク基板の研磨方法であって、
砥粒としてのシリカ粒子と、酸と、酸化剤と、リン酸エステル、亜リン酸エステルおよび有機ホスホン酸化合物からなる群から選択される少なくとも1種であって、温度30℃において100mLの純水に対して1gが完全に溶解する水溶解性を有するシリカ残低減剤と、水とを含む研磨用組成物を用いて、研磨対象基板を一次研磨する工程を含む、磁気ディスク基板の研磨方法。
(5) 前記砥粒の平均アスペクト比は1.1以上である、上記(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 前記砥粒は、光透過式遠心沈降法により得られる重量基準の粒度分布に基づく累積99%粒子径(D99)が150nm以上である、上記(1)~(5)のいずれかに記載の方法。
(7) 前記シリカ残低減剤として、前記リン酸エステルおよび/または前記亜リン酸エステルを含み、
前記リン酸エステルおよび/または前記亜リン酸エステルは、そのリン酸エステル結合で結合した有機基を有しており、該有機基は、エーテル結合を含んでよい炭素原子数が6以下の有機基である、上記(1)~(6)のいずれかに記載の方法。
(8) 前記シリカ残低減剤が有する前記有機基は、炭素原子数が4以下であるアルキル基、または、炭素原子数が6以下であるアルコキシアルキル基である、上記(7)に記載の方法。
(9) 前記シリカ残低減剤として前記有機ホスホン酸化合物を含み、
前記有機ホスホン酸化合物はニトリロトリス(メチレンホスホン酸)を含む、上記(1)~(8)のいずれかに記載の方法。
(10) 前記酸は、リン酸、ホスホン酸、マレイン酸、塩酸、硝酸および硫酸からなる群から選択される少なくとも1種である、上記(1)~(9)のいずれかに記載の方法。
(11) 前記酸化剤は過酸化水素を含む、上記(1)~(10)のいずれかに記載の方法。
砥粒としてのシリカ粒子と、酸と、酸化剤と、リン酸エステル、亜リン酸エステルおよび有機ホスホン酸化合物からなる群から選択される少なくとも1種であって、温度30℃において100mLの純水に対して1gが完全に溶解する水溶解性を有するシリカ残低減剤と、水とを含む、シリカ残低減剤。
(13) 前記シリカの残留は、前記研磨後の記基板を洗浄機を用いて洗浄した後、日立ハイテクノロジーズ社製の走査型電子顕微鏡「SU8000」を用いて、洗浄後の基板表面(両面)を50000倍の倍率で一面あたり10視野観察し、三谷商事社製の画像解析ソフトウエア「WinROOF」を用いて、各視野における残留シリカ粒子個数を測定し、1視野あたりの残留シリカ粒子個数の平均値から評価される、上記(12)に記載のシリカ残低減剤。
(14) 前記砥粒の平均アスペクト比は1.1以上である、上記(12)または(13)に記載のシリカ残低減剤。
(15) 前記砥粒は、光透過式遠心沈降法により得られる重量基準の粒度分布に基づく累積99%粒子径(D99)が150nm以上である、上記(12)~(14)のいずれかに記載のシリカ残低減剤。
(16) 前記化合物として、前記リン酸エステルおよび/または前記亜リン酸エステルを含み、
前記リン酸エステルおよび/または前記亜リン酸エステルは、そのリン酸エステル結合で結合した有機基を有しており、該有機基は、エーテル結合を含んでよい炭素原子数が6以下の有機基から選択される、上記(12)~(15)のいずれかに記載のシリカ残低減剤。
(17) 前記化合物が有する前記有機基は、炭素原子数が4以下であるアルキル基、または、炭素原子数が6以下であるアルコキシアルキル基である、上記(16)に記載のシリカ残低減剤。
(18) 前記化合物として前記有機ホスホン酸化合物を含み、
前記有機ホスホン酸化合物は、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)を含む、上記(12)~(17)のいずれかに記載のシリカ残低減剤。
(19) 前記酸は、リン酸、ホスホン酸、マレイン酸、塩酸、硝酸および硫酸からなる群から選択される少なくとも1種である、上記(12)~(18)のいずれかに記載のシリカ残低減剤。
(20) 前記酸化剤は過酸化水素を含む、上記(12)~(19)のいずれかに記載のシリカ残低減剤。
[研磨用組成物の調製]
シリカ砥粒と、リン酸と、31%過酸化水素水と、添加剤と、脱イオン水とを混合して、各例に係る研磨用組成物を調製した。上記研磨用組成物のpHは1.5であった。シリカ砥粒としては、粒度分布およびアスペクト比が異なる複数種類のシリカ粒子を混合し、平均アスペクト比が1.11であり、光透過式遠心沈降法により得られた重量基準の粒度分布に基づく累積50%粒子径(D50)が85nm、累積99%粒子径(D99)が274nmのものを使用した。研磨用組成物中のシリカ粒子の濃度は7重量%、リン酸濃度は0.14mol/L、過酸化水素濃度は0.4mol/Lまたは0.5mol/L(表1参照)であった。各例で使用した添加剤(シリカ残低減剤および比較添加剤)の種類および含有量は表1に示すとおりである。また、使用した添加剤の水溶解性を表1に示す。添加剤1gが温度30℃の条件下、純水100gに完全に溶解したものを「○」、完全に溶解しなかったものを「×」と記載した。「-」は未測定を表す。
各例に係る研磨用組成物をそのまま研磨液として使用して、下記の条件で、研磨対象物の研磨を行った。研磨対象物としては、表面に無電解ニッケルリンめっき層を備えたハードディスク用アルミニウム基板を使用した。上記研磨対象物(研磨対象基板)の直径は3.5インチ(外径約95mm、内径約25mmのドーナツ型)、厚さは1.75mmであり、研磨前における表面粗さRa(Schmitt Measurement System Inc.社製レーザースキャン式表面粗さ計「TMS-3000WRC」により測定したニッケルリンめっき層の算術平均粗さ)は130Åであった。
研磨装置:システム精工社製の両面研磨機、型式「9.5B-5P」
研磨パッド:スウェードパッド(初期表面線粗さ平均:10μm以上、ポアサイズ:50μm)
研磨対象基板の投入枚数:15枚(3枚/キャリア ×5キャリア)
研磨液の供給レート:135mL/分
研磨荷重:120g/cm2
上定盤回転数:27rpm
下定盤回転数:36rpm
サンギヤ(太陽ギヤ)回転数:8rpm
研磨時間:4分
各例に係る研磨用組成物を用いて上記研磨条件で研磨対象基板を研磨したときの両面における研磨レートを算出した。研磨レートは、下記の計算式に基づいて求めた。得られた結果を、比較例1の研磨レートを100%とした相対値で、表1に示す。加工性が95[%]以上であれば、実用的な加工性を有すると判定される。
研磨レート[μm/min]=研磨による基板の重量減少量[g]/(基板の面積[cm2]×ニッケルリンめっきの密度[g/cm3]×研磨時間[min])×104
上記研磨レートの測定と同じ条件で研磨した基板をクレセン社製の洗浄機を用いて洗浄した後、基板表面に残留したシリカ粒子の個数を測定した。具体的には、ブラシと洗浄剤を使用せずに、下記条件で流水中で基板を洗浄し、基板に付着した水滴をスピンドライヤにより払い落として乾燥させた。
(洗浄条件)
洗浄剤塗布時間:0秒
第1洗浄時間(流水のみ):15秒
第2洗浄時間(流水のみ):20秒
超音波洗浄時間(流水のみ):20秒
スピンドライ乾燥時間:20秒
次に、日立ハイテクノロジーズ社製の走査型電子顕微鏡「SU8000」を用いて、洗浄後の基板表面(両面)を50000倍の倍率で一面あたり10視野観察した。そして、三谷商事社製の画像解析ソフトウエア「WinROOF」を用いて、各視野における残留シリカ粒子個数を測定し、1視野あたりの残留シリカ粒子個数の平均値を算出した。得られた値を、比較例1の残留シリカ粒子個数を100%とした相対値で、表1中の「シリカ残」の欄に示した。シリカ残が95[%]以下であれば、シリカ残低減効果が得られたといえる。
Claims (8)
- 磁気ディスク基板の一次研磨用組成物であって、
砥粒としてのシリカ粒子、酸、酸化剤および水を含み、
研磨後の基板上のシリカ残を低減するシリカ残低減剤をさらに含み、
前記シリカ残低減剤は、リン酸エステル、亜リン酸エステルおよび有機ホスホン酸化合物からなる群から選択される少なくとも1種であって、温度30℃において100mLの純水に対して1gが完全に溶解する水溶解性を有する、研磨用組成物。 - 前記砥粒の平均アスペクト比は1.1以上である、請求項1に記載の研磨用組成物。
- 前記砥粒は、光透過式遠心沈降法により得られる重量基準の粒度分布に基づく累積99%粒子径(D99)が150nm以上である、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
- 前記シリカ残低減剤として、前記リン酸エステルおよび/または前記亜リン酸エステルを含み、
前記リン酸エステルおよび/または前記亜リン酸エステルは、そのリン酸エステル結合で結合した有機基を有しており、該有機基は、エーテル結合を含んでよい炭素原子数が6以下の有機基から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。 - 前記シリカ残低減剤が有する前記有機基は、炭素原子数が4以下であるアルキル基、または、炭素原子数が6以下であるアルコキシアルキル基である、請求項4に記載の研磨用組成物。
- 前記シリカ残低減剤として前記有機ホスホン酸化合物を含み、
前記有機ホスホン酸化合物はニトリロトリス(メチレンホスホン酸)を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の研磨用組成物。 - 前記酸は、リン酸、ホスホン酸、マレイン酸、塩酸、硝酸および硫酸からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1~6のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
- 前記酸化剤は過酸化水素を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019178518A JP7319157B2 (ja) | 2019-09-30 | 2019-09-30 | 研磨用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019178518A JP7319157B2 (ja) | 2019-09-30 | 2019-09-30 | 研磨用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021057091A JP2021057091A (ja) | 2021-04-08 |
JP7319157B2 true JP7319157B2 (ja) | 2023-08-01 |
Family
ID=75271021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019178518A Active JP7319157B2 (ja) | 2019-09-30 | 2019-09-30 | 研磨用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7319157B2 (ja) |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002327170A (ja) | 2001-04-27 | 2002-11-15 | Kao Corp | 研磨液組成物 |
JP2015109128A (ja) | 2013-12-05 | 2015-06-11 | 花王株式会社 | ガラスハードディスク基板用研磨液組成物 |
JP2016035040A (ja) | 2014-08-01 | 2016-03-17 | 株式会社フジミインコーポレーテッド | 研磨用組成物 |
JP2016522199A (ja) | 2013-05-21 | 2016-07-28 | バイエル・クロップサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト | 特定のオキシムおよびオキシムエーテルの改善された製造方法 |
JP2018074048A (ja) | 2016-10-31 | 2018-05-10 | 花王株式会社 | シリコンウェーハ用研磨液組成物 |
WO2018168206A1 (ja) | 2017-03-14 | 2018-09-20 | 株式会社フジミインコーポレーテッド | 研磨用組成物、その製造方法ならびにこれを用いた研磨方法および基板の製造方法 |
JP2018174009A (ja) | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 株式会社フジミインコーポレーテッド | 研磨用組成物、磁気ディスク基板の製造方法および磁気ディスクの研磨方法 |
-
2019
- 2019-09-30 JP JP2019178518A patent/JP7319157B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002327170A (ja) | 2001-04-27 | 2002-11-15 | Kao Corp | 研磨液組成物 |
JP2016522199A (ja) | 2013-05-21 | 2016-07-28 | バイエル・クロップサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト | 特定のオキシムおよびオキシムエーテルの改善された製造方法 |
JP2015109128A (ja) | 2013-12-05 | 2015-06-11 | 花王株式会社 | ガラスハードディスク基板用研磨液組成物 |
JP2016035040A (ja) | 2014-08-01 | 2016-03-17 | 株式会社フジミインコーポレーテッド | 研磨用組成物 |
JP2018074048A (ja) | 2016-10-31 | 2018-05-10 | 花王株式会社 | シリコンウェーハ用研磨液組成物 |
WO2018168206A1 (ja) | 2017-03-14 | 2018-09-20 | 株式会社フジミインコーポレーテッド | 研磨用組成物、その製造方法ならびにこれを用いた研磨方法および基板の製造方法 |
JP2018174009A (ja) | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 株式会社フジミインコーポレーテッド | 研磨用組成物、磁気ディスク基板の製造方法および磁気ディスクの研磨方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021057091A (ja) | 2021-04-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6679386B2 (ja) | 研磨用組成物、基板の製造方法および研磨方法 | |
JP6730859B2 (ja) | 研磨用組成物および磁気ディスク基板製造方法 | |
JP6564638B2 (ja) | 研磨用組成物、磁気ディスク基板製造方法および磁気ディスク基板 | |
JP6815257B2 (ja) | 研磨用組成物および磁気ディスク基板の製造方法 | |
JP6637816B2 (ja) | 研磨用組成物、基板の研磨方法および基板の製造方法 | |
JP6688129B2 (ja) | 研磨用組成物、磁気ディスク基板の製造方法および磁気ディスク基板の研磨方法 | |
JP7319157B2 (ja) | 研磨用組成物 | |
JP6559410B2 (ja) | 研磨用組成物 | |
JP7111492B2 (ja) | 研磨用組成物、パッド表面調整用組成物およびその利用 | |
JP7061859B2 (ja) | 研磨用組成物および磁気ディスク基板の製造方法 | |
JP7368997B2 (ja) | 研磨用組成物 | |
JP6916648B2 (ja) | 磁気ディスク基板の研磨方法、研磨用組成物および研磨用組成物セット | |
JP7262197B2 (ja) | 研磨用組成物およびその利用 | |
JP7186568B2 (ja) | 研磨用組成物、基板の研磨方法および基板の製造方法 | |
JP7292844B2 (ja) | 研磨用組成物、基板の研磨方法および基板の製造方法 | |
JP7058097B2 (ja) | 研磨用組成物および磁気ディスク基板の製造方法 | |
JP6637817B2 (ja) | 磁気ディスク基板研磨用組成物、磁気ディスク基板の製造方法および研磨方法 | |
JP7396953B2 (ja) | 研磨用組成物、基板の製造方法および研磨方法 | |
JP7292923B2 (ja) | 磁気ディスク基板の製造方法、研磨用組成物および研磨方法 | |
JP6572082B2 (ja) | 磁気ディスク基板用研磨組成物、磁気ディスク基板の製造方法および磁気ディスク基板 | |
JP7240123B2 (ja) | 研磨用組成物、研磨用組成物調製用キットおよび磁気ディスク基板の製造方法 | |
JP7441101B2 (ja) | 研磨用組成物 | |
JP7450439B2 (ja) | 研磨用組成物および磁気ディスク基板の製造方法 | |
JP2022155293A (ja) | 研磨用組成物、基板の製造方法および研磨方法 | |
JP2023051385A (ja) | 研磨用組成物、基板の製造方法および研磨方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220802 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230623 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230629 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230720 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7319157 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |