JP7318252B2 - 積層シート - Google Patents
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Description
また、画像表示画面(ディスプレイ)を折り曲げたり、折り畳んだりすることができるフレキシブル携帯端末の開発などが進んでおり、この種の用途に使用する材料には優れた屈曲性が求められる。
また、特許文献2や3などにおいては、薄膜ガラスとPETやPENなどの樹脂層とが接着剤層を介して積層された構造であるため、樹脂層と薄膜ガラスの両方への接着性を有する接着剤層の設計が必要となり、さらに加工工程の増大などの課題もあった。
本発明の実施形態の一例に係る積層シート(「本積層シート」と称する)は、厚み150μm以下のガラス層の表裏両面側に、エポキシ樹脂組成物の硬化物からなるエポキシ樹脂層が積層されてなる構成を備えた積層シートである。ガラス層とエポキシ樹脂層とは、接着剤層などの他の層を介さず直接積層する構造であるのが好ましい。
ガラス層の厚みは150μm以下であるのが好ましい。該厚みが150μm以下であれば、屈曲性を得ることができる。中でも120μm以下、中でも100μm以下、その中でも80μm以下であるのがより好ましい。
一方、厚みの下限は特に限定されないが、製造ライン中や後加工工程時のハンドリング性や割れやすさの観点から、5μm以上であることが好ましく、中でも10μm以上、その中でも15μm以上であるのがより好ましい。
エポキシ樹脂層のガラス転移温度(Tg)、すなわちエポキシ樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は、バリア性、耐破損特性などの観点としては特に限定されない。その一方、屈曲性向上の観点においては、50℃以上であれば、積層シートを製造する際、室温までの冷却過程における収縮応力が大きいことから好ましい。その一方、該Tgが350℃以下であれば、Tgを越えた完全硬化を行う際に加熱によるポリマー鎖分解を生じずに完全硬化が可能であることから好ましい。
かかる観点から、エポキシ樹脂層のガラス転移温度(Tg)、すなわちエポキシ樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は50℃以上であるのが好ましく、中でも80℃以上、その中でも100℃以上であるのがさらに好ましい。その一方、350℃以下であるのが好ましく、中でも330℃以下、その中でも300℃以下であるのがさらに好ましい。
エポキシ樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)を前記範囲に調整するためには、例えば各エポキシ樹脂及び硬化剤に重合や反応によりオレフィン構造など低Tg成分やベンゼン骨格などの高Tg成分を導入したり、可塑剤や反応性シランオリゴマー、ウレタンオリゴマーなど他の相溶系材料を配合したり、エポキシ樹脂に表面処理や微細化したゴム成分や無機フィラーなどを添加したりすればよい。但し、これらの方法に限定するものではない。
前記貯蔵弾性率(E’)の上限は特に限定されないが、剛性と屈曲性とのバランスの観点から、20GPa(20000MPa)以下であるのが好ましい。中でも15GPa(15000MPa)以下、その中でも10GPa(10000MPa)以下であるのがさらに好ましい。
エポキシ樹脂組成物の前記貯蔵弾性率を前記範囲に調整するためには、例えば各エポキシ樹脂及び硬化剤に重合や反応により柔軟性や剛性の骨格を導入したり、可塑剤や反応性シランオリゴマー、ウレタンオリゴマーなど他の相溶系材料を配合したり、エポキシ樹脂に表面処理や微細化したゴム成分や無機フィラーなどを添加したりすればよい。但し、これらの方法に限定するものではない。
エポキシ樹脂層の前記線膨張係数の上限は特に限定されないが、200ppm/K以下であるのが好ましい。中でも180ppm/K以下、その中でも150ppm/K以下であるのがさらに好ましい。前記線膨張係数が200ppm/K以下であることによって、エポキシ樹脂層は十分な剛性および収縮応力を有することができる。
エポキシ樹脂層の前記線膨張係数を前記範囲に調整するためには、例えばエポキシ樹脂組を構成する各エポキシ樹脂及び硬化剤に重合や反応によりエチレン骨格など柔軟構造やベンゼン骨格などの強直構造などを導入したり、可塑剤や反応性シランオリゴマー、ウレタンオリゴマーなど他の相溶系材料を配合したり、エポキシ樹脂層を形成するエポキシ樹脂組成物にゴム成分などの高熱膨張材料や無機フィラーなどの低熱膨張材料を添加したりすればよい。但し、これらの方法に限定するものではない。
前記エポキシ樹脂層を形成するエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂及び硬化剤のほか、必要に応じてシランカップリング剤、溶媒、その他の成分を含有するのが好ましい。
エポキシ樹脂組成物は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールC、ビスフェノールAD、ビスフェノールアセトフェノン等のビスフェノール類、ビフェノール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ジヒドロキシナフタレン等の2官能フェノール型エポキシ樹脂、その他の2官能グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、2官能グリシジルエステル型エポキシ樹脂、2官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂、2官能線状脂肪族エポキシ樹脂、2官能脂環式エポキシ樹脂、2官能複素環式エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の水添型のエポキシ樹脂などのエポキシ樹脂を用いることが可能である。中でも剛性と耐熱性の観点からビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が特に好ましい。
エポキシ樹脂の分子量(Mn)が200以上であれば、エポキシ樹脂層の機械的強度を高めることができる傾向にある。その一方、エポキシ樹脂の分子量(Mn)が10000以下であれば、ガラス層及びエポキシ樹脂層との密着性を高めることができる傾向にある。
かかる観点から、前記エポキシ樹脂の分子量(Mn)は200以上10000以下であるのが好ましく、中でも300以上或いは8000以下であるのがさらに好ましい。
分子量(Mn)の測定方法は、特に限定するものではない。例えば、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定できる。
硬化剤としては、脂肪族化合物、脂環式化合物、芳香族化合物または複素環式化合物のいずれであってもよく、ポリアミン類、3級アミン、トリフェニルホスフィン類、フェノール類、酸無水物またはカルボン酸類などの2液反応型硬化剤やジシアンジアミド類やイミダゾール類、ウレア類などの一液混合型の潜在性硬化剤が一般な硬化剤として使用することができる。
より具体的には、例えば無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ドデセニルコハク酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物;ジシアンジアミド、オルト-トリルビグアニド、フェニルビグアニド、パラ-クロロフェニルビグアニド、エチレンビスビグアニド塩酸塩、ウラリルビグアニド塩酸塩、フェニルビグアニドオキサレート等のジシアンジアミド系化合物;三フッ化ホウ素-アミン錯体;ベンジルメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチルテトラミン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等の三級アミン類;1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-メチルトリアゾール、2-フェニルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1-ビニル-2-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-イソプロピルイミダゾール、1-シアノメチル-2-メチルイミダゾール等のイミダゾール類;3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチルウレア、3-フェニル-1,1-ジメチルウレア、トルエンビス(ジメチルウレア)、4,4’-メチレンビス(フェニルジメチルウレア)等のウレア化合物等を挙げることができる。但し、これらの中には、共硬化剤及び硬化促進剤として機能する化合物も存在する。
硬化剤は、1種類の化合物を単独で用いてもよいし、硬化剤と共硬化剤又は硬化促進剤との組み合わせなど2種類以上の化合物を併用してもよい。
このような潜在性硬化剤としては、例えばジシアンジアミド、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチルウレアなどを挙げることができる。これらの潜在性硬化剤について、単独で使用してもよく、2種類以上を混合して用いても構わない。
1級アミン、2級アミン、酸無水物、カルボン酸などの活性水素などの官能基を有する硬化剤については、エポキシ基の数と、硬化性を有する官能基との数が等しくなるように配合するのが好ましい。
例えば目安としては、エポキシ樹脂組成物100質量部に対して0.1~50質量部の割合で硬化剤を配合するのが好ましく、中でも1質量部以上或いは30質量部以下の割合で配合するのがより好ましい。
また、3級アミンやイミダゾール、ジシアンジアミド、ジメチルウレアなどの触媒硬化系となる硬化剤については、少量においても反応が進行するためエポキシ樹脂100質量部に対して1~10質量部程度を配合することが好ましい。
反応促進剤としては、例えばイミダゾール化合物、3級アミン、ジシアンジアミド、ルイス酸、及び有機金属化合物などを挙げることができる。
エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂層とガラス層との密着性を向上させる観点から、必要に応じてシランカップリング剤を含有してもよい。中でも、エポキシ樹脂との組み合わせの観点から、エポキシ基又はアミノ基を有するシランカップリング剤を用いるのが好ましい。
エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて溶媒を含有することもできる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これらの溶剤は適宜に2種又はそれ以上の混合溶剤として使用することも可能である。
エポキシ樹脂組成物は、必要に応じてその他、例えば増感剤、架橋剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、充填材、酸化防止剤、レベリング剤、スリップ剤、微粒子、分散剤、有機過酸化物、還元剤、ラジカル重合性化合物;酸化防止剤、可塑剤、消泡剤、重合開始剤、無機微粒子、エラストマー等の各種添加剤を含有することができる。
例えば、エラストマーを配合することで、エポキシ樹脂組成物の粘度とその硬化物の柔軟性や耐衝撃性を調整することができる。また、過酸化物、アゾ化合物等の熱重合開始剤や光重合開始剤等の重合開始剤を配合することで、エポキシ樹脂層の強度を調整することができる。
エポキシ樹脂層の厚みが10μm以上であれば、ガラス層と貼着した場合、強度の低いガラス層を保護し、ハンドリング性を向上できる傾向がある。他方、エポキシ樹脂層の厚みが300μm以下であれば、エポキシ樹脂層の屈曲性を損なうことがないため好ましい。
かかる観点から、エポキシ樹脂層の厚みは10μm以上であるのが好ましく、中でも15μm以上、その中でも20μm以上であるのがさらに好ましい。その一方、300μm以下であるのが好ましく、中でも250μm以下、その中でも200μm以下であるのがさらに好ましい。
本積層シートの製造方法の一例として、ガラス層の表裏面にエポキシ樹脂組成物を塗布し、乾燥させ、加熱し冷却して硬化させる方法を挙げることができる。
また、ガラス層の両面に、エポキシ樹脂組成物からなるエポキシ樹脂シートをラミネートすると共に加熱し冷却して硬化させる方法を挙げることができる。
この表面処理としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などによるカップリング剤処理、酸処理、アルカリ処理、オゾン処理及びイオン処理などの化成処理、プラズマ処理、グロー放電処理、アーク放電処理、及びコロナ処理などの放電処理、紫外線処理、X線処理、ガンマ線処理及びレーザー処理などの電磁波照射処理、その他火炎処理など各種表面処理を挙げることができる。中でも、エポキシ樹脂層との密着性を向上させる観点からは、シランカップリング剤で表面処理するのが好ましい。
よって、加熱処理温度は100℃以上であるのが好ましく、中でも120℃以上、その中でも140℃以上であるのがさらに好ましい。その一方、中でも350℃以下、その中でも300℃以下であるのがさらに好ましい。
熱処理時間は、接着層を構成する組成物の硬化反応が十分に進行する時間であれば特に制限はない。通常は1時間以上、200時間以下であり、1時間以上150時間以下であることが好ましい。
なお、エポキシ樹脂組成物の硬化処理は、本積層シートを巻き取る前に行っても、巻き取った後、ロール体に対して硬化処理を行うようにしてもよい。
本積層シートは、ガラス層を備えていることにより、各種バリア性に優れているばかりか、ガラス層の薄さと、エポキシ樹脂が有する優れた柔軟性及び延性と、さらにはエポキシ樹脂層が内在する圧縮応力とによって、屈曲性にも優れている。
かかる観点から、本積層シートの水蒸気透過度は1.0×10-7~10g/m2・24hrであるのが好ましく、中でも1g/m2・24hr以下であるのがさらに好ましい。その一方、1.0×10-6g/m2・24hr以上、その中でも1.0×10-5g/m2・24hr以上であるのがさらに好ましい。
本積層シートは、例えば、有機EL素子などの電子デバイスの基板として好適に用いることができる。有機EL素子などの電子デバイスの基板として用いた場合、ガラス層表面に電子デバイス部材を形成し、フレキシブルな電子デバイスを得ることができるため、フレキシブルディスプレイやフレキシブル照明、フォルダブルディスプレイなど各種に用いることができる。また、超大型デジタルサイネージ、フレキシブルディスプレイなどの用途にも利用することができる。
中でも、本積層シートの優れた屈曲性を考慮すると、本積層シートをフォルダブルディスプレイに利用することは特に好適である。
また、太陽電池素子に用いられる部材としては、有機太陽電池素子の場合は、有機電子供与体及び有機電子受容体からなる有機半導体層、透明電極層及び金属電極層等が挙げられ、その他に化合物型、色素増感型及び量子ドット型太陽電池素子などに対応する各種部材等を挙げることができる。
また、液晶表示素子に用いられる部材としては、透明電極層、液晶層等を挙げることができる。
また、薄膜二次電池用部材としては、リチウムイオン型では、透明電極層、リチウム化合物を含む電解質層及び金属を含む集電層を挙げることができる。その他に、ニッケル水素型、ポリマー型及びセラミックス電解質型などに対応する各種部材等を挙げることができる。
また、電子部品用部材としては、CCDやCMOSでは、導電部や、絶縁部等が挙げられ、その他に、圧力センサ、加速度センサなどの各種センサに対応する各種部材等を挙げることができる。
本明細書において「X~Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂「JER828」(三菱ケミカル(株)製、数平均分子量370)を20質量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂「JER1001」(三菱ケミカル(株)製、数平均分子量900)を80質量部とを、80℃に加熱して混合した。その後、潜在性硬化剤としてジシアンジアミド「DYCY7」(三菱ケミカル(株)製、融点209℃)6質量部と、硬化促進剤としての3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素「DCMU」(ナカライテスク社製、融点159℃)1質量部とを混合してエポキシ樹脂組成物aを作製した。
作製したエポキシ樹脂フィルムaを160℃で60分間加熱して硬化させて、動的粘弾性測定した結果、tanδピークによるガラス転移温度(Tg)が115℃であり、TMA測定における25~160℃での線膨張係数が94ppm/Kであった。また、30℃での貯蔵弾性率(E’)は1850MPaであった。
次に説明するエポキシ樹脂100質量部に、潜在性硬化剤としてジシアンジアミド「DYCY7」6質量部と、硬化促進剤としての3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素「DCMU」1質量部を混合してエポキシ樹脂組成物bを作製した。
作製したエポキシ樹脂フィルムbを160℃で60分間加熱して硬化させて、動的粘弾性測定した結果、tanδピークによるガラス転移温度(Tg)が25℃であり、TMA測定における25~160℃での線膨張係数が202ppm/Kであった。また、30℃での貯蔵弾性率(E’)は6.8MPaであった。
幅100mm×長さ100mm×厚み50μmの薄膜ガラス「OA-10G」(日本電気硝子(株)製)の両面に、それぞれエポキシ樹脂フィルムaを貼り合わせた後、真空ラミネーターを用いて170℃で30分の加熱加圧処理を行い、循環式オーブンで100℃以下まで冷却後に金属板上で空冷し、冷却速度3~20℃/分で50℃まで冷却して積層シート(サンプル)を作製した。
得られた積層シートは、厚み150μmであった。得られた積層シート(サンプル)を用いて各種物性評価を行った結果を表1に示した。
薄膜ガラスの両面に、エポキシ樹脂フィルムaの代わりに、エポキシ樹脂フィルムbをそれぞれ貼り合わせた以外は、実施例1と同様に行い、積層シート(サンプル)を作製した。
得られた積層シート(サンプル)を用いて各種物性評価を行った結果を表1に示した。
幅100mm×長さ100mm×厚み50μmの薄膜ガラス「OA-10G」(日本電気硝子(株)製)のみをサンプルとして用いて各種物性評価を行った。その結果を表1に示した。
幅100mm×長さ100mm×厚み100μmの薄膜ガラス「OA-10G」(日本電気硝子(株)製)のみをサンプルとして用いて各種物性評価を行った。その結果を表1に示した。
前記エポキシ樹脂フィルムaを3層重ね、真空ラミネーターを用いて170℃で30分の加熱加圧処理を行い、循環式オーブンで100℃以下まで冷却後に金属板上で空冷し、冷却速度3~20℃/分で50℃まで冷却して積層シート(サンプル)を作製した。
得られた積層シートを用いて各種物性評価を行った結果を表1に示した。
実施例・比較例で作製したサンプルについて、物性等の測定及び評価は下記に示す方法により実施した。
ガラス転移温度及び貯蔵弾性率の測定方法として、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御株式会社製「DVA-200」)により、引張治具を使用して測定温度-100~250℃、周波数10Hz、昇温速度3℃/minにより測定した結果から、tanδピークによるガラス転移温度(Tg)と30℃における貯蔵弾性率(E’)を読み取った。
エポキシ樹脂フィルムを幅25mm×長さ12.5mmにカットし、カットした前記フィルム状接着剤を挿入し、恒温槽に投入して160℃で60分加熱し、循環式オーブンで100℃以下まで冷却後に金属板上で空冷し、冷却速度3~20℃/分で50℃まで冷却してフィルム状接着剤を硬化させて剥離試験片を作製した。そして、熱膨張計「DL1500」(ULVAC社製)を用いて、測定温度-100℃~250℃、昇温速度10℃/minで加熱して熱膨張率を測定し、この結果に基づき、25℃~160℃における線膨張係数を測定した。
本発明におけるカット性の評価方法は、実施例および比較例において作製したサンプルの樹脂部分を淵切りして100mm角に切り出したのちに中央部を金属カッターによって完全に切断処理を行った際の切断断面において下記評価基準により判断した。
〇(good):カット断面に欠けが発生しなかった。
×(poor):カット断面に欠けが発生した。
破壊状態の評価方法として、実施例および比較例において作製したサンプルの樹脂部分を淵切りして100mm角に切り出した後、折り曲げ破壊した際のサンプルの破壊状態を下記の評価基準により評価した。
〇(good):サンプルが粉砕せずに2つに分割された。
×(poor):サンプルが粉砕もしくは飛散して3つ以上に分割された。
水蒸気透過率の評価方法として、実施例および比較例において作製したサンプルの樹脂部分を淵切りして100mm角に切り出したのちに、MOCON超高感度水蒸気透過率測定装置AQUATRAN(株式会社日立ハイテクサイエンス製)を用いて測定し、水蒸気透過率(g/m2・24hr)の結果より下記の評価基準により判定した。
〇(good):水蒸気透過率が1g/m2・24hr以下。
×(poor):水蒸気透過率が1g/m2・24hrを超えた。
屈曲性の評価方法として、実施例および比較例において作製したサンプルの樹脂部分を淵切りして100mm角に切り出したのちに、φ20mmの円筒に1周巻き付けを行った際のサンプルの状態を下記の評価基準により評価した。
〇(good):1周巻き付けても、割れ、ヒビ、クラックが生じなかった。
×(poor):1周巻き付ける途中で、割れ、ヒビ、クラックが生じた。
一方、薄膜ガラス単体からなる比較例1および比較例2では、カット性や破壊状態が劣り、本発明が目的とするラインでの切断性能や破壊時の飛散防止性能が不足する結果となった。また、比較例3に示すエポキシ樹脂層のみにおいては、水蒸気透過性が劣るため、本発明が目的とするバリア性能が不足する結果となった。
Claims (5)
- 厚み150μm以下のガラス層の表裏両面側に、エポキシ樹脂組成物の硬化物からなるエポキシ樹脂層が積層されてなる構成を備え、
前記エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂及び硬化剤を含有するものであり、当該硬化
剤は120℃以上の融点を有する潜在性硬化剤であり、
前記エポキシ樹脂層の30℃での貯蔵弾性率(E’)が1500MPa以上であり、25~160℃での面内における前記エポキシ樹脂層の線膨張係数が40ppm/K以上である積層シート。 - 水蒸気透過度が1.0×10-7~10g/m2・24hrである請求項1に記載の積層シート。
- 請求項1又は2に記載の積層シートを用いたフォルダブルディスプレイ。
- 請求項1又は2に記載の積層シートの製造方法であって、
厚み150μm以下のガラス層の表裏両面にエポキシ樹脂組成物を塗布して乾燥するか、若しくは、エポキシ樹脂組成物からなるエポキシ樹脂シートをラミネートした後、100℃以上に加熱した後、冷却速度1℃/分以上で冷却してエポキシ樹脂層を形成することを含む、積層シートの製造方法。 - 前記冷却速度が3℃/分以上である、請求項4に記載の積層シートの製造方法。
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