JP7316234B2 - 制御装置、制御方法およびプログラム - Google Patents

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Description

本開示は、ゴミ焼却設備の制御装置、制御方法およびプログラムに関する。
ゴミ焼却炉にボイラを設置し、こみ焼却の際に発生する熱を回収し、発生した蒸気により発電を行なうゴミ発電では、ゴミを燃料として使用する。ゴミ発電での発電量のばらつきをなくすためには、ゴミの燃焼を安定させ、安定して計画したとおりの蒸気を発生させることが不可欠である。
特許文献1には、ゴミ焼却炉のボイラから発電所へ供給される蒸気の蒸気流量を検出し、検出した蒸気流量に基づいてゴミ焼却炉へ供給するゴミや空気の供給量を調節することにより、ゴミの安定燃焼を図る制御装置が開示されている。この制御装置は、例えば、蒸気流量が基準値を上回ったときにはゴミの炉内への供給量を減少させ、炉内でゴミを移動させる移動床の乾燥域、燃焼域、後燃焼域のうち、乾燥域と燃焼域に供給する空気流量を減少させる。また、制御装置は、蒸気流量が基準値を下回ったときにはゴミの供給量と乾燥域と燃焼域への空気の供給量を増加させる。
ゴミ焼却炉に供給されるゴミの成分は多様である。ビニール袋のようなものは、炉に供給されると瞬時に燃えてなくなる。ゴミ焼却炉に設置されている空気供給系統の応答速度では、ビニール袋のようなゴミの燃焼を調整することは難しい。その一方で、厨芥に代表される生ゴミなどは湿分があるので、炉に供給してもすぐに燃えることはなく、乾燥を待たなければならない。このようなゴミについては、乾燥から燃焼までの時間を利用して燃焼の制御を行うことが可能である。以下では,乾燥を経て燃焼するゴミを対象とする。
ゴミ焼却炉の熱出力は、ゴミの燃焼速度に比例することは明らかである。ゴミの燃焼速度は次の式(1)で表される。
=k・m ・・・・・(1)
ここで、kは主に酸素濃度により決まる助燃性を表す係数であり、ゴミ焼却炉への空気の供給量を増やすことで値が大きくなる。mは、乾燥が済んで燃料化したゴミの質量(ストック)である。燃焼速度の調整量をΔgで表すと、次式のように表される。
Δg=k・Δm + Δk・m ・・・・(2)
式(2)を参照すると、燃焼速度を制御する方法は2つ考えられる。1つ目の方法は、右辺の第1項(k・Δm)に基づいて、燃料となるゴミの焼却炉への供給量を制御する方法である。仮に乾燥済みですぐに燃料となるゴミを所望の量だけ供給できれば、この方法は有効であるが、実際には、ゴミ焼却炉への供給量を調節できるゴミは乾燥前のゴミである。すると、供給するゴミは湿っているためすぐに燃えることはなく、炉内でしばらく停留し乾燥して燃料化するまで待たなければならない。あるいは、ゴミが大きな塊を成している場合、その中心にあって、燃焼するには塊が崩れるのを待たなければならない可能性がある。これらの理由により、この方法には速応性がない。従って、供給するゴミの量を制御しても、直ちに所望の燃焼速度に制御できるとは限らない。
2つ目の方法は、式(2)の右辺第2項(Δk・m)に基づいて、炉への空気供給を制御する方法である。ゴミ焼却炉には、既に乾燥したゴミのストックがあるので、空気供給を増やすと、燃焼速度が増えて熱出力が増大する。例えば、特許文献1に記載の制御方法でも、蒸気量が基準値を下回ったときに、空気の供給量を増大させている。
式(2)から明らかなように空気供給調整Δkに対する燃焼速度調整量Δgの感度は、乾燥して燃料化したゴミのストックmである。ゴミのストックmの値を一定に管理して、Δkを調整することができれば、燃焼速度調整量Δgを制御することができる。Δgを制御できれば、燃焼状態を所望の状態に制御することができる。
関連する技術として特許文献2には、ゴミの燃え切りレベルを一定にすることにより、ゴミの燃焼を安定化する制御が記載されている。特許文献2では、ゴミの燃え切りレベルを、湿った状態のゴミが堆積する乾燥域のゴミ質量W1と、乾燥済みのゴミが堆積する燃焼域のゴミ質量W2の和W1+W2として定義している。上記のとおり、乾燥域のゴミは、乾燥するまでの間、燃料とはならない。従って、ゴミの燃えきりレベルが一定であったとしても、その内訳によって燃焼状態は異なる可能性がある。例えば、乾燥したゴミのストックが厚く堆積し、このような状態でゴミ層が崩れると,炉内全体での燃焼速度が突発的に増大し、蒸気流量などに大きな擾乱が発生する可能性がある。
また、特許文献3には、ホッパ底部のゴミが圧密化されることによるゴミ比重の増大やホッパに投入されるゴミそのものの比重が大きい場合などにゴミの供給量が増加して、ゴミの定量供給を行うことが困難になるという課題に対し、ホッパ内のゴミの比重に応じて、ゴミの供給重量が一定になるようにゴミを炉内へ押し出すプッシャの速度を制御する方法が開示されている。
特公平03-023806号公報 特開昭61-36611号公報 特開2001-355819号公報
ゴミ焼却炉の燃焼状態を所望の状態に保つためには、燃焼可能なゴミのストックmを管理して、ゴミの燃焼速度を制御する必要がある。
本開示は、上記課題を解決することができる制御装置、制御方法およびプログラムを提供する。
本開示の制御装置は、ゴミ焼却設備が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となるように前記ゴミ焼却設備の炉へ供給するゴミの供給量を制御するゴミ供給量制御部と、前記炉へ供給する空気の空気流量の変化に対する前記蒸気流量の感度が所定の第2設定値となるような前記空気流量の制御値を算出する空気流量制御部と、備える。

本開示の制御装置は、ゴミ焼却設備の炉へ供給するゴミの供給量を算出するゴミ供給量制御部であって、前記ゴミ焼却設備が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となる前記ゴミの第1供給量を算出し、前記炉へ供給する空気の空気流量の変化に対する前記蒸気流量の感度が所定の第2設定値となる前記ゴミの第2供給量を算出し、前記第1供給量に前記第2供給量を加算して、前記供給量を算出するゴミ供給量制御部、を備える。
また、本開示の制御方法は、ゴミ焼却設備が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となるように前記ゴミ焼却設備の炉へ供給するゴミの供給量を制御し、前記炉へ供給する空気の空気流量の変化に対する前記蒸気流量の感度が所定の第2設定値となるような前記空気流量の制御値を算出する。
また、本開示のプログラムは、コンピュータを、ゴミ焼却設備が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となるように前記ゴミ焼却設備の炉へ供給するゴミの供給量を制御する手段、前記炉へ供給する空気の空気流量の変化に対する前記蒸気流量の感度が所定の第2設定値となるような前記空気流量の制御値を算出する手段、として機能させる。
上述の制御装置、制御方法およびプログラムによれば、ゴミの燃焼状態を安定化することができる。
各実施形態に係るゴミ焼却設備の要部の一例を示す図である。 第一実施形態に係る制御方法を説明する図である。 第一実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。 第二実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。 第三実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。 第四実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。 第五実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。 第六実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。 第六実施形態に係る従来技術による制御装置の機能構成の一例を示す図である。 一般的なゴミ供給量制御を説明する図である。 第六実施形態に係るゴミ供給量制御を説明する第1の図である。 第六実施形態に係るゴミ供給量制御を説明する第2の図である。 第七実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。 第八実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。 第九実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。 第十実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。 第十一実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。 各実施形態に係る制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
以下、各実施形態に係るゴミ焼却設備の制御装置について、図1~図18を参照しながら詳しく説明する。
(構成)
図1は、各実施形態に係るゴミ焼却設備の要部の一例を示す図である。
ゴミ焼却設備100は、ゴミが投入されるホッパ1と、ホッパ1に投入されたゴミを燃焼室6内に供給するプッシャ2と、プッシャ2によって供給されたゴミを受けて、ゴミを移送しながら乾燥と燃焼を行うストーカ3と、ゴミを燃焼する燃焼室6と、灰を排出する灰出口7と、空気を供給する送風機4と、送風機4によって供給された空気をストーカ3の各部へ導く複数の風箱5A~5Eと、ボイラ9と、を備える。
プッシャ2は、ホッパ1の下部に設けられ、ホッパ1内に供給されたゴミを所定のストロークで進退移動して燃焼室6内に押し出して、ゴミを燃焼室6内のストーカ3上に供給する。プッシャ2は、制御装置20から制御信号を受け、ゴミを押し出す動作を行う。
ストーカ3は、プッシャ2によって供給されたゴミの水分を蒸発させて乾燥させる乾燥域3Aと、乾燥域3Aの後流に位置し、乾燥したゴミを燃焼させる燃焼域3Bと、燃焼域3Bの後流に位置し、燃焼されずに通過してきた固定炭素分等の未燃分を灰になるまで燃焼させる後燃焼域3Cとを備えている。制御装置20からの制御信号を受け、ストーカ3の動作速度が制御される。
送風機4は、ストーカ3の下方に設けられる風箱5A~5Eを介して、空気をストーカ3の各部に供給する。例えば、燃焼域3Bにおける空気の供給量が増大すると、ゴミの燃焼が促進される。送風機4は、制御装置20からの制御信号を受け、風箱5A~5Eの空気流量を変更する。また、送風機4と風箱5Aを接続する管路にはバルブ8Aが設けられ、バルブ8Aの開度を調節することによっても、風箱5Aへ供給される空気流量を調節することができる。同様にバルブ8B~8Eの開度を調整することによって、それぞれ、風箱5B~5Eへ供給する空気流量を制御することができる。制御装置20からの制御信号を受け、バルブ8B~8Eの開度が制御される。
燃焼室6は、ストーカ3の上方に、一次燃焼室6Aと二次燃焼室6Bとからなり、ボイラ9は、燃焼室6に配設されている。ボイラ9は、燃焼室6から送られた排ガスとボイラ9内を循環する水と熱交換して蒸気を発生させる。蒸気は管路10を通じて発電所へ供給される。管路10には、蒸気の流量を検出する蒸気流量センサ11が設けられている。蒸気流量センサ11は制御装置20と接続されていて、蒸気流量センサ11が計測した計測値は、制御装置20へ送信される。ボイラ9の排ガス出口には、煙道12が接続されていて、ボイラ9で熱回収された排ガスは煙道12を通過して不図示の排ガス処理設備を通過後、外部に排出される。煙道12にはCО濃度センサ13、O濃度センサ14が設けられている。CО濃度センサ13、O2濃度センサ14は制御装置20と接続されていて、CО濃度センサ13、O濃度センサ14が計測した計測値は、制御装置20へ送信される。
制御装置20は、データ取得部21と、空気流量制御部22と、ゴミ供給量制御部23と、ゴミ搬送制御部24と、を備える。
データ取得部21は、センサの計測値、ユーザの指令値など各種データを取得する。例えば、データ取得部21は、蒸気流量センサ11が計測した計測値を取得する。
空気流量制御部22は、送風機4へ制御信号を出力し、送風機4の動作を制御することによって、ストーカ3へ供給される空気流量を制御する。また、空気流量制御部22は、バルブ8A~8Eへ制御信号を出力し、バルブ8A~8Eそれぞれの開度を調節することにより、風箱5A~5Eへ供給される空気流量を制御する。
ゴミ供給量制御部23は、プッシャ2へ制御信号を出力し、プッシャ2の動作を制御することによって、燃焼室6へ供給されるゴミの量を制御する。例えば、ゴミ供給量制御部23は、蒸気流量センサ11が計測した計測値が、所定の設定値となるようなゴミの供給量を算出し、この供給量を燃焼室6へ供給できるようにプッシャ2を伸展させる制御信号を出力する。例えば、蒸気流量の計測値が設定値を下回ると、ゴミ供給量制御部23は、ゴミの供給量を増大させ、蒸気流量の計測値が設定値を超過すると、ゴミの供給量を減少させる。
ゴミ搬送制御部24は、ストーカ3へ制御信号を出力し、ストーカ3によるゴミの搬送速度を制御する。
<第一実施形態>
図2は、第一実施形態に係る制御方法を説明する図である。
本実施形態では,乾燥が済んで燃料化したゴミのストックmを管理してゴミ燃焼の安定化を図る。上記の式(2)から分かるように、空気の供給量に対する燃焼速度の感度からmを推定することができる。そのため、本実施形態では、空気の供給量を変更し、それに対する炉(燃焼室6)におけるゴミの燃焼速度の応答を取得する。燃焼速度の指標としては,例えば蒸気流量を用いることができる。他の例として、例えば、炉から排出される排ガスの温度を燃焼速度の指標としてもよい。空気流量と蒸気流量の関係を図2のグラフに示す。図2の縦軸は蒸気流量、横軸は空気流量を示している。図2には、燃料化したゴミのストックmが大きい場合に炉内に供給される空気流量と蒸気流量センサ11が計測する蒸気流量の計測値との関係を示すカーブ310と、mが小さいときの空気流量と蒸気流量の関係を示すカーブ320が表示されている。これらのカーブの左端(図示するA0より左側の領域)は空気不足の領域である。空気不足のときには,燃料化したゴミのストックmの大小に関係なく、与えた空気流量で蒸気流量が決まる。右端(図示するC0より右側の領域)は空気過剰の領域である。空気過剰のときには,蒸気流量は、空気流量に依存せず、燃料化したゴミのストックmで決まる。両者の中間の領域では、カーブ310,320の勾配(感度)がmの値と空気流量とに応じて変化する。
例えば,蒸気流量がDの状態を保って運転することを考える。このとき、燃料化したゴミのストックmが小さいカーブ320と同様の場合、空気流量はBでバランスする。しかし、mがカーブ310と同様の場合でも空気流量Aとすれば、蒸気流量はDでバランスする。このように、蒸気流量をDの一点に定めても燃料化したゴミのストックmは不定である。このことは、運転の自由度につながる一方で、ゴミのストックを管理する必要性を示している。例えば、ゴミのストックが過大になれば、焼却炉内で燃え尽きる前に排出されるなどの不都合が生じ得る。
回避策として、空気流量に対する蒸気流量のカーブの勾配(Δgsteam)/(Δgair)を予め定めた値に管理することが考えられる。例えば、図2において、カーブの勾配を、カーブ310が空気流量Bのときに成す値に定める。そのようにすれば、m大のカーブ320については蒸気流量Eがバランス点となる。つまり、蒸気流量とカーブの勾配を定めれば、乾燥して燃料化したゴミのストックmの値を1つに定めることができる。本実施形態では、この性質を利用して、mを一定の値に管理しつつ、蒸気流量(燃焼速度)を一定に保ち、ゴミ焼却炉の燃焼状態を安定化させる。
蒸気流量については、蒸気流量センサ11の計測値を取得することによって監視が可能である。以下、勾配を検出する手法について述べる。ゴミの燃焼は、定常的に変動しており時間的に一定ではない。このため、空気流量を増減して、それに対する蒸気流量の応答を調べる方法では、応答が定常的な変動に埋もれてしまう。応答を精度よく検出するには、空気流量の増減幅を大きくすることも考えられるが、空気流量を大きく増減させると、ゴミ焼却設備100の安定な運転の擾乱となる。そこで、空気流量を特定の周期、例えば1分程度の周期でゴミ焼却設備100の運転に悪影響が出ない範囲の振幅で正弦波状に変化させ、蒸気流量の応答からその周期の成分だけを検出することで、定常的な変動の影響を排除する。空気流量の変化のさせ方の例を式(3)に示す。
Figure 0007316234000001
空気を1分周期で変更したら,その応答も同じ周期で出現するので、フーリエ変換により式(4)を用いて、蒸気流量の1分周期の成分の振幅を検出する。
Figure 0007316234000002
なお、Δgsteam[t]=gsteam[t]-E(gsteam)である。ここに、E(gsteam)は、gsteam[t]の期待値、例えば、1周期における平均値である。このようにして、空気流量の周期的な変化に対する蒸気流量の周期的な変化を検出し、蒸気流量を所定の値に制御し、且つ、勾配(Δgsteam)/(Δgair)が所定の値となるように制御できれば、燃料化したゴミのストックmの値を一定に保ちながら、燃焼速度を一定に制御し、燃焼状態を安定させることができる。
(構成)
次に第一実施形態における空気流量制御部22の機能と構成について説明する。
図3は、第一実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図3に制御装置20のうち本実施形態に係る空気流量制御部22の構成を示す。
データ取得部21、空気流量制御部22、ゴミ搬送制御部24については、図1を用いて説明したものと同様である。
空気流量制御部22は、基本制御部2201と、空気流量周期変化生成部2202と、勾配設定部2203と、PI(Proportional Integral)制御部2204と、応答振幅検出部2205と、勾配算出部2206と、加算部2207と、減算部2208と、減算部2209と、を備える。
基本制御部2201は、蒸気流量センサ11が計測する蒸気流量の値が、所定の設定値となる燃焼状態での空気流量の設定値を出力する。
空気流量周期変化生成部2202は、所定の周期で空気流量を増減させるための増減値を算出する。空気流量周期変化生成部2202は、例えば、式(3)の右辺第2項を用いて増減値を算出する。
勾配設定部2203は、所定の蒸気流量の設定値に対応する勾配の設定値を算出し、出力する。勾配の値は、蒸気流量の設定値ごとに予め定められている。
PI制御部2204は、勾配の設定値と実際の勾配(蒸気流量および空気流量に基づいて算出される勾配の算出値)との偏差が0になるような空気流量の補正量11を算出する。
応答振幅検出部2205は、空気流量周期変化生成部2202によって一定の周期で変化している空気流量に対する蒸気流量の変化を検出する。応答振幅検出部2205は、例えば、式(4)に基づいて、蒸気流量の振幅の周期的な変化を検出する。
勾配算出部2206は、応答振幅検出部2205が検出した振幅の微小時間における変化量(Δgsteam)と空気流量制御部22が算出した空気流量の微小時間における変化量(Δgair)とに基づいて、勾配(Δgsteam)/(Δgair)を算出する。
(動作)
まず、基本制御部2201が、空気流量の設定値を算出し、その値を加算部2207に出力する。空気流量周期変化生成部2202は、空気流量の増減値を算出し、その値を減算部2208に出力する。減算部2208は、増減値から補正量11(初期値=0)を減算し、補正量12を算出する。減算部2208は、補正量12を加算部2207に出力する。加算部2207は、空気流量の設定値と補正量12を加算する。空気流量制御部22は、加算後の値を本実施形態の空気流量設定値A22-1とおく。空気流量制御部22は、空気流量設定値A22-1に基づいて送風機4の回転数指令値やバルブ8A~8Eそれぞれの開度指令値を算出する。空気流量制御部22は、算出した回転数指令値に基づいて送風機4が送出する空気流量を制御し、開度指令値に基づいてバルブ8A~8Eの開度を制御する。
次に、空気流量制御部22は、蒸気流量センサ11が計測した蒸気流量の計測値を、データ取得部21を通じて取得する。応答振幅検出部2205は、蒸気流量の計測値の変化の中から、フーリエ変換を用いて、空気流量周期変化生成部2202が生成した周期的な空気流量の変化への応答成分を抽出し、蒸気流量の周期的な振幅の変化を算出する。応答振幅検出部2205は、蒸気流量の周期的な振幅の変化を示す情報を勾配算出部2206へ出力する。次に勾配算出部2206が、空気流量の1周期毎の変化と、それに対応する蒸気流量の1周期毎の変化を比較して、微小時間ごとの空気流量の変化(Δgair)に対する蒸気流量の感度、つまり、勾配((Δgsteam)/(Δgair))を算出する。勾配算出部2206は、勾配の算出値を減算部2209へ出力する。
また、勾配設定部2203は、所定のmおよび所定の蒸気流量の設定値に対応する勾配の設定値を算出する。勾配設定部2203は、勾配の設定値を減算部2209へ出力する。
次に減算部2209は、勾配設定部2203が出力した勾配の設定値と、勾配算出部2206が出力した勾配の算出値との偏差(勾配の設定値-勾配の算出値)を算出し、この値をPI制御部2204へ出力する。次にPI制御部2204は、勾配の設定値と勾配の算出値の偏差が0となるような空気流量の補正量11をPI制御により算出する。PI制御部2204は、補正量11を減算部2208へ出力する。
空気流量周期変化生成部2202は、継続的に空気流量の周期的な増減値を算出し、その値を減算部2208に出力する。減算部2208は、空気流量周期変化生成部2202が算出した増減値からPI制御部2204が算出した補正量11を減算し、補正量12を算出し、補正量12を加算部2207へ出力する。次に加算部2207は、基本制御部2201が算出した空気流量設定値に補正量12を加算して、空気流量設定値A22-1を算出する。
空気流量制御部22は、新たに算出された空気流量設定値A22-1に基づいて、送風機4、バルブ8A~8Eを制御する。空気流量制御部22は、上記の処理を繰り返す。これにより、蒸気流量が一定、勾配が一定となるような空気流量が算出され、この空気流量によってゴミ焼却設備100の運転が制御される。
例えば、勾配の設定値に対し、勾配の算出値(実際の勾配)が不足すれば、PI制御部2204により空気流量を減じる補正量11が算出される。空気流量を減じると、蒸気流量はそれに応じて減少し、蒸気流量の設定値に不足する。すると、ゴミ供給量制御部23がプッシャ2の動作を制御してゴミの供給量を増加させる。追加的に供給されたゴミは、やがて乾燥するので、燃料化したゴミストックmが増加することにより、蒸気流量が回復し、それに応じて空気流量を調整することにより、勾配の不足が解消する。
逆に、勾配の設定値に対し実際の勾配が超過すれば、PI制御部2204により空気流量を増加する補正量11が算出される。空気流量が増加すると、ゴミの燃焼が促進され、蒸気流量は増加する。すると、ゴミ供給量制御部23がプッシャ2の動作を制御してゴミの供給量を低下させる。燃料化したゴミストックmの増加が抑えられると、蒸気流量の増加が抑制され、それに応じて空気流量を調整することにより、勾配の超過が解消する。
このようにして、蒸気流量と勾配がそれぞれの設定値となり、燃料化したゴミのストックmおよび燃焼速度を所定の値に制御することができる。
上記説明したように本実施形態によれば、燃料化したゴミのストックmを予め定めた値に管理しつつ、燃焼速度を一定とすることにより、ゴミ焼却設備100における燃焼状態を安定化し、発電所へ供給する蒸気量を所望の値に制御することができる。これにより、例えば、ゴミ焼却設備100の設備能力の上限に近い状態で連続運転することが可能となり、設備利用率が向上する。また、燃焼の安定化により,NOXやCOなどの排出を抑制することができる。
なお、勾配の設定値は一定値であってもよいし、蒸気流量に応じて変更してもよい。さらに、ゴミの性質が検出できるのであればそれに応じて変更してもよい。本実施形態では、勾配の設定値を蒸気流量に応じて変更すると説明したが、これは一例である。蒸気流量以外にも、ゴミ焼却炉の運転状態を代表する数値、例えば、発電出力の設定値に応じて前記勾配の設定値を変えてもよい。これは、後述の実施形態についても同様である。
<第二実施形態>
第一実施形態では、勾配に基づいて空気流量を制御することとしたが、勾配に基づいてゴミの供給量を制御するようにしてもよい。
(構成)
図4は、第二実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図4に本実施形態に係る制御装置20Aのうち空気流量制御部22Aとゴミ供給量制御部23Aの構成を示す。データ取得部21、ゴミ搬送制御部24については、図1を用いて説明したものと同様である。
空気流量制御部22Aは、基本制御部2201と、空気流量周期変化生成部2202と、加算部2207とを備える。これらの構成は、第一実施形態と同様である。
ゴミ供給量制御部23Aは、給じん制御部2301と、勾配設定部2302と、PI制御部2303と、応答振幅検出部2304と、勾配算出部2305と、加算部2306と、減算部2307と、を備える。
給じん制御部2301は、蒸気流量センサ11が計測する蒸気流量の計測値が、所定の設定値となるようなゴミの供給量(ゴミ要求値)を算出する。例えば、蒸気流量の計測値が設定値を下回ると、ゴミの供給量を増大させ、蒸気流量の計測値が設定値を超過すると、ゴミの供給量を減少させるようなゴミ要求値を算出する。
勾配設定部2302は、蒸気流量の設定値に対応する勾配の設定値を算出する。勾配の設定値は、例えば、蒸気流量の値ごとに予め定められている。
PI制御部2303は、勾配の設定値と勾配の算出値(実際の勾配)との偏差に基づいて、偏差が0になるようなゴミの要求値の補正量21を算出する。
応答振幅検出部2304は、第一実施形態の応答振幅検出部2205と同様に、例えば、式(4)に基づいて、蒸気流量の振幅の周期的な変化を検出する。
勾配算出部2305は、第一実施形態の応答振幅検出部2205と同様に、応答振幅検出部2304が検出した振幅の微小時間における変化量(Δgsteam)と空気流量の微小時間における変化量(Δgair)とに基づいて、勾配(Δgsteam)/(Δgair)を算出する。
(動作)
空気流量制御部22Aでは、基本制御部2201が、空気流量の設定値を算出し、この値を加算部2207へ出力する。空気流量周期変化生成部2202は、式(3)に基づいて継続的に空気流量の増減値を算出し、この値を加算部2207へ出力する。加算部2207は、空気流量の設定値と空気流量の増減値を加算する。空気流量制御部22Aは、加算後の値を本実施形態の空気流量設定値A22-2とおき、送風機4の動作やバルブ8A~8Eの開度を制御する。これにより、風箱5A~5Eへ供給される空気流量は、所定の周期で正弦波状に変化する。空気流量制御部22Aは、この動作を繰り返す。
ゴミ供給量制御部23Aでは、蒸気流量センサ11が計測した蒸気流量の計測値を、データ取得部21を通じて取得する。ゴミ供給量制御部23Aの給じん制御部2301は、蒸気流量の設定値と計測値に基づいて、蒸気流量の計測値が蒸気流量の設定値となるようなゴミ要求値を算出する。給じん制御部2301は、ゴミ要求値を加算部2306へ出力する。
また、応答振幅検出部2304は、空気流量の周期的な変化に対する蒸気流量の周期的な振幅の変化を算出し、この情報を勾配算出部2305へ出力する。次に勾配算出部2305は、空気流量設定値A22-2の1周期毎の変化と、それに対応する蒸気流量の1周期毎の変化を比較して、微小時間ごとの勾配((Δgsteam)/(Δgair))を算出する。勾配算出部2305は、勾配の算出値を減算部2307へ出力する。
また、勾配設定部2302は、蒸気流量の設定値に対応する勾配の設定値を算出し、この値を減算部2307へ出力する。
次に減算部2307は、勾配設定部2302が算出した勾配の設定値と、勾配算出部2305が算出した勾配の算出値との偏差(勾配の設定値-勾配の算出値)を算出し、この値をPI制御部2303へ出力する。次にPI制御部2303は、勾配の設定値と勾配の算出値の偏差が0となるようなゴミ要求値の補正量21をPI制御により算出する。PI制御部2303は、補正量21を加算部2306へ出力する。次に加算部2306は、給じん制御部2301が算出したゴミ要求値に補正量21を加算して、ゴミ要求値A23-2を算出する。
ゴミ供給量制御部23Aは、新たに算出されたゴミ要求値A23-2に基づいて、プッシャ2の伸展長さを算出し、この長さだけプッシャ2を伸展させる制御信号を生成し、プッシャ2を制御する。ゴミ供給量制御部23Aは、上記の処理を繰り返す。
これにより、蒸気流量が一定、勾配が一定となるようなゴミの要求値が算出される。また、燃料化したゴミのストックmの値が安定し、ゴミ焼却設備100の燃焼状態が安定する。
<第三実施形態>
第一実施形態、第二実施形態では、燃料化したゴミのストックmを管理するために、空気流量を予め定めた周期の正弦波により変更した。第三実施形態では、この処理を簡略化し、空気流量を正弦波で変動させたり、一定周期で変動させたりしなくてもよくする。
(構成)
図5は、第三実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図5に本実施形態に係る制御装置20Bのうち空気流量制御部22Bの構成を示す。
データ取得部21、ゴミ供給量制御部23、ゴミ搬送制御部24については、図1を用いて説明したものと同様である。
図示するように、空気流量制御部22Bは、基本制御部2201と、空気流量変更部2210と、相関係数設定部2211と、PI制御部2212と、蒸気流量の応答モデル2213と、相関係数算出部2214と、加算部2215と、減算部2216と、減算部2217と、を備える。
基本制御部2201は、第一実施形態と同様に空気流量の設定値を出力する。
空気流量変更部2210は、空気流量を増減させるための増減値を算出する。この増減値は、第一実施形態のように周期的である必要や空気流量の波形が正弦波を描くように生成する必要は無く、ゴミ焼却設備100の運転に悪影響を及ぼさない範囲での任意の変化量であってよい。
相関係数設定部2211は、蒸気流量の設定値に対応する勾配((Δgsteam)/(Δgair))に対して定められた所定の値を、相関係数の設定値に設定する。相関係数の設定値は、蒸気流量の設定値ごとに予め定められている。ここで、相関係数とは、空気流量の変更に対する蒸気流量の応答モデルによって得られる蒸気流量の推定値の変化量Δg^steamと、蒸気流量の計測値の変化量Δgsteamとの相関係数である。
PI制御部2212は、相関係数の設定値と、実際の蒸気流量、実際の空気流量および応答モデルに基づいて算出される相関係数の算出値と、の偏差に基づいて、この偏差が0になるような空気流量を算出する。
応答モデル2213は、以下の式(5)で表される。
Figure 0007316234000003
ここに、tはサンプリング時間を表す整数である。Δg^steamは蒸気流量の平衡点からの偏差の推定値である。Δgairは、空気流量の平衡点から偏差である。平衡点は、例えば時間平均値で代用する。{a1、a2、・・・}と{b1、b2、・・・}は応答モデルの定数であり予め算出されている。応答モデルの定数は、蒸気流量の設定値に応じて変更してもよい。z-1は、1つ前のサンプリング時刻を表している。また、Δg^steam[t]、Δgair[t]は、tを時刻とすると、以下のように期待値Eからの偏差で定義される。
Δg^steam[t]=gsteam[t]-E(gsteam
Δgair[t]=gair[t]-E(gair
また、空気流量に対する蒸気流量の勾配((Δgsteam)/(Δgair))は、Δg^steamとΔgsteamの相関係数に比例するので以下の式(6)が成り立つ。式(6)の右辺がΔg^steamとΔgsteamの相関係数である。
Figure 0007316234000004
ここに、Covは共分散を、Varは分散を表している。すなわち,矛盾しないサイズのベクトルx、yに対し、x、yの期待値をE(x)、E(y)で表すと、以下の式(7)の演算を行うものである。
Figure 0007316234000005
相関係数算出部2214は、上記の式(7)より、Δg^steamとΔgsteamの相関係数を算出する。
(動作)
まず、基本制御部2201が、空気流量の設定値を算出し、この値を加算部2215へ出力する。空気流量変更部2210は、空気流量の変更値を算出し、この値を減算部2216へ出力する。減算部2216は、変更値から補正量31(初期値=0)を減算し、補正量32を算出する。減算部2216は、補正量32を加算部2215へ出力する。加算部2215は、空気流量の設定値と補正量32を加算する。空気流量制御部22Bは、加算後の値を本実施形態の空気流量設定値A22-3とおく。空気流量制御部22Bは、空気流量設定値A22-3に基づいて送風機4の動作やバルブ8A~8Eの開度を制御する。
次に応答モデル2213は、空気流量設定値A22-3に基づくΔgair[t]を入力して、蒸気流量の推定値Δg^steam[t]を算出して、この値を相関係数算出部2214へ出力する。また、空気流量制御部22Bは、蒸気流量センサ11が計測した蒸気流量の計測値を、データ取得部21を通じて取得する。次に相関係数算出部2214は、式(7)により、Δgsteam[t]とΔg^steam[t]の相関係数を算出する。相関係数算出部2214は、相関係数の算出値を減算部2217へ出力する。
また、相関係数設定部2211は、蒸気流量の設定値に対応する相関係数の設定値を算出し、この値を減算部2217へ出力する。
次に減算部2217は、相関係数設定部2211が算出した相関係数の設定値と、相関係数算出部2214が算出した相関係数の算出値との偏差(相関係数の設定値-相関係数の算出値)を算出し、算出した偏差をPI制御部2212へ出力する。
次にPI制御部2212は、相関係数の設定値と相関係数の算出値の偏差が0となるような空気流量の補正量31をPI制御により演算する。PI制御部2212は、補正量31を減算部2216へ出力する。
空気流量変更部2210は、空気流量の変更値を算出し、減算部2216へ出力する。次に減算部2216は、空気流量変更部2210が算出した変更値からPI制御部2212が算出した補正量31を減算し、補正量32を算出する。減算部2216は、補正量32を加算部2215へ出力する。次に加算部2215は、基本制御部2201が算出した空気流量設定値に補正量32を加算して、空気流量設定値A22-3を算出する。
空気流量制御部22Bは、新たに算出された空気流量設定値A22-1に基づいて、送風機4、バルブ8A~8Eを制御する。空気流量制御部22Bは、上記の処理を繰り返す。これにより、蒸気流量が一定、相関係数が一定となるような空気流量が算出され、この空気流量によってゴミ焼却設備100の運転が制御される。
本実施形態によれば、第一実施形態よりも簡単な制御により、燃料化したゴミのストックmを所定値に管理しつつ、燃焼状態(相関係数)を一定に制御することができるので、安定した燃焼状態でゴミ焼却設備100を運転することができる。
<第四実施形態>
第四実施形態では、空気流量の過去の値と蒸気流量の過去の値から、空気流量に対する蒸気流量の応答モデルを同定する。そして、同定した応答モデルから勾配を算出する。
(構成)
図6は、第四実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図6に本実施形態に係る制御装置20Cのうち空気流量制御部22Cの構成を示す。
データ取得部21、ゴミ供給量制御部23、ゴミ搬送制御部24については、図1を用いて説明したものと同様である。
図示するように、空気流量制御部22Cは、基本制御部2201と、空気流量変更部2210と、勾配設定部2203と、PI制御部2204と、モデル同定部2218と、勾配算出部2219と、減算部2220と、加算部2221と、減算部2222と、を備える。基本制御部2201、勾配設定部2203、PI制御部2204については、第一実施形態で説明したとおりである。空気流量変更部2210については、第三実施形態で説明したとおりである。
モデル同定部2218は、以下の式(8)で表されるモデルの係数を同定する。
Figure 0007316234000006
具体的には、上記の空気流量に対する蒸気流量の応答モデルを、空気流量の過去の値{g_air[t-1]、g_air[t-2]、・・・}と、蒸気流量の過去の値{g_steam[t-1]、g_steam[t-2]、・・・}から最小二乗法などを用いてモデルの係数{a1、a2、・・・}と{b1、b2、・・・}を同定する。
例えば、モデル同定部2218は、まず、空気流量の過去の値、蒸気流量の過去の値から以下の式(9)の行列を構成する。
Figure 0007316234000007
すると、モデル係数{a1、a2、・・・}と{b1、b2、・・・}は、最小二乗法により、以下の式(10)で求めることができる。
Figure 0007316234000008
勾配算出部2219は、モデル同定部2218が同定したモデル係数と、式(9)のモデルと、に基づいて勾配((Δgsteam)/(Δgair))を算出する。なお、式(9)のTは第一実施形態の空気流量を変更する周期に相当するものであり、例えば1分程度の値を設定する。Tはサンプリングの周期である。jは虚数単位である。
(動作)
まず、基本制御部2201が、空気流量の設定値を算出し、この値を加算部2221へ出力する。空気流量変更部2210は、空気流量の変更値を算出し、この値を減算部2222へ出力する。減算部2222は、変更値から補正量41(初期値=0)を減算し、補正量42を算出する。減算部2222は、補正量42を加算部2221へ出力する。加算部2221は、空気流量の設定値と補正量42を加算する。空気流量制御部22Cは、加算後の値を本実施形態の空気流量設定値A22-4とおく。空気流量制御部22Cは、空気流量設定値A22-4に基づいて送風機4の動作やバルブ8A~8Eの開度を制御する。
次にモデル同定部2218は、過去で直近の(例えば、X分前から現在まで)蒸気流量およびそのときの空気流量の情報を取得して、空気流量に対する蒸気流量の応答モデル(式(8))を同定する。モデル同定部2218は、例えば、式(9)、式(10)により応答モデルの同定を行う。モデル同定部2218は、応答モデルの同定によって得られたモデル係数{a1、a2、・・・}と{b1、b2、・・・}を勾配算出部2219に出力する。次に勾配算出部2219が、モデル係数と式(8)により、勾配((Δgsteam)/(Δgair))を算出する。勾配算出部2219は、勾配の算出値を減算部2220へ出力する。
また、勾配設定部2203は、所定のmおよび所定の蒸気流量に対応する勾配の設定値を算出する。勾配設定部2203は、勾配の設定値を減算部2220へ出力する。
次に減算部2220は、勾配設定部2203が出力した勾配の設定値と、勾配算出部2219が出力した勾配の算出値との偏差(勾配の設定値-勾配の算出値)を算出し、この値をPI制御部2204へ出力する。次にPI制御部2204は、勾配の設定値と勾配の算出値の偏差が0となるような空気流量の補正量41をPI制御により算出する。PI制御部2204は、補正量41を減算部2222へ出力する。
空気流量変更部2210は、空気流量の変更値を算出し、減算部2222へ出力する。次に減算部2222は、空気流量変更部2210が算出した変更値からPI制御部2212が算出した補正量41を減算し、補正量42を算出する。減算部2222は、補正量42を加算部2221へ出力する。次に加算部2221は、基本制御部2201が算出した空気流量設定値に補正量42を加算して、空気流量設定値A22-4を算出する。
空気流量制御部22Cは、新たに算出された空気流量設定値A22-4に基づいて、送風機4、バルブ8A~8Eを制御する。空気流量制御部22Cは、上記の処理を繰り返す。これにより、蒸気流量が一定、相関係数が一定となるような空気流量が算出され、この空気流量によってゴミ焼却設備100の運転が制御される。
本実施形態によれば、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。また、応答モデルを遂次同定するので、例えば日中と夜間でゴミの燃焼速度を変更する場合でも、その過渡状態において定常運転と同様の制御性能を得ることができる。
<第五実施形態>
これまで説明したように、第一実施形態~第五実施形態によれば、乾燥して燃料化したゴミのストックmの値を管理することで、ゴミ焼却設備100の燃焼状態を安定化することができる。しかし、プッシャ2の往復動作によりゴミを供給すると、ゴミの供給量が間欠的になり、蒸気流量が変動する要因となる。図1に示すようにプッシャ2は、ゴミ層の下部に位置しており、伸びるときにその周囲にあるゴミをストーカ3へ押し出す。プッシャ2のストロークには限度があり,伸び切るとそれ以上ゴミを押し出すことができない。このため,プッシャが伸び切ったあとは,一度引込んで、再び伸びるという動作をすることになる。プッシャ2を引き戻す間は、ゴミの供給が途絶え(つまり、ゴミの供給が間欠的になり)、蒸気流量に影響を与える。第五実施形態に係る空気流量制御部22Dは、往復動作することによりもたらされる蒸気流量の変動を緩和する。
(構成)
図7は、第五実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図7に本実施形態に係る制御装置20Dのうち空気流量制御部22Dの構成を示す。
データ取得部21、ゴミ供給量制御部23、ゴミ搬送制御部24については、図1を用いて説明したものと同様である。
図示するように、空気流量制御部22Dは、空気流量制御部22と、補正量算出部2224と、減算部2225と、を備える。
空気流量制御部22は、第一実施形態で説明した空気流量制御部22である。図7では、一例として空気流量制御部22を記載したが、空気流量制御部22に代えて空気流量制御部22A~22Cの何れかであってもよい。あるいは、基本制御部2201であってもよい。
補正量算出部2224は、プッシャ2の伸展速度に応じて空気流量の補正量を算出する。(1)ここでゴミの供給速度(プッシャ2の伸展速度(m/s))を入力とし、それがもたらす蒸気流量の変動値を出力とする数値モデルPを用意する。モデルPは、例えば,ゴミ焼却設備100の運転データから入力値と出力値を採取して、最小二乗法で同定してもよいし、ゴミ焼却設備100の運転状態に応じて複数のモデルを用意しておいて、実際の運転状態に合うものを利用してもよい。(2)次に空気流量設定値を入力とし、それがもたらす蒸気流量変動を出力とするモデルPを用意する。(3)そして、式(11)によって、モデルPとモデルPから空気流量フィードフォワード補償モデルPを演算する。補正量算出部2224は、プッシャ2の伸展速度とモデルPから空気流量の補正量を算出し、空気流量制御部22が設定した空気流量の設定値を補正する。
=P -1・P ・・・・(11)
(動作)
まず、空気流量制御部22が、空気流量の設定値A22-1を算出し、この値を減算部2225へ出力する。また、補正量算出部2224は、ゴミ供給量制御部23からプッシャ2の伸展速度を取得する。補正量算出部2224は、プッシャ2の伸展速度をモデルPに入力し、モデルPの出力を得て、補正量51とする。補正量算出部2224は、補正量51を減算部2225へ出力する。例えば、プッシャ2の引き戻し時には補正量51は負の値となる。減算部2225は、空気流量の設定値A22-1から補正量51を減算する。空気流量制御部22Dは、減算後の値を本実施形態の空気流量設定値A22-5とおく。空気流量制御部22Dは、空気流量設定値A22-4に基づいて送風機4の動作やバルブ8A~8Eの開度を制御する。
ゴミ供給により蒸気流量が変動するまでの時間遅れに対し、空気流量から蒸気流量が変動するまでの時間遅れは半分以下であることが分かっている。従って、本実施形態によって、例えば、プッシャ2が伸展から引込みに反転すると同時に、すなわちゴミ供給が急に0になるのと同時に、空気流量をフィードフォワード補償すれば、蒸気流量の変動を未然に防止するか、あるいは蒸気流量の変動を緩和することができる。
なお、第五実施形態は、第一実施形態~第四実施形態の何れとも組み合わせることが可能である。
<第六実施形態>
一般的なゴミ焼却炉では、例えば、蒸気流量が設定値以下になると、制御装置は、プッシャに運転指令値ONを出力する。プッシャは予め定めた伸展速度で伸展してゴミを炉に供給する。プッシャが完全に伸展すると、制御装置はプッシャを引き戻す。プッシャは、この動作を運転指令値OFFが指令されるまで繰り返す。このように、ゴミは間欠的に一定のパターンで供給される。これに対し、本実施形態では、蒸気流量の変動を補償するために必要なゴミ要求値に対して忠実なプッシャの伸展長さを定め、ゴミの供給量のばらつきを抑制する。
(構成)
図8は、第六実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。図9は、第六実施例に係る従来の制御装置の機能構成の一例を示す図である。本実施形態を示す図8と、従来技術を示す図9の差異は、プッシャ伸展制御部だけである。本実施形態は、プッシャ伸展制御部2308aを用いる。従来技術は、プッシャ伸展制御部2308を用いる。
図8に第六実施形態に係る制御装置20Kのうちゴミ供給量制御部23Kの構成を示す。空気流量制御部の構成は、上記の空気流量制御部22~22Dの何れかである。データ取得部21、ゴミ搬送制御部24については、図1を用いて説明したものと同様である。
ゴミ供給量制御部23Kは、給じん制御部2301と、プッシャ伸展制御部2308aと、引込指令部2309と、速度変更部2312と、第二の速度変更部2312aと、を備える。
図9に第六実施形態に係る従来技術による制御装置20Eのうちゴミ供給量制御部23Eの構成を示す。空気流量制御部の構成は、上記の空気流量制御部22~22Dの何れかである。データ取得部21、ゴミ搬送制御部24については、図1を用いて説明したものと同様である。図9に示すゴミ供給量制御部23Eは、給じん制御部2301と、プッシャ伸展制御部2308と、引込指令部2309と、速度変更部2312と、第二の速度変更部2312aと、を備える。
給じん制御部2301は、蒸気流量の設定値と計測値に基づいて、蒸気流量の計測値が蒸気流量の設定値となるようなゴミ要求値を算出する。算出されるゴミ要求値は連続値である。
プッシャ伸展制御部2308a及びプッシャ伸展制御部2308は、プッシャ2の伸展時の動作を制御する。これらの機能の違いについては後に図10、図11を用いて説明する。
速度変更部2312は、プッシャ2の伸展時には、その伸展速度を第二の速度変更部2312aが決定した速度とし、プッシャ2の引き込み時には、予め定めたプッシャ2の引き込み速度とする。第二の速度変更部2312aは、プッシャ伸展制御部2308又はプッシャ伸展制御部2308aが出力する伸展指令に基づき、伸展指令がONのときには予め定めた伸展速度設定を、伸展指令がOFFのときには0を、伸展速度指令として出力する。
引込指令部2309は、プッシャ2の引き込み動作を制御する。例えば、プッシャ2が、伸展中に最大に伸展した時に通過する位置に設けられた終点リミットスイッチを通過すると、プッシャ2へ引き込み指令をONにする。また、プッシャ2が完全に引き戻された位置(原点)付近に設けられた原点リミットスイッチを引き込み中に通過すると、プッシャ2へ引き込み指令をOFFにする。
ここで図10を参照する。図10は、従来のゴミ供給量制御を説明する図である。
給じん制御部2301が算出するゴミ要求値のとおりにゴミを供給することが理想である。しかし、ゴミ要求値をプッシャ2の運転指令に変換し、同信号がONのときには一定速度で完全に伸展させ、そして、その後、完全に引込むことを繰り返すよう運転されることが多い。この様子を図10に示す。図10(a)に従来のプッシャ伸展制御部2308を示す。図10(b)に従来のゴミ要求値xとプッシャ2の伸展指令uの関係を示す。図10(a)、図10(b)に示すようにプッシャ伸展制御部2308は、ゴミ要求値xがON閾値未満となると伸展指令uとして一定速度でプッシャ2を伸展させるようにON指令を出力し、OFF指令値に達すると伸展指令uとしてOFF指令を出力する。ON指令の出力中に完全に伸展すると、引込指令部2309が出力する引込指令がONになり、プッシャ2を引込む。このような運転方式では、実際のゴミ供給量とゴミの要求値に誤差が生じる。
これに対し、図8に示す本実施形態では、プッシャ伸展制御部2308aが、ゴミの要求値にしたがってプッシャ2を小刻みに伸展させることにより、前述の誤差を小さくする。例えば、ゴミ要求値に対する伸展長さがXであれば、プッシャ2はXだけ伸展し停止する。そして次のゴミ要求値が発されると、ゴミ要求値の分だけ伸展する。
(動作)
まず、給じん制御部2301が、蒸気流量の設定値と蒸気流量の計測値を取得して、実際の蒸気流量が設定値となるようなゴミ要求値を算出する。給じん制御部2301は、ゴミ要求値をプッシャ伸展制御部2308へ出力する。給じん制御部2301は、所定の時間間隔でゴミ要求値を算出し、この値をプッシャ伸展制御部2308へ出力する。プッシャ伸展制御部2308は、プッシャ2への伸展指令を算出する。ここで、図11を参照する。
図11は、第六実施形態に係るゴミ供給量制御を説明する第1の図である。
図11に示すようにプッシャ伸展制御部2308aは、積分部238aと、減算部238bと、指令部238cとを備える。積分部238aは、ゴミの要求値(m/s)をプッシャ伸展長さに換算する。積分部238aは、ゴミの要求値をプッシャの断面積Aで除して時間について積分する。この値がプッシャ2の伸展長さの換算値である。積分部238aは、プッシャ2の伸展長さの換算値を減算部238bへ出力する。減算部238bは、プッシャ2伸展長さの換算値と実際のプッシャの伸展長さの偏差を算出し、偏差を指令部238cへ出力する。実際のプッシャの伸展長さは、例えば、伸展指令に基づいて算出する。指令部238cは、偏差が所定のON閾ながさを超過すると伸展指令をプッシャ2へ出力する。この指令を受けてプッシャ2は伸展を始める。プッシャ2の伸展中も上記の処理が繰り返される。プッシャ2が伸展すると偏差は減少する。偏差が所定のOFF閾ながさ未満となると、指令部238cは、伸展指令をOFFにする。すると、プッシャ2は、その位置で停止する。プッシャ伸展制御部2308aは、次のゴミ要求値を取得すると、同様の処理を繰り返す。これにより、ゴミ要求値に応じた長さだけ少しずつプッシャ2は伸展する。
プッシャ2が終点リミットスイッチを通過すると、引込指令部2309は、引き込みON指令をプッシャ2に出力する。プッシャ2には原点に向けて引き戻される。プッシャ2が原点リミットスイッチを通過するまで引き戻されると、引込指令部2309は、引き込みOFF指令をプッシャ2に出力する。プッシャ2は停止し、再び、プッシャ伸展制御部2308aの制御によって伸展を始める。なお、プッシャ2が完全に伸展した後は、プッシャ2を引き戻さなければならない。引込み期間においては、ゴミの要求値と実際の供給量は乖離する。この乖離を最小化するため、プッシャ2の引き込みは最大速度で行う。
本実施形態によるプッシャ2の伸展動作の様子を図12に示す。
図12は、第六実施形態に係るゴミ供給量制御を説明する第2の図である。
図12(a)にゴミ要求値xとプッシャ2の伸展指令uの関係を示す。図12(b)に、図12(a)の伸展指令uとプッシャ2の伸展長さの関係を示す。
最初に、プッシャ2は停止しているとする。
ゴミ要求値を受信すると、プッシャ伸展制御部2308aにおいて、積分部238aはゴミ要求値を時間的に積分し、積分部238aの出力はランプ状に増加する。やがて、積分部238aの出力とプッシャ2の伸展長さとの偏差が、指令部238cにて定めたON閾長さXを超え、伸展指令uはONとなり、プッシャ2は伸展する(図12(b))。その結果、前記偏差は時間とともに縮小する。そして、前記偏差が指令部238cにて定めたOFF閾長さ未満となると伸展指令uはOFFとなり、プッシャ2は停止する。このようにすると、プッシャ2の一回の伸展長さは概ねXの値で指定することができる。従来の方式では、ON指令を出力するとプッシャ2は所定長さまで伸展し、一度に大量のゴミが燃焼室6に供給され、結果として燃焼への擾乱となる。これに対し、本実施形態では、1回のゴミの供給を、指令部238cにて定めたON閾長さXで定めることができる。例えば、ON閾長さXを、プッシャ2の最大伸展長さの1/10程度に設定すれば、ゴミは炉内に、従来の1/10に小分けして供給され、結果として、燃焼への擾乱を低減することができる。
このように本実施形態によれば,プッシャ2はゴミの要求値の時間変化に沿うので、従来の方式に比べ、ゴミの要求値のとおりにゴミを供給することができる。
<第七実施形態>
第六実施形態でプッシャ2が完全に伸展した後は最大速度で引き戻すこととした。しかし、いくら最大速度で引き込んだとしても、引き込みの間はゴミの供給量が不足する。そこで、本実施形態では、伸展の終盤にて増速区間を設定し、伸展速度を増やしてゴミ供給量の低下を補償する。
(構成)
図13は、第七実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図13に本実施形態に係る制御装置20Fのうちゴミ供給量制御部23Fの構成を示す。空気流量制御部の構成は、上記の空気流量制御部22~22Dの何れかである。データ取得部21、ゴミ搬送制御部24については、図1を用いて説明したものと同様である。
図示するように、ゴミ供給量制御部23Fは、給じん制御部2301と、引込指令部2309と、速度変換部2310と、速度変換位置算出部2311と、速度変更部2312と、を備える。
給じん制御部2301と引込指令部2309とは、第六実施形態で説明したものと同様である。
速度変換部2310は、給じん制御部2301が出力したゴミ要求値を、プッシャ2の伸展速度に変換する。例えば、ゴミ要求値が大であれば、速度変換部2310は、プッシャ2の伸展速度をより高速に設定し、次のゴミ要求値が小であれば、プッシャ2の伸展速度をより低速に設定する。速度変換部2310は、例えば、ゴミ要求値と伸展速度の関係を定めたテーブル等に基づいて、伸展速度を決定してもよい。
速度変換位置算出部2311は、プッシャ2の伸展速度を最大速度に切り替える位置を算出し、プッシャ2がこの位置に到達すると、プッシャ2の伸展速度を最大とするように速度変換部2310へ指示する。速度を切り替える位置について、例えば,伸展速度を引き込みの最大速度vmaxとし、伸展の平均速度をvavとし、伸展の行程をLとするならば、増速区間の始点位置(原点からの距離)LPLUISは次式(12)となる。
Figure 0007316234000009
ここで、vmaxはvavより十分に大きく、LPLUISが負となることは無い。
速度変更部2312は、プッシャ2の伸展時には、その伸展速度を速度変換部2310が決定した速度とし、プッシャ2の引き込み時には、プッシャ2の引き込み速度を最大速度とするようプッシャ2へ指示する。
(動作)
まず、給じん制御部2301が、蒸気流量の計測値が蒸気流量の設定値に近づくようなゴミ要求値を算出する。給じん制御部2301は、ゴミ要求値を速度変換部2310へ出力する。給じん制御部2301は、所定の時間間隔でゴミ要求値を算出し、この値を速度変換部2310へ出力する。速度変換部2310は、プッシャ2の伸展速度を決定する。
また、速度変換位置算出部2311は、式(12)を用いて、増速区間の始点位置LPLUISを算出し、プッシャ2がLPLUISを通過したかどうかを判定する。プッシャ2がLPLUISを通過していなければ、速度変換位置算出部2311は、OFF信号を速度変換部2310へ出力する。OFF信号を取得すると、速度変換部2310は、ゴミ要求値に基づいて算出した伸展速度を速度変更部2312へ出力する。速度変更部2312は、取得した伸展速度を速度指令値としてプッシャ2へ出力する。速度指令を受けたプッシャ2は、ゴミ要求値に応じて決定される速度指令値に基づいて、その伸展速度を変化させながらLPLUISを通過するまで伸展し続ける。
プッシャ2がLPLUISを通過している場合、速度変換位置算出部2311は、ON信号を速度変換部2310へ出力する。ON信号を取得すると、速度変換部2310は、ゴミ要求値に基づいて算出した伸展速度に代えて、最大速度vmaxを速度変更部2312へ出力する。速度変更部2312は、最大速度vmaxを速度指令値としてプッシャ2へ出力する。プッシャ2は、終点リミットスイッチを通過するまで最大速度vmaxで伸展し続ける。
プッシャ2が終点リミットスイッチを通過すると、引込指令部2309は、引き込みON指令を速度変更部2312に出力する。速度変更部2312は、最大引き込み速度-Vmaxでプッシャ2を引き戻す。プッシャ2が原点リミットスイッチを通過するまで引き戻されると、引込指令部2309は、引き込みOFF指令を速度変更部2312に出力する。速度変更部2312は、再び、速度変換部2310が指示した伸展速度をプッシャ2へ出力し、次の伸展動作が開始される。
本実施形態によれば、プッシャ2がLPLUISの位置を通過して伸展し、原点に引き戻されるまでの時間を短くすることができる。従って、例えば、LPLUISの以降もゴミ要求値に基づく速度で伸展した場合と比べて、LPLUISから最大伸展位置までの間にプッシャ2が供給するゴミの量が同じであるとしても、同じ時間あたりのゴミ供給量を比較すると、より多くのゴミを供給することができるので、プッシャを引き戻す間のゴミの供給不足を解消、緩和することができる。
なお、本実施形態は第六実施形態と組み合わせることも可能である。
<第八実施形態>
第七実施形態では、プッシャ2を引き戻す期間のゴミ供給の低下を相殺するようにプッシャ2の伸展の終盤において伸展速度を増速した。しかし、例えば,ゴミの熱量にはばらつきがあり、たまたまゴミの熱量に偏りがある場合などは、蒸気流量が設定値に対して正の偏差を有することがある。このような状態においてプッシャ2を直ちに引き戻せば、第七実施形態のような増速は不要となる。例えば、蒸気流量がその設定値に超過しており、さらに、焼却炉の性質としてゴミの供給を減らすと蒸気流量が減ることがわかっている。そのようなタイミングでプッシャを引き戻すと、引き込みの最中は、ゴミ供給は0となるため蒸気流量は、それまでの値より減る。従って、引き込みは、蒸気流量の超過解消に役立つ。このように,蒸気流量の変動が、ゴミ供給を減じることにより解消するならば、そのタイミングでプッシャ2を引き戻すことは有益である。
(構成)
図14は、第八実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図14に本実施形態に係る制御装置20Gのうちゴミ供給量制御部23Gの構成を示す。空気流量制御部の構成は、上記の空気流量制御部22~22Dの何れかである。データ取得部21、ゴミ搬送制御部24については、図1を用いて説明したものと同様である。
図示するように、ゴミ供給量制御部23Gは、給じん制御部2301と、引込指令部2309と、速度変更部2312と、蒸気流量変動算出部2314と、蒸気流量偏差算出部2315と、引き込み判定部2316と、を備える。
給じん制御部2301と引込指令部2309とは、第六実施形態で説明したものと同様である。
速度変更部2312は、第七実施形態の速度変更部2312と同様である。
蒸気流量変動算出部2314は、プッシャ2の位置に基づいて、その位置で引き込みを開始したときに発生する蒸気流量変動δG*を算出する。
蒸気流量偏差算出部2315は、蒸気流量の設定値と蒸気流量センサ11による計測値との偏差δGと、蒸気流量変動δG*とを取得し、引き込み後における蒸気流量の設定値と実際の蒸気流量との偏差の予測値を算出する。
引き込み判定部2316は、引き込み後における蒸気流量の偏差の予測値とプッシャ2の現在位置とに基づいて、プッシャ2が伸展中であっても引き戻しを開始するか否かを判定する。例えば、プッシャの伸展の中間地点を最小伸展距離Lminと定め、その位置を通過した後であって、その地点で引き戻したときの蒸気流量の予測値が予め定めた値δGminを超過した場合には直ちに引き戻す。最小伸展距離Lminを定めるのは、ゴミを確実に押し出すためである。プッシャ2を完全に引込みした後、例えば1cm押し出したとしてもゴミは供給されない。ゴミはプッシャ2に押されると、まず圧し潰される。これ以上圧し潰されなくなった時点で押し出しが始まる。そこで、プッシャ2が最小伸展距離Lminに到達するまでは引込みを禁止して、確実にゴミが供給されるようにする。
(動作)
まず、給じん制御部2301が、蒸気流量の計測値が蒸気流量の設定値に近づくようなゴミ要求値を算出する。給じん制御部2301は、ゴミ要求値を速度変更部2312へ出力する。給じん制御部2301は、所定の時間間隔でゴミ要求値を算出し、この値を速度変更部2312へ出力する。速度変更部2312は、プッシャ2の伸展速度を決定する。速度変更部2312は、引き込み指令値を受信しない間は、ゴミ要求値に基づいて算出した伸展速度を速度指令値としてプッシャ2へ出力する。速度指令を受けたプッシャ2は、この速度指令値に基づいて、その伸展速度を変化させながら伸展し続ける。
また、蒸気流量変動算出部2314は、プッシャ2の位置に基づいて蒸気流量変動δG*を算出する。例えば、予めプッシャ2の位置と蒸気流量変動δG*の関係が定められたテーブルが用意されていて、蒸気流量変動算出部2314は、このテーブルと現在のプッシャ2の位置とに基づいて、δG*を算出する。蒸気流量変動算出部2314は、δG*を蒸気流量偏差算出部2315へ出力する。
次に蒸気流量偏差算出部2315は、例えば、δGとδG*を入力すると、その位置で引き込みを開始した場合の蒸気流量の予測値を出力するモデルに基づいて、蒸気流量の予測値を予測する。そして、蒸気流量偏差算出部2315は、引き込み後に予想される蒸気流量の予測値と蒸気流量の設定値との偏差を算出する。蒸気流量偏差算出部2315は、算出した蒸気流量の偏差を引き込み判定部2316へ出力する。また、引き込み判定部2316は、プッシャ2の現在位置を取得する。次に引き込み判定部2316は、プッシャ2の引き込みを開始するかどうかを判定する。まず、引き込み判定部2316は、引き込み後に予想される蒸気流量の偏差(正の値)が所定の閾値を超過していて、且つ、プッシャ2の位置が最小伸展距離Lminを超えているかどうかを判定する。何れかの条件を満たさない場合、引き込み判定部2316は、引き込みを開始しないと判定する。両方の条件を満たす場合、引き込み判定部2316は、引き込みを開始すると判定する。また、引き込み判定部2316は、プッシャ2が、終点リミットスイッチを通過したか否かを判定する。終点リミットスイッチを通過している場合、引き込み判定部2316は、引き込みを開始すると判定する。引き込み判定部2316が、引き込みを開始しないと判定した場合、プッシャ2は伸展を継続する。
引き込み判定部2316は、引き込みを開始すると判定した場合、ON信号を引込指令部2309へ出力する。すると、引込指令部2309は、引き込みON指令を速度変更部2312に出力する。速度変更部2312は、最大引き込み速度-vmaxでプッシャ2を引き戻す。プッシャ2が原点リミットスイッチを通過するまで引き戻されると、引込指令部2309は、引き込みOFF指令を速度変更部2312に出力する。すると、速度変換部2310は、再び、ゴミ要求値に基づく伸展速度をプッシャ2へ出力し、次の伸展動作が開始される。
本実施形態によれば、プッシャ2の増速などの制御を行うことなく、プッシャ2の引き込みによって、蒸気流量が設計値から偏倚することを防止することができる。
なお、本実施形態は第六実施形態、第七実施形態と組み合わせることも可能である。
<第九実施形態>
本実施形態は、ゴミの過大供給を回避し、燃焼を安定化することを目的とするものである。例えば、発電出力を増やすとしよう。発電出力を増やすために、ゴミの供給量を増やすことは方針としては正しい。しかし、一気に大量のゴミを供給したならば、乾燥域3Aが燃焼域3Bを侵食し、燃焼が阻害されるので、燃焼を増大させる観点では逆効果となると予想される。ゴミの供給は,燃焼域3Bが侵食されない程度に制限しなければならない。
本実施形態では、例えば、煙道のO濃度とゴミ供給の相間係数により、燃焼域3Bの侵食を判定し、燃焼域3Bが侵食されると判定した場合には、ゴミの供給を一時的に停止して、燃焼の安定を実現するものである。
(構成)
図15は、第九実施形態に係る制御装置の機構構成の一例を示す図である。
図15に本実施形態に係る制御装置20Hのうちゴミ供給量制御部23Hの構成を示す。空気流量制御部の構成は、上記の空気流量制御部22~22Dの何れかである。データ取得部21、ゴミ搬送制御部24については、図1を用いて説明したものと同様である。
図示するように、ゴミ供給量制御部23Hは、ゴミ供給制限部2320と、伸展速度制限部2324と、速度変更部2312と、を備える。ゴミ供給制限部2320は、O濃度前処理フィルタ2321と、プッシャ伸展速度前処理フィルタ2322と、相関係数設定部2211aと、ゴミ供給一時停止判定部2323と、を備える。
例えば、ゴミ供給量制御部23Hは、図8で説明した給じん制御部2301と、プッシャ伸展制御部2308aと、第二の速度変更部2312aと、を備え、第二の速度変更部2312aは、伸展速度指令を伸展速度制限部2324へ出力してもよい。あるいは、ゴミ供給量制御部23Hは、図9で説明したプッシャ伸展制御部2308、第二の速度変更部2312aと、を備え、第二の速度変更部2312aは、伸展速度指令を伸展速度制限部2324へ出力してもよい。
濃度前処理フィルタ2321は、O濃度センサ14が計測した計測値を入力し、上下限値の制限、単位時間当たりの変化率の制限、ノイズ除去のためのフィルタ処理などを行い、O濃度の真値を推定する。
プッシャ伸展速度前処理フィルタ2322は、プッシャ伸展速度の計測値または指令値を入力し、上下限値の制限、単位時間当たりの変化率の制限、ノイズ除去のためのフィルタリング処理などを行い、ゴミ供給量の真値を推定する。
相関係数設定部2211aは、O濃度の推定値とゴミ供給量の推定値との相関係数を算出する。
伸展速度制限部2324は、伸展速度指令とゴミ供給一時停止判定部2323が出力するゴミ供給制限信号を取得し、ゴミ供給制限信号に基づいて、プッシャ2の伸展速度を変更する。
速度変更部2312は、第七実施形態の速度変更部2312と同様である。
ゴミ供給一時停止判定部2323は、前記相関係数に基づきゴミ供給の一時停止を判定する。ゴミ供給一時停止判定部2323には、ゴミ供給を一時停止する設定値Xと、ゴミ供給を再開する設定値Xと、が設定されており、前記相関係数が一時停止する設定値Xを超過すればゴミ供給一時停止信号をONとし、その後、前記相関係数が再開する設定値X未満となればゴミ供給一時停止信号をOFFとして、ゴミ供給を制限する。
ゴミ供給一時停止判定部2323の判定結果は、ゴミ供給制限信号として伸展速度制限部2324に伝えられる。伸展速度制限部2324は、速度変更部2312の上流に位置し、ゴミ供給制限信号がOFFのときには、伸展速度制限部2324は、例えば、第二の速度変更部2312aが出力した伸展速度信号をそのまま速度変更部2312に伝え、一方、ゴミ供給制限信号がONのときには、伸展速度制限部2324は伸展速度信号に代えてゼロを速度変更部2312に伝える。
(動作)
ゴミ焼却炉は安定して燃焼しており、そこに過剰にゴミが供給され始めたとする。すると、乾燥域3Aが広がり燃焼域3Bを侵食する。燃焼域3Bが侵食されることにより、これまで燃焼に使われていた空気の一部は、燃焼に使われないまま煙道12に排出される。これにより、排ガスのO濃度が上昇する。排ガスのO濃度の上昇を、O濃度センサ14で計測する。O濃度センサ14の計測値にはノイズや計測誤差が含まれるので、O濃度前処理フィルタ2321によりO濃度の真値を推定する。O濃度は、ゴミの過剰な供給の他にも、収集するゴミの組成や水分、ゴミ搬送などの影響により変動するので、単純に、O濃度だけからゴミの過剰供給を判定することは現実的でない。そこで、O濃度の変動のなかでゴミ供給量の変動の相間係数を計算し、相関係数が1に近ければ、ゴミ供給量が増加したときにO濃度も増加することになるので、ゴミの供給が過剰であると判定する。ゴミを供給してから、O濃度が変化するには、排ガスの流動遅れやO濃度センサ14の計測の遅れ,供給されたゴミが乾燥域3Aや燃焼域3Bまで広がるまでの遅れ,等の様々な時間遅れがある。プッシャ伸展速度前処理フィルタ2322は、ノイズ除去の他に、これらの遅れを、例えば一次遅れなどのフィルタで表現し、O濃度の計測値とゴミ供給の時間的なズレを相殺する。ゴミ供給一時停止判定部2323では、例えば、ゴミ供給を一時停止する設定値Xとして0.7、ゴミ供給を再開する設定値Xとして0.3を設定し、ゴミの過剰供給を判定する。
ゴミが過剰供給であると判定されると、伸展速度制限部2324は、速度変更部2312に、伸展速度としてゼロを指令して、ゴミ供給を停止する。ゴミ供給の停止により、乾燥域3Aが縮小し、これにより燃焼域3Bが回復するので、O濃度は元の値に戻る。すると、相関係数は0または負の値となるので、ゴミ供給が再開される。上記説明では、ゴミ供給制限信号がONのときには、伸展速度をゼロにするとした。しかし、必ずしもゼロである必要はない。例えば、通常の速度の1/10程度に設定してもよい。
<第十実施形態>
第十実施形態は、第六実施形態の別案である。第六実施形態で述べたように、一般的なゴミ焼却炉では、例えば、蒸気流量がその設定値以下になると、制御装置は、プッシャに運転指令値ONを出力する。プッシャは予め定めた伸展速度で伸展してゴミを炉に供給する。プッシャが完全に伸展すると、制御装置はプッシャを引き戻す。プッシャは、この動作を運転指令値OFFが指令されるまで繰り返す。このように、ゴミは間欠的に一定のパターンで供給される。第六実施形態では、蒸気流量の変動を補償するために必要なゴミ要求値に対して忠実なプッシャ2の伸展長さを定め、その伸展長さに戻づいてプッシャ2を小刻みに伸展させることによりゴミの供給量のばらつきを抑制した。第十実施形態では、プッシャ2を小刻みに伸展させる代わりにプッシャ2の伸展速度を調節することにより、同じ効果を与えるものである。
(構成)
図16は、第十実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図16に本実施形態に係る制御装置20Jのうちゴミ供給量制御部23Jの構成を示す。空気流量制御部の構成は、上記の空気流量制御部22~22Dのいずれかである。データ取得部21,ゴミ搬送制御部24については、図1を用いて説明したものと同様である。
図示するように、ゴミ供給量制御部23Jは、給じん制御部2301と、プッシャ伸展制御部2308と、引込指令部2309と、伸展速度調整部2340と、速度変更部2312と、第二の速度変更部2312aと、加算部2312bと、を備える。本実施形態の特徴は、伸展速度調整部2340にあり、それ以外は図9を用いて説明したものと同様である。
伸展速度調整部2340は、伸展速度指令を、例えば、過去の10分間において、運転指令がONであった時間が占める比率に応じて、プッシャ2の伸展速度指令を調整する。伸展速度調整部2340は、ON比率検出部2341が出力するON比率と、ON比率設定値と、の差に基づき伸展速度調整指令を演算するPI制御器2344と、から構成される。ON比率検出部2341は、プッシャ伸展制御部2308が出力する伸展指令に基づき、伸展指令がONのときには1を、伸展指令がOFFのときには0を出力する二値化部2342と、二値化部2342が出力する0または1の値を入力し、入力した値の、例えば10分間の移動平均を算出する移動平均部2343とを備える。移動平均部2343の出力は、伸展指令がONとなる時間の比率、すなわち単位時間当たりの稼働時間の比率を示している。加算部2312bは、伸展速度調整指令を、予め定めてある伸展速度設定値に加算し第二の速度変更部2312aに入力する。第二の速度変更部2312aは、プッシャ伸展制御部2308が出力する運転指令がONのときには、予め定めた伸展速度設定値に伸展速度調整指令を加えた値を伸展速度指令として出力し、一方、運転指令がOFFのときには、伸展速度指令として0を出力する。
(動作)
伸展速度調整部2340の動作を説明する。過去の例えば10分間において、プッシャ2の運転指令がONであった時間が占める比率が丁度1であったとしよう。これは、過去の10分間においてプッシャが常に動作した結果であり、ゴミは時間的に均一に供給されている。しかし、ゴミの単位質量または単位体積あたりの発熱量は絶えず変動するので、運転指令が常にONであると、例えば湿ったゴミが供給されるなどして発熱量が低下する状況に対処できない。このような場合には、プッシャ2の伸展速度指令を増やすことにより、単位時間当たりのプッシャのゴミ供給を増やし、プッシャ2の運転指令がOFFになる時間を作ることができる。または、過去の例えば10分間において、プッシャの運転指令がONであった時間が占める比率が0.1であったとしよう。これは、ゴミ要求値に対して、プッシャ2のゴミ供給の能力が過大であって、プッシャ2が一度動作すると、その後しばらくはゴミが供給されないことを表している。すなわち、ゴミの供給が時間的に不均一である。このような状態では、炉が数分かけて燃やすゴミの量がプッシャ2の一度の動作で供給されるので、プッシャが動作するたびに炉にとっては擾乱となる。燃焼の安定の観点からは、ごみの燃焼と供給をバランスさせることは有効である。そこで、適正なON比率として、例えば、0.8などをON比率設定値として定め、ON比率設定値と、ON比率検出部2341が出力するON比率と、の差を、例えば、PI制御器2344に入力して伸展速度指令調整指令を演算する。PI制御器2344の働きにより、ON比率は、ON比率設定値に整定する。
ゴミ供給量制御部23Jの動作について説明する。給じん制御部2301からのゴミ要求値に基づいて、プッシャ伸展制御部2308が、プッシャ伸展指令を伸展速度調整部2340と第二の速度変更部2312aへ出力する。伸展速度調整部2340は、上記の処理によって伸展速度指令調整指令を演算する。加算部2312bは、所定の伸展速度設定から伸展速度指令調整指令分を加算し、加算後の伸展速度設定を第二の速度変更部2312aに出力する。第二の速度変更部2312aは、プッシャ伸展制御部2308から取得した伸展指令がONのときには加算部2312bから取得した伸展速度設定を、伸展指令がOFFのときには0を、伸展速度指令として出力する。例えば、ON比率がON比率設定値に対し不足するとプッシャ2の伸展速度を減じ、ON比率がON比率設定値を超過するとプッシャ2の伸展速度を増加させる。これにより、ゴミの供給量を均一化し、燃焼を安定化することができる。
<第十一実施形態>
第十一実施形態では、例えば、過去の10分間において,運転指令がONであった時間が占める比率に応じて、プッシャ2の伸展速度を調整した。第十一実施形態では、プッシャの伸展速度を変更することなく、ゴミの供給量のばらつきを抑制する。
(構成)
図17は、第十一実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図17に本実施形態に係る制御装置20Lのうちゴミ供給量制御部23Lの構成を示す。空気流量制御部の構成は、上記の空気流量制御部22~22Dのいずれかである。データ取得部21,ゴミ搬送制御部24については、図1を用いて説明したものと同様である。
図示するように、ゴミ供給量制御部23Lは、給じん制御部2301と、プッシャ伸展制御部2308と、引込指令部2309と、伸展速度調整部2340と、速度変更部2312と、第二の速度変更部2312aと、オンディレイタイマ2345と、減算部2312cと、を備える。オンディレイタイマ2345と減算部2312c以外の構成については、図16を用いて説明したものと同様である。
減算部2312cは、所定のオンディレイタイマ設定値から伸展速度調整指令を減じることによって、PI制御器2344が出力するプッシャ2の伸展速度調整指令をプッシャ伸展指令のオンディレイタイマ設定値に換算する。
オンディレイタイマ2345は、変換後のオンディレイタイマ設定値が指定する時間が経過するまで、プッシャ伸展制御部2308が出力したプッシャ2の伸展指令が、第二の速度変更部2312aに伝達されることを遮断し、オンディレイタイマ設定値が指定する時間が経過した後に伸展指令を第二の速度変更部2312aへ伝達する。
(動作)
ゴミ供給量制御部23Lの動作を説明する。プッシャ伸展制御部2308がプッシャ伸展指令を、伸展速度調整部2340とオンディレイタイマ2345へ出力する。伸展速度調整部2340は、図16を用いて説明したように伸展速度指令調整指令を演算する。減算部2312cは、所定のオンディレイタイマ設定値から伸展速度指令調整指令分を減算し、伸展速度調整指令を伸展指令のオンディレイタイマ設定値に換算する。この換算により、オンディレイタイマ設定値は、例えば、ON比率がON比率設定値を超過するほど大きな値となる。減算部2312cは、オンディレイタイマ設定値をオンディレイタイマ2345へ出力する。オンディレイタイマ2345は、プッシャ伸展制御部2308から取得した伸展指令を、オンディレイタイマ設定値が指定する時間が経過するまで待機してから第二の速度変更部2312aへ出力する。第二の速度変更部2312aは、伸展指令がONのときには予め定めた伸展速度設定を、伸展指令がOFFのときには0を、伸展速度指令として出力する。オンディレイタイマの設定により、時間平均値としてのプッシャ2の伸展速度を調整し(低下させ)、プッシャ2のON比率を適正なON比率に近づけることができる。これにより、プッシャ2の速度そのものを変えることなく、ゴミの供給量を均一化し、燃焼を安定化することができる。さらに、プッシャ2を伸展して引き込むまでの一往復の平均速度の観点からは、本実施形態を引き込み速度の制御に適用しても同様の効果が得られる。
なお、第六実施形態~第十一実施形態において、制御装置20K,20F,20G,20H,20J,20Lは、それぞれ、第一実施形態~第四実施形態に係る空気流量制御部22~22Dの何れかを備えることとして説明したが、これに限定されない。制御装置20K,20F,20G,20H,20J,20Lは、空気流量制御部22~22Dに代えて、空気流量の変化に対する蒸気流量の感度に基づいて空気流量を制御する機能を有していない一般的な空気流量制御部を備えていてもよい。一般的な空気流量制御部は、例えば、図3を用いて説明した基本制御部2201を備え、空気流量が、基本制御部2201が出力する設定値となるように送風機4やバルブ8A~8Eを制御する機能を有している。
図18は、各実施形態に係る制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える。
上述の制御装置20~20Gは、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
なお、制御装置20~20Gの全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各機能部による処理を行ってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、CD、DVD、USB等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
<付記>
各実施形態に記載の制御装置20~20G、制御方法およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様に係る制御装置20~20Gは、ゴミ焼却設備100が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となるように前記ゴミ焼却設備の炉(燃焼室6)へ供給するゴミの供給量を制御するゴミ供給量制御部23と、前記炉へ供給する空気の空気流量の変化に対する前記蒸気流量の感度が所定の第2設定値となるような前記空気流量の制御値を算出する空気流量制御部22~22Dと、を備える。
これにより、燃料化したゴミのストックを予め定めた値に管理し、ゴミの燃焼状態を安定化することができる。例えば、ゴミ焼却設備100の設備能力の上限に近い状態で連続運転することが可能となり設備利用率が向上する。また、燃焼の安定化により、NOXやCOなどの排出を抑制することができる。
(2)第2の態様に係る制御装置20は、(1)の制御装置20であって、空気流量制御部22は、前記空気流量の経時的な変化が示す波形が正弦波となるように前記空気流量の供給量を変化させ、該変化への前記蒸気流量の変化を分析して前記感度を検出する。
空気流量を周期的に変化させ、その応答を分析することで、空気流量の変化に対する蒸気流量の感度を検出することができる。
(3)第3の態様に係る制御装置20Bは、(1)の制御装置20Bであって、空気流量制御部22Bは、前記感度に比例する、前記空気流量に対する前記蒸気流量の応答モデルに基づく前記蒸気流量の変化の推定値と前記蒸気流量の変化の計測値の相関係数が、所定の第3設定値となるような前記制御値を算出する。
空気流量を周期的に変化させることなく、空気流量の変化に対する蒸気流量の感度を検出することができる。
(4)第4の態様に係る制御装置20Cは、(1)の制御装置20Cであって、空気流量制御部22Cは、前記空気流量に対する前記蒸気流量の応答モデルを、運転中の前記ゴミ焼却設備から採取した前記空気流量および前記蒸気流量を用いて同定し、同定後の前記応答モデルと、前記蒸気流量の計測値とに基づいて、前記感度が前記第2設定値となるような前記制御値を算出する。
逐次システム同定を行って空気流量の変化に対する蒸気流量の感度を検出することにより、最新の運転状態における空気流量の変化に対する蒸気流量の感度を検出することができる。
(5)第5の態様に係る制御装置20Dは、(1)~(4)の制御装置20、20B、20Cであって、空気流量制御部22Dは、前記ゴミを前記炉(燃焼室6)へ押し出して供給する供給機構の押し出し速度と前記蒸気流量の変化量の関係を示す第1モデルと、前記空気流量と前記蒸気流量の変化量の関係を示す第2モデルと、に基づいて演算される前記押し出し速度と前記空気流量の関係を示す第3モデルに、前記ゴミ焼却設備における前記供給機構の押し出し速度を入力して補正量を算出し、該補正量で補正した前記制御値を算出する。
これにより供給機構(プッシャ2)の引き込みのときなどに発生する蒸気流量の変動を緩和することができる。
(6)第6の態様に係る制御装置20Kは、(1)~(5)の制御装置20、20B、20C、20Dであって、前記ゴミ供給量制御部23Eは、前記蒸気流量が前記第1設定値となるようなゴミ要求値を算出し、前記ゴミを前記炉(燃焼室6)へ押し出して供給する供給機構について、前記ゴミ要求値に対応する長さだけ押し出すよう指示する。
これにより、ゴミ要求値と実際のゴミ投入量の乖離が小さくなり、蒸気流量の変動を抑えることができる。
(7)第7の態様に係る制御装置20Fは、(1)~(5)の制御装置20、20B、20C、20Dであって、前記ゴミ供給量制御部23Fは、前記蒸気流量が前記第1設定値となるようなゴミ要求値を算出し、所定の第1の位置まで伸展することにより前記ゴミを前記炉(燃焼室6)へ供給し、前記第1の位置に到達すると、伸展方向の逆方向に引き戻される前記ゴミの供給機構について、前記第1の位置より前記逆方向寄りに前記ゴミの供給機構が増速を開始する第2の位置を設け、前記供給機構が前記第2の位置に到達すると、前記供給機構の伸展速度を増加させるように制御する。
これにより、供給機構(プッシャ2)を引き戻す間のゴミの投入不足の影響を緩和することができる。
(8)第8の態様に係る制御装置20Gは、(1)~(5)の制御装置20、20B、20C、20Dであって、前記ゴミ供給量制御部23Gは、前記蒸気流量が前記第1設定値となるようなゴミ要求値を算出し、所定の第1の位置まで伸展することにより前記ゴミを前記炉へ供給し、前記第1の位置に到達すると、引き戻される前記ゴミの供給機構について、前記供給機構の伸展中の位置から前記供給機構を引き戻した場合の前記蒸気流量の予測値が前記第1設定値を超過している場合、前記伸展中の位置から前記供給機構を引き戻す。
これにより、ゴミが投入不足となることによる悪影響を受けずに供給機構(プッシャ2)を引き戻すことができる。また、供給機構(プッシャ2)を引き戻す間にゴミの投入不足となることを利用して過剰な蒸気流量を低下させることができる。
(9)第9の態様に係る制御装置20Hは、(1)~(5)の制御装置20、20B、20C、20Dであって、前記ゴミ供給量制御部23Hは、前記ゴミ焼却設備100が発生させる酸素の流量と前記ゴミの供給量との相関係数に基づいて前記ゴミが過剰供給されているか否かを判定し、過剰供給されていると判定すると、前記ゴミの供給を停止する。
これにより、ゴミの過剰供給によって、乾燥域3Aの乾燥中のゴミが燃焼域3Bへ供給されて燃焼が阻害されることを防ぎ、燃焼を安定化することができる。
(10)第10の態様に係る制御装置20Jは、(1)~(5)の制御装置20、20B、20C、20Dであって、前記ゴミ供給量制御部23Jは、前記ゴミを前記炉へ押し出して供給する供給機構(プッシャ2)が、単位時間当たりに稼働する時間比率を算出し、前記時間比率が設定値に対し不足すると、前記供給機構(プッシャ2)の伸展速度を減じ、前記時間比率が設定値を超過すると前記供給機構(プッシャ2)の伸展速度を増加させる。
これにより、プッシャ2が休止する時間が制限され、結果としてゴミは炉に均一に供給され、燃焼を安定化することができる。
(11)第11の態様に係る制御装置20Lは、(1)~(5)の制御装置20、20B、20C、20Dであって、前記ゴミ供給量制御部23Lは、前記ゴミを前記炉へ押し出して供給する供給機構(プッシャ2)が、単位時間当たりに稼働する時間比率を算出し、前記時間比率が設定値を超過すると、超過する量に応じて前記供給機構(プッシャ2)の稼働開始を遅らせる。
これにより、単位時間当たりのプッシャ2の稼働時間を平均化し、ゴミが炉に均一に供給され、燃焼を安定化することができる。
(12)第12の態様に係る制御装置20Aは、ゴミ焼却設備の炉(燃焼室6)へ供給するゴミの供給量を算出するゴミ供給量制御部23Aを備える。ゴミ供給量制御部23Aは、前記ゴミ焼却設備100が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となる前記ゴミの第1供給量を算出し、前記炉へ供給する空気の空気流量の変化に対する前記蒸気流量の感度が所定の第2設定値となる前記ゴミの第2供給量を算出し、前記第1供給量に前記第2供給量を加算して、前記供給量を算出する。
これにより、燃料化したゴミのストックを予め定めた値に管理し、ゴミの燃焼状態を安定化することができる。例えば、ゴミ焼却設備100の設備能力の上限に近い状態で連続運転することが可能となり設備利用率が向上する。また、燃焼の安定化により、NOXやCOなどの排出を抑制することができる。
(13)第13の態様に係る制御装置20Kは、ゴミ焼却設備が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となるように前記ゴミ焼却設備の炉へ供給するゴミの供給量を制御するゴミ供給量制御部23K、を備え、前記ゴミ供給量制御部23Kは、前記蒸気流量が前記第1設定値となるようなゴミ要求値を算出し、前記ゴミを前記炉へ押し出して供給する供給機構について、前記ゴミ要求値に対応する長さだけ押し出すよう指示する。
(14)第14の態様に係る制御装置20Fは、ゴミ焼却設備が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となるように前記ゴミ焼却設備の炉へ供給するゴミの供給量を制御するゴミ供給量制御部23F、を備え、前記ゴミ供給量制御部23Fは、前記蒸気流量が前記第1設定値となるようなゴミ要求値を算出し、所定の第1の位置まで伸展することにより前記ゴミを前記炉へ供給し、前記第1の位置に到達すると、伸展方向の逆方向に引き戻される前記ゴミの供給機構について、前記第1の位置より前記逆方向寄りに前記ゴミの供給機構が増速を開始する第2の位置を設け、前記供給機構が前記第2の位置に到達すると、前記供給機構の伸展速度を増加させるように制御する。
(15)第15の態様に係る制御装置20Gは、ゴミ焼却設備が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となるように前記ゴミ焼却設備の炉へ供給するゴミの供給量を制御するゴミ供給量制御部23G、を備え、前記ゴミ供給量制御部23Gは、前記蒸気流量が前記第1設定値となるようなゴミ要求値を算出し、所定の第1の位置まで伸展することにより前記ゴミを前記炉へ供給し、前記第1の位置に到達すると、引き戻される前記ゴミの供給機構について、前記供給機構の伸展中の位置から前記供給機構を引き戻した場合の前記蒸気流量の予測値が前記第1設定値を超過している場合、前記伸展中の位置から前記供給機構を引き戻す。
(16)第16の態様に係る制御装置20Hは、ゴミ焼却設備が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となるように前記ゴミ焼却設備の炉へ供給するゴミの供給量を制御するゴミ供給量制御部23H、を備え、前記ゴミ供給量制御部23Hは、前記ゴミ焼却設備が発生させる酸素の流量と前記ゴミの供給量との相関係数に基づいて前記ゴミが過剰供給されているか否かを判定し、過剰供給されていると判定すると、前記ゴミの供給を停止する。
(17)第17の態様に係る制御装置20Jは、ゴミ焼却設備が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となるように前記ゴミ焼却設備の炉へ供給するゴミの供給量を制御するゴミ供給量制御部23J、を備え、前記ゴミ供給量制御部23Jは、前記ゴミを前記炉へ押し出して供給する供給機構(プッシャ2)が、単位時間当たりに稼働する時間比率を算出し、前記時間比率が設定値に対し不足すると、前記供給機構の伸展速度を減じ、前記時間比率が設定値を超過すると前記供給機構の伸展速度を増加させる。
(18)第18の態様に係る制御装置20Lは、ゴミ焼却設備が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となるように前記ゴミ焼却設備の炉へ供給するゴミの供給量を制御するゴミ供給量制御部23L、を備え、前記ゴミ供給量制御部23Lは、前記ゴミを前記炉へ押し出して供給する供給機構(プッシャ2)が、単位時間当たりに稼働する時間比率を算出し、前記時間比率が設定値を超過すると、超過する量に応じて前記供給機構(プッシャ2)の稼働開始を遅らせる。
(19)第19の態様に係る制御方法は、ゴミ焼却設備100が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となるように前記ゴミ焼却設備の炉(燃焼室6)へ供給するゴミの供給量を制御し、前記炉へ供給する空気の空気流量の変化に対する前記蒸気流量の感度が所定の第2設定値となるような前記空気流量の制御値を算出する。
(20)第20の態様に係るプログラムは、コンピュータを、ゴミ焼却設備が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となるように前記ゴミ焼却設備の炉(燃焼室6)へ供給するゴミの供給量を制御し、前記炉へ供給する空気の空気流量の変化に対する前記蒸気流量の感度が所定の第2設定値となるような前記空気流量の制御値を算出する処理を実行させる。
100・・・ゴミ焼却設備、1・・・ホッパ、2・・・プッシャ、3・・・ストーカ、3A・・・乾燥域、3B・・・燃焼域、3C・・・後燃焼域、4・・・送風機、5A~5E・・・風箱、6・・・燃焼室、7・・・灰出口、8A~8E・・・バルブ、9・・・ボイラ、10・・・管路、11・・・蒸気流量センサ、20、20A、20B、20C、20D、20E、20F、20G、20H、20J、20K,20L・・・制御装置、21・・・データ取得部、22、22A、22B、22C、22D・・・空気流量制御部、2201・・・基本制御部、2202・・・空気流量周期変化生成部、2203・・・勾配設定部、2204・・・PI制御部、2205・・・応答振幅検出部、2206・・・勾配算出部、2207・・・加算部、2208・・・減算部、2209・・・減算部、2210・・・空気流量変更部、2211,2211a・・・相関係数設定部、2212・・・PI制御部、2213・・・応答モデル、2214・・・相関係数算出部、2215・・・加算部、2216・・・減算部、2217・・・減算部、2218・・・モデル同定部、2219・・・勾配算出部、2220・・・減算部、2221・・・加算部、2222・・・減算部、2224・・・補正量算出部、2225・・・減算部、23、23A、23E、23F、23G、23H、23J、23K,23L・・・ゴミ供給量制御部、2301・・・給じん制御部、2302・・・勾配設定部、2303・・・PI制御部、2304・・・応答振幅検出部、2305・・・勾配算出部、2306・・・加算部、2307・・・減算部、2308,2308a・・・プッシャ伸展制御部、2309・・・引込指令部、2310・・・速度変換部、2311・・・速度変換位置算出部、2312・・・速度変更部、2312a・・・第二の速度変更部、2312b・・・加算部、2312c・・・減算部、2314・・・蒸気流量変動算出部、2315・・・蒸気流量偏差算出部、2316・・・引き込み判定部、2320・・・ゴミ供給制限部、2321・・・O濃度前処理フィルタ、2322・・・プッシャ伸展速度前処理フィルタ、2323・・・ゴミ供給一時停止判定部、2340・・・伸展速度調整部、2341・・・ON比率検出部、2342・・・二値化部、2343・・・移動平均部、2344・・・PI制御器、2345・・・オンディレイタイマ、24・・・ゴミ搬送制御部、900・・・コンピュータ、901・・・CPU、902・・・主記憶装置、903・・・補助記憶装置、904・・・入出力インタフェース、905・・・通信インタフェース

Claims (14)

  1. ゴミ焼却設備が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となるように前記ゴミ焼却設備の炉へ供給するゴミの供給量を制御するゴミ供給量制御部と、
    前記炉へ供給する空気の空気流量の変化に対する前記蒸気流量の感度が所定の第2設定値となるような前記空気流量の制御値を算出する空気流量制御部と、
    を備える制御装置。
  2. 前記空気流量制御部は、前記空気流量の経時的な変化が示す波形が正弦波となるように前記空気流量の供給量を変化させ、該変化への前記蒸気流量の変化を分析して前記感度を検出する、
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記空気流量制御部は、前記感度に比例する、前記空気流量に対する前記蒸気流量の応答モデルに基づく前記蒸気流量の変化の推定値と前記蒸気流量の変化の計測値との相関係数が、所定の第3設定値となるような前記制御値を算出する、
    請求項1に記載の制御装置。
  4. 前記空気流量制御部は、前記空気流量に対する前記蒸気流量の応答モデルを、運転中の前記ゴミ焼却設備から採取した前記空気流量および前記蒸気流量を用いて同定し、同定後の前記応答モデルと、前記蒸気流量の計測値とに基づいて、前記感度が前記第2設定値となるような前記制御値を算出する、
    請求項1に記載の制御装置。
  5. 前記空気流量制御部は、前記ゴミを前記炉へ押し出して供給する供給機構の押し出し速度と前記蒸気流量の変化量の関係を示す第1モデルと、前記空気流量と前記蒸気流量の変化量の関係を示す第2モデルと、に基づいて演算される前記押し出し速度と前記空気流量の関係を示す第3モデルに、前記ゴミ焼却設備における前記供給機構の押し出し速度を入力して補正量を算出し、該補正量で補正した前記制御値を算出する、
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の制御装置。
  6. 前記ゴミ供給量制御部は、前記蒸気流量が前記第1設定値となるようなゴミ要求値を算出し、前記ゴミを前記炉へ押し出して供給する供給機構について、前記ゴミ要求値に対応する長さだけ押し出すよう指示する、
    請求項1から請求項5の何れか1項に記載の制御装置。
  7. 前記ゴミ供給量制御部は、前記蒸気流量が前記第1設定値となるようなゴミ要求値を算出し、所定の第1の位置まで伸展することにより前記ゴミを前記炉へ供給し、前記第1の位置に到達すると、伸展方向の逆方向に引き戻される前記ゴミの供給機構について、前記第1の位置より前記逆方向寄りに前記ゴミの供給機構が増速を開始する第2の位置を設け、前記供給機構が前記第2の位置に到達すると、前記供給機構の伸展速度を増加させるように制御する、
    請求項1から請求項5の何れか1項に記載の制御装置。
  8. 前記ゴミ供給量制御部は、前記蒸気流量が前記第1設定値となるようなゴミ要求値を算出し、所定の第1の位置まで伸展することにより前記ゴミを前記炉へ供給し、前記第1の位置に到達すると、引き戻される前記ゴミの供給機構について、前記供給機構の伸展中の位置から前記供給機構を引き戻した場合の前記蒸気流量の予測値が前記第1設定値を超過している場合、前記伸展中の位置から前記供給機構を引き戻す、
    請求項1から請求項5の何れか1項に記載の制御装置。
  9. 前記ゴミ供給量制御部は、前記ゴミ焼却設備が発生させる酸素の流量と前記ゴミの供給量との相関係数に基づいて前記ゴミが過剰供給されているか否かを判定し、過剰供給されていると判定すると、前記ゴミの供給を停止する、
    請求項1から請求項5の何れか1項に記載の制御装置。
  10. 前記ゴミ供給量制御部は、前記ゴミを前記炉へ押し出して供給する供給機構が、単位時間当たりに稼働する時間比率を算出し、前記時間比率が設定値に対し不足すると、前記供給機構の伸展速度を減じ、前記時間比率が設定値を超過すると前記供給機構の伸展速度を増加させる、
    請求項1から請求項5の何れか1項に記載の制御装置。
  11. 前記ゴミ供給量制御部は、前記ゴミを前記炉へ押し出して供給する供給機構が、単位時間当たりに稼働する時間比率を算出し、前記時間比率が設定値を超過すると、超過する量に応じて前記供給機構の稼働開始を遅らせる、
    請求項1から請求項5の何れか1項に記載の制御装置。
  12. ゴミ焼却設備の炉へ供給するゴミの供給量を算出するゴミ供給量制御部であって、
    前記ゴミ焼却設備が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となる前記ゴミの第1供給量を算出し、
    前記炉へ供給する空気の空気流量の変化に対する前記蒸気流量の感度が所定の第2設定値となる前記ゴミの第2供給量を算出し、
    前記第1供給量に前記第2供給量を加算して、前記供給量を算出するゴミ供給量制御部、を備える制御装置。
  13. ゴミ焼却設備が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となるように前記ゴミ焼却設備の炉へ供給するゴミの供給量を制御し、
    前記炉へ供給する空気の空気流量の変化に対する前記蒸気流量の感度が所定の第2設定値となるような前記空気流量の制御値を算出する、
    制御方法。
  14. コンピュータに、
    ゴミ焼却設備が発生させる蒸気の蒸気流量が所定の第1設定値となるように前記ゴミ焼却設備の炉へ供給するゴミの供給量を制御し、
    前記炉へ供給する空気の空気流量の変化に対する前記蒸気流量の感度が所定の第2設定値となるような前記空気流量の制御値を算出する、
    処理を実行させるプログラム。
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