JP7312237B1 - ビールテイスト飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビールテイスト飲料において、刺激感を有し、さらに、爽快な味わいを有するビールテイスト飲料を提供する。【解決手段】リアルエキス濃度が11.8質量% 以下、および、アルコール度数が10.5(v/v)%以上 である、ビールテイスト飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、ビールテイスト飲料に関する。
従来から、最近の消費者の多様化した好みに応じて、様々なビールテイスト飲料が検討され、提供されている。
例えば、特許文献1には、ビールらしい苦味と後キレを有するビールテイスト飲料の提供を目的として、0.3~5ppmのクワシンおよび/または0.5~5ppmのキニーネを含んでなるビールテイスト飲料が記載されている。このような状況において、アルコール度数を高めることによって、より強い刺激感を与えることができる。しかし、アルコール度数を高めると辛口になり、飲みにくい味わいになってしまう傾向がある。
特開2017-6077号公報
ビールテイスト飲料において、刺激感を有し、さらに、爽快な味わいを有するビールテイスト飲料が求められている。
本発明は、リアルエキス濃度が11.8質量%以下、および、アルコール度数が10.5(v/v)%以上である、ビールテイスト飲料を提供する。
すなわち、本発明には、以下の態様の発明が含まれる。
[1]
リアルエキス濃度が11.8質量%以下、および、アルコール度数が10.5(v/v)%以上である、ビールテイスト飲料。
[2]
色度が5.0EBC以上である、[1]に記載のビールテイスト飲料。
[3]
麦芽率が40質量%以上である、[1]または[2]に記載のビールテイスト飲料。
[4]
麦芽率が50質量%以上である、[1]または[2]に記載のビールテイスト飲料。
[5]
ビールテイスト飲料が発酵ビールテイスト飲料である、[1]~[4]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[6]
遊離アミノ態窒素(FAN)の含有量が3mg/100mL以上である、[1]から[5]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[7]
原材料にエタノールまたはエタノール含有組成物が含まれない、[1]~[6]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[8]
下記式(1)を満たす、[1]~[7]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
式(1):Y/X≦0.8
[上記式(1)中、Xは前記ビールテイスト飲料の遊離アミノ態窒素(FAN)の含有量(単位:mg/100mL)を示し、Yは前記ビールテイスト飲料のリアルエキス濃度(単位:質量%)を示す。]
[9]
アルコール度数が10.5(v/v)%以上となるように発酵させる発酵工程を有する、リアルエキス濃度が11.8質量%以下のビールテイスト飲料の製造方法。
[10]
リアルエキス濃度が11.8質量% 以下、および、アルコール度数が10.5(v/v)%以上となるように調整する工程を有する、ビールテイスト飲料の香味改善方法。
本発明の好適な一態様によれば、刺激感を有し、さらに、爽快な味わいを有するビールテイスト飲料を提供する。
1.ビールテイスト飲料
本明細書において、「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつアルコール含有の炭酸飲料をいう。つまり、本明細書のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、ビール風味を有するいずれの炭酸飲料をも包含する。
したがって、「ビールテイスト飲料」には、麦芽、ホップ、および水を原料として、これらを、酵母を用いて発酵させて得られる麦芽発酵飲料であるビールや、発酵ビールテイスト飲料だけでなく、エステルや高級アルコールやラクトンなどを含むビール香料が添加された非発酵ビールテイスト飲料も包含する。ビール香料としては、例えば、酢酸イソアミル、酢酸エチル、n-プロパノール、イソブタノール、アセトアルデヒド、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、イソアミルプロピオネート、リナロール、ゲラニオール、シトラール、4-ビニルグアイアコール(4-VG)、4-メチル-3-ペンテン酸、2-メチル-2-ペンテン酸、1,4-シネオール、1,8-シネオール、2,3-ジエチル-5-メチルピラジン、γ-デカノラクトン、γ-ウンデカラクトン、ヘキサン酸エチル、2-メチル酪酸エチル、n-酪酸エチル、ミルセン、シトラール、リモネン、マルトール、エチルマルトール、フェニル酢酸、フラネオール、フルフラール、メチオナール、3-メチル-2-ブテン-1-チオール、3-メチル-2-ブタンチオール、ダイアセチル、フェルラ酸、ゲラン酸、ゲラニルアセテート、酪酸エチル、オクタン酸、デカン酸、9-デセン酸、ノナン酸、テトラデカン酸、プロパン酸、2-メチルプロパン酸、γ-ブチロラクトン、2-アミノアセトフェノン、3-フェニルプロピオン酸エチル、2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-3(2H)-フラノン、ジメチルスルホン、3-メチルシクロペンタン-1,2-ジオン、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、2-メチルテトラヒドロフラン-3-オン、2-アセチルフラン、2-メチルテトラヒドロフラン-3-オン、ヘキサナール、ヘキサノール、シス-3-ヘキセナール、1-オクテン-3-オール、β-ユーデスモール、4-メルカプト-4-メチルペンタン-2-オン、β-カリオフィレン、β-ミルセン、フルフリルアルコール、2-エチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン、酢酸2-メチルブチル、イソアミルアルコール、5-ヒドロキシメチルフルフラール、フェニルアセトアルデヒド、1-フェニル-3-ブテン-1-オン、トランス-2-ヘキセナール、ノナナール、フェネチルアルコールが挙げられる。
さらに、本発明の一態様の発酵ビールテイスト飲料は、上面発酵酵母(サッカロマイセス等)を用いた発酵工程を経て醸造されたエールビールテイスト飲料であってもよく、下面発酵酵母(サッカロマイセス等)を用いた発酵工程を経て醸造されたラガービールテイスト飲料、ピルスナービールテイスト飲料であってもよい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料は刺激感を付与できるようにアルコール度数は、10.5(v/v)%以上であり、10.6(v/v)%以上、10.8(v/v)%以上、11.0(v/v)%以上、12.0(v/v)%以上、13.0(v/v)%以上、14.0(v/v)%以上、15.0(v/v)%以上、16.0(v/v)%以上、17.0(v/v)%以上、18.0(v/v)%以上、または19.0(v/v)%以上であってもよい。また、ビールテイスト飲料のアルコール度数は、特に制限はないが、好ましくは25.0(v/v)%以下、より好ましくは20.0(v/v)%以下であり、19.0(v/v)%以下、18.5(v/v)%以下、18.0(v/v)%以下、17.5(v/v)%以下、17.0(v/v)%以下、16.5(v/v)%以下、16.0(v/v)%以下、15.5(v/v)%以下、15.0(v/v)%以下、14.5(v/v)%以下、14.0(v/v)%以下、13.5(v/v)%以下、13.0(v/v)%以下、12.5(v/v)%以下、12.0(v/v)%以下、11.5(v/v)%以下、または11.0(v/v)%以下としてもよい。
なお、本明細書において、アルコール度数は、体積/体積基準の百分率((v/v)%)で示されるものとする。また、飲料のアルコール含有量は、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.3アルコール」にしたがって測定することができる。
アルコール度数の調整は、希釈水または炭酸水の添加、原材料(麦芽、コーングリッツ、糖液等)の種類、原材料の量、酵素の種類、酵素の添加量、酵素の添加のタイミング、仕込槽で糖化時間、仕込槽でのタンパク分解時間、仕込槽でのpH、仕込工程(麦芽投入から酵母添加前での麦汁製造工程)でのpH、pH調整の際に使用する酸の添加量、pH調整のタイミング(仕込時、発酵時、発酵完了時、ビール濾過前、ビール濾過後など)、麦汁を調製する際(糖化時含む)の各温度領域の設定温度及び保持時間、発酵前液のオリジナルエキス濃度、発酵工程でのオリジナルエキス濃度、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)、エタノールの添加、エタノール組成物(原料用アルコール、焼酎、泡盛、ウイスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、テキーラ、ジン等のスピリッツ(蒸留酒)、醸造アルコール等)の添加等を適宜設定して行うことができる。
本発明の一態様のビールテイスト飲料は刺激感を付与できるようにアルコール度数は10.5(v/v)%以上であるため、辛口になって飲みにくい味わいになりやすい。そこで、刺激感を有しながら、スッキリした爽快な味わいにするために、本発明のビールテイスト飲料のリアルエキス濃度は11.8質量%以下であり、好ましくは11.6質量%以下、より好ましくは11.4質量%以下、さらに好ましくは11.2質量%以下、特に好ましくは11.0質量%以下であり、また、10.0質量%以下、9.5質量%以下、9.0質量%以下、8.5質量%以下、8.0質量%以下、7.5質量%以下、7.0質量%以下、6.5質量%以下、6.0質量%以下、5.5質量%以下、5.0質量%以下、4.5質量%以下、4.0質量%以下、3.5質量%以下、または3.0質量%以下でもよい。
本明細書において、リアルエキスは真正(性)エキスと同義である。リアルエキスの測定は文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.4.3 アルコライザー法」にしたがって実施する。
リアルエキス濃度の調整は、希釈水または炭酸水の添加、原材料(麦芽、コーングリッツ、糖液等)の種類、麦芽の粉砕粒度、麦芽の粉砕様式(湿式粉砕、乾式粉砕など)、麦芽粉砕時の湿度(調湿の程度)、麦芽粉砕時の温度、麦芽粉砕の際に使用するミルの種類、原材料の量、酵素の種類、酵素の添加量、酵素の添加のタイミング、酵素分解の時間、仕込槽で糖化時間、仕込槽でのタンパク分解時間、仕込槽でのpH、仕込工程(麦芽投入から酵母添加前での麦汁製造工程)でのpH、pH調整の際に使用する酸の添加量、pH調整のタイミング(仕込時、発酵時、発酵完了時、ビール濾過前、ビール濾過後など)、麦汁を調製する際(糖化時含む)の各温度領域の設定温度及び保持時間、麦汁濾過の時間、麦汁濾過時の温度、麦汁濾過時のpH、麦汁濾過での麦汁回収量、麦汁濾過時のスパージング水の量、麦汁濾過時のスパージング水のpH、麦汁濾過時のスパージング水の温度、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)、スピリッツや醸造アルコールなどの添加等を適宜設定して行うことができる。
刺激感を有しながら、スッキリした爽快な味わいを有するビールテイスト飲料とする観点から、本発明の一態様のビールテイスト飲料において、アルコール度数(v/v)%とリアルエキス濃度(質量%)との比[アルコール度数/リアルエキス濃度]は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.8以上、よりさらに好ましくは0.9以上、特に好ましくは1.0以上であり、さらに、1.0超、1.5以上、2.0以上、2.5以上、3.0以上、3.5以上、4.0以上、4.5以上、5.0以上、5.5以上、6.0以上、6.5以上、または7.0以上としてもよく、また、20以下、18以下、16以下、14以下、12以下、または10以下としてもよい。
本明細書において、遊離アミノ酸窒素(FAN)の含有量は、遊離のα-アミノ酸の総量に該当する量である。本発明のビールテイスト飲料におけるFANの含有量は、一定水準以上のビールテイスト飲料らしい味わいのふくらみを呈する観点から、好ましくは3mg/100mL以上、より好ましくは5mg/100mL以上、さらに好ましくは8mg/100mL以上、よりさらに好ましくは12mg/100mL以上、特に好ましくは15mg/100mL以上であり、また、20mg/100mL以上、25mg/100mL以上、30mg/100mL以上、または35mg/100mL以上でもよく、また、150mg/100mL以下、120mg/100mL以下、100mg/100mL以下、90mg/100mL以下、80mg/100mL以下、70mg/100mL以下、60mg/100mL以下としてもよい。
FANの含有量の調整は、希釈水または炭酸水の添加、スピリッツなどの蒸留酒の添加、醸造アルコールなどの醸造酒の添加、原材料(麦芽、コーングリッツ、糖液等)の種類、原材料の量、酵素の種類、酵素(タンパク分解酵素等も含む)の添加量、酵素反応時の温度、酵素の添加のタイミング、仕込槽でのタンパク分解時間、仕込槽でのpH、仕込槽での温度、仕込工程(麦芽投入から酵母添加前までの麦汁製造工程)でのpH、仕込工程での温度、麦汁濾過の時間、麦汁を調製する際の各温度領域の設定温度及び保持時間、煮沸工程での煮沸時間及びpH、発酵前液のオリジナルエキス濃度、発酵工程でのオリジナルエキス濃度、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)等を適宜設定して行うことができる。
本明細書において、FANの含有量は 「BCOJビール分析法」ビール酒造組合、国際技術委員会〔分析委員会〕編 2013年増補改訂(公益財団法人日本醸造協会)の「8.18 遊離アミノ態窒素―ニンヒドリン比色法」に記載の方法で測定される。
ビールテイスト飲料のリアルエキスが低くなるとスッキリした爽快な味わいとなる。また、ビールテイスト飲料のFANの含有量が高くなると麦の味わいが向上し、ビールテイスト飲料らしい味わいのふくらみが向上する。したがって、ビールテイスト飲料のリアルエキス/FANが低くなると、麦の味わいがありながらスッキリした味わいを有する飲料となる。そこで、本発明の一態様のビールテイスト飲料のFAN(単位:mg/100mL)に対するリアルエキス濃度(単位:質量%)(リアルエキス濃度/FAN)は、好ましくは0.8以下であり、より好ましくは0.75以下、さらに好ましくは0.7以下、よりさらに好ましくは0.65以下、特に好ましくは0.6以下である、さらに、0.55以下、0.5以下、0.45以下、0.4以下、0.35以下、0.3以下、0.25以下、または0.2以下としてもよい。
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、アルコール成分として、さらに、穀物に由来するスピリッツ(蒸留酒)を含有してもよい。蒸留酒含有ビールテイスト飲料でもよく、蒸留酒含有発酵ビールテイスト飲料でもよく、大麦スピリッツ含有ビールテイスト飲料でもよく、小麦スピリッツ含有ビールテイスト飲料でもよい。
本明細書において、スピリッツとは、麦、米、そば、トウモロコシ、芋、さとうきび等の穀物を原料として、麦芽または必要により酵素剤を用いて糖化し、酵母を用いて発酵させた後、さらに蒸留して得られる酒類を意味する。スピリッツの原材料である穀物としては、イネ科に属する植物が好ましく、麦がより好ましい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料の色度は、ビールらしい見た目とビールらしい芳ばしさを感じやすくする観点から、好ましくは5.0EBC以上、より好ましくは5.3EBC以上、さらに好ましくは5.6EBC以上、よりさらに好ましくは5.9EBC以上、特に好ましくは6.2EBC以上であり、また、6.5EBC以上、7.0EBC以上、7.5EBC以上、または、8.0EBC以上であってもよい。
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料の色度は、好ましくは80.0EBC以下、より好ましくは75.0EBC以下、さらに好ましくは70.0EBC以下、よりさらに好ましくは65.0EBC以下、さらに好ましくは60.0EBC以下、よりさらに好ましくは55.0EBC以下、さらに好ましくは50.0EBC以下、よりさらに好ましくは45.0EBC以下、さらに好ましくは40.0EBC以下、よりさらに好ましくは35.0EBC以下、さらに好ましくは30.0EBC以下、よりさらに好ましくは25.0EBC以下、さらに好ましくは20.0EBC以下、よりさらに好ましくは15.0EBC以下、さらに好ましくは12.0EBC以下、よりさらに好ましくは10.0EBC以下である。
本明細書において、飲料の「色度」は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)の「8.8 色度」に記載された測定法よって測定することができる。なお、飲料の「色度」は、欧州醸造協会(European Brewery Convention)により定められた色度の単位(EBC単位)により特定される。数値が小さいほど色が薄く明るい飲料であり、逆に、数値が大きいほど色が濃く暗い飲料である。
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料の色度は、例えば、使用する麦芽の種類、2種以上の麦芽を併用する場合にはその配合比率、麦芽とその他原料の割合、発酵前液を調製する際の煮沸条件等を適宜調整することにより制御できる。より具体的に、例えば、ビールテイスト飲料の色度を高くするには、麦芽として濃色麦芽の配合比率を高くこと、煮沸処理時の温度を高くすること、煮沸時間を長くすること、糖化液の調製の際にデコクションを実施すること等により、調整可能である。また、原麦汁エキス濃度を高めることや、麦芽比率を高めることによっても、色度を高く調整することができる。カラメル色素などの食品添加物や着色のある糖液などの量を制御することで、調整することもできる。
本発明の一態様のビールテイスト飲料のpHは、特に限定されないが、飲料のスッキリとした味わいの向上の観点から、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.1以上、より好ましくは3.2以上、さらに好ましくは3.3以上、よりさらに好ましくは3.4以上、特に好ましくは3.5以上であり、また、3.6以上、3.6以上、3.7以上、3.8以上、3.9以上、4.0以上、4.1以上、4.2以上、4.3以上、4.4以上、4.5以上、4.6以上、または4.7以上であってもよい。また、微生物の発生を抑制の観点から、ビールテイスト飲料のpHは、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.9以下、さらに好ましくは4.8以下、よりさらに好ましくは4.7以下、よりさらに好ましくは4.6以下、特に好ましくは4.5以下であり、また、4.4以下、4.3以下、4.2以下、4.1以下、4.0以下、3.9以下、3.8以下、3.7以下、3.6以下、3.5以下、3.4以下、または3.3以下であってもよい。
pHの調整は、希釈水または炭酸水の添加、原材料(麦芽、コーングリッツ、糖液等)の種類、原材料の量、酵素の種類、酵素の添加量、酵素の添加のタイミング、仕込槽で糖化時間、仕込槽でのタンパク分解時間、仕込槽でのpH、仕込工程(麦芽投入から酵母添加前での麦汁製造工程)でのpH、pH調整の際に使用する酸の種類(乳酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸など)、pH調整の際に使用する酸の添加量、pH調整のタイミング(仕込時、発酵時、発酵完了時、ビール濾過前、ビール濾過後など)、麦汁を調製する際(糖化時含む)の各温度領域の設定温度及び保持時間、発酵前液のオリジナルエキス濃度、発酵工程でのオリジナルエキス濃度、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)、冷却タイミング、冷却温度、冷却時間等を適宜設定して行うことができる。
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、容器詰の態様に適している。容器の例としては、ビン、ペットボトル、缶、または樽が挙げられるが、特に持ち運びが容易であるとの観点から、缶、ビン、ペットボトルが好ましい。
本発明のビールテイスト飲料の製造に使用できる穀物、甘味料等の任意の添加原料については、「1.1原材料」において詳述する。
1.1 原材料
本発明の一態様のビールテイスト飲料の主な原材料は、水および麦芽であるが、ホップを用いることが好ましく、その他に、麦などのイネ科の植物以外の植物の実・果皮・樹皮・葉・花・茎・根・種子、甘味料、水溶性食物繊維、苦味料または苦味付与剤、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類等を用いてもよい。
麦芽とは、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦などの麦類の種子を発芽させて乾燥させ、除根したものをいい、産地や品種は、いずれのものであってもよい。
本発明の一態様においては、大麦麦芽を用いることが好ましい。大麦麦芽は、日本のビールテイスト飲料の原料として最も一般的に用いられる麦芽の1つである。大麦には、二条大麦、六条大麦などの種類があるが、いずれを用いてもよい。さらに、通常麦芽のほか、色麦芽なども用いることができる。なお、色麦芽を用いる際には、種類の異なる色麦芽を適宜組み合わせて用いてもよいし、一種類の色麦芽を用いてもよい。
本発明の一態様においてビールテイスト飲料は、大麦麦芽含有ビールテイスト飲料でもよく、大麦麦芽含有発酵ビールテイスト飲料でもよく、大麦麦芽含有下面発酵ビールテイスト飲料でもよく、大麦麦芽含有上面発酵ビールテイスト飲料でもよい。また、これらのビールテイスト飲料に蒸留酒を含有しても良い。
本発明のビールテイスト飲料に使用する麦芽はmodificationが80%以上であることが好ましい。modificationが80%未満であると麦汁の粘度が上がったり、濁度が上がったりして、麦汁濾過性、ビール濾過性などの生産効率が悪化する。そのため、modificationが80%以上である麦芽をつかうことが好ましい。本実施例、比較例ではmodificationが80%以上である麦芽を使った。modificationはMEBAK Raw Materials Barley Adjuncts Malt Hops And Hop Products Published by the Chairman Dr.Fritz Jacob Self-published by MEBAK 85350 Freising-Weihenstephan,Germany 2011の3.1.3.8 Modification and Homogeneity(Calcofluor Carlsberg Method-EBC)に記載の方法で測定することができる。
なお、本発明の一態様のビールテイスト飲料においては、使用する麦芽は、所望のビールテイスト飲料の色度に応じて、適宜選択されることが好ましく、選択する麦芽は、単独であってもよく、2種以上を併用してもよい。
麦芽には、窒素化合物およびポリフェノールが含まれている。したがって、本発明においては、本発明のビールテイスト飲料の全窒素量および総ポリフェノール量を本発明で規定される範囲内とするために、原料における麦芽の比率を一定の範囲に設定することが好ましい。具体的には、麦芽比率(全ての麦芽の使用比率)は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上、より好ましくは50質量%以上、より好ましくは51質量%以上、さらに好ましくは52質量%以上、よりさらに好ましくは53質量%以上、さらに好ましくは54質量%以上、よりさらに好ましくは55質量%以上、さらに好ましくは56質量%以上、よりさらに好ましくは57質量%以上、特に好ましくは58質量%以上であり、また、60質量%以上、62質量%以上、64質量%以上、66質量%以上、66.6質量%以上、67質量%以上、68質量%以上、70質量%以上、72質量%以上、74質量%以上、76質量%以上、78質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95%質量%以上または100質量%であってもよい。麦芽比率を向上させることにより、麦芽に由来する豊かな味わいや、麦の旨味をより強く感じることができるビールテイスト飲料を製造できる。
また、麦芽比率が高すぎると不適な満腹感を与えやすくなるため、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下、よりさらに好ましくは78質量%以下、よりさらに好ましくは76質量%以下、よりさらに好ましくは74質量%以下、よりさらに好ましくは72質量%以下、よりさらに好ましくは70質量%以下であり、また68質量%以下、67質量%以下、66.6質量%以下、66質量%以下、65質量%以下、63質量%以下、62質量%以下、60質量%以下、または58質量%以下であってもよい。
本明細書において、麦芽比率とは平成30年4月1日が施工日の酒税法および酒類行政関係法令等解釈通達に従って計算された値を意味する。
麦芽比率を抑制する場合、酵母が資化可能な麦芽以外の原料(炭素源、窒素源)を増量することが好ましい。酵母が資化可能な原料の炭素源としては単糖、二糖、三糖、それらの糖液等が挙げられ、窒素源としては酵母エキス、大豆タンパク、麦芽、大豆、酵母エキス、エンドウ、小麦麦芽、未発芽の穀物、これらの分解物等が挙げられる。また未発芽の穀物としては、例えば、未発芽の大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦、米(白米、玄米等)、とうもろこし、こうりゃん、ばれいしょ、豆(大豆、えんどう豆等)、そば、ソルガム、粟、ひえ等が挙げられる。また、これらの穀物から得られたデンプン、これらの抽出物(エキス)を用いても良い。
麦などのイネ科の植物以外の植物の実・果皮・樹皮・葉・花・茎・根・種子としては、特に限定されない。ここで植物としては、柑橘類、ソフトフルーツ類、ハーブ類、スパイス類などが挙げられる。柑橘類としては、オレンジ、ゆず、レモン、ライム、ミカン、グレープフルーツ、伊予柑、キンカン、かぼす、ダイダイ、シークワーサー、すだちなどが挙げられる。ソフトフルーツ類としては、桃、ブドウ、バナナ、リンゴ、ブドウ、パイナップル、イチゴ、梨、マスカット、カシスなどがあげられる。ハーブ類、スパイス類としては、コリアンダー、ペッパー、フェンネル、花椒、山椒、カルダモン、キャラウェイ、ナツメグ、メース、ジュニパーベリー、オールスパイス、バニラ、エルダーベリー、グレインズ・オブ・パラダイス、アニス、スターアニスなどが挙げられる。
これらの原材料は、そのまま使ってもよいし、粉砕して使ってもよいし、水やエタノールなどの溶媒で抽出したものを使ってもよいし、搾汁したもの(果汁など)を使ってもよい。上記を1種または2種以上を併用して用いることができる。
消費者の嗜好に合わせて上記を適宜使用できるが、ビールらしいスッキリした爽快な味わいを楽しむには上記の柑橘類、ソフトフルーツ類、ハーブ類、スパイス類を全く使用しない、あるいは使用量を最小限にすることが好ましい。特にカシスはビール中に不適な乳様の香りがつくことからカシスやカシス果汁は全く使用しない、あるいは使用量を最小限にすることが好ましい。
本発明の一態様で用いるホップの形態としては、例えば、ペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキス等が挙げられる。また、用いるホップは、イソ化ホップ、還元ホップ等のホップ加工品を用いてもよい。
ホップの添加量としては、適宜調製されるが、飲料全量に対して、好ましくは0.0001~1質量%である。また、原材料としてホップを用いたビールテイスト飲料は、ホップに由来する成分であるイソα酸を含有した飲料となる。ホップを用いたビールテイスト飲料のイソα酸の含有量としては、当該ビールテイスト飲料の全量(100質量%)基準で、好ましくは5.0質量ppm以上、より好ましくは7.0質量ppm以上、さらに好ましくは10.0質量ppm以上であり、また、13.0質量ppm以上、または、16.0質量ppm以上であってもよい。また、ホップを用いたビールテイスト飲料のイソα酸の含有量としては、当該ビールテイスト飲料の全量(100質量%)基準で、好ましくは100.0質量ppm以下、より好ましくは95.0質量ppm以下、さらに好ましくは90.0質量ppm以下であり、また、85.0質量ppm以下、80.0質量ppm以下、75.0質量ppm以下、70.0質量ppm以下、65.0質量ppm以下、60.0質量ppm以下、58.0質量ppm以下、56.0質量ppm以下、54.0質量ppm以下、52.0質量ppm以下、50.0質量ppm以下、48.0質量ppm以下、46.0質量ppm以下、44.0質量ppm以下、42.0質量ppm以下、40.0質量ppm以下、38.0質量ppm以下、36.0質量ppm以下、34.0質量ppm以下、32.0質量ppm以下、30.0質量ppm以下であってもよい。
なお、本明細書において、イソα酸の含有量は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析法により測定された値を意味する。
本発明のビールテイスト飲料の苦味価は、特に限定されないが、5.0BUs以上80.0BUs以下であることが好ましい。本明細書において、「苦味価」とは、イソフムロンなどのイソα酸類によってもたらされる苦味の指標である。苦味価は、「BCOJビール分析法(2004.11.1 改訂版) 8.15 苦味価」の項に記載の方法に従って測定することができる。具体的には、脱ガスしたサンプルに酸を加えた後イソオクタンで抽出し、得られたイソオクタン層の吸光度を、イソオクタンを対照にして275nmで計測し、ファクターを乗じて苦味価(BUs)を得ることができる。
本発明のビールテイスト飲料の苦味価は、好ましくは5.0BUs以上であるが、より好ましくは10.0BUs以上、より好ましくは15.0BUs以上、さらに好ましくは20.0BUs以上、よりさらに好ましくは22.0BUs以上、より好ましくは24.0BUs以上、さらに好ましくは28.0BUs以上、よりさらに好ましくは30.0BUs以上、より好ましくは32.0BUs以上、さらに好ましくは34.0BUs以上、よりさらに好ましくは36.0BUs以上、より好ましくは38.0BUs以上、さらに好ましくは40.0BUs以上、よりさらに好ましくは42.0BUs以上、より好ましくは44.0BUs以上、さらに好ましくは46.0BUs以上、よりさらに好ましくは48.0BUs以上、より好ましくは50.0BUs以上、さらに好ましくは52.0BUs以上、よりさらに好ましくは54.0BUs以上である。
また、本発明のビールテイスト飲料の苦味価は、好ましくは80.0BUs以下であるが、より好ましくは75.0BUs以下、より好ましくは70.0BUs以下、さらに好ましくは65.0BUs以下、よりさらに好ましくは60.0BUs以下であり、また、65.0BUs以下、60.0BUs以下、58.0BUs以下、または、56.0BUs以下、よりさらに好ましくは54.0BUs以下であり、また、52.0BUs以下、50.0BUs以下、48.0BUs以下、または、46.0BUs以下、よりさらに好ましくは44.0BUs以下であり、また、42.0BUs以下、40.0BUs以下、38.0BUs以下、または36.0BUs以下であってもよい。
苦味価は、飲料に含まれるイソα酸の含有量に依存し、イソα酸はホップに多く含まれる苦味成分である。したがって、ホップの使用量を制御することによって、所定の値の苦味価を有する飲料を製造できる。
甘味料としては、穀物由来のデンプンを酸または酵素等で分解した市販の糖化液、ショ糖、市販の水飴等の糖類、三糖類以上の糖、糖アルコール、異性化糖、ステビア等の天然甘味料、人工甘味料等が挙げられる。
これらの糖類の形態は、溶液等の液体であってもよく、粉末等の固体であってもよい。
また、デンプンの原料穀物の種類、デンプンの精製方法、および酵素や酸による加水分解等の処理条件についても特に制限はない。例えば、酵素や酸による加水分解の条件を適宜設定することにより、マルトースの比率を高めた糖類を用いてもよい。その他、スクロース、フルクトース、グルコース、マルトース、トレハロース、マルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトース、イソマルトトリオース、イソマルトテトラオースおよびこれらの溶液(糖液)等を用いることもできる。
また、人工甘味料としては、例えば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、スクラロース、ネオテーム等が挙げられる。
これらの甘味料は単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
水溶性食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム分解物、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、ラミナリン、フコイジン、カラギーナン等が挙げられ、安定性や安全性等の汎用性の観点から、難消化性デキストリンまたはポリデキストロースが好ましい。
ビールテイスト飲料において、苦味は、ホップ等によって付与することが好ましいが、さらに、苦味料または苦味付与剤を用いてもよい。
苦味料または苦味付与剤としては、特に限定されず、通常のビールや発泡酒に苦味付与剤として用いられるものが使用でき、例えば、ナリンギン、マンネンロウ、レイシ、姫茴香、杜松実、セージ、迷迭香、マンネンタケ、月桂樹、マンネンタケ、クワシン、柑橘抽出物、ニガキ抽出物、コーヒー抽出物、茶抽出物、ゴーヤ抽出物、ハス胚芽抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、レイシ抽出物、ローレル抽出物、セージ抽出物、キャラウェイ抽出物、ニガヨモギ抽出物、アブシンチン、アルギン酸等が挙げられる。
酸化防止剤としては、特に限定されず、通常のビールや発泡酒に酸化防止剤として用いられるものが使用でき、例えば、アスコルビン酸、エリソルビン酸、カテキン等が挙げられる。
香料としては、特に限定されず、一般的なビール香料を用いることができる。ビール香料は、ビール様の風味付けのために用いるものであり、発酵により発生する醸造成分等が含まれる。
なお、ビールテイスト飲料は、アルコール発酵により生じる酢酸エチルを含むものであるが、当該酢酸エチルは、香料としての機能を有する。そのため、ビールテイスト飲料の製造過程でアルコール発酵を伴う場合には、ビール香料を別途添加する必要性は低いが、所望に応じて、ビール香料を添加してもよい。
酢酸エチル以外のビール香料としては、エステルや高級アルコール等が挙げられ、具体的には、酢酸イソアミル、酢酸エチル、n-プロパノール、イソブタノール、アセトアルデヒド、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、イソアミルプロピオネート、リナロール、ゲラニオール、シトラール、4-ビニルグアイアコール(4-VG)、4-メチル-3-ペンテン酸、2-メチル-2-ペンテン酸、1,4-シネオール、1,8-シネオール、2,3-ジエチル-5-メチルピラジン、γ-デカノラクトン、γ-ウンデカラクトン、ヘキサン酸エチル、2-メチル酪酸エチル、n-酪酸エチル、ミルセン、シトラール、リモネン、マルトール、エチルマルトール、フェニル酢酸、フラネオール、フルフラール、メチオナール、3-メチル-2-ブテン-1-チオール、3-メチル-2-ブタンチオール、ダイアセチル、フェルラ酸、ゲラン酸、ゲラニルアセテート、酪酸エチル、オクタン酸、デカン酸、9-デセン酸、ノナン酸、テトラデカン酸、プロパン酸、2-メチルプロパン酸、γ-ブチロラクトン、2-アミノアセトフェノン、3-フェニルプロピオン酸エチル、2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-3(2H)-フラノン、ジメチルスルホン、3-メチルシクロペンタン-1,2-ジオン、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、2-メチルテトラヒドロフラン-3-オン、2-アセチルフラン、2-メチルテトラヒドロフラン-3-オン、ヘキサナール、ヘキサノール、シス-3-ヘキセナール、1-オクテン-3-オール、β-ユーデスモール、4-メルカプト-4-メチルペンタン-2-オン、β-カリオフィレン、β-ミルセン、フルフリルアルコール、2-エチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン、酢酸2-メチルブチル、イソアミルアルコール、5-ヒドロキシメチルフルフラール、フェニルアセトアルデヒド、1-フェニル-3-ブテン-1-オン、トランス-2-ヘキセナール、ノナナール、フェネチルアルコールが挙げられる。
本発明のビールテイスト飲料のエステルや高級アルコールの濃度は希釈水または炭酸水の添加、酵母を添加する前の発酵前液の糖組成やアミノ酸組成、糖の濃度やアミノ酸の濃度、発酵前液のオリジナルエキス濃度、酵母品種、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)、冷却タイミング等を適宜設定して制御することができる。
酸味料としては、酸味を有する物質であれば特に限定されないが、例えば、リン酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸、グルコノデルタラクトンまたはそれらの塩が挙げられる。
これらの酸味料の中でも、リン酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸またはこれらの塩が好ましく、リン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、酢酸またはこれらの塩がより好ましく、リン酸、またはリン酸塩が特に好ましい。これらの酸味料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
保存料としては、例えば、安息香酸;安息香酸ナトリウム等の安息香酸塩;パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等の安息香酸エステル;二炭酸ジメチル等が挙げられる。また、保存料としては、強力サンプレザー(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、安息香酸ナトリウムと安息香酸ブチルの混合物)等の市販の製剤を用いてもよい。これらの保存料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
保存料の配合量は、好ましくは5~1200質量ppm、より好ましくは10~1100質量ppm、さらに好ましくは15~1000質量ppm、よりさらに好ましくは20~900質量ppmである。
塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、酸性リン酸カリウム、酸性リン酸カルシウム、リン酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウム、塩化カリウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム等が挙げられる。
これらの塩類は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
1.2 炭酸ガス
本発明の一態様のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスは、原材料に含まれる炭酸ガスを利用してもよく、また、炭酸水との混和または炭酸ガスの添加等で溶解させてもよい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、アルコール発酵を行うため、この発酵工程で生じた炭酸ガスをそのまま用いることができるが、適宜炭酸水を加えて、炭酸ガスの量を調製してもよい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料の炭酸ガス濃度は、好ましくは0.20(w/w)%以上、より好ましくは0.25(w/w)%以上、より好ましくは0.30(w/w)%以上、より好ましくは0.35(w/w)%以上、更に好ましくは0.40(w/w)%以上で、より更に好ましくは0.42(w/w)%以上、特に好ましくは0.45(w/w)%以上であり、また、好ましくは0.80(w/w)%以下、より好ましくは0.70(w/w)%以下、更に好ましくは0.60(w/w)%以下、より更に好ましくは0.57(w/w)以下、特に好ましくは0.55(w/w)%以下である。
なお、本明細書において、炭酸ガス濃度は、対象となる飲料が入った容器を時々振りながら20℃の水槽に30分間以上浸して、当該飲料が20℃になるよう調整した後に、ガスボリューム測定装置(例えば、GVA-500(京都電子工業株式会社製)等)を用いて測定することができる。
本発明の一態様のビールテイスト飲料が容器詰め飲料である場合、容器詰め飲料の炭酸ガス圧は、上記の炭酸ガス濃度となる範囲で適宜調整すればよいが、飲料の炭酸ガス圧は5.0kg/cm以下、4.5kg/cm以下、または4.0kg/cm以下であり、また、0.20kg/cm以上、0.50kg/cm以上、または1.0kg/cm以上であり、これらの上限および下限のいずれを組み合わせてもよい。例えば、飲料の炭酸ガス圧は、0.20kg/cm以上5.0kg/cm以下、0.50kg/cm以上4.5kg/cm以下、または、1.0kg/cm以上4.0kg/cm以下であってよい。
本明細書において、ガス圧とは、特別な場合を除き、容器内におけるガス圧をいう。
圧力の測定は、当業者によく知られた方法、例えば20℃にした試料をガス内圧計に固定した後、一度ガス内圧計の活栓を開いてガスを抜き、再び活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達したときの値を読み取る方法を用いて、または市販のガス圧測定装置を用いて測定することができる。
1.3 その他の添加物
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、様々な添加物を添加してもよい。
そのような添加物としては、例えば、着色料、泡形成剤、発酵促進剤、酵母エキス、ペプチド含有物等のタンパク質系物質、アミノ酸等の調味料が挙げられる。
着色料は、飲料にビール様の色を与えるために使用するものであり、カラメル色素などを用いることができる。泡形成剤は、飲料にビール様の泡を形成させるため、あるいは飲料の泡を保持させるために使用するものであり、大豆サポニン、キラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーン、大豆などの植物タンパク、およびコラーゲンペプチド等のペプチド含有物、酵母エキス、乳を起源とする原料などを適宜使用することができる。
発酵促進剤は、酵母による発酵を促進させるために使用するものであり、例えば、酵母エキス、米や麦などの糠成分、ビタミン、ミネラル剤などを単独または組み合わせて使用することができる。
1.4 容器詰飲料
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、容器に詰められた容器詰飲料であってもよい。容器詰飲料にはいずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、ビン、缶、樽またはペットボトルが挙げられるが、特に持ち運びが容易であるとの観点から、缶、ビンやペットボトルが好ましい。
2. ビールテイスト飲料の製造方法
2.1 発酵ビールテイスト飲料の製造方法
本発明の一態様である発酵ビールテイスト飲料の製造方法としては、下記工程(1)~(3)を有する。
・工程(1):原材料に対して、糖化処理、煮沸処理、および固形分除去処理の少なくとも1つの処理を行い、発酵前液を得る工程。
・工程(2):工程(1)で得た発酵前液を冷却し、冷却発酵前液を得る工程。
・工程(3):工程(2)で得た冷却発酵前液に酵母を添加して発酵を行う工程(発酵工程)。
当該発酵ビールテイスト飲料の製造方法において、リアルエキス濃度、アルコール度数、色度、遊離アミノ体窒素の含有量等の調整は、下記の(i)~(v)のいずれか1つ以上のタイミングで行うことができるが、調整する工程は必須ではない。
・(i):工程(1)の前
・(ii):工程(1)、工程(2)、および工程(3)の少なくとも1つの工程と同時
・(iii):工程(1)と工程(2)の間
・(iv):工程(2)と工程(3)の間
・(v):工程(3)の後
<工程(1)>
工程(1)は、各種原材料を用いて、糖化処理、煮沸処理、および固形分除去処理のうち少なくとも1つの処理を行い、発酵前液を得る工程である。
例えば、各種原材料として、麦芽を用いる場合には、水および麦芽を含む各種原材料を仕込釜または仕込槽に投入し、必要に応じて、発酵前に、原材料に由来する成分の変化を促進する多糖分解酵素やタンパク分解酵素などの酵素剤を添加してもよい。
当該酵素剤としては、例えば、アミラーゼ、プロテアーゼ、プリンヌクレオシダーゼ、デアミナーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、グルカナーゼ、キシラーゼ、ペクチナーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、グルコシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、トランスグルコシダーゼ等が挙げられる。また、酒税法および酒類行政関係法令通達(平成30年6月27日改正)の第3条「7酒類の原料として取り扱わない物品」の「(3)酒造の合理化等の目的で醸造工程中に加える次の酵素剤」に該当する酵素剤を挙げられる。
これらの酵素剤を添加することで、得られる発酵ビールテイスト飲料の成分組成を効率よく調整させることができる。麦芽以外の各種原材料としては、ホップ、保存料、甘味料、水溶性食物繊維、苦味料または苦味付与剤、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類等を加えてもよい。これらは、糖化処理を行う前に加えてもよく、糖化処理の途中で加えてもよく、糖化処理の終了後に加えてもよい。また、これらは、次工程のアルコール発酵中やアルコール発酵後に加えてもよい。
各種原材料の混合物は、加温し、原材料の澱粉質を糖化させて糖化処理を行う。
糖化処理の温度および時間は、使用する麦芽の種類や、麦芽比率、水および麦芽以外の原材料、使用する酵素の種類や量、最終的に得られる飲料のオリジナルエキス濃度等を考慮して適宜調整することが好ましい。本発明の一態様において、ビールテイスト飲料のリアルエキス濃度を11.8質量%以下、かつ、アルコール度数を9.2(v/v)%以上に調整する観点から、糖化処理の温度は55~75℃であり、糖化処理の時間は15~240分であることが好ましい。糖化処理後に、濾過を行い、糖化液が得られる。
なお、この糖化液は煮沸処理を行うことが好ましい。
この煮沸処理を行う際に、原材料としてホップや苦味料等を用いる場合には、これらを加えることが好ましい。ホップや苦味料等は、糖化液の煮沸開始から煮沸終了前の間で加えてもよい。
なお、上記の糖化液の代わりに、麦芽エキスに温水を加えたものに、ホップや苦味料等を加えて煮沸処理を行い、発酵前液を調製してもよい。
また、各種原材料として、麦芽を使用しない場合には、炭素源を含有する液糖、麦または麦芽以外のアミノ酸含有原料としての窒素源、ホップ、保存料、甘味料、水溶性食物繊維、苦味料または苦味付与剤、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類等を、温水と共に混合し、液糖溶液を調製し、その液糖溶液に対して煮沸処理を行い、発酵前液を調製してもよい。
ホップを用いる場合には、煮沸処理前に加えてもよく、液糖溶液の煮沸開始から煮沸終了前の間で加えてもよい。
<工程(2)>
工程(2)は、工程(1)で得た発酵前液を冷却し、冷却発酵前液を得る工程である。
煮沸処理終了後には、ワールプールに移送し、0~23℃に冷却する。そして、冷却後に、凝固タンパク等の固形分の除去処理を行い、オリジナルエキス濃度を調整してもよい。
このような処理を経て、冷却発酵前液が得られる。
<工程(3)>
工程(3)は、工程(2)で得た冷却発酵前液に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程である。
本工程で用いる酵母は、製造すべき発酵飲料の種類、目的とする香味や発酵条件等を考慮して適宜選択することができ、上面発酵酵母を用いてもよく、下面発酵酵母を用いてもよい。
酵母は、酵母懸濁液のまま原材料に添加してもよいし、遠心分離あるいは沈降により酵母を濃縮したスラリーを発酵前液に添加してもよい。また、遠心分離の後、完全に上澄みを取り除いたものを添加してもよい。酵母の原液への添加量は適宜設定できるが、例えば、5×10cells/mL~1×10cells/mL程度である。
アルコール発酵を行う際の発酵温度および発酵期間等の諸条件は得られる飲料のリアルエキス濃度が11.8質量%以下、かつ、アルコール度数が10.5(v/v)%以上となるように設定され、発酵温度は例えば8~25℃、発酵期間は例えば5~10日間で行うことができる。また、発酵工程の途中で発酵液の温度(昇温または降温)もしくは圧力を変化させてもよい。
ビールテイスト飲料のリアルエキス濃度およびアルコール度数は、例えば以下の方法によって調整できる。
(i)アミラーゼやトランスグルコシダーゼ等の多糖分解酵素、異性化酵素について種類、添加量および添加のタイミングを適宜設定する。
(ii)発酵工程の途中で発酵液の温度(昇温または降温)もしくは圧力を変化させる。
(iii)発酵中に空気を通気させて、発酵液の溶存酸素量を制御する。
これらの工程(1)~(3)の後、貯酒工程およびろ過工程等の当業者に周知のビールテイスト飲料の製造で行われる工程を行ってもよい。また、これらの工程(1)~(3)の後、ろ過機等で酵母を取り除き、必要に応じて水や香料、酸味料、色素、アルコール原料等の添加剤を加えてもよい。
さらに、必要に応じて所定の容器への充填前、充填後、充填前と充填後の両方で殺菌工程を設けても良い。
このようにして得られた発酵ビールテイスト飲料は、所定の容器に充填され、製品として市場に流通する。
発酵ビールテイスト飲料の容器詰め方法としては、特に限定されず、当業者に周知の容器詰め方法を用いることができる。容器詰め工程によって、発酵ビールテイスト飲料は容器に充填・密閉される。容器詰め工程には、いずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、上述のとおりである。
2.2 非発酵ビールテイスト飲料の製造方法
本発明の一態様の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法は特に限定されないが、リアルエキス濃度、アルコール度数等を制御すること以外は、非発酵ビールテイスト飲料を製造する一般的な方法と同じである。
非発酵ビールテイスト飲料の原液の製造方法の一例として、まず、麦汁、甘味物質、香料、およびその他の成分を所定量混合して配合物を調製する。次いで、配合物に飲用水を所定量添加して一次原料液を調製する。一次原料液を煮沸後、酒類を加え、カーボネーション工程によって炭酸水を添加する。
加えられる酒類は特に限定されないが、例えば、原料用アルコール、焼酎、泡盛、ウイスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、テキーラ、ジン等のスピリッツ(蒸留酒)、醸造アルコール等を使用することができる。
必要により、各段階において、濾過、遠心分離等で沈澱を分離除去することもできる。また、上記原料液を濃厚な状態で作成した後に、炭酸水を添加しても良い。これらは通常のソフトドリンクの製造プロセスを用いることで、発酵設備を持たなくても、簡便に非発酵飲料の調製が可能である。
カーボネーション工程や炭酸水添加工程の前に沈殿を除去すると、オリや雑味の原因物質が除去でき、より望ましい。
このようにして得られた本発明の一態様のビールテイスト飲料は、所定の容器に充填され、製品として市場に流通する。
ビールテイスト飲料の容器詰め方法としては、特に限定されず、当業者に周知の容器詰め方法を用いることができる。容器詰め工程によって、本発明のビールテイスト飲料は容器に充填・密閉される。容器詰め工程には、いずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、「1.4 容器詰飲料」に記載の容器が挙げられる。
3. ビールテイスト飲料の香味改善方法
本発明は、ビールテイスト飲料の香味改善方法にも関する。本発明の一態様の香味改善方法は、具体的には、ビールテイスト飲料を、リアルエキス濃度を11.8質量%以下、および、アルコール度数を10.5(v/v)%以上となるように調整する。
本明細書において、ビールテイスト飲料の「香味」とは、刺激感、およびスッキリした爽快な味わいを包含する。また、本明細書において、「香味改善」または「香味を改善する」とは、リアルエキス濃度、およびアルコール度数を上記範囲に調整した飲料が、当該調整を行っていない飲料と比べて、刺激感、またはスッキリした爽快な味わいが達成されることを意味する。
リアルエキス濃度およびアルコール度数を調整する方法は、上記「1.ビールテイスト飲料」および上記「2.ビールテイスト飲料の製造方法」で述べたとおりである。
以下、実施例等により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によっては制限されない。
また、実施例において、リアルエキス濃度および遊離アミノ体窒素の含有量は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載されている方法に基づいて測定した。
<飲料の調製>
粉砕した大麦麦芽を温水120Lが入った仕込槽に投入した後、段階的に温度を上げて保持し、ろ過して麦芽粕等を除去した。ろ過後、当該原料液およびホップを煮沸釜に投入し、表に記載の麦芽比率になるように糖液を添加し、温水で100Lに調整して熱麦汁を得た。なお、麦芽比率100%のビールテイスト飲料については糖液を添加しなかった。
得られた熱麦汁を冷却し、酸素による通気を実施することで酵母添加前の発酵前液60Lを得た。
このようにして得られた発酵前液にビール酵母(上面発酵酵母)を添加して約1週間発酵させた後、さらに約1週間の熟成期間を経て、酵母をろ過で除去して、エキス調整水を添加しビールテイスト飲料を調製した。
それぞれの実施例および比較例において、麦芽やホップ等の原材料の量や種類、マッシングパターン、多糖分解酵素の種類、添加量および添加のタイミング、麦汁を調製する際の各温度領域の設定温度、保持時間、pH調整、麦汁濾過時の濁度、ホップの添加タイミング、煮沸時間、発酵条件、等を適宜設定し、表1および表2に示すリアルエキス濃度、アルコール度数および遊離アミノ体窒素(FAN)の含有量となるように調整した。
<官能評価>
得られたビールテイスト飲料の評価は、同一の6人のパネラーが、各飲料の試飲をし、以下のように行った。
4℃程度まで冷却したビールテイスト飲料を、各パネラーが試飲し、「刺激感」および「スッキリした爽快な味わい」という評価項目について、下記のスコア基準に基づき、3.0(最大値)~1.0(最小値)の範囲で、0.1刻みのスコアにて評価し、6人のパネラーのスコアの平均値を算出した。
評価に際しては、評価項目がそれぞれ下記基準「1.0」「2.0」および「3.0」に該当するサンプルを予め用意し、各パネラー間での基準の統一を図った。また、すべての実施例および比較例の官能評価においても、同じ飲料に対して、各パネラー間での2.0以上のスコアの値の差異は確認されなかった。
[刺激感]
・「3.0」:刺激感が非常に強く感じられる。
・「2.5」:刺激感が強く感じられる。
・「2.0」:刺激感が感じられる。
・「1.5」:刺激感があまり感じられない。
・「1.0」:刺激感がほとんど感じられない。
[スッキリした爽快な味わい]
・「3.0」:スッキリした爽快な味わいが非常に強く感じられる。
・「2.5」:スッキリした爽快な味わいが強く感じられる。
・「2.0」:スッキリした爽快な味わいが感じられる。
・「1.5」:スッキリした爽快な味わいがあまり感じられない。
・「1.0」:スッキリした爽快な味わいがほとんど感じられない。
また、前記3つの評価項目に基づき、下記の基準で総合評価を行った。
[総合評価]
・「S」:検証した2つの官能評価項目の平均スコアのすべてが2.5以上である。
・「A」:検証した2つの官能評価項目の平均スコアのすべてが2.0以上であり、Sに該当しない。
・「B」:検証した2つの官能評価項目の平均スコアのどちらか一方が2.0未満である。
・「C」:検証した2つの官能評価項目の平均スコアがいずれも2.0未満である。
実施例の結果から、ビールテイスト飲料における リアルエキス濃度が11.8質量% 以下、および、アルコール度数が10.5(v/v)%以上であると、「刺激感」を有しながら、「スッキリした爽快な味わい」も有する飲料を提供できた。

Claims (7)

  1. リアルエキス濃度が6.5質量%以下、アルコール度数が12.0(v/v)%以上、および、麦芽比率が50質量%以上であ
    原材料にエタノールまたはエタノール含有組成物が含まれない、ビールテイスト飲料。
  2. 色度が5.0EBC以上である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  3. ビールテイスト飲料が発酵ビールテイスト飲料である、請求項1または2に記載のビールテイスト飲料。
  4. 遊離アミノ態窒素(FAN)の含有量が3mg/100mL以上である、請求項1~3のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
  5. 下記式(1)を満たす、請求項1~のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
    式(1):Y/X≦0.8
    [上記式(1)中、Xは前記ビールテイスト飲料の遊離アミノ態窒素(FAN)の含有量(単位:mg/100mL)を示し、Yは前記ビールテイスト飲料のリアルエキス濃度(単位:質量%)を示す。]
  6. アルコール度数が12.0(v/v)%以上となるように発酵させる発酵工程を有する、リアルエキス濃度が6.5質量%以下、および、麦芽比率が50質量%以上のビールテイスト飲料の製造方法。
  7. リアルエキス濃度が6.5質量% 以下、アルコール度数が12.0(v/v)%以上、および、麦芽比率が50質量%以上となるように調整する工程を有する、原材料にエタノールまたはエタノール含有組成物が含まれないビールテイスト飲料の香味改善方法。
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