JP7368997B2 - 研磨用組成物 - Google Patents
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(砥粒)
砥粒の材質や性状は、特に制限されない。例えば、砥粒は無機粒子、有機粒子および有機無機複合粒子のいずれかであり得る。無機粒子の具体例としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、酸化クロム粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、二酸化マンガン粒子、酸化亜鉛粒子、ベンガラ粒子等の酸化物粒子;窒化ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子等の窒化物粒子;炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子等の炭化物粒子;ダイヤモンド粒子;炭酸カルシウムや炭酸バリウム等の炭酸塩;等が挙げられる。上記アルミナ粒子としては、α-アルミナ、α-アルミナ以外の中間アルミナおよびこれらの複合物が挙げられる。中間アルミナとは、α-アルミナ以外のアルミナ粒子の総称であり、具体例としてはγ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナ、η-アルミナ、κ-アルミナおよびこれらの複合物が挙げられる。有機粒子の具体例としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子やポリ(メタ)アクリル酸粒子、ポリアクリロニトリル粒子等が挙げられる。ここで(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸を包括的に指す意味である。砥粒は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、上記所定個数、すなわち粒子毎のアスペクト比を算出する粒子の個数は、測定精度や再現性を高める観点から、1000個以上とすることが適当であり、1500個以上とすることが好ましい。上記所定個数の上限は特に制限されない。測定効率の観点から、上記所定個数は、例えば5000個以下であってよく、2500個以下でもよい。
上記光透過式遠心沈降法による粒度分布は、JIS Z 8823-2:2016に準拠した方法により得られる。上記粒度分布測定の具体的な手順は次のとおりである。まず、ディスク形セルの内部に、粒子を含まない透明な検査液(例えば、スクロース8~24重量%水溶液)を満たし、当該検査液を透過する光ビームをセルに照射する。そして、所定の回転数(例えば、24000rpm)でセルを回転させながら、回転軸と同軸の注入口からセル内に砥粒の分散液を注入する。これによって、分散液中の粒子が遠心方向の外側に向かって沈降し、該沈降する粒子によって光ビームが減衰する。そして、時間経過にともなう光ビームの減衰量の変化に基づいて砥粒の粒度分布を求める。なお、上記砥粒の粒度分布は、上記光ビームの減衰量の変化を粒度分布に変換するソフトウエアを用いて求めることができる。
セル内に導入する検査液:最小濃度8重量%、最大濃度24重量%のスクロース水溶液
セル内に導入する検査液の注入量:12mL
測定用砥粒分散液の砥粒濃度:2重量%
測定用砥粒分散液の注入量:0.1mL
ディスクの回転速度:24000rpm
測定範囲:0.025μm~1.0μm
後述の実施例においても同様の方法で砥粒のD50およびD99は測定される。
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には、上述のような砥粒の他に、該砥粒を分散させる水を含有する。水としては、イオン交換水、純水、超純水、蒸留水等を好ましく用いることができる。イオン交換水は、典型的には脱イオン水であり得る。
ここに開示される研磨用組成物は、酸化剤として過酸化水素を含有する。ここに開示される技術は、過酸化水素による酸化反応を利用して高い加工力を実現し、さらに、酸化促進剤や酸化助剤を用いることにより、加工性を改善するものである。
いくつかの態様に係る研磨用組成物は、酸化促進剤を含むことによって特徴付けられる。ここに開示される技術において、酸化促進剤とは、過酸化水素とは異なる過酸化物である。なお、本明細書において「過酸化物」とは-O-O-結合を含む化合物をいう。砥粒および過酸化水素を含む研磨用組成物に、過酸化水素とは異なる過酸化物を酸化促進剤として含ませることにより、加工性が改善される。その理由としては、例えば以下のように考えられる。酸化促進剤である過酸化物は、自身が酸化剤として機能すると考えられるが、その酸化剤としての能力は、水への溶解性等の制限から、過酸化水素と比較すると顕著なものではないと考えられる(後述の実施例の比較例4参照)。しかし、酸化促進剤は、過酸化水素と併用することで高レベルの加工性を実現し得る。その作用としては、自身の分解(-O-O-結合の開裂)等によってフリーラジカルを生じ、このフリーラジカルが、酸化剤である過酸化水素の分解(ラジカル開裂)を触媒し、過酸化水素による酸化反応を促進することが考えられ、これによって、加工性向上に貢献していると考えられる。なお、上記のメカニズムは、実験結果に基づく本発明者らの考察であり、ここに開示される技術は、上記のメカニズムに限定して解釈されるものではない。
いくつかの態様に係る研磨用組成物は、酸化助剤を含むことによって特徴付けられる。ここに開示される技術において、酸化助剤は、還元剤および/または連鎖移動剤として機能する水溶性の化合物である。より具体的には、いくつかの態様に係る酸化助剤は、還元性物質であり、過酸化水素や酸化促進剤に対して還元剤(電子供与体)として機能し得る化合物である。このような還元性を有する酸化助剤は、過酸化水素の分解を促進したり、加えて/あるいは、酸化促進剤を還元、分解(例えば、酸化促進剤の-O-O-を開裂)し、生成したフリーラジカルによる過酸化水素の分解を促進し、加工性向上に貢献するものと考えられる。他のいくつかの態様では、酸化助剤は、連鎖移動剤として機能し、系中に発生したラジカルが、基板に作用する前に消失する事象を低減させる(例えばラジカル同士の衝突による消失の低減)。そのため、系全体として、ラジカルをより有効に活用することができると考えられる。この作用に基づき、酸化助剤は、酸化反応を補助的に促進し、これによって加工性に貢献していることが考えられる。いくつかの態様において、酸化助剤は、還元剤および連鎖移動剤の両方に機能を発揮して、加工性向上に貢献していると考えられる。上記より、酸化助剤は、水溶性の還元剤および/または連鎖移動剤ということができる。酸化助剤は水溶性の連鎖移動剤であることが好ましい。なお、上記のメカニズムは、実験結果に基づく本発明者らの考察であり、ここに開示される技術は、上記のメカニズムに限定して解釈されるものではない。
ここに開示される研磨用組成物は、研磨促進剤として酸を含むことが好ましい。酸としては、無機酸および有機酸のいずれも使用可能である。有機酸としては、例えば、炭素原子数が1~18程度、典型的には1~10程度の有機カルボン酸、有機ホスホン酸、有機スルホン酸、アミノ酸等が挙げられる。酸は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩およびアルカリ金属リン酸水素塩;上記で例示した有機酸のアルカリ金属塩;その他、グルタミン酸二酢酸のアルカリ金属塩、ジエチレントリアミン五酢酸のアルカリ金属塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸のアルカリ金属塩、トリエチレンテトラミン六酢酸のアルカリ金属塩;等が挙げられる。これらのアルカリ金属塩におけるアルカリ金属は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等であり得る。
研磨用組成物には、必要に応じて塩基性化合物を含有させることができる。ここで塩基性化合物とは、研磨用組成物に添加されることによって該組成物のpHを上昇させる機能を有する化合物を指す。塩基性化合物の例としては、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩や炭酸水素塩、第四級アンモニウムまたはその塩、アンモニア、アミン、リン酸塩やリン酸水素塩、有機酸塩等が挙げられる。塩基性化合物は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
炭酸塩や炭酸水素塩の具体例としては、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
第四級アンモニウムまたはその塩の具体例としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の水酸化第四級アンモニウム;このような水酸化第四級アンモニウムのアルカリ金属塩;等が挙げられる。上記アルカリ金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
アミンの具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、1-(2-アミノエチル)ピペラジン、N-メチルピペラジン、グアニジン、イミダゾールやトリアゾール等のアゾール類、等が挙げられる。
リン酸塩やリン酸水素塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属塩が挙げられる。
有機酸塩の具体例としては、クエン酸カリウム、シュウ酸カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸カリウムナトリウム、酒石酸アンモニウム等が挙げられる。
ここに開示される研磨用組成物は、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、界面活性剤、水溶性高分子、分散剤、キレート剤、防腐剤、防カビ剤等の、研磨用組成物に使用され得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含有してもよい。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、アルキル硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンスルホコハク酸、アルキルスルホコハク酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ポリアクリル酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、およびこれらの塩等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の他の具体例としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ベンゼンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のポリアルキルアリールスルホン酸系化合物;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸系化合物;リグニンスルホン酸、変成リグニンスルホン酸等のリグニンスルホン酸系化合物;アミノアリールスルホン酸-フェノール-ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸系化合物;その他、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリイソアミレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸;およびこれらの塩等が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルベタイン型、脂肪酸アミドプロピルベタイン型、アルキルイミダゾール型、アミノ酸型、アルキルアミンオキシド型等が挙げられる。
ここに開示される研磨用組成物のpHは特に制限されない。研磨用組成物のpHは、例えば、12.0以下、典型的には0.5~12.0とすることができ、10.0以下、典型的には0.5~10.0としてもよい。加工性や面品質等の観点から、研磨用組成物のpHは、7.0以下、例えば0.5~7.0とすることができ、5.0以下、典型的には1.0~5.0とすることがより好ましく、4.0以下、例えば1.0~4.0とすることがさらに好ましい。研磨用組成物のpHは、例えば3.0以下、典型的には1.0~3.0、好ましくは1.0~2.0、より好ましくは1.0~1.8とすることができる。研磨液において上記pHが実現されるように、必要に応じて有機酸、無機酸、塩基性化合物等のpH調整剤を含有させることができる。上記pHは、例えば、ニッケルリン基板等の磁気ディスク基板の研磨用の研磨用組成物に好ましく適用され得る。特に一次研磨用の研磨用組成物に好ましく適用され得る。
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には該研磨用組成物を含む研磨液の形態で研磨対象物に供給されて、該研磨対象物の研磨に用いられる。上記研磨液は、例えば、研磨用組成物を希釈して調製されたものであり得る。ここで希釈とは、典型的には水による希釈である。あるいは、研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。すなわち、ここに開示される技術における研磨用組成物の概念には、研磨対象物に供給されて該研磨対象物の研磨に用いられる研磨液(ワーキングスラリー)と、希釈して研磨液として用いられる濃縮液との双方が包含される。このような濃縮液の形態の研磨用組成物は、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から有利である。濃縮倍率は、例えば1.5倍~50倍程度とすることができる。濃縮液の貯蔵安定性等の観点から、例えば2倍~20倍、典型的には2倍~10倍程度の濃縮倍率が適当である。
なお、ここに開示される研磨用組成物は、一剤型であってもよいし、二剤型を始めとする多剤型であってもよい。例えば、該研磨用組成物の構成成分、典型的には、水以外の成分のうち一部の成分を含むパートAと、残りの成分を含むパートBとが混合されて研磨対象物の研磨に用いられるように構成されていてもよい。いくつかの好ましい態様に係る多剤型研磨用組成物は、砥粒を含むパートAと、砥粒以外の成分を含むパートBとから構成されている。砥粒を含むパートAは、さらに分散剤を含んでもよい。パートBに含まれる砥粒以外の成分としては、例えば、酸、水溶性高分子その他の添加剤が挙げられる。酸化促進剤や酸化助剤は、パートA、Bのいずれか、または両方に含まれ得る。通常、これらは、使用前は分けて保管されており、使用時に混合され得る。ここでいう使用時とは、典型的には研磨対象基板の研磨時であり得る。混合時には、例えば過酸化水素等の酸化剤がさらに混合され得る。例えば、上記酸化剤が水溶液の形態で供給される場合、当該水溶液は、多剤型研磨用組成物を構成するパートCとなり得る。
ここに開示される研磨用組成物は、例えば以下の操作を含む態様で、磁気ディスク基板を研磨対象物とする研磨に好適に使用することができる。以下、ここに開示される研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する方法の好適な態様につき説明する。以下では、研磨対象物を研磨対象基板ともいう。
すなわち、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を含む研磨液(ワーキングスラリー)を用意する。上記研磨液を用意することには、研磨用組成物に濃度調整やpH調整等の操作を加えて研磨液を調製することが含まれ得る。濃度調整としては、例えば希釈が挙げられる。あるいは、研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。
砥粒としてのシリカ粒子と、酸としてのリン酸と、酸化剤としての過酸化水素水と、酸化促進剤としての過硫酸カリウム(ペルオキソ二硫酸カリウム)とを、脱イオン水とともに混合し、水酸化カリウムを用いてpHを調整し、本例に係る研磨用組成物を調製した。研磨用組成物における砥粒の含有量は7重量%、酸の含有量は0.14モル/L、酸化剤の含有量は0.365モル/L、酸化促進剤の含有量は0.019モル/Lとした。この研磨用組成物のpHは1.4であった。シリカ粒子としては、粒度分布およびアスペクト比が異なる複数種類のシリカ粒子を混合し、平均アスペクト比が1.16であり、光透過式遠心沈降法により得られた重量基準の粒度分布に基づく累積50%粒子径(D50)が103nm、累積99%粒子径(D99)が259nmのものを使用した。
酸、酸化剤および酸化促進剤の含有量を表1に示す内容に変更した他は実施例1と同様にして各例に係る研磨用組成物を調製した。
酸化促進剤を使用せず、酸化助剤としての亜硫酸水素カリウムを使用し、表1に示す濃度とした他は実施例1と同様にして各例に係る研磨用組成物を調製した。
表1に示す組成およびpHとした他は実施例1と同様にして各例に係る研磨用組成物を調製した。
各例に係る研磨用組成物をそのまま研磨液に使用して、下記の条件で、研磨対象物の研磨を行った。研磨対象物としては、表面に無電解ニッケルリンめっき層を備えたハードディスク用アルミニウム基板を使用した。上記基板は、直径3.5インチ、外径約95mm、内径約25mmのドーナツ型、厚さは1.75mmであり、研磨前における表面粗さRaは130Åであった。なお、上記表面粗さRaは、Schmitt Measurement System Inc.社製レーザースキャン式表面粗さ計「TMS-3000WRC」により測定したニッケルリンめっき層の算術平均粗さである。
研磨装置:日本エンギス社製の片面研磨装置、型式「EJ-380IN」(定盤外径:直径370mm)
研磨パッド:FILWEL社製のスウェードパッド(ベース層と表面層とを有し、表面層が発泡ポリウレタン製のパッド)
研磨対象基板の投入枚数:1枚(1枚/キャリア ×5回)
研磨対象基板(ディスク)の回転中心の位置:定盤中心から110mmの位置にディスク回転中心を設置。
研磨液の供給レート:9mL/分
研磨荷重:120g/cm2
定盤回転数:60rpm
研磨時間:3分
各例に係る研磨用組成物を用いて上記研磨条件で研磨対象基板を研磨し、加工性(研磨レート)を算出した。加工性は、次の計算式に基づいて求めた。
加工性[μm/min]=研磨による基板の重量減少量[g]/(基板の面積[cm2]×ニッケルリンめっきの密度[g/cm3]×研磨時間[min])×104
得られた値を、比較例1の加工性を100としたときの相対値に換算して表1の「加工性」の欄に示す。値が大きいほど加工性に優れる。
Claims (11)
- 磁気ディスク基板研磨用組成物であって、
砥粒と、酸化剤としての過酸化水素と、水とを含み、
さらに、
(a)酸化促進剤を含むか、
(b)酸化助剤を含むか、あるいは
(c)酸化促進剤および酸化助剤を含み、
前記酸化促進剤は、過酸化水素とは異なる過酸化物であり、
前記酸化助剤は、還元剤および/または連鎖移動剤として機能する水溶性の化合物であり、
前記砥粒の平均アスペクト比は1.1以上2.50以下であり、
前記砥粒の、光透過式遠心沈降法により得られる重量基準の粒度分布に基づく累積99%粒子径(D 99 )は150nm以上500nm以下である、研磨用組成物。 - 前記酸化促進剤は、過硫酸、過リン酸、過カルボン酸およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の研磨用組成物。
- 前記酸化促進剤は過硫酸塩を含む、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
- 前記酸化助剤は、亜硫酸、亜リン酸、次亜リン酸、およびそれらの塩、亜硫酸水素塩、チオール系化合物、第2級アルコール類ならびにアミン類からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
- 前記酸化助剤は、亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
- 前記酸化促進剤および前記酸化助剤を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
- 前記酸化剤の含有量A1[モル/L]に対する前記酸化促進剤および前記酸化助剤の合計量A4[モル/L]の比(A4/A1)は0.01以上1未満である、請求項1~6のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
- 前記酸化剤、前記酸化促進剤および前記酸化助剤の合計含有量は0.1~1.5モル/Lである、請求項1~7のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
- 前記砥粒としてシリカ粒子を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
- 酸をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
- pHが1.0~5.0の範囲内である、請求項1~10のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
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