JP7315375B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、抗菌剤を含む生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
抗菌剤等の機能性材料を含む生理用ナプキン等の吸収性物品が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1に記載される吸収性物品は、表面シートと裏面シートとの間に、抗菌剤が含浸されている被覆シートに包まれた吸収層が配置された構成を有する。吸収性物品の着用時、表面シートは着用者の肌面側に位置する。吸収層は、表面シートを透過した着用者の血液等の排泄物を吸収する。
特開2016-67749号公報
吸収性物品の着用時、着用者の動き等によって吸収層に好ましくない変形が生じると液状の排泄物の漏れが生じ、また、吸収層によって効率よく排泄物が吸収されず、抗菌剤による抗菌効果が発揮されない。
本発明の課題は、吸収体の変形が生じにくく抗菌効果の向上が可能な吸収性物品に関する。
本発明の一形態に係る吸収性物品は、表面シートと、裏面シートと、吸収体とを具備する。
上記吸収性物品は、着用者の前後方向に対応する縦方向及び前記縦方向に直交する横方向を有する。
上記吸収体は、上記表面シートと上記記裏面シートの間に配置され、抗菌剤を含む。
上記吸収体は、複数の変形契機部と、圧搾領域とを有する。
複数の上記変形契機部は、上記縦方向における中間領域に、上記吸収体を前記横方向に二分する上記縦方向に延びる中心線を介して両側に上記縦方向に線状に延びて位置する。
上記圧搾領域は、上記縦方向における前端部又は後端部の少なくとも一方の上記中心線を含む上記横方向中央部に、厚み方向に圧搾されて形成される。
上記中間領域における、上記中心線に最も近く位置する一対の上記変形契機部で挟まれた領域は、上記抗菌剤を含むとともに、上記圧搾領域と上記横方向に少なくとも一部が重なっている。
以上のように、本発明の吸収性物品によれば、抗菌性能の効果的な作用を実現しうる。
本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品を示す平面図である。 図1のII-II線で切断した吸収性物品の断面図である。 第1の実施形態の吸収性物品の吸収体を示す平面図であり、着用時に着用者の排泄部が対向する領域よりも腹側となる方を前方、排泄部が対向する領域よりも背側となる方を後方として図示している。 第1の実施形態の吸収性物品に形成される第1の防漏溝及び第2の防漏溝の形状を説明するための平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る吸収性物品を示す平面図である。 図5のVI-VI線で切断した吸収性物品の断面図である。 第2実施形態の吸収体の一部を構成する吸収性コアの平面図である。 第2の実施形態の吸収性物品の吸収体を示す平面図であり、着用時に着用者の排泄部が対向する領域よりも腹側となる方を前方、排泄部が対向する領域よりも背側となる方を後方として図示している。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<第1実施形態>
[ナプキンの全体構成]
本発明の第1実施形態の吸収性物品1は、図1に示すように、本体Mと、一対のウイング部Wと、を備える。吸収性物品1は、生理用ナプキンとして構成され、以下、ナプキン1と称する。ナプキン1は、後述する粘着部15によって、着用者の着衣に固定されることが可能に構成される。
ナプキン1は、着用者の前後方向に対応する縦方向Xと、着用者の左右方向に対応し縦方向Xに直交する横方向Yとを有する。さらに、ナプキン1は、縦方向X及び横方向Yの双方に直交する厚み方向Zを有する。
図1に示すように、ナプキン1は、縦方向に順に位置する前方領域M1と、中間領域M2と、後方領域M3とを有する。中間領域M2は、着用時に着用者の排泄部に主に対向する排泄部対向領域である。生理用ナプキンにおいて、排泄部とは膣口のことである。前方領域M1は、着用時に着用者の排泄部より腹側に位置する領域である。後方領域M3は、着用時に着用者の排泄部より背側に位置する領域である。
本体Mは、縦方向Xに沿って延び、着用時に着用者の着衣の内面に固定される。本体Mは、後述する吸収体10を有しており、着用者の経血等の液状の排泄物を吸収する機能を有する。
一対のウイング部Wは、中間領域M2において、本体Mを挟んで幅方向に互いに対向し、幅方向の外側に大きく突出するように構成される。
ウイング部Wは、装着時に下着を挟んで本体Mと対向するように折り曲げられ、装着者の下着の外面に固定される。ウイング部Wは、装着中におけるナプキン1の位置ずれを防止し、ナプキン1外部への排泄物の漏れを防止する。なお、ウイング部Wを備える生理用ナプキンにおいては、ウイング部Wの前後付け根部分で挟まれた縦方向Xの領域が中間領域M2であることが望ましい。
第1の防漏溝18及び第2の防漏溝19は、本体Mの後述する表面シート12側に形成された圧搾溝である。第1の防漏溝18及び第2の防漏溝19の構成については、後述する。
図2に示すように、ナプキン1は、吸収体10と、表面シート12と、裏面シート13と、一対のサイドシート14と、粘着部15と、を備える。本体Mにおいて、ナプキン1は、裏面シート13、吸収体10及び表面シート12が厚み方向Zに積層された構成を有する。これらの構成は、例えば、接着剤やヒートシール等による接合、及び第1の防漏溝18及び第2の防漏溝19による圧搾加工等によって、適宜接合されて一体化される。
吸収体10は、縦方向Xに沿って延び、表面シート12と裏面シート13との間に配置される。吸収体10は、排泄物を表面シート12側の面から吸収し、内部で拡散させて当該排泄物を保持する。吸収体10の構成については後述する。
表面シート12は、液透過性のシート材として構成され、吸収体10の厚み方向Z上方に配置される。
表面シート12は、例えば、上方に突出する複数の凸部12aを有する。凸部12aは、内部にも繊維が分布する中実な構成でもよいし、内部に繊維がほとんど存在しない中空な構成でもよい。凸部12aにより、着用時に着用者の肌と表面シート12との接触面積を低減させることができ、通気性を高め、不快感を軽減させることができる。
裏面シート13は、吸収体10の厚み方向Z下方に配置される。裏面シート13は、例えば周縁部において、表面シート12及びサイドシート14と接着剤、熱シール等によって接合される。裏面シート13は、接着剤等によって吸収体10に接合されていてもよい。
裏面シート13は、例えば、液難透過性、水蒸気透過性及び撥水性等の機能を有するシート材で形成される。当該シート材としては、例えば熱可塑性樹脂のフィルムや、当該フィルムと不織布とのラミネート等を用いることができる。
一対のサイドシート14は、ナプキン1の横方向Y周縁に配置され、表面シート12を挟んで横方向Yに相互に対向する。サイドシート14は、横方向Y内方において接着剤等により表面シート12に接合される。サイドシート14の材料としては、表面シート12よりも親水性が小さいシート材料が好ましく、具体的には、表面シートよりも親水性の低い不織布、フィルム材料、及び不織布とフィルム材料のラミネート構造のシートが挙げられる。
粘着部15は、裏面シート13の外面に設けられ、ナプキン1を着衣に対して固定させるずれ止め材としての機能を有する。
粘着部15は、例えば、裏面シート13に所定のパターンで粘着剤を塗工することにより形成される。粘着部15に用いられる粘着剤として、好ましくは、ゴム系、オレフィン系、エチレン酢酸ビニル(EVA)系等のホットメルト粘着剤が用いられる。
本実施形態において、粘着部15は、本体M及びウイング部Wの裏面シート13に設けられる。
[吸収体の構成]
図3に示すように、吸収体10は、前端部10a及び後端部10bを有し、前端部10aから後端部10bに向かって縦方向Xに延びる。前端部10aは前方領域M1内に位置し、後端部10bは後方領域M3内に位置している。
図2に示すように、吸収体10は、表面シート12と裏面シート13との間に配置される。吸収体10は、肌対向面において表面シート12とホットメルト接着剤等の接着剤(図示せず)により接着されている。
吸収体10は、吸収性コア6と、コアラップシート7と、を有する。少なくとも中間領域M2における横方向Yの中央部では吸収体10には抗菌剤が含まれる。抗菌剤は、吸収性コア6とコアラップシート7の少なくとも一方に含まれる。本実施形態では、コアラップシート7に抗菌剤が含有される例をあげる。
(吸収性コアの構成)
吸収性コア6は、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維で構成された繊維集合体で形成されてもよいし、当該繊維集合体に吸水性ポリマーを保持させた構成を有していてもよい。これにより、吸収性コア6の液保持力を高めることができる。吸収性コア6は、着用者の肌面側に位置する肌対向面6aと、着用者の着衣側に位置する非肌対向面6bとを有する。
(コアラップシートの構成)
コアラップシート7は、吸収性コア6を被覆する。コアラップシート7は、吸収性コア6の少なくとも肌対向面6aを覆うように位置すればよい。本実施形態では、1枚のコアラップシート7で吸収性コア6全体を覆い、コアラップシート7により肌対向面6a及び非肌対向面6bの双方が覆われている。
コアラップシート7は例えば矩形状を有し、図2に示すように、吸収性コア6を覆ったときに対向する一対の対向する端部が互いに重なりあって非肌対向面6b側に位置するように配置される。非肌対向面6b側でコアラップシート7が2枚重なる領域は、縦方向Xに延在し、吸収体10の横方向Yの中央部61に位置する。
尚、ここでは、コアラップシート7が2枚重なった部分は肌対向面6a側に位置する例をあげたが、非肌対向面6b側に位置してもよい。
コアラップシート7は、典型的には、親水性繊維を主体とする不織布、紙などのシート状物である。コアラップシート7に含まれる親水性繊維としては、針葉樹パルプや広葉樹パルプ等の木材パルプ、綿パルプや麻パルプ等の非木材パルプ等の天然繊維;カチオン化パルプ、マーセル化パルプ等の変性パルプ;キュプラ、レーヨン等の再生繊維;アセテート等の半合成繊維;ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維等の親水性合成繊維;ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維に親水化処理を施した繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。コアラップシート7における親水性繊維の典型的なものは、天然繊維、セルロース系の再生繊維又は半合成繊維である。コアラップシート7は、親水性繊維に加えてさらに、合成繊維(疎水性繊維)、例えば熱可塑性繊維を含んでもよい。熱可塑性繊維としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン等の単一の合成樹脂を用いて形成された単一繊維、あるいは、これら2種以上の複合体等の合成樹脂を用いて形成された複合繊維、例えば、2種以上の合成樹脂を用いて形成した芯鞘型、サイドバイサイド型等の複合繊維を用いることもできる。
少なくとも中間領域M2における横方向Yの中央部61において、コアラップシート7には抗菌剤が含まれている。抗菌剤をコアラップシート7に含有させることにより、悪臭の主な発生原因である吸収性コア6の内部での菌の繁殖を効果的に防止することができる。
本実施形態では、コアラップシート7の全体に抗菌剤が配されている。抗菌剤は少なくとも吸収性コア6の肌対向面6aを覆う領域に抗菌剤が配されていると、コアラップシート7を厚み方向に移動した排泄物に抗菌剤が溶解又は分散し、その抗菌剤を含む排泄物が吸収性コア6の内部に吸収されて抗菌作用を発現し得るため、好ましい。
抗菌剤には既知のものを用いることができる。抗菌剤としては、有機性の抗菌剤を用いることが好ましい。有機性の抗菌剤は、排泄物中の匂い発生原因物質が有機性である場合、匂い発生原因物質との良好な親和性から高い抗菌・消臭性が気体できる。有機性の匂い原因物質や菌との親和性の観点から、有機性のカチオン性抗菌剤が特に好ましい。カチオン性抗菌剤は、悪臭産生の制御として強い腐敗臭の発生を抑えることができる。
カチオン性抗菌剤は、有機化合物系の抗菌剤で、銀、亜鉛、銅等の金属イオン系よりも尿等の排泄物への溶出が多く抗菌作用が広範囲である。特に、ジデシルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、ベンゼトニウム塩、ベンザルコニウム塩、モノアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩が挙げられ、これらからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。これらのカチオン性抗菌剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせても良い。
本実施形態において、コアラップシート7には面内均一に抗菌剤が含有されている。
コアラップシートにおける抗菌剤の単位面積当たりの含有量は、抗菌剤の種類等に応じて適宜に決定することができるが、好ましくは0.03g/m以上、より好ましくは0.05g/m以上、そして、好ましくは0.25g/m以下、より好ましくは0.20g/m以下である。
カチオン性抗菌剤を用いる場合には、コアラップシートの単位面積当たりの含有量の測定は次の方法によって行うことができる。
まず、市販の製品等を分析する場合は、ドライヤーやコールドスプレー等を用いて、各部材を剥がし、測定対象のコアラップシートを得る。その後、コアラップシート中のカチオン性抗菌剤の含有量を、液体クロマトグラフ/質量分析計(アジレント・テクノロジー株式会社製6140 LC/MS、イオン化法:ESI)にて測定する。或いは、検量線法によって作成された検量線に基づいてカチオン性抗菌剤の含有量を測定することもできる。
コアラップシート7には面内でほぼ均一な含有量で抗菌剤が含有され、上述のように、コアラップシート7は2枚重なって吸収性コア6を被覆する領域を有しているため、吸収体10全体を厚み方向から見た平面視において、図2に示すように、吸収体10の横方向Yにおける中央部61にはコアラップシート7が3枚存在する領域があり、中央部61を間に介してその両側に位置する側方部62にはコアラップシート7が2枚存在する。
これにより、吸収体10の中央部61は、側方部62と比較して抗菌剤の単位面積当たりの含有量が多く、抗菌効果が高い領域となっている。吸収体10の中央部61は着用者からの排泄物が多く吸収される領域となるため、吸収体10の中央部61を両側方部62よりも抗菌剤の含有量を多くすることにより効果的に抗菌作用が発現する。
尚、本実施形態では、面内でほぼ均一な含有量で抗菌剤が含有されたコアラップシートを用いる例をあげたが、これに限定されない。例えば、面内で局所的に抗菌剤の含有量が多い領域を有するコアラップシートを用い、ナプキンとしたときに、局所的に抗菌剤の含有量が多い領域が横方向Y中央部61に位置するように設けてもよい。
(圧搾領域の構成)
図3に示すように、吸収体10は、前端部10a及び後端部10bにそれぞれ形成された前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4を有する。前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4は、吸収体10の横方向Y中央部61に配置され、吸収体10の横方向Yの側端縁よりも横方向Y内側に配置される。また、前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4は、それぞれ、前方領域M1及び後方領域M3内のみに存在している。
前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4は、いずれも、吸収性コア6がコアラップシート7で被覆された状態の吸収体10全体を厚み方向Zに圧搾加工することによって形成され、
前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4において吸収性コア6とコアラップシート7とは一体化している。前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4は、他の圧搾加工されていない領域と比較して剛性が高く、変形しにくい部分となる。
前方圧搾領域2は、縦方向Xに延在し、互いに離間して位置する複数の圧搾溝3によって構成される。後方圧搾領域4は、縦方向Xに延在し、互いに離間して位置する複数の圧搾溝5によって構成される。圧搾溝3及び5は、吸収体10の吸収性コア6及びコアラップシート7のみが一体に陥凹しており、表面シート12は圧縮されていない。吸収体10の肌対向面6a側を上方に、非肌対向面6b側を下方に配置したとき、圧搾溝3及び5は、肌対向面6aからZ軸方向下方に向かって圧縮されているとともに、非肌対向面6bからもZ軸方向上方に向かっても圧縮されている。
なお、ナプキン1では、吸収性コア6とコアラップシート7とが平面視同形であるので、前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4は、それぞれコアラップシート7の前後端縁まで延びている。しかし、コアラップシート7の前後端縁7a,7bが吸収性コア6の前後端縁6a,6bよりも、それぞれナプキン1の前後端部方向に延びている場合には、前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4は、各々、吸収性コア6の前端縁6a,後端縁6bまで延びていればよく、コアラップシート7の前後端縁7a,7bまで延びている必要はない。
圧搾溝3及び5は縦方向Xに延びる線状の溝であり、それぞれ、縦方向Yの側端縁から中間領域M2に向かって伸びている。
圧搾溝3及び5における「線状」は、溝の形状が平面視において直線状の態様に限られず、曲線状の態様を含む。圧搾溝3及び5における各線は、連続線でも破線でも良い。例えば、圧搾溝3及び5は、不連続な多数の凹部(例えば、点エンボス)が列をなして形成されていてもよい。
また、本実施形態においては、圧搾溝は縦方向Xに延びる線状の溝としたが、圧搾溝の形状はこれに限定されない。横方向Yに延びる線状の溝としてもよい。また、点状の圧搾溝がマトリクス状に配置されて圧搾領域を構成してもよい。
また、本実施形態においては、前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)は、圧搾溝3(圧搾溝5)のように圧搾された部分と、離間して隣り合う圧搾溝3(圧搾溝5)間に位置する圧搾されていない部分とを有する。このように、圧搾領域2(圧搾領域4)を、圧搾されていない部分を有する構成としてもよいし、圧搾されている部分のみからなる構成としてもよい。
(防漏溝の構成)
吸収体10及び表面シート12には、表面シート12側から厚み方向Zに圧搾加工することによって形成された第1の防漏溝18及び第2の防漏溝19が設けられている。第1の防漏溝18及び第2の防漏溝19は、表面シート12及び吸収体10が裏面シート13側に向かって一体的に凹陥した構成を有する。
第1の防漏溝18及び第2の防漏溝19は、本体Mの周縁に形成された圧搾溝であり、他の圧搾されていない領域と比較して剛性が高く、変形しにくい部分となる。
第1の防漏溝18及び第2の防漏溝19における各線は、連続線でも破線でもよい。例えば、防漏溝は、不連続な多数の凹部(例えば、点エンボス)が列をなして形成されていてもよい。
図3及び図4に示すように、第1の防漏溝18は、中間領域M2に位置する縦方向に延びる線状部分を介して、前方領域M1及び後方領域M3まで及ぶ、縦方向Xに延びる線状の防漏縦溝18aと、横方向Yに延びる防漏横溝18bと、を有する。防漏縦溝18aと防漏横溝18bとは連なって1つの略長円形状を形成するが、非連続であってもよい。
第2の防漏溝19は、縦方向Xに延びる線状の防漏縦溝である。
防漏縦溝18a及び第2の防漏溝19において「線状に縦方向Xに延びる」とは、縦方向Xに平行な態様に限定されない。例えば、図4に示すように、平面視において、全体として縦方向Xに向かって延びている部分を「線状に縦方向Xに延びる」と表現でき、横方向Yの中心線に向かって延びる、防漏溝の左右一対の線分が1点で収束する場合、当該線分は後述する「横方向Yに延びる」防漏溝として、区別できる。なお、「線状に縦方向Xに延びる」防漏溝としては、横方向Yにおける長さeが、縦方向Xの各領域(M1,M2及びM3)において、7mmの縦方向Xに長手方向を有する仮想の矩形41内に位置するように前方から後方に向かって延びる態様であることが好ましい。したがって、防漏縦溝18a及び第2の防漏溝19は、直線状であってもよいし、湾曲していてもよいし、蛇行していてもよい。
縦方向Xに延びる線状の防漏縦溝18a、線状の第2の防漏溝19は、排泄対向領域となる中間領域M2に位置する。
また、防漏横溝18bにおいて「横方向Yに延びる」とは横方向Yに平行な態様に限定されず、横方向Yにおける一方の側方から他方の側方に向かって延びる態様を広く含むものとする。したがって、防漏横溝18bは直線状であってもよいし、湾曲していてもよいし、蛇行していてもよい。防漏横溝18bは、前方領域M1及び後方領域M3の幅方向Y中央部に位置する。
第1の防漏溝18及び第2の防漏溝19は、熱を伴うか又は伴わない圧搾加工、あるいは超音波エンボス等のエンボス加工により常法に従って形成することができる。第1の防漏溝18及び第2の防漏溝19においては、表面シート12及び吸収体10が熱融着等により一体化している。
つまり、第1の防漏溝18及び第2の防漏溝19は、周囲の領域と比較して圧密化されている。これにより、第1の防漏溝18及び第2の防漏溝19は、毛細管現象によって圧密化された繊維間に液状の排泄物を引き込み、延在方向である縦方向Xに当該液を拡散させることで、横方向Yの液の漏れを防止する作用を有する。
図3に示すように、第1の防漏溝18の一部を構成する線状の防漏縦溝18aは縦方向Xに延び、横方向Yに吸収体10を二等分する中心線55を間に介して一対位置する。防漏横溝18bは中心線55を跨いで横方向Yに延び、縦方向Xに沿って一対位置し、一方の防漏横溝18bは前方領域M1に位置し、他方の防漏横溝18bは後方領域M3に位置する。
線状の第2の防漏溝19は縦方向Xに延びており、中心線55を間に介して一対位置する。一対の第2の防漏溝19は、横方向Yで第1の防漏溝18を挟んでその両側に位置する。
上述のように、防漏縦溝18aは、剛性が高く変形しにくい部分である。このため、防漏縦溝18aは、ナプキン1が横方向Yから外力を受けた場合に好ましい変形となりやすい弾性変形の基点として機能する変形契機部となる。
同様に、線状の第2の防漏溝19も、剛性が高く変形しにくい部分となるため、ナプキン1が横方向Yから外力を受けた場合に、好ましい変形となりやすい弾性変形の基点として機能する変形契機部となる。
このように、吸収体10は複数の縦方向Xに延びる変形契機部としての防漏溝を有し、本実施形態においては中心線55を間に介する二対の変形契機部としての防漏溝を有する。
中間領域M2において、二対の変形契機部のうち最も中心線55に近く位置する一対の変形契機部である一対の防漏縦溝18aにより挟まれる領域は、吸収体10の幅方向Yの中央部61に位置する。この中央部61は着用者からの排泄物が多く吸収される領域である。中央部61は中心線55を含む。
(圧搾領域と防漏溝との位置関係)
前方圧搾領域2を構成する圧搾溝3、後方圧搾領域4を構成する圧搾溝5、第1の防漏溝18、第2の防漏溝19、及び後述する第2の実施形態の防漏溝38は、他の圧搾されていない領域と比較して剛性が高く、変形しにくい部分となる。
ナプキン1において、中間領域M2における、中心線55に最も近く位置する一対の変形契機部である一対の防漏縦溝18aで挟まれた領域は、前方圧搾領域2及び後方圧搾領域と横方向Yに少なくとも一部が重なっている。
ナプキン1では、第1の防漏溝18と、前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)とは、平面視で重なり合っておらず、第1の防漏溝18と前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)とは、縦方向Xで離間して位置する。これにより、吸収体10において、第1の防漏溝18と前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)との間には、これらの剛性よりも低い剛性の領域が存在する。
図3に示す吸収体10の、中間領域M2において、中心線55を介して両側にそれぞれ位置する変形契機部としての、縦方向Xに延びる防漏溝間の横方向Yの間隔が最も狭くなる最狭部の長さをD1とし、最も広くなる最広部の長さをD2とする。また、最狭部を規定する防漏溝の一部を通り縦方向Xに平行に延びる一対の仮想線54を引く。本実施形態では、最狭部を規定する防漏溝は一対の防漏縦溝18aであり、最広部を規定する防漏溝は一対の第2の防漏溝19である。一対の仮想線54は、一対の防漏縦溝18a間が最も狭くなる部分を通る。
図3に示すように、前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4は、それぞれ、中心線55を含む横方向Y中央部61に位置し、2つの仮想線54の間に位置している。
上記のような前方圧搾領域2と後方圧搾領域4と、中間領域M2における一対の防漏縦溝18aとの位置関係となるようにナプキン1を構成することにより、着用時、着用者の排泄部が主に対向する領域となり排泄物を多く吸収する中間領域M2の横方向Yの中央部61は、ナプキン1に外力が加わっても、ヨレ等の変形が生じにくくなる。
すなわち、変形契機部である線状の縦方向Xに延びる一対の防漏縦溝18aは、排泄部対向領域となる中間領域M2に位置している。中間領域M2が、着用時、着用者の両脚から横方向Y内側に向かう外力を受けると、変形契機部のうち横方向Yの中心線55に最も近く位置する一対の防漏縦溝18a、18aに挟まれた中央部は、中間領域M2において吸収体10の横方向Yの中央部61が排泄部へ向かって突出するように変形が促されて、中央部61が排泄部に密着し易くなる。このために、中央部61では排泄物を多く吸収する領域を確保する機能を有する。
この際、中間領域M2の中央部61が排泄部側へ突出することにより、吸収体10の前方領域M1及び後方領域M3でも、着用者の肌側へ突出するような変形が誘起される。本発明では、吸収体10の前端部10a(後端部10b)の横方向Y中央部に剛性の高い前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)を設けることにより、その両端部10a、10bでは吸収体の変形が抑制されるので、吸収体10の中間領域M2の中央部61での上記突出形状が維持され易くなる。更に、前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)の存在により、着用者の動作によって吸収体10の前端部10a(後端部10b)に外力が加わっても、前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)は高剛性のため変形しにくくなっている。これにより、吸収体10の前端部10a(後端部10b)で生じた変形が中間領域M2に伝わって中間領域M2の横方向Y中央部61が変形するということが抑制される。
従って、一対の防漏縦溝18a、前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4を設けることにより、平面視で一対の防漏縦溝18aに挟まれ、かつ、前方圧搾領域2と後方圧搾領域4とによって挟まれる、排泄物が多く保持される中間領域M2の横方向Y中央部61の、排泄部へ向かう突出形状の変形が抑制される。これにより、吸収体10の排泄物を吸収する領域を広い面積で確保することができ、液漏れを抑制するとともに、吸収体10に含有されている抗菌剤と排泄物との接触機会の増加が促され、菌の繁殖が抑制され、悪臭成分の発生量を減少させることができる。
また、本実施形態では、一対の第2の防漏溝19が一対の防漏縦溝18aよりも横方向Y外側に位置しているので、着用時の横方向Y内側に向かう外力が低減される。すなわち、中間領域M2において、横方向Y内側に向かう外力は、吸収体10の一対の第2の防漏溝19の横方向Y外側の圧搾されていない剛性の低い領域で低減され、更に第2の防漏溝19と防漏縦溝18aとの間の圧搾されていない剛性の低い領域で低減されるので、中央部61が受ける横方向の外力がより低減され、中央部61の望ましくない変形が抑制される。
また、平面視で、前方に位置する防漏横溝18b(後方に位置する防漏横溝18b)と縦方向Xに離間して前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)が位置することにより、吸収体10の中間領域M2の中央部61で吸収され、第1の防漏溝18を伝って前方(後方)に広がる液状の排泄物が前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)まで広がりにくい。更に、前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)は、表面シート12と一体化されていない領域であるため、圧搾されて表面シート12が一体化している防漏横溝18bを伝って広がる液が表面シート12を介して前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4まで広がりにくくなっており、前方(後方)での液漏れが抑制される。
また、中心線55を跨いで横方向Yに延びる防漏横溝18bが設けられることにより、中間領域M2における吸収体10の中央部61の変形がより抑制される。
すなわち、前方に位置する防漏横溝18b(後方に位置する防漏横溝18b)と前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)との間には、防漏横溝及び圧搾領域よりも剛性の低い領域が存在する。これにより、着用時、吸収体10の前方領域M1(後方領域M3)に縦方向X内側に向かう外力が吸収体10に加わった場合、前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)と前方に位置する防漏横溝18b(後方に位置する防漏横溝18b)との間の剛性の低い領域が先に変形し、吸収体10の中間領域M2が受ける縦方向の外力がより低減され、中間領域M2における吸収体10の中央部61の変形が抑制される。
前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4は、少なくとも横方向Y中央部に位置すればよく、中間領域M2の横方向Y中央部61の変形が抑制される。
更に、前方圧搾領域2の横方向Yの長さa及び後方圧搾領域4の横方向Yの長さcは、排泄物を多く吸収する領域となる中間領域M2の横方向Xの中央部61を規定する一対の防漏縦溝18aの最狭部の長さD1以上であることがより好ましい。
圧搾領域の横方向Yにおける長さをD1以上とすることにより、吸収体10の前端部10a及び後端部10bにおいて、一対の仮想線54間の横方向Y全てに亘って圧搾領域が存在することになり、一対の仮想線54間に位置する吸収体10の中間領域M2の横方向Y中央部61の変形がより確実に抑制される。
また、前方圧搾領域2の横方向Yにおける長さa及び後方圧搾領域4の横方向Yにおける長さcは、横方向Yの最も外側に位置する一対の第2の防漏溝19の最広部の長さD2以下であることがより好ましい。
前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4の横方向Yにおける長さをD2以下とすることにより、着用時、着用者の両脚から横方向Y内側に向かう外力が加わったときに第2の防漏溝19を基点として吸収体10が変形しやすくなり、中央部61が受ける横方向の外力がより効率よく低減される。
また、前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4の横方向Yにおける長さをD2以下とすることにより、前端部10a及び後端部10bにおいて、横方向Yの両側端部には圧搾領域が形成されない剛性の低い領域が存在することになり、着用時に着用者の体の形状に沿って変形しやすくなり、液漏れが抑制される。
このように、前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4の横方向Yにおける長さをD1以上とすることが好ましく、更に、D2以下とすることがより好ましい。このような構成とすることにより、液漏れが抑制され、中間領域M2における吸収体10の中央部61の変形がより抑制されて、抗菌効果、防臭効果の高いナプキン1とすることができる。
また、前方圧搾領域2の縦方向Xにおける長さbは、後方圧搾領域4の縦方向Xにおける長さdよりも長くなっていることが好ましい。
一般に、ナプキン1の後方領域M3は、例えば着用者が座位の姿勢をとることにより臀部が変形するため、前方領域M1よりも、着用者の肌への追従性が求められる。本実施形態では、後方圧搾領域4の縦方向Xにおける長さを前方圧搾領域2の長さよりも短くすることにより後方領域M3において剛性の高い圧搾領域の面積を小さくし、後方領域M3の柔軟性を確保し、着用者の肌に沿うように変形しやすくすることができる。
(各構成の寸法実施例)
本実施形態において、ナプキン1の縦方向Xの長さは220mm、本体Mの横方向Yの長さは73mmである。
前方圧搾領域2の横方向Yにおける長さaは35mm、縦方向Xにおける長さbは12.5mmである。後方圧搾領域4の横方向Yにおける長さcは35mm、縦方向Xにおける長さdは5mmである。
中心線55を間に介して位置する複数の変形契機部間の横方向Yにおける最狭部の長さ(本実施形態においては一対の防漏縦溝18a間の横方向Yにおける最狭部の長さ)D1は35mmである。
中心線55を間に介して位置する複数の変形契機部間の横方向Yにおける最広部の長さ(本実施形態においては一対の第2の防漏溝19間の横方向Yにおける最広部の長さ)D2は57mmである。
ここでは、前方圧搾領域2の横方向Yの長さa及び後方圧搾領域4の横方向Yの長さcは最狭部の長さD1と同じとなっている。前方圧搾領域2の横方向Yの長さa及び後方圧搾領域4の横方向Yの長さcはD1以上であることが好ましい。また、D2以下であることが好ましい。
上記数値は一例であってこれらに限定されるものではない。
複数の縦方向Xに延びる変形契機部のうち中心線55を介して位置する一対の変形契機部間の横方向Yの最狭部の長さ(本実施形態では防漏縦溝18a間における最狭部の長さ)D1は、排泄部からの排泄物を効率よく吸収する面の確保の観点から、好ましくは20mm以上、より好ましくは25mm以上、そして好ましくは55mm以下、より好ましくは50mm以下である。
複数の縦方向Xに延びる変形契機部のうち中心線55を介して位置する一対の変形契機部間の横方向Yの最広部の長さ(本実施形態では第2の防漏溝19間における最広部の長さ)D2は、好ましくは25mm以上、より好ましくは30mm以上、そして好ましくは70mm以下、より好ましくは65mm以下である。
前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4それぞれの横方向Yにおける長さは、長さD1に応じて適宜設定される。
例えば、前方圧搾領域2の横方向Yにおける長さaは、好ましくは15mm以上、より好ましくは20mm以上、そして好ましくは55mm以下、より好ましくは50mm以下である。
後方圧搾領域4の横方向Yにおける長さcは、好ましくは15mm以上、より好ましくは20mm以上、そして好ましくは55mm以下、より好ましくは50mm以下である。
前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4それぞれの縦方向Xにおける長さは、ナプキンの縦方向Yの長さ、防漏溝の位置等に応じて適宜設定される。
前方圧搾領域2の縦方向Xにおける長さbは、好ましくは5mm以上、より好ましくは7mm以上、そして好ましくは25mm以下、より好ましくは20mm以下である。
後方圧搾領域4の縦方向Xにおける長さdは、好ましくは2mm以上、より好ましくは5mm以上、そして好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下である。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態の吸収性物品について説明する。第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する場合がある。
本実施形態の吸収性物品は、第1の吸収性物品と比較して、吸収性コアの形状が異なる点で相違する。本実施形態の吸収性コアは、縦方向Xの中間領域M2に坪量の多い高坪量部を有している。この高坪量部の横方向Yにおける両側縁部が、ナプキン1が横方向Yから外力を受けた場合に好ましい変形となりやすい弾性変形の基点として機能する変形契機部となっている。
[ナプキンの全体構成]
本発明の第2実施形態の吸収性物品としてのナプキン31は、図5に示すように、本体Mと、一対のウイング部Wと、を備える。
図5に示すように、ナプキン31は、縦方向に順に位置する前方領域M1と、中間領域M2と、後方領域M3とを有する。防漏溝38は、本体Mの後述する表面シート12側に形成された圧搾溝である。防漏溝38の構成については、後述する。
図6に示すように、ナプキン31は、吸収体30と、表面シート12と、裏面シート13と、一対のサイドシート14と、粘着部15と、を備える。
[吸収体の構成]
吸収体30は、縦方向Xに沿って延び、表面シート12と裏面シート13との間に配置される。吸収体30は、液状の排泄物を表面シート12側の面から吸収し、内部で拡散させて当該排泄物を保持する。
図6に示すように、吸収体30は、吸収性コア20と、コアラップシート7と、を有する。吸収体30には抗菌剤が含有されている。抗菌剤は、吸収性コア20とコアラップシート7の少なくとも一方に含有される。
(吸収性コア)
図7に示すように、吸収性コア20は、前方コア部21と、中間コア部22と、後方コア部23と、を有する。前方コア部21、中間コア部22及び後方コア部23は、縦方向Xに沿って並んでいる。中間コア部22は、着用者の排泄部に対向する領域であり、前方コア部21及び後方コア部23は、着用者の排泄部の前方及び後方にそれぞれ対向する部分である。中間コア部22は中間領域M2にほぼ対応する。吸収性コア20は、横方向Yにおいて左右対称な平面形状を有する。
図7に示すように、吸収性コア20は、縦方向Xに沿って延びる複数の縦溝部25及び横方向Yに沿って延びる複数の横溝部26を有する。吸収性コア20は、複数の縦溝部25及び複数の横溝部26により、複数のブロック部27に分割されている。
縦溝部25及び横溝部26は、ブロック部27よりも低い坪量を有し、ブロック部27の上面から厚み方向Z下方に向かって形成された溝で構成される。つまり、縦溝部25及び横溝部26は、ブロック部27よりも剛性が低い領域となる。これにより、ナプキン31に外力が付加された場合に、吸収性コア20が縦溝部25及び横溝部26で変形しやすくなり、縦方向X及び横方向Yのいずれの方向の外力に対しても柔軟に構成される。
ブロック部27は、高坪量ブロック部27Aと、低坪量ブロック部27Bを有する。高坪量ブロック部27Aは低坪量ブロック部27Bよりも坪量の高いブロック部である。高坪量ブロック部27Aは低坪量ブロック部27Bよりも厚み方向Zに厚く構成される。図7では、高坪量ブロック部27Aをドットで示し、低坪量ブロック部27Bを無地で示している。
複数の高坪量ブロック部27Aと、隣り合う高坪量ブロック部27間に位置する縦溝部25及び横溝部26とが位置する領域を高坪量部24と称する。高坪量部24は、中間コア部22の横方向Y中央部61に位置する。高坪量部24は、縦方向Xに延び、例えば前後端縁部が縦方向Xに向かって凸な曲線状に構成される。
長円形状の高坪量部24は、線状に縦方向Xに延びる一対の側縁部24aと、横方向Yに延びる前端縁部24b及び後端縁部24cを有する。前端縁部24bは前方側に位置し、後端縁部24cは後方側に位置する。
ここで、横方向Yにおける「側縁部」、縦方向Xにおける「端縁部」は、高坪量部24と低坪量部28との境界部分を指す。
高坪量部24の側縁部24aにおいて「縦方向Xに線状に延びる」とは、縦方向Xに平行な態様に限定されず、図7に示すように、平面視において横方向Yにおける長さeが7mmの縦方向Xに長手方向を有する仮想の矩形43内に位置するように前方から後方に向かって延びる態様を含むものとする。従って、側縁部24aは、直線状であってもよいし、湾曲していてもよいし、蛇行していてもよい。
図7に示す例では、高坪量部24の縦方向Xに線状に延びる側縁部24aは、縦方向Xに平行に延びる直線状部と、その直線状部の両端に繋がる曲線状部とからなる。
縦方向Xに線状に延びる側縁部24aは、横方向Yに吸収体30を二等分する中心線55を間に介して一対位置する。前端縁部24b及び後端縁部24cは、それぞれ中心線55を跨いで横方向Yに延び、縦方向Xに沿って位置する。
複数の低坪量ブロック部27Bと各低坪量ブロック部27Bの周囲に位置する縦溝部25及び横溝部26とが形成される領域を低坪量部28と称する。低坪量部28は、中間コア部22の横方向Yにおける両側方部62、前方コア部21及び後方コア部23に位置する。
図6に示す例では、高坪量部24が低坪量部28よりも表面シート12側に突出している。尚、高坪量部24が、裏面シート13側に突出した構成としてもよい。
吸収性コア20の中間コア部22の横方向Y中央部61に高坪量部24を設けることで、中間コア部22の排泄部に対するフィット性及び排泄物の吸収性を向上させることができる。
また、高坪量部24の周囲の低坪量部28は、高坪量部24よりも剛性の低い領域となる。この剛性差により、中間コア部22において、縦方向Xに延びる一対の線状の側縁部24aを含む側縁部24a付近は、横方向Yの外力が加わったときに基点となって変形しやすくなっている。特に、本実施形態では、縦溝部25は、高坪量ブロック部27A及び低坪量ブロック部27Bよりも坪量の低い領域であるため、高坪量部24を囲む縦溝部25が変形起点となって変形しやすくなっている。このように一対の側縁部24aを含む側縁部24a付近は、変形契機部となっている。
本実施形態のナプキン31では、一対のウイング部Wは、中間コア部22を挟んで横方向Yに互いに対向して配されている。
ナプキン31の着用時、中間領域M2に位置するウイング部Wを折り曲げ下着の外面に固定した場合、高坪量部24と低坪量部28との剛性差によって、高坪量部24が着用者の排泄部側へと起立しやすくなる。これにより、中間コア部22が装着者の排泄部付近にフィットしやすくなり、ナプキン31と肌との隙間が減少し、液漏れを抑制することができる。
図6に示すように、吸収体30において、コアラップシート7と吸収性コア20とは、前方圧搾領域2、後方圧搾領域4及び防漏溝38の部分で圧搾されて一体化されているが、それ以外の領域では一体化されておらず、コアラップシート7は縦溝25及び横溝26に追従していない形状をとる。
これにより表面シート12、コアラップシート7を介して吸収性コア20に吸収され、縦溝25及び横溝26を伝って縦方向及び横方向に広がる排泄物が、着用者の肌側に位置する表面シート12に戻りにくくなり、不快感を軽減させることができる。
(圧搾領域)
図8に示すように、吸収体30は、縦方向Xにおける前端部30aに前方圧搾領域2と、後端部30bに後方圧搾領域4を有する。第1の実施形態と同様に、前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4は、いずれも、吸収性コア20がコアラップシート7で被覆された状態の吸収体30全体を厚み方向Zに圧搾加工することによって形成され、他の圧搾加工されていない領域と比較して剛性が高く、変形しにくい部分となる。
(防漏溝)
吸収体30及び表面シート12には、表面シート12側から厚み方向Zに圧搾加工することによって形成された防漏溝38が設けられている。防漏溝38は、表面シート12及び吸収性コア20が裏面シート13側に向かって一体的に凹陥した構成を有する。防漏溝38は、本体Mの周縁に形成された圧搾溝であり、他の圧搾されていない領域と比較して剛性が高く、変形しにくい部分となる。
図8に示すように、防漏溝38は、縦方向Xに延びる線状の防漏縦溝38aと、横方向Yに延びる防漏横溝38bと、を有する。防漏縦溝38aと防漏横溝38bとは、連なって1つの略長円形状を形成するが、非連続であってもよい。防漏溝38は、高坪量部24を囲むように吸収体30の周縁に沿って位置する。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、防漏縦溝38aにおいて「線状に縦方向Xに延びる」とは、縦方向Xに平行な態様に限定されず、横方向Yにおける長さが4mmの縦方向Xに長手方向を有する仮想の矩形44内に位置するように前方から後方に向かって延びる態様を広く含むものとする。
図8に示すように、防漏縦溝38aは線状に縦方向Xに延び、横方向Yに吸収体30を二等分する中心線55を間に介して一対位置する。防漏横溝38bは中心線55を跨いで横方向Yに延び、縦方向Xに沿って一対位置し、一方の防漏横溝38bは前方側に位置し、他方の防漏横溝38bは後方側に位置する。
防漏溝38は、剛性が高く変形しにくい部分である。このため、線状の防漏縦溝38aは、ナプキン31が横方向Yから外力を受けた場合に好ましい変形となりやすい弾性変形の基点として機能する変形契機部となる。
(圧搾領域、高坪量部、及び防漏溝の位置関係)
図8に示すように、防漏溝38は、高坪量部24を囲むように位置し、両者は平面視で重なりあっていない。吸収体30において、前方圧搾領域2、後方圧搾領域4、防漏溝38は、他の圧搾されていない領域と比較して剛性が高く、変形しにくい部分である。
排泄対向領域となる中間領域M2には、変形契機部となる縦方向Xに延びる線状の防漏縦溝38aと、同様に変形契機部となる高坪量部24の一対の側縁部24aが位置する。
このように、本実施形態のナプキン31は、中心線55を間に介して位置する二対の変形契機部を有する。
高坪量部24と前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)とは、平面視で重なり合っておらず、高坪量部24と前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)とは、縦方向Xで離間して位置する。
前方の防漏横溝38b(後方の防漏横溝38b)と前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)とは、平面視で重なり合っておらず、前方の防漏横溝38b(後方の防漏横溝38b)と前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)とは、縦方向Xで離間して位置する。これにより、吸収体30において、前方の防漏横溝38b(後方の防漏横溝38b)と前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)との間には、これらよりも低い剛性の領域が存在する。
図8において、中心線55を介して両側にすぐ位置する一対の変形契機部としての高坪量部24の一対の側縁部24a間の間隔が最も広くなる最広部の長さをD3とする。この最広部を規定する一対の側縁部24aの一部を通り縦方向Xに延びる一対の仮想線54を引く。また、中心線55を介して最も外側に位置する一対の変形契機部としての防漏縦溝38a間の間隔が最も広くなる最広部の長さをD4とする。
図8に示すように、前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)は、前端部30a(後端部30b)の横方向Y中央部61に位置し、2つの仮想線54の間に位置している。
上記のような前方圧搾領域2と後方圧搾領域4と一対の側縁部24aとの位置関係となるようにナプキン31を構成することにより、着用時、着用者の排泄部が主に対向する領域となり排泄物を多く吸収する中間領域M2の横方向Yの中央部61は、ナプキン31に外力が加わっても、ヨレ等の変形が生じにくくなる。
すなわち、線状の縦方向Xに延びる一対の側縁部24aは、排泄部対向領域となる中間領域M2に位置している。中間領域M2は、着用時、着用者の両脚から横方向Y内側に向かう外力を受けると、高坪量部24よりも剛性の低い低坪量部28が先に変形し、中央部61に位置する高坪量部24が受ける横方向の外力が低減される。また、低坪量部28の変形によって、高坪量部24は排泄部側へ密着するように移動するようになる。これにより、高坪量部24は排泄部へ突出した形状を維持され易くなるとともに、その変形が抑制される。このように、複数の変形契機部のうち横方向Yの中心線55に最も近く位置する一対の側縁部24aは、中間領域M2において吸収体30の横方向Yの中央部61の変形を抑制し、排泄物を多く吸収する領域を確保する機能を有する。
これに加え、第1の実施形態と同様に、高坪量部24の排泄部側への突出に伴う前後端部30a、30bの同方向への突出が抑制されるので、高坪量部の形状が安定する。更に、着用者の動作によって吸収体30の前方領域M1(後方領域M3)に外力が加わっても、前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)は高剛性のため変形しにくい。これにより、吸収体30の前端部30a(後端部30b)で生じた変形が中間領域M2に伝わって中間領域M2の横方向Y中央部61が変形するということが更に抑制される。
従って、一対の側縁部24a、前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4を設けることにより、平面視で一対の側縁部24aに挟まれ、かつ、前方圧搾領域2と後方圧搾領域4とによって挟まれる、排泄物が多く保持される中間領域M2の横方向Y中央部61の変形が抑制される。これにより、吸収体30の排泄物を吸収する領域を広い面積で確保することができ、液漏れが抑制されるとともに、吸収体30に含有されている抗菌剤と排泄物との接触機会の増加が促され、菌の繁殖が抑制され、悪臭成分の発生量を減少させることができる。
また、上述したとおり、高坪量部24を設けることにより、ウイング部Wを折り曲げ下着の外面に固定した場合、高坪量部24が着用者の排泄部側へと起立しやすくなる。本実施形態では、前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4を設けることにより、これらの圧搾領域の高剛性により吸収体30の前方部及び後方部が変形しにくくなるので、下着にナプキン31を装着する際、必要以上にウイングWが折り曲げられて下着に装着されることが抑制される。これにより、排泄物を吸収する領域を広い面積で確保することができ、吸収体30に含有されている抗菌剤と排泄物との接触機会の増加が促され、抗菌効果による防臭効果が向上する。
また、吸収体30において、高坪量部24の前端縁部24b(後端縁部24c)よりも前方(後方)は、高坪量部24よりも剛性の低い低坪量部28が位置する。これにより、着用者の動作によって吸収体30に加わる縦方向X内側に向かう外力は低坪量部28で吸収され、高坪量部24が受ける外力が低減される。これにより、中間領域M2における吸収体30の中央部61に位置する高坪量部24の変形が更に抑制される。
更に、本実施形態においては、高坪量部24の横方向Yの外側に、高坪量部24を間に介して一対の防漏縦溝38aが設けられることにより、更に高坪量部24の変形が更に抑制される。
すなわち、吸収体30の中間コア部22において、横方向Yの側縁部と防漏縦溝38aとの間に、防漏縦溝38aよりも低剛性の領域が存在することになる。加えて、防漏縦溝38aと高坪量部24との間に、防漏縦溝38a及び高坪量部24よりも低剛性の領域が存在することになる。従って、横方向Y内側に向かう外力はこれらの低剛性の領域で段階的に低減され、高坪量部24の変形が更に抑制される。
更に、本実施形態においては、吸収体30において、前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)と高坪量部24との間に防漏横溝38bが位置し、前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)と防漏横溝38bとは平面視で重なっていない。
これにより、前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)と防漏横溝38bとの間に、前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)及び防漏横溝38bよりも低剛性の領域が存在することになる。加えて、防漏横溝38bと高坪量部24との間に、防漏横溝38b及び高坪量部24よりも低剛性の領域が存在することになる。従って、縦方向X内側に向かう外力はこれらの低剛性の領域で低減され、高坪量部24の変形が更に抑制される。
また、平面視で、前方に位置する防漏横溝38b(後方に位置する防漏横溝38b)と縦方向Xに離間して前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)が位置することにより、吸収体30の中間領域M2の中央部61で吸収され、防漏溝38を伝って前方(後方)に広がる液状の排泄物が前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)まで広がりにくい。更に、前方圧搾領域2(後方圧搾領域4)は、表面シート12と一体化されていない領域であるため、圧搾されて表面シート12が一体化している防漏横溝38bを伝って広がる液が表面シート12を介して前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4まで広がりにくくなっており、前方(後方)での液漏れが抑制される。
前方圧搾領域2の横方向Yにおける長さa及び後方圧搾領域4の横方向Yにおける長さcは、高坪量部24の横方向Yにおける最広部の長さD3以上であることがより好ましい。
圧搾領域の横方向Yにおける長さをD3以上とすることにより、吸収体30の前端部30a及び後端部30bにおいて、一対の仮想線54間の横方向Y全てに亘って圧搾領域が存在することになり、一対の仮想線54間に位置する吸収体30の中間領域M2の横方向Y中央部61の変形がより確実に抑制される。
更に、圧搾領域の横方向Yにおける長さをD3以上とすることにより、下着にウイング部Wを有するナプキン31を装着する際、必要以上にウイングWが折り曲げられて下着に装着されることがより抑制され、吸収体30の中間領域M2の中央部61の変形がより抑制される。
また、前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4の横方向Yにおける長さを、一対の防漏縦溝38aの横方向Yにおける最広部の長さD4以下とすることがより好ましい。これにより、着用時、着用者の両脚から横方向Y内側に向かう外力が加わったときに一対の防漏縦溝38aを基点として吸収体30が変形しやすくなり、中央部61に位置する高坪量部24が受ける横方向の外力がより効率よく低減される。
また、前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4の横方向Yにおける長さをD4以下とすることにより、前端部10a及び後端部10bにおいて、横方向Yの両側端部には圧搾領域が形成されない剛性の低い領域が存在することになり、着用時に着用者の体の形状に沿って変形しやすくなり、液漏れが抑制される。
また、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、前方圧搾領域2の縦方向Xにおける長さbは、後方圧搾領域4の縦方向Xにおける長さdよりも長くなっている。これにより、後方領域M3の柔軟性を確保し、着用者の肌に沿うように変形しやすくすることができる。
また、本実施形態において、平面視で、前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4は、吸収性コア20の横溝25と重なっていない。これにより、吸収体30の柔軟性が確保され、吸収体30は着用者の肌に沿うように変形しやすくなる。
(各構成の寸法実施例)
本実施形態において、ナプキン31の縦方向Xの長さは250mm、本体Mの横方向Yの長さは73mmである。
前方圧搾領域2の横方向Yにおける長さaは35mm、縦方向Xにおける長さbは12.5mmである。後方圧搾領域4の横方向Yにおける長さcは35mm、縦方向Xにおける長さdは5mmである。
中心線55を間に介して中心線55に最も近く位置する一対の変形契機部間(第2の実施形態においては一対の側縁部24a間)の横方向Yにおける最広部の長さD3は35mmである。
ここでは、前方圧搾領域2の横方向Yの長さa及び後方圧搾領域4の横方向Yの長さcは、最広部の長さD3と同じとなっている。前方圧搾領域2の横方向Yの長さa及び後方圧搾領域4の横方向Yの長さcはD3以上であることが好ましい。
上記数値は一例であってこれらに限定されるものではない。
中心線55を介して縦方向Xに線状に延びる複数の変形契機部のうち中心線55に最も近く位置する一対の変形契機部である高坪量部24の一対の側縁部24aの横方向Yの最広部の長さD3は、排泄部からの排泄物を効率よく吸収する面の確保の観点から、好ましくは25mm以上、より好ましくは30mm以上、そして好ましくは50mm以下、より好ましくは45mm以下である。
中心線55を介して縦方向Xに線状に延びる複数の変形契機部のうち中心線55に最も遠く位置する一対の変形契機部である一対の防漏縦溝38a間の横方向Yの最広部の長さD4は、好ましくは30mm以上、より好ましくは35mm以上、そして好ましくは70mm以下、より好ましくは65mm以下である。
前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4それぞれの横方向Yにおける長さは、高坪量部24の横方向Yの長さD3に応じて適宜設定される。
例えば、前方圧搾領域2の横方向Yにおける長さaは、好ましくは15mm以上、より好ましくは20mm以上、そして好ましくは55mm以下、より好ましくは50mm以下である。
後方圧搾領域4の横方向Yにおける長さcは、好ましくは15mm以上、より好ましくは20mm以上、そして好ましくは55mm以下、より好ましくは50mm以下である。
前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4それぞれの縦方向Xにおける長さは、ナプキンの縦方向Yの長さ、防漏溝の位置等に応じて適宜設定される。
前方圧搾領域2の縦方向Xにおける長さbは、好ましくは5mm以上、より好ましくは7mm以上、そして好ましくは25mm以下、より好ましくは20mm以下である。
後方圧搾領域4の縦方向Xにおける長さdは、好ましくは2mm以上、より好ましくは5mm以上、そして好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下である。
<その他の構成例>
上述の各実施形態において、コアラップシート7は着色されていてもよい。
また、上述の各実施形態において、コアラップシート7には抗菌剤に加えて消臭剤や香料が含まれていても良い。消臭剤及び香料は、コアラップシート7全面に配置されていてもよいし、コアラップシート7の一部に配置されていてもよい。また、消臭剤や香料は、コアラップシート7のみに含まれていてもよいし、吸収性コア6、20のみに含まれていてもよいし、コアラップシート7及び吸収性コア6、20の双方に含まれていても良い。
消臭剤としては、それ自体が臭気に直接作用して、即ち臭気を吸着、中和、分解等して、消臭効果を発現し得る物質であり、当該技術分野においても消臭用途に汎用されているものを用いることができるが、臭気に対する広い消臭スペクトルを有する点から、多孔性の消臭粒体が好ましい。多孔性の消臭粒体としては、無機消臭粒体や、有機消臭粒体などがある。無機消臭粒体とは無機化合物を主体とする消臭粒体、即ち消臭粒体の骨格となる化合物が無機化合物である消臭粒体のことである。有機消臭粒体とは有機化合物を主体とする消臭粒体、即ち消臭粒体の骨格となる化合物が有機化合物である消臭粒体のことである。
このように、抗菌剤に加え消臭剤を用いることにより、更に悪臭の発生を抑制することができる。
好ましい無機消臭粒体としては、カンクリナイト様鉱物、ゼオライト、モンモリロナイト、活性炭等が挙げられる。これらの中でも極性を有している多孔性消臭粒体が水溶性の臭い原因物質の消臭に適しているので好ましく、更には、カンクリナイト様鉱物とゼオライトが広い消臭スペクトルを有する点から好ましい。なお、活性炭は非極性に属するので、有機性の臭い成分の消臭に有効であり、例えば、椰子殻炭、木炭、暦青炭、泥炭、亜炭等が挙げられる。ただし、有機性の香料成分が吸着されて臭いが変質することを防止する観点から、活性炭は含まれないことが好ましい。
好ましい有機消臭粒体としては、架橋性ビニルモノマー及びヘテロ芳香環を有するビニルモノマーを含むモノマー成分を共重合して得られる粒子が挙げられる。
香料を用いることにより排泄された液由来の匂いが香料によってマスキングされて外部へ放出され、液由来の匂いが認識されにくくなり、不快感を軽減できる。
香料として用いられる高揮発性香料成分としては、例えばアニソール、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、ギ酸ベンジル、酢酸イソボルニル、シトロネラール、シトロネロール、酢酸シトロネリル、パラシメン、デカナール、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメチルフェニルカルビノール、ユーカリプトール、1-カルボン、ゲラニアール、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、ゲラニルニトリル、酢酸ネリル、酢酸ノニル、リナロール、エチルリナロール、酢酸リナリル、フェニルエチルアルコール、α-ピネン、β-ピネン、γ-ピネン、α-ヨノン、β-ヨノン、γ-ヨノン、α-テルピネオール、β-テルピネオール、酢酸テルピニル、テンタローム等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
香料として用いられる中揮発性香料成分としては、例えばアミルシンナムアルデヒド、ジヒドロジャスモン酸メチル、サリチル酸イソアミル、β-カリオフィレン、セドレン、セドリルメチルエーテル、桂皮アルコール、クマリン、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、イソオイゲノール、γ-メチルヨノン、ヘリオトロピン、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シス-3-ヘキセニル、フェニルヘキサノール、ペンタライド等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
香料として、上述の高揮発性及び中揮発性香料成分以外に、あるいはこれら香料成分に加えてさらに、バラ香調、ラベンダー香調、ジャスミン香調、イランイラン香調を有する香料を含有した香料組成物を用いることもできる。このような香料組成物としては、例えば、ネロール、ラバンジュロール、ジャスマール、シクロピデン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。香料には、上述した香料素材単体、及び天然精油や調合ベースのように、「複数の香料によって構成される香料素材が組み合わされたもの(香料組成物)で、溶剤によって希釈・調整されたもの」が含まれる。例えば、香料として、バラ、ラベンダー、ジャスミン、イランイラン様香気を有する香料を含有する香料組成物を用いることができる。
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上述の実施形態においては、前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4の双方を設ける例をあげたが、いずれか一方を設ける形態であってもよく、圧搾領域を設けない場合と比較して吸収体の変形が抑制される。
また、上述の実施形態においては、前方圧搾領域2及び後方圧搾領域4の平面形状が略矩形であるが、この形状に限定されず、吸収体の中心線55を含む横方向Y中央部61に圧搾領域が位置すればよい。
また、上述の各実施形態においては、ウイング部を備えるナプキンを例にあげて説明したが、ウイング部を有さないナプキンに適用してもよく、同様に、圧搾領域を設けることにより吸収体の変形が抑制され、抗菌効果を向上させることができる。
また、第1の実施形態において、一対の防漏縦溝18a及び一対の第2の防漏溝19によって4つの変形契機部が構成される例をあげたが、これに限定されず、中心線55を介して位置する縦方向Xに線状に延びる一対の防漏溝によって2つの変形契機部を構成してもよい。
この場合、一対の防漏溝が上述の防漏縦溝18aのように緩やかに蛇行する形状を有するときは、横方向Yで最も防漏溝間の間隔が最も広くなる最広部の長さがD2となり、最も狭くなる最狭部の長さがD1となる。つまり、一対の防漏溝によってD1とD2の値が規定される。これに対して、第1の実施形態では、二対の防漏溝によってD1とD2の値が規定される。
また、第2の実施形態において、一対の防漏縦溝38aと、高坪量部24の一対の側縁部24aによって4つの変形契機部が構成される例をあげたが、これに限定されない。例えば、防漏溝を設けず、高坪量部24の一対の両側縁部24aによって縦方向Xに線状に延びる2つの変形契機部が構成される構成としてもよい。
また、変形契機部は折り畳み線であってもよい。
一般に吸収性物品は外装シートが配置された状態で折り畳まれて包装可能となっている。例えば、幅方向に三つ折り、更に前後方向に二つ折り又は三つ折りされて包装されてもよい。幅方向に三つ折りされて包装される場合、包装過程で折り畳みによって形成される折り畳み線は、ナプキンを広げた状態で縦方向に線状に延びる形状を有する。このような折り畳み線は、着用時、横方向Yの外力に対して吸収体が変形する基点となる変形契機部となる。
1、31…ナプキン(吸収性物品)
2…前方圧搾領域(圧搾領域)
4…後方圧搾領域(圧搾領域)
10、30…吸収体
10a、30a…前端部
10b、30b…後端部
12…表面シート
13…裏面シート
18a…防漏縦溝(変形契機部)
19…第2の防漏溝(変形契機部)
24a…高坪量部の側縁部(変形契機部)
55…中心線
M2…中間領域

Claims (4)

  1. 表面シートと、裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートの間に配置された抗菌剤を含む吸収体と、を具備し、着用者の前後方向に対応する縦方向及び前記縦方向に直交する横方向を有する吸収性物品であって、
    前記吸収体は、
    前記縦方向における中間領域に、前記吸収体を前記横方向に二分する前記縦方向に延びる中心線を介して両側に前記縦方向に線状に延びて位置する複数の変形契機部と、
    前記縦方向における前端部又は後端部の少なくとも一方の前記中心線を含む前記横方向中央部に、厚み方向に圧搾されて形成される圧搾領域と、を有し、
    前記中間領域における、前記中心線に最も近く位置する一対の前記変形契機部で挟まれた領域は、前記抗菌剤を含むとともに、前記圧搾領域と前記横方向に少なくとも一部が重なっており、
    前記変形契機部は、前記吸収体を厚み方向に圧搾して形成される防漏溝を含み、
    前記圧搾領域の前記横方向の長さは、前記中間領域に前記中心線を介して両側に位置する前記防漏溝間の前記横方向の間隔が最も狭くなる最狭部の長さ以上、最も広くなる最広部の長さ以下である
    吸収性物品。
  2. 前記吸収体は、前記吸収性物品の着用時に着用者の肌面側に位置する肌対向面を有する吸収性コアと、前記吸収性コアの少なくとも前記肌対向面を覆うコアラップシートとを備え、
    前記コアラップシートは前記抗菌剤を含む
    請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記吸収体における前記抗菌剤の単位面積あたりの含有量は、前記吸収体の前記横方向における両側方部より中央部の方が多い
    請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収体は、前記前端部及び前記後端部それぞれに前記圧搾領域を有し、
    前記前端部に位置する圧搾領域は、前記後端部に位置する圧搾領域よりも前記縦方向における長さが長い
    請求項1~請求項のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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