JP7313262B2 - 逆浸透膜装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、スケール原因物質の吸着処理装置および逆浸透膜装置に関する。
近年、健全な水循環を実現するための法規制が強化されている。ZLD(Zero Liquid Discharge)は、水質汚染リスクの低減、廃水の再生、および再利用の視点から、工場内で水を再生して利用すると共に、さらに工場から外部に出される排水をゼロにまで低減することで水環境保全を図るコンセプトである。
排水をゼロまで低減するためには、最終的には蒸発法で固形分と脱イオン水に分離する必要がある。蒸発法は、廃水を加熱して水蒸気を発生させて、この水蒸気を冷却して脱イオン水を得ることで、固形分と脱イオン水に分離する方法である。この方法は、2段フラッシュ蒸発法、多段フラッシュ蒸発法等が実用化されており、非常に純度の高い脱イオン水が得られるという利点を有しているが、熱源を必要とするためにエネルギー効率が悪いという欠点がある。そのため、エネルギー消費量低減の観点から、廃水の濃縮度を可能な限り高めることによって、蒸発法で処理する廃水量を極力低減することが求められている。
これらのことから、蒸発法の前段階で、固形分を含有した濃縮廃水と真水を分離するための分離膜として逆浸透(RO:Reverse Osmosis)膜(以下、「RO膜」と称する)が用いられている。RO膜を適用した脱塩・濃縮システムは、RO膜に対し、被処理水を加圧導入し、RO膜を透過した水である脱イオン水と、RO膜を透過せず、濃縮された廃水とを得る基本プロセスから構成されている。
RO膜は、イオン性物質、微粒子、有機物、一部の溶存気体等ほぼ全てに対する除去効果があることや、目詰まりやトラブルが発生しない限り、再生等の不連続の工程を実施しなくてもよい等といった利点を有しているので、広く用いられている。
しかし、RO膜は、シリカ、硬度スケールおよびバイオファウリングによって目詰まりが生じる恐れがある。RO膜に目詰まりが生じると、RO膜を洗浄するために、水処理システム全体を停止する必要があるので、水処理システムの稼働率が低下する。また、想定された濃縮度まで濃縮されていない廃水を蒸発処理することになり、蒸発のために要する熱エネルギーが増加するため、全体的な処理コストの増加も招く。
RO膜を用いて廃水の濃縮率を高める方法として、被処理水中の硬度成分をイオン交換樹脂等の軟水器で除去し、さらに脱炭酸塔で脱炭酸処理した後に、被処理水を高pHにしてRO膜分離する方法が知られている。この方法は、RO膜の詰まり原因の1つである硬度成分を軟水器で除去して、炭酸イオン成分を脱炭酸塔で除去することで硬度スケールを抑制する。また、硬度成分や、炭酸イオン成分を除去した被処理水を、シリカの少なくとも大部分がイオン状で存在するpH(pH≧10)にして、RO膜分離装置を運転することによって、シリカによるRO膜の目詰まりを抑制するものである。また、被処理水を高pHにすることでバイオファウリングを抑制する効果もある。
しかし、被処理水を高pHにしてRO膜運転を行うと、pHが高いほど膜劣化速度が大きく、膜分離性能が経時的に低下する。一方で、pHを下げると、溶解度が低いシリカが析出しやすくなり、シリカスケールによるRO膜の目詰りが生じ、システム稼動率が低減する。
シリカを除去する方法として、シリカ含有水に規定濃度範囲のマグネシウム塩および鉄塩を添加して、シリカを沈殿除去する方法が記載されている。しかし、この方法では、マグネシウム塩を新たに添加する必要があり、薬品コストが高くなる。
以上まとめると、水処理システムでは、廃水の蒸発のために要する熱エネルギーを低減することによってコストダウンを図ることができる。このためには、廃水の濃縮度を高めることが必須であり、通常はRO膜分離が行われる。RO膜分離では、シリカが析出することによって分離膜の目詰まりをもたらし、稼働率を低下させることが問題になる。シリカの析出は、高アルカリ環境下では抑制されるものの、逆に高アルカリ環境下では、膜劣化速度が大きくなり、膜分離性能が低下するので、稼働率を低下させる要因となり得る。
以上のような事情を考慮し、濃縮度の高い廃水を得るために、高アルカリ環境下で運転する必要がなく、高い運転稼働率およびコストダウンを実現する逆浸透膜装置が望まれている。
また、シリカスケールの発生による問題は、逆浸透膜装置に限らず、典型的にはボイラーなどにおいても発生する。このため、被処理水からスケール原因物質、特にシリカを除去する処理装置が望まれている。
特開2000-254690号公報
本発明が解決しようとする課題は、濃縮度の高い廃水を得るために、高アルカリ環境下で運転する必要がなく、高い運転稼働率およびコストダウンを実現する、スケール原因物質の吸着処理装置および逆浸透膜装置を提供することである。
実施形態の逆浸透膜装置は、逆浸透膜を有する逆浸透膜モジュールと、逆浸透膜モジュールの前段に設けられ、被処理水を逆浸透膜モジュールに供給する、シリカ吸着処理装置とを有する。シリカ吸着処理装置は、カラムと、前記カラム内に設けられた、タンニンが固着したセルロース繊維の形態の吸着剤とを有する。
図1は、実施形態に係る逆浸透膜装置のブロック図。 図2は、他の実施形態に係る逆浸透膜装置のブロック図。
実施形態のスケール原因物質の吸着処理装置または逆浸透膜装置において、タンニンが固着した繊維の一例は、タンニン酸および吐酒石で処理した繊維である。また、繊維の例は、セルロースが挙げられ、木綿または紙を含む。
実施形態のスケール原因物質の吸着処理装置または逆浸透膜装置において、タンニンが固着した繊維の他の例は、茶葉を含む。
実施形態の逆浸透膜装置は、逆浸透膜モジュールの前段に、吸着処理装置に加えて、軟水器と、脱炭酸塔とを有していてもよい。また、逆浸透膜モジュールは、低圧逆浸透膜モジュールおよび高圧逆浸透膜モジュールを含んでいてもよいし、低圧逆浸透膜モジュール、高圧逆浸透膜モジュールおよび超高圧逆浸透膜モジュールを含んでいてもよい。
以下、実施形態をより詳細に説明する。
実施形態1
・吸着剤の製造
1A:タンニン固着ガーゼ
第1の処理:繊維として木綿布(ガーゼ)10.6gを、水500mLに漬けた。繊維/水の重量比は約1/50である。この水にタンニン酸15gを溶解し(濃度3%)、70℃で2時間加熱した。この処理後に木綿布を水洗した。
第2の処理:第1の処理後の木綿布を、水500mLに漬けた。この水に吐酒石10gを溶解し(濃度2%)、40℃で20分間加熱した。この処理後に木綿布を水洗した。
こうしてタンニンを固着させた木綿布(ガーゼ)の形態の吸着剤を得た。
1B:タンニン固着脱脂綿
繊維として木綿布(ガーゼ)の代わりに脱脂綿を用いた以外は実施形態1と同様の処理を行って、タンニンを固着させた脱脂綿の形態の吸着剤を得た。
1C:タンニン固着ろ紙
繊維として木綿布(ガーゼ)の代わりにろ紙を用いた以外は実施形態1と同様の処理を行って、タンニンを固着させたろ紙の形態の吸着剤を得た。
1D:柿渋染め布
市販の柿渋染め布を準備し、タンニンの一種である柿渋を固着させた布の形態の吸着剤として用いた。
・吸着実験
下記のような方法で吸着実験を行った。
まず、吸着実験に用いる溶液を調製した。シリカを含む水溶液を調製するために、市販の水ガラス[ケイ酸ナトリウム溶液](関東化学)を準備した。ケイ酸ナトリウムは組成式NaSiOで表される。準備した水ガラスには、SiOとして35-38%、NaOとして17-19%、両者の合計で52-57%のケイ酸ナトリウムが含まれる。被処理水として用いられる水溶液中のケイ酸ナトリウム濃度をたとえば0.1g/L程度に設定する。0.1g/L程度の濃度は、処理することが想定される地下水や河川水中のシリカ濃度に相当する。ケイ酸ナトリウム濃度が0.1g/L程度である被処理水を調製するために、水ガラスの濃度を0.175~0.192g/Lの範囲とすればよい。たとえば、水ガラスの濃度を下記表1に示した0.188g/Lとした場合、水溶液中のケイ酸ナトリウム濃度は0.098~0.107g/Lとなる。他のケイ酸ナトリウム濃度を有する水溶液も上記と同様の計算に基づいて調製した。
具体的に、下記の手法を用いて吸着実験を行った。
下記の吸着実験では、電導度計として、堀場製作所製のもの、または株式会社FUSO製CD-4318SDを用いた。
(X)タンニン固着ガーゼもしくはタンニン固着脱脂綿を漏斗上に充填するか、または1枚もしくは3枚重ねのタンニン固着ろ紙を漏斗上にセットし、ケイ酸ナトリウム水溶液をろ過した。いずれも、ケイ酸ナトリウム水溶液を循環させないワンパスろ過で行った。ろ過前後のケイ酸ナトリウム水溶液の電導度を電導度計によって測定し、ケイ酸ナトリウムの除去率を計算した。下記の表においては、この実験手法を「ろ過」と表示する。
(Y)タンニン固着ガーゼ、タンニン固着脱脂綿またはタンニン固着ろ紙をビーカー内に入れ、ケイ酸ナトリウム水溶液を注いで所定時間撹拌することによってこれらの吸着剤にケイ酸ナトリウムを吸着させた。吸着前後のケイ酸ナトリウム水溶液の電導度を電導度計によって測定し、ケイ酸ナトリウムの除去率を計算した。下記の表においては、この実験手法を「ビーカー内撹拌」と表示する。
下記の表1に、これらの実験の詳細をまとめて示す。表1の実験No.は、吸着剤と吸着方法との組み合わせを表記して1度目の実験に番号1を付し、これらの2条件が同じで他の条件が異なる2つの実験を行った場合には2度目の実験に番号2を付している。
比較対象として、イオン交換樹脂によるシリカの吸着を参照する。特開2002-361247号公報には、「強塩基性アニオン交換樹脂のシリカ吸着量が2.5g-SiO/L-SAよりも多いと再生により強塩基性アニオン交換樹脂に吸着したシリカを十分に除去し得ず、通水を再開した際に処理水中にシリカがリークするようになる。」と記載されている(段落0025)。1Lの強塩基性アニオン交換樹脂の重量は700~800gであることが知られている。
なお、水溶性ポリマーがイオン交換樹脂と同様にスケールの吸着に用いることはできるが、水溶性のため被処理水に容易に溶解してしまうため、被処理水のスケール除去には用いることができない。水溶性ポリマーは、例えばポリビニルピロリドン、エチレングリコール、ポリビニル酢酸ナトリウムなどを挙げることができる。
表1において、たとえば実験No.1CX-2では、3枚重ねのタンニン固着ろ紙に対して、約0.1g/Lの濃度のケイ酸ナトリウム水溶液の投入量を10gとすることで、約1g/Lのケイ酸ナトリウム水溶液となる。このため、2.5g/Lのケイ酸ナトリウムの吸着に必要なろ紙の重量は、2.25gの2.5倍の5.6g程度となり、これはろ紙9枚程度に相当する。
したがって、2.5g/Lのケイ酸ナトリウムの吸着に1Lのアニオン交換樹脂を必要とする先行技術に比べて、本実施形態は5.6g程度のろ紙で済むので、はるかに性能がよい。
なお、タンニン酸の原料である五倍子を用いて、繊維を処理した場合、処理後の繊維を水洗しても、五倍子の成分の流出が途切れることがなかったので、吸着実験を行うことができなかった。
・再現実験
それぞれ、塩酸処理再生後の実験No.1CX-2の3枚重ねタンニン固着ろ紙、および3回以上吸着後の実験No.1AX-1のタンニン固着ガーゼを再び用い、上記と同様な条件でろ過の再現実験を行った。下記の表2に、これらの実験の詳細をまとめて示す。表2の実験No.には、再現実験を表すRを付している。
表2のいずれの吸着実験でも、高い再現性が得られており、吸着剤の寿命が長いことがわかる。
実施形態2
・吸着剤の準備
吸着剤として、2A:紅茶茶殻、および2B:緑茶茶殻を準備した。
ここで、茶殻について説明する。茶殻とは茶を入れた後、つまり水やお湯などの溶媒に浸された後の茶葉のことである。茶を入れた回数が1回以上の茶葉であれば茶殻とする。
今回用いた紅茶茶殻と緑茶茶殻は2回茶を入れた後さらに水で洗浄した茶殻を用いた。
表3に、紅茶および緑茶中のタンニン含有量ならびに紅茶浸出液および緑茶浸出液中のタンニン含有量をまとめて示す。
茶殻中にも、タンニンを含むポリフェノールが残っていることが知られており、また茶殻、つまり葉の成分には繊維のセルロースが含まれているので、茶殻はタンニンが繊維に固着した形態の吸着剤として用いることができる。
・吸着実験
下記のような方法で吸着実験を行った。
まず、実施形態1と同様にして、所望のケイ酸ナトリウム濃度を有する水溶液を調製した。
具体的に、下記の手法を用いて吸着実験を行った。
(X)紅茶茶殻または緑茶茶殻を収容したティーバッグを漏斗上に充填し、ケイ酸ナトリウム水溶液をろ過した。いずれも、ケイ酸ナトリウム水溶液を循環させないワンパスろ過で行った。ろ過前後のケイ酸ナトリウム水溶液の電導度を電導度計によって測定し、ケイ酸ナトリウムの除去率を計算した。下記の表においては、この実験手法を「ろ過」と表示する。
(Y)紅茶茶殻または緑茶茶殻を収容したティーバッグをビーカー内に入れ、ケイ酸ナトリウム水溶液を注いで所定時間撹拌することによってこれらの吸着剤にケイ酸ナトリウムを吸着させた。吸着前後のケイ酸ナトリウム水溶液の電導度を電導度計によって測定し、ケイ酸ナトリウムの除去率を計算した。下記の表においては、この実験手法を「ビーカー内撹拌」と表示する。
下記の表4に、これらの実験の詳細をまとめて示す。表4の実験No.は、吸着剤と吸着方法との組み合わせを表記して1度目の実験に番号1を付している。
・再現実験
1回吸着後の実験No.2AX-1の紅茶茶葉を収容したティーバッグを再び用い、上記と同様な条件でろ過の再現実験を行った。下記の表4に、この実験の詳細をまとめて示す。表4の実験No.には、再現実験を表すRを付している。
表4でも、高い除去率が得られている。
本実施形態では、茶殻を用いたが、茶殻ではない、一度も茶を入れていない茶葉もタンニンが固着した繊維の形態を備えているため、用いることもできる。一度も茶を入れていない茶葉にはカテキンなどの成分が茶殻に比べて多く含まれているため、被処理水の中にそれらが溶け込むことが考えられる。そのため、茶殻を用いるほうが好ましい。
実施形態1や実施形態2で示したように、タンニンが固着した繊維の形態を持つ吸着剤は、スケール原因物質吸着用吸着剤として用いることができる。このようなスケール原因物質吸着用吸着剤は、逆浸透膜装置への適用だけにとどまらない。例えば、地熱発電所の配管等に付着するスケール除去に用いることができる。地熱発電所で用いる熱水には多量にシリカが含まれていることが知られている。そのため、そのままでは配管やタービンにシリカが付着しまう。この付着を防ぐため、地熱発電所が備える装置に適宜スケール原因物質吸着用吸着剤を備えさせることで、地熱発電所の保守作業を簡便にすることができる。またさらに原子力発電所にも用いることができる。原子力発電所に備えられるスケールが発生したり、スケールの除去に用いられる装置、例えば純水製造装置や復水脱塩装置、ろ過脱塩装置などにスケール原因物質吸着用吸着剤を備えさせることで原子力発電所の保守作業を簡便に行うことができる。
実施形態3
図1に、本実施形態に係る逆浸透膜装置1のブロック図を示す。
図1において、被処理水である、シリカなどのスケール原因物質を含む原水(地下水、河川水など)は、軟水器11、吸着処理装置としてのシリカ吸着塔12、脱炭酸塔13、および低圧ポンプ14を経て低圧逆浸透(RO)膜モジュール15に給水される。
軟水器11は、シリカ以外のミネラル分を除くことにより、後段のシリカ除去の負担を減少させる機能を有する。具体的には、軟水器11では、原水中に含まれるカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどのカチオンをイオン交換樹脂によりナトリウムイオンに置き換える。
シリカ吸着塔12は、カラムと、このカラム内に設けられた、タンニンが固着した繊維の形態の吸着剤とを有する。吸着剤はカラム内に充填してもよいし、カラム内に設けられた開口を有する支持部材上に指示してもよい。脱炭酸処理もミネラル分除去に寄与する。
脱炭酸塔13は、空気を吹き込むことによって、水中の二酸化炭素を大気中に放出させる機能を有している。
低圧逆浸透(RO)膜モジュール15で透過されずに溶質が濃縮された濃縮水は、高圧ポンプ16を経て高圧逆浸透(RO)膜モジュール17に給水される。高圧逆浸透(RO)膜モジュール17で透過されずに溶質が濃縮された濃縮水は、蒸発器20に給水され、加熱されて水蒸気を発生させ、この水蒸気を冷却して脱イオン水を得ることにより、固形分と脱イオン水に分離される。
本実施形態の逆浸透膜装置1は、タンニンが固着した繊維の形態の吸着剤を用いた高性能のシリカ吸着塔12を有し、高アルカリ環境下において運転する必要がないので、高い運転稼働率およびコストダウンを実現できる。
実施形態4
図2に、本実施形態に係る逆浸透膜装置2のブロック図を示す。
図2の逆浸透膜装置2は、図1の逆浸透膜装置1と同様に、軟水器11、吸着塔12、脱炭酸塔13、低圧ポンプ14、低圧逆浸透(RO)膜モジュール15、高圧ポンプ16、および高圧逆浸透(RO)膜モジュール17を有する。図1の逆浸透膜装置1と異なるのは、高圧逆浸透(RO)膜モジュール17と蒸発器20との間に、超高圧ポンプ18、および超高圧逆浸透(RO)膜モジュール19を設けていることである。本実施形態の逆浸透膜装置2でも、逆浸透膜装置1と同様の効果を得ることができる。
また、実施形態に係るシリカ吸着塔12は、たとえば原子力発電所の冷却水系や、地熱発電所に適用して、シリカスケールの付着防止に有効に用いることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] カラムと、
前記カラム内に設けられた、タンニンが固着した繊維の形態の吸着剤と
を有する、スケール原因物質の吸着処理装置。
[2] 前記タンニンが固着した繊維は、タンニン酸および吐酒石で処理した繊維である、[1]に記載のスケール原因物質の吸着処理装置。
[3] 前記繊維はセルロース繊維である、[1]又は[2]に記載のスケール原因物質の吸着処理装置。
[4] 前記繊維は木綿である、[1]ないし[3]のいずれか1項に記載のスケール原因物質の吸着処理装置。
[5] 前記繊維は紙である、[1]ないし[3]のいずれか1項に記載のスケール原因物質の吸着処理装置。
[6] 前記タンニンが固着した繊維は、茶葉を含む、[1]に記載のスケール原因物質の吸着処理装置。
[7] 逆浸透膜を有する逆浸透膜モジュールと、
前記逆浸透膜モジュールの前段に設けられ、被処理水を前記逆浸透膜モジュールに供給する[1]ないし[6]のいずれか1項に記載された吸着処理装置と、
を有する、逆浸透膜装置。
[8] 前記逆浸透膜モジュールの前段に、前記吸着処理装置に加えて、軟水器と、脱炭酸塔とを有する、[7]に記載の逆浸透膜装置。
[9] 前記逆浸透膜モジュールは、低圧逆浸透膜モジュールおよび高圧逆浸透膜モジュールを含む、[7]に記載の逆浸透膜装置。
[10] 前記逆浸透膜モジュールは、低圧逆浸透膜モジュール、高圧逆浸透膜モジュールおよび超高圧逆浸透膜モジュールを含む、[7]に記載の逆浸透膜装置。
[11] タンニンが固着した繊維の形態を有するスケール原因物質吸着用吸着剤。
1,2…逆浸透膜装置、11…軟水器、12…シリカ吸着塔、13…脱炭酸塔、14…低圧ポンプ、15…低圧逆浸透(RO)膜モジュール、16…高圧ポンプ、17…高圧逆浸透(RO)膜モジュール、18…超高圧ポンプ、19…超高圧逆浸透(RO)膜モジュール、20…蒸発器。

Claims (8)

  1. 逆浸透膜を有する逆浸透膜モジュールと、
    前記逆浸透膜モジュールの前段に設けられ、被処理水を前記逆浸透膜モジュールに供給する、シリカ吸着処理装置とを有し、
    前記シリカ吸着処理装置は、
    カラムと、
    前記カラム内に設けられた、タンニンが固着したセルロース繊維の形態の吸着剤と
    を有する、
    逆浸透膜装置。
  2. 前記タンニンが固着したセルロース繊維は、タンニン酸および吐酒石で処理したセルロース繊維である、請求項1に記載の逆浸透膜装置
  3. 前記セルロース繊維は木綿である、請求項1又は請求項に記載の逆浸透膜装置
  4. 前記セルロース繊維は紙である、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の逆浸透膜装置
  5. 前記タンニンが固着したセルロース繊維は、茶葉を含む、請求項1に記載の逆浸透膜装置
  6. 前記逆浸透膜モジュールの前段に、前記シリカ吸着処理装置に加えて、軟水器と、脱炭酸塔とを有する、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の逆浸透膜装置。
  7. 前記逆浸透膜モジュールは、低圧逆浸透膜モジュールおよび高圧逆浸透膜モジュールを含む、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の逆浸透膜装置。
  8. 前記逆浸透膜モジュールは、低圧逆浸透膜モジュール、高圧逆浸透膜モジュールおよび超高圧逆浸透膜モジュールを含む、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の逆浸透膜装置。
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