JP7318890B2 - 光硬化性組成物調製用キット - Google Patents
光硬化性組成物調製用キット Download PDFInfo
- Publication number
- JP7318890B2 JP7318890B2 JP2020025010A JP2020025010A JP7318890B2 JP 7318890 B2 JP7318890 B2 JP 7318890B2 JP 2020025010 A JP2020025010 A JP 2020025010A JP 2020025010 A JP2020025010 A JP 2020025010A JP 7318890 B2 JP7318890 B2 JP 7318890B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- photocurable composition
- liquid material
- acid
- meth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Dental Preparations (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
Description
ことを特徴とする。ここで、成分(a)及び成分(b)は硬化後における硬化体本体を構成するものであり、(c)成分、(d)成分及び(e)成分の組み合わせは、光重合開始剤を構成するものである。
本発明の光硬化性組成物調製用キットの調製目的物である光硬化性組成物(目的光硬化性組成物)は、前記成分(a)~(e)を含む。以下、これら成分について説明する。
(a)成分の重合性単量体としては、ラジカル重合性単量体を好適に使用することができる。ラジカル重合性単量体としては、公知のラジカル重合性単量体が何ら制限なく挙げられる。中でも、得られる硬化体の機械的強度、および硬化体内における(b)成分:樹脂粒子の分散性の観点から(メタ)アクリレート系(メタクリレート系、またはアクリレート系)の重合性単量体が好適に用いられる。特に本発明の光硬化性組成物が歯科用の光硬化性組成物である場合には、歯科用に使用される、単官能乃至4官能の(メタ)アクリレート系重合性単量体が好適に使用できる。すなわち、1分子内に1つの(メタ)アクリレート基を有する単官能重合性単量体、1分子中に2つの(メタ)アクリレート基を有する2官能重合性単量体、1分子中に3つの(メタ)アクリレート基を有する3官能重合性単量体、1分子中に4つの(メタ)アクリレート基を有する4官能重合性単量体が好適に使用できる。好適に使用できるこれら重合性単量体を上記分類に従って、以下に具体的に例示する。なお、例示される重合性単量体は、単独で、又は複数種類のものを組み合わせて使用することができる。
好適に使用できる単官能(メタ)アクリレート系重合性単量体を具体的例示すると、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、n-オクタデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロキシエチルプロピオネート、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
好適に使用できる二官能(メタ)アクリレート系重合性単量体を具体的例示すると、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ウンデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘプタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オクタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ステアリルジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス((メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロキシフェニル)]プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン等を挙げることができる。
好適に使用できる三官能(メタ)アクリレート系重合性単量体を例示すると、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
好適に使用できる四官能(メタ)アクリレート系重合性単量体としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
(b)成分としては、液材への溶解性や膨潤性や得られる硬化体の機械的強度の点から、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量が3~200万の範囲、好ましくは5~100万の範囲である樹脂粒子を使用する。本発明で好適に使用される(b)成分の樹脂粒子としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸アミル、ポリメタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸メチル-メタクリル酸エチル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体等からなる樹脂粒子を挙げることができる。これら樹脂粒子は、単独で使用しても良いし、複数種類を組み合わせて使用してもよい。
(c)成分のα-ジケトン化合物は、最大吸収波長を350~700nmに有し、活性光によりラジカルのような重合に有効な活性種を成長させる機能を有する化合物である。活性種は通常、重合性単量体または他の物質との間でエネルギー移動あるいは電子移動の結果生じる。
本発明において使用される(d)成分の第三級アミン化合物は、所謂還元剤(或いは電子供与体)であり、重合促進機能を有する。該第三級アミン化合物は、このような機能を有するものであれば、公知の化合物が何ら制限なく使用できる。具体的には、分子中に芳香族環を有する芳香族第三級アミン化合物や、分子中に芳香族環を有していない脂肪族第三級アミン化合物の何れも使用できる。中でも、臭気等の点から芳香族第三級アミン化合物を使用することが好ましい。
目的光硬化性組成物においては、硬化体における表面未重合層の形成を抑制するために、前記(c)成分及び(d)成分と共に高活性光重合開始剤系を構成する非重合性酸性化合物として、(e)成分である水中(25℃)での酸解離定数が3.0以上で同一分子内にカルボニル基を2つ以上有するα-ヒドロキシカルボン酸を使用する必要がある。当該(e)成分は、従来の非重合性酸性化合物と同様に、還元剤(或いは電子供与体)として機能して重合を促進するだけでなく、恐らく水酸基によって空気中に含まれる水分子が表面に配列し、酸素遮断膜として機能するような水分子膜が形成されることにより、表面未重合層の形成を抑制する。同一分子内にカルボニル基を2つ以上有するα-ヒドロキシカルボン酸であっても前記酸解離定数が3.0未満である場合には、第三級アミン化合物との塩形成による失活が起こり、表面未重合層の形成を抑制する効果が得られない。
上記他の開始剤成分としては、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物類; 酸化バナジウム(IV)アセチルアセトナート、ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)等の+IV価又は+V価のバナジウム化合物類; テトラフェニルホウ素ナトリウム、テトラフェニルホウ素トリエタノールアミン塩、テトラフェニルホウ素ジメチル-p-トルイジン塩、テトラキス(p-フルオロフェニル)ホウ素ナトリウム、ブチルトリ(p-フルオロフェニル)ホウ素ナトリウム等のアリールボレート化合物類; ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンソイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類; ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類; 2,4-ジエトキシチオキサンソン、2-クロロチオキサンソン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン誘導体; ベンゾフェノン、p,p’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’-ジメトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体類等を挙げることができる。
前記その他充填材としては、無機粒子(無機フィラー)、有機-無機複合粒子(有機-無機複合フィラー)が使用できる。無機粒子として好適に使用できるものを具体的に例示すれば、石英、シリカ、アルミナ、シリカチタニア、シリカジルコニア、ランタンガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス等を挙げることができる。また、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム等の水酸化物;又は酸化亜鉛、ケイ酸塩ガラス、フルオロアルミノシリケートガラス等の酸化物;からなるカチオン溶出性無機粒子も好適に使用することができる。前記有機-無機複合粒子としては、これら無機粒子に(a)重合性単量体を予め添加し、ペースト状にした後、重合させ、粉砕して得られる粒状の有機-無機複合粒子が好適に使用できる。
前記したように、光重合型の義歯床用裏装材は、樹脂粒子を主成分とする粉材と、重合性単量体を主成分とする液材と、に2分包された粉液型のキットとして提供され、使用時に粉材と液材を混ぜてペーストを得、これを義歯上に盛りつけ、口腔粘膜と適合を図った後に最終硬化するのが一般的である。このような粉液型の義歯床用裏装材では、粉材と液材を混合した際に、粉材の主成分である樹脂粒子に液材の主成分である重合性単量体が徐々に浸透して樹脂粒子を膨潤させると共に溶解し、レジン泥となる。このとき、混和直後は樹脂粒子の膨潤・溶解が少なく高流動性を有するが、膨潤・溶解が進むにつれて徐々に粘度が上昇し、塑性変形する程度の状態を経て、塑性変形しない状態となる。したがって、歯科医師等の使用者は、混和時間を調整して作業し易いペースト性状にしてから上記盛り付け及び口腔粘膜との適合を図るが、実際の使用を想定すると、所望のペースト性状になるまでの混和時間は20秒程になるように設計されることが多い。
・HPr:2-メタクリロキシエチルプルピオネート(単官能重合性単量体、分子量186)
・ND:1,9-ノナメチレンジオールジメタクリレート(二官能重合性単量体、分子量296)
・TT:トリメチロールプロパントリメタクリレート(三官能重合性単量体、分子量338)
・PT:ペンタエリスリトールテトラメタクリレート(四官能重合性単量体、分子量367)。
・PEMA:球状ポリエチルメタクリレート粒子(平均粒径35μm、重量平均分子量50万)
・PS:球状ポリスチレン粒子(非架橋型、平均粒径30μm、重量平均分子量40万)
また、ND、TT及びPTについて同様にして高速液体カラムクロマトグラフィーを用いた分析を行ったところ、パラトルエンスルホン酸及び他の有機スルホン酸に由来するピークは検出されなかった。
・カンファーキノン
・ベンジル。
・DMBE:p-ジメチルアミノ安息香酸エチル
・MDEOA:N-メチルジエタノールアミン。
・リンゴ酸(3.4)
・酒石酸(3.0)。
・オルトリン酸(2.1)。
・ジブチルヒドロキシトルエン
・有機顔料
・10%ポリビニルアルコール水溶液。
粉材と液材とを、粉材(g)/液材(ml)=1.8/1の割合でラバーカップ内に入れ、20秒間混和した。20×20×1mmのポリテトラフルオロエチレン製のモールドに、混和した光硬化性組成物(粉材と液材とを混合してなる光硬化性組成物)を流し込み、片面を大気中に曝した状態で歯科技工用光重合装置αライトV(MORITA社製)を用いて波長465~475nmの活性光(光出力密度100mW/cm2)を5分間照射し、硬化体を作製した。得られた硬化体の厚みを5点測定後、エタノールに1分間浸漬し、未重合層を金属スパチュラで削合した。表面未重合層を除去した硬化体の厚みを測定し、エタノールに浸漬させる前の硬化体厚みの平均と金属スパチュラで除去した後の硬化体の厚みの平均との差を表面未重合層の厚さとした。なお、実施例39および比較例5については、歯科技工用光重合装置αライトVで光照射を行う前に光硬化性組成物をイオン交換水中に一度浸漬して表面に水を付着させた後に、気相中に取り出して光硬化を行った。それ以外の操作は上記の方法にて試験を行った。また、比較例6においては、歯科技工用光重合装置αライトVで光照射を行う前に10%ポリビニルアルコール水溶液を光硬化性組成物に塗布してから硬化体を作製した。それ以外の操作は上記の方法にて試験を行った。
粉材と液材とを、粉材(g)/液材(ml)=1.8/1の割合でラバーカップ内に入れ、20秒間混和した。内径4mmφの黒色ゴム管内に練和した光硬化性組成物(粉材と液材とを混合してなる光硬化性組成物)を充填して両面をポリプロピレンフィルムで圧接した。その後、直ちに歯科用光照射器トクソーパワーライト(トクヤマデンタル社製)を用いて波長400~520nmの活性光(光出力密度700mW/cm2)を60秒間照射し硬化させた。サンプルを黒色ゴム管から取り出し、未硬化部分を取り除いてから、硬化した部分の長さをノギスで測定し光硬化深さとした。なお、実施例39および比較例5は、ポリプロピレンフィルムで圧接を行う前に光硬化性組成物をイオン交換水中に一度浸漬した後、気相中に取り出して光硬化を行った。また、比較例6においては、ポリプロピレンフィルムで圧接を行う前に10%ポリビニルアルコール水溶液を光硬化性組成物に塗布してから硬化させた。それ以外の操作は上記の方法にて試験を行った。
粉材と液材とを、粉材(g)/液材(ml)=1.8/1の割合でラバーカップ内に入れ、20秒間混和した。30×30×2mmのポリテトラフルオロエチレン製のモールドに、混和した光硬化性組成物(粉材と液材とを混合してなる光硬化性組成物)を流し込み、両面をポリプロピレンフィルムで圧接した状態で歯科技工用光重合装置αライトV(MORITA社製)を用いて波長465~475nmの活性光(光出力密度100mW/cm2)を5分間照射し、硬化体を作製した。次いで、#800および#1500の耐水研磨紙にて硬化体を研磨後、4×30×2mmの角柱状の試験片に切断した。この試験片を試験機(島津製作所製、オートグラフAG5000D)に装着し、支点間距離20mm、クロスヘッドスピード1mm/分で3点曲げ強度を測定した。なお、実施例39および比較例5は、ポリプロピレンフィルムで圧接を行う前に光硬化性組成物をイオン交換水中に一度浸漬した後、気相中に取り出して光硬化を行った。また、比較例6においては、ポリプロピレンフィルムで圧接を行う前に10%ポリビニルアルコール水溶液を光硬化性組成物に塗布してから硬化させた。それ以外の操作は上記の方法にて試験を行った。
粉材として、(b)樹脂粒子:PEMA(180質量部)、及び(c)α-ジケトン化合物:カンファーキノン(0.3質量部)を混合した。一方、液材として、(a)単官能重合性単量体:HPr(60質量部)、二官能重合性単量体:ND(40質量部)、(d)第三級アミン化合物:DMBE(0.5質量部)、及び(e)水中(25℃)での酸解離定数が3.0以上で同一分子内にカルボニル基を2つ以上有するα-ヒドロキシカルボン酸:リンゴ酸を混合した。得られた粉材と液材とを前記評価方法(1)~(3)に記載した方法に従い硬化体を作製し、得られた硬化体の表面未重合量、光硬化深さ、及び3点曲げ強度を評価した。
粉材と液材との組成を表1に示した。また、評価結果を表4に示した。
粉材と液材との組成を表1および表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法により粉液型の光硬化性組成物(義歯床用裏装材組成物)を作製し、得られた光硬化性組成物を実施例1と同様の方法により硬化体を作製し、得られた硬化体を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を表4に示した。
粉材と液材との組成を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法により粉液型の光硬化性組成物(義歯床用裏装材組成物)を作製した。得られた粉材と液材とを前記評価方法(1)~(3)に記載した方法に従い硬化体を作製し、得られた硬化体を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を評価結果に表4に示した。
粉材と液材との組成を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法により粉液型の光硬化性組成物(義歯床用裏装材組成物)を作製し、得られた光硬化性組成物を実施例1と同様の方法により硬化体を作製し、得られた硬化体を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を表4に示した。
粉材と液材との組成を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法により粉液型の光硬化性組成物(義歯床用裏装材組成物)を作製した。得られた粉材と液材とを前記評価方法(1)~(3)に記載した方法に従い硬化体を作製し、得られた硬化体を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を表4に示した。
粉材に顔料として、チバガイギー株式会社製のピグメントレッド144を80ppm、ピグメントイエロー95を10ppm、ピグメントブルー60を3ppm、石原産業株式会社製の二酸化チタンを220ppm添加し、義歯床用裏装材として使用可能なピンク色に調色した以外は実施例1と同様にして粉材及び液材を調製した。調製後50℃で1カ月保管した液材(保管後液材)のハーゼン色数を測定したところ、120度であった。なお、ハーゼン色数の測定は、ハーゼン色数が500度である標準液を希釈してハーゼン色数が10度刻みとなるように、ハーゼン色数が50度~500度までの溶液を調整し、目視にて比較をすることで液材のハーゼン色数を判断することにより行った。
また、上記保管後の液材を粉材と混合して光硬化性組成物を調製し、得られた光硬化性組成物を用いて30mm×30mm×2mmの硬化体を作製すると共に、別途同様に調製した、調製直後の液材及び粉材を用いて同様の硬化体を作成した。両硬化体を並べて黒背景及び白背景に置き、目視にて比較を行ったところ、黒背景白背景共に両者間で全く差が見られず、評価は◎であった。なお、当該目視評価における評価基準は、以下のとおりである。
◎:黒背景白背景共に差が全く見られない
○:黒背景では差が見られず、白背景で僅かに差が見られる
△:白背景では差が見られるものの黒背景でわずかに差が見られる
×:黒背景白背景ともに差が見られる
液材総質量を基準とする液材中のパラトルエンスルホン酸質量(ppm)、上記保管を行った後の液材のハーゼン色数及び上記硬化体目視評価結果を表5に示す。
実施例40において、パラトルエンスルホン酸濃度が660ppmであるHPrを用いる他は実施例40と同様にして液材及び粉材を調製し、実施例40と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
実施例40において、液材中のパラトルエンスルホン酸濃度が表5に示す量になるように液材にパラトルエンスルホン酸を添加したした他は実施例40と同様にして液材及び粉材を調製し、実施例40と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
Claims (5)
- 重合性単量体からなる(a)成分、ゲルパーミネーションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が3~200万である樹脂粒子からなる(b)成分、α-ジケトン化合物からなる(c)成分、第三級アミン化合物からなる(d)成分、及び水中(25℃)での酸解離定数が3.0以上で同一分子内にカルボニル基を2つ以上有するα-ヒドロキシカルボン酸からなる(e)成分を含んでなる光硬化性組成物を調製するためのキットであって、
前記(a)成分及び前記(e)成分を含む液材と、前記(b)成分を含む粉材と、から成り、
前記(c)成分及び前記(d)成分は、夫々前記液材又は前記粉材の何れか一方に含まれ、
前記(a)成分は、有機スルホン酸を用いてアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応によって得られた、不純物として前記有機スルホン酸を含む重合性単量体を含み、
前記液材中に不純物として含まれる前記有機スルホン酸の含有量が、当該液材の質量基準で300ppm以下である、
ことを特徴とする光硬化性組成物調製用キット。 - 前記(c)成分が粉材に含まれ、前記(d)成分が液材に含まれる請求項1に記載の光硬化性組成物調製用キット。
- 前記(a)成分:重合性単量体100質量部に対する前記(b)成分:樹脂粒子、前記(c)成分:α-ジケトン化合物、前記(d)成分:第三級アミン化合物、及び前記(e)成分:α-ヒドロキシカルボン酸の配合量が夫々、前記(b)成分:100~260質量部、前記(c)成分:0.1~1.0質量部、前記(d)成分:0.1~2.0質量部、及び前記(e)成分:0.005~0.1質量部である前記光硬化性組成物を調製するためのキットである、請求項1又は2に記載の光硬化性組成物調製用キット。
- 前記(e)成分:α-ヒドロキシカルボン酸としてリンゴ酸を含む請求項1乃至3の何れかに記載の光硬化性組成物調製用キット。
- 義歯床用裏装材用の光硬化性組成物を調製するためのキットである、請求項1乃至4の何れかに記載の光硬化性組成物調製用キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020025010A JP7318890B2 (ja) | 2020-02-18 | 2020-02-18 | 光硬化性組成物調製用キット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020025010A JP7318890B2 (ja) | 2020-02-18 | 2020-02-18 | 光硬化性組成物調製用キット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021130732A JP2021130732A (ja) | 2021-09-09 |
JP7318890B2 true JP7318890B2 (ja) | 2023-08-01 |
Family
ID=77552087
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020025010A Active JP7318890B2 (ja) | 2020-02-18 | 2020-02-18 | 光硬化性組成物調製用キット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7318890B2 (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007332044A (ja) | 2006-06-12 | 2007-12-27 | Gc Dental Products Corp | 義歯床用材料 |
JP2009051925A (ja) | 2007-08-27 | 2009-03-12 | Tokuyama Dental Corp | 光重合開始剤 |
JP2011213801A (ja) | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Seiko Epson Corp | ラジカル系光硬化型インク組成物 |
JP2016014000A (ja) | 2014-07-03 | 2016-01-28 | 株式会社松風 | 連鎖移動剤を含む歯科切削加工用レジン材料組成物 |
JP2017141211A (ja) | 2016-02-12 | 2017-08-17 | 株式会社トクヤマデンタル | 歯科用粘膜調整材 |
JP6779506B2 (ja) | 2018-09-21 | 2020-11-04 | 株式会社トクヤマデンタル | 光硬化性組成物 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6222804A (ja) * | 1985-07-23 | 1987-01-31 | Tokuyama Soda Co Ltd | 光重合用触媒組成物 |
-
2020
- 2020-02-18 JP JP2020025010A patent/JP7318890B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007332044A (ja) | 2006-06-12 | 2007-12-27 | Gc Dental Products Corp | 義歯床用材料 |
JP2009051925A (ja) | 2007-08-27 | 2009-03-12 | Tokuyama Dental Corp | 光重合開始剤 |
JP2011213801A (ja) | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Seiko Epson Corp | ラジカル系光硬化型インク組成物 |
JP2016014000A (ja) | 2014-07-03 | 2016-01-28 | 株式会社松風 | 連鎖移動剤を含む歯科切削加工用レジン材料組成物 |
JP2017141211A (ja) | 2016-02-12 | 2017-08-17 | 株式会社トクヤマデンタル | 歯科用粘膜調整材 |
JP6779506B2 (ja) | 2018-09-21 | 2020-11-04 | 株式会社トクヤマデンタル | 光硬化性組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021130732A (ja) | 2021-09-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1190695B1 (en) | Catalyst for chemical polymerization of dental materials | |
JP4671208B2 (ja) | 歯科用化学重合触媒 | |
JPH0419245B2 (ja) | ||
WO2007139207A1 (ja) | 1液型歯科用接着性組成物 | |
KR102270134B1 (ko) | 광경화성 조성물 및 의치상용 이장재, 및 이들을 조제하기 위한 키트 | |
JPH09509392A (ja) | ペースト:ペーストガラスイオノマーセメント系および方法 | |
JP6016656B2 (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
JP5279233B2 (ja) | レジン硬化物製歯科補綴物表面処理用プライマー組成物 | |
JP7016494B2 (ja) | 義歯床用裏装材組成物調製用キット | |
JP7318890B2 (ja) | 光硬化性組成物調製用キット | |
JP5914071B2 (ja) | 歯科用接着性組成物 | |
JP3449378B2 (ja) | 歯科用充填修復材料及び義歯床用樹脂組成物 | |
JP5991818B2 (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
EP2049066A2 (en) | Light emitting diode curable acrylates with reduced yellowing | |
JP7270932B2 (ja) | 光硬化性組成物 | |
JP7283737B2 (ja) | 歯科用接着性組成物及び歯科用接着性組成物包装体 | |
JP6147610B2 (ja) | 歯科用接着性組成物 | |
JP3409291B2 (ja) | アミン系不飽和化合物及びそれを含む光硬化性組成物 | |
JP7430326B2 (ja) | 歯科用接着性組成物及び歯科用接着性組成物包装体 | |
JP5448495B2 (ja) | レジン硬化物製歯科補綴物表面処理用プライマー組成物 | |
JP2022132064A (ja) | 1液型歯科用接着性組成物 | |
JP2023107374A (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
JPH03279308A (ja) | 歯科用の接着剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20221004 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230414 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230418 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230526 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230711 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230711 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7318890 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |