JP7317492B2 - 半導体スイッチ回路、インバータ回路、および、チョッパ回路 - Google Patents

半導体スイッチ回路、インバータ回路、および、チョッパ回路 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、半導体スイッチ回路、インバータ回路、および、チョッパ回路に関する。
例えば、SiC-MOSFET(半導体電界効果トランジスタ:metal-oxide semiconductor field-effect transistor)などのワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子は、電力変換器の低損失化に貢献している。一方で、ワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子は、例えばSi-IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ:Insulated Gate Bipolar Transistor)などのシリコンを用いたスイッチング素子と比較すると高価であるため、製品の価格を低く抑えることが困難である。
そこで、例えば、SiC-MOSFETとSi-IGBTとを組み合わせることにより、SiC-MOSFETのチップ面積を従来のSi-IGBTよりも小さくし、かつ、スイッチング時のノイズと過電圧とを抑制できる半導体スイッチ回路が提案されている。この半導体スイッチ回路によれば、搭載製品の価格を低く抑えるとともに損失を低減することが可能である。
SiC-MOSFETとSi-IGBTとを組み合わせた半導体スイッチ回路をインバータ回路やチョッパ回路等の電圧形電力変換器へ適用するときには、SiC-MOSFETのボディダイオード、若しくは、内蔵ダイオードを還流ダイオードとして利用することとなる。この半導体スイッチ回路では、SiC-MOSFETのチップ面積を小さくしたことにより、順方向の電流通流能力に比べ逆方向通流能力が低くなるため、力行運転を主に行うインバータ回路等への適用が好ましい。
特許第5932269号公報
本発明の実施形態は上記事情を鑑みて成されたものであって、順方向通流能力および逆方向通流能力が高く、低損失である半導体スイッチ回路、この半導体スイッチ回路を備えたインバータ回路およびチョッパ回路を提供することを目的とする。
実施形態による半導体スイッチ回路は、ワイドバンドギャップ半導体を用いた第1スイッチング素子と、シリコン半導体を用いた第2スイッチング素子と、ダイオードと半導体スイッチング素子とを直列接続した回路と、を備え、前記第1スイッチング素子、前記第2スイッチング素子、および前記回路は、互いに並列接続され、前記ダイオードは、カソードが前記第1スイッチング素子のドレインと電気的に接続され、アノードが前記第1スイッチング素子のソースと電気的に接続され、前記半導体スイッチング素子は、前記ダイオードと逆方向に電流を流すボディダイオードを備える。
図1は、第1実施形態のインバータ回路の構成例を概略的に示す図である。 図2は、第1実施形態の半導体スイッチ回路の構成例を概略的に示す図である。 図3は、SiC-MOSFETとダイオードとの電流電圧特性の一例を示す図である。 図4は、本実施形態の半導体スイッチ回路を駆動するゲート駆動回路の一構成例を概略的に示す図である。 図5は、図4に示すゲート駆動回路にて半導体スイッチ回路を駆動したときの動作の一例を説明するための図である。 図6は、第2実施形態のインバータ回路のゲート駆動回路の一構成例を概略的に示す図である。 図7は、第3実施形態のチョッパ回路の一構成例を概略的に示す図である。 図8は、図7に示す第1半導体スイッチ回路の一構成例を概略的に示す図である。 図9は、図7に示すチョッパ回路のゲート駆動回路の一構成例を概略的に示す図である。 図10は、図9に示すゲート駆動回路にて第1半導体スイッチ回路を駆動したときの動作の一例を説明するための図である。
以下、実施形態の半導体スイッチ回路、インバータ回路、および、チョッパ回路について、図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態のインバータ回路の構成例を概略的に示す図である。
本実施形態のインバータ回路は、直流電源14と交流負荷18との間に接続され、コンデンサ15と、複数の半導体スイッチ回路SWと、ゲート駆動回路DRVと、を備えた、三相交流インバータである。
コンデンサ15は、高電位(P)側の直流ラインと低電位(N)側の直流ラインとの間において、直流電源14と並列に接続された平滑コンデンサである。
複数の半導体スイッチ回路SWの各々は、U相、V相、W相の各相において、上側(高電位側)アーム(u、v、w)と下側(低電位側)アーム(x、y、z)とのそれぞれに配置されている。上側アームと下側アームとは、高電位(P)側の直流ラインと低電位(N)側の直流ラインとの間に直列に接続され、上側アームと下側アームとの間にて交流ラインと電気的に接続している。
ゲート駆動回路DRVは、複数の半導体スイッチ回路SWへゲート信号を出力し、複数の半導体スイッチ回路SWを駆動させる。ゲート駆動回路DRVについては、図面を参照して後に説明する。
図2は、第1実施形態の半導体スイッチ回路の構成例を概略的に示す図である。
本実施形態の半導体スイッチ回路SWそれぞれは、第1スイッチング素子1(1u、1v、1w、1x、1y、1z)と、第2スイッチング素子2(2u、2v、2w、2x、2y、2z)と、還流強化部5(5u、5v、5w、5x、5y、5z)と、を備えている。
還流強化部5は、第1スイッチング素子1および第2スイッチング素子2と並列に接続され、ダイオード3(3u、3v、3w、3x、3y、3z)と半導体スイッチング素子4(4u、4v、4w、4x、4y、4z)とを備えている。
なお、複数のアームに共通の半導体スイッチ回路SWの構成については、アームの符号(u、v、w、x、y、z)を省略して説明する。
第1スイッチング素子1は、第2スイッチング素子2と並列に接続されたワイドバンドギャップ半導体を用いた半導体スイッチング素子を備えている。第1スイッチング素子1は、SiC、GaN、ダイヤモンドなどのワイドバンドギャップ半導体を用いた半導体スイッチング素子であって、MOSFET、JFET(Junction Field Effect Transistor)、HEMT(High Electron Mobility Transistor)などを採用することが可能である。本実施形態では、第1スイッチング素子1は、nチャネル型のSiC-MOSFETを備えている。
第2スイッチング素子2は、シリコン(Si)半導体を用いた半導体スイッチング素子を備えている。第2スイッチング素子2は、例えば、Si-IGBTを採用することができる。
ダイオード3のカソードは、第2スイッチング素子2のコレクタおよび第1スイッチング素子1のドレインと電気的に接続している。ダイオード3のアノードは、半導体スイッチング素子4を介して、第2スイッチング素子2のエミッタおよび第1スイッチング素子1のソースと電気的に接続している。すなわち、ダイオード3は、図2に示すB点からA点に電流が流れる方向を順方向として、第2スイッチング素子2および第1スイッチング素子1と並列に接続している。
ダイオード3は、例えば、シリコン半導体を利用したファーストリカバリダイオード(Si-FRD)である。
半導体スイッチング素子4はボディダイオードを備え、このボディダイオードは、ダイオード3と逆向き(A点からB点に電流が流れる方向が順方向)となるように接続されている。このため、半導体スイッチング素子4は、第2スイッチング素子2および第1スイッチング素子1に比べて低耐圧な素子を採用することが可能であり、第1スイッチング素子1および第2スイッチング素子2よりも高速にスイッチング動作可能である。
なお、半導体スイッチング素子4は、nチャネル型とpチャネル型とのいずれでもよい。例えば、半導体スイッチング素子4をpチャネル型としたときには、半導体スイッチング素子4のソースはB点と電気的に接続し、ドレインはダイオード3のカソードと電気的に接続する。半導体スイッチング素子4をpチャネル型とすると、第2スイッチング素子2、第1スイッチング素子1、および、半導体スイッチング素子4を、B点を基準として駆動することができるため、共通の駆動用電源を用いることが可能であり、半導体スイッチ回路SWを駆動する回路の部品点数を削減し、コストを削減することが可能である。
また、図2では、ダイオード3が半導体スイッチング素子4よりもA点側に配置され半導体スイッチング素子4がB点側に配置されているが、ダイオード3と半導体スイッチング素子4との配置位置が逆であっても構わない。
本実施形態の半導体スイッチ回路SWは、第2スイッチング素子2のコレクタ、第1スイッチング素子1のドレイン、および、ダイオード3のカソードが接続されているA点から、第2スイッチング素子2のエミッタ、第1スイッチング素子1のソース、および、スイッチング素子4の一端に接続されているB点へ電流が流れるとき(順方向流通時)、第2スイッチング素子2、第1スイッチング素子1、および、スイッチング素子4がオン状態であると、電流は第2スイッチング素子2と第1スイッチング素子1とに分流し、全てのスイッチング素子がオフ状態であると、電流の通流経路がなくなるため遮断されることとなる。
また、B点からA点へ電流が流れるとき(逆方向通流時)には、全てのスイッチング素子がオン状態であると、電流はボディダイオードを含む第1スイッチング素子1と還流強化部5とに分流し、全てのスイッチング素子がオフ状態であると、電流は第1スイッチング素子1のボディダイオードに流れることとなる。
例えば、還流強化部5を備えない半導体スイッチ回路では、B点からA点へ流れる逆方向通流時に、第2スイッチング素子2と第1スイッチング素子1とをオンすると、ボディダイオードを含む第1スイッチング素子1にのみ通流する。このとき、第1スイッチング素子1の面積を単一で用いるときよりも小さくすると、順方向に比べ逆方向の通流能力が低くなる。
これに対し、本実施形態の半導体スイッチ回路SWでは、第1スイッチング素子1および第2スイッチング素子2と並列に還流強化部5を接続することにより、逆方向通流能力を改善することができる。したがって、本実施形態の半導体スイッチ回路SWは、例えば回生能力が要求される用途に用いられるインバータ回路にも適用可能である。
なお、上記半導体スイッチ回路SWは、第1スイッチング素子1の素子定格電流よりもダイオード3の素子定格電流のほうが大きくなるように、素子を選定して構成されてもよい。
図3は、SiC-MOSFETとダイオードとの電流電圧特性の一例を示す図である。
上述のように、半導体スイッチ回路SWの逆方向通流時には、第1スイッチング素子1と還流強化部5とに分流する。還流強化部5は、直列に接続されたダイオード3と半導体スイッチング素子4とを備えているため、半導体スイッチング素子4で発生する電圧分を考慮する必要があるが、低耐圧である半導体スイッチング素子4のオン抵抗は十分小さいため、ここでは考慮しないこととする。
図3に示すように、例えば素子に印加される電圧がDであるときには、通電可能な電流値は、第1スイッチング素子1よりダイオード3のほうが大きくなる。このように、ダイオード3の通電可能な電流値を第1スイッチング素子1の通電可能な電流値より大きくすることにより、第1スイッチング素子1の面積をより小さくすることが可能であり、半導体スイッチ回路SWの低コスト化を実現することが可能である。
したがって、第1スイッチング素子1は、その定格電流がダイオード3の定格電流よりも小さいものを採用することが可能であり、半導体スイッチ回路SWの低コスト化を実現することができる。
図4は、本実施形態の半導体スイッチ回路を駆動するゲート駆動回路の一構成例を概略的に示す図である。
ここでは、インバータ回路に含まれる6つの半導体スイッチ回路SWのうちの1つの半導体スイッチ回路SWを駆動する回路の構成例を示している。
ゲート駆動回路DRVは、スイッチング信号源10と、ドライバ7と、ゲート抵抗6a-6cと、遅延回路8と、反転回路9と、を備えている。なお、ゲート駆動回路DRVは、インバータ回路に含まれていてもよく、インバータ回路の外部に設けられても構わない。
スイッチング信号源10は、半導体スイッチ回路SWの第2スイッチング素子2、第1スイッチング素子1、および半導体スイッチング素子4に共通のスイッチング信号を出力する。
ドライバ7は、例えば、第1スイッチング素子1、第2スイッチング素子2、および、還流強化部5の低電位側の接続点(B点)の電位を基準として、スイッチング信号源10から供給された信号を出力する。ドライバ7から出力されたスイッチング信号は、ゲート抵抗6aを介して第2スイッチング素子2のゲート端子に印加されるとともに、遅延回路8および反転回路9へ入力される。
なお、ドライバ7の基準となる電位は、半導体スイッチング素子4がpチャネル型であるときには、第1スイッチング素子1、第2スイッチング素子2、および、還流強化部5に共通の基準電位を用いることが可能である。半導体スイッチング素子4が、nチャネル型であるときには、半導体スイッチング素子4のスイッチング信号の基準電位は、第2スイッチング素子2および第1スイッチング素子1の基準電位と異なるため、別の基準電位に基づいてスイッチング信号を出力するドライバが更に必要となる。
ゲート抵抗6aは、第2スイッチング素子2のゲート端子の前段に接続されている。ゲート抵抗6bは、第1スイッチング素子1のゲート端子の前段に接続されている。ゲート抵抗6cは、半導体スイッチング素子4のゲート端子の前段に接続されている。
遅延回路8は、ドライバ7から出力されたスイッチング信号を所定時間だけ遅延させた信号を出力する。遅延回路8から出力された信号は、ゲート抵抗6bを介して第1スイッチング素子1のゲート端子に印加される。
反転回路9は、ドライバ7から出力されたスイッチング信号を反転した信号を出力する。反転回路9から出力された信号は、ゲート抵抗6cを介して、半導体スイッチング素子4のゲート端子に印加される。
図5は、図4に示すゲート駆動回路DRVにて半導体スイッチ回路を駆動したときの動作の一例を説明するための図である。
ここでは、例えば、各相の上側アームと下側アームとのそれぞれに1つの半導体スイッチ回路SWが搭載されたインバータ回路における、一方アームの半導体スイッチ回路SWに着目して、第1スイッチング素子1、第2スイッチング素子2、ダイオード3、および、半導体スイッチング素子4に流れる電流の時間変化の一例を説明する。
時刻t1において、他方のアーム(対向アーム)の半導体スイッチ回路SWのスイッチング信号がオンからオフへ切り替わると、誘導性負荷の電流は半導体スイッチ回路SWへ逆方向の電流として流れ始める。
時刻t1-t2の期間はデッドタイム期間であり、半導体スイッチ回路SWへスイッチング信号は印加されず、電流は第1スイッチング素子1のボディダイオードのみに通流する。
時刻t2にて、第2スイッチング素子2と半導体スイッチング素子4とがオンすると、電流は還流強化部5と第1スイッチング素子1のボディダイオードとに分流する。
その後、遅延回路8により遅延されたスイッチング信号により、時刻t2から遅延時間を経て時刻t3で、第1スイッチング素子1がオンする。時刻t3にて、電流は、同期整流によりボディダイオードを含む第1スイッチング素子1と還流強化部5に分流する。
半導体スイッチ回路SWをオフする際は、時刻t4にて、最初に第2スイッチング素子2と半導体スイッチング素子4がオフされる。続いて、遅延回路8により遅延されたスイッチング信号により、時刻t5で第1スイッチング素子1がオフされる。
時刻t5-t6の期間はデッドタイム期間であり、時刻t6にて他方のアーム(対向アーム)の半導体スイッチ回路SWがオンされる。
なお、逆方向通流時には、第2スイッチング素子2に通流することはない。
上記動作において、対向アームの半導体スイッチ回路SWがオンする時刻t6において、逆回復電流が大きな還流強化部5のダイオード3に通流する経路は半導体スイッチング素子4により遮断されているため、半導体スイッチ回路SWの逆回復損失を低減することが可能である。
また、半導体スイッチング素子4は、第1スイッチング素子1の遮断前、若しくは、第1スイッチング素子1の遮断時にオフされるため、デッドタイムは第1スイッチング素子1が切り替わる時間分のみ考慮すればよく、デッドタイムを短縮することが可能となる。
上記のように、本実施形態のインバータ回路および半導体スイッチ回路SWでは、逆方向流通時には、電流が第1スイッチング素子1と還流強化部5とに分流するため、第2スイッチング素子2および第1スイッチング素子1により構成される半導体スイッチ回路SWの逆方向通流能力を改善することができる。
すなわち、本実施形態によれば、順方向通流能力および逆方向通流能力が高く、低損失である半導体スイッチ回路、および、この半導体スイッチ回路を備えたインバータ回路を提供することができる。
次に、第2実施形態のインバータ回路について図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において、上述の第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のインバータ回路は、ゲート駆動回路DRVの構成が上述の第1実施形態と異なっている。
図6は、第2実施形態のインバータ回路のゲート駆動回路の一構成例を概略的に示す図である。
本実施形態では、ゲート駆動回路DRVが、半導体スイッチング素子4とダイオード3との接続点Fと、ドライバ7の出力端との間に、蓄積電荷排出回路が接続されている。蓄積電荷排出回路は、ダイオード(第2ダイオード)11と抵抗器12とを直列接続して構成されている。
例えば図5に示す時刻t4において、還流強化部5の通流電流を半導体スイッチング素子4で遮断したとき、還流強化部5に蓄積電荷が残る。
そこで、本実施形態では、半導体スイッチング素子4で発生する蓄積電荷をドライバ7の出力端へ流す経路を設け、この経路に蓄積電荷排出回路を設けて、蓄積電荷をドライバ7にて処理している。すなわち、半導体スイッチ回路SWをオフする際には、ドライバ7には負バイアスがかかり、還流強化部5の蓄積電荷は蓄積電荷排出回路を介してドライバ7側へ引き込まれる。なお、半導体スイッチ回路SWをオンするときには、ドライバ7には正バイアスがかかり、還流強化部5の蓄積電荷が蓄積電荷排出回路を介してドライバ7に引き込まれることはない。
上記のように、本実施形態によれば、還流強化部5にて発生する蓄積電荷を処理することが可能となり、還流強化部5における逆回復損失を減らすことができる。
すなわち、本実施形態によれば、順方向通流能力および逆方向通流能力が高く、低損失である半導体スイッチ回路、および、この半導体スイッチ回路を備えたインバータ回路を提供することができる。
次に、第3実施形態の半導体スイッチ回路およびチョッパ回路について図面を参照して詳細に説明する。
図7は、第3実施形態のチョッパ回路の一構成例を概略的に示す図である。
本実施形態のチョッパ回路は、直流電源14と、コイル16と、第1半導体スイッチ回路SW1と、第2半導体スイッチ回路SW2と、コンデンサ15と、ゲート駆動回路DRVと、を備えた昇圧チョッパ回路である。
直流電源14は第2半導体スイッチ回路SW2に並列に接続されている。
コイル16は、直流電源14の正極と第2半導体スイッチ回路SW2の高電位側端子との接続ラインに介在されている。
第1半導体スイッチ回路SW1は上側(高電位側)アームに配置され、第2半導体スイッチ回路SW2は、下側(低電位側)アームに配置されている。上側アームと下側アームとは、高電位(P)側の出力ラインと低電位(N)側の出力ラインとの間に直列に接続され、上側アームと下側アームとの間にて直流電源14の正極と電気的に接続している。
コンデンサ15は、高電位側の出力ライン(P)と低電位側の出力ライン(N)との間に接続されている。
図8は、図7に示す第1半導体スイッチ回路の一構成例を概略的に示す図である。
第1半導体スイッチ回路SW1は、第1スイッチング素子1と、還流強化部5と、を備えている。第1スイッチング素子1と還流強化部5とは並列に接続されている。
すなわち、第1半導体スイッチ回路SW1は、上述の第1実施形態の半導体スイッチ回路SWから第2スイッチング素子2を省略した構成である。
第2半導体スイッチ回路SW2は、第1スイッチング素子1と、第2スイッチング素子2と、を備えている。すなわち、第2半導体スイッチ回路SW2は、上述の第1実施形態の半導体スイッチ回路SWから還流強化部5を省略した構成である。
図9は、図7に示すチョッパ回路のゲート駆動回路の一構成例を概略的に示す図である。ここでは、本実施形態のチョッパ回路の第1半導体スイッチ回路SW1を駆動する構成の一例を示している。
ゲート駆動回路DRVは、スイッチング信号源10と、ドライバ7と、ゲート抵抗6b-6cと、反転回路9と、を備えている。なお、ゲート駆動回路DRVは、チョッパ回路に含まれていてもよく、チョッパ回路の外部に設けられても構わない。
スイッチング信号源10は、半導体スイッチ回路SW1の第1スイッチング素子1、および半導体スイッチング素子4に共通のスイッチング信号を出力する。
ドライバ7は、例えば、第1スイッチング素子1、および、還流強化部5の低電位側の接続点(B点)の電位を基準として、スイッチング信号源10から供給された信号を出力する。ドライバ7から出力されたスイッチング信号は、ゲート抵抗6bを介して第1スイッチング素子1のゲート端子に印加されるとともに、反転回路9へ入力される。
なお、ドライバ7の基準となる電位は、半導体スイッチング素子4がpチャネル型であるときには、第1スイッチング素子1、および、還流強化部5に共通の基準電位を用いることが可能である。半導体スイッチング素子4が、nチャネル型であるときには、半導体スイッチング素子4のスイッチング信号の基準電位は、第1スイッチング素子1の基準電位と異なるため、別の基準電位に基づいてスイッチング信号を出力するドライバ(図示せず)が更に必要となる。
ゲート抵抗6bは、第1スイッチング素子1のゲート端子の前段に接続されている。ゲート抵抗6cは、半導体スイッチング素子4のゲート端子の前段に接続されている。
反転回路9は、ドライバ7から出力されたスイッチング信号を反転した信号を出力する。反転回路9から出力された信号は、ゲート抵抗6cを介して、半導体スイッチング素子4のゲート端子に印加される。
図10は、図9に示すゲート駆動回路にて第1半導体スイッチ回路を駆動したときの動作の一例を説明するための図である。
ここでは、本実施形態のチョッパ回路の第1半導体スイッチ回路SW1の第1スイッチング素子1、ダイオード3、および半導体スイッチング素子4に流れる電流の時間変化の一例を説明する。
時刻t1において、第2半導体スイッチ回路SW2のスイッチング信号がオンからオフへ切り替わると、誘導性負荷の電流は第1半導体スイッチ回路SW1へ逆方向の電流として流れ始める。
時刻t1-t2の期間はデッドタイム期間であり、半導体スイッチ回路SWへスイッチング信号は印加されず、電流は第1スイッチング素子1のボディダイオードのみに通流する。
時刻t2にて、第1スイッチング素子1および半導体スイッチング素子4がオンすると、電流は還流強化部5とボディダイオードを含む第1スイッチング素子1とに分流する。
半導体スイッチ回路SWをオフする際は、時刻t3にて、第1スイッチング素子1と半導体スイッチング素子4とがオフされる。
時刻t3-t4の期間はデッドタイム期間であり、時刻t4にて第2半導体スイッチ回路SW2がオンされる。
上記チョッパ回路において、第1半導体スイッチ回路SW1の順方向流通時(A点からB点へ電流が流れるとき)には、電流は、第1スイッチング素子1およびスイッチング素子4がオン状態では第1スイッチング素子1に通流し、全てのスイッチング素子がオフ状態では通流経路がなくなるため遮断される。
上記チョッパ回路において、第1半導体スイッチ回路SW1の逆方向流通時(B点からA点へ電流が流れるとき)には、電流は、全てのスイッチング素子がオン状態ではボディダイオードを含む第1スイッチング素子1と還流強化部5とに分流し、全てのスイッチング素子がオフ状態では第1スイッチング素子1のボディダイオードに流れる。
例えば、昇圧チョッパ回路で、電力フローが直流電源14からコンデンサ15への方向へ限定されるときには、第1半導体スイッチ回路SW1には順方向に電流を流すモードが存在しない。そのため、第1半導体スイッチ回路SW1は、上述の第1実施形態の半導体スイッチ回路SWから第2スイッチング素子2を省略した構成とすることができる。
また、昇圧チョッパ回路で、電力フローが直流電源14からコンデンサ15への方向へ限定されるときには、第2半導体スイッチ回路SW2は逆方向に電流を流すモードが存在しない。そのため、第2半導体スイッチ回路SW2は、上述の第1実施形態の半導体スイッチ回路SWから還流強化部5を省略した構成とすることができる。
上記のように、本実施形態によれば、順方向および逆方向通流能力の高い半導体スイッチ回路SW1、および、この半導体スイッチ回路SW1を備えたチョッパ回路を提供することが可能であるとともに、部品点数を削減し製造コストを削減したチョッパ回路を提供することが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、順方向通流能力および逆方向通流能力が高く、低損失である半導体スイッチ回路、この半導体スイッチ回路を備えたチョッパ回路を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
[付記1]
ワイドバンドギャップ半導体を利用した第1スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子と並列に接続され、ダイオードと半導体スイッチング素子とを直列接続した回路と、を備え、
前記ダイオードは、カソードが前記第1スイッチング素子のドレインと電気的に接続可能であり、アノードが前記第1スイッチング素子のソースと電気的に接続可能であり、
前記半導体スイッチング素子は、前記ダイオードと逆方向に電流を流すボディダイオードを備える、ことを特徴とする半導体スイッチ回路。
[付記2]
前記第1スイッチング素子と並列に接続され、シリコン半導体を利用したスイッチング素子を備えた第2スイッチを備えたことを特徴とする[付記1]記載の半導体スイッチ回路。
[付記3]
前記半導体スイッチング素子はpチャネル型であることを特徴とする[付記1]又は[付記2]記載の半導体スイッチ回路。
[付記4]
前記第1スイッチング素子の定格電流は前記ダイオードの定格電流よりも小さいことを特徴とする、[付記1]乃至[付記3]の何れか記載の半導体スイッチ回路。
[付記5]
[付記1]記載の半導体スイッチ回路と、
前記半導体スイッチ回路と直列に接続され、シリコン半導体を利用したスイッチング素子とワイドバンドギャップ半導体を利用したスイッチング素子とを並列に接続した第2半導体スイッチ回路と、
前記半導体スイッチ回路および第2半導体スイッチ回路を駆動するゲート駆動回路と、を備え、
前記ゲート駆動回路は、前記半導体スイッチ回路のスイッチング信号のドライバと、前記半導体スイッチング素子の前段に配置され前記ドライバから出力された信号を反転する反転回路を備えたことを特徴とするチョッパ回路。
[付記6]
[付記2]記載の半導体スイッチ回路を複数と、
前記半導体スイッチ回路を駆動するゲート駆動回路と、を備え、
前記ゲート駆動回路は、前記半導体スイッチ回路のスイッチング信号のドライバと、前記第1スイッチング素子の前段に配置され前記ドライバから出力された信号を遅延させる遅延回路と、前記半導体スイッチング素子の前段に配置され前記ドライバから出力された信号を反転する反転回路と、を備えたことを特徴とするインバータ回路。
[付記7]
前記ゲート駆動回路は、前記ダイオードと前記半導体スイッチング素子との間と、前記ドライバの出力端とを電気的に接続する経路を備え、
前記経路は、第2ダイオードと抵抗器とを直列接続した回路を備える、[付記5]記載のチョッパ回路。
[付記8]
前記ゲート駆動回路は、前記ダイオードと前記半導体スイッチング素子との間と、前記ドライバの出力端とを電気的に接続する経路を備え、
前記経路は、第2ダイオードと抵抗器とを直列接続した回路を備える、[付記6]記載のインバータ回路。
1…第1スイッチスイッチング素子、2…第2スイッチスイッチング素子、3…ダイオード、4…半導体スイッチング素子、5…還流強化部、6a-6c…ゲート抵抗、7…ドライバ、8…遅延回路、9…反転回路、10…スイッチング信号源、11…ダイオード(第2ダイオード)、12…抵抗器、14…直流電源、15…コンデンサ、16…コイル、18…交流負荷、SW…半導体スイッチ回路、SW1…第1半導体スイッチ回路、SW2…第2半導体スイッチ回路。

Claims (7)

  1. ワイドバンドギャップ半導体を用いた第1スイッチング素子と、
    シリコン半導体を用いた第2スイッチング素子と、
    ダイオードと半導体スイッチング素子とを直列接続した回路と、を備え、
    前記第1スイッチング素子、前記第2スイッチング素子、および前記回路は、互いに並列接続され、
    前記ダイオードは、カソードが前記第1スイッチング素子のドレインと電気的に接続され、アノードが前記第1スイッチング素子のソースと電気的に接続され、
    前記半導体スイッチング素子は、前記ダイオードと逆方向に電流を流すボディダイオードを備える、半導体スイッチ回路。
  2. 前記半導体スイッチング素子はpチャネル型である、請求項1記載の半導体スイッチ回路。
  3. 前記第1スイッチング素子の定格電流は前記ダイオードの定格電流よりも小さい、請求項1又は請求項2記載の半導体スイッチ回路。
  4. ワイドバンドギャップ半導体を用いた第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子と並列接続され、ダイオードと半導体スイッチング素子とを直列接続した回路と、を備え、前記ダイオードは、カソードが前記第1スイッチング素子のドレインと電気的に接続されるとともに、アノードが前記第1スイッチング素子のソースと電気的に接続され、前記半導体スイッチング素子は、前記ダイオードと逆方向に電流を流すボディダイオードを備える、第1半導体スイッチ回路と、
    シリコン半導体を用いた第2スイッチング素子と、前記第2スイッチング素子と並列接続されワイドバンドギャップ半導体を用いた第3スイッチング素子と、を備え、前記第1半導体スイッチ回路と直列接続された第2半導体スイッチ回路と、
    前記第1半導体スイッチ回路および前記第2半導体スイッチ回路を駆動するゲート駆動回路と、を備え、
    前記ゲート駆動回路は、前記第1半導体スイッチ回路のスイッチング信号のドライバと、前記半導体スイッチング素子の前段に配置され前記ドライバから出力された信号を反転する反転回路と、を備えた、チョッパ回路。
  5. 請求項1記載の半導体スイッチ回路を複数と、
    前記半導体スイッチ回路を駆動するゲート駆動回路と、を備え、
    前記ゲート駆動回路は、前記半導体スイッチ回路のスイッチング信号のドライバと、前記第1スイッチング素子の前段に配置され前記ドライバから出力された信号を遅延させる遅延回路と、前記半導体スイッチング素子の前段に配置され前記ドライバから出力された信号を反転する反転回路と、を備えた、インバータ回路。
  6. 前記ゲート駆動回路は、前記ダイオードと前記半導体スイッチング素子との間と、前記ドライバの出力端とを電気的に接続する経路を備え、
    前記経路は、第2ダイオードと抵抗器とを直列接続した回路を備える、請求項4記載のチョッパ回路。
  7. 前記ゲート駆動回路は、前記ダイオードと前記半導体スイッチング素子との間と、前記ドライバの出力端とを電気的に接続する経路を備え、
    前記経路は、第2ダイオードと抵抗器とを直列接続した回路を備える、請求項5記載のインバータ回路。
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