JP2017182849A - 研磨用組成物、それを用いた磁気ディスク用基板の研磨方法およびその研磨方法を使用する磁気ディスク用基板の製造方法 - Google Patents

研磨用組成物、それを用いた磁気ディスク用基板の研磨方法およびその研磨方法を使用する磁気ディスク用基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】研磨対象物の端面ダレを効果的に低減することができるとともに、高い研磨速度を得ることができる研磨用組成物を提供する。
【解決手段】砥粒、および端部形状改善剤を含み、前記端部形状改善剤は、炭素数1〜10のアルキル基で置換された芳香環を有する芳香族スルホン酸またはその塩である、研磨用組成物、あるいは砥粒、酸剤、および端部形状改善剤を含み、前記端部形状改善剤は、炭素数1〜10のアルキル基で置換された芳香環を有する芳香族スルホン酸またはその塩である、研磨用組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、研磨用組成物、それを用いた磁気ディスク用基板の研磨方法およびその研磨方法を使用する磁気ディスク用基板の製造方法に関する。
磁気ディスク用基板を研磨する用途で使用される研磨用組成物には、例えば、研磨用組成物を用いて磁気ディスク用基板を研磨したときに基板の表面に発生するスクラッチが少ないことや、研磨用組成物による基板の研磨速度が高いことが要求されている。また、近年では、磁気ディスクに対する高記録容量化の要請がさらに高まっている。
磁気ディスクの記録容量を高めるには記録面積を広くする必要があり、そのため磁気ディスク用基板の主表面はより外周側まで平坦であることが望ましい。磁気ディスク用基板には、主表面と外周端面との間に、面取りされた面(以下、「チャンファー面」)が存在する。このような磁気ディスク用基板を製造する際に、主表面からチャンファー面にかけて連続的に端面ダレ(ロールオフ)が生じてしまい、記録面積を減少させるという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1には、こうした端面ダレを低減するために改良された基板の製造方法が開示されている。特許文献1に開示された製造方法では、カルボン酸基やスルホン酸基を有する水溶性ポリマーまたはスルホン酸基を有する界面活性剤を含む研磨用組成物を用いている。
特開2009−50920号公報
しかしながら、引用文献1に記載の製造方法によれば、基板の端面ダレは低減されるものの、近年の高記録容量化の要望を満足するものではなかった。
よって、高い研磨速度を維持しつつ、端面ダレを低減することができる研磨用組成物が求められていた。
本発明は、このような状況に鑑みなされたものであり、端面ダレを効果的に低減することができるとともに、高い研磨速度を得ることができる研磨用組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、端部形状改善剤として炭素数1〜10のアルキル基で置換された芳香環を有する芳香族スルホン酸またはその塩を含む研磨用組成物が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一実施形態は、砥粒、端部形状改善剤を含み、前記端部形状改善剤は、炭素数1〜10のアルキル基で置換された芳香環を有する芳香族スルホン酸またはその塩である、研磨用組成物である。また、本発明の他の実施形態は、砥粒、酸剤、および端部形状改善剤を含み、前記端部形状改善剤は、炭素数1〜10のアルキル基で置換された芳香環を有する芳香族スルホン酸またはその塩である、研磨用組成物である。
本発明によれば、基板の端面ダレを低減することができるとともに、高い研磨速度を得ることができる研磨用組成物が提供される。
以下、本発明の第一および第二実施形態である研磨用組成物、第三実施形態である第一および第二実施形態の研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する工程を含む磁気ディスク用基板の研磨方法、および第四実施形態である第三実施形態の研磨方法を使用する磁気ディスク用基板の製造方法について、説明する。
<研磨用組成物>
本発明の第一実施形態の研磨用組成物は、砥粒、および端部形状改善剤を含み、前記端部形状改善剤は、炭素数1〜10のアルキル基で置換された芳香環を有する芳香族スルホン酸またはその塩である、研磨用組成物である。また、本発明の第二実施形態の研磨用組成物は、砥粒、酸剤、および端部形状改善剤を含み、前記端部形状改善剤は、炭素数1〜10のアルキル基で置換された芳香環を有する芳香族スルホン酸またはその塩である、研磨用組成物である。
[研磨対象物]
ここに開示される研磨用組成物は、種々の材質および形状を有する研磨対象物の研磨に適用され得る。研磨対象物の材質は、例えば、シリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン、ステンレス鋼等の金属もしくは半金属またはこれらの合金、およびそれらの材料を使用した半導体配線に使用される薄膜;石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ガラス状カーボン等のガラス状物質;アルミナ、シリカ、サファイア、窒化ケイ素、窒化タンタル、炭化チタン等のセラミック材料;炭化ケイ素、窒化ガリウム、ヒ化ガリウム等の化合物半導体基板材料;ポリイミド樹脂等の樹脂材料;等であり得る。例えば、ニッケルリンめっき層を有する基板やガラス材料基板、さらには下記のアルミニウム合金の表面にニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク用基板(Ni−P基板)やガラス製磁気ディスク用基板に適しているが、これらに限定されない。また、これらのうち複数の材質により構成された研磨対象物であってもよい。研磨対象物の形状は特に制限されない。ここに開示される研磨用組成物は、例えば、板状や多面体状等の、平面を有する研磨対象物の研磨に好ましく適用され得る。
ここに開示される技術は、ガラス材料の研磨に好ましく適用され得る。例えば、磁気ディスク用ガラス基板(磁気ディスク用ガラス基板)やフォトマスク用ガラス基板等のガラス基板を研磨する用途に好適である。
また、ここに開示される研磨用組成物は、研磨後の表面の欠陥(特に、概ね平坦な形状(卓状等)の凸欠陥)を高度に低減し得ることから、磁気ディスク用基板の研磨に好ましく適用され得る。例えば、アルミノシリケートガラス等のガラス材料により構成されたガラス製磁気ディスク用基板や、アルミニウム合金の表面にニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク用基板(Ni−P基板)を研磨する用途に好適であり、ガラス製磁気ディスク用基板の研磨への適用が特に好ましい。ここでいうアルミノシリケートガラスには、結晶構造を有しているものや、化学強化処理を施したものが含まれ得る。化学強化処理は研磨後に行ってもよい。
高精度な表面が要求される磁気ディスク用基板の製造プロセスには、一般に、弾性体である研磨パッドを用いて研磨対象物を研磨する工程が含まれる。このような研磨工程は、通常、例えばコロイダルシリカ等の砥粒を含む研磨用組成物(研磨スラリー)を、圧力が加わり押し付けられた研磨パッドと研磨対象物との間に供給して、研磨パッドと対象物とを相対運動させることにより行われる。
上述のような研磨工程においては、研磨パッドに押し付けられた研磨対象物が相対運動を行なうことで研磨用組成物により対象物が研磨される。この際、弾性体(研磨パッド)に押し当てられた状態で研磨対象物が相対運動をすることで、対象物端部への応力集中が発生しうる。上記のように、研磨対象物の端部で過剰に生じた応力集中は、端部において研磨をより進行させるため、研磨対象物の端面ダレが生じやすいという問題がある。
これに対し、本実施形態の研磨用組成物は、上述したように端部形状改善剤として炭素数1〜10のアルキル基で置換された芳香環を有する芳香族スルホン酸またはその塩を含有する。当該芳香族スルホン酸またはその塩は、研磨用組成物(特には、砥粒)に対して滑り性を付与するものと考えられ、滑り性が付与された本実施形態の研磨用組成物は端面ダレを低減することができる。その一方で、滑り性を向上させることで研磨速度が低下するという問題もある。しかしながら、本実施形態に係る芳香族スルホン酸またはその塩は、分子中に、スルホン酸基またはその塩の基と、炭素数1〜10のアルキル基で置換された芳香環とを有する。スルホン酸基またはその塩の基は水溶液中で解離しやすいため、強力な親水基として研磨用組成物において滑り性を付与することができる。同じ分子内に存在する炭素数1〜10のアルキル基で置換された芳香環は疎水基であり、分子量が大きすぎると加工性が損なわれ、分子量が小さすぎると滑り性を付与できず、バランスの優れた分子構造が必要であると考えられる。すなわち、本実施形態で用いられる芳香族スルホン酸またはその塩は、スルホン酸基またはその塩の基部分の親水性と、アルキル基で置換された芳香環部分の非極性(疎水性)とを有することから、当該芳香族スルホン酸またはその塩を含む本実施形態の研磨用組成物は滑り性と摩擦力とのバランスに優れたものとなる。よって、端面ダレを抑制しつつ、高い研磨速度を得ることができる研磨用組成物を提供することができるものと推測される。
なお、上記メカニズムは推測によるものであり、その正誤が本発明の技術的範囲に影響を及ぼすものではない。
以下、本実施形態の研磨用組成物に含まれる各成分について説明する。
[砥粒]
研磨用組成物中の砥粒は、研磨対象物を機械的に研磨する役割を担い、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度の向上に寄与する。
研磨用組成物に含まれる砥粒は、例えば、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、沈降性シリカのようなシリカであってもよいし、ジルコニア、アルミナ、セリアおよびチタニアのようなシリカ以外であってもよい。本実施形態の研磨用組成物に含まれる砥粒として好ましくはコロイダルシリカ、フュームドシリカ、沈降性シリカなどのシリカであり、より好ましくはコロイダルシリカであり、さらに好ましくは球状コロイダルシリカである。研磨用組成物に含まれる砥粒がシリカである場合、さらに言えばコロイダルシリカである場合には、研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨したときに、研磨対象物の表面に発生する表面欠陥がより低減される。
ここで、コロイダルシリカが球状に近いかそうでないかの指標として、コロイダルシリカの長径/短径比の平均値(平均アスペクト比)がある。砥粒が球状である場合、表面粗さ低減等の観点から、好ましくは1.5以下であり、より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.15以下である。また、理想的な真球の場合は1.0でありこれが下限である。アスペクト比が1に近いほど、表面粗さの値の小さい高精度の表面が得られる。
コロイダルシリカの形状(外形)や平均アスペクト比は、例えば、電子顕微鏡観察により把握することができる。平均アスペクト比を把握する具体的な手順としては、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、独立した粒子の形状を認識できる所定個数(例えば200個)の砥粒粒子について、各々の粒子画像に外接する最小の長方形を描く。そして、各粒子画像に対して描かれた長方形について、その長辺の長さ(長径の値)を短辺の長さ(短径の値)で除した値を長径/短径比(アスペクト比)として算出する。上記所定個数の粒子のアスペクト比を算術平均することにより、平均アスペクト比を求めることができる。
研磨用組成物に含まれる砥粒の平均一次粒子径は、好ましくは0.005μm以上であり、より好ましくは0.01μm以上である。研磨用組成物に含まれる砥粒の平均一次粒子径が0.005μm以上の場合には(さらには平均一次粒子径が大きくなるにつれて)、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度がより向上する。また、研磨抵抗の増加を抑え研磨機の振動をより低減させる。また、研磨用組成物に含まれる砥粒の平均一次粒子径は、好ましくは1μm以下であり、より好ましくは0.5μm以下である。研磨用組成物に含まれる砥粒の平均一次粒子径が1μm以下の場合には(さらには平均一次粒子径が小さくなるにつれて)、研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨したときに、研磨対象物の表面に発生する表面欠陥をより低減させる。また、研磨対象物の表面粗度をより減少させることができる。よって、研磨対象物の良好な表面状態の実現のためには、上記範囲の平均一次粒子径を有する砥粒が好ましい。なお、砥粒の平均一次粒子径は、BET法により測定される砥粒の比表面積から算出される。
特に、研磨用組成物に含まれる砥粒がコロイダルシリカである場合、コロイダルシリカの平均一次粒子径としては、0.2μm以下であることが好ましく、0.08μm以下であることがより好ましい。砥粒として研磨用組成物に含まれるコロイダルシリカの平均一次粒子径が0.2μm以下の場合には、研磨用組成物中にコロイダルシリカの沈殿発生を抑制することができる。また、研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨したときに、研磨対象物の表面に発生する表面欠陥をより低減させ、また研磨対象物の表面粗度をより低減させる。したがって、コロイダルシリカの沈殿防止および研磨対象物の更なる表面状態の向上のために、上記範囲の平均一次粒子径を有するコロイダルシリカが好ましい。
研磨用組成物中の砥粒の含有量は、1g/L以上であることが好ましく、より好ましくは5g/L以上、さらに好ましくは20g/L以上である。研磨用組成物中の砥粒の含有量が1g/L以上の場合(さらには含有量が多くなるにつれて)、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度がより向上し、また、研磨抵抗の増加を抑え研磨機の振動をより低減させる。また、研磨用組成物中の砥粒の含有量は、300g/L以下であることが好ましく、200g/L以下であることがより好ましく、180g/L以下であることがさらに好ましい。研磨用組成物中の砥粒の含有量が300g/L以下の場合(さらには含有量が少なくなるにつれて)、砥粒の凝集を抑制し、研磨用組成物中の沈殿の発生を抑制することができる。
本実施形態の研磨用組成物に含まれる砥粒は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
[酸剤]
本発明の第二実施形態の研磨用組成物は、酸剤を含む。研磨用組成物中の酸剤は、研磨対象物を化学的に研磨する役割を担い、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度の向上に寄与する。
研磨用組成物に含まれる酸剤は、無機酸または有機酸のどちらであってもよい。
研磨用組成物に含まれる無機酸としては、具体的には、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸のようなリン酸であってもよいし、ホスホン酸、ホスフィン酸、亜リン酸、スルホン酸、硝酸または硫酸であってもよい。その中でも、オルトリン酸、ポリリン酸、亜リン酸が好ましい。研磨用組成物に含まれる酸が亜リン酸である場合には、研磨用組成物による研磨対象物の端面ダレ低減効果が大きく向上する。また、研磨用組成物に含まれる酸がオルトリン酸またはポリリン酸である場合には、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が大きく向上する。
研磨用組成物に含まれる酸剤は有機酸であってもよく、具体的には炭素数が1〜10の有機カルボン酸、有機ホスホン酸または有機スルホン酸(ただし、後述の端部形状改善剤である芳香族スルホン酸またはその塩は除く)であってもよい。より具体的には、研磨用組成物に含まれる酸としては、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、グリコール酸、コハク酸、イタコン酸、マロン酸、イミノ二酢酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、酒石酸、クロトン酸、ニコチン酸、酢酸、アジピン酸、ギ酸、シュウ酸、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、エチルグリコールアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、フィチン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(略称HEDP)、またはメタンスルホン酸等が挙げられる。これら酸は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
これら有機酸の中でも、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸、マロン酸、メチルアシッドホスフェートまたはHEDPが好ましく、クエン酸、マレイン酸またはマロン酸が特に好ましい。研磨用組成物に含まれる酸がクエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸、マロン酸、メチルアシッドホスフェートまたはHEDPである場合には、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が大きく向上し、その中でもクエン酸、マレイン酸またはマロン酸である場合には、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が特に大きく向上する。
研磨用組成物中の酸剤の含有量は、0.001mol/L以上であることが好ましく、より好ましくは0.005mol/L以上、さらに好ましくは0.01mol/L以上である。研磨用組成物中の酸剤の含有量が0.001mol/L以上の場合(さらには含有量が多くなるにつれて)、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度がより向上する。また、研磨用組成物中の酸剤の含有量は、1mol/L以下であることが好ましく、より好ましくは0.5mol/L以下、さらに好ましくは0.3mol/L以下である。研磨用組成物中の酸剤の含有量が1mol/L以下の場合(さらには含有量が少なくなるにつれて)、研磨用組成物の研磨対象物表面を改質する作用や、腐食作用を低減させる。その結果、研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨したときに、研磨対象物の表面の面荒れを抑制するとともに、研磨機の腐食を防止することができる。
本実施形態の研磨用組成物に含まれる酸剤は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
[アルカリ剤]
本発明の研磨用組成物は、アルカリ剤を含んでもよい。アルカリ剤の例としては、アルカリ金属塩(水酸化物塩を含む。以下同じ。)、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩が挙げられる。より好適な例としては、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素アンモニウム、クエン酸カリウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸水素アンモニウム、酒石酸カリウム、酒石酸カリウムナトリウム、酒石酸アンモニウム、酒石酸水素アンモニウム、臭素酸カリウム、ソルビン酸カリウム、塩素酸カリウム、過塩素酸カリウム、硝酸カルシウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸カリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化アンモニウム、過ヨウ素酸カリウム、フェリシアン化カリウム、酢酸アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウムが挙げられる。なかでも、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素アンモニウムがより好ましい。このようなアルカリ剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルカリ剤を含む態様において、該アルカリ剤の含有量(複数のアルカリ剤を含む態様では、それらの合計含有量)は、所望のpHが得られるように適宜設定することができる。特に限定するものではないが、アルカリ剤の含有量は、例えば0.1g/L以上とすることができる。上記含有量は、研磨レート等の観点から、好ましくは0.5g/L以上、より好ましくは1g/L以上、さらに好ましくは5g/L以上である。また、研磨用組成物の貯蔵安定性等の観点から、上記含有量は、70g/L以下が適当であり、好ましくは50g/L以下、例えば30g/L以下である。
好ましい一態様において、上述した酸剤およびアルカリ剤を、pHの緩衝作用が発揮され得るように組み合わせて使用することができる。特に限定するものではないが、このような緩衝系として、例えば、クエン酸とクエン酸ナトリウムのような弱酸とその塩との組合せや、硫酸と硫酸アンモニウムのような強酸とその塩との組合せなどを利用することができる。
[端部形状改善剤]
研磨用組成物中の端部形状改善剤は、研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨したときに、研磨対象物の表面に発生する端面ダレ(ロールオフ)を低減する作用を有する。このような端面ダレが生じる理由としては、研磨対象物の端部に生じうる応力集中により端部の加工が進行してしまうことが要因と考えられる。研磨対象物が磁気ディスク用基板である場合、磁気ディスクの記録面積が減少してしまう。よって、研磨対象物の端面ダレを低減することにより磁気ディスクの記録面積を高めることができ、記録容量を高めることができる。
本実施形態で用いられる端部形状改善剤は、炭素数1〜10のアルキル基で置換された芳香環を有する芳香族スルホン酸またはその塩である。当該芳香族スルホン酸またはその塩は、スルホン酸基またはその塩の基の親水性部分と、炭素数1〜10のアルキル基で置換された芳香環の疎水性部分とを有し、これにより研磨対象物端部の過剰な研磨を抑制しつつ、高い研磨速度を維持することができるものと考えられる。また、芳香環が有する置換基である炭素数1〜10のアルキル基についても、例えば、炭素数12以上のアルキル基に比べて、炭素数1〜10のアルキル基は疎水性が低いため、これにより芳香環の有する疎水性を制御し、芳香族スルホン酸またはその塩の親水性と非極性(疎水性)とのバランスを調整しているものと推測される。
芳香族スルホン酸またはその塩が有する芳香環としては、例えば、炭素数6〜20の芳香環が挙げられ、具体的にはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ターフェニル環等が挙げられる。
炭素数1〜10のアルキル基とは、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
塩の例としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
本実施形態に係る端部形状改善剤は、好ましくは下記式(1)または(2)で表される芳香族スルホン酸またはその塩である。
式(1)および(2)中、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基であり、XおよびXは、それぞれ独立して、水素原子またはアルカリ金属であり、mは、それぞれ独立して、1〜3の整数であり、nは、それぞれ独立して、1または2である。
式(1)および(2)において、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基であるが、端面ダレを低減するという観点から、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基が好ましい。また、RおよびRは、より好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基がより好ましい。
式(1)および(2)において、XおよびXは、それぞれ独立して、水素原子またはアルカリ金属である。これらの中でも、製造工程上の安全の観点から、ナトリウム、カリウムがより好ましい。なお、式(1)および(2)において、スルホン酸基またはその塩の基の部分が解離して、−SO 基として解離した状態であってもよい。特に、研磨用組成物においては、酸を含有する水溶液であるため、解離した状態であることがより好ましい。
式(1)および(2)において、mは、それぞれ独立して、1〜3の整数であり、好ましくは2または3である。
式(1)および(2)において、nは、それぞれ独立して、1または2であり、好ましくは1である。
本実施形態の研磨用組成物において、端部形状改善剤としては、端面ダレ抑制効果の観点から、式(2)で表される芳香族スルホン酸またはその塩であるのがより好ましい。
本実施形態の研磨用組成物において、上記式(1)および(2)で表される芳香族スルホン酸またはその塩である端部形状改善剤としては、下記式(1a)〜(2c)で表される化合物が、さらに好ましい。
(上記式(1a)〜(2c)において、Xは、それぞれ独立して、水素原子またはアルカリ金属である。)
上記例示化合物のうち、特に好ましくは(1b)、(1c)、(2a)、(2b)、または(2c)であり、特により好ましくは(2a)、(2b)である。
本実施形態の研磨用組成物で用いられる芳香族スルホン酸またはその塩としては、合成してもよいし、市販品を使用してもよい。
研磨用組成物中の端部形状改善剤の含有量は、0.001g/L以上であることが好ましく、0.01g/L以上であることがより好ましく、0.05g/L以上であることがさらに好ましい。端部形状改善剤の含有量が0.001g/L以上の場合(さらには含有量が多くなるにつれて)、研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨したときに、研磨対象物の表面に発生する端面ダレをより低減させる。また、研磨用組成物中の端部形状改善剤の含有量は、10g/L以下であることが好ましく、5g/L以下であることがよい好ましく、3g/L以下であることがさらに好ましい。研磨用組成物中の端部形状改善剤の含有量が10g/L以下の場合(さらには含有量が少なくなるにつれて)、研磨対象物の研磨速度をより向上させることができる。つまり、端部形状改善剤の端面ダレ低減作用に伴う研磨対象物の研磨速度の低下がより防止される。
本実施形態の研磨用組成物に含まれる端部形状改善剤は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
[酸化剤]
本実施形態の研磨用組成物は、酸化剤を含んでいてもよい。酸化剤は、研磨対象物の表面を酸化する作用を有する。酸化剤によって研磨対象物の表面が酸化されると、砥粒による研磨対象物の機械的な研磨が促進され、その結果、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上する。
研磨用組成物に含まれる酸化剤としては、特に制限されないが、例えば、過酸化物、ペルオキソ酸またはその塩、過マンガン酸またはその塩、クロム酸またはその塩、酸素酸またはその塩等が挙げられるが、これらに限定されない。酸化剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、過塩素酸、塩素酸、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、過臭素酸、臭素酸、次亜臭素酸、オルト過ヨウ素酸、メタ過ヨウ素酸、ヨウ素酸、次亜ヨウ素酸、過マンガン酸カリウム、クロム酸金属カリウム、二クロム酸カリウム等が挙げられる。好ましい酸化剤として、過酸化水素、およびペルオキソ二硫酸が例示される。少なくとも過酸化水素を含むことが好ましく、過酸化水素からなることがより好ましい。これら酸化剤は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。このような酸化剤は、典型的には前述の酸剤と合わせて用いられることにより、研磨促進剤として効果的に作用し得る。例えば、金属材料(例えばニッケルリンメッキされた磁気ディスク基板)の研磨に用いられる研磨用組成物において、このような酸化剤を好ましく使用し得る。
研磨対象物が金属である場合、研磨用組成物中の酸化剤の含有量は、有効成分基準で1g/L以上であることが好ましく、3g/L以上であることがより好ましい。研磨用組成物中の酸化剤の含有量が1g/L以上の場合(さらには含有量が多くなるにつれて)、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度をより向上させることができる。また、研磨用組成物中の酸化剤の含有量は、有効成分基準で30g/L以下であることが好ましく、15g/L以下であることがより好ましい。研磨用組成物中の酸化剤の含有量が30g/L以下の場合(さらには含有量が少なくなるにつれて)、研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨したときに、研磨対象物の表面における面荒れを防止することができる。
[水溶性高分子]
また、本実施形態の研磨用組成物には、水溶性高分子をさらに添加してもよい。使用可能な水溶性高分子としては、特に制限はなく、アニオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、両性ポリマーのいずれも使用可能である。そのなかでもアニオン性ポリマーを含むことが好ましい。アニオン性ポリマーには、カルボン酸系重合体、スルホン酸系重合体などがある。
ポリマーの具体例としては、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド等のポリアルキルアリールスルホン酸系化合物;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸系化合物;リグニンスルホン酸、変成リグニンスルホン酸等のリグニンスルホン酸系化合物;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸系化合物;その他、ポリアクリル酸、ポリ酢酸ビニル、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリビニルアルコール、ポリグリセリン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンポリアクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体、ジアリルアミン塩酸塩・二酸化硫黄共重合体、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プルラン、キトサン等が挙げられる。水溶性高分子は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
好ましい一態様では、ポリマーとしてスルホン酸系重合体が用いられる。ここでスルホン酸系重合体とは、該スルホン酸系重合体を構成するモノマー単位として、1分子中に少なくとも一つのスルホン酸基を有する単量体(モノマー)に由来する構成単位Xを含む重合体をいう。スルホン酸基を有する単量体としては、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、イソアミレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタリルスルホン酸等が挙げられる。スルホン酸系重合体は、上記スルホン酸基含有単量体に由来する構成単位Xを、1種または2種以上含んでいることが好ましい。また、スルホン酸基含有単量体以外の単量体に由来する成分を含有していてもよい。
ここに開示されるスルホン酸系重合体の他の好適例として、(メタ)アクリル酸由来の構成単位とスルホン酸基含有単量体由来の構成単位Xとを含む低分子量の(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体が挙げられる。なお、ここでいう「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸の一方または両方を包含する概念である。かかる(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体は、上述したスルホン酸基含有単量体に由来する構成単位Xを、1種または2種以上含んでいてもよい。また、スルホン酸基含有単量体および(メタ)アクリル酸単量体以外の単量体に由来する成分を含有していてもよい。上記(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体の例としては、(メタ)アクリル酸/イソプレンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/イソプレンスルホン酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体等が挙げられる。かかる(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体は、中和された塩の形態で用いられてもよい。中和された塩としては、Na、K等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩等が挙げられる。
これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムなどのポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリ酢酸ビニルなどが使用されるが、特に好適に使用されうるのは、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムなどのポリスチレンスルホン酸塩である。水溶性高分子の重量平均分子量は、1,000以上であることが好ましく、3,000以上であることがより好ましく、5,000以上であることがさらに好ましく、10,000以上であることが特に好ましい。また、水溶性高分子の重量平均分子量は、5,000,000以下であることが好ましく、2,500,000以下であることがより好ましく、1,000,000以下であることがさらに好ましく、100,000以下がさらにより好ましい。
[分散媒]
本実施形態の研磨用組成物は、通常各成分の分散または溶解のための分散媒(溶媒)が用いられる。分散媒としては、有機溶媒、水が挙げられるが、分散媒として水を含むことが好ましい。また、分散媒は、各成分の分散または溶解のために、水と有機溶媒との混合物であってもよい。この場合、用いられる有機溶媒としては、水と混和する有機溶媒であるアセトン、アセトニトリル、エタノール、メタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。また、これらの有機溶媒を水と混合せずに用いて、各成分を分散または溶解した後に、水と混合してもよい。これら有機溶媒は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
本実施形態の研磨用組成物に用いられる水としては、他の成分の作用を阻害するという観点から、不純物をできる限り含有しない水が好ましい。具体的には、イオン交換樹脂にて不純物イオンを除去した後フィルタを通して異物を除去した純水や超純水、または蒸留水が好ましい。
[その他の成分]
本実施形態の研磨用組成物には本発明の効果を阻害しない範囲内において、必要に応じて防腐剤、防カビ剤、防食剤、消泡剤、キレート剤等を添加してもよい。例えば、防腐剤および防カビ剤としては、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンや5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系防腐剤、パラオキシ安息香酸エステル類、およびフェノキシエタノール等が挙げられるが、これに制限されない。これら防腐剤、防カビ剤、防食剤、消泡剤、キレート剤等は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。
[研磨用組成物のpH値]
本実施形態の研磨用組成物のpHは、好ましくは1以上である。また、pHは好ましくは13以下であり、より好ましくは12以下である。研磨用組成物のpHが上記範囲内であれば、研磨用組成物の加工性に優れる。
上記pHは、例えば、ガラス磁気ディスク基板等のガラス材料の研磨に用いられる研磨液(例えばポリシング用の研磨液)に好ましく適用され得る。ガラス材料の研磨において、より平滑性の高い表面を得るために、pHの下限は2.5以上が好ましい。薬液による表面荒れを抑えるという観点からは、pHの上限は12以下が好ましく、11以下がより好ましい。また、上記pHはNi−P基板にも適用可能であるが、研磨装置腐食の観点からpHの下限は1以上が好ましい。加工性の観点からは、pHの上限は3以下が好ましく、2.5以下がより好ましい。
pHを調整する場合は、pH調整剤を用いてもよい。かかるpH調整剤としては、特に制限されず、上記で説明した酸剤やアルカリ剤を使用することができる。また、上記アルカリ剤以外の塩基性化合物も用いることができる。
pH調整剤として使用できる上記アルカリ剤以外の塩基性化合物の具体例としては、特に制限されないが、アンモニア、アミン、リン酸塩やリン酸水素塩、有機酸塩等が挙げられる。
アミンの具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、グアニジン、イミダゾールやトリアゾール等のアゾール類等が挙げられる。
リン酸塩やリン酸水素塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属塩、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム等のアンモニウム塩が挙げられる。
以上、上述した本実施形態の研磨用組成物によれば、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態の研磨用組成物には、研磨対象物の表面に発生する端面ダレを低減する作用を有する端部形状改善剤としての芳香族スルホン酸またはその塩が含まれている。したがって、本発明に係る研磨用組成物によれば、研磨対象物を研磨したときに研磨対象物の表面に発生する端面ダレを低減することができる。また、本実施形態に係る研磨用組成物には、研磨対象物を機械的に研磨する役割を担う砥粒と、研磨対象物を化学的に研磨する役割を担う酸とが含まれているため、研磨対象物を高い研磨速度で研磨することができる。よって、本実施形態によれば、特に磁気ディスク用基板を研磨する用途での使用に適した研磨用組成物を提供することができる。
また、研磨用組成物中に含まれる化学物質は、酸性溶液中でも分解しにくいことが好ましい。端部形状改善剤としても、構造式中にエステル結合を含まないなど、化学的に安定なものが好適である。
本実施形態の研磨用組成物に用いられる端部形状改善剤は、酸性薬液に対する安定性も高く、例えば端部形状改善剤を硫酸酸性pH1.0にpH調整を行った0.5wt%水溶液にて、60℃で2週間静置した状態であっても、親水基と疎水基との分解による溶液の分離(分解油分の浮きや分解油分分散による濁り発生)が見られない。
<研磨用組成物の製造方法>
本実施形態の研磨用組成物は、砥粒、および端部形状改善剤、さらに必要に応じてその他の成分を、分散媒中で混合することにより製造される。研磨用組成物を調製するに際しての各成分の混合順序は特に制限されず、例えば、分散媒に、分散媒以外の全ての成分を一括して添加して撹拌混合してもよいし、一成分ずつ添加し撹拌混合することを繰り返してもよい。また、各成分を混合する際の温度は特に制限されないが、10℃以上40℃以下が好ましく、溶解速度を上げるために加熱してもよい。また、混合時間も特に制限されない。
また、本実施形態の研磨用組成物は、上記のようにして得られた研磨用組成物の原液を水で希釈することによって調製されてもよい。
<磁気ディスク用基板の製造方法>
上述のように、第一および第二実施形態の研磨用組成物は、研磨対象物として磁気ディスク用基板を研磨するのに好適に用いられる。よって、本発明の第三実施形態は、第一および第二実施形態の研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する工程を含む、磁気ディスク用基板の研磨方法である。また、本発明の第四実施形態は、第三実施形態の研磨方法を使用する磁気ディスク用基板の製造方法である。
以下に、第一および第二実施形態の研磨用組成物を用いた研磨対象物の研磨方法(第三実施形態)について説明する。
第一および第二実施形態の研磨用組成物は、例えば磁気ディスク用基板の研磨で通常用いられる装置および条件で使用することができる。片面研磨装置を使用する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いて研磨対象物を保持し、研磨パッドを貼付した定盤を基板の片面に押しつけた状態で、研磨用組成物を研磨対象物に対して供給しながら定盤を回転させることにより研磨対象物の片面を研磨する。両面研磨装置を使用する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いて研磨対象物を保持し、研磨パッドをそれぞれ貼付した上下の定盤を研磨対象物の両面に押しつけた状態で、上方から研磨対象物に対して研磨用組成物を供給しながら、2つの定盤を互いに反対方向に回転させることにより研磨対象物の両面を研磨する。このとき、研磨パッドおよび研磨用組成物中の砥粒が研磨対象物の表面に摩擦することによる物理的作用と、研磨用組成物中の砥粒以外の成分が研磨対象物の表面に与える化学的作用とによって基板の表面は研磨される。
研磨時の荷重、すなわち研磨荷重を高くするほど、研磨速度が上昇する。前記実施形態の研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨するときの研磨荷重は特に限定されないが、基板表面の面積1cm当たり30g以上200g以下であることが好ましく、60g以上150g以下であることがより好ましい。研磨荷重が上記範囲内である場合には、実用上十分な研磨速度が得られると同時に、研磨後に表面欠陥の少ない研磨対象物を得ることができる。
研磨時の線速度、すなわち研磨線速度は一般に、研磨パッドの回転数、キャリアの回転数、研磨対象物の大きさ、研磨パッドの面積等のパラメータの影響を受けるため、研磨対象物や研磨装置の種類、その他研磨条件に対して適宜設定される。線速度が大きくなるほど、研磨対象物に加わる摩擦熱が大きくなるために、研磨用組成物による化学的な研磨作用が強まることもある。ただし、線速度が大きすぎると、遠心力により研磨パッド上のスラリーが外周部から排出され、研磨速度の低下や研磨機の振動をきたすことがある。
研磨装置に対する研磨用組成物の供給速度は、研磨対象物の種類や、研磨装置の種類、研磨条件によって適宜に設定される。ただし、研磨対象物の研磨面および研磨パッドの全体に対してむらなく研磨用組成物が供給されるのに十分な速度であることが好ましい。
研磨対象物を研磨するときに使用される研磨パッドとしては、例えば、一般的な不織布、スウェード、ポリウレタン、フッ素樹脂等の多孔質体を特に制限なく使用することができる。また、砥粒を含むものであっても、砥粒を含まないものであってもよい。研磨パッドには、研磨用組成物が溜まるような溝加工が施されていることが好ましい。研磨パッドの硬度および厚みは、特に制限されない。
次に、本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
(実施例1〜3および比較例1〜6の研磨用組成物の調製)
砥粒としてSiO(球状コロイダルシリカ(平均アスペクト比1.2)、平均一次粒子径17nm)を165g/L、酸剤として亜リン酸4.12g/L、端部形状改善剤として表1で示される化合物を表1に記載の量になるように、水に適宜に混合することにより実施例1〜3および比較例1〜6の研磨用組成物を調製した。実施例1〜3および比較例2〜6の研磨用組成物で用いた端部形状改善剤は、以下の市販品を用いたものである。また、比較例1では端部形状改善剤は、使用しなかった。
・トリイソプロピルナフタレンスルホン酸Na、分子量約356
・モノイソプロピルナフタレンスルホン酸Na、分子量約272
・ジイソプロピルナフタレンスルホン酸Na、分子量約314
・POAアリルフェニルエーテルサルフェートNa、分子量約1,900
・ラウレス硫酸Na(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸Na)(2E.O.)、分子量約376
・POE(2)アルキル(C12−C14)スルホコハク酸2Na、分子量約512
・モノオレイン酸POEソルビタン(20E.O.)、分子量約1,309
・ポリアクリル酸Na、分子量約3,000
(研磨工程)
上記のようにして得られた実施例1〜3および比較例1〜6の研磨用組成物を用いて、研磨機として装置SPEEDFAM社製 両面研磨機9B−5Pを用いて下記条件で磁気ディスク用基板の研磨を行った。
<研磨条件>
研磨対象物:直径65mmの磁気ディスク用ガラス基板(アルミノシリケートガラス)
投入した研磨対象物(基板)の枚数:10枚
研磨機:SPEEDFAM社製 両面研磨機9B−5P
研磨パッド:スエードパッド
研磨荷重:75g/cm
定盤回転数:40rpm
研磨用組成物の供給速度:150mL/分
取り代(両面):2μm
(評価)
実施例1〜3および比較例1〜6の研磨用組成物に対して、研磨用組成物の保存安定性の評価を行った。
また、実施例1〜3および比較例1〜6の研磨用組成物を用いて上記条件で研磨対象物の研磨を行い、研磨速度および端面ダレの評価を行った。
<端部形状改善剤の酸性溶液中での安定性>
実施例1〜3および比較例1〜6で得られた研磨用組成物を、以下の方法により保存安定性を評価した。
端部形状改善剤を、硫酸酸性pH1.0にpH調整を行った0.5wt%水溶液にて60℃で2週間静置して、外観の変化を以下の基準に従って評価した。評価結果を表1に「端部形状改善剤の酸性溶液中での安定性」として示す:
○:溶液に濁りなく、油分の浮遊もなし(変化無し)
×:溶液に濁りあり、もしくは油分の浮遊発生。
<研磨速度>
上記研磨工程において、実施例1〜3および比較例1〜6の研磨用組成物を用いた際のそれぞれの研磨速度を下記計算式により求めた。
表1には、実施例1〜3および比較例1〜6の研磨用組成物を用いた際の研磨速度を、比較例1の研磨速度に対して相対的に評価した結果を「研磨速度(相対比)」として示す。比較例1に対する研磨速度(相対比)は、実用上70%以上が合格である。
−研磨速度 計算式−
研磨速度[μm/分]=研磨による基板の重量減少量[g]/(基板面積[cm]×基板の密度[g/cm]×研磨時間[分])×10
<端面ダレの評価>
端面ダレの評価として、「端部形状改善指標」を表1に示す。「端部形状改善指標」は下記方法に従って評価した。
実施例1〜3および比較例1〜6の研磨用組成物を用いて上記研磨条件で研磨した研磨対象物において、装置NewView5032(Zygo社製)を用いて、倍率2.5倍(対物レンズ0.5倍)にて研磨後ディスク端部を測定し、ディスク基板の半径29.9−31.5mm位置にレベリングした際の半径29.9−31.5mm範囲内での山の高さを端面ダレの結果(Dub−off(Å)値)とした。なお、研磨前面については同一処理を施した基板(端部形状改善指標が比較例1対比で40−60%のもの)を用いた。
表1には、実施例1〜3および比較例1〜6の研磨用組成物を用いた際の端面ダレの評価結果を、比較例1の端面ダレの評価結果に対して相対的に評価した結果を「端部形状改善指標」として示す。比較例1に対する端部形状改善指標は、実用上60%以下が合格である。
上記表1に示すように、実施例1〜3の研磨用組成物では、端部形状安定剤の酸性溶液中での安定性に優れ、研磨速度および端部形状改善指標に関して実用上満足できる結果が得られた。それに対し、比較例1〜6では研磨速度および端部形状改善指標のいずれかに関して実用上満足できる結果が得られなかった。

Claims (7)

  1. 砥粒、および端部形状改善剤を含み、
    前記端部形状改善剤は、炭素数1〜10のアルキル基で置換された芳香環を有する芳香族スルホン酸またはその塩である、研磨用組成物。
  2. 砥粒、酸剤、および端部形状改善剤を含み、
    前記端部形状改善剤は、炭素数1〜10のアルキル基で置換された芳香環を有する芳香族スルホン酸またはその塩である、研磨用組成物。
  3. 前記端部形状改善剤が、下記式(1)および(2):
    式(1)および(2)中、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基であり、XおよびXは、それぞれ独立して、水素原子またはアルカリ金属であり、mは、それぞれ独立して、1〜3の整数であり、nは、それぞれ独立して、1または2である、
    で表される芳香族スルホン酸またはその塩からなる群より選択される1種以上である、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. 前記端部形状改善剤が、下記式(2):
    式(2)中、R、X、m、およびnは、前記と同じである、
    で表される芳香族スルホン酸またはその塩である、請求項3に記載の研磨用組成物。
  5. 磁気ディスク用基板を研磨するのに使用される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する工程を含む、磁気ディスク用基板の研磨方法。
  7. 請求項6に記載の研磨方法を使用する、磁気ディスク用基板の製造方法。
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