以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、この実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)物品収受システムの基本構成
図1は、本発明の一実施形態に係る物品収受システムの基本構成を概略的に示す図である。図1に示すように、この物品収受システムは、例えばインターネット等の通信網NW(ネットワーク)に接続可能な複数の宅配ボックス10と、通信網NWに接続されている管理サーバ20と、によって構成されている。また、物品収受システムには、通信網NWを介して各宅配ボックス10及び/又は管理サーバ20と通信可能な端末装置30が設けられてもよい。
この物品収受システムでは、各宅配ボックス10の設置場所において、例えば荷送り人によって収納された物品を集配業者が取り出すことができ、集配業者によって収納された物品を荷受け人(物品の届け先)が取り出すことができるようになっている。ここで、荷送り人とは、例えば、集配業者に集荷を依頼する個人又は企業等であってもよいし、通信網NW等を介して商品を販売する業者(通販業者)、商店、デパート、又は、多数の商品を仲買し卸す商社等であってもよい。
さらに、この物品収受システムでは、宅配ボックス10の利用に関してユーザ(例えば、荷送り人や集配業者)が支払った金額に応じて当該ユーザが特典を得ることができるようになっている。
各宅配ボックス10は、例えば宅配物(例えば、集配業者によって配送される荷物や、新聞、広告ビラ、回覧板等を含む)や郵便物等の荷物(物品)を収納する複数の収納ボックス10a,10b,…(図2に示す)を備えており、例えば集合住宅の玄関ホール、企業や施設等のエントランスホール、鉄道駅頭、コンビニエンスストア店頭等の種々の場所に設置されている。なお、各宅配ボックス10は、例えば鉄道駅頭、コンビニエンスストア店頭等の公衆の場所に設置される場合には、拠点型宅配ボックス又は街中ロッカーと呼ばれることがある。
管理サーバ20は、通信網NWを介して各宅配ボックス10と接続されており、各宅配ボックス10の収納状態と、物品の荷送り人、荷受け人及び集配業者に関する情報等と、を管理する。
端末装置30は、例えば、携帯端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、双方向の通信機能を備えたテレビジョン受像機(いわゆる多機能型のスマートテレビも含む)等のように、個々のユーザ(例えば集配業者、荷送り人、荷受け人等)によって操作される端末装置であってもよい。
(2)宅配ボックスの構成
図2及び図3を参照して宅配ボックス10の構成について説明する。図2は、宅配ボックスの外観を概略的に示す図であり、図3は、宅配ボックスの内部構成を示すブロック図である。
宅配ボックス10は、配達された物品を収納し、又は、収納された物品を取り出すための収納扉を備えた少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…から構成されている。各収納ボックス10a,10b,…の収納扉の開錠/施錠は、電気錠(図示省略)を用いて制御される。
宅配ボックス10の各収納ボックス10a,10b,…には、物品が収納ボックスに収納されているか否かを示す物品センサ信号を送信するための、透過式又は反射式光センサ等から構成された物品センサ(図示省略)が設けられている。各収納ボックス10a,10b,…は、例えば、収納する物品の大きさに応じて複数のサイズ(例えば、S、M、L、…)のものが設けられていてもよい。
宅配ボックス10はコンソールCを有しており、コンソールCには、情報を表示するための表示部16と、情報を入力するための入力部17と、が設けられている。本実施形態では、入力部17は、ファンクションキーやテンキー等から構成されたキーボード17aと、IDカードAの情報や、バーコード又は二次元コード(例えばQR(Quick Response)コード(登録商標))等を読み取るリーダー17bと、を含む。
IDカードAは、宅配ボックス10を利用するユーザを認証するための1つの認証手段として用いられるものであり、例えば、宅配ボックス10が集合住宅の玄関ホールに設置されている場合には集合住宅の居住者に配布されてもよいし、集配業者に配布されてもよい。
IDカードAが集合住宅の居住者に配布されている場合にIDカードAに記録される情報としては、例えば、居住者の氏名、部屋番号及び/又はメールアドレスと、所定のパスワードと、の組み合せを用いることができる。または、IDカードAが集配業者に配布されている場合にIDカードAに記録される情報としては、例えば、集配業者名及び/又はメールアドレスと、所定のパスワードと、の組み合せを用いることができる。また、IDカードAには、IDカードAの識別情報のみが記録されてもよい。この場合、IDカードAの識別情報に対応付けられたユーザ(例えば、上記の居住者や集配業者等)に関する情報が所定の記憶装置(例えば、後述する記憶装置14,24)に記憶されており、例えばIDカードAを用いてユーザを認証する場合には、IDカードAの識別情報に対応するユーザに関する情報が当該所定の記憶装置から読み出され、読み出された情報を用いて認証処理が行われてもよい。
図3に示すように、宅配ボックス10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、記憶装置14と、表示処理部15と、表示部16と、入力部17と、通信インタフェース部18と、を備えており、各部間の制御信号又はデータ信号を伝送するためのバス19が設けられている。
CPU11は、電源が宅配ボックス10に投入されると、ROM12又は記憶装置14に記憶された各種のプログラムをRAM13にロードして実行する。本実施形態では、CPU11は、ROM12又は記憶装置14に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、後述する取得手段41、記憶手段42及び付与手段43(図6に示す)の各機能を実現する。
CPU11は、管理サーバ20から送信された情報を、通信インタフェース部18を介して受信し、受信した情報をRAM13又は記憶装置14に記憶する。また、CPU11は、ROM12、RAM13又は記憶装置14に記憶されているデータを、通信インタフェース部18を介して管理サーバ20に送信する。
記憶装置14は、例えば、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、磁気記憶装置(例えばHDD(Hard Disk Drive)、フロッピーディスク(登録商標)、磁気テープ等)、光ディスク等の不揮発性の記憶装置であってもよいし、RAM等の揮発性の記憶装置であってもよく、CPU11が実行するプログラムやCPU11が参照するデータを格納する。また、記憶装置14には、後述する利用料データ(図7に示す)及び特典データ(図8に示す)が記憶されている。
なお、ここでは、記憶装置14が宅配ボックス10の内部に設けられている場合を一例として説明しているが、記憶装置14は、宅配ボックス10の内部ではなく、例えば、宅配ボックス10と通信網NWを介して通信可能な所定の装置(例えばファイルサーバ等)に設けられてもよい。この場合、CPU11は、記憶装置14に格納されたプログラムやデータの読み出し又は書き込みを行うために、通信網NWを介して当該所定の装置にアクセスしてもよい。
表示処理部15は、CPU11から与えられる表示用データを、表示部16に表示する。表示部16は、例えば、マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Crystal Display)モニタであり、表示用データに基づいて薄膜トランジスタを駆動することで、表示されるデータを表示画面に表示する。
入力部17は、上述したようにキーボード17a及びリーダー17bを含む。なお、入力部17は、例えばタッチパネルやタッチパッド等で構成されてもよく、この場合には、例えば表示画面を指先又はペンで触れること等によるタッチ方式の入力を受け付ける。タッチ入力方式は、例えば静電容量方式等の周知の方式であってもよい。また、入力部17は、音声入力用のマイクであってもよい。
通信インタフェース部18は、通信網NWを介して通信を行うためのインタフェース回路を含む。
(3)管理サーバの構成
図4を参照して管理サーバ20の構成について説明する。図4は、管理サーバの内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、管理サーバ20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、記憶装置24と、表示処理部25と、表示部26と、入力部27と、通信インタフェース部28と、を備えており、各部間の制御信号又はデータ信号を伝送するためのバス29が設けられている。管理サーバ20は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
CPU21は、電源が管理サーバ20に投入されると、ROM22又は記憶装置24に記憶された各種のプログラムをRAM23にロードして実行する。
記憶装置24は、例えば、フラッシュメモリ、SSD、磁気記憶装置、光ディスク等の不揮発性の記憶装置であってもよいし、RAM等の揮発性の記憶装置であってもよく、オペレーティングシステム(OS)やOS上で実行されるプログラムを記憶する。また、記憶装置24には、後述する管理データ(図5に示す)が記憶されている。
表示処理部25は、CPU21から与えられる表示用データを、表示部26に表示する。表示部26は、例えばLCDモニタであってもよい。入力部27は、例えばマウスや、キーボードや、音声入力用のマイク等の情報入力デバイスであってもよい。通信インタフェース部28は、通信網NWを介して通信を行うためのインタフェース回路を含む。
図5を参照して管理データの構成について説明する。図5は、管理データの構成例を示す図である。管理データには、複数の宅配ボックス10(図の例では、B1,B2,B3,…)毎に、その設置場所(図の例では、L1,L2,L3,…)と、各収納ボックス10a,10b,…の番号(収納ボックス番号)と、が記録されている。また、複数の収納ボックス10a,10b,…毎に、収納状態(ステータス)及び物品情報の各項目が設けられており、物品情報は、荷送り人情報、荷受け人情報、集配業者情報及び開錠情報、…の各項目で構成されている。なお、物品情報には、例えば、物品のサイズ、重量、温度、種類(例えば食料、衣類、家具、電気製品、レジャー用品、割れ物、冷凍品、冷蔵品、高額物品等)や、集配業者によって設定された物品の識別番号(宅配物ID)や、収納ボックスに物品が収納(入庫)されたときの日時情報等が含まれてもよい。
収納状態(ステータス)の項目には、宅配ボックス10から送信された信号(収納完了情報)に基づき収納ボックスに物品が収納されたと判断されると、「入庫」という情報が記録され、宅配ボックス10から送信された信号(出庫完了情報)に基づき収納ボックスが空き状態になったと判断されると、「空き」という情報が記録される。また、「空き」という情報が記録された収納状態に対応する物品情報には、例えば空データ(NULLデータ)が記録される。
荷送り人情報の項目には、例えば、荷送り人の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、FAX番号等が記録される。また、荷受け人情報の項目には、例えば、荷受け人の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、FAX番号等が記録される。さらに、集配業者情報の項目には、例えば、集配業者の名称、居所、電話番号、電子メールアドレス、FAX番号等が記録される。
開錠情報は、宅配ボックス10の各収納ボックス10a,10b,…の電気錠を開錠するために用いられるものである。この開錠情報の内容は、例えば、各収納ボックス10a,10b,…に物品を収納するユーザ(例えば、荷送り人や集配業者)によって自由に設定されてもよいし、CPU11によって生成された所定の内容(例えば、所定長のパスワード等)が設定されてもよい。
(4)物品収受システムにおける各機能の概要
本実施形態の物品収受システムで実現される機能について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態の物品収受システムで主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。図6の機能ブロック図では、取得手段41及び付与手段43が本発明の主要な構成に対応している。他の手段(記憶手段42)は必ずしも必須の構成ではないが、本発明をさらに好ましくするための構成要素である。
取得手段41は、少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…の利用に関してユーザ(例えば、荷送り人や集配業者)が支払った金額に関する情報を取得する機能を備える。
取得手段41の機能は、例えば以下のように実現される。なお、ここでは、ユーザが、宅配ボックス10の少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…の利用に関する所定の金額を利用料として宅配ボックス10の管理者(設置者であってもよい)に支払う場合を一例として説明する。
ここで、利用料は、例えば、ユーザが少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…のうち利用対象となる収納ボックスを予約する際に支払われてもよいし、ユーザが少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…を所定期間(例えば、1年間)利用するための契約を行う際に支払われてもよいし、ユーザが少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…のうち何れかの収納ボックスに物品を収納する際に支払われてもよい。また、利用料は、例えば、少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…のうち利用するために選択される収納ボックスの数が多いほど高額になるように設定されてもよいし、選択される収納ボックスのサイズが大きいほど高額になるように設定されてもよい。
先ず、管理サーバ20のCPU21は、例えば、利用料を支払ったユーザを識別するための情報(後述する)と、当該ユーザが支払った金額に関する情報と、が入力部27を用いて入力されると、ユーザを識別するための情報と当該ユーザが支払った金額に関する情報とを対応付けた状態で例えばRAM23又は記憶装置24に記憶する。なお、CPU21は、利用料を支払っていないユーザの情報を記憶する場合、当該ユーザが支払った金額を0円として記憶してもよい。そして、CPU21は、所定期間(例えば1時間等)が経過する毎に、当該期間内に記憶されたユーザを識別するための情報及び当該ユーザが支払った金額に関する情報を、通信インタフェース部28及び通信網NWを介して各宅配ボックス10に送信する。
一方、宅配ボックス10のCPU11は、管理サーバ20から送信された情報を、通信インタフェース部18を介して受信(取得)すると、取得した情報を例えばRAM13又は記憶装置14に記憶してもよい。
なお、CPU11は、所定期間(例えば1時間等)が経過する毎に、当該期間内に管理サーバ20に記憶されたユーザを識別するための情報及び当該ユーザが支払った金額に関する情報の送信要求を管理サーバ20に送信し、当該送信要求に応じて管理サーバ20から送信された情報を受信(取得)してもよい。また、CPU11は、ユーザを識別するための情報及び当該ユーザが支払った金額に関する情報を管理サーバ20以外の他の装置から受信(取得)してもよい。
記憶手段42は、ユーザを識別するための情報を、当該ユーザが少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…の利用に関して支払った金額に関する情報と対応付けた状態で記憶する機能を備える。これにより、特典の付与対象となるユーザ毎に特典の内容を管理することができる。
記憶手段42の機能は、例えば以下のように実現される。宅配ボックス10のCPU11は、取得手段41の機能に基づいてユーザを識別するための情報及び当該ユーザが支払った金額に関する情報を取得する毎に、例えばRAM13又は記憶装置14に記憶された情報を、図7に示す利用料データに記憶する。利用料データは、ユーザを識別するための情報(図7の例では、利用者ID、氏名/企業名、電話番号、メールアドレス、認証情報、…)毎に当該ユーザが支払った金額に関する情報(図7の例では、支払い済み利用料)が対応付けられた状態で記述されたデータである。ここで、認証情報は、ユーザを認証するのに用いられる情報であり、ユーザによって自由に設定されてもよいし、IDカードAに記録される情報と同じ内容であってもよい。なお、図7の例では、氏名/企業名、電話番号及びメールアドレスがユーザを識別するための情報に含まれている場合を一例として説明しているが、氏名/企業名、電話番号及びメールアドレスのうち少なくとも1つがユーザを識別するための情報に含まれていてもよい。
なお、CPU11は、例えばRAM13又は記憶装置14に記憶された情報を利用料データに記憶する際に、当該情報に含まれるユーザと同じユーザの情報が利用料データに既に記憶されている場合には、当該ユーザが支払った金額を当該ユーザの支払い済み利用料に加算してもよい。
また、CPU11は、少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…のうち何れかの収納ボックスに物品が収納される場合に、当該何れかの収納ボックスに設定された収納ボックスの利用料に基づいて決済処理を行い、決済処理が正常終了した場合に利用料データにアクセスして、当該利用料を、対応するユーザの支払い済み利用料に加算してもよい。ここで、収納ボックスの利用料は、例えば、収納ボックスのサイズが大きいほど高額になるように設定されてもよいし、収納ボックスが所定の物品(例えば、冷蔵品、冷凍品、鍵、書留等)専用である場合に高額になるように設定されてもよい。また、収納ボックスの利用料は、例えば、現金、クレジットカード、キャッシュカード、電子マネー(プリペイド型及びポストペイ型を含む)、ポイント等の周知の決済方法を用いて支払われてもよい。そして、CPU11は、収納ボックスの利用料が支払われたことを認識すると、決済処理を行う。この決済処理は、収納ボックスの利用料の支払いに用いられた決済方法に応じて、周知の方法で行われてもよい。
付与手段43は、ユーザが支払った金額に応じて当該ユーザに特典を付与する機能を備える。
また、付与手段43は、ユーザが支払った金額に応じて、当該ユーザによって指定された広告情報の提供態様を変動することによって、当該ユーザに特典を付与してもよい。これにより、例えば、ユーザが支払った金額が高い(例えば、収納ボックス10a,10b,…をより多く利用する等)ほど広告情報の提供態様が良くなるように特典が付与される場合には、広告情報の提供態様を良くすることによって広告効果を高めるために、収納ボックス10a,10b,…をより多く利用するようにユーザを動機付けることができるので、収納ボックス10a,10b,…の利用をさらに促進することができる。
さらに、付与手段43は、ユーザが支払った金額に応じて、広告情報の数、表示サイズ、提供場所、提供位置、提供時間帯及び提供期間のうち少なくとも1つを変動することによって、当該ユーザに特典を付与してもよい。これにより、例えば、ユーザが支払った金額が高い(例えば、収納ボックス10a,10b,…をより多く利用する等)ほど、広告情報の数、表示サイズ、提供場所、提供位置、提供時間帯及び提供期間のうち少なくとも1つがより良好になるように特典を付与することが可能になる。
さらにまた、付与手段43は、記憶手段42の機能に基づいて記憶された金額に関する情報に基づいて、対応するユーザに特典を付与してもよい。
この場合における付与手段43の機能は、例えば以下のように実現される。宅配ボックス10のCPU11は、例えば、記憶手段42の機能に基づいて、ユーザを識別するための情報を、当該ユーザが少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…の利用に関して支払った金額に関する情報と対応付けた状態で利用料データに記憶すると、図8に示す特典データを参照して、利用料データに新たに記憶されたユーザ、及び、利用料データに既に記憶されているユーザのうち支払い済み利用料が加算されたユーザに対して、ユーザによって指定された広告情報の提供態様を当該ユーザの支払い済み利用料に応じて変動することによって特典を付与してもよい。
ここで、広告情報は、例えば、テキストデータで構成されてもよいし、音声データで構成されてもよいし、画像(動画及び/又は静止画)データで構成されてもよい。また、広告情報は、例えば、管理サーバ20の入力部27を用いて、ユーザを識別するための情報と対応付けられた状態で入力されて宅配ボックス10に送信された後に、利用料データに記憶されてもよい。
特典データは、支払い済み利用料の金額毎に、特典内容が対応付けられた状態で記述されたデータである。図8の例では、特典内容として、収納ボックス10a,10b,…の利用に関する特典と、広告情報の提供態様に関する特典と、が設定されている。また、図8の例では、支払い済み利用料の金額が多いほど、高い特典が得られるように設定されている。なお、特典内容は、例えば、入力部17を用いて適宜変更されてもよい。
例えば、広告情報の提供態様に関する特典については、支払い済み利用料の金額が多いほど、ユーザが提供可能な広告情報の数を多くしてもよいし、所定の場所(例えば、表示部16等)に表示される広告情報のサイズを大きくしてもよいし、広告情報の提供場所を増やしてもよいし、広告情報の提供位置を当該広告情報がより確認し易い位置に設定してもよいし、広告情報の提供時間帯及び/又は提供期間を長くしてもよい。ここで、広告情報の提供場所は、例えば、表示部16だけでなく、収納ボックス10a,10b,…の利用を予約するためのホームページ(この場合、管理サーバ20及び/又は宅配ボックス10がウェブサーバとして機能してもよい)や、収納ボックス10a,10b,…に物品が収納されたこと及び/又は収納ボックス10a,10b,…から物品が取り出されたことを通知するためのメール等に増えていくように設定されてもよい。
CPU11は、ユーザの支払い済み利用料に応じた特典内容に従って、当該ユーザによって指定された広告情報を提供する。この場合、ユーザは、支払い済み利用料が自身よりも少ない他のユーザと比較して、例えば多数の広告情報を提供することが可能になる。したがって、ユーザが支払った金額が高いほど、広告情報の提供態様を良くすることによって広告効果を高めることができる。
また、付与手段43は、ユーザが支払った金額に応じて、少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…の利用に関する特典を当該ユーザに付与してもよい。
ここで、従来の物品収受システムでは、例えば、収納ボックスの利用頻度の高い集配業者が物品を収納する際に、収納ボックスの利用頻度の低い他の集配業者や個人等によって収納ボックスが既に占有されている場合には、当該集配業者が物品を収納することができなくなる虞があった。また、従来の物品収受システムでは、例えば、収納禁止物品(例えば、高額物品、所定値以上の重量を有する物品、腐敗する虞のある物品(例えば、食料)等)を収納ボックスに収納してはならない等の運用上の制限が課されたものが存在しており、この場合、集配業者が収納禁止物品を収納ボックスに収納することができないことから、収納ボックスを利用したあらゆる物品の収受を効率良く行うことができない虞があった。
一方、例えば、ユーザが支払った金額が高い(例えば、収納ボックスをより多く利用する等)ほど、収納ボックス10a,10b,…を優位に利用することができる(例えば、他の業者や個人等が利用できない収納ボックス10a,10b,…を利用可能にしたり、収納禁止物品を収納可能にする等)ように特典が付与される場合には、収納ボックス10a,10b,…を優位に利用するために、収納ボックス10a,10b,…をより多く利用するようにユーザを動機付けることができるので、収納ボックス10a,10b,…の利用をさらに促進することができる。
さらに、付与手段43は、ユーザが少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…に物品を収納する場合に、少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…の利用に関する特典を当該ユーザに付与してもよい。これにより、ユーザは、収納ボックス10a,10b,…に物品を収納する場合に、自身が支払った金額に応じて特典を得ることができる。
さらにまた、付与手段43は、ユーザが支払った金額に応じて、当該ユーザが利用可能な収納ボックス10a,10b,…の数、割合及び属性のうち少なくとも1つを変動することによって、当該ユーザに特典を付与してもよい。これにより、例えば、ユーザが支払った金額が高い(例えば、収納ボックス10a,10b,…をより多く利用する等)ほど、当該ユーザが利用可能な収納ボックス10a,10b,…の数、割合及び属性のうち少なくとも1つがより良好になるように特典を付与することが可能になる。
また、付与手段43は、ユーザが支払った金額に応じて、当該ユーザが利用可能な収納ボックス10a,10b,…として提示される収納ボックス10a,10b,…の数及び/又は割合を変動することによって、当該ユーザに特典を付与してもよい。これにより、ユーザは、提示された収納ボックス10a,10b,…の数及び/又は割合を得ることによって、利用可能な収納ボックス10a,10b,…を容易に認識することができる。
さらに、付与手段43は、少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…のうち所定の条件を満たす収納ボックス10a,10b,…を非提示の収納ボックス10a,10b,…として設定してもよい。ここで、所定の条件とは、例えば、少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…のうち、ユーザや収納ボックス10a,10b,…の管理者等によって指定された収納ボックス10a,10b,…であることであってもよいし、少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…のうち特定用途専用(例えば、冷蔵品専用や鍵管理用等)の収納ボックス10a,10b,…であることであってもよい。これにより、例えば、ユーザの利用対象とされない収納ボックス10a,10b,…が提示されないので、当該ユーザが、かかる収納ボックス10a,10b,…を利用対象として選択するのを抑制することが可能になる。
また、収納ボックス10a,10b,…の属性は、収納ボックス10a,10b,…のサイズ、収納ボックス10a,10b,…の位置、利用時間帯、物品収納時間及び収納可能物品のうち少なくとも1つを含んでもよい。これにより、例えば、ユーザが支払った金額が高い(例えば、収納ボックス10a,10b,…をより多く利用する等)ほど、収納ボックス10a,10b,…のサイズ、収納ボックス10a,10b,…の位置、利用時間帯、物品収納時間及び収納可能物品のうち少なくとも1つがより良好になるように特典を付与することが可能になる。
この場合における付与手段43の機能は、例えば以下のように実現される。宅配ボックス10のCPU11は、物品を届ける(収納する)ための収納ボタンと、物品を受け取るための受け取りボタンと、を含む表示画面(手続き選択画面)を表示部16に表示させる。そして、CPU11は、集配業者が入力部17を用いて収納ボタンを押下(選択)したことを認識すると、選択可能な収納ボックスに関する情報の送信要求を管理サーバ20に送信する。
一方、管理サーバ20のCPU21は、選択可能な収納ボックスに関する情報の送信要求を受信すると、管理データにアクセスし、送信要求を行った宅配ボックス10の各収納ボックス10a,10b,…のうち収納状態(ステータス)が「空き」の収納ボックスを抽出して、抽出した収納ボックスの情報(収納ボックス番号)を、送信要求を行った宅配ボックス10に送信する。
宅配ボックス10のCPU11は、収納ボックスの情報(収納ボックス番号)を受信すると、物品情報(開錠情報を含む)を入力するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させる。なお、物品情報は、例えばキーボード17aを用いて入力されてもよい。また、物品情報が、例えば、物品に貼付された記録媒体であって、リーダー17bで読み取り可能な記録媒体(例えばバーコード又は二次元コード等)に記録されている場合には、当該記録媒体に記録されている情報をリーダー17bに読み取らせることによって物品情報が入力されてもよい。
次に、CPU11は、ユーザが入力部17を用いて物品情報を入力したことを認識すると、ユーザを識別するための情報を入力するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させる。そして、CPU11は、ユーザを識別するための情報が入力部17を用いて入力されたことを認識すると、認証処理を行う。具体的に説明すると、CPU11は、利用者データにアクセスして、入力されたユーザを識別するための情報と一致する利用者情報を検索し、一致する利用者情報を検出した場合(つまり、認証処理が正常に終了した場合)に、当該利用者情報に対応する支払い済み利用料を抽出する。なお、ユーザを識別するための情報は、IDカードAに記録された情報をリーダー17bに読み取らせることによって入力されてもよい。
次いで、CPU11は、抽出した支払い済み利用料に応じてユーザに特典を付与する。具体的に説明すると、CPU11は、特典データを参照して、抽出した支払い済み利用料に対応する、収納ボックス10a,10b,…の利用に関する特典をユーザに付与する。
ここで、収納ボックス10a,10b,…の利用に関する特典については、例えば、支払い済み利用料の金額が多いほど、利用可能な収納ボックス(つまり、収納状態(ステータス)が「空き」の収納ボックス)のうち、ユーザが利用可能な収納ボックスの数及び/又は割合を多くしてもよいし、ユーザが利用可能な収納ボックスとして例えば表示部16等に表示(提示)される収納ボックスの数及び/又は割合を多くしてもよいし、ユーザが利用可能な収納ボックスのサイズを大きくしてもよいし、ユーザが利用可能な収納ボックスの位置を物品収納がより容易な位置に設定してもよいし、収納ボックスの物品収納時間を長くしてもよいし、収納可能物品の種類を増やしてもよい。ここで、収納可能物品の種類は、例えば、収納禁止物品(例えば、高額物品、所定値以上の重量を有する物品、腐敗する虞のある物品(例えば、食料)等)の種類が増えていくように設定されてもよい。この場合、例えば、収納禁止物品が収納ボックス10a,10b,…に収納されたことによって生じた問題(例えば、物品が腐敗した等)を解決するためのコストを、ユーザが多く支払った利用料に基づいて補うことが可能になる。
また、例えば、支払い済み利用料の金額が多いほど、ユーザが利用可能な収納ボックスとして表示(提示)される収納ボックスの数及び/又は割合を多くするように特典が付与される場合、所定の条件を満たす収納ボックスが非表示(非提示)の収納ボックスとして設定されてもよい。例えば、収納ボックスが、ユーザや収納ボックスの管理者等によって指定された収納ボックスであることを所定の条件とした場合、当該ユーザが物品を収納するための収納ボックスを選択する際に、当該ユーザや管理者等によって任意のタイミングに指定された収納ボックスが非表示(非提示)となる(つまり、選択されない)ように設定されてもよい。
そして、CPU11は、利用可能な収納ボックス(つまり、収納状態(ステータス)が「空き」の収納ボックス)の中からユーザが利用可能な収納ボックス10a,10b,…を、当該ユーザの支払い済み利用料に応じた特典内容に従って抽出する。この場合、ユーザは、支払い済み利用料が自身よりも少ない他のユーザと比較して、例えば多数の空き状態の収納ボックス10a,10b,…を利用することが可能になる。したがって、ユーザが支払った金額が高いほど、収納ボックスを優位に利用することができる。
なお、収納ボックス10a,10b,…の利用に関する特典は、例えば、ユーザの支払い済み利用料の金額が多いほど、当該ユーザ専用の収納ボックス10a,10b,…(つまり、当該ユーザ以外の他のユーザが収納状態に関わらず利用することができない収納ボックス)として設定される収納ボックス10a,10b,…の数を増やすことであってもよい。ここで、ユーザ専用の収納ボックス10a,10b,…は、例えば、当該ユーザが所望の収納ボックス番号を選択すること等によって指定されてもよい。この特典は、例えば、ユーザが少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…を所定期間(例えば、1年間)利用するための契約を行う際に付与されてもよい。また、ユーザ専用の収納ボックス10a,10b,…として選択された収納ボックス10a,10b,…の収納ボックス番号は、例えば、当該ユーザを識別するための情報に対応付けられた状態で利用者データに記憶されてもよい。
また、収納ボックス10a,10b,…の利用に関する特典は、例えば、ユーザの支払い済み利用料の金額が多いほど、当該ユーザが同時に利用可能な収納ボックス10a,10b,…の数を増やすことであってもよい。例えば、ユーザが同時に利用可能なボックス10a,10b,…の数が5つの場合には、当該ユーザが既に3つの収納ボックス10a,10b,…を利用中の状態(つまり、物品が収納されている状態)であっても、利用可能な収納ボックス10a,10b,…(収納状態(ステータス)が「空き」の収納ボックス)のうち、同時に利用可能な収納ボックス10a,10b,…の数(ここでは、5つ)から利用中の収納ボックス10a,10b,…の数(ここでは、3つ)を減算した数(ここでは、2つ)の収納ボックス10a,10b,…を当該ユーザが利用することができるようにしてもよい。ここで、ユーザが利用可能な収納ボックス10a,10b,…は、例えば、CPU11によって、任意に設定されてもよいし、所定のルール(例えば、異なるサイズ毎に少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…を設定する等)に従って設定されてもよい。この特典は、例えば、ユーザが少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…を所定期間(例えば、1年間)利用するための契約を行う際に付与されてもよい。また、ユーザが同時に利用可能な収納ボックス10a,10b,…の数は、例えば、当該ユーザを識別するための情報に対応付けられた状態で利用者データに記憶されてもよい。
(5)本実施形態の物品収受システムの主要な処理のフロー
次に、本実施形態の物品収受システムにより行われる主要な処理のフローの一例について、図9のフロー図及び図10~図11のシーケンス図を参照して説明する。
先ず、図9を参照して、特典付与処理の一例を説明する。管理サーバ20のCPU21は、例えば、利用料を支払ったユーザを識別するための情報と、当該ユーザが支払った金額に関する情報と、が入力部27を用いて入力されると、ユーザを識別するための情報と当該ユーザが支払った金額に関する情報とを対応付けた状態で例えばRAM23又は記憶装置24に記憶する。そして、CPU21は、所定期間(例えば1時間等)が経過する毎に、当該期間内に記憶されたユーザを識別するための情報及び当該ユーザが支払った金額に関する情報を、通信インタフェース部28及び通信網NWを介して各宅配ボックス10に送信する。
一方、宅配ボックス10のCPU11は、管理サーバ20から送信された情報を、通信インタフェース部18を介して受信(取得)すると(ステップS100)、取得した情報を例えばRAM13又は記憶装置14に記憶してもよい。
次に、CPU11は、ユーザが支払った金額に関する情報と、ユーザを識別するための情報とを対応付けた状態で記憶する(ステップS102)。具体的には、CPU11は、ステップS100において例えばRAM13又は記憶装置14に記憶された情報を、利用料データに記憶する。
次いで、CPU11は、ユーザが支払った金額に応じて当該ユーザに特典を付与する(ステップS104)。例えば、CPU11は、ユーザが支払った金額に応じて、当該ユーザによって指定された広告情報の提供態様を変動することによって、当該ユーザに特典を付与してもよい。この場合、CPU11は、ユーザが支払った金額に応じて、広告情報の数、表示サイズ、提供場所、提供位置、提供時間帯及び提供期間のうち少なくとも1つを変動することによって、当該ユーザに特典を付与してもよい。また、CPU11は、ユーザが支払った金額に応じて、当該ユーザ専用の収納ボックス10a,10b,…(つまり、当該ユーザ以外の他のユーザが収納状態に関わらず利用することができない収納ボックス)として設定される収納ボックス10a,10b,…の数を増やしたり、当該ユーザが同時に利用可能な収納ボックス10a,10b,…の数を増やすことによって、当該ユーザに特典を付与してもよい。
次に、図10を参照して、集配業者が物品を収納する処理(入庫処理)の一例を説明する。先ず、宅配ボックス10のCPU11は、物品を届ける(収納する)ための収納ボタンと、物品を受け取るための受け取りボタンと、を含む表示画面(手続き選択画面)を表示部16に表示させる(ステップS200)。そして、CPU11は、集配業者が入力部17を用いて収納ボタンを押下(選択)したことを認識すると(ステップS202)、選択可能な収納ボックスに関する情報の送信要求を管理サーバ20に送信する(ステップS204)。
一方、管理サーバ20のCPU21は、選択可能な収納ボックスに関する情報の送信要求を受信すると、管理データにアクセスし、送信要求を行った宅配ボックス10の各収納ボックス10a,10b,…のうち収納状態(ステータス)が「空き」の収納ボックスを抽出して(ステップS206)、抽出した収納ボックスの情報(収納ボックス番号)を、送信要求を行った宅配ボックス10に送信する(ステップS208)。
宅配ボックス10のCPU11は、収納ボックスの情報(収納ボックス番号)を受信すると、物品情報(開錠情報を含む)を入力するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させる(ステップS210)。
次に、CPU11は、集配業者が入力部17を用いて物品情報を入力したことを認識すると(ステップS212)、集配業者を識別するための情報を入力するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させる(ステップS214)。そして、CPU11は、集配業者を識別するための情報が入力部17を用いて入力されたことを認識すると(ステップS216)、認証処理を行う(ステップS218)。具体的に説明すると、CPU11は、利用者データにアクセスして、入力された集配業者を識別するための情報と一致する利用者情報を検索し、一致する利用者情報を検出した場合に、当該利用者情報に対応する支払い済み利用料を抽出する。
次いで、CPU11は、抽出した支払い済み利用料に応じて集配業者に特典を付与する(ステップS218)。具体的に説明すると、CPU11は、特典データを参照して、抽出した支払い済み利用料に対応する、収納ボックス10a,10b,…の利用に関する特典を集配業者に付与する(ステップS220)。例えば、CPU11は、ステップS208において受信した収納ボックス(収納状態(ステータス)が「空き」の収納ボックス)の中から集配業者が利用可能な収納ボックス10a,10b,…を、当該集配業者の支払い済み利用料に応じた特典内容に従って抽出してもよい。
また、CPU11は、ステップS208において受信した収納ボックス(収納状態(ステータス)が「空き」の収納ボックス)のうち集配業者に対して付与された特典内容に基づいて抽出された収納ボックスの中から何れかの収納ボックスを選択するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させる(ステップS222)。このとき、例えば、集配業者の支払い済み利用料の金額が多いほど、表示部16に表示(提示)される収納ボックス(つまり、集配業者が利用可能な収納ボックス)の数及び/又は割合が多くてもよい。
次に、CPU11は、集配業者が入力部17を用いて何れかの収納ボックスを選択したことを認識すると(ステップS224)、選択された収納ボックスに物品を収納するように案内するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させる(ステップS226)。
次いで、CPU11は、選択された収納ボックスに設けられた物品センサから、物品が収納されていることを示す物品センサ信号を受信した場合に(ステップS228)、当該収納ボックスの収納扉の施錠を行うように電気錠を制御する(ステップS230)。
また、CPU11は、ステップS212において入力された物品情報と、ステップS224において選択された収納ボックスの情報(収納ボックス番号)と、を含む収納完了情報を生成し、生成した収納完了情報を管理サーバ20に送信する(ステップS232)。
一方、管理サーバ20のCPU21は、収納完了情報を、通信インタフェース部28を介して宅配ボックス10から受信すると、記憶装置24に記憶された管理データにアクセスして、受信した収納完了情報に基づいて管理データを更新する(ステップS234)。具体的には、CPU21は、収納完了情報に含まれている情報を、管理データ内の複数の収納ボックス10a,10b,…のうち選択された収納ボックスの収納ボックス番号に対応する物品情報の各項目(ここでは、荷送り人情報、荷受け人情報、集配業者情報及び開錠情報等)に記憶する。また、CPU21は、選択された収納ボックスの収納ボックス番号に対応する収納状態(ステータス)を、「空き」から「入庫」に更新する。
さらに、宅配ボックス10のCPU11は、ステップS212において入力された物品情報から荷受け人情報を抽出して、荷受け人情報に含まれる荷受け人の連絡先(例えば、電話番号やメールアドレス等)に対して、物品が収納されたことを通知するためのメッセージを送信してもよい(ステップS236)。なお、このメッセージには、集配業者によって指定された広告情報が、ステップS220において当該集配業者に付与された特典内容に基づいて提供されてもよい。
次いで、図11を参照して、荷受け人が物品を取り出す処理(出庫処理)の一例を説明する。宅配ボックス10のCPU11は、物品を届ける(収納する)ための収納ボタンと、物品を受け取るための受け取りボタンと、を含む表示画面(手続き選択画面)を表示部16に表示させる(ステップS300)。CPU11は、荷受け人が入力部17を用いて受け取りボタンを押下(選択)したことを認識すると(ステップS302)、選択可能な収納ボックスに関する情報の送信要求を管理サーバ20に送信する(ステップS304)。
一方、管理サーバ20のCPU21は、選択可能な収納ボックスに関する情報の送信要求を受信すると、送信要求を行った宅配ボックス10の各収納ボックス10a,10b,…のうち収納状態(ステータス)が「入庫」の収納ボックスを抽出して(ステップS306)、抽出した収納ボックスの収納ボックス番号及び物品情報を、送信要求を行った宅配ボックス10に送信する(ステップS308)。
宅配ボックス10のCPU11は、収納ボックス番号及び物品情報を受信すると、各収納ボックス10a,10b,…のうち収納状態(ステータス)が「入庫」の収納ボックスの何れかを選択するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させる(ステップS310)。
CPU11は、荷受け人が入力部17を用いて何れかの収納ボックスを選択したことを認識すると(ステップS312)、選択された収納ボックスの開錠情報を入力するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させる(ステップS314)。
CPU11は、開錠情報が入力されたことを認識すると(ステップS316)、認証処理を行う(ステップS318)。具体的には、CPU11は、選択された収納ボックスに対応付けられている開錠情報と、入力された開錠情報とが一致するか否かを判別する。そして、CPU11は、選択された収納ボックスに対応付けられている開錠情報と、入力された開錠情報とが一致する場合(認証処理が正常終了した場合)に、選択された収納ボックスの収納扉の開錠を行うように電気錠を制御する(ステップS320)。
次いで、CPU11は、荷受け人が開錠した収納ボックスから物品を取り出すことによって(ステップS322)、開錠した収納ボックスに設けられた物品センサから、物品が収納されていないことを示す物品センサ信号を受信した(つまり、当該収納ボックスから物品が取り出された)場合に(ステップS324)、開錠した収納ボックスの情報(収納ボックス番号)を含む出庫完了情報を生成し、生成した出庫完了情報を管理サーバ20に送信する(ステップS326)。
一方、管理サーバ20のCPU21は、出庫完了情報を受信すると、管理データにアクセスして、受信した出庫完了情報に基づいて管理データを更新する(ステップS328)。具体的に説明すると、CPU21は、開錠した収納ボックスの収納ボックス番号に対応する物品情報の各項目に記憶された情報を消去(クリア)する。また、CPU21は、開錠した収納ボックスの収納ボックス番号に対応する収納状態(ステータス)を、「入庫」から「空き」に更新する。
また、宅配ボックス10のCPU11は、選択された収納ボックスの収納扉の開錠を行った場合に、開錠した収納ボックスに対応する物品情報から荷送り人情報を抽出する。そして、CPU11は、荷送り人情報に含まれる荷送り人の連絡先(例えば電話番号やメールアドレス等)に対して、物品が取り出されたことを通知するためのメッセージを送信する(ステップS330)。なお、このメッセージには、物品を収納した集配業者によって指定された広告情報が、当該集配業者に付与された特典内容に基づいて提供されてもよい。このようにして、荷送り人は、収納ボックスに収納した物品が荷受け人によって取り出されたことを認識することができる。
上述したように、本実施形態の物品収受システムによれば、少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…の利用に関してユーザが支払った金額を当該収納ボックス10a,10b,…の利用料として徴収することが可能になるので、例えば収納ボックス10a,10b,…の設置やメンテナンス等に維持管理に関する費用等の費用負担を軽減することができ、ひいては収納ボックス10a,10b,…の普及を進めることができる。また、ユーザは、少なくとも1つの収納ボックス10a,10b,…の利用に関して支払った金額に応じて特典を得ることが可能になるので、特典を得るために当該収納ボックス10a,10b,…を利用するようにユーザを動機付けることができ、結果として収納ボックス10a,10b,…の利用を促進することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上述した実施形態では、集配業者が何れかの収納ボックス10a,10b,…に物品を収納(入庫)する場合に当該集配業者に対して特典を付与する場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、荷送り人が何れかの収納ボックス10a,10b,…に物品を収納(入庫)する場合に当該荷送り人に対して特典を付与してもよい。
また、上述した実施形態では、管理サーバ20を備える場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、宅配ボックス10が、図5に示す管理データを例えば記憶装置14に記憶している場合(すなわち、少なくとも自身に設けられた複数の収納ボックス10a,10b,…の収納状態(ステータス)及び物品情報を管理している場合)には、管理サーバ20が設けられなくてもよい。
さらに、上述した実施形態では、宅配ボックス10によって、取得手段41、記憶手段42及び付与手段43の各機能を実現する構成としたが、この構成に限られない。例えば、これらの全ての手段を管理サーバ20によって実現する構成としてもよいし、少なくとも一部の手段を管理サーバ20によって実現する構成としてもよい。宅配ボックス10と管理サーバ20とでは、図3及び図4に示したように実質的に同一のハードウェア構成を採ることができるため、上記実施形態に記載したようにして管理サーバ20によっても各機能を実現できる。例えば、図12(a),(b)に、図6に示した機能ブロック図の各機能について、宅配ボックス10と、管理サーバ20との間の機能分担の例を示す。