JP7312607B2 - 保護層を有する多孔性低屈折率層を備える光学要素 - Google Patents

保護層を有する多孔性低屈折率層を備える光学要素 Download PDF

Info

Publication number
JP7312607B2
JP7312607B2 JP2019095331A JP2019095331A JP7312607B2 JP 7312607 B2 JP7312607 B2 JP 7312607B2 JP 2019095331 A JP2019095331 A JP 2019095331A JP 2019095331 A JP2019095331 A JP 2019095331A JP 7312607 B2 JP7312607 B2 JP 7312607B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refractive index
low refractive
protective layer
index layer
binder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019095331A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019179245A (ja
Inventor
ディー.コッギオ ウィリアム
シー.クマール ラメシュ
エー.ウィートリィー ジョン
エル.ステイナー マイケル
エフ.エドモンズ ウィリアム
エイチ.リュー ラン
エンカイ ハオ
エフ.カムラス ロバート
ジェイ.ストラディンガー ジョン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Innovative Properties Co
Original Assignee
3M Innovative Properties Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 3M Innovative Properties Co filed Critical 3M Innovative Properties Co
Publication of JP2019179245A publication Critical patent/JP2019179245A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7312607B2 publication Critical patent/JP7312607B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/14Protective coatings, e.g. hard coatings
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/105
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B2207/00Coding scheme for general features or characteristics of optical elements and systems of subclass G02B, but not including elements and systems which would be classified in G02B6/00 and subgroups
    • G02B2207/107Porous materials, e.g. for reducing the refractive index
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/24Structurally defined web or sheet [e.g., overall dimension, etc.]
    • Y10T428/24942Structurally defined web or sheet [e.g., overall dimension, etc.] including components having same physical characteristic in differing degree
    • Y10T428/2495Thickness [relative or absolute]
    • Y10T428/24967Absolute thicknesses specified
    • Y10T428/24975No layer or component greater than 5 mils thick
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/249921Web or sheet containing structurally defined element or component
    • Y10T428/249953Composite having voids in a component [e.g., porous, cellular, etc.]
    • Y10T428/249967Inorganic matrix in void-containing component
    • Y10T428/24997Of metal-containing material

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Description

ナノメートルサイズの孔又は空隙構造を有する物品は、これらのナノ中空組成物によりもたらされる光学的特性、物理的特性、又は機械的特性に基づき、様々な用途で有用である場合がある。例えば、ナノ中空物品は、細孔又はボイドを少なくとも部分的に取り囲むポリマーの固体ネットワーク又はマトリックスを含む。細孔又は空隙は、空気などの気体で満たされていることが多い。ナノ中空物品中の細孔又は空隙の寸法は、一般に、約1ナノメートル~約1000ナノメートルの範囲であることができる、平均有効径を有するものと記述可能である。The International Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC)は、2nm未満の空隙を有するミクロ細孔、2nm~50nmの空隙を有するメソ細孔、及び50nmを超える空隙を有するマクロ細孔の3つの寸法のナノ細孔材料のカテゴリーを定義した。異なるサイズカテゴリのそれぞれは、ナノ中空物品に固有の特性をもたらすことができる。
例えば、重合誘起相分離(PIPS)、熱誘起相分離(TIPS)、溶媒誘起相分離(SIPS)乳化重合、及び起泡剤/発泡剤添加の重合を含む、いくつかの技術を用いて、多孔性又はボイド含有物品が製造された。多くの場合、これらの方法で製造される多孔質又は中空物品は、構成体の形成に用いられる材料、例えば界面活性剤、油、又は化学残留物を除去するための洗浄工程を必要とする。洗浄工程は、形成される細孔又はボイドの寸法範囲及び均一性を制限し得る。こうした技術で使用することができる物質の種類もまた限定される。
本開示は、低屈折率層及びポリマー保護層を含む光学要素に関する。特に、本開示は、低屈折率層と、この光学要素の有効屈折率を10%以上増加させることのないポリマー保護層と、を含む光学要素に関する。
1つの例示の実施形態では、光学物品は、光学要素と、この光学要素上に配設された、1.3以下の有効屈折率を有する低屈折率層と、この低屈折率層上に配設されたポリマー保護層と、を含む。この低屈折率層は、結合剤と、結合剤中に分散された複数の金属酸化物粒子と、複数の相互に接続された空隙とを含む。このポリマー保護層は、この光学物品の有効屈折率を10%超増加させることはない。
別の例示の実施形態では、光学物品は、光学要素と、この光学要素上に配設された、1.3以下の有効屈折率を有する低屈折率層と、この低屈折率層上に配設されたポリマー保護層と、を含む。この低屈折率層は、結合剤と、結合剤中に分散された複数の金属酸化物粒子と、複数の相互に接続された空隙とを含む。このポリマー保護層は、少なくとも50,000g/molの平均分子量を有するポリマーから形成される。
更なる例示の実施形態では、光学物品は、光学要素と、この光学要素上に配設された、1.3以下の有効屈折率を有する低屈折率層と、架橋されたポリマー保護層と、を含む。この低屈折率層は、結合剤と、結合剤中に分散された複数の金属酸化物粒子と、複数の相互に接続された空隙とを含む。
これらの機構及び利点、並びに様々な他の機構及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」を読むことで明らかになるであろう。
以下の本開示の異なる実施形態の詳細な説明を添付図面と併せて考慮することで、本開示のより完全な理解が可能である。
例示の光学物品の概略側面図。
図面の縮尺は必ずしも正確ではない。図面で用いられる同様の番号は同様の構成要素を示すものとする。
以下の説明では、その一部を形成し、かつ例示用で示される添付の図面が参照される。本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が想到され、実施されうる点は理解されるはずである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
他に指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される特徴の大きさ、量、物理特性を表わす数字は全て、どの場合においても用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。それ故に、そうでないことが示されない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲で示される数値パラメータは、当業者が本明細書で開示される教示内容を用いて、目標対象とする所望の特性に応じて、変化し得る近似値である。
本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用するところの単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容によって明らかに示されない限りは複数の指示物を有する実施形態を包含する。本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用するところの「又は」なる用語は、その内容によって明らかに示されない限り、「及び/又は」を含む意味で一般的に用いられる。
これらに限定されるものではないが、「下側」、「上側」、「下」、「下方」、「上方」、及び「~の上」などの空間的に関連した語は、本明細書において用いられる場合、ある要素の別の要素に対する空間的関係を述べるうえで説明を容易にする目的で用いられる。このような空間的に関連した語には、図に示され、本明細書に述べられる特定の向き以外に、使用又は作動中の装置の異なる向きが含まれる。例えば、図に示されるセルが反転又は裏返されるならば、その前には他の要素の下方又は下として述べられた部分は、これらの他の要素の上となるであろう。
本明細書で使用されるとき、ある要素、部材若しくは層が、例えば別の要素、部材若しくは層と「一致する境界面」を形成する、これらの「上にある」、これらと「接続される」、「結合される」、若しくは「接触する」として述べられる場合、その要素、部材若しくは層は、例えば、特定の要素、部材若しくは層の直接上にあるか、これらと直接接続されるか、直接結合されるか、直接接触してよく、又は介在する要素、部材若しくは層が特定の要素、部材若しくは層の上にあるか、これらと接続されるか、結合されるか、若しくは接触しうる。例えば、ある要素、部材又は層が、別の要素の「直接上にある」、別の要素に「直接接続される」、「直接結合する」、又は「直接接触する」で始まる表現で表される場合、介在する要素、部材又は層は存在しない。
本開示は、低屈折率層及びポリマー保護層を含む光学要素に関する。特に、本開示は、低屈折率層と、この光学要素の有効屈折率を10%以上増加させることのないポリマー保護層と、を含む光学要素に関する。このポリマー保護層は、老化時にこの光学要素又はこの低屈折率層の物理的性質を実質的に劣化させない安定な保護層である。このポリマー保護層は、このナノ多孔性低屈折率層の中に実質的に拡散しない。本開示は、ディスプレイ用途に有用であることができる、フィルム構成の集積光学系を記述する。本開示は、低屈折率層を有するフィルム構成体の凝集強度を改善する、保護層を記述する。本開示はそのように限定されるのではないが、以下に示す例の説明により本開示の様々な態様の認識が得られるであろう。
本開示の拡散体コーティング、物品又は構成体の一部の実施形態は、結合剤中に分散された複数の空隙を含む、1つ以上の低屈折率層を含む。この空隙は、屈折率n及び誘電率εを有し、ここで、n =εであり、このバインダーは屈折率n及び誘電率εを有し、ここで、n =εである。一般に、低屈折率層と低屈折率層に入射する光又は低屈折率層中を伝播する光などの光との相互作用は、例えば、フィルム又は層の厚さ、バインダーの屈折率、空隙又は細孔の屈折率、細孔の形状及び寸法、細孔の空間分布、並びに光の波長など多数のフィルム又は層の特性に依存する。一部の実施形態では,低屈折率層上に入射するか低屈折率層内を伝搬する光は、有効誘電率εeff及び有効屈折率neffを「目撃」又は「経験」する。式中、neffは空隙屈折率n、結合剤屈折率n、及び空隙多孔性又は容積分率「f」の形で表現可能である。このような実施形態では、光が単一の又は孤立した空隙の形状及び特徴を分解することができない程、低屈折率層は充分に厚く、及び空隙は充分に小さい。このような実施形態では、少なくとも大多数の空隙、例えば空隙の少なくとも60%、又は70%、又は80%、又は90%の寸法は、約λ/5以下、又は約λ/6以下、又は約λ/8以下、又は約λ/10以下、又は約λ/20以下であり、ここにおいてλは光の波長である。一部の実施形態では、一部の空隙は、その主要な光学的効果が有効屈折率を低下させる程に充分に小さいことができ、一部の他の空隙は、有効屈折率を低減し、光を散乱させることができ、更に一部の他の空隙は、その主要な光学的効果が光を散乱させる程に充分に大きいことができる。
一部の実施形態では、低屈折率層に入射する光は可視光であり、その光の波長が電磁スペクトルの可視域にあることを意味する。これらの実施形態では、可視光は、約380nm~約750nm、又は約400nm~約700nm、又は約420nm~約680nmの範囲の波長を有する。これらの実施形態では、空隙の少なくとも60%、70%、80%、又は90%など、この空隙の少なくとも大多数の空隙の寸法が、約70nm以下、約60nm以下、約50nm以下、約40nm以下、約30nm以下、約20nm以下、又は約10nm以下である場合には、この低屈折率層は、有効屈折率を有し、かつ複数の空隙を含んでいる。
一部の実施形態では、低屈折率層は、低屈折率層が、空隙及び結合剤の屈折率、並びに空隙又は孔の容積分率又は多孔率で表現され得る有効屈折率を有する程に充分に厚い。このような実施形態では、低屈折率層の厚さは、約1マイクロメートル以上、又は約2マイクロメートル以上、又は1~20マイクロメートルの範囲である。
開示された低屈折率層中の空隙が充分に小さく、かつ低屈折率層が充分に厚い場合には、低屈折率層は、εeff
εeff=fε+(1-f)ε (1)と表現可能な有効誘電率εeffを有する。
これらの実施形態では、光学フィルム又は低屈折率層の有効屈折率neffは、
eff =fn +(1-f)n (2)と表現可能である。
細孔及び結合剤の屈折率の間の差が充分に小さい場合などの一部の実施形態では、低屈折率層の有効屈折率は次の式で近似され得る:
eff=fn+(1-f)n (3)
これらの実施形態では、低屈折率層の有効屈折率は、空隙及び結合剤の屈折率の容積加重平均である。外周条件下で、この空隙は空気を含有し、したがってこの空隙に対する屈折率nはほぼ1.00である。例えば、空隙の容積分率が約50%である低屈折率層、及び屈折率が約1.5である結合剤は、約1.25の有効屈折率を有する。
一部の実施形態では、低屈折率層の有効屈折率は、約1.3よりも大きくなく(即ち未満であり)、又は約1.25未満、又は約1.2未満、又は約1.15未満、又は約1.1未満である。一部の実施形態では、屈折率は約1.14~約1.30である。一部の実施形態では、低屈折率層は、結合剤、複数の粒子、及び複数の相互に接続された空隙又は相互に接続された空隙の網目構造を含む。他の実施形態では、低屈折率層は、結合剤、複数の粒子、及び複数の相互に接続された空隙又は相互に接続された空隙の網目構造を含む。
複数の相互に接続された空隙又は相互に接続された空隙の網目構造は、多数の方法で生じる可能性がある。1つの方法では、ヒュームドシリカ酸化物などの高構造化された高表面積のヒュームド金属酸化物の固有の多孔性を結合剤の混合物中で使用して、結合剤、粒子、空隙及び所望によって架橋剤又は他の補助材料を一体化した、複合構造物を形成する。粒子に対する所望の結合剤の比は、相互に接続された空隙化構造の形成に使用される方法の型式に依存する。
結合剤樹脂は多孔性ヒュームドシリカ構造物の形成の必須条件ではないが、典型的には形のポリマー樹脂又は結合剤を金属酸化物網目構造に組み込んで、最終構成体の加工性、コーティング品質、接着性及び耐久性を改善することが望ましい。有用な結合剤樹脂の例は、熱硬化性、熱可塑性、及びUV硬化型ポリマーから誘導されるものである。例としては、ポリビニルアルコール、(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)、セルロースアセテートブチレート(CAB)ポリウレタン(PUR)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、エポキシ、シリコーン及びフルオロポリマーが挙げられる。この結合剤は、水、エチルアセテート、アセトン、2-ブトン等の適切な溶剤に可溶とすることができるか、又は分散液又はエマルションとして使用可能である。この混合物中で有用な一部の市販の結合剤の例は、Kuraray-USA、Wacker Chemical、Dyneon LLC、及びRohm and Haasから入手可能なものである。この結合剤はポリマー系であることができるが、これは、UV、又は熱硬化型又は架橋型の系などの重合性モノマー系としても添加可能である。このような系の例は、UV重合性アクリレート、メタクリレート、多官能性アクリレート、ウレタン-アクリレート、及びこれらの混合物である。一部の典型的な例は、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートである。このような系は、Neo Res(Newark,DE)、Arkema(Philadelphia,PA)、又はSartomer(Exton,PA)などの供給者から容易に入手可能である。電子線(E線)、ガンマ線及び紫外(UV)線などの化学線は、これらの系の重合を開始させるのに有用な方法であり、多数の実施形態はUV活性な系を使用する。他の有用な結合剤系は、また、カチオン重合可能であり、このような系はビニルエーテル及びエポキシドとして入手可能である。
このポリマー結合剤は、また、ポリマー結合剤と化学的に結合して、架橋網目構造を形成することができる架橋剤と共に配合可能である。架橋の形成は多孔性構成体の形成又は低屈折率光学的性質の前提条件ではないが、それは、コーティングの凝集力、基材への接着性又は耐水性、又は耐熱性及び耐溶剤性の改善など他の機能性の理由でしばしば望ましい。架橋剤の具体的なタイプは使用される結合剤に依存する。PVAなどのポリマー結合剤に対する典型的な架橋剤は、ジイソシアネート、TYZOR-LA(商標)(DuPont(Wilmington,DE)から入手可能)などのチタネート、PolyCup 172(Hercules(Wilmington,DE)から入手可能)などのポリ(エピクロロヒドリン)アミド付加物、CX100(Neo-Res(Newark,DE)から入手可能)などの多官能性アジリジン及びホウ酸、ジエポキシド、ジ酸等である。
このポリマー結合剤は、粒子凝集物と共に分離相を形成してもよく、又は凝集物を一緒に結合して、金属酸化物とのイオン結合、双極子結合、ファンデアワールス力、水素結合及び物理的からみ合いなどの直接共有結合形成又は分子的相互作用により、金属酸化物粒子と接続する構造物を形成する方法で、粒子凝集物の間に相互分散してもよい。
代表的な粒子には、例えば、ヒュームドシリカ又はアルミナなどのヒュームド金属酸化物又は火成金属酸化物が挙げられる。一部の実施形態では、高度に分岐した又は構造化された粒子を使用してもよい。このような粒子は、結合剤マトリックス中の効率的な充填を妨げ、及び間入型空隙又は細孔を形成させる。高度に分岐した又は構造化された粒子を含む代表的な材料としては、Cabo-Sil(商標)ヒュームドシリカ又は例えば、商品名EH5、TS 520で販売されているシリカ分散液、又はCabo-Sperse(商標)PG 001、PG 002、PG 022、1020K、4012K、1015(Cabot Corporationから入手可能)として入手可能なものなどの予備分散したヒュームドシリカ粒子が挙げられる。シリカは、アルミナよりも固有の低骨格屈折率を有するので好ましいが、ヒュームドアルニウム酸化物も低屈折率系の形成に有用な構造化された粒子である。アルミナ酸化物の例は、例えば,商品名Carbo-Sperse(商標)PG003又はCabot Spec-Al(商標)で販売されているものなど商品名Cabo-Sperseで入手可能である。一部の実施形態では、これらの代表的なヒュームド金属酸化物の凝集物は、約8nm~約20nmの範囲の複数の一次粒子を含み、及び約80nm~300nm超の範囲の大きさの広い分布の高度に分岐した構造物を形成する。一部の実施形態では、これらの凝集物は、コーティングの単位体積中にランダムに充填して、チャンネル、トンネル、及び細孔の複雑な二連続性網目構造を有するメソ多孔性構造物を形成し、これらが網目構造中に空気を捕捉し、このようにしてコーティングの密度及び屈折率を低下させる。他の有用な多孔性材料は、クレイ、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム等の天然由来の無機材料から誘導される。
ヒュームドシリカ粒子は、また、表面処理剤により処理可能である。この金属酸化物粒子の表面処理は、例えば、このポリマー結合剤中の改善された分散、変成した表面の性質、増強された粒子・結合剤相互作用、及び/又は反応性をもたらすことができる。一部の実施形態では、この表面処理は、この粒子がこの結合剤中で良分散されるほど粒子を安定化して、実質的により均質な組成物を生じる。表面修飾無機粒子の組み込みを調整して、例えば、結合剤への粒子の共有結合を増強して、より高耐久性で、かつより均質のポリマー/粒子網目構造を得ることができる。
好ましいタイプの処理剤は、金属酸化物表面の化学的性質によりある程度は決定される。シリカに対してはシランが好ましく、ケイ酸質充填剤に対しては他のものが好ましい。シランの場合には、結合剤の中への組み込みの前にシランと粒子ジイソシアネート表面とを反応させることが好ましいことがある。表面修飾剤の必要量は、例えば、粒径、粒子タイプ、修飾剤の分子量、及び/又は修飾剤のタイプなどのいくつかの要素に依存する。このジイソシアネートシラン修飾剤は、粒子とジイソシアネート結合剤との間に共有結合を形成する反応性基、例えば、カルボキシ、ジイソシアネートアルコール、ジイソシアネートイソシアネート、ジイソシアネートアクリロキシ、ジイソシアネートエポキシ、ジイソシアネートチオール又はジイソシアネートアミンなどを有することができる。逆に、このシラン修飾剤は、非反応性基、例えば、アルキル、アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ポリエーテル、又はこれらの混合物を有することができる。例えば、耐汚れ性又は静電気の散逸性を改善するために、このような非反応性基がコーティングの表面を修飾してもよい。表面修飾シリカ粒子の市販されている例には、例えば、Cabo-Sil(商標)TS 720及びTS 530が挙げられる。官能性及び非官能性基の混合物を粒子の表面上で組み込んで、これらの所望の特徴の組み合わせを得ることがときには望ましいことがある。
本開示の組成物での使用に好適な表面処理剤の代表的な実施形態としては、例えば、N-(3-トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカーバメート、N-(3-トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカーバメート、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ-t-ブトキシシラン、ビニルトリス-イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、ステアリン酸、ドデカン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(MEEAA)、β-カルボキシエチルアクリレート(BCEA)、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メトキシフェニル酢酸、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
粒子容積濃度(PVC)及び臨界粒子容積濃度(CPVC)を使用して、コーティングの作製で使用される粒子結合剤系の多孔性を特性化することができる。用語PVC及びCPVCは、塗料及び顔料の文献においてよく定義された用語であり、頻繁に参照される物品、及び例えば「Paint Flow and Pigment Dispersion」(Patton,T.C.,2nd Edition,J.Wiley Intersceince,1978,Chapter 5,p.126)及び「Modeling Cluster Voids and Pigment Distribution to Predict Properties and CPVC in Coatings.Part 1:Dry Coating Analysis」並びにSudduth,R.D;「Pigment and Resin Technology,2008」(37(6).p.375)などの技術的なテキストで更に定義されている。
粒子の容積濃度がCPVCよりも大きい場合、コーティングの粒子及び間入型領域の間の全ての間隙を充填するのに充分な結合剤が存在しないので、このコーティングは多孔性である。次いで、このコーティングは、結合剤、粒子、及び空隙の混合物となる。このことが起こる容積濃度は、粒子の大きさ及び粒子構造濡れ及び/又は形状に関連する。CPVC以上の容積濃度を有する配合物は、空気により置換される、樹脂の容積欠陥を混合物中で有する。CPVC、PVC及び多孔性の関係は:
Figure 0007312607000001
CPVCの議論で使用されるとき、用語「顔料」は粒子に等価であり、用語「樹脂」は結合剤に等価である。特定の結合剤・粒子系において、粒子の容積濃度がCPVCとして知られている臨界値を超える場合、この混合物は多孔性となる。このように、コーティングの粒子及び間入型領域の間の全ての間隙を充填するのに充分な結合剤が存在しないので、このコーティングは、本質的に結合剤、粒子、及び空隙の混合物となる。このことが起こる場合、容積濃度は、顔料粒子大きさ分布、濡れ及び粒子構造又は形状の少なくとも1つに関連する。所望の低屈折率の性質を提供する材料は、粒子・結合剤混合物から誘導される高構造化されたサブミクロン細孔を有し、そのCPVC以上で配合される。一部の実施形態では、光学物品は、約60%よりも大きくない(又は未満である)、又は約50%未満、又は約40%未満であるCPVC値を有する。
上述のように、高度に分岐した又は構造化された粒子は、結合剤マトリックス中の効率的な充填を妨げ、間入型空隙又は細孔を形成させる。対照的に、所望のCPVCを割る材料組み合わせは、充分に多孔性でない。BET法(本明細書に述べられる)は、200nm未満の直径、100nm未満の直径、又は更には10nm未満の直径の細孔を分析するために、CPVC、したがって低屈折率材料の多孔性の決定に役立つことがある。本明細書で使用されるとき、用語「BET法」は、Braunauer、Emmett、及びTellerの表面積分析(S.Brunauer,P.H.Emmett and E.Teller,J.Am.Chem.Soc.,1938,60,309を参照のこと)を指す。BET法は、固体物質の細孔の大きさ、表面積、及びパーセント多孔性の定量に使用される、周知の科学的に認証された方法である。BET理論は、固体表面上での気体分子の物理的吸着に関するものであり、固体表面の表面積及び多孔性についての物理的情報を取得するための根拠としての役割をする。BETデータは、多孔性構造を形成するための最低限の要件に合致する材料の特性化を支援することができる。
PVC/CPVCの関係により記述される粒子の容積濃度は、粒子の重量濃度にも関連する。それゆえ、CPVC以上である粒子の重量範囲を確立することが可能である。重量比又は重量パーセントの使用は、所望のCPVC値の混合物を配合するための1つの方法である。本開示の光学的構成体用には、1:1~1:8の結合剤:粒子の重量比が望ましい。1:1の重量比は約50wt%粒子と等価であり、1:8は約89wt%粒子と等価である。代表的な結合剤と金属酸化物粒子の比は、1:2未満(33%未満の結合剤)、1:3未満、1:4未満、1:5未満、1:6未満、1:7未満、1:8未満、1:9未満、及び1:10未満(約8~10%の結合剤)である。結合剤の上限は所望の屈折率により決められることもある。結合剤の下限は、所望の物理的性質、例えば、加工性又は最終的な耐久性により決められることもある。このように、結合剤:粒子比は、所望の最終使用及び所望の光学物品の性質に依存して変わる。
一般に、低屈折率層は、用途において所望であってもよい任意の多孔性、細孔大きさ分布、又は空隙容積分率を有することができる。一部の実施形態では、低屈折率層中の複数の空隙の容積分率は、約20%以上、又は約30%以上、又は約40%以上、又は約50%以上、又は約60%以上、又は約70%以上、又は約80%以上である。
一部の実施形態では、低屈折率層が、高い光学ヘーズ及び/又は拡散反射を有しても、低屈折率層の一部は、一部の低屈折率の性質を表すことができる。例えば、このような実施形態では、低屈折率層の一部は、結合剤の屈折率nよりも小さい屈折率に相当する角度での光学利得を支持することができる。
一部の実施形態では、粒子の一部が反応性基を有し、他の粒子は反応性基を有さない。例えば、一部の実施形態では、約10%の粒子が反応性基を有し、約90%の粒子が反応性基を有さず、又は約15%の粒子が反応性基を有し、約85%の粒子が反応性基を有さず、又は約20%の粒子が反応性基を有し、約80%の粒子が反応性基を有さず、又は約25%の粒子が反応性基を有し、約75%の粒子が反応性基を有さず、又は約30%の粒子が反応性基を有し、約60%の粒子が反応性基を有さず、又は約35%の粒子が反応性基を有し、約65%の粒子が反応性基を有さず、又は約40%の粒子が反応性基を有し、約60%の粒子が反応性基を有さず、又は約45%の粒子が反応性基を有し、約55%の粒子が反応性基を有さず、又は約50%の粒子が反応性基を有し、約50%の粒子が反応性基を有さない。一部の実施形態では、一部の粒子は、同一粒子上の反応性基及び非反応性基の両方によって官能基化されてもよい。
粒子の集合は、大きさ、反応性基及び非反応性基を有する粒子、及び異なるタイプの粒子、例えば、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、シリコーン等などのポリマー粒子を含む有機粒子、又は例えば、シリカ及び酸化ジルコニウムなどのガラス若しくはセラミックスなどの無機粒子の混合物を含んでもよい。
一部の実施形態では、低屈折率層又材料は、約30%超である(BET法により測定して約50m/gの表面積に対応する)BET多孔性、約50%超である(BET法により測定して約65~70m/gの表面積に対応する)多孔性、約60%超である(BET法により測定して約80~90m/gの表面積に対応する)多孔性、及び最も好ましくは約65%~約80%の間の(BET法により測定して約100m/gの若干高い表面積に対応する)多孔性を有する。一部の実施形態では、低屈折率層中の複数の相互に接続された空隙の容積分率は、約20%以上(すなわち約20%超である)、又は約30%超、又は約40%超、又は約50%超、又は約60%超、又は約70%超、又は約90%超である。一般に、表面積が大きい程、パーセント多孔性は大きく、したがって屈折率は低いということを示すことができるが、これらのパラメータの間の関係は複雑である。本開示で示す値は単なる手引きの目的のためであり、これらの性質の間の限定的な相関を例示するようには意図されていない。BET表面積及びパーセント多孔性値は、低屈折率及びコーティングの凝集力などの他の臨界的な性能をバランスさせる必要性により決められる。
本開示の光学構成体は任意の所望の光学ヘーズを有することができる。一部の実施形態では、低屈折率層は、少なくとも約20%(又は約20%超である)、又は約30%超、又は約40%超、又は約50%超、又は約60%超、又は約70%超、又は約80%超、又は約90%超、又は約95%超である光学ヘーズを有する。一部の実施形態では、低屈折率層は低光学ヘーズを有する。例えば、一部の実施形態では、低屈折率層の光学ヘーズは、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約3%未満、約2%未満、約1.5%未満、又は約1%未満である。
一部の実施形態では、光学構成体の各2つの隣接層の隣接する主表面の一部は、互いに物理的に接触している。例えば、光学構成体の各隣接層の隣接する主表面の一部は、互いに物理的に接触している。例えば、2つの隣り合う主表面の少なくとも30%、又は少なくとも40%、又は少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%は、互いに物理的に接触する。
一部の実施形態では、光学構成体中の2つの各隣接層の隣接する主表面(互いに面するか、あるいは互いに隣接する主表面)の一部は、互いに物理的に接触する。例えば、一部の実施形態では、図中にははっきりと示していないが、低屈折率層と光学要素との間に配設された1つ以上の追加の層が存在してもよい。このような実施形態では、光学構成体中の各2つの隣接層の隣接する主表面の実質的な部分は、互いに物理的に接触する。このような実施形態では、光学構成体中の各2つの隣接層の隣接する主表面の少なくとも30%、又は少なくとも40%、又は少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%は、互いに物理的に接触する。
本発明の実施形態の作製に有用な、当業界で公知の多数のコーティング技術が存在する。より汎用の技術は、ナイフバー、スロットダイ、スライド、カーテン、ロール、及びグラビアコーティング技術などの周知のロール・ツー・ロールの自動化法であるが、これらに限定されない。インクジェット、スクリーン、オフセット印刷、ディップ及びスプレーコーティング技術などの非連続的な方法を用いて、これらの溶液を被覆することも可能である。低屈折率の性質の取得には厳密なコーティング技術は重要でないが、一部の技術によって、多層を基材上に同時に被覆することが可能となり、これはコーティング法の経済性を改善することができる。所望する最終用途がどの技術が好ましいかを決める。
図1は例示の光学物品10の概略側面図である。光学物品10は、光学要素20と、この光学要素20上に配設された、1.3以下の有効屈折率を有する低屈折率層30と、この低屈折率層30上に配設されたポリマー保護層40と、を含む。低屈折率層30は、上述されており、かつ結合剤、結合剤中に分散された複数の金属酸化物粒子、及び複数の相互に接続された空隙を含む。ポリマー保護層40は、低屈折率層30上に配設されている。ポリマー保護層40は、光学要素10の有効屈折率を10%超増加させることはない。
ポリマー保護層40及び低屈折率層30は、任意の有用な厚さを有することができる。一部の実施形態では、ポリマー保護層40は、1~20マイクロメートル又は1~15マイクロメートルの範囲の厚さを有し、低屈折率層30は、1~30マイクロメートル又は1~20マイクロメートルの範囲の厚さを有する。多数の実施形態では、低屈折率層30が10~12マイクロメートルよりも厚い場合、保護層厚さは類似またはそれよりも大きい厚さであることができる。
光学物品10は任意の有用なヘーズ値を有することができる。多数の実施形態では、光学物品10は、20%以上、50%以上、70%以上、75%以上、又は90%以上のヘーズ値を有する。一部の実施形態では、第2の低屈折率層(図示せず)は、所望により、光学要素20若しくはポリマー保護層40上に、又は低屈折率層30とポリマー保護層40との間に配設されている。第2の低屈折率層は、1.3以下の有効屈折率を有することができ、低屈折率層30に類似であることができる。
光学要素20は任意の有用な光学要素を有することができる。多数の実施形態では、光学要素20は、偏光フィルム、拡散フィルム、反射型フィルム、位相差フィルム、ライトガイド又は液晶ディスプレイパネルである。一部の実施形態では、光学要素20は可視光に透明な又は透過性の基材である。一部の実施形態では、光学要素20は吸収型偏光板又は反射型偏光板であることができる。反射型偏光板としては、例えば、ファイバー、多層、コレステリック、及びワイヤグリッド反射型偏光板が挙げられる。多層反射型偏光板には、3M Company(St.Paul,MN)から市販されている、輝度増強フィルム(BEF)及びデュアル輝度増強フィルム(DBEF)が挙げられる。一部の実施形態では,光学要素20は、光再帰性フィルムであり、回折性及び/又は屈折性であることができる。一部の実施形態では、光学要素20は、グラフィックフィルム、三酢酸セルロース、又は光学用接着剤であることができる。
一部の実施形態では,ポリマー保護層40は、少なくとも50,000g/molの平均分子量を有するポリマーから形成される。一部の実施形態では、ポリマー保護層40は、少なくとも100,000g/mol、又は少なくとも250,000g/mol、又は少なくとも500,000g/molの平均分子量を有するポリマーから形成される。
一部の実施形態では、ポリマー保護層40は架橋ポリマーから形成される。ポリマー保護層を、触媒又は非触媒の自己反応性官能基、例えば、エポキシ、アジリジン、イソシアネート、N-メタノールアミン基、アザラクトン又はチタネートエステルなどの任意の数の化学反応により架橋することができる。架橋は、エステル、アミド、縮合反応、アルコール脱水、ディールス・アルダー及び酸・塩基反応により行うことができ、又はUV又は熱重合により触媒されることが可能である。架橋反応は、保護層内のみで行うことができるか、又は多孔性低屈折率層との界面でも行うことができる。後者は、ナノ多孔性層と保護層との間の界面凝集強度を増大することができる界面反応の例である。
一部の実施形態では、ポリマー保護層40は、トリメタノールプロパントリアクリレート(SR 351)又はジペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR 499,Sartomer(Exton,PA)から入手可能)などの多官能性モノマーから形成される。
一部の実施形態では、ポリマー保護層40は水性エマルションから形成される。例えば、指定商品名Vinapass(商標)192、Vinapass(商標)400、Vinapass(商標)420(Wacker Chemie,Burghausen,Germanny)で入手可能なエチレンビニルアセテート分散液、NeoCryl XK-98、A614及びNeo Pac R 9699、NeoRes(DSM(Newark,DE)で入手可能な)などのウレタンアクリレート分散液又はRhoplex HA-12及びRhoplex TR 407(Rohm Haas,Philadelphia,PA)などの商品名Rhoplexで入手可能なアクリレート分散液などである。Rhoplex HA-12は自己架橋型の非イオン安定化水性アクリルエマルションである。一部の実施形態では、ポリマー保護層40は、60℃以上のTを有する熱可塑性ポリマーから形成される。
一部の実施形態では、ポリマー保護層40は感圧接着剤である。例えば、積層用PSAとして3M Company(St.Paul,MN)から商品名OCA 8171又は8172で入手可能なものなどである。これらの実施形態の多くで、この感圧接着剤層は、粘着剤を含まないか、又は低分子量材料であることの多い粘着剤を含まない。
一部の実施形態では、ポリマー保護層40は、低屈折率を維持するのみならず、油、水及び指紋耐性コーティングとしても機能することができる有機修飾シリコーンである。加えて、これらの有機修飾シリコーンは、保護コーティングにエラストマー的な性質を付与して、被覆低屈折率フィルムの乾燥又は取扱い時のクラック発生を緩和する。有機修飾シリコーンは、(メタ)アクリレート修飾シリコーン、シリコーン修飾(メタ)アクリレート、シリコーン-ポリウレア、シリコーン-ポリウレタン-ポリウレア及びシリコーンポリアミド、又はシリコーンポリオキサミドを包含する。これらの材料は、水又は水/2-プロパノール分散液から塗布可能である。これらの材料の例は、3M Companyに譲渡された米国特許第5,032,460号、同第5,202,190号、同第5,154,962号で見出される。
一部の実施形態では、ポリマー保護層40は、ポリマー保護層40中に分散されている複数のヘーズ生成粒子を含む。ヘーズ生成粒子は、例えば、ポリスチレン粒子などの任意の有用な粒子であることができる。ヘーズ生成粒子は、0.5~5マイクロメートルなどの任意の有用な直径を有することができるか、又は例えば1マイクロメートル以上の平均の横方向寸法を有する。Soken KSR 3A及びSX 350Hなどの典型的なヘーズ生成粒子は、Soken Chemical and Engineering Co.Ltd(Sayama-Shi,Saitama-Ken,Japan)から入手可能である。
全ての保護コーティングを下記に述べるように作製した。本発明の保護オーバーコートをPET基材S1上に被覆した。低ヘーズの低屈折率コーティング溶液をPETフィルム上に被覆することにより、基材S1を作製した。この溶液を、ポリビニルアルコール(PVA)及びヒュームドシリカ酸化物Cab-O-Sperse(商標)PG022の混合物から作製した。PVA樹脂のPoval(商標)PVA 235は、入手可能な88%加水分解ポリビニルアルコール(Kuraray-USA(Houston,TX)から入手可能)である。典型的な手順では、5000gのCab-O-Sperse(商標)PG 022分散液(20wt%固体)を空気駆動式実験室ミキサー及び加熱マントルを備えた20Lプラスチック容器に添加した。シリカ分散液をしずかに撹拌し、45~50℃まで温めた。分散液がこの温度範囲で平衡となったならば、予め温められた90gの5wt%ホウ酸水溶液(Sigma-Aldrich(Milwaukee,WI)から入手可能、35gのホウ酸又は0.035gのホウ酸/gシリカに相当)をシリカ分散液に添加し、約30分間混合した。この時間の後、100gの低起泡性界面活性剤(水中の10wt% Tergitol(商標)Min-Foam 1X、Dow Chemical(Midland,MI)から入手可能)をシリカ・ホウ酸混合物に添加し、続いて168gのポリビニルアルコール(PVA)を添加した。PVAを2315gの7.2wt%水溶液として添加した。PVAの添加時、この混合物は極めて粘稠となり、追加の4350gの脱イオン(DI)水を添加して、粘度を低下させ、適切な混合を確保した。この混合物を温和な条件下で更に20分間撹拌した。この時間の後、コーティング溶液を空気駆動型攪拌器及び真空系を備えた30L圧力ポット容器に移し、ほぼ600~700mm Hg(80.0~93.3kPa)で30~45分間脱ガスした。この混合物を脱ガスした後、固体をチェックし、混合物が10.2%の固体を含有することを認めた。最終の混合物は、乾燥重量基準で1部PVA樹脂:6部シリカ(1:6 PVA-Si比、14.3重量%PVA)からなるものであった。
コーティング方法:自動ロール式ナイフコーティング法を用いて、上述の低屈折率コーティング溶液を50マイクロメートル(2mil)のDupont-Teijin 689プライマー処理したPETフィルム上に被覆して、低屈折率被覆PET基材S1を作製した。このナイフは41.9cm(16.5in)幅であり、コーティング溶液をペリスタポンプによりコーティングリザーバに供給した。コーティング溶液を脱ガスし、Meisner Filtration Products(Camarillo,CA)から入手可能な親水性濾過媒体の付いた公称20マイクロメートルのフィルターを通した。溶液ゲル化を防止するために、ナイフ及びバックアップロールも38~42℃(100.4~107.6°F)まで加熱しながら、コーティング溶液を温かいうちに溶液バンクに送達した。ナイフコーティング間隙は101.2マイクロメートル(4mil)からの範囲であった。ライン速度は4.57m/分(15fpm)であった。フィルムを、第1の域を46.1℃(115°F)に設定し、第2の域を79.4℃(175°F)に設定した二域対流オーブン中で乾燥した。乾燥したコーティングは、デジタルマイクロメーターで測定して、ほぼ7~8マイクロメートルの厚さであった。屈折率は1.164と測定され、フィルムはそれぞれ92%、4%及び100%の透過率-ヘーズ-透明性(T-H-C)値を有するものであった。
保護オーバーコートの作製方法:下記に述べる小さい実験室規模の手塗りコーティング方法を用いて、保護層をS1の上に被覆した。Elcometer Inc(Rochester Hills,MI)から入手可能な、14×11in.(35.6cm×27.9cm)の水平な真空テーブルモデル4900を使用することにより、基材S1を平坦に保持した。RD Specialties(Webster,NY)から入手可能な巻線コーティングロッド(マイヤーロッド)又はElcometer Inc(Rochester Hills,MI)から入手可能なナイフバーを使用して、コーティング溶液をPET上で均等に拡げた。典型的な手順では、白色紙の標準シート(8.5×11in(21.6×27.9cm))を真空テーブルと光学フィルムとの間に置いて、真空テーブルに関連するコーティング欠陥を防止した。脱ガスした溶液を使用して、空気泡及び表面クラックなどの光学欠陥を回避して、全てのコーティングを作製した。コーティング溶液の5~8mLの試料を、フィルムの頂部近くに置き、及び45又は30マイヤーロッドを用いて、コーティングを作製し、それぞれ114又は76.2μm(4.5又は3.0mil)の公称湿潤時厚さのコーティングを得た。ナイフバーコーターを使用する場合には、50.8~101.6μm(2~4mil)のナイフバー間隙によってそれぞれ25.4~50.8μm(1~2mil)の公称湿潤時厚さのコーティングを得た。湿ったコーティングを室温で約2~3分間風乾し、次いで平らなガラス板に注意深く移し、及び50℃で強制空気オーブン中に入れて、完全に乾燥した。コーティングを適切な大きさのアルミニウムパンにより被覆して、オーブン中の空気の動きによるフィルム上の乾燥パターンを低減した。
屈折率測定:Metricon Corp(Pennington,NJ)から入手可能なMetricon 2010Mプリズムカップラーを用いるプリズム結合法の使用により屈折率(RI)値を求めた。RI(n)を633nmで求めた。TM偏光状態の屈折率を被覆フィルムのPET面から測定することにより、高ヘーズコーティングの屈折率の最善の精密決定を行った。この方法で、プリズム及びコーティングのPET面を結合し、RI測定をn=1.55~1.05の間で走査した。この方法は、結果として2つの臨界角の遷移の検出を生じる;一方はn=~1.495でPET-プリズム界面と付随するものであり、もう一方はPET-低屈折率コーティング界面と付随するものである。Metricon生データを解析して、この第2の臨界角の変曲点の上下の領域の200点の平滑化解析プログラムを使用することにより、この第2の遷移の臨界角を求めた。2つの直線領域を平滑化されたデータから求めた。これらの2つの線の交点は、曲線の変曲点、したがって低屈折率コーティングのRIに対応するものであった。
水ホールドアウト試験:これらの試験では、被覆フィルムの小(ほぼ10cm(4in))切片を、平坦な表面上に置き、約0.5~1mLの脱イオン(DI)水を保護被覆表面上に置いた。この水滴の挙動は、保護オーバーコートの完全性の定性的評価をもたらした。保護層が水に対してバリアを提供するならば、水滴は数珠つなぎとなるか、又は表面を濡らすが、多孔性低屈折率層に浸透しない。多孔性低屈折率層が保護されていないか、又はオーバーコート表面が親水性であれば、この水は表面に浸透する。「不合格」の等級付けは、1分以内に、水が表面の中に吸収されるということを示す。「合格」の等級付けは、この水が1分後に表面に浸透しないということを示す。「合格+」の等級付けは、この水が5分後でも表面に浸透しないということを示す。
熱老化試験:保護オーバーコートの熱安定性を熱老化試験により評価した。これらの試験では、被覆フィルムの小(ほぼ10cm(4in))切片を、標準の実験室オーブン中でアルミニウムパンの上に表中に示した温度及び時間で置いた。フィルムの屈折率値を前述のように求め、実験の表中に示した。
被覆物品光学系:BYK-Gardner Haze Gard Plus(BYK-Gardner USA(Columbia,MD)から入手可能)を用いて、透過率、ヘーズ及び透明性値を求めた。報告値は、被覆フィルムの異なる領域から得られる少なくとも3測定値の平均を表す。透明性値計算は、T1が1.6~2度の間の法線方向からはずれた透過光であり、及びT2が法線方向から0~及び0.7度の間にある透過光である、比(T2-T1)/(T1+T2)を使用する。
被覆物品光学系:BYK-Gardner Haze Gard Plus(BYK-Gardner USA(Columbia,MD)から入手可能)を用いて、透過率、ヘーズ及び透明性値を求めた。報告値は、被覆フィルムの異なる領域から得られる少なくとも3測定値の平均を表す。透明性値計算は、Tが法線方向から1.6~2度の間のはずれた透過光であり、及びTが法線方向から0~及び0.7度の間にある透過光である、比(T-T)/(T+T)を使用する。
保護オーバーコート溶液の作製に使用される材料:(CE-1及びEX-1)エチレンビニルアセテート(Vinnapas(商標)400及びVinnapas(商標)192)をWacker Chemie GmbH)(Burghausen,Germany)から入手した。Vinnapas(商標)400はEVAの非架橋型グレードと説明され、Vinnapas(商標)192はEVAの自己架橋型グレードと説明される。両方の材料は水中の51%固形分の分散液として提供される。
コーティング溶液CE-1の作製:100gのVinnapas(商標)400を800mLプラスチックビーカーの中に秤りこんだ。200gのDI水及び0.5gのTergitol(商標)Min-Foam 1X(Dow Chemical(Midland,MI)から入手可能)の10%溶液を、EVA分散液に添加した。空気駆動型実験室ミキサーを用いて成分を低剪断で約5分間充分に混合した。この混合物を500mL一口丸底フラスコに移し、40℃及び600mm Hg(80.0kPa)真空でロータリーエバポレーター系(Buchi GmbH(Flawil,Switzerland)からRotovaptmとして入手可能)でこの混合物を脱ガスした。このコーティング溶液はほぼ17%固形分を含有することが判明し、これを使用して、保護オーバーコート層CE-1を作製した。ナイフバ-を用いて溶液CE-1を50.8マイクロメートル(2mil)間隙で被覆した。
例EX-1:使用した分散液がVinnapas(商標)192であったことを除いて、CE-1と本質的に同一の方法でEX-1を作製した。
コーティング溶液CE-2の作製:CE-2を、33gのSoken KSR 3A架橋ポリスチレンビーズが混合物に添加されたことを除いて、CE-1と本質的に同一の方法で作製した。(KSR 3AはSoken Chemical and Engineering Co.Ltd.(Sayama-Shi,Saitama-Ken Japan)から入手した。)このビーズの添加は、混合物の固形分及び粘度を増大させた。それゆえ、追加の150gのDI水を混合物に添加した。ビーズが良好に分散されるまで、この混合物を更に撹拌した。最終の混合物をCE-1について述べたように脱ガスした。最終の混合物はほぼ18%固形分であった。CE-2は乾燥固形分基準で40%wtのKSR3Aビーズ及び60wt% Vinnapas(商標)400を含有していた。
例EX-2:使用した分散液がVinnapas(商標)192であったことを除いて、CE-2と本質的に同一の方法でEX-2を作製した。
コーティング溶液CE-1及び2並びにEX1及び2を、上述のように101.2マイクロメートル(4mil)のナイフバ-間隙で基材S1上にオーバーコートして、50.8マイクロメートル(2mil)の近似的湿潤コーティング厚さを得た。屈折率に及ぼす熱老化の影響を表#1に示す。
Figure 0007312607000002
表1中のデータは、自己架橋型EVA 192から誘導される保護層に対する加熱後の屈折率変化が、非架橋型EVA 400に対する屈折率変化よりも少ないということを示す。
コーティング溶液CE-3及びEX-3~5をSigma Aldrich Chemicals(Milwaukee,WI)から入手されるポリメチルメタクリレート樹脂から作製した。PMMAを2-ブタノン中に室温で溶解することにより、PMMAコーティング溶液を10%固形分で作製した。この混合物を標準の実験室振動ミキサー上で16時間ゆっくりと振盪して、ポリマーの完全な溶解を確保した。ポリマーが完全に溶解したならば、コーティング溶液を室温で少なくとも1時間静置して、いかなる溶解空気を全部溶液から逸散させる。試料CE-3を15,000g/mol PMMAを使用して作製した;EX 3を100,000g/mol PMMAから作製した;EX-4を320,000g/mol PMMAから作製した;EX-5を990,000g/mol PMMAから作製した。コーティング層のRIに及ぼす影響を表#2に示す。
Figure 0007312607000003
表2中のデータは、低分子量PMMAが、高分子量保護オーバーコートと比較して細孔に浸透することができるということを示す。
CE-2に使用される作製法と類似の方法で、40wt% Soken KSR 3Aポリスチレン拡散体ビーズを添加して、保護用拡散体溶液EX-6及びEX-7それぞれを作製することにより、EX-3(100,000g/mol PMMA)及びEX-5(990,000g/mol PMMA)に使用されるコーティング溶液を修飾した。これらの例では、使用される溶剤はMEKであり、水の代わりにCE-2に使用した。これらの組成物は、低屈折率多孔性層の光学的な性質を改変するだけでなく、その保護をもたらす、保護用拡散体層を形成する。これらの拡散性保護オーバーコートの光学データを表#3に示す。
Figure 0007312607000004
保護オーバーコートとして有利に使用可能な材料の別のカテゴリーは、有機修飾シリコーンである。この有機修飾シリコーンは、(メタ)アクリレート修飾シリコーン、シリコーン修飾(メタ)アクリレート、シリコーン-ポリウレア、シリコーン-ポリウレタン-ポリウレア及びシリコーンポリアミド又はシリコーンポリオキサミドを含む。次の(メタ)アクリレート修飾シリコーン試料を使用して、本発明で有用な保護オーバーコートを作製した。
EX-8シリコーンアクリレート保護オーバーコート溶液の作製:こはく色のクオート瓶に50gのメチルアクリレート(MA)、20gのメチルメタクリレート(MMA)、5gのメタクリル酸(MAA)、25gのShin-Etsuから入手可能なメルカプト官能性シリコーン(KF-2001)、0.25gのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)開始剤及び150gのメチルエチルケトン(MEK)溶剤を装填した。この溶液を入れた密封した瓶を定温浴中55℃で48時間ころがした。570gのDI H2O及び3.7gの水酸化アンモニウムを添加することにより、得られた39.5%固形分のポリマー溶液を水に反転した。この混合物をテーブルトップ振盪機上に約30分間放置して、均質な分散液を得た。得られた分散液を約45℃で真空ストリッピングにかけて、MEKを除去した。最終の若干ミルクのように見える分散液をH2O中約15%固形分で得た。
65gの溶剤ブレンドを用いて、35gのこの溶液(5.25gの固形分ポリマーを含有する)を100gまで希釈することにより、コーティング溶液EX-8をこのポリマー溶液から作製した。このブレンドは、77wt%の2-プロパノール(IPA)及び13wt%のDI水からなるものであった。これにより、50/50IPA-水溶剤ブレンド中の5%固形分の最終のコーティング溶液EX-8を得た。101.6マイクロメートル(4mil)のバー間隙のナイフバ-を使用して、基材S1をEX8溶液により被覆し、前述のように乾燥した。
EX-9シリコーンアクリレート保護オーバーコート溶液の作製:このポリマーのTgを増大させるためにこのポリマーの組成物がMAを犠牲にして増大させた量のMMAを有することを除いて、このポリマー溶液をEX-8に類似の方法で作製した。こはく色のクオート瓶に18.2gのメチルアクリレート(MA)、45.4gのメチルメタクリレート(MMA)、9.1gのメタクリル酸(MAA)、27.3gのShin-Etsuから入手可能なメルカプト官能性シリコーン(KF-2001)、0.25gのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)開始剤及び150gのメチルエチルケトン(MEK)溶剤を装填した。この溶液を入れた密封した瓶を、定温浴中55℃で48時間ころがした。900gのDI H2O及び6.5gの水酸化アンモニウムを添加することにより、得られた39.2%固形分のポリマー溶液を水に反転した。この混合物をテーブルトップ振盪機上に約30分間放置して、均質な分散液を得た。得られた分散液を約45℃で真空ストリッピングにかけて、MEKを除去した。最終の若干ミルクのように見える分散液をH2O中約10%固形分で得た。50gの溶剤ブレンドを用いて、50gのこの溶液(5gの固形分ポリマーを含有する)を100gまで希釈することにより、コーティング溶液EX-9をこのポリマー溶液から作製した。このブレンドは、77wt%の2-プロパノール(IPA)及び13wt%のDI水からなるものであった。これにより、38/62 IPA-水溶剤ブレンド中の5%固形分の最終のコーティング溶液EX-9を得た。101.6マイクロメートル(4mil)のバー間隙のナイフバ-を使用して、基材S1をEX-9溶液により被覆し、前述のように乾燥した。
Figure 0007312607000005
表#4中のデータは、このシリコーンアクリレートが細孔に浸透せず、屈折率を増大させる保護オーバーコートを形成することができること、及びこのオーバーコートが水ホールドアウト試験により測定して、改善された耐水性を有することを示す。
Ex 10~12:ウレタン及びウレタンアクリレート分散液から作製される保護オーバーコートを、NeoCryl XR-98(EX-10)、NeoCryl 614(EX-11)、NeoPac R-9699(EX-12)から作製した。この樹脂は、DMS-NeoRes(Wilmington,MA)から~37%水性分散液として入手可能である。この混合物を水により22%wt固形分まで希釈した。この溶液を、#12巻線型ロッド(RD Specialties(Webster,NY)から入手)を用いてS1上に被覆して、コーティング溶液のほぼ1.2mil(0.0305mm)の湿潤層を形成した。次いで、このコーティングをオーブン中65℃で2分間乾燥した。このフィルムの屈折率を測定した。結果を表#5に要約する。RIは屈折率を指し、T-H-Cはそれぞれ透過率、ヘーズ及び透明性を指す。
Figure 0007312607000006
表#5中のデータは、この自己架橋型ウレタンアクリレートが細孔に浸透せず、屈折率を増大させる保護オーバーコートを形成することができること、及びこのオーバーコートが水ホールドアウト試験により測定して、改善された耐水性を有することを示す。
このように、保護された低屈折率光学要素の実施形態が開示される。上記の実施及び他の実施は以下の請求項の範囲内である。本開示を、開示されたもの以外の実施形態によって実施することが可能な点は当業者には認識されるであろう。開示された実施形態は、説明を目的として提示されるものであって、限定を目的として提示されるものではなく、本開示は以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
本発明は以下の態様を含む。
[1]
光学物品であって、
光学要素と、
前記光学要素上に配設された、1.3以下の有効屈折率を有する低屈折率層であって、該低屈折率層は、結合剤と、該結合剤中に分散された複数の金属酸化物粒子と、複数の相互に接続された空隙とを含む、低屈折率層と、
前記低屈折率層上に配設されたポリマー保護層と、を含み、前記ポリマー保護層が前記光学物品の有効屈折率を10%超増加させることのない、光学物品。
[2]
前記ポリマー保護層が、有機修飾シリコーン又は熱可塑性シリコーンアクリレートコポリマーから形成される、[1]に記載の光学物品。
[3]
前記ポリマー保護層が、少なくとも50,000g/molの平均分子量を有するポリマーから形成される、[1]又は[2]に記載の光学物品。
[4]
前記ポリマー保護層が架橋ポリマーを含む、[1]~[3]に記載の光学物品。
[5]
前記ポリマー保護層が水性エマルションから形成される、[4]に記載の光学物品。
[6]
前記ポリマー保護層が60℃以上のT を有する熱可塑性ポリマーを含む、[1]~[3]に記載の光学物品。
[7]
前記ポリマー保護層が感圧接着剤である、[1]~[6]に記載の光学物品。
[8]
前記ポリマー保護層が、前記保護層中に分散された複数のヘーズ生成粒子を含む、[1]~[7]に記載の光学物品。
[9]
前記ヘーズ生成粒子が1マイクロメートル以上の平均の横方向寸法を有する、[8]に記載の光学物品。
[10]
前記金属酸化物粒子がヒュームドシリカを含む、[1]~[9]に記載の光学物品。
[11]
前記低屈折率層が1~20マイクロメートルの範囲の厚さを有し、前記ポリマー保護層が1~15マイクロメートルの範囲の厚さを有する、[1]~[10]に記載の光学物品。
[12]
前記結合剤と前記複数の金属酸化物粒子の重量比が1:2以下である、[1]~[11]に記載の光学物品。
[13]
前記光学物品が少なくとも75%のヘーズ値を有する、[1]~[12]に記載の光学物品。
[14]
前記光学物品が10%未満のヘーズ値を有する、[1]~[12]に記載の光学物品。
[15]
前記光学要素が、偏光フィルム、拡散型フィルム、反射型フィルム、位相差フィルム、ライトガイド又は液晶ディスプレイパネルである、[1]~[14]に記載の光学物品。
[16]
前記光学要素若しくはポリマー保護層上又は前記低屈折率層と前記ポリマー保護層との間に配設された第2の低屈折率層を更に含む、[1]~[15]に記載の光学物品。
[17]
光学物品であって、
光学要素と、
前記光学要素上に配設された、1.3以下の有効屈折率を有する低屈折率層であって、該低屈折率層は、結合剤と、該結合剤中に分散された複数の金属酸化物粒子と、複数の相互に接続された空隙とを含む、低屈折率層と、
前記低屈折率層上に配設されたポリマー保護層であって、少なくとも50,000g/molの平均分子量を有するポリマーから形成された、ポリマー保護層と、を含む、光学物品。
[18]
前記ポリマー保護層が架橋ポリマーを含む、[17]に記載の光学物品。
[19]
前記ポリマー保護層が、少なくとも100,000g/molの平均分子量を有するポリマーを含む、[17]又は[18]に記載の光学物品。
[20]
前記ポリマー保護層が、少なくとも250,000g/molの平均分子量を有するポリマーを含む、[17]~[19]に記載の光学物品。
[21]
前記ポリマー保護層が、少なくとも500,000g/molの平均分子量を有するポリマーを含む、[17]~[20]に記載の光学物品。
[22]
前記ポリマー保護層が、前記保護層中に分散された複数のヘーズ生成粒子を含む、[17]~[21]に記載の光学物品。
[23]
前記ヘーズ生成粒子が1マイクロメートル以上の平均の横方向寸法を有する、[22]に記載の光学物品。
[24]
前記低屈折率層が1~20マイクロメートルの範囲の厚さを有し、前記ポリマー保護層が1~15マイクロメートルの範囲の厚さを有する、[17]~[23]に記載の光学物品。
[25]
前記結合剤と前記複数の金属酸化物粒子の重量比が1:1以下である、[17]~[24]に記載の光学物品。
[26]
前記光学物品が少なくとも75%のヘーズ値を有する、[17]~[25]に記載の光学物品。
[27]
前記光学要素が、偏光フィルム、拡散型フィルム、反射型フィルム、位相差フィルム、ライトガイド又は液晶ディスプレイパネルである、[17]~[26]に記載の光学物品。
[28]
光学物品であって、
光学要素と、
前記光学要素上に配設された、1.3以下の有効屈折率を有する低屈折率層であって、該低屈折率層は、結合剤と、該結合剤中に分散された複数の金属酸化物粒子と、複数の相互に接続された空隙とを含む、低屈折率層と、
前記低屈折率層上に配設されたポリマー保護層であって、架橋ポリマーを含む、ポリマー保護層と、を含む、光学物品。
[29]
前記低屈折率層が1~20マイクロメートルの範囲の厚さを有し、前記ポリマー保護層が1~15マイクロメートルの範囲の厚さを有する、[28]に記載の光学物品。
[30]
前記結合剤と前記複数の金属酸化物粒子の重量比が1:2以下である、[28]又は[29]に記載の光学物品。
[31]
前記光学物品が少なくとも75%のヘーズ値を有する、[28]~[30]に記載の光学物品。
[32]
前記光学要素が、偏光フィルム、拡散型フィルム、反射型フィルム、位相差フィルム、ライトガイド又は液晶ディスプレイパネルである、[28]~[31]に記載の光学物品。
[33]
前記ポリマー保護層が水性エマルションから形成される、[28]~[32]に記載の光学物品。
[34]
前記ポリマー保護層が前記光学物品の有効屈折率を10%超増加させることのない、[28]~[33]に記載の光学物品。

Claims (5)

  1. 光学物品であって、
    光学要素と、
    前記光学要素上に配設された、1.3未満の有効屈折率を有する低屈折率層であって、該低屈折率層は、結合剤と、該結合剤中に分散された複数のヒュームドシリカ及び/又はヒュームドアルミナの粒子と、複数の相互に接続された空隙とを含む、低屈折率層と、
    前記低屈折率層上に配設されたポリマー保護層であって、少なくとも50,000g/molの平均分子量を有する有機修飾シリコーン又は熱可塑性シリコーンアクリレートコポリマーから形成された、ポリマー保護層と、を含み、
    前記空隙の容積分率が50%より大き
    前記低屈折率層が1~30マイクロメートルの範囲の厚さを有する、光学物品。
  2. 前記ポリマー保護層が架橋ポリマーを含む、請求項1に記載の光学物品。
  3. 前記ポリマー保護層が、(メタ)アクリレート修飾シリコーン、シリコーン修飾(メタ)アクリレート、シリコーン-ポリウレア、シリコーン-ポリウレタン-ポリウレア及びシリコーンポリアミド、及びシリコーンポリオキサミドからなる群より選択される有機修飾シリコーンを含むポリマー、又は、熱可塑性シリコーンアクリレートコポリマーから形成される、請求項1または2に記載の光学物品。
  4. 前記ポリマー保護層が、少なくとも100,000g/molの平均分子量を有するポリマーを含む、請求項1から3のいずれかに記載の光学物品。
  5. 前記低屈折率層が1~20マイクロメートルの範囲の厚さを有し、前記ポリマー保護層が1~15マイクロメートルの範囲の厚さを有する、請求項1~4のいずれかに記載の光学物品。
JP2019095331A 2010-10-20 2019-05-21 保護層を有する多孔性低屈折率層を備える光学要素 Active JP7312607B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US40501510P 2010-10-20 2010-10-20
US61/405,015 2010-10-20
JP2017195026A JP2018032037A (ja) 2010-10-20 2017-10-05 保護層を有する多孔性低屈折率層を備える光学要素

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017195026A Division JP2018032037A (ja) 2010-10-20 2017-10-05 保護層を有する多孔性低屈折率層を備える光学要素

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019179245A JP2019179245A (ja) 2019-10-17
JP7312607B2 true JP7312607B2 (ja) 2023-07-21

Family

ID=44906421

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013535071A Pending JP2014500520A (ja) 2010-10-20 2011-10-20 保護層を有する多孔性低屈折率層を備える光学要素
JP2017195026A Pending JP2018032037A (ja) 2010-10-20 2017-10-05 保護層を有する多孔性低屈折率層を備える光学要素
JP2019095331A Active JP7312607B2 (ja) 2010-10-20 2019-05-21 保護層を有する多孔性低屈折率層を備える光学要素

Family Applications Before (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013535071A Pending JP2014500520A (ja) 2010-10-20 2011-10-20 保護層を有する多孔性低屈折率層を備える光学要素
JP2017195026A Pending JP2018032037A (ja) 2010-10-20 2017-10-05 保護層を有する多孔性低屈折率層を備える光学要素

Country Status (8)

Country Link
US (1) US10502869B2 (ja)
EP (1) EP2630524B1 (ja)
JP (3) JP2014500520A (ja)
KR (1) KR20130129942A (ja)
CN (1) CN103168257B (ja)
SG (1) SG189428A1 (ja)
TW (1) TWI534458B (ja)
WO (1) WO2012054680A1 (ja)

Families Citing this family (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101851420B1 (ko) * 2010-10-20 2018-04-23 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 광학 확산 저굴절률 요소
KR20180100721A (ko) 2010-10-20 2018-09-11 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 상호연결된 공극을 갖는 저굴절률 확산 요소
TWI611933B (zh) * 2011-09-15 2018-01-21 Nitto Denko Corp 具有接著劑層之影像顯示裝置用單元及使用該單元的影像顯示裝置
US9505028B2 (en) 2012-03-30 2016-11-29 3M Innovative Properties Company Protective coating for low index material
JP6080386B2 (ja) * 2012-05-23 2017-02-15 キヤノン株式会社 光学部材、撮像装置及び光学部材の製造方法
JP5907839B2 (ja) * 2012-08-30 2016-04-26 旭化成ケミカルズ株式会社 積層体、偏光板、光学材料、表示装置及びタッチパネル
CN105163937B (zh) * 2013-04-11 2017-03-08 日本电石工业株式会社 层叠片
KR20150037541A (ko) 2013-09-30 2015-04-08 주식회사 엘지화학 내용제성이 우수한 광학 필름 및 이를 포함하는 편광판
US20160290599A1 (en) 2013-12-23 2016-10-06 3M Innovative Properties Company Luminaire with semi-specular reflector
KR102188211B1 (ko) * 2014-05-15 2020-12-08 미쓰비시 마테리알 가부시키가이샤 저굴절률막 형성용 조성물 및 그 제조 방법 그리고 저굴절률막의 형성 방법
US10723894B2 (en) 2014-12-23 2020-07-28 3M Innovative Properties Company Tie layers prepared from particle-containing waterborne suspensions
JP6599699B2 (ja) 2014-12-26 2019-10-30 日東電工株式会社 触媒作用を介して結合した空隙構造フィルムおよびその製造方法
JP6604781B2 (ja) 2014-12-26 2019-11-13 日東電工株式会社 積層フィルムロールおよびその製造方法
KR102383879B1 (ko) * 2015-05-14 2022-04-08 삼성전자주식회사 디스플레이 장치 및 그를 구비하는 전자 장치
WO2017022690A1 (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 日東電工株式会社 光学積層体、光学積層体の製造方法、光学部材、画像表示装置
JP6713871B2 (ja) 2015-07-31 2020-06-24 日東電工株式会社 光学積層体、光学積層体の製造方法、光学部材、画像表示装置、光学部材の製造方法および画像表示装置の製造方法
JP6713872B2 (ja) 2015-07-31 2020-06-24 日東電工株式会社 積層フィルム、積層フィルムの製造方法、光学部材、画像表示装置、光学部材の製造方法および画像表示装置の製造方法
US20170043374A1 (en) * 2015-08-11 2017-02-16 GE Lighting Solutions, LLC Double layer coating for lighting fixture
JP6892744B2 (ja) 2015-08-24 2021-06-23 日東電工株式会社 積層光学フィルム、積層光学フィルムの製造方法、光学部材、および画像表示装置
JP7152130B2 (ja) 2015-09-07 2022-10-12 日東電工株式会社 低屈折率層、積層フィルム、低屈折率層の製造方法、積層フィルムの製造方法、光学部材および画像表示装置
WO2017117093A1 (en) 2015-12-30 2017-07-06 3M Innovative Properties Company Processing tape for optical articles
WO2017139611A1 (en) 2016-02-10 2017-08-17 3M Innovative Properties Company Unitary optical film assembly
WO2017177060A1 (en) * 2016-04-06 2017-10-12 GE Lighting Solutions, LLC Light diffusion coating for envelopes for lamps
CN105974664B (zh) * 2016-06-21 2019-12-31 青岛海信电器股份有限公司 背光模组、显示装置及背光模组的制作方法
WO2018080830A1 (en) 2016-10-28 2018-05-03 3M Innovative Properties Company Nanostructured article
JP6606518B2 (ja) 2017-01-31 2019-11-13 日東電工株式会社 導光板方式液晶ディスプレイ用光学シート、導光板方式液晶ディスプレイ用バックライトユニット、および導光板方式液晶ディスプレイ
CN110582863B (zh) * 2017-05-05 2022-07-05 3M创新有限公司 包括聚合物膜的显示设备
US9960389B1 (en) 2017-05-05 2018-05-01 3M Innovative Properties Company Polymeric films and display devices containing such films
JP6580101B2 (ja) * 2017-09-29 2019-09-25 日東電工株式会社 空隙層、積層体、空隙層の製造方法、光学部材および光学装置
CN111656087A (zh) * 2018-02-02 2020-09-11 日东电工株式会社 Led背光源用膜、led背光源
KR102614932B1 (ko) * 2018-06-08 2023-12-18 삼성디스플레이 주식회사 광학 부재 및 이를 포함하는 표시 장치
CN109490179B (zh) * 2018-09-28 2021-02-02 兰州空间技术物理研究所 一种薄膜热控涂层近紫外辐射下性能退化预测方法
US11107972B2 (en) 2018-12-11 2021-08-31 Facebook Technologies, Llc Nanovoided tunable optics
EP3950313A4 (en) * 2019-03-29 2022-04-27 Lg Chem, Ltd. OPTICAL LAMINATE
US20240053522A1 (en) * 2020-12-07 2024-02-15 3M Innovative Properties Company Optical film, optical construction, and display system
WO2022200904A1 (en) * 2021-03-26 2022-09-29 3M Innovative Properties Company Optical film and optical system

Family Cites Families (48)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1275208C (en) 1985-01-25 1990-10-16 Roger W. Lange Silica coating
US5204219A (en) 1987-07-30 1993-04-20 Minnesota Mining And Manufacturing Company Photographic element with novel subbing layer
US5154962A (en) 1988-11-30 1992-10-13 Minnesota Mining And Manufacturing Company Indicia-receptive low adhesion backsize
CA2002449C (en) 1988-12-05 2001-05-08 Mark A. Strobel Pressure-sensitive article with priming layer
US5032460A (en) 1989-08-14 1991-07-16 Minnesota Mining And Manufacturing Company Method of making vinyl-silicone copolymers using mercapto functional silicone chain-transfer agents and release coatings made therewith
US5202190A (en) 1989-08-14 1993-04-13 Minnesota Mining And Manufacturing Company Method of making vinyl-silicone copolymers using mercapto functional silicone chain-transfer agents and release coatings made therewith
DE69215781T2 (de) 1991-07-26 1997-04-03 Asahi Glass Co Ltd Aufnahmestreifen für Tintenstrahldrucker
DE19715906C2 (de) * 1996-04-17 1999-03-11 Nippon Telegraph & Telephone Wasserabweisende Beschichtungszusammensetzung und Beschichtungsfilm sowie wasserabweisende beschichtete Gegenstände
US5919555A (en) 1996-11-06 1999-07-06 Fuji Photo Film Co., Ltd. Anti-reflection film and display device having the same
US5945209A (en) * 1996-11-07 1999-08-31 Fuji Photo Film Co., Ltd. Anti-reflection film and plasma display panel
US6156651A (en) 1996-12-13 2000-12-05 Texas Instruments Incorporated Metallization method for porous dielectrics
US6210858B1 (en) 1997-04-04 2001-04-03 Fuji Photo Film Co., Ltd. Anti-reflection film and display device using the same
JP3967822B2 (ja) * 1997-04-04 2007-08-29 富士フイルム株式会社 反射防止膜およびそれを用いた画像表示装置
JPH11281802A (ja) * 1998-03-31 1999-10-15 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜、反射防止部材及び反射防止部材の製造方法
DE69938086T2 (de) * 1998-06-05 2009-01-29 Fujifilm Corporation Antireflektionsschicht und Anzeigegerät mit dieser Schicht
JP3926946B2 (ja) * 1998-06-05 2007-06-06 富士フイルム株式会社 反射防止膜および画像表示装置
US6096469A (en) 1999-05-18 2000-08-01 3M Innovative Properties Company Ink receptor media suitable for inkjet printing
JP4074732B2 (ja) 1999-09-28 2008-04-09 富士フイルム株式会社 反射防止膜および画像表示装置
US6596375B2 (en) 2000-03-23 2003-07-22 Tomoegawa Paper Co. Optical sheet and production process thereof
JP3509703B2 (ja) * 2000-06-09 2004-03-22 株式会社巴川製紙所 光学シートおよびその製造方法
US7311961B2 (en) 2000-10-24 2007-12-25 Ppg Industries Ohio, Inc. Method of making coated articles and coated articles made thereby
KR100671990B1 (ko) * 2001-10-25 2007-01-24 마츠시다 덴코 가부시키가이샤 복합박막 보유기판, 투명도전성막 보유기판 및 면발광체
JP4107050B2 (ja) * 2001-10-25 2008-06-25 松下電工株式会社 コーティング材組成物及びそれにより形成された被膜を有する物品
KR20070011650A (ko) * 2001-10-25 2007-01-24 마츠시다 덴코 가부시키가이샤 코팅재 조성물 및 그것에 의해 형성된 피막을 가지는 물품
JP4044386B2 (ja) * 2002-07-31 2008-02-06 Tdk株式会社 反射防止フィルム及び反射防止処理された物体
CN1754108A (zh) * 2003-02-06 2006-03-29 Sdc技术-亚洲株式会社 制造已经受低反射处理的制品的方法,形成低反射层的溶液和经受低反射处理的制品
TWI238894B (en) * 2003-02-21 2005-09-01 Asahi Kasei Corp Laminate containing silica and application composition for forming porous silica layer
JP2005227606A (ja) * 2004-02-13 2005-08-25 Jsr Corp 位相差フィルム、偏光板、およびこれらを使用した液晶表示素子
JP2005352121A (ja) * 2004-06-10 2005-12-22 Asahi Kasei Corp 反射防止膜
GB0415211D0 (en) 2004-07-07 2004-08-11 Eastman Kodak Co Ink-jet receiver having improved crack resistance
JP4539322B2 (ja) 2004-12-20 2010-09-08 セイコーエプソン株式会社 画像形成装置および該装置における位相調整方法
JP4747653B2 (ja) 2005-04-18 2011-08-17 日立化成工業株式会社 低屈折率薄膜及びその製造方法
DE102005031703B3 (de) * 2005-07-05 2007-01-11 Gkss-Forschungszentrum Geesthacht Gmbh Kompositmembran
JPWO2007037276A1 (ja) * 2005-09-29 2009-04-09 大日本印刷株式会社 反射防止膜
KR100800182B1 (ko) * 2005-11-08 2008-02-01 광 석 서 발수 방오 처리된 대전방지 보호 테이프
JP5098162B2 (ja) * 2005-12-05 2012-12-12 日立化成工業株式会社 粘着組成物層付き液晶ディスプレイ用光学機能フィルム及びそれを含む液晶ディスプレイ
JP2008003243A (ja) * 2006-06-21 2008-01-10 Fujifilm Corp 光学シート、並びに光源装置及び表示装置
WO2008008319A2 (en) 2006-07-10 2008-01-17 President And Fellows Of Harvard College Selective sealing of porous dielectric materials
US20100208349A1 (en) 2006-07-28 2010-08-19 Robert Beer Flexible materials for optical applications
CN101506692B (zh) * 2006-08-18 2011-08-17 大日本印刷株式会社 光学层积体、偏振片和图像显示装置
US8426632B2 (en) 2007-08-31 2013-04-23 The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. Crosslinking agent, crosslinked polymer, and uses thereof
JP2009098654A (ja) * 2007-09-28 2009-05-07 Dainippon Printing Co Ltd 光学積層体、偏光板及び画像表示装置
US20110019277A1 (en) 2007-11-08 2011-01-27 Sager Brian M anti-reflective coating
WO2009071317A1 (de) * 2007-12-05 2009-06-11 Schott Ag Substrat mit einer sol-gel-schicht und verfahren zur herstellung eines verbundmaterials
EP2419767A1 (en) * 2009-04-15 2012-02-22 3M Innovative Properties Company Optical film
CN102458819B (zh) 2009-04-15 2014-09-03 3M创新有限公司 回射光学构造
KR101851420B1 (ko) 2010-10-20 2018-04-23 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 광학 확산 저굴절률 요소
EP2630527A1 (en) 2010-10-20 2013-08-28 3M Innovative Properties Company Wide band semi-specular mirror film incorporating nanovoided polymeric layer

Also Published As

Publication number Publication date
CN103168257A (zh) 2013-06-19
EP2630524A1 (en) 2013-08-28
JP2019179245A (ja) 2019-10-17
US10502869B2 (en) 2019-12-10
SG189428A1 (en) 2013-05-31
CN103168257B (zh) 2017-03-01
TW201232019A (en) 2012-08-01
WO2012054680A1 (en) 2012-04-26
TWI534458B (zh) 2016-05-21
KR20130129942A (ko) 2013-11-29
JP2018032037A (ja) 2018-03-01
EP2630524B1 (en) 2021-02-17
US20130202867A1 (en) 2013-08-08
JP2014500520A (ja) 2014-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7312607B2 (ja) 保護層を有する多孔性低屈折率層を備える光学要素
JP6247534B2 (ja) 光学拡散性低屈折率要素
JP6309764B2 (ja) 相互接続された空隙を有する低屈折率拡散体要素
JP6416078B2 (ja) 低屈折率材料のための保護コーティング

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190521

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190521

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200303

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210507

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220203

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20220203

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20220215

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220222

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20220401

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20220405

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20220906

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20221025

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20221028

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230124

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230314

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20230411

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230421

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7312607

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150