JP7313483B2 - 製造方法および射出成形システム - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月17日に出願された、米国仮出願62/849738号の利益を主張する。
本開示は、射出成形システムに関するものである。
射出成形機による成形品の製造は、型締め後の金型内への樹脂の射出、樹脂の固化による体積減少を補うための高圧での金型への樹脂の押し込み、樹脂が固化するまでの金型内での成形品の保持、および金型からの成形品の取り出しが含まれる。
上述した成形方法において、生産性を高めるために、1台の射出成形機に対して、2つの金型を用いる方法が提案されている。例えば、米国特許第2018/0009146号/日本特許公開第2018-001738号/VN20160002505号では、射出成形機2の両側に、搬送装置3Aおよび3Bを配置するシステムが論じられている。このシステムでは、1台の射出成形機2に対して、搬送装置3Aおよび3Bによって複数の金型を入れ替えながら成形品を製造する。図1~図2は、米国特許第2018/0009146号/日本特許公開第2018-001738号/VN20160002505号の射出成形システムを示す。
このシステムでは、金型100Aまたは100Bの冷却は、射出成形機2の外部での搬送装置3Aまたは3B上にて行われる。一方の金型100A/100Bの冷却中に、成形品の取り出し→型締め→射出/保圧の各工程が、他方の金型100A/100Bに対して、射出成形機2により行われる。このように、型開きおよび成形品の取り出しが射出成形機2によって行われるため、搬送装置3Aおよび3Bには、型開きのための機能および成形品の取り出しのための機能が不要となる。
これにより、1台の射出成形機2で複数の金型を交互に入れ替えながら成形品Pを製造することが可能となる。これにより、システム全体のコストを削減することが可能である。
金型交換工程の開始から、他の金型排出工程、射出工程、保圧工程まで、および再度の金型交換工程の完了までの全ての工程に要する時間が、金型の1つを冷却するのに要する時間に収まれば、通常の成形と比べて生産性が最大2倍向上される。すなわち、コストアップを抑制することに加えて、高い生産性を実現できるというメリットがある。
加熱冷却成形の技術が知られている。この技術では、予め、金型を樹脂の熱変形温度よりも高い温度に加熱し、樹脂を金型に射出した後、金型を冷却する。この技術は、成形品の外観不良を防止できるが、強制加熱冷却装置が必要である。加えて、成形工程が、通常の成形方法の成形工程よりも、長くかかるという欠点がある。
成形品を確認/検査するための方法は、日本特許公開第2007-304011号に開示されている。この場合、回転テーブル上に、成形されたナットが配置され、画像撮影ユニットが成形されたナットの画像を撮影し、撮影画像を解析することによって成形されたナットの品質が判定される。
必要とされるのは、複数の金型を交互に入れ替えながら、射出成形を行うことおよび成形品を検査することのための技術である。
本開示の少なくとも一つの態様によれば、複数の金型を交換しながら、射出成形機によ成形品を製造するための方法であって、前記射出成形機内の第1の金型を開き、前記第1の金型から前記成形品を取り出す第1の取り出し工程と、前記第1の取り出し工程で取り出された前記成形品を確認して、前記成形品が合格品であるかどうかを判定する確認工程と、前記第1の金型を閉じて、前記第1の金型への射出を行う第1の射出工程と、前記第1の取り出し工程で取り出された前記成形品が合格品であると判定された場合、前記第1の射出工程後に前記射出成形機内の前記第1の金型を第2の金型に交換し、前記第2の金型から前記成形品を取り出す第2の取り出し工程と、前記第1の取り出し工程で取り出された前記成形品が不合格品であると判定された場合、前記第1の射出工程後に前記第1の金型を前記第2の金型に交換せず、前記第1の金型から前記成形品を取り出す第3の取り出し工程とを含む方法。
本開示のこれおよびその他の実施形態、特徴、および利点は、添付の図面と関連する以下の本開示の例示的な実施形態の詳細な説明、ならびに提供する特許請求の範囲を読めば、明らかになるであろう。
図1は、射出成形システムを示す。 図2は、射出成形機の側面図を示す。 図3は、射出成形システムの動作の処理を示す。 図4は、射出成形システムの動作の処理を示す。 図5は、射出成形システムの動作を示す。 図6は、基本的な成形処理を示す。 図7は、チャック板を示す。 図8は、チャック板を示す。 図9は、射出成形の処理を示す。 これらの図を通して、特に明記しない限り、示された実施形態の同様の特徴、要素、構成要素または部分には、同じ参照番号および符号が使用されている。さらに、本開示は、これらの図を参照して詳細に説明されるが、その説明は、例示的な実施形態に関連してなされる。添付の請求項によって定義されるこの本開示の真の範囲および趣旨から逸脱することなく、記載された例示的な実施形態に変更および改変を加えることができることが意図されている。
本開示は、いくつかの例示的な実施形態を有しており、当業者に既知の詳細については、特許、特許出願、および他の参考文献に依存する。したがって、本明細書において、特許特許出願、または他の参考文献が引用される、または繰り返されるとき、それらは、記載されている提案だけではなくあらゆる目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれることを理解されたい。
図を参照して、各図の矢印XおよびYは、互いに直交する水平方向を示しており、矢印Zは、地面に対して垂直(直立)方向を示している。
図1~図2は、米国特許第2018/0009146号/日本特許公開第2018-001738号/VN20160002505号の射出成形システム1を示しており、ここでは情報/説明の目的でのみ提供されている。
射出成形システム1は、射出成形機2と、搬送装置3Aおよび3Bと、コントローラ4とを含む。射出成形システム1は、1台の射出成形機2に対して、搬送装置3Aおよび3Bを用いて複数の金型を交互に入れ替えながら、成形品を製造する。2つの金型100Aおよび100Bが用いられる。
金型100A/100Bは、固定金型101と、固定金型101に対して開閉される可動金型102との組である。成形品は、固定金型101と可動金型102との間に形成されるキャビティに溶融樹脂を射出することで成形される。固定金型101および可動金型102には、それぞれ取付板101aおよび102aが固定されている。取付板101aおよび102aは、金型100A/100Bを射出成形機の成形動作位置11(型締位置)に固定するために用いられる。
金型100A/100Bには、固定金型101と可動金型102との間を閉状態に維持する自己閉鎖部103が設けられている。自己閉鎖部103によって、射出成形機2から金型100A/100Bを搬出した後に、金型100A/100Bが開くことを防止することが可能となる。自己閉鎖部103は、磁力を利用して金型100A/100Bを閉状態に維持する。自己閉鎖部103は、固定金型101および可動金型102の反対面に沿って複数の箇所に配置されている。自己閉鎖部103は、固定金型101側の要素と可動金型102側の要素との組み合わせである。通常、金型100Aおよび100Bの1つに対して、自己閉鎖部103は2組以上設置される。
搬送装置3Aは、金型100Aを射出成形機2の成形動作位置11に搬入および搬出する。搬送装置3Bは、金型100Bを成形動作位置11に搬入および搬出する。搬送装置3A、射出成形機2、および搬送装置3Bは、この順にX軸方向に並ぶように配置されている。言い換えれば、搬送装置3Aおよび搬送装置3Bは、射出成形機2をX軸方向において挟むように、射出成形機2に対して横方向に配置されている。搬送装置3Aおよび3Bは、互いに対向して配置され、搬送装置3Aは射出成形機2の左右の一側方に、搬送装置3Bは他側方にそれぞれ隣接して配置されている。成形動作位置11は、搬送装置3Aと搬送装置3Bとの間に位置している。搬送装置3Aおよび3Bは、それぞれ、フレーム30と、搬送ユニット31と、複数のローラ32と、複数のローラ33とを含む。
フレーム30は、搬送装置3Aおよび3Bの骨格であり、搬送ユニット31と、複数のローラ32および33とを支持する。搬送ユニット31は、金型100A/100BをX軸方向に往復移動させ、成形動作位置11に対して金型100A/100Bを排出および挿入する装置である。
搬送ユニット31は、モータを駆動源とする電動シリンダであり、シリンダに対して進退するロッドを備えている。シリンダは、フレーム30に固定されており、固定金型101は、ロッドの縁部に固定されている。搬送ユニット31には、流体アクチュエータも電気アクチュエータも使用することができるが、電気アクチュエータのほうは、金型100A/100Bを搬送する際に、位置や速度のよりよい制御精度を提供することができる。流体アクチュエータは、例えば、油圧シリンダまたはエアシリンダであってもよい。電気アクチュエータはまた、電動シリンダに加えて、モータを駆動源として有するラックアンドピニオン機構や、モータを駆動源として有するボールねじ機構などでありうる。
搬送ユニット31は、各搬送装置3Aおよび3B毎に、独立して配置されている。しかし、金型100Aおよび100Bを支持する共通の支持部材を用いることができるし、この支持部材のためには、単一の共通の搬送ユニット31を配置することができる。搬送ユニット31が、各搬送装置3Aおよび3B毎に、独立して配置されている場合には、搬送時に金型100Aと金型100Bとの間で移動ストロークが異なる場合を、取り扱うことが可能となる。例えば、金型の幅(X方向の幅)が異なり、または、金型の厚さ(Y方向の幅)が異なることから、金型たちを同時に搬送することができない場合である。
複数のローラ32は、X軸方向に配列されたローラ列を構成しており、Y軸方向に離間して2列構成されている。複数のローラ32は、Z軸方向の回転軸を中心に回転し、金型100A/100Bの側面(取付板101aおよび02aの側面)に接触して、金型100A/100Bを横から支えて金型100A/100BのX軸方向への移動をガイドする。複数のローラ33は、X軸方向に配列されたローラ列を構成しており、Y軸方向に離間して2列構成されている。複数のローラ33は、Y方向の回転軸を中心に回転し、金型100A/100Bの底面(取付板101aおよび02aの底面)を支持して、金型100A/100Bを下から支えて金型100A/100BのX方向への移動を円滑にする。
コントローラ4は、射出成形機2を制御するコントローラ41と、搬送装置3Aを制御するコントローラ42Aと、搬送装置3Bを制御するコントローラ42Bとを含む。各コントローラ41、42A、および42Bは、例えば、CPUなどのプロセッサと、RAMと、ROMと、ハードディスクなどの記憶装置と、センサやアクチュエータに接続されるインターフェース(図示せず)とを含む。プロセッサは、記憶装置に記憶されたプログラムを実行する。コントローラ41が実行するプログラム(制御)の一例は後述する。コントローラ41は、コントローラ42Aおよび42Bと通信可能に接続され、コントローラ42Aおよび42Bに100A/100Bの搬送に関する指示を提供する。コントローラ42Aおよび42Bは、金型100A/100Bの搬入および搬出が終了する場合、動作完了の信号をコントローラ41に送信する。また、コントローラ42Aおよび42Bは、異常発生時に非常停止の信号をコントローラ41に送信する。
射出成形機2、搬送装置3A、搬送装置3Bそれぞれにコントローラが設けられているが、1つのコントローラで3台全ての装置を制御することもできる。また、より信頼性の高いしかも協調的な動作のため、搬送装置3Aと搬送装置3Bとを単一のコントローラで制御することができる。
射出成形機2は、射出装置5と、型締装置6と、成形品を取り出す取出機7とを含む。射出装置5および型締装置6は、フレーム10上にY軸方向に配置されている。
射出装置5は、Y軸方向に延びるように配置された射出シリンダ51を含む。射出シリンダ51は、バンドヒーターなどの加熱装置(図示せず)を含み、ホッパー53から導入された樹脂を溶融する。射出シリンダ51にはスクリュー51aが内蔵されており、スクリュー51aを回転させることで、射出シリンダ51内に導入された樹脂が可塑化され、計量される。また、スクリュー51aの軸方向(Y軸方向)への移動により、射出ノズル52から溶融樹脂を射出することができる。
図2では、ノズル52としての遮断ノズルの一例が示されている。吐出口52aを開閉するためのピン56aが、図2の開閉機構56として配置さられている。ピン56aは、リンク56bを介してアクチュエータ(シリンダ)56cに連結されており、また、アクチュエータ56cの作動により吐出口52aが開閉される。
射出シリンダ51は、駆動ユニット54に支持されている。駆動ユニット54には、スクリュー51aを回転駆動させて樹脂の可塑化と計量を行うモータと、スクリュー51aを軸方向に進退させる駆動モータとが配置されている。駆動ユニット54は、フレーム10上のレール12に沿ってY軸方向に進退可能である。また、駆動ユニット54には、射出装置5をY軸方向に進退させるアクチュエータ(例えば、電動シリンダ)55が配置されている。
型締装置6は、金型100A/100Bの型締めおよび型開閉を行う。型締装置6には、Y軸方向に順に、固定プラテン61、可動プラテン62、可動プラテン63が配置されている。プラテン61~63には、複数のタイバー64が通過している。タイバー64は、Y軸方向に延びる軸であり、その一端が固定プラテン61に固定されている。各タイバー64は、可動プラテン62に形成された各貫通穴に挿入されている。各タイバー64の他端は、調整機構67を介して可動プラテン63に固定されている。可動プラテン62と63とは、フレーム10上のレール13に沿ってY軸方向に移動可能であり、固定プラテン61は、フレーム10に固定されている。
可動プラテン62と可動プラテン63との間には、トグル機構65が配置されている。トグル機構65は、可動プラテン63に対して(言い換えれば、固定プラテン61に対して)、可動プラテン62をY軸方向に進退させる。トグル機構65は、リンク65a~65cを含む。リンク65aは、可動プラテン62に回転自在に連結されている。リンク65bは、可動プラテン63に回動自在に連結されている。リンク65aとリンク65bとは、互いに回動自在に連結されている。リンク65cとリンク65bとは、互いに回動自在に連結されている。リンク65cはアーム66cに回動自在に連結されている。
アーム66cは、ボールナット66bに固定されている。ボールナット66bは、Y軸方向に延びるボールねじ軸66aと係合し、ボールねじ軸66aの回転によりY軸方向に進退する。ボールねじ軸66aは、可動プラテン63によって回転自在となるように支持されており、モータ66は可動プラテン63に支持されている。モータ66は、モータ66の回転量を検出しながら、ボールねじ軸66aを回転駆動する。モータ66の回転量を検出しながらモータ66を駆動することにより、金型100A/100Bの型締めおよび開閉を行うことが可能となる。
射出成形機2は、型締力を計測するためのセンサ68を含み、各センサ68は、例えばタイバー64に設けられた歪みゲージであり、タイバー64の歪を検出することで型締力を算出する。
調整機構67は、可動プラテン63に回転自在に支持されたナット67bと、駆動源であるモータ67aと、モータ67aの駆動力をナット67bに伝達する伝達機構とを含む。各タイバー64は、可動プラテン63に形成された穴を通過して、ナット67bに係合している。ナット67bを回転させることにより、ナット67bとタイバー64との間のY軸方向の係合位置が変化する。すなわち、タイバー64に対する可動プラテン63の固定位置が変化する。これにより、可動プラテン63と固定プラテン61との間の間隔を変化させることができ、それによって型締力などを調整することができる。
成形動作位置11は、固定プラテン61と可動プラテン62との間の領域である。
成形動作位置11に導入された金型100A/100Bは、固定プラテン61と可動プラテン62との間に挟まれ、それによって型締めされる。可動プラテン62の移動による可動金型102の移動に基づいて開閉が行われる。
取出機7は、X軸方向に延びるレール71と、レール71上をX軸方向に移動可能な可動レール72とを含む。可動レール72はY軸方向に延びるように配置されており、可動レール72上にはスライダ73が配置されている。スライダ73は、可動レール72にガイドされてY軸方向に移動し、昇降軸73aをZ軸方向に昇降させる。昇降軸73aの下端部には、真空ヘッド74が配置されており、真空ヘッド74には、成形品に特化したチャック板75が取り付けられている。
取出機7は、型開き後、レール71、可動レール72およびスライダ73により、図2において破線で示すように、真空ヘッド74を固定金型101と可動金型102との間に移動し、成形品に吸着して、成形品を金型100A/100Bの外部に搬送する。
画像撮影装置76は、固定プラテン61の上方に配置されている。画像撮影装置76は、真空ヘッド74が成形品を保持した状態で成形品を撮影し、成形品を確認することを可能にする。
図3は、コントローラ41が実行する処理のフローチャートを示す。このフローチャートの実行が開始されると、金型100Aおよび金型100Bの一方は、それぞれの搬送装置上にて冷却され、他方の金型は、射出成形機2内において射出後の保圧処理中となる。
S1では、射出成形機2内の金型100A/100Bと搬送装置3A/3B上の金型100A/100Bとを交換する(交互に入れ替える)。
S1において射出成形機2内に搬送された金型100A/100Bは、予め射出成形機の外部にて冷却されている。
S2では、射出成形機2内の金型100A/100Bを開く。
S3では、取出機7は、開いた金型100A/100Bから成形品を取り外す(取り出す)。
S4では、画像撮影装置76が取出機7によって保持された成形品の画像を撮影し、その成形品を確認する。なお、撮像画像を解析する時間枠が長時間である場合には、ステップ5の処理と並行してこの処理を行うことができる。
S5では、型締め、金型100A/100Bへの射出、および保圧の一連の処理を行う。
S6では、成形品を確認した結果に基づいて、成形品が合格か不合格かを判定する。本実施形態では、撮像画像に基づいて、成形品の表面状態や形状に関して成形品を確認する。撮像画像に基づいての成形品の色に関して成形品を確認することができる。
成形品が合格と判定された場合、処理はS1に戻り、金型100Aおよび100Bを交換する。
成形品が不合格と判定された場合には、金型100Aおよび100Bを交換せずに、処理はS7に進む。S7では、処理が、S5において金型に射出された成形材料が十分に冷却されるまで待機する。十分に冷却されてから、不合格品は、合格品とは別の位置に移動させることで廃棄する。処理は次に、金型100Aおよび100Bを交換するS1に進む。
上述したように、図3のフローチャートにおいて、成形品が合格である場合、金型100Aおよび100Bを交換し、処理を繰り返す。成形品が不合格である場合、金型100Aおよび100Bを交換せずに、同一の金型100A/100Bに対して、型開きおよび取り出しの工程を行う。これにより、取り出した成形品が不合格のときに、成形品を迅速に再製造することが可能となる。この処理により、成形品Aと成形品Bとを交互に収納容器に詰める必要がある場合など、必要に応じて取り出された部品の順序を維持することも可能にする。
図4は、コントローラ41が実行する処理のフローチャートを示す。図4のS1~S5は、図3のS1~S5と同一であり、ここではその説明は省略される。
S8では、金型100Aおよび100Bを保圧工程後に交換する。
S9では、成形品を確認した結果に基づいて、成形品が合格か不合格かを判定する。成形品が合格であると判定された場合、処理はS2に戻る。
成形品が不合格と判定された場合には、流れはS10に進む。S10では、処理が、S5において金型に射出された成形材料が十分に冷却されるまで待機する。十分に冷却されてから、不合格品は、合格品とは別の位置に移動させることで廃棄する。処理は次に、金型100Aおよび100Bを交換するS1に進む。これにより、取り出した成形品が不合格のときに、成形品を迅速に再製造することが可能となる。
上述したように、図4のフローチャートにおいて、成形品が合格かどうかを判定する前に、金型100Aおよび100Bを交換し、交換した金型100A/100Bを開く前に、成形品が合格かどうかを判定する。成形品が合格である場合には、成形品が合格かどうかが判定されるまでの待機時間を短縮または除去することができる。成形品が不合格である場合には、金型100Aおよび100Bを再度交換し、不合格の成形品を製造した際に使用した金型100A/100Bを射出成形機2に戻すことになる。合格する成形品の製造率は、成形品が不合格である可能性よりも高いので、処理全体の実行に要する時間を短縮することができる。
図4のフローチャートでは、S4において確認処理を行い、S9において判定処理を行う。他の例示的な実施形態では、S4において確認処理が開始されるが、S5においての型締め、射出、および保圧工程、かつ、S8においての交換工程と並行して、確認処理および判定処理を行うことができる。この場合、S5~S8の間にS9においての判定処理を行うことができる。
S9の判定処理が、S5においての処理が終了する前に完了した場合、または、S5においての処理が終了した直後に完了する場合には、図3に示す処理と同様の処理を行う。すなわち、S9において成形品が合格であると判定される場合には、S8の交換工程を省略し、S1において金型100Aおよび100Bを交換する。また、S9において成形品が不合格であると判定される場合には、S10においての処理およびS2においての処理を行う。
上述したように、本実施形態では、図3の処理と図4の処理との間で、画像撮影および確認処理がかかる時間に基づいて、切り替えることができる。図4の処理は、例えば、撮像画像の画像処理および解析を実行するための時間枠が長く、保圧工程が完了する後に、判定処理が終了していない場合に、図3の処理の強化を提供する。
図5は、コントローラ41が実行する処理のフローチャートを示す。具体的には、コントローラ41は、金型100Aおよび金型100Bの両者で製造される成形品の個数を管理し、不合格品の製造に基づいて、成形品の予定数を更新する。
このフローチャートの実行が開始されると、金型100Aおよび金型100Bの一方は搬送装置上にて冷却され、他方の金型は射出成形機2内での射出後の保圧工程中である。
S51において、コントローラ41は、金型100Aおよび金型100Bのそれぞれにより製造される成形品の個数を設定する。例示的な一実施形態では、コントローラ41は、ユーザによる入力に応答して、この処理を実行する。コントローラ41は、金型100Aにより製造された成形品の残数を示す変数Naに予定数「n」を代入する。コントローラ41は、金型100Bにより製造された成形品の残数を示す変数Nbに予定数「m」を代入する。
S52では、残数Naは0に等しいかどうかを判定する。Naが0に等しい場合には、処理はS57に進む。Naが0に等しくない場合には、処理はS53に進む。S53では、金型100Aを射出成形機2内に搬送する。このとき、金型100Aが既に射出成形機2内にある場合には、コントローラ41は、処理を行わない。
S54では、金型100Aにより図6に示す基本成形工程Pが行なわれる。
基本成形工程Pは、射出成形機2内へ搬送される金型のための標準工程である。
本実施形態では、基本成形工程は、型開き、成形品の取り出し、成形品の画像撮影および確認、型締め、射出、および保圧を含む。しかし、基本成形工程は、成形品と、射出成形機2が採用する成形工程とに基づいて、変更する可能性がある。基本成形工程Pにおける確認工程では、取出機7が成形品を保持し続ける。別の例示的な実施形態では、射出成形システム1の近くにテーブルと確認装置を設け、テーブル上にて確認工程を行うこともできる。
S55では、S54において取り出された成形品が合格かどうかを判定する。成形品が合格である場合には、処理はS56に進む。S56では、金型100Aのための残数Naが1減少する。
成形品が不合格である場合には、処理はS57に進み、残数Naは減少しない。すなわち、成形品は不合格品の同じ番号として再製造される。
S57では、残数Nbが0に等しいかどうかを判定する。Nbが0に等しい場合には、処理はS62に進む。Naが0に等しくない場合には、処理はS58に進む。S58では、金型100Bを射出成形機2内に搬送する。このとき、金型100Bが既に射出成形機2内にある場合、コントローラ41は処理を行わない。
S59では、金型100Bにより図6に示す基本成形工程Pをが行われる。
S60では、S59において取り出された成形品が合格かどうかを判定する。成形品が合格である場合には、処理はS61に進む。S61では、金型100Bのための残数Nbが1減少する。
成形品が不合格である場合には、処理はS62に進むので、残数Nbは減少しない。すなわち、成形品は不合格品の同じ番号として再製造される。
S62では、残数Naおよび残数Nbが共に0に等しいかどうかを判定する。NbおよびNbが0に等しい場合には、処理は終了する。NbまたはNbのいずれかが0に等しくない場合には、処理はS52に戻る。
NaおよびNbが0に等しくなるまで、図5の工程を繰り返す。
上述したように、本実施形態では、確認装置の結果に基づいて、成形品が不合格であると判定されたことに応じて、予め設定された成形品の製造番号を変更することができる。上述した実施形態ではまた、複数の金型を交換しながら射出成形を行うための製造工程における確認工程を含む効率的な製造方法を提供している。
別の例示的な実施形態では、成形品のための確認工程は、複数の金型を交換しながら金型内にて組み立てを行うまたはインサート成形を行う射出成形に含まれる。金型内での組み立てのための構成および処理の流れは後述する。
図7は、ここでは情報目的のためだけに提供されている。図7のEX1は、チャック板75の一例を示す。チャック板75は、保持部75Aと、保持部75Bとを含んでいる。真空ヘッド74は、チャック板75を軸74aを中心に回転させ、保持部75Aおよび保持部75Bの位置を変化させるようチャック板75を変位させる。これにより、成形品に対向する保持部を切り替えることができ、チャック板75を交換することなく、異なる成形品を短時間で取り扱うことができる。図6のEX2は、チャック板75の別の例を示す。チャック板75は、保持部75Aと、保持部75Bとを含んでいる。真空ヘッド74は、レール74bと、レール74bに沿って移動するスライダ74cとを含み、スライダ74c上にてチャック板75が配置されている。スライダ74cを移動すると、チャック板75が変位される結果となり、保持部75Aおよび保持部75Bの位置が変化する。これにより、成形品に対向する保持部を切り替えることができ、チャック板75を交換することなく、異なる成形品を短時間で取り扱うことができる。
図9は、コントローラ41により実行される射出成形システム1の制御方法の一例を示すフローチャートである。以下の例では、金型100Aを用いた成形→金型100Bを用いた成形→金型100Aを用いた成形など、金型100Aと金型100Bとを交互に入れ替えながら成形動作を行う場合を想定している。しかし、金型100Bが開いているときには、金型100A内に成形された成形品Aを金型100B内に配置する。その後、成形品Aを含む金型100Bに樹脂を射出し、成形品Aと一体化した成形品Bを製造する。
この処理の流れの開始時には、樹脂が射出された金型100Bが射出成形機2から搬送装置3Bに搬出されている。次の説明では、この工程に続く工程を説明する。図のステップS901では、冷却された金型100Aを射出成形機2に搬入する。金型Aは、前サイクル中に射出されてから、冷却工程で硬化させた樹脂から作った成形品Aを含んでいる。ステップS902では、モータ66を駆動して、可動プラテン62を固定プラテン61から遠ざける。固定金型101は、固定機構610によって固定プラテン61に固定され、可動金型102は、固定機構610によって可動プラテン62に固定される。これにより、可動金型102が固定金型101から離間し、金型100Aが開放される。
ステップS903では、取出機7は、保持部75Aを駆動して、金型100Aの可動金型102側に残っている成形品Aを取り出す。取り出された成形品Aは、ステップS12の工程まで保持部75Aに保持され続ける。
ステップS904では、型締装置6は、モータ66を駆動してトグル機構65を駆動し、固定プラテン61および可動プラテン62による金型100Aの型締めを行う。
ステップS905では、射出装置5により金型100Aへの射出のための準備が行なわれる。射出装置5は、アクチュエータ55を駆動して、射出装置5を移動させ、ノズル52を金型100Aに接触するように移動させる。
ステップS906では、溶融樹脂の射出および保圧を行う。射出装置5を駆動して、ノズル52から溶融樹脂を金型100A内のキャビティに充填し、樹脂の固化による体積減少を補うために樹脂を金型100A内に高圧で押し込む。実際の型締力は、ステップS906の処理中にセンサ68によって測定される。成形中には、金型100Aの温度が徐々に上昇するため、金型100Aは熱膨張する。初期の型締力と一定時間が経過後の型締力との間に差が生じる場合がある。したがって、センサ68による測定結果に基づいて、次の型締めのときの型締力を補正することが可能となる。
型締力の調整は、モータ67を駆動して、タイバー64に対する可動プラテン63の位置を調整することにより行われる。これにより、センサ68の測定結果に基づいて、タイバー64に対する可動プラテン63の位置の初期値を補正して型締力を調整することにより、型締力の精度を高めることを可能にする。なお、可動プラテン63のタイバー64に対する位置調整は、任意のタイミング(例えば、図のフローチャートにおけるステップS906、ステップS907、ステップS13~S15)で行うことができる。
ステップS907では、型締装置6に関する処理を行う。まず、固定機構610による金型100Aのロッキングを解除する。モータ66を駆動して、トグル機構65を駆動する。これにより、型締力が除去され、可動プラテン62が固定プラテン61に対してわずかに離間し、金型100Aおよび100Bを交互に入れ替えることを可能にする空間が形成される。
ステップS908では、成形動作位置11から搬送装置3Aに金型100Aを搬出または排出する。金型100Aが成形動作位置11から排出された後、金型100Aは、所定の時間、適切な温度まで冷却される。金型は、通常、金型内を流れる流路を含み、温度調節器は、射出成形のために金型が準備されている間、ホースを介して、金型の表面上にて形成された流路の界面に接続される。特定の温度の流体は、金型を特定の温度に保つために、金型内の温度調節器から流れる。冷却工程を含む射出成形工程中には、流体が、通常、金型内部で流動する。
通常、ステップS90後、金型100Aは、金型100A内に射出された溶融樹脂からまだ加熱した状態にある。温度調節器からの流体による冷却工程では、温度は所定の温度、例えば60℃まで降下される。冷却工程は、冷却工程の開始から所定時間が経過するまで継続する。
加熱冷却成形のようなある射出成形工程においては、冷却工程は、金型が射出装置から溶融樹脂を受け取る温度とは異なる所定の温度に金型を冷却するための専用の温度調節器を含む。
ステップS909では、搬送装置3Bから成形動作位置11に金型100Bを搬入する。ステップS10では、モータ66を駆動して、可動プラテン62を固定プラテン61から離間させる。固定金型101は、固定機構610によって固定プラテン61に固定され、可動金型102は、固定機構610によって可動プラテン62に固定される。したがって、可動金型102が固定金型101から離間し、自己閉鎖部103の力に抗して金型100Bが開放される。ステップS11では、取出機7を駆動し、保持部75Bを用いることによって、金型100Bの可動金型102側に残っている成形品Aと一体化した成形品Bを取り出し、射出成形機2の外部に搬送する。
ステップS12では、保持部75Aに保持されている成形品Aを金型B内に配置する。ステップS13では、金型100Bの型締めを行う。ステップS14では、アクチュエータ55を駆動して射出装置5を移動させ、金型100Bへの射出のための準備を行う。これにより、ノズル52が金型100Bに接触する。
ステップS15では、溶融樹脂の射出および保圧を行う。ステップS16では、ステップS907と同様の処理である型締装置6に関する処理を行う。ステップS17では、金型100Bを成形動作位置11から搬送装置3Bに搬出する。
上述したように、本実施形態では、射出成形機2の外部にある搬送装置3Aまたは3B上にて、金型100A/100Bの冷却が行われる。また、一方の金型100Aまたは100Bの冷却中には、他方の金型100Aまたは100Bのために、射出成形機2により、成形品の取り出し→型締め→射出/保圧の各工程が行われる。開放および成形品の取り出しが射出成形機2による行われるため、搬送装置3Aおよび3Bは、開放のための機能および成形品を取り出すための機能を含む必要がない。
したがって、射出成形システム1へのコストアップを回避しつつ、1台の射出成形機2によって複数の金型100Aおよび100Bを交互に入れ替えながら、成形品Aと一体化した成形品Bを製造することが可能である。射出成形システム2は、成形品Aの成形に続いて成形品Bを成形するので、予め大量の成形品Aを製造する必要がない。これにより、成形品Aの過剰在庫を蓄積するリスクを低減することができる。
図8は、別の例示的な実施形態のチャック板の例示的な図である。図8は、軸74dの先端に接続されたチャック板74eを示す。チャック板74eは、一方の面に複数の保持部75Aおよび他方の面に複数の保持部75Bを含む。チャック板74eを軸74dを中心に回転させることで、成形品に対向する保持部を切り替えることができる。回転角度は180度に制限されない。保持部が成形品を適切にキャッチして保持できる角度であれば、どのような角度であってもよい。
成形品を金型100B内に配置する前に十分に冷却する必要がある場合には、金型100Aおよび100Bの交換サイクルが1サイクル以上経過するまで、成形品Aをテーブル上にて冷却することができる。この場合、成形品Aは、冷却に必要なサイクル数よりも長い時間、テーブル上に配置することができる。これにより、1サイクル以上前に成形された成形品Aを、金型100B内に配置するための成形品として使うことを可能にする。
金型100A/100Bにセンサを設置して、成形品Aが金型100B内に配置されたことを検出することができる。センサは、金型100B内に配置してもよいし、射出成形機2内の様々な位置に取り付けてもよい。センサとしては、圧力センサや光学センサを用いることができる。
成形動作位置11の近傍に設置されたカメラにより配置状態の画像を取得することができ、取得した画像に基づいて配置を判定することができる。
取出機7が保持する成形品Aの保持姿勢を調整するためのテーブルを用意することができる。成形品Aの再配置は、テーブル上でも行うことができる。この場合、金型100B内に成形品が配置されるような姿勢に保持を変更するために、テーブルの近傍や取出機7上に設置されたセンサを連結させる構成とすることができる。
成形品Aが不合格である場合には、成形品Aを含む成形品Bは不合格となる。したがって、成形品Aを金型100Bに配置する前に、成形品Aが合格であるかどうかを確認(検査)する必要がある。
確認工程(検査工程)では、例えば、射出成形機2内に位置しているカメラが成形品の外観画像を撮影する。その撮影画像に基づいて、成形品の表面状態や形状を検査する。成形品は、撮像画像に基づいて、成形品の色を確認することもできる。確認工程では、X線などの放射線を用いて成形品の内部構造を撮影する画像撮影装置を用いることができる。また、射出成形機2の外部で成形品Bの確認工程を行う場合には、射出成形機2内にて行われる成形品Aの確認工程のみが外観確認であることがある。
確認工程では、成形品Aが取出機7によって取り出され、1台以上のカメラで、成形品Aが取出機7によって保持されている状態で外観画像を撮像し、撮像画像を解析して、成形品Aが合格であるかどうかを示す結果が出力される。撮影画像は、特化したハードウェアで解析できる。
取出機7により取り出された成形品Aは、射出成形機2の外部の所定位置に配置することができ、成形品Aの確認工程は、射出成形機2の外部で行うことができる。この場合、取出機7は、金型100Aから成形品Aを取り出してから、金型100Bに成形品Aを配置するまでの間の時間、成形品Aを保持し続けない。
成形品が不合格であると判定されたあとは、いくつかの選択枝がある。第1の選択肢では、射出成形機2における成形動作位置11から金型100Aを移動させず、金型100Aを用いた射出成形を再実行する。確認工程を行う前に、金型100Aを予め射出成形機2から移動させていた場合には、金型100Aを再度射出成形機2内へ移動させ、金型100Aを用いた射出成形を再度行う。その後、成形品Aを再度確認する。成形品Aが合格であると判定された場合には、成形品Aを金型100Bに配置する。成形品Aが合格であると判定された場合には、金型100Aを射出成形機2から移動させ、金型100Bを射出成形機2内に移動させる。
第2の選択肢では、予め射出成形機2の外部において別の合格品を用意しておき、用意された成形品Aが取出機7に保持され、不合格品に代えて使用される。この場合、コントローラ4は、成形品Aが不合格であることを示す判定に基づいて、不合格品を取出機7から取り外し、不合格品を廃棄するように取出機7を制御する。準備された成形品Aは、取出機7によって保持されて金型100Bに配置される。成形品Aが合格であると判定された場合には、金型100Aから取出機7によって取り外されたばかりの成形品Aを金型100Bに配置する。
第3の選択肢では、取出機7は、成形品Aを射出成形機2の外部の所定の位置に配置する。この場合、取出機7は、成形品Aを所定の位置に配置した後、合格であると判定された別の成形品Aを保持して金型100Bに配置する。この流れは、成形品Aを確認するために要する時間が比較的に長い場合に有効である。
第2の選択肢では、一部の成形品Aを予め製造しておくことが好ましい。すなわち、金型100Aを成形動作位置11に配置し、合格の成形品Aが所定数、例えば10個生産されるまで射出成形を行う。射出成形機2は、金型100Aのみを用いた射出成形を行うモードで動作する。所定数の合格の成形品Aが製造された場合には、射出成形機2は、射出成形に金型100Aと金型100Bとが交互に使用されるモードに入る。第3のオプションでは、金型100Aのみを用いた射出成形を行うモードを実現することができる。
第1の選択肢において成形品Aが不良品と判定された後の射出成形工程、および予め所定数の成形品Aを生産する射出成形工程においては、成形動作位置11以外の位置で金型100Aを冷却する必要はない。言い換えれば、射出成形機2から金型100Aが搬出された状態において、金型100Aを冷却する必要がない。しかし、金型が搬送装置3A/3B上にて冷却される場合の金型100A/100Bに加わる圧力と、金型が射出成形機2内の成形動作位置11において金型100A/100Bが冷却される場合の金型100A/100Bに加わる圧力との間には差があるため、金型100A/100Bの品質が各ケース毎に異なる可能性がある。
以上の射出成形工程において、金型100Aを成形動作位置11から移動させた状態で、金型100Aを冷却することができる。金型100Aが成形動作位置11にある状態で、金型100Aを冷却することができ、固定プラテン61および可動プラテン62を金型100Aから離間することができる。これにより、金型100Aに加わる圧力は、搬送装置3A上にて金型100Aを冷却する状態と同様の圧力にする。
なお、上述した実施形態では、金型100A/100Bが成形動作位置11にある状態で型締め、射出/保圧、型開き、取り出しが行われるが、これに限定されるものではない。成形動作位置11において全ての工程を行う必要はない。工程の一部は、成形動作位置11とは異なる位置で行うことができる。
上記実施形態では、金型100A/100Bが搬送機3A/3B上にある状態で冷却工程が行われるが、これに限定されるものではない。搬送装置3Aおよび3B上にて冷却工程を行う必要はない。冷却工程は、金型100A/100Bが固定プラテン61および可動プラテン62に接触しない位置で行うことができる。例えば、金型100A/100Bの一部が射出成形機2内にあり、金型の他の一部が射出成形機2外にある状態で冷却工程を行うことができる。搬送装置3Aおよび3Bのいずれかの一部が射出成形機2内に位置する構成を採用する場合、金型100A/100Bの一部が射出成形機2内にあり、金型100A/100Bの他の一部が搬送装置3A/3Bのいずれかにある状態で冷却工程を行うことができる。

定義

明細書を参照する際、開示された実施例を完全に理解するために、具体的な詳細が記載されている。他の例では、本開示を不必要に長くしないように、周知の方法、手順、構成要素および回路は詳細に説明されていない。
要素または部品が本明細書で「オン」、「反対の」、「~に接続される」、または「~と結合している」他の要素または部品として言及される場合、その要素または部品は、他の要素または部品上に直接、反対に、接続または結合され得るか、または介在する要素または部品が存在し得ることが理解されるべきである。対照的に、要素が「~に直接」、「~に直接接続される」、または「~と直接結合する」別の要素またはパーツとして参照される場合、介在する要素またはパーツは存在しません。使用される場合、用語「および/または」は、もし提供されるならば、関連するリストされた項目の一つ以上の任意の、そして全ての組み合わせを含む。
「下」、「下に」、「低い」、「上の」、「アッパー」、「近位」、「遠位」などの空間的に相対的な用語を本明細書で使用して、様々な図に示されるように、1つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を説明することを容易にすることができる。しかしながら、空間的に相対的な用語は、図に示される配向に加えて、使用中または動作中の装置の異なる配向を包含することを意図していることを理解されたい。例えば、図中の装置がひっくり返された場合、「下に」または「~の下に」と記載された要素または特徴は、次に、他の要素または特徴に向けられる「上の」。したがって、「下に」のような相対的空間項は、上下の両方の向きを包含することができる。装置は、他の方法で配向されてもよく(90度回転されてもよく、または他の配向でもよい)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈されるべきである。同様に、適用可能であれば、相対的空間用語「近位」および「遠位」も交換可能であり得る。
本明細書で使用される「約」という用語は、例えば、10%以内、5%以内、またはそれ以下を意味する。いくつかの実施形態では、用語「約」は、測定誤差内を意味してもよい。
第1、第2、第3などの用語は、本明細書において、様々な要素、構成要素、領域、部品および/またはセクションを記述するために使用され得る。これらの要素、構成要素、領域、部品及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素、コンポーネント、リージョン、パーツ、またはセクションを別のリージョン、パーツ、またはセクションと区別するためにのみ使用されていました。したがって、以下に説明する第1の要素、構成要素、領域、部分、またはセクションは、本明細書の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、部分、またはセクションと呼ぶことができる。
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図したものではない。本開示を説明する文脈において(特に以下の請求項の文脈において)用語「a」および「an」および「the」および同様の言及を使用することは、本明細書に別段の指示がない限り、または明らかに文脈と矛盾しない限り、単数形および複数形の両方をカバーすると解釈されるべきである。「含む」、「有する」、「含む」、「含む」、「含む」、および「含む」という用語は、別段の記載がない限り、限定されない用語(つまり、「以下を含むがこれに限定されない」という意味です。)として解釈されるべきである。具体的には、これらの用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/または構成要素の存在を明記するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、および/または明示的に記載されていないそれらのグループの存在または追加を排除しない。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書に別段の指示がない限り、範囲内にある個々の値を個別に参照する簡単な方法として機能することを単に意図しており、個々の値は本明細書に個々に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。例えば、範囲10~15が開示される場合、11、12、13、および14も開示される。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書で提供される任意のおよび全ての例、または例示的な文言(例えば、「など」)の使用は、単に開示をより良く照明することを意図しており、他に請求されない限り、開示の範囲を限定するものではない。明細書のいかなる文言も、クレームされていない要素が開示の実施に不可欠であることを示すものと解釈してはならない。
本開示の方法および組成物は、種々の実施形態の形態に組み込むことができ、そのうちのほんの少数が本明細書に開示されることが理解されよう。これらの実施形態の変形は、前述の説明を読むと、当業者には明らかになるであろう。本発明者らは、当業者がそのような変形例を適宜採用することを期待しており、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で本開示を実施することを意図している。従って、本開示は、適用法により許容されるように、本契約に添付された請求項に記載された主題のすべての修正及び均等物を含む。さらに、上述した要素のあらゆる可能な変形における任意の組み合わせは、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、本開示によって包含される。
上記に開示された任意の例示的な実施形態の組み合わせも、本開示の実施形態として含まれる。上述の例示的な実施形態は例示的な実施形態を議論するが、これらの実施形態は限定的であるとは考えられない。

Claims (19)

  1. 複数の金型を交換しながら、射出成形機により成形品を製造するための方法であって、
    前記方法は、
    前記射出成形機内の第1の金型を開き、前記第1の金型から前記成形品を取り出す第1の取り出し工程と、
    前記第1の取り出し工程で取り出された前記成形品を確認して、前記成形品が合格品であるかどうかを判定する確認工程と、
    前記第1の金型を閉じて、前記第1の金型への射出を行う第1の射出工程と、
    前記第1の取り出し工程で取り出された前記成形品が合格品であると判定された場合、前記第1の射出工程後に前記射出成形機内の前記第1の金型を第2の金型に交換し、前記第2の金型から前記成形品を取り出す第2の取り出し工程と、
    前記第1の取り出し工程で取り出された前記成形品が不合格品であると判定された場合、前記第1の射出工程後に前記第1の金型を前記第2の金型に交換せず、前記第1の金型から前記成形品を取り出す第3の取り出し工程とを備える方法。
  2. 前記第1の金型の形状は、前記第2の金型の形状と異なる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記確認工程は、前記成形品の撮像画像を解析することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記確認工程は、前記第1の金型から前記第2の金型への交換を開始する前に完了する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1の取り出し工程で取り出された前記成形品が合格品であると判定された場合、前記第1の金型から取り出された前記成形品を前記第2の金型のキャビティに配置する配置工程と、
    前記成形品が配置された前記第2の金型を閉じて、前記第2の金型への射出を行う第2の射出工程をさらに備え、
    前記第2の取り出し工程は、前記第2の射出工程の後に実行される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記配置工程は、前記第1の金型から取り出された前記成形品が不合格品であると判定された場合、前記不合格品とは異なる成形品であって、前記第1の金型から取り出され、合格品であると判定された前記成形品が、前記第2の金型内の前記キャビティに配置されることを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 複数の金型を交互に入れ替えながら、射出成形機により成形品を製造するための方法であって、前記方法は、
    前記射出成形機内の第1の金型を開き、前記第1の金型から前記成形品を取り出す第1の取り出し工程と、
    前記第1の取り出し工程で取り出された前記成形品を確認して、前記成形品が合格品であるかどうかを判定する確認工程と、
    前記第1の金型を閉じて、前記第1の金型への射出を行う第1の射出工程と、
    前記射出成形機内の前記第1の金型を第2の金型に交換する第1の交換工程と、
    前記第1の取り出し工程で取り出された前記成形品が合格品である場合に、前記第1の交換工程後に、前記成形品を前記第2の金型から取り出す第2の取り出し工程と、
    前記第1の取り出し工程で取り出された前記成形品が不合格品である場合に、前記第2の金型から前記成形品を取り出すことなく、前記射出成形機内の前記第2の金型を前記第1の金型に交換する第2の交換工程とを備える方法。
  8. 前記第1の金型の形状は、前記第2の金型の形状と異なる、請求項7に記載の方法。
  9. 前記確認工程は、前記成形品の撮像画像を解析することを含む、請求項7に記載の方法。
  10. 前記確認工程は、前記第1の金型から前記第2の金型への交換を開始する前に完了する、請求項7に記載の方法。
  11. 前記第1の取り出し工程で取り出された前記成形品が合格品であると判定された場合に、前記第1の金型から取り出された前記成形品を前記第2の金型のキャビティに配置する配置工程と、
    前記成形品が配置された前記第2の金型を閉じて、前記第2の金型への射出を行う第2の射出工程とをさらに備え、
    前記第2の取り出し工程は、前記第2の射出工程の後に実行される、請求項7に記載の方法。
  12. 前記配置工程は、前記第1の金型から取り出された前記成形品が不合格品であると判定された場合に、前記不合格品とは異なる成形品であって、前記第1の金型から取り出され、合格品であると判定された前記成形品が、前記第2の金型内の前記キャビティに配置されることを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 複数の金型を交互に入れ替えながら、射出成形機により成形品を製造するための方法であって、前記方法は、
    前記複数の金型毎に製造する予定の成形品の数を設定する設定工程と、
    金型を開き、前記金型から前記成形品を取り出す取り出し工程と、
    前記取り出し工程で取り出された前記成形品を確認して、前記成形品が合格品であるかどうかを判定する確認工程と、
    前記確認工程の結果に基づいて、製造された前記成形品の数を更新する更新工程とを備える方法。
  14. 前記複数の金型のそれぞれの形状は、互いに異なる、請求項13に記載の方法。
  15. 前記更新工程は、前記複数の金型のそれぞれについて製造済みの前記成形品の数を更新する、請求項13に記載の方法。
  16. 射出成形機と、
    前記射出成形機の一方側に配置され、金型を搬送するように構成される第1の搬送装置と、
    前記射出成形機の他方側に配置され、金型を搬送するように構成される第2の搬送装置と、
    制御ユニットを含む射出成形システムであって、
    前記射出成形システムに対する改良は、
    前記金型から取り出された成形品を確認して、前記成形品が合格品であるかどうかを判定するように構成される確認ユニットと、
    前記確認ユニットの結果に基づいて、前記成形品の製造残数に関する情報を更新する前記制御ユニットとを含む射出成形システム。
  17. 前記確認ユニットは、撮像を撮影するユニットである、請求項16に記載の射出成形システム。
  18. 前記成形品を前記金型から取り出すように構成される取り出しユニットをさらに備え、前記確認ユニットは、前記取り出しユニットに保持される前記成形品を確認する、請求項16に記載の射出成形システム。
  19. 前記金型から取り出された前記成形品が配置されるテーブルをさらに備え、前記確認ユニットは、前記テーブル上に配置される前記成形品を確認する、請求項16に記載の射出成形システム。
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