JP3239879U - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用者が機能性材料の機能を発揮する領域を容易に把握できる吸収性物品を提供する。【解決手段】吸収性物品(1)は、互いに直交する長手方向(L)及び幅方向(W)と、液透過性の表面シート(10)と、液不透過性の裏面シート(20)と、表面シートと裏面シートの間に配置され、少なくとも親水性繊維と高吸収性ポリマーを含む吸収材料を有する吸収体(30)と、を有する。吸収体は、消臭機能及び抗菌機能の少なくとも一方を含む機能性材料を備えている。吸収体の肌対向面には、少なくとも吸収材料が着色された着色領域(R30)が設けられている。【選択図】図3
Description
本考案は、消臭機能及び抗菌機能の少なくとも一方を含む機能性材料を備える吸収性物品に関する。
特許文献1及び特許文献2には、消臭機能及び抗菌機能の少なくとも一方を含む機能性材料を備える吸収性物品が開示されている。当該吸収性物品によれば、消臭機能を発揮したり、抗菌機能を発揮したりできる。
一般的に、吸収性物品の好適な機能(消臭機能や抗菌機能)は、吸収性物品を収容するパッケージや製品を説明するウェブサイト等に示されている。そのため、使用者は、購入時にパッケージを視認したり、使用する吸収性物品の特徴を説明する情報を得たりして、吸収性物品が消臭機能や抗菌機能を発揮することを把握できる。しかし、使用者は、吸収性物品自体が当該消臭機能又は抗菌機能を発揮することを把握できるものの、当該機能を発揮する領域を把握できないことがあった。そのため、使用前に当該機能を発揮する領域を把握できず、当該機能による効能を十分に得られないと感じ、当該機能に対する安心感を得難いことがあった。
本考案は、このような問題に鑑みてなされたものであり、消臭機能及び抗菌機能の少なくとも一方を含む機能性材料を備える吸収性物品であって、使用者が機能性材料の機能を発揮する領域を容易に把握できる吸収性物品を提供する。
一態様に係る吸収性物品は、互いに直交する長手方向及び幅方向と、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートの間に配置され、少なくとも親水性繊維と高吸収性ポリマーを含む吸収材料を有する吸収体と、を有する。前記吸収体は、消臭機能及び抗菌機能の少なくとも一方を含む機能性材料を備えている。前記吸収体の肌対向面には、少なくとも前記吸収材料が着色された着色領域が設けられている。
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
一態様に係る吸収性物品は、互いに直交する長手方向及び幅方向と、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートの間に配置され、少なくとも親水性繊維と高吸収性ポリマーを含む吸収材料を有する吸収体と、を有する。前記吸収体は、消臭機能及び抗菌機能の少なくとも一方を含む機能性材料を備えている。前記吸収体の肌対向面には、少なくとも前記吸収材料が着色された着色領域が設けられている。本態様によれば、吸収体に機能性材料が設けられ、かつ吸収体の肌対向面に着色領域が設けられているため、使用者は、着色された吸収体を把握し、当該吸収体が何らかの機能を発揮することを把握し易い。使用前に消臭機能等の機能を発揮する領域を把握でき、当該機能に対する安心感を得易い。加えて、着色領域は、吸収体の肌対向面に設けられているため、吸収体が体液を吸収した後に体液の色を着色領域によって隠蔽できる。よって、使用者は、使用後の吸収性物品を視認した際に体液を衛生的に保持されていると感じ易く、消臭機能等の機能をより体感し易い。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
一態様に係る吸収性物品は、互いに直交する長手方向及び幅方向と、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートの間に配置され、少なくとも親水性繊維と高吸収性ポリマーを含む吸収材料を有する吸収体と、を有する。前記吸収体は、消臭機能及び抗菌機能の少なくとも一方を含む機能性材料を備えている。前記吸収体の肌対向面には、少なくとも前記吸収材料が着色された着色領域が設けられている。本態様によれば、吸収体に機能性材料が設けられ、かつ吸収体の肌対向面に着色領域が設けられているため、使用者は、着色された吸収体を把握し、当該吸収体が何らかの機能を発揮することを把握し易い。使用前に消臭機能等の機能を発揮する領域を把握でき、当該機能に対する安心感を得易い。加えて、着色領域は、吸収体の肌対向面に設けられているため、吸収体が体液を吸収した後に体液の色を着色領域によって隠蔽できる。よって、使用者は、使用後の吸収性物品を視認した際に体液を衛生的に保持されていると感じ易く、消臭機能等の機能をより体感し易い。
好ましい一態様によれば、前記吸収体は、前記吸収材料を固めるバインダによって着色されている。本態様によれば、バインダの塗布面全体に亘って吸収体を着色でき、機能性材料を有する吸収体を目立たせることができる。使用者は、消臭機能等の機能を発揮する領域を把握でき、当該機能に対する安心感を得易い。加えて、吸収体は、バインダによって固められたシート状となり、親水性繊維間の距離が比較的狭くなり、SAPに体液が到達し易い。そのため、体液の吸収時に消臭機能等の機能をより発揮し易く、使用者は、その効果をより得やすい。
好ましい一態様によれば、前記吸収体は、水性インクによって着色されている。本態様によれば、水性インクによって吸収体全体を着色できる。また、水性インクを用いることで体液の吸収性能を阻害せず、吸収性能を確保できる。
好ましい一態様によれば、前記機能性材料は、前記高吸収性ポリマーに設けられている。前記高吸収性ポリマーは、着色されている。本態様によれば、機能性材料が設けられた高吸収性ポリマー自体が着色されており、使用者が機能を意識する着色された部分と機能を発揮する部分が一致する。機能を発揮する部分を認識しつつ使用できるため、当該機能を使用者がより体感しやすくなる。また、高吸収性ポリマーによって体液を吸収した際に、体液の色を隠蔽できる。
好ましい一態様によれば、前記吸収体の肌対向面の色は、前記吸収体の非肌対向面の色よりも濃い。使用者は、使用前に肌対向面側から吸収性物品を視認する。本態様によれば、その際に、着色領域がより目立ち、使用者が機能を把握し易くなる。
好ましい一態様によれば、前記表面シートには、前記表面シートが厚み方向に圧縮され、厚み方向に凹むシート凹部と、前記シート凹部よりも突出し、かつ前記シート凹部よりも密度が低いシート凸部と、が設けられている。前記シート凹部及び前記シート凸部は、前記着色領域と重なって設けられている。シート凹部は、表面シートの繊維が圧縮されており、その密度が高くなる。よって、表面シート上に排出された体液は、シート凹部に引き込まれ易い。シート凹部は、表面シートの繊維が圧縮されているため、隠蔽性が比較的高い。よって、隠蔽性の高いシート凹部に体液を引き込むことで、吸収後の体液の隠蔽性をより高めることができる。また、シート凸部が着色領域に重なっているため、少なくともシート凸部と重なる領域において着色領域の視認性を確保できる。
好ましい一態様によれば、前記吸収体は、前記吸収体の肌対向面を含む上側領域と、前記上側領域よりも非肌対向面側に位置し、前記吸収体の非肌対向面を含む下側領域と、を有する。前記着色領域は、前記上側領域と前記下側領域のうち、前記上側領域のみに設けられている。上側領域は、吸収性物品の肌対向面側に位置し、使用者が視認しやすい。上側領域を目立たせることにより、使用者が着色領域を把握し易く、使用前に消臭機能等の機能を発揮する領域をより認識し易い。
好ましい一態様によれば、前記吸収性物品は、前記親水性繊維が少なくとも配置された中央領域と、前記中央領域よりも外側に位置する側部領域と、を有する。前記中央領域の機能性材料の坪量は、前記側部領域の機能性材料の坪量よりも高い。本態様によれば、中央領域は、側部領域よりも内側に位置し、排泄口に対向して配置され易く、かつ排泄物が排出され易い領域である。当該中央領域に機能性材料を多く設けることができ、使用者に機能を効率よく付与できる。
好ましい一態様によれば、前記中央領域は、第1中央領域と、前記第1中央領域よりも前記幅方向の外側及び前記第1中央領域よりも前記長手方向の外側に配置された第2中央領域と、を有する。前記第1中央領域の機能性材料の坪量は、前記側部領域の機能性材料の坪量よりも高い。本態様によれば、第1中央領域は、第2中央領域よりも内側に位置し、排泄口に対向して配置され易く、かつ排泄物が排出され易い領域である。当該第1中央領域に機能性材料を多く設け、使用者に機能を効率よく付与できる。
(2)吸収性物品の全体概略構成
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
吸収性物品は、パンティライナーである。なお、本考案に係る吸収性物品は、下着に装着して使用する吸収性物品であればよく、例えば、軽失禁パッドであってもよい。図1は、本実施形態に係る吸収性物品1の肌対向面側から見た平面図である。図2は、図1に示す吸収性物品の非肌対向面側から見た平面図である。図3は、図1に示す吸収性物品のA-A断面に沿った模式断面図である。なお、図3においては、説明の便宜上、後述するシート凹部15及びシート凸部16を省略して示している。
吸収性物品1は、互いに直交する長手方向L及び幅方向Wを有する。長手方向Lは、身体前側と身体後側とに延びる方向によって規定される。言い換えると、長手方向Lは、展開された吸収性物品1において前後に延びる方向である。また、吸収性物品1は、長手方向Lと幅方向Wの両方の直交する厚み方向Tを有する。厚み方向Tは、着用者側に向かう肌対向面側T1と、肌対向面側と反対側の非肌対向面側T2と、に延びる。
吸収性物品1は、表面シート10と、裏面シート20と、吸収体30と、を少なくとも有する。表面シート10は、例えば不織布や開孔プラスチックフィルムのような液透過性のシートによって構成されていてよい。表面シート10は、複数のシートが積層されて構成されてもよいし、セカンドシートを有してもよい。例えば、コットン繊維を含むコットンシートと、レーヨンとポリエチレンからなるシートと、の積層シートによって表面シート10を構成してもよいし、当該積層シートと、エアスルー不織布によるセカンドシートと、によって表面シート10を構成してもよい。本実施の形態の表面シート10は、エアスルー不織布によって構成されている。より好ましくは、表面シート10の吸収体側の面は、エアスルー不織布によって構成されてよい。エアスルー不織布は、繊維間の空隙が比較的大きく、後述する吸収体の高吸収性ポリマーを均一に配置し易くなる。よって、吸収性物品全体に亘って高吸収性ポリマー32が膨潤し易くなり、吸収性能を向上できる。
表面シート10には、シート凹部15と、シート凸部16と、が設けられてよい。シート凹部15は、表面シート10が厚み方向Tに圧縮され、厚み方向Tに凹んでいる。シート凸部16は、シート凹部15よりも肌対向面側T1に突出し、かつシート凹部15よりも密度が低い。シート凹部15は、表面シート10をエンボス加工された部分であり、シート凸部16は、エンボス加工されていない部分であってよい。シート凹部15は、平面視にて点状であり、間隔を空けて複数設けられてよい。シート凸部16は、シート凹部15を囲んで配置されてよい。
裏面シート20は、例えば、プラスチックフィルムのような液不透過性のシートによって構成されてよい。裏面シート20は、通気性を有してよい。通気性を有する裏面シート20によれば、尿や汗の吸収時に裏面シート20を介して湿気を吸収性物品1外に排出し易い。よって、蒸れを低減して装着感を向上できる。表面シート10及び裏面シート20は、吸収性物品1の外側縁1Sまで到達している。本実施の形態において、外側縁は、幅方向Wの縁であり、前端縁は、前側の縁であり、後端縁は、後側の縁である。また、外縁は、外側縁、前端縁及び後端縁を含む外周全体の縁である。
裏面シート20の非肌対向面には、吸収性物品1を下着に装着するための粘着部50が配置されている。粘着部50は、幅方向Wに延び、長手方向Lに間隔を空けて複数設けられている。粘着部50は、吸収性物品1の外縁1Eに到達してよい。なお、変形例において、粘着部50は、長手方向Lに延び、幅方向Wに間隔を空けて配置されてもよい。
吸収体30は、表面シート10と裏面シート20の間に配置されている。吸収体30は、少なくとも親水性繊維31と高吸収性ポリマー(SAP)32を含む吸収材料を有する。吸収材料は、親水性繊維31及び高吸収性ポリマー32以外の吸収材料を更に有してもよい。親水性繊維31は、例えば、パルプ等のセルロースを例示できる。吸収体30は、シート状であってよい。吸収体30は、吸収材料を包むコアラップを有してもよい。吸収体30は、図3に示すように、吸収体30の肌対向面を含む上側領域R11と、上側領域R11よりも非肌対向面側T2に位置し、吸収体30の非肌対向面を含む下側領域R12と、を有してよい。上側領域R11と下側領域R12の境界は、吸収体30を厚み方向Tに二等分する境界である。
吸収体30は、機能性材料を備えている。機能性材料は、消臭機能及び抗菌機能の少なくとも一方を有してよい。機能性材料は、吸収材料であってもよいし、吸収材料と別の材料であってもよい。本実施の形態の機能性材料は、高吸収性ポリマー32と、高吸収性ポリマー32の表面に配置されたゼオライト33と、によって構成されている。ゼオライトは、銀イオン、銅イオン、及び亜鉛イオンなどからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属イオンで置換されているものを例示できる。高吸収性ポリマー32は、体液を吸収及び保持し、消臭機能を発揮する。銀イオン等の金属イオンで置換されているゼオライト33は、抗菌機能を発揮する。
吸収体30の外縁30Eは、吸収性物品1の外縁1Eよりも内側に位置する。すなわち、吸収体30の前端縁30Fは、吸収性物品1の前端縁1Fよりも後側に位置し、吸収体30の後端縁30Rは、吸収性物品1の後端縁1Rよりも前側に位置し、吸収体30の外側縁30Sは、吸収性物品1の外側縁1Sよりも幅方向Wの内側に位置する。図1に示すように、吸収性物品1は、中央領域RCと、中央領域RCよりも外側に位置する側部領域ROとを有する。中央領域RCは、平面視にて親水性繊維31が少なくとも配置された領域である。中央領域RCには、親水性繊維31以外の吸収材料、例えば、高吸収性ポリマー32が配置されてよい。側部領域ROは、中央領域RCよりも長手方向Lの外側及び中央領域RCよりも幅方向Wの外側に位置する領域である。すなわち、側部領域ROは、吸収体30の外縁30Eと吸収性物品1の外縁1Eの間の領域である。側部領域ROには、表面シート10と裏面シート20が配置されている。側部領域ROには、親水性繊維(本実施の形態ではパルプ)31が配置されてなく、高吸収性ポリマー32が配置されている。高吸収性ポリマー32は、中央領域RCと、側部領域ROと、に配置されている。よって、中央領域RCを越えて尿が排出された場合であっても、当該高吸収性ポリマー32によって尿等を保持できる。加えて、高吸収性ポリマー32によって、水分に溶け込んだアンモニア成分や気体アンモニアを吸着でき、消臭機能を発揮できる。変形例において、側部領域ROには、高吸収性ポリマー32が配置されていなくてもよい。
中央領域RCは、第1中央領域RC1と、第1中央領域RC1よりも幅方向Wの外側及び第1中央領域RC1よりも長手方向Lの外側に配置された第2中央領域RC2と、を有してよい。第1中央領域RC1は、中央領域RCの長手方向Lの中央及び中央領域RCの幅方向Wの中央を含んでいる。第1中央領域RC1と第2中央領域RC2の境界は、中央領域RCを幅方向Wに三等分した境界と、中央領域RCを長手方向Lに三等分した境界と、によって構成できる。
本実施の形態の吸収性物品1は、使用者が機能性材料の機能を発揮する領域を容易に把握できるように構成されている。より詳細には、吸収性物品1は、少なくとも吸収材料が着色された着色領域R30が設けられている。着色領域R30は、少なくとも吸収体30の肌対向面に設けられている。吸収体30に機能性材料が設けられ、かつ吸収体30の肌対向面に着色領域R30が設けられているため、使用者は、着色された吸収体30を把握し、当該吸収体30が何らかの機能を発揮することを把握し易い。使用前に消臭機能等の機能を発揮する領域を把握でき、当該機能に対する安心感を得易い。加えて、着色領域R30は、吸収体30の肌対向面に設けられているため、吸収体30が体液を吸収した後に体液の色を着色領域R30によって隠蔽できる。よって、使用者は、使用後の吸収性物品1を視認した際に体液を衛生的に保持されていると感じ易く、消臭機能等の機能をより体感し易い。
着色領域R30は、吸収体30の肌対向面に着色剤を塗布することによって設けられていてもよいし、吸収体30を構成する材料に混合することによって設けられていてもよい。吸収体30は、吸収材料を固めるバインダによって着色されてよい。具体的には、バインダは、吸収体30の肌対向面側を被覆するように、スプレー状に塗布して親水性繊維31及び高吸収性ポリマー32を固定してよい。バインダによって吸収体30を着色することにより、バインダの塗布面全体に亘ってむらなく吸収体30を着色でき、機能性材料を有する吸収体30を目立たせることができる。使用者は、消臭機能等の機能を発揮する領域を把握でき、当該機能に対する安心感を得易い。加えて、吸収体30は、バインダによって固められたシート状となるため、親水性繊維31間の距離が比較的狭くなり、高吸収性ポリマー32に体液が到達し易い。そのため、体液の吸収時に消臭機能等の機能をより発揮し易く、使用者は、その効果をより得やすい。バインダとしては、酢酸ビニルを成分とするものを用いることができる。変形例において、バインダに、抗菌剤や香料を付与し、着色領域に更なる消臭機能及び抗菌機能を付与してもよい。
吸収体30は、水性インクによって着色されてよい。水性インクは、バインダに含有されていてもよいし、バインダと別体で設けられ、バインダと別に吸収体30に塗布されてもよい。水性インクによって吸収体全体を着色できる。また、水性インクを用いることで体液の吸収性能を阻害せず、吸収性能を確保できる。
着色領域R30の色は、限定されない。一形態において、着色領域R30は、青色で着色されてよい。青色は、自然界で良く見られる色であり、天然の印象を与えたり、清潔感を与えたりする色である。青色は、JIS Z 8781-4に規定されるCIE1976(L*a*b*)色空間において、a*赤方向の軸を0度とした場合に、180度以上315度以下の範囲内の色である。他の形態において、着色領域R30は、緑色で着色されてよい。緑色は、自然界で良く見られる色であり、天然の印象を与えたり、清潔感を与えたりする色である。緑色は、CIE1976(L*a*b*)色空間において、a*赤方向の軸を0度とした場合に、90度以上270度以下の範囲内の色である。また、他の形態において、着色領域R30は、紫色で着色されてよい。紫色は、CIE1976(L*a*b*)色空間において、a*赤方向の軸を0度とした場合に、270度以上360度以下の範囲内の色である。
機能性材料は、高吸収性ポリマー32に設けられており、高吸収性ポリマー32は、着色されてよい。本実施の形態では、バインダに使用する水性インクによって高吸収性ポリマー32が着色されている。機能性材料が設けられた高吸収性ポリマー32自体が着色されており、使用者が機能を意識する着色された部分と機能を発揮する部分が一致する。機能を発揮する部分を認識しつつ使用できるため、当該機能を使用者がより体感しやすくなる。また、高吸収性ポリマー32自体が着色されているため、高吸収性ポリマー32によって体液を吸収した際に、保持した体液が外部から見えにくくなり、体液の色を隠蔽できる。
吸収体30の肌対向面の色は、吸収体30の非肌対向面の色よりも濃くてよい。使用者は、使用前に肌対向面側T1から吸収性物品1を視認する。その際に、着色領域R30がより目立ち、使用者が機能を把握し易くなる。ここで、濃い色は、比較する2つのうち高い彩度を有する方であってよく、比較する2つのうち低い明度を有する方であってよい。好ましくは、濃い色は、高い彩度及び低い明度を有する方である。
表面シート10のシート凹部15及びシート凸部16は、着色領域R30と重なって設けられてよい。シート凹部15は、表面シート10の繊維が圧縮されており、その密度が高くなる。よって、表面シート10上に排出された体液は、シート凹部15に引き込まれ易い。シート凹部15は、表面シート10の繊維が圧縮されているため、隠蔽性が比較的高い。よって、隠蔽性の高いシート凹部15に体液を引き込むことで、吸収後の体液の隠蔽性をより高めることができる。一方、シート凸部16は、シート凹部15よりも密度が低い。シート凸部16が着色領域R30に重なっているため、少なくともシート凸部16と重なる領域において着色領域R30の視認性を確保できる。加えて、シート凸部16とシート凹部15によって陰影を設けることができ、吸収後の体液の隠蔽性をより高めることができる。特に、吸収性物品1がおりものや経血といった粘度の高い体液と、尿や汗といった粘度の低い体液と、の両方の体液を吸収対象とする場合にあっては、シート凹部15に両方の体液を引き込むことができるが、粘度の高い体液はシート凸部16に残りやすい。着色領域R30の視認性とあいまって体液のマスキング効果を実現しやすい。また、使用者が臭いを気にする尿は粘度が低いので表面シート10を透過しやすく、消臭や抗菌効果の高い吸収体30に接触することで消臭や抗菌効果を実現しやすい。
着色領域R30は、吸収体30の上側領域R11と下側領域R12のうち、上側領域R11のみに設けられてよい。上側領域R11は、吸収性物品1の肌対向面側T1に位置し、使用者が視認しやすい。本態様によれば、当該上側領域R11を目立たせることができ、使用者が着色領域R30を把握し易く、使用前に消臭機能等の機能を発揮する領域をより認識し易い。また、下側領域R12が着色されていなため、使用前には裏面シート20に配置した図柄などのデザイン性を阻害し難く、また、使用後には体液が裏面側にどの程度到達したかが確認し易くなるので、使用した製品の吸収容量が適切かどうかを把握しやすい。吸収体30は、上側領域R11及び下側領域R12が共にパルプで積層固定されて、上側領域R11と下側領域R12が一体となった構造であってよい。当該構成によれば、複数の不織布等で形成した吸収体のように層(不織布)間に境界がないため、上側領域R11と下側領域R12間の体液の移行がしやすく液戻りしにくい。また、上側領域R11の親水度と下側領域R12の親水度を異ならせてもよい。
中央領域RCの機能性材料の坪量は、側部領域ROの機能性材料の坪量よりも高くてよい。中央領域RCは、側部領域ROよりも長手方向Lの内側及び幅方向Wの内側に位置し、排泄口に対向して配置され易く、かつ排泄物が排出され易い領域である。当該中央領域RCに機能性材料を多く設けることができ、使用者に機能を効率よく付与できる。
本実施の形態の機能性材料は、高吸収性ポリマー32及びゼオライト33によって構成されており、機能性材料の坪量の比較を、高吸収性ポリマーの坪量の比較に置き換えることができる。なお、当該坪量の測定方法としては、各領域のそれぞれにおいて同面積の試験片を切り取り、その試験片に含まれる高吸収性ポリマーを取り出し、重量を測定することによって、坪量を測定することができる。
図3に示すように、中央領域RCにおいて、機能性材料の密度は、厚み方向Tにおいて異なっていてよい。より詳細には、中央領域RCを厚み方向Tに三等分すると、中央領域RCの厚み方向Tの中心を含む厚み中央領域R31と、厚み中央領域R31よりも厚み方向Tの外側に配置される厚み外側領域R32と、に分けることができる。厚み外側領域R32は、厚み中央領域R31の肌対向面側T1と非肌対向面側T2にそれぞれ設けられている。厚み外側領域R32と厚み中央領域R31の境界は、中央領域RCを厚み方向Tに三等分する境界である。厚み中央領域R31における機能性材料の密度は、厚み外側領域R32の機能性材料の密度よりも高くてよい。厚み中央領域R31における機能性材料の密度が高いため、吸収体30の厚み方向Tの中央に引き込んだ体液を消臭及び抗菌できる。そのため、吸収体の表面側における臭いの発生を抑制できる。なお、本実施の形態では、高吸収性ポリマーの密度を機能性材料の密度に置き換えることができ、当該密度の測定方法としては、吸収性物品を厚み方向に沿った断面で切断し、当該断面を電子写真で撮影し、各領域において同面積に含まれる高吸収性ポリマーの個数を計測し、個数が多いほど密度が高くなるものとして測定できる。
第1中央領域RC1の機能性材料の坪量は、第2中央領域RC2の機能性材料の坪量よりも高くてよい。第1中央領域RC1は、第2中央領域RC2よりも内側に位置し、排泄口に対向して配置され易く、かつ排泄物が排出され易い領域である。当該第1中央領域RC1に機能性材料を多く設け、使用者に機能を効率よく付与できる。
以上、上述の実施形態を用いて本考案について詳細に説明したが、当業者にとっては、本考案が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本考案は、実用新案登録請求の範囲の記載により定まる本考案の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本考案に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本考案によれば、消臭機能及び抗菌機能の少なくとも一方を含む機能性材料を備える吸収性物品であって、使用者が機能性材料の機能を発揮する領域を容易に把握できる吸収性物品を提供できる。
1 :吸収性物品
10 :表面シート
15 :シート凹部
16 :シート凸部
20 :裏面シート
30 :吸収体
31 :親水性繊維
32 :高吸収性ポリマー(機能性材料)
33 :ゼオライト(機能性材料)
L :長手方向
T :厚み方向
T1 :肌対向面側
T2 :非肌対向面側
W :幅方向
R11 :上側領域
R12 :下側領域
R30 :着色領域
R31 :厚み中央領域
R32 :厚み外側領域
RC :中央領域
RC1 :第1中央領域
RC2 :第2中央領域
RO :側部領域
10 :表面シート
15 :シート凹部
16 :シート凸部
20 :裏面シート
30 :吸収体
31 :親水性繊維
32 :高吸収性ポリマー(機能性材料)
33 :ゼオライト(機能性材料)
L :長手方向
T :厚み方向
T1 :肌対向面側
T2 :非肌対向面側
W :幅方向
R11 :上側領域
R12 :下側領域
R30 :着色領域
R31 :厚み中央領域
R32 :厚み外側領域
RC :中央領域
RC1 :第1中央領域
RC2 :第2中央領域
RO :側部領域
Claims (9)
- 互いに直交する長手方向及び幅方向と、
液透過性の表面シートと、
液不透過性の裏面シートと、
前記表面シートと前記裏面シートの間に配置され、少なくとも親水性繊維と高吸収性ポリマーを含む吸収材料を有する吸収体と、を有し、
前記吸収体は、消臭機能及び抗菌機能の少なくとも一方を含む機能性材料を備えている、吸収性物品であって、
前記吸収体の肌対向面には、少なくとも前記吸収材料が着色された着色領域が設けられている、吸収性物品。 - 前記吸収体は、前記吸収材料を固めるバインダによって着色されている、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記吸収体は、水性インクによって着色されている、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
- 前記機能性材料は、前記高吸収性ポリマーに設けられており、
前記高吸収性ポリマーは、着色されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の吸収性物品。 - 前記吸収体の肌対向面の色は、前記吸収体の非肌対向面の色よりも濃い、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記表面シートには、前記表面シートが厚み方向に圧縮され、前記厚み方向に凹むシート凹部と、前記シート凹部よりも突出し、かつ前記シート凹部よりも密度が低いシート凸部と、が設けられており、
前記シート凹部及び前記シート凸部は、前記着色領域と重なって設けられている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の吸収性物品。 - 前記吸収体は、前記吸収体の肌対向面を含む上側領域と、前記上側領域よりも非肌対向面側に位置し、前記吸収体の非肌対向面を含む下側領域と、を有し、
前記着色領域は、前記上側領域と前記下側領域のうち、前記上側領域のみに設けられている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吸収性物品。 - 前記吸収性物品は、前記親水性繊維が少なくとも配置された中央領域と、前記中央領域よりも外側に位置する側部領域と、を有し、
前記中央領域の前記機能性材料の坪量は、前記側部領域の前記機能性材料の坪量よりも高い、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の吸収性物品。 - 前記中央領域は、第1中央領域と、前記第1中央領域よりも前記幅方向の外側及び前記第1中央領域よりも前記長手方向の外側に配置された第2中央領域と、を有し、
前記第1中央領域の前記機能性材料の坪量は、前記側部領域の前記機能性材料の坪量よりも高い、請求項8に記載の吸収性物品。
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