JP7270932B2 - 光硬化性組成物 - Google Patents
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Description
(a)成分の重合性単量体としては、ラジカル重合性単量体を好適に使用することができる。ラジカル重合性単量体としては、公知のラジカル重合性単量体が何ら制限なく挙げられる。中でも、得られる硬化体の機械的強度、及び硬化体内における(b)成分:樹脂粒子の分散性の観点から(メタ)アクリレート系(メタクリレート系、またはアクリレート系)の重合性単量体が好適に用いられる。特に本発明の光硬化性組成物が歯科用の光硬化性組成物である場合には、歯科用に使用される、単官能乃至4官能の(メタ)アクリレート系重合性単量体が好適に使用できる。すなわち、1分子内に1つの(メタ)アクリレート基を有する単官能重合性単量体、1分子中に2つの(メタ)アクリレート基を有する2官能重合性単量体、1分子中に3つの(メタ)アクリレート基を有する3官能重合性単量体、1分子中に4つの(メタ)アクリレート基を有する4官能重合性単量体が好適に使用できる。好適に使用できるこれら重合性単量体を上記分類に従って、以下に具体的に例示する。なお、例示される重合性単量体は、単独で、又は複数種類のものを組み合わせて使用することができる。
好適に使用できる単官能(メタ)アクリレート系重合性単量体を具体的例示すると、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、n-オクタデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロキシエチルプロピオネート、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
好適に使用できる二官能(メタ)アクリレート系重合性単量体を具体的例示すると、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ウンデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘプタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オクタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ステアリルジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス((メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロキシフェニル)]プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン等を挙げることができる。
好適に使用できる三官能(メタ)アクリレート系重合性単量体を例示すると、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
好適に使用できる四官能(メタ)アクリレート系重合性単量体としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
本発明で好適に使用される(b)成分の樹脂粒子としては、ゲルパーミネーションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が3~200万である、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸アミル、ポリメタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸メチル-メタクリル酸エチル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体等からなる樹脂粒子を挙げることができる。これら樹脂粒子は、単独で使用しても良いし、複数種類を組み合わせて使用してもよい。
(c)成分のα-ジケトン化合物としては、重合活性が高く、生体への安全性も高く、更に粉剤として取り扱い易い粒子性状を有し、且つキット使用時において粉剤と液剤を混錬する場合の粉液なじみが良好であるという理由から、網篩による粒度測定において目開き200μmの篩残留分が20質量%以下であり、且つ目開き50μmの篩通過分が20質量%以下である紛体を使用する。なお、ここでいう網篩粒度測定とは、網の目開きの異なる複数の篩を用意して、目開きの大きい篩が上段になるように重ね、最上段の篩から粉末を投入して振動を与え、粒径の一定範囲ごとに分級することによって粒度を測定する方法を意味する。一般に、α-ジケトン化合物としてカンファーキノンを用いた場合には、その粒径が大きくなるにつれて粉液なじみ良くなり混和にかかる時間が短縮される傾向にあるが、200μm以上の粗大粒子が20重量%以上含まれる場合、混和時においてカンファーキノンの粒子が液中に溶け残ることがある。一方、粒径が小さくなるにつれて液中に溶けやすくなることから硬化性が向上する傾向にあるが、50μm未満の微小粒子が20重量%以上含まれる場合、粉液なじみ難くなり操作性が低下する。上記効果の高さから、使用するα-ジケトン化合物紛体は、目開き200μmの篩残留分が10質量%以下であり、且つ目開き50μmの篩通過分が10質量%以下である紛体、特に目開き200μmの篩残留分が5質量%以下であり、且つ目開き50μmの篩通過分が5質量%以下である紛体を使用することが好ましい。また、粗大粒子成分の含有割合に関しては、目開き150μmの篩残留分が20質量%以下、特に目開き125μmの篩残留分が20質量%以下であることが好ましく、微粒子成分の含有割合に関しては、目開き75μmの篩通過分が20質量%以下、特に目開き100μmの篩通過分が20質量%以下であることが好ましい。
本発明において使用される(d)成分の第三級アミン化合物は、所謂還元剤(或いは電子供与体)であり、重合促進機能を有する。該第三級アミン化合物は、このような機能を有するものであれば、公知の化合物が何ら制限なく使用できる。具体的には、分子中に芳香族環を有する芳香族第三級アミン化合物や、分子中に芳香族環を有していない脂肪族第三級アミン化合物の何れも使用できる。中でも、臭気等の点から芳香族第三級アミン化合物を使用することが好ましい。
本発明の光硬化性組成物においては、硬化体における表面未重合層の形成を抑制するために、前記(c)成分及び(d)成分と共に高活性光重合開始剤系を構成する非重合性酸性化合物として、(e)成分である水中(25℃)での酸解離定数が3.0以上で同一分子内にカルボニル基を2つ以上有するα-ヒドロキシカルボン酸を使用する必要がある。当該(e)成分は、従来の非重合性酸性化合物と同様に、還元剤(或いは電子供与体)として機能して重合を促進するだけでなく、恐らく水酸基によって空気中に含まれる水分子が表面に配列し、酸素遮断膜として機能するような水分子膜が形成されることにより、表面未重合層の形成を抑制する。同一分子内にカルボニル基を2つ以上有するα-ヒドロキシカルボン酸であっても前記酸解離定数が3.0未満である場合には、第三級アミン化合物との塩形成による失活が起こり、表面未重合層の形成を抑制する効果が得られない。
上記他の開始剤成分としては、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物類; 酸化バナジウム(IV)アセチルアセトナート、ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)等の+IV価又は+V価のバナジウム化合物類; テトラフェニルホウ素ナトリウム、テトラフェニルホウ素トリエタノールアミン塩、テトラフェニルホウ素ジメチル-p-トルイジン塩、テトラキス(p-フルオロフェニル)ホウ素ナトリウム、ブチルトリ(p-フルオロフェニル)ホウ素ナトリウム等のアリールボレート化合物類; ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンソイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類; ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類; 2,4-ジエトキシチオキサンソン、2-クロロチオキサンソン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン誘導体; ベンゾフェノン、p,p’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’-ジメトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体類等を挙げることができる。
前記その他充填材としては、無機粒子(無機フィラー)、有機-無機複合粒子(有機-無機複合フィラー)が使用できる。無機粒子として好適に使用できるものを具体的に例示すれば、石英、シリカ、アルミナ、シリカチタニア、シリカジルコニア、ランタンガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス等を挙げることができる。また、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム等の水酸化物;又は酸化亜鉛、ケイ酸塩ガラス、フルオロアルミノシリケートガラス等の酸化物;からなるカチオン溶出性無機粒子も好適に使用することができる。前記有機-無機複合粒子としては、これら無機粒子に(a)重合性単量体を予め添加し、ペースト状にした後、重合させ、粉砕して得られる粒状の有機-無機複合粒子が好適に使用できる。
・HPr:2-メタクリロキシエチルプルピオネート(単官能重合性単量体、分子量186)
・ND:1,9-ノナメチレンジオールジメタクリレート(二官能重合性単量体、分子量296)
・TT:トリメチロールプロパントリメタクリレート(三官能重合性単量体、分子量338)
・PT:ペンタエリスリトールテトラメタクリレート(四官能重合性単量体、分子量367)。
・PEMA:球状ポリエチルメタクリレート粒子(平均粒径35μm、重量平均分子量50万)
・PS:球状ポリスチレン粒子(非架橋型、平均粒径30μm、重量平均分子量40万)。
・CQ:カンファーキノン
・BZ:ベンジル。
・DMBE:p-ジメチルアミノ安息香酸エチル
・MDEOA:N-メチルジエタノールアミン。
・リンゴ酸(3.4)
・酒石酸(3.0)。
・オルトリン酸(2.1)。
・ジブチルヒドロキシトルエン
・有機顔料
・10%ポリビニルアルコール水溶液。
粉材と液材とを、粉材(g)/液材(ml)=1.8/1の割合でラバーカップ内に入れ、20秒間混和した。20×20×1mmのポリテトラフルオロエチレン製のモールドに、混和した光硬化性組成物(粉材と液材とを混合してなる光硬化性組成物)を流し込み、片面を大気中に曝した状態で歯科技工用光重合装置αライトV(MORITA社製)を用いて波長465~475nmの活性光(光出力密度100mW/cm2)を5分間照射し、硬化体を作製した。得られた硬化体の厚みを5点測定後、エタノールに1分間浸漬し、未重合層を金属スパチュラで削合した。表面未重合層を除去した硬化体の厚みを測定し、エタノールに浸漬させる前の硬化体厚みの平均と金属スパチュラで除去した後の硬化体の厚みの平均との差を表面未重合層の厚さとした。なお、参考例39及び比較例5については、歯科技工用光重合装置αライトVで光照射を行う前に光硬化性組成物をイオン交換水中に一度浸漬して表面に水を付着させた後に、気相中に取り出して光硬化を行った。それ以外の操作は上記の方法にて試験を行った。また、比較例6においては、歯科技工用光重合装置αライトVで光照射を行う前に10%ポリビニルアルコール水溶液を光硬化性組成物に塗布してから硬化体を作製した。それ以外の操作は上記の方法にて試験を行った。
粉材と液材とを、粉材(g)/液材(ml)=1.8/1の割合でラバーカップ内に入れ、20秒間混和した。内径4mmφの黒色ゴム管内に練和した光硬化性組成物(粉材と液材とを混合してなる光硬化性組成物)を充填して両面をポリプロピレンフィルムで圧接した。その後、直ちに歯科用光照射器トクソーパワーライト(トクヤマデンタル社製)を用いて波長400~520nmの活性光(光出力密度700mW/cm2)を60秒間照射し硬化させた。サンプルを黒色ゴム管から取り出し、未硬化部分を取り除いてから、硬化した部分の長さをノギスで測定し光硬化深さとした。なお、参考例39及び比較例5は、ポリプロピレンフィルムで圧接を行う前に光硬化性組成物をイオン交換水中に一度浸漬した後、気相中に取り出して光硬化を行った。また、比較例6においては、ポリプロピレンフィルムで圧接を行う前に10%ポリビニルアルコール水溶液を光硬化性組成物に塗布してから硬化させた。それ以外の操作は上記の方法にて試験を行った。
粉材と液材とを、粉材(g)/液材(ml)=1.8/1の割合でラバーカップ内に入れ、20秒間混和した。30×30×2mmのポリテトラフルオロエチレン製のモールドに、混和した光硬化性組成物(粉材と液材とを混合してなる光硬化性組成物)を流し込み、両面をポリプロピレンフィルムで圧接した状態で歯科技工用光重合装置αライトV(MORITA社製)を用いて波長465~475nmの活性光(光出力密度100mW/cm2)を5分間照射し、硬化体を作製した。次いで、#800及び#1500の耐水研磨紙にて硬化体を研磨後、4×30×2mmの角柱状の試験片に切断した。この試験片を試験機(島津製作所製、オートグラフAG5000D)に装着し、支点間距離20mm、クロスヘッドスピード1mm/分で3点曲げ強度を測定した。なお、参考例39及び比較例5は、ポリプロピレンフィルムで圧接を行う前に光硬化性組成物をイオン交換水中に一度浸漬した後、気相中に取り出して光硬化を行った。また、比較例6においては、ポリプロピレンフィルムで圧接を行う前に10%ポリビニルアルコール水溶液を光硬化性組成物に塗布してから硬化させた。それ以外の操作は上記の方法にて試験を行った。
粉材と液材とを、粉材(g)/液材(ml)=1.8/1の割合になるように、粉材を試薬計量皿に、液材をラバーカップ内に量り取った。液材の入っているラバーカップに計量した粉材を加え、スパチュラを用いて混和し、ペーストを調製した。この際、粉材をラバーカップ内の液材に加えてから、粉材が液材に濡れてなじむまでの時間を測定し、これを粉液なじみ時間とした。
粉材と液材とを、粉材(g)/液材(ml)=1.8/1の割合でラバーカップ内に入れ、20秒間混和した。φ30×1.5mmの金属製のモールドに、混和した光硬化性組成物(粉材と液材とを混合してなる光硬化性組成物)を流し込み、両面をポリプロピレンフィルムで圧接した状態で歯科技工用光重合装置αライトV(MORITA社製)を用いて波長465~475nmの活性光(光出力密度100mW/cm2)を5分間照射し、硬化体を作製した。次いで、硬化体の片面を#600及び#1500の耐水研磨紙に研研磨した後に、アルミナ研磨剤バイカロックスでバフ研磨を行った。この試験片を試験機(マツザワ製、ディジタル微小硬度計MMT-X7)に装着し、荷重負荷速度100g/f、保持時間20秒でヌープ硬さを測定した。
網の目開き200、150、125、100、75、50μmの金属篩を用意し、受け皿の上に目開きの大きい篩が上段になるように重ねた。次いで、粉砕したα-ジケトン化合物1.0gを最上段に投入し、蓋をして振とう機(アズワン製、MVS-1N)に設置して回転数2500rpmで30分間振動した。そして、分級された各α-ジケトン化合物の重量を測定し、それぞれの質量%を算出した。
粉材として、(b)樹脂粒子:PEMA(180質量部)、及び(c)α-ジケトン化合物:カンファーキノン(0.3質量部)を混合した。一方、液材として、(a)単官能重合性単量体:HPr(60質量部)、二官能重合性単量体:ND(40質量部)、(d)第三級アミン化合物:DMBE(0.5質量部)、及び(e)水中(25℃)での酸解離定数が3.0以上で同一分子内にカルボニル基を2つ以上有するα-ヒドロキシカルボン酸:リンゴ酸を混合した。得られた粉材と液材とを前記評価方法(1)~(3)に記載した方法に従い硬化体を作製し、得られた硬化体の表面未重合量、光硬化深さ、及び3点曲げ強度を評価した。
粉材と液材との組成を表1に示した。また、評価結果を表4に示した。
粉材と液材との組成を表1及び表2に示すように変更した以外は、参考例1と同様の方法により粉液型の光硬化性組成物(義歯床用裏装材組成物)を作製し、得られた光硬化性組成物を参考例1と同様の方法により硬化体を作製し、得られた硬化体を参考例1と同様の方法で評価した。評価結果を表4に示した。
粉材と液材との組成を表2に示すように変更した以外は、参考例1と同様の方法により粉液型の光硬化性組成物(義歯床用裏装材組成物)を作製した。得られた粉材と液材とを前記評価方法(1)~(3)に記載した方法に従い硬化体を作製し、得られた硬化体を参考例1と同様の方法で評価した。評価結果を評価結果に表4に示した。
粉材と液材との組成を表3に示すように変更した以外は、参考例1と同様の方法により粉液型の光硬化性組成物(義歯床用裏装材組成物)を作製し、得られた光硬化性組成物を参考例1と同様の方法により硬化体を作製し、得られた硬化体を参考例1と同様の方法で評価した。評価結果を表4に示した。
粉材と液材との組成を表3に示すように変更した以外は、参考例1と同様の方法により粉液型の光硬化性組成物(義歯床用裏装材組成物)を作製した。得られた粉材と液材とを前記評価方法(1)~(3)に記載した方法に従い硬化体を作製し、得られた硬化体を参考例1と同様の方法で評価した。評価結果を表4に示した。
粉材に含まれる(c)成分のα-ジケトン化合物として、表5に示すような網篩いによって、分級成分I~VIIに分級した際の粒度分布が異なるカンファーキノン化合物紛体を用いた以外は、参考例1と同様の方法により粉液型の光硬化性組成物(義歯床用裏装材組成物)を作製し、前記評価方法(4)に記載した方法に従って粉液なじみ時間を評価した。また、得られた光硬化性組成物を前記評価方法(5)に記載した方法に従い硬化体を作製し、得られた硬化体のヌープ硬さを評価した。各実施例で用いたカンファーキノン化合物紛体の粒度分布及び上記評価結果を表6に示した。
粉材に含まれる(c)成分のα-ジケトン化合物として、粒度分布が異なるカンファーキノン化合物紛体を用いた以外は、参考例1と同様の方法により粉液型の光硬化性組成物(義歯床用裏装材組成物)を作製し、実施例1と同様にして粉液なじみ時間及び硬化体のヌープ硬さを評価した。カンファーキノン化合物紛体の粒度分布及び評価結果を表6に示した。
Claims (5)
- 重合性単量体からなる(a)成分、ゲルパーミネーションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が3~200万である樹脂粒子からなる(b)成分、α-ジケトン化合物からなる(c)成分、第三級アミン化合物からなる(d)成分、及び水中(25℃)での酸解離定数が3.0以上で同一分子内にカルボニル基を2つ以上有するα-ヒドロキシカルボン酸からなる(e)成分を含んでなる光硬化性組成物を調製するためのキットであって、
前記(a)成分及び前記(e)成分を含む液材と、前記(b)成分及び前記(c)成分を含む粉材と、から成り、
前記(d)成分は、前記液材又は前記粉材の何れか一方に含まれ、
前記(c)成分のα-ジケトン化合物として、網篩による粒度測定において目開き200μmの篩残留分が20質量%以下であり、且つ目開き50μmの篩通過分が20質量%以下である紛体を使用する、
ことを特徴とする前記キット。 - 前記(d)成分が液材に含まれる請求項1に記載のキット。
- 前記(e)成分:α-ヒドロキシカルボン酸としてリンゴ酸を含む請求項1又は2に記載のキット。
- 前記(a)成分:重合性単量体100質量部に対する前記(b)成分:樹脂粒子、前記(c)成分:α-ジケトン化合物、前記(d)成分:第三級アミン化合物、及び前記(e)成分:α-ヒドロキシカルボン酸の配合量が夫々、前記(b)成分:100~260質量部、前記(c)成分:0.1~1.0質量部、前記(d)成分:0.1~2.0質量部、及び前記(e)成分:0.005~0.1質量部である前記光硬化性組成物を調製するためのキットである、請求項1乃至3の何れか一項に記載のキット。
- 義歯床用裏装材用の光硬化性組成物を調製するためのキットである、請求項1乃至4の何れか一項に記載のキット。
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