JP7312109B2 - 絶縁性粒子付き導電性粒子、絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法、導電材料及び接続構造体 - Google Patents

絶縁性粒子付き導電性粒子、絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法、導電材料及び接続構造体 Download PDF

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Description

本発明は、導電性粒子の表面に絶縁性粒子が配置された絶縁性粒子付き導電性粒子及び絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法に関する。また、本発明は、上記絶縁性粒子付き導電性粒子を用いた導電材料及び接続構造体に関する。
異方性導電ペースト及び異方性導電フィルム等の異方性導電材料が広く知られている。該異方性導電材料では、バインダー樹脂中に導電性粒子が分散されている。また、導電性粒子として、導電層の表面に絶縁処理が施された導電性粒子が用いられることがある。
上記異方性導電材料は、各種の接続構造体を得るために用いられている。上記異方性導電材料を用いる接続としては、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等が挙げられる。
また、上記導電性粒子として、導電性粒子の表面上に絶縁性粒子が配置された絶縁性粒子付き導電性粒子が用いられることがある。さらに、導電層の表面上に絶縁層が配置された被覆導電性粒子が用いられることもある。
上記絶縁性粒子の一例として、下記の特許文献1には、導電性粒子の表面に存在して、上記導電性粒子を絶縁するための樹脂粒子が開示されている。上記樹脂粒子は、少なくともアルキル(メタ)アクリレートと多価(メタ)アクリレートとを必須として含む重合性成分の共重合物を含む。上記多価(メタ)アクリレートは各(メタ)アクリル基が互いに3個以上の炭素原子を介して結合した化合物である。
下記の特許文献2には、表面が導電性を有する導電性粒子と、上記導電性粒子の表面に付着している絶縁性微粒子とを有する絶縁被覆導電性粒子が開示されている。上記絶縁性微粒子では、架橋性単量体に由来するポリマー成分を含有するコア粒子の表面が、架橋性単量体に由来するポリマー成分を含有する被膜層で被覆されている。上記絶縁性微粒子では、上記コア粒子の下記式(1)により定義される架橋度が7以上である。上記絶縁性微粒子では、上記コア粒子の下記式(1)により定義される架橋度が、上記被膜層の下記式(1)により定義される架橋度より高い。
架橋度=架橋性単量体の重合性官能基数×(架橋性単量体のモル数/全単量体のモル数)×100 式(1)
特開2012-72324号公報 特開2010-86665号公報
従来の絶縁性粒子付き導電性粒子では、絶縁性粒子付き導電性粒子とバインダー樹脂とを混合して異方性導電材料を作製する際に、絶縁性粒子が導電性粒子の表面から脱離することがある。特に、特許文献1に記載のような従来の絶縁性粒子では、耐溶剤性を高めるために、架橋性単量体(架橋剤)が用いられることがある。架橋性単量体(架橋剤)の含有量が多くなると、得られる絶縁性粒子の耐溶剤性を高めることができる。一方で、得られる絶縁性粒子は硬く、柔軟性に欠けるため、導電性粒子の表面への密着性を十分に高めることが困難であり、絶縁性粒子の導電性粒子の表面からの脱離を防止することが困難なことがある。結果として、異方性導電材料を用いた導電接続時に、接続されてはならない横方向に隣接する電極間の絶縁信頼性を大きく高めることが困難なことがある。
上記の課題を解決するために、例えば、特許文献2等に記載されているように、絶縁性粒子をコアシェル構造とし、コアの表面の架橋度とシェルの表面の架橋度とを調整する方法等が提案されている。しかしながら、従来の方法では、シェルの架橋度が低い場合には、絶縁性粒子付き導電性粒子同士が接触した際に、固着や凝集が少なからず発生することがある。また、凝集等が発生した絶縁性粒子付き導電性粒子とバインダー樹脂とを用いて異方性導電材料を作製すると、絶縁性粒子付き導電性粒子の分散性が低くなることがある。このような異方性導電材料を用いると、異方性導電材料の塗工後に、接続されるべき上下の電極間に導電性粒子が、均一性がかなり高い状態で配置されないことがある。さらに、凝集した導電性粒子によって、接続されてはならない横方向に隣接する電極間の短絡が生じることがある。従来の絶縁性粒子付き導電性粒子では、接続されるべき上下の電極間の導通信頼性及び接続されてはならない横方向に隣接する電極間の絶縁信頼性をかなり高めることが困難なことがある。
本発明の目的は、電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性を効果的に高めることができる絶縁性粒子付き導電性粒子及び絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法を提供することである。また、本発明の目的は、上記絶縁性粒子付き導電性粒子を用いた導電材料及び接続構造体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、導電部を少なくとも表面に有する導電性粒子と、前記導電性粒子の表面上に配置された複数の絶縁性粒子とを備え、前記絶縁性粒子が、重合性化合物の重合体であり、前記重合性化合物が、第1の官能基を有する化合物と、前記第1の官能基とは異なる第2の官能基を有する化合物とを含み、前記重合体が、前記第1の官能基と前記第2の官能基とを有する、絶縁性粒子付き導電性粒子が提供される。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子のある特定の局面では、前記重合性化合物が、架橋剤を含まないか、又は、前記重合性化合物100重量%中に架橋剤を10重量%以下で含む。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子のある特定の局面では、前記第1の官能基と前記第2の官能基とが、刺激により反応可能な性質を有する。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子のある特定の局面では、前記刺激が、加熱又は光の照射である。
本発明の広い局面によれば、導電部を少なくとも表面に有する導電性粒子と、前記導電性粒子の表面上に配置された複数の絶縁性粒子とを備え、前記絶縁性粒子が、重合性化合物の重合体であり、前記重合性化合物が、第1の官能基を有する化合物と、前記第1の官能基とは異なる第2の官能基を有する化合物とを含み、前記重合体が、前記第1の官能基と前記第2の官能基とが反応した構造を含む、絶縁性粒子付き導電性粒子が提供される。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子のある特定の局面では、前記重合性化合物が、架橋剤を含まないか、又は、前記重合性化合物100重量%中に架橋剤を10重量%以下で含む。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子のある特定の局面では、下記式(1)により求められる前記絶縁性粒子の架橋度が、10以上である。
架橋度=A×[(B/D)×100]+[(C/D)×100] 式(1)
前記式(1)中、Aは架橋剤の重合性官能基数であり、Bは架橋剤のモル数であり、Cは前記第1の官能基を有する化合物及び前記第2の官能基を有する化合物の合計のモル数であり、Dは前記重合性化合物の合計のモル数である。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子のある特定の局面では、前記第1の官能基が、環状エーテル基、イソシアネート基、アルデヒド基又はニトリル基である。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子のある特定の局面では、前記環状エーテル基が、エポキシ基又はオキセタニル基である。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子のある特定の局面では、前記第2の官能基が、アミド基、水酸基、カルボキシル基、イミド基又はアミノ基である。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子のある特定の局面では、前記導電性粒子の粒子径が、1μm以上5μm以下である。
本発明の広い局面によれば、導電部を少なくとも表面に有する導電性粒子と、複数の絶縁性粒子とを用いて、前記導電性粒子の表面上に前記絶縁性粒子を配置する配置工程を備え、前記絶縁性粒子が、重合性化合物の重合体であり、前記重合性化合物が、第1の官能基を有する化合物と、前記第1の官能基とは異なる第2の官能基を有する化合物とを含む、絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法が提供される。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法のある特定の局面では、前記重合性化合物が、架橋剤を含まないか、又は、前記重合性化合物100重量%中に架橋剤を10重量%以下で含む。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法のある特定の局面では、前記配置工程の温度が50℃未満であり、前記重合体が、前記第1の官能基と前記第2の官能基とを有する絶縁性粒子付き導電性粒子を得る。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法のある特定の局面では、前記配置工程の後に、前記絶縁性粒子付き導電性粒子を加熱する加熱工程を備え、前記加熱工程の加熱温度が70℃以上であり、前記加熱工程の加熱時間が1時間以上であり、前記重合体が、前記第1の官能基と前記第2の官能基とが反応した構造を含む絶縁性粒子付き導電性粒子を得る。
本発明の広い局面によれば、上述した絶縁性粒子付き導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む、導電材料が提供される。
本発明の広い局面によれば、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、前記接続部の材料が、上述した絶縁性粒子付き導電性粒子であるか、又は前記絶縁性粒子付き導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料であり、前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記絶縁性粒子付き導電性粒子における前記導電部により電気的に接続されている、接続構造体が提供される。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子は、導電部を少なくとも表面に有する導電性粒子と、上記導電性粒子の表面上に配置された複数の絶縁性粒子とを備える。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記絶縁性粒子が、重合性化合物の重合体である。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記重合性化合物が、第1の官能基を有する化合物と、上記第1の官能基とは異なる第2の官能基を有する化合物とを含む。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記重合体が、上記第1の官能基と上記第2の官能基とを有する。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記の構成が備えられているので、電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性を効果的に高めることができる。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子は、導電部を少なくとも表面に有する導電性粒子と、上記導電性粒子の表面上に配置された複数の絶縁性粒子とを備える。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記絶縁性粒子が、重合性化合物の重合体である。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記重合性化合物が、第1の官能基を有する化合物と、上記第1の官能基とは異なる第2の官能基を有する化合物とを含む。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記重合体が、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応した構造を含む。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記の構成が備えられているので、電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性を効果的に高めることができる。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法は、導電部を少なくとも表面に有する導電性粒子と、複数の絶縁性粒子とを用いて、上記導電性粒子の表面上に上記絶縁性粒子を配置する配置工程を備える。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、上記絶縁性粒子が、重合性化合物の重合体である。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、上記重合性化合物が、第1の官能基を有する化合物と、上記第1の官能基とは異なる第2の官能基を有する化合物とを含む。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、上記の構成が備えられているので、電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性を効果的に高めることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る絶縁性粒子付き導電性粒子を示す断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る絶縁性粒子付き導電性粒子を示す断面図である。 図3は、本発明の第3の実施形態に係る絶縁性粒子付き導電性粒子を示す断面図である。 図4は、本発明の第1の実施形態に係る絶縁性粒子付き導電性粒子を用いた接続構造体を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
(絶縁性粒子付き導電性粒子及び絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法)
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子は、導電部を少なくとも表面に有する導電性粒子と、上記導電性粒子の表面上に配置された複数の絶縁性粒子とを備える。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記絶縁性粒子が、重合性化合物の重合体である。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記重合性化合物が、第1の官能基を有する化合物と、上記第1の官能基とは異なる第2の官能基を有する化合物とを含む。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記重合体が、上記第1の官能基と上記第2の官能基とを有する。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記の構成が備えられているので、電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性を効果的に高めることができる。
本明細書では、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応する前の粒子と、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応した後の粒子との双方を開示する。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記重合体が上記第1の官能基と上記第2の官能基とを有しており、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応していない。この絶縁性粒子付き導電性粒子は、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応する前の粒子である。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応していないので、絶縁性粒子の架橋度が低く、柔軟性を有しており、絶縁性粒子と導電性粒子の表面との密着性を高めることができる。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子は、導電部を少なくとも表面に有する導電性粒子と、上記導電性粒子の表面上に配置された複数の絶縁性粒子とを備える。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記絶縁性粒子が、重合性化合物の重合体である。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記重合性化合物が、第1の官能基を有する化合物と、上記第1の官能基とは異なる第2の官能基を有する化合物とを含む。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記重合体が、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応した構造を含む。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記の構成が備えられているので、電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性を効果的に高めることができる。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記重合体が上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応した構造を含む。この絶縁性粒子付き導電性粒子は、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応した後の粒子である。この絶縁性粒子付き導電性粒子は、バインダー樹脂中に配合される前に、上記第1の官能基と上記第2の官能基とを反応させることで得られることが好ましい。バインダー樹脂中に配合される前の絶縁性粒子付き導電性粒子において、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応していることが好ましい。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応しているので、絶縁性粒子の架橋度を高めることができ、絶縁性粒子の耐溶剤性を高めることができる。
従来の絶縁性粒子付き導電性粒子では、絶縁性粒子付き導電性粒子とバインダー樹脂と混合して異方性導電材料を作製する際に、絶縁性粒子が導電性粒子の表面から脱離することがある。特に、従来の絶縁性粒子では、耐溶剤性を高めるために、架橋性単量体(架橋剤)が用いられることがある。そのため、従来の絶縁性粒子は硬く、柔軟性に欠けるため、絶縁性粒子と導電性粒子の表面との密着性を十分に高めることが困難であり、絶縁性粒子が導電性粒子の表面から脱離することを防止することが困難なことがある。結果として、異方性導電材料を用いた導電接続時に、接続されてはならない横方向に隣接する電極間の絶縁信頼性を大きく高めることが困難なことがある。
本発明者らは、特定の絶縁性粒子付き導電性粒子を用いることで、絶縁性粒子に関して、導電性粒子の表面への密着性と耐溶剤性との双方を両立させることができることを見出した。本発明では、上記の構成が備えられているので、絶縁性粒子が導電性粒子の表面から脱離することを防止することができる。結果として、接続されてはならない隣接する横方向の電極間の絶縁信頼性を効果的に高めることができる。
また、本発明では、絶縁性粒子の架橋度を高めることができるので、絶縁性粒子付き導電性粒子同士の固着や凝集を防止することができ、異方性導電材料における絶縁性粒子付き導電性粒子の分散性を高めることができる。結果として、接続されるべき上下の電極間に配置される導電性粒子の量を十分に確保することができ、接続されるべき上下の電極間の導通信頼性を効果的に高めることができる。
本発明では、上記のような効果を得るために、特定の絶縁性粒子付き導電性粒子を用いることは大きく寄与する。
電極間の導通信頼性及び絶縁信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記絶縁性粒子付き導電性粒子の粒子径の変動係数(CV値)は、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
上記変動係数(CV値)は、以下のようにして測定できる。
CV値(%)=(ρ/Dn)×100
ρ:絶縁性粒子付き導電性粒子の粒子径の標準偏差
Dn:絶縁性粒子付き導電性粒子の粒子径の平均値
上記絶縁性粒子付き導電性粒子の形状は特に限定されない。上記絶縁性粒子付き導電性粒子の形状は、球状であってもよく、球状以外の形状であってもよく、扁平状等であってもよい。
上記絶縁性粒子付き導電性粒子は、バインダー樹脂中に分散され、導電材料を得るために好適に用いられる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る絶縁性粒子付き導電性粒子を示す断面図である。
図1に示す絶縁性粒子付き導電性粒子1は、導電性粒子2と、導電性粒子2の表面上に配置された複数の絶縁性粒子3とを備える。絶縁性粒子3は、絶縁性を有する材料により形成されている。
導電性粒子2は、基材粒子11と、基材粒子11の表面上に配置された導電部12とを有する。絶縁性粒子付き導電性粒子1においては、導電部12は導電層である。導電部12は、基材粒子11の表面を覆っている。導電性粒子2は、基材粒子11の表面が導電部12により被覆された被覆粒子である。導電性粒子2は表面に導電部12を有する。上記導電性粒子では、上記導電部が上記基材粒子の表面の全体を覆っていてもよく、上記導電部が上記基材粒子の表面の一部を覆っていてもよい。上記絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記絶縁性粒子は、上記導電部の表面上に配置されていることが好ましい。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る絶縁性粒子付き導電性粒子を示す断面図である。
図2に示す絶縁性粒子付き導電性粒子21は、導電性粒子22と、導電性粒子22の表面上に配置された複数の絶縁性粒子3とを備える。
導電性粒子22は、基材粒子11と、基材粒子11の表面上に配置された導電部31とを有する。絶縁性粒子付き導電性粒子21においては、導電部31は導電層である。導電性粒子22は、基材粒子11の表面上に複数の芯物質32を有する。導電部31は、基材粒子11と芯物質32とを被覆している。芯物質32を導電部31が被覆していることにより、導電性粒子22は、表面に複数の突起33を有する。導電性粒子22では、芯物質32により導電部31の表面が隆起されており、複数の突起33が形成されている。上記導電性粒子では、上記導電部が上記基材粒子の表面の全体を覆っていてもよく、上記導電部が上記基材粒子の表面の一部を覆っていてもよい。上記絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記絶縁性粒子は、上記導電部の表面上に配置されていることが好ましい。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る絶縁性粒子付き導電性粒子を示す断面図である。
図3に示す絶縁性粒子付き導電性粒子41は、導電性粒子42と、導電性粒子42の表面上に配置された複数の絶縁性粒子3とを備える。
導電性粒子42は、基材粒子11と、基材粒子11の表面上に配置された導電部51とを有する。絶縁性粒子付き導電性粒子41においては、導電部51は導電層である。導電性粒子42は、導電性粒子22のように芯物質を有しない。導電部51は、第1の部分と、該第1の部分よりも厚みが厚い第2の部分とを有する。導電性粒子42は、表面に複数の突起52を有する。複数の突起52を除く部分が、導電部51の上記第1の部分である。複数の突起52は、導電部51の厚みが厚い上記第2の部分である。上記導電性粒子では、上記導電部が上記基材粒子の表面の全体を覆っていてもよく、上記導電部が上記基材粒子の表面の一部を覆っていてもよい。上記絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記絶縁性粒子は、上記導電部の表面上に配置されていることが好ましい。
次に、本発明に係る導電性粒子の製造方法について説明する。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法は、導電部を少なくとも表面に有する導電性粒子と、複数の絶縁性粒子とを用いて、上記導電性粒子の表面上に上記絶縁性粒子を配置する配置工程を備える。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、上記絶縁性粒子が、重合性化合物の重合体である。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、上記重合性化合物が、第1の官能基を有する化合物と、上記第1の官能基とは異なる第2の官能基を有する化合物とを含む。得られる絶縁性粒子付き導電性粒子は、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応する前の粒子であることが好ましい。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、上記の構成が備えられているので、電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性を効果的に高めることができる。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、上記配置工程の温度が50℃未満であることが好ましく、上記配置工程の温度が40℃以下であることがより好ましい。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、上記配置工程後の絶縁性粒子付き導電性粒子においては、上記重合体が上記第1の官能基と上記第2の官能基とを有することが好ましい。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、上記配置工程後の絶縁性粒子付き導電性粒子においては、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応していないことが好ましい。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、上記配置工程後の絶縁性粒子付き導電性粒子においては、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応していないので、上記絶縁性粒子の架橋度が低く、柔軟性を有しており、上記絶縁性粒子と上記導電性粒子の表面との密着性を高めることができる。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、上記配置工程の後に、上記絶縁性粒子付き導電性粒子を加熱する加熱工程を備えることが好ましい。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、上記加熱工程の加熱温度が70℃以上であることが好ましく、上記加熱工程の加熱温度が90℃以上であることがより好ましい。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、上記加熱工程の加熱時間が1時間以上であることが好ましく、上記加熱工程の加熱時間が2時間以上であることがより好ましい。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、上記加熱工程後の絶縁性粒子付き導電性粒子においては、上記重合体が、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応した構造を含むことが好ましい。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、上記加熱工程後の絶縁性粒子付き導電性粒子においては、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応していることが好ましい。上記加熱工程後の絶縁性粒子付き導電性粒子は、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応した後の粒子であることが好ましい。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、上記加熱工程後の絶縁性粒子付き導電性粒子においては、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応しているので、上記絶縁性粒子の架橋度を高めることができ、上記絶縁性粒子の耐溶剤性を高めることができる。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、上記配置工程の後に上記加熱工程が備えられているので、上記絶縁性粒子に関して、上記導電性粒子の表面への密着性と耐溶剤性との双方を両立させることができる。結果として、絶縁性粒子付き導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、接続されてはならない隣接する横方向の電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができる。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法では、絶縁性粒子の架橋度を高めることができるので、絶縁性粒子付き導電性粒子同士の固着や凝集を防止することができ、異方性導電材料における絶縁性粒子付き導電性粒子の分散性を高めることができる。結果として、接続されるべき上下の電極間の導通信頼性をより一層効果的に高めることができる。
以下、絶縁性粒子付き導電性粒子の他の詳細を説明する。
導電性粒子:
上記導電性粒子は、基材粒子と、上記基材粒子の表面上に配置された導電部とを有していることが好ましい。上記導電部は、単層構造であってもよく、2層以上の複層構造であってもよい。
上記導電性粒子の粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは60μm以下、より一層好ましくは30μm以下、さらに好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下である。上記導電性粒子の粒子径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、上記導電性粒子を用いて電極間を接続した場合に、導電性粒子と電極との接触面積が十分に大きくなり、かつ導電部を形成する際に凝集した導電性粒子が形成され難くなる。また、導電性粒子を介して接続された電極間の間隔が大きくなりすぎず、かつ導電部が基材粒子の表面から剥離し難くなる。
上記導電性粒子の粒子径は、平均粒子径であることが好ましく、数平均粒子径であることがより好ましい。導電性粒子の粒子径は、例えば、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、各導電性粒子の粒子径の平均値を算出することや、レーザー回折式粒度分布測定を行うことにより求められる。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察では、1個当たりの導電性粒子の粒子径は、円相当径での粒子径として求められる。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察において、任意の50個の導電性粒子の円相当径での平均粒子径は、球相当径での平均粒子径とほぼ等しくなる。レーザー回折式粒度分布測定では、1個当たりの導電性粒子の粒子径は、球相当径での粒子径として求められる。上記導電性粒子の粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定により算出することが好ましい。
上記導電性粒子の粒子径の変動係数(CV値)は、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。上記導電性粒子の粒子径の変動係数が、上記上限以下であると、電極間の導通信頼性及び絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができる。
上記変動係数(CV値)は、以下のようにして測定できる。
CV値(%)=(ρ/Dn)×100
ρ:導電性粒子の粒子径の標準偏差
Dn:導電性粒子の粒子径の平均値
上記導電性粒子の形状は特に限定されない。上記導電性粒子の形状は、球状であってもよく、球状以外の形状であってもよく、扁平状等であってもよい。
基材粒子:
上記基材粒子としては、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子及び金属粒子等が挙げられる。上記基材粒子は、金属粒子を除く基材粒子であることが好ましく、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることがより好ましい。上記基材粒子は、コアと、該コアの表面上に配置されたシェルとを備えるコアシェル粒子であってもよい。上記コアが有機コアであってもよく、上記シェルが無機シェルであってもよい。
上記樹脂粒子の材料として、種々の有機物が好適に用いられる。上記樹脂粒子の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、及びポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート及びポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ジビニルベンゼン重合体、並びにジビニルベンゼン系共重合体等が挙げられる。上記ジビニルベンゼン系共重合体等としては、ジビニルベンゼン-スチレン共重合体及びジビニルベンゼン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。上記樹脂粒子の硬度を好適な範囲に容易に制御できるので、上記樹脂粒子の材料は、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
上記樹脂粒子を、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を重合させて得る場合には、該エチレン性不飽和基を有する重合性単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
上記非架橋性の単量体としては、例えば、スチレン、及びα-メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及び無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート化合物;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、及びグリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、及びプロピルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、及びステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル化合物;エチレン、プロピレン、イソプレン、及びブタジエン等の不飽和炭化水素;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、及びクロルスチレン等のハロゲン含有単量体等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及び1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物;トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル、並びに、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、及びビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体等が挙げられる。
「(メタ)アクリレート」の用語は、アクリレートとメタクリレートとを示す。「(メタ)アクリル」の用語は、アクリルとメタクリルとを示す。「(メタ)アクリロイル」の用語は、アクリロイルとメタクリロイルとを示す。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法により重合させることで、上記樹脂粒子を得ることができる。この方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法、並びに非架橋の種粒子を用いてラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法等が挙げられる。
上記基材粒子が金属を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子である場合には、基材粒子を形成するための無機物としては、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム、ジルコニア及びカーボンブラック等が挙げられる。上記無機物は、金属ではないことが好ましい。上記シリカにより形成された粒子としては特に限定されないが、例えば、加水分解性のアルコキシシリル基を2つ以上有するケイ素化合物を加水分解して架橋重合体粒子を形成した後に、必要に応じて焼成を行うことにより得られる粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、例えば、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記有機無機ハイブリッド粒子は、コアと、該コアの表面上に配置されたシェルとを有するコアシェル型の有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。上記コアが有機コアであることが好ましい。上記シェルが無機シェルであることが好ましい。電極間の接続抵抗を効果的に低くする観点からは、上記基材粒子は、有機コアと上記有機コアの表面上に配置された無機シェルとを有する有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。
上記有機コアの材料としては、上述した樹脂粒子の材料等が挙げられる。
上記無機シェルの材料としては、上述した基材粒子の材料として挙げた無機物等が挙げられる。上記無機シェルの材料は、シリカであることが好ましい。上記無機シェルは、上記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、該シェル状物を焼成させることにより形成されていることが好ましい。上記金属アルコキシドはシランアルコキシドであることが好ましい。上記無機シェルはシランアルコキシドにより形成されていることが好ましい。
上記基材粒子が金属粒子である場合に、該金属粒子の材料である金属としては、銀、銅、ニッケル、ケイ素、金及びチタン等が挙げられる。
上記基材粒子の粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは2μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは60μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。上記基材粒子の粒子径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の間隔が小さくなり、かつ導電層の厚みを厚くしても、小さい導電性粒子が得られる。さらに基材粒子の表面に導電部を形成する際に凝集し難くなり、凝集した導電性粒子が形成され難くなる。
上記基材粒子の粒子径は、2μm以上50μm以下であることが特に好ましい。上記基材粒子の粒子径が、2μm以上50μm以下の範囲内であると、基材粒子の表面に導電部を形成する際に凝集し難くなり、凝集した導電性粒子が形成され難くなる。
上記基材粒子の粒子径は、基材粒子が真球状である場合には、直径を示し、基材粒子が真球状ではない場合には、最大径を示す。
上記基材粒子の粒子径は、数平均粒子径を示す。上記基材粒子の粒子径は粒度分布測定装置等を用いて求められる。基材粒子の粒子径は、任意の基材粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求めることが好ましい。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察では、1個当たりの基材粒子の粒子径は、円相当径での粒子径として求められる。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察において、任意の50個の基材粒子の円相当径での平均粒子径は、球相当径での平均粒子径とほぼ等しくなる。粒度分布測定装置では、1個当たりの基材粒子の粒子径は、球相当径での粒子径として求められる。上記基材粒子の粒子径は、粒度分布測定装置により算出することが好ましい。導電性粒子において、上記基材粒子の粒子径を測定する場合には、例えば、以下のようにして測定できる。
導電性粒子の含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。検査用埋め込み樹脂中に分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出す。そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて、画像倍率を25000倍に設定し、50個の導電性粒子を無作為に選択し、各導電性粒子の基材粒子を観察する。各導電性粒子における基材粒子の粒子径を計測し、それらを算術平均して基材粒子の粒子径とする。
導電部:
本発明では、上記導電性粒子は、導電部を少なくとも表面に有する。上記導電部は、金属を含むことが好ましい。上記導電部を構成する金属は、特に限定されない。上記金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、亜鉛、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム及びカドミウム、並びにこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属として、錫ドープ酸化インジウム(ITO)を用いてもよい。上記金属は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。電極間の接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記金属としては、錫を含む合金、ニッケル、パラジウム、銅又は金が好ましく、ニッケル又はパラジウムがより好ましい。
また、導通信頼性を効果的に高める観点からは、上記導電部及び上記導電部の外表面部分はニッケルを含むことが好ましい。ニッケルを含む導電部100重量%中のニッケルの含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは50重量%以上、より一層好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。上記ニッケルを含む導電部100重量%中のニッケルの含有量は、97重量%以上であってもよく、97.5重量%以上であってもよく、98重量%以上であってもよい。
なお、導電部の表面には、酸化により水酸基が存在することが多い。一般的に、ニッケルにより形成された導電部の表面には、酸化により水酸基が存在する。このような水酸基を有する導電部の表面(導電性粒子の表面)に、化学結合を介して、絶縁性粒子を配置できる。
上記導電部は、1つの層により形成されていてもよい。上記導電部は、複数の層により形成されていてもよい。すなわち、上記導電部は、2層以上の積層構造を有していてもよい。上記導電部が複数の層により形成されている場合には、最外層を構成する金属は、金、ニッケル、パラジウム、銅又は錫と銀とを含む合金であることが好ましく、金であることがより好ましい。最外層を構成する金属がこれらの好ましい金属である場合には、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、最外層を構成する金属が金である場合には、耐腐食性がより一層高くなる。
上記基材粒子の表面上に導電部を形成する方法は特に限定されない。上記導電部を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的な衝突による方法、メカノケミカル反応による方法、物理的蒸着又は物理的吸着による方法、並びに金属粉末もしくは金属粉末とバインダーとを含むペーストを基材粒子の表面にコーティングする方法等が挙げられる。上記導電部を形成する方法は、無電解めっき、電気めっき又は物理的な衝突による方法であることが好ましい。上記物理的蒸着による方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング及びイオンスパッタリング等の方法が挙げられる。また、上記物理的な衝突による方法では、例えば、シーターコンポーザ(徳寿工作所社製)等が用いられる。
上記導電部の厚みは、好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.3μm以下である。上記導電部の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、十分な導電性が得られ、かつ導電性粒子が硬くなりすぎずに、電極間の接続の際に導電性粒子を十分に変形させることができる。
上記導電部が複数の層により形成されている場合に、最外層の導電部の厚みは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。上記最外層の導電部の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、最外層の導電部が均一になり、耐腐食性が十分に高くなり、かつ電極間の接続抵抗を十分に低くすることができる。
上記導電部の厚みは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、導電性粒子の断面を観察することにより測定できる。
芯物質:
上記導電性粒子は、上記導電部の外表面に複数の突起を有することが好ましい。絶縁性粒子付き導電性粒子により接続される電極の表面には、酸化被膜が形成されていることが多い。導電部の表面に突起を有する絶縁性粒子付き導電性粒子を用いた場合には、電極間に絶縁性粒子付き導電性粒子を配置して圧着させることにより、突起により上記酸化被膜を効果的に排除できる。このため、電極と導電部とがより一層確実に接触し、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。さらに、電極間の接続時に、導電性粒子の突起によって、導電性粒子と電極との間の絶縁性粒子を効果的に排除できる。このため、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
上記突起を形成する方法としては、基材粒子の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより導電部を形成する方法、並びに基材粒子の表面に無電解めっきにより導電部を形成した後、芯物質を付着させ、さらに無電解めっきにより導電部を形成する方法等が挙げられる。上記突起を形成する他の方法としては、基材粒子の表面上に、第1の導電部を形成した後、該第1の導電部上に芯物質を配置し、次に第2の導電部を形成する方法、並びに基材粒子の表面上に導電部(第1の導電部又は第2の導電部等)を形成する途中段階で、芯物質を添加する方法等が挙げられる。また、突起を形成するために、上記芯物質を用いずに、基材粒子に無電解めっきにより導電部を形成した後、導電部の表面上に突起状にめっきを析出させ、さらに無電解めっきにより導電部を形成する方法等を用いてもよい。
基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法としては、例えば、基材粒子の分散液中に、芯物質を添加し、基材粒子の表面に芯物質を、ファンデルワールス力により集積させ、付着させる方法、並びに基材粒子を入れた容器に、芯物質を添加し、容器の回転等による機械的な作用により基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法等が挙げられる。付着させる芯物質の量を制御する観点からは、基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法は、分散液中の基材粒子の表面に芯物質を集積させ、付着させる方法であることが好ましい。
上記芯物質を構成する物質としては、導電性物質及び非導電性物質等が挙げられる。上記導電性物質としては、例えば、金属、金属の酸化物、黒鉛等の導電性非金属及び導電性ポリマー等が挙げられる。上記導電性ポリマーとしては、ポリアセチレン等が挙げられる。上記非導電性物質としては、シリカ、アルミナ及びジルコニア等が挙げられる。電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記芯物質が金属であることが好ましい。
上記金属は特に限定されない。上記金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、鉛、錫、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム及びカドミウム等の金属、並びに錫-鉛合金、錫-銅合金、錫-銀合金、錫-鉛-銀合金及び炭化タングステン等の2種類以上の金属で構成される合金等が挙げられる。電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記金属は、ニッケル、銅、銀又は金が好ましい。上記金属は、上記導電部(導電層)を構成する金属と同じであってもよく、異なっていてもよい。
上記芯物質の形状は特に限定されない。芯物質の形状は塊状であることが好ましい。芯物質としては、例えば、粒子状の塊、複数の微小粒子が凝集した凝集塊、及び不定形の塊等が挙げられる。
上記芯物質の平均径(平均粒子径)は、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記芯物質の平均径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗を効果的に低くすることができる。
上記芯物質の平均粒子径は、数平均粒子径であることが好ましい。芯物質の平均粒子径は、例えば、任意の芯物質50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、各芯物質の粒子径の平均値を算出することや、レーザー回折式粒度分布測定を行うことにより求められる。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察では、1個当たりの芯物質の粒子径は、円相当径での粒子径として求められる。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察において、任意の50個の芯物質の円相当径での平均粒子径は、球相当径での平均粒子径とほぼ等しくなる。レーザー回折式粒度分布測定では、1個当たりの芯物質の粒子径は、球相当径での粒子径として求められる。上記芯物質の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定により算出することが好ましい。
絶縁性粒子:
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子は、上記導電性粒子の表面上に配置された複数の絶縁性粒子を備える。この場合には、上記絶縁性粒子付き導電性粒子を電極間の接続に用いると、隣接する電極間の短絡を防止できる。具体的には、複数の絶縁性粒子付き導電性粒子が接触したときに、複数の電極間に絶縁性粒子が存在するので、上下の電極間ではなく横方向に隣り合う電極間の短絡を防止できる。なお、電極間の接続の際に、2つの電極で絶縁性粒子付き導電性粒子を加圧することにより、導電性粒子の導電部と電極との間の絶縁性粒子を容易に排除できる。さらに、導電部の外表面に複数の突起を有する導電性粒子である場合には、導電性粒子の導電部と電極との間の絶縁性粒子をより一層容易に排除できる。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記絶縁性粒子は、重合性化合物の重合体である。上記絶縁性粒子は、複数種の重合性化合物を含む重合性成分の重合体であることが好ましい。上記重合性化合物は特に限定されない。上記重合性化合物としては、上述した樹脂粒子の材料等が挙げられる。上記絶縁性粒子は、上述した樹脂粒子であってもよい。
また、上記重合性化合物は、単独重合体のガラス転移温度が100℃未満である重合性化合物を含んでいてもよい。上記重合性成分は、単独重合体のガラス転移温度が100℃未満である重合性化合物を含んでいてもよい。上記重合性化合物は、該記重合性化合物100重量%中に、単独重合体のガラス転移温度が100℃未満である重合性化合物を10重量%以上含んでいてもよい。上記重合性成分は、該重合性成分100重量%中に、単独重合体のガラス転移温度が100℃未満である重合性化合物を10重量%以上含んでいてもよい。ここで、単独重合体のガラス転移温度が100℃未満である重合性化合物における単独重合体とは、重合性化合物を単独重合させた単独重合体を意味する。上記重合性化合物(上記重合性成分)が単独重合体のガラス転移温度が100℃未満である重合性化合物を含むと、上記絶縁性粒子をより一層柔軟にすることができ、絶縁性粒子と導電性粒子の表面との密着性をより一層高めることができる。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記重合性化合物は、第1の官能基を有する化合物と、上記第1の官能基とは異なる第2の官能基を有する化合物とを含む。上記第1の官能基及び上記第2の官能基は、反応性官能基であることが好ましい。上記第1の官能基を有する化合物及び上記第2の官能基を有する化合物は、重合性化合物であることが好ましい。上記重合性化合物は、第1の反応性官能基を有する重合性化合物と、上記第1の反応性官能基とは異なる第2の反応性官能基を有する重合性化合物とを含むことが好ましい。上記重合性成分は、第1の反応性官能基を有する重合性化合物と、上記第1の反応性官能基とは異なる第2の反応性官能基を有する重合性化合物とを含むことが好ましい。
上記第1の官能基は、環状エーテル基、イソシアネート基、アルデヒド基又はニトリル基であることが好ましく、環状エーテル基、イソシアネート基又はニトリル基であることがより好ましく、環状エーテル基又はニトリル基であることがさらに好ましい。上記環状エーテル基は、エポキシ基又はオキセタニル基であることが好ましく、エポキシ基であることがより好ましい。上記第1の官能基が、上述した好ましい官能基である場合には、絶縁性粒子付き導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができる。
上記エポキシ基を有する化合物としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、及び3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記エポキシ基を有する化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ基を有する化合物は、(メタ)アクリル酸グリシジル、又は4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルであることが好ましい。
上記環状エーテル基(上記エポキシ基を除く)を有する化合物としては、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、及び環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記環状エーテル基(上記エポキシ基を除く)を有する化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記環状エーテル基(上記エポキシ基を除く)を有する化合物は、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
上記イソシアネート基を有する化合物としては、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリル酸2-(0-[1’-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチル(メタ)アクリレート、2-(2-(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、2-プロピレンイソシアネート、1-フェニル-2-プロピレンイソシアネート、4,4-ジメチルペンテン-5-イソシアネート、2,4,4-トリメチルペンテン-5-イソシアネート、3,3-ジメチルペンテン-5-イソシアネート、2-アリル-2-イソシアネートメチル-マロン酸ジエチルエステル、1-フェニル-3-メチル-3-ブテンイソシアネート、4-ビニルベンゼンイソシアネート、1-イソシアネートメチル-4-ビニル-ベンゼン、及び1,1-(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等が挙げられる。上記イソシアネート基を有する化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記イソシアネート基を有する化合物は、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は2-(2-(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネートであることが好ましい。
上記アルデヒド基を有する化合物としては、アクロレイン等が挙げられる。
上記ニトリル基を有する化合物としては、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
上記第2の官能基は、上記第1の官能基とは異なる。上記第2の官能基は、アミド基、水酸基、カルボキシル基、イミド基又はアミノ基であることが好ましく、アミド基、カルボキシル基又はアミノ基であることがより好ましく、アミド基又はカルボキシル基であることがさらに好ましい。上記第2の官能基が、上述した好ましい官能基である場合には、絶縁性粒子付き導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができる。
上記アミド基を有する化合物としては、(メタ)アクリルアミド、N-置換(メタ)アクリルアミド、及びN,N-置換(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。上記N-置換(メタ)アクリルアミドは特に限定されない。上記N-置換(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、及びN,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。上記N,N-置換(メタ)アクリルアミドは特に限定されない。上記N,N-置換(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。上記アミド基を有する化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記アミド基を有する化合物は、(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、又はN,N-ジメチル(メタ)アクリルアミドであることが好ましく、(メタ)アクリルアミドであることがより好ましい。
上記水酸基を有する化合物としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12-ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4-ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチルアクリレート、ビニルアルコール、アリルアルコール、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、及び2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記水酸基を有する化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記水酸基を有する化合物は、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又は2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
上記カルボキシル基を有する化合物としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、フマル酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸、及びこれらの塩や無水物等が挙げられる。上記カルボキシル基を有する化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記カルボキシル基を有する化合物は、(メタ)アクリル酸であることが好ましい。
上記イミド基を有する化合物としては、イミド(メタ)アクリレート、及びマレイミド等が挙げられる。上記イミド基を有する化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記イミド基を有する化合物は、イミド(メタ)アクリレートであることが好ましい。
上記アミノ基を有する化合物としては、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びN,N-ジメチルアミノプロピルメタクリレート等が挙げられる。上記アミノ基を有する化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記アミノ基を有する化合物は、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記重合性化合物は、架橋剤を含まないか、又は、上記重合性化合物100重量%中に架橋剤を10重量%以下で含むことが好ましい。上記絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記重合性成分は、架橋剤を含まないか、又は、上記重合性成分100重量%中に架橋剤を10重量%以下で含むことが好ましい。絶縁性粒子付き導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記重合性化合物が、上記重合性化合物100重量%中に上記架橋剤を7重量%以下で含むことが好ましく、上記重合性化合物100重量%中に上記架橋剤を6重量%以下で含むことがより好ましい。絶縁性粒子付き導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記重合性成分が、上記重合性成分100重量%中に上記架橋剤を7重量%以下で含むことが好ましく、上記重合性成分100重量%中に上記架橋剤を6重量%以下で含むことがより好ましい。絶縁性粒子付き導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記重合性化合物が、上記重合性化合物100重量%中に上記架橋剤を5重量%以下で含むことがより一層好ましく、上記重合性化合物100重量%中に上記架橋剤を5重量%未満で含むことがさらに好ましい。絶縁性粒子付き導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記重合性成分が、上記重合性成分100重量%中に上記架橋剤を5重量%以下で含むことがより一層好ましく、上記重合性成分100重量%中に上記架橋剤を5重量%未満で含むことがさらに好ましい。絶縁性粒子付き導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記重合性化合物は、架橋剤を含まないことが特に好ましい。絶縁性粒子付き導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記重合性成分は、架橋剤を含まないことが特に好ましい。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、下記式(1)により求められる上記絶縁性粒子の架橋度は、10以上であることが好ましく、14以上であることがより好ましい。上記絶縁性粒子の架橋度が、上記下限以上であると、絶縁性粒子付き導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができる。
架橋度=A×[(B/D)×100]+[(C/D)×100] 式(1)
上記式(1)中、Aは架橋剤の重合性官能基数であり、Bは架橋剤のモル数であり、Cは上記第1の官能基を有する化合物及び上記第2の官能基を有する化合物の合計のモル数であり、Dは上記重合性化合物の合計のモル数である。
上記架橋剤は特に限定されない。上記架橋剤は、1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する重合性化合物であることが好ましい。上記架橋剤としては、上述した樹脂粒子の材料である架橋性の単量体等が挙げられる。上記重合性化合物の反応を容易に制御する観点からは、上記架橋剤は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート又はテトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレートであることが好ましい。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記重合体が上記第1の官能基と上記第2の官能基とを有するという構成(第1の構成)を備えるか、又は、上記重合体が上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応した構造を含むという構成(第2の構成)を備える。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子が上記第1の構成を備える場合には、上記重合体が、上記第1の官能基と上記第2の官能基とを有しており、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応していない。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子が上記第1の構成を備える場合には、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応していないので、絶縁性粒子の架橋度が低く、柔軟性を有しており、絶縁性粒子と導電性粒子の表面との密着性を高めることができる。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子が上記第1の構成を備える場合には、上記第1の官能基と上記第2の官能基とは、刺激により反応可能な性質を有することが好ましい。上記刺激は、加熱又は光の照射であることが好ましく、加熱であることがより好ましい。なお、反応可能な性質とは、化学結合を形成することができる性質を意味する。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、刺激(加熱又は光の照射)により、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが化学結合を形成することが好ましい。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子が上記第2の構成を備える場合には、上記重合体が、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応した構造を含んでおり、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応している。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子が上記第2の構成を備える場合には、上記第1の官能基と上記第2の官能基とが反応しているので、絶縁性粒子の架橋度を高めることができ、絶縁性粒子の耐溶剤性を高めることができる。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記第1の構成を備える絶縁性粒子付き導電性粒子を加熱又は光を照射することにより、上記第2の構成を備える絶縁性粒子付き導電性粒子を得ることが好ましい。上記第2の構成を備える絶縁性粒子付き導電性粒子は、上記第1の構成を備える絶縁性粒子付き導電性粒子を、加熱することにより得られることがより好ましい。上記絶縁性粒子付き導電性粒子が、上記の好ましい態様を満足することで、絶縁性粒子に関して、導電性粒子の表面への密着性と耐溶剤性との双方を両立させることができる。結果として、絶縁性粒子付き導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができる。
上記導電部の表面上に上記絶縁性粒子を配置する方法としては、化学的方法、及び物理的もしくは機械的方法等が挙げられる。上記化学的方法としては、例えば、界面重合法、粒子存在下での懸濁重合法及び乳化重合法等が挙げられる。上記物理的もしくは機械的方法としては、スプレードライ、ハイブリダイゼーション、静電付着法、噴霧法、ディッピング及び真空蒸着による方法等が挙げられる。絶縁性粒子が脱離し難いことから、上記導電部の表面に、化学結合を介して上記絶縁性粒子を配置する方法が好ましい。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記導電部の表面に存在する水酸基等と、上記第1の官能基を有する化合物とが化学結合していることが好ましく、上記導電部の表面に存在する水酸基等と、上記第2の官能基を有する化合物とが化学結合していることが好ましい。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記導電部の表面に存在する水酸基等と、上記第1の官能基とが化学結合していてもよく、上記導電部の表面に存在する水酸基等と、上記第1の官能基とが化学結合していなくてもよい。本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子では、上記導電部の表面に存在する水酸基等と、上記第2の官能基とが化学結合していてもよく、上記導電部の表面に存在する水酸基等と、上記第2の官能基とが化学結合していなくてもよい。
上記導電部の外表面、及び上記絶縁性粒子の外表面はそれぞれ、反応性官能基を有する化合物によって被覆されていてもよい。上記導電部の外表面と上記絶縁性粒子の外表面とは、直接化学結合していなくてもよく、反応性官能基を有する化合物によって間接的に化学結合していてもよい。上記導電部の外表面にカルボキシル基を導入した後、該カルボキシル基がポリエチレンイミン等の高分子電解質を介して絶縁性粒子の外表面の官能基と化学結合していても構わない。
上記絶縁性粒子の粒子径は、上記絶縁性粒子付き導電性粒子の粒子径及び上記絶縁性粒子付き導電性粒子の用途等によって適宜選択できる。上記絶縁性粒子の粒子径は、好ましくは10nm以上、より好ましくは100nm以上、さらに好ましくは200nm以上、特に好ましくは300nm以上であり、好ましくは4000nm以下、より好ましくは2000nm以下、さらに好ましくは1500nm以下、特に好ましくは1000nm以下である。上記絶縁性粒子の粒子径が、上記下限以上であると、上記絶縁性粒子付き導電性粒子がバインダー樹脂中に分散されたときに、複数の上記絶縁性粒子付き導電性粒子における導電部同士が接触し難くなる。上記絶縁性粒子の粒子径が、上記上限以下であると、電極間の接続の際に、電極と導電性粒子との間の絶縁性粒子を排除するために、圧力を高くしすぎる必要がなくなり、高温に加熱する必要もなくなる。
上記絶縁性粒子の粒子径は、数平均粒子径を示す。上記絶縁性粒子の粒子径は粒度分布測定装置等を用いて求められる。上記絶縁性粒子の粒子径は、任意の絶縁性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求めることが好ましい。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察では、1個当たりの絶縁性粒子の粒子径は、円相当径での粒子径として求められる。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察において、任意の50個の絶縁性粒子の円相当径での平均粒子径は、球相当径での平均粒子径とほぼ等しくなる。粒度分布測定装置では、1個当たりの絶縁性粒子の粒子径は、球相当径での粒子径として求められる。上記絶縁性粒子の粒子径は、粒度分布測定装置により算出することが好ましい。上記絶縁性粒子付き導電性粒子において、上記絶縁性粒子の粒子径を測定する場合には、例えば、以下のようにして測定できる。
絶縁性粒子付き導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。その検査用埋め込み樹脂中の分散した絶縁性粒子付き導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、絶縁性粒子付き導電性粒子の断面を切り出す。そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、50個の絶縁性粒子付き導電性粒子を無作為に選択し、各絶縁性粒子付き導電性粒子の絶縁性粒子を観察する。各絶縁性粒子付き導電性粒子における絶縁性粒子の粒子径を計測し、それらを算術平均して絶縁性粒子の粒子径とする。
本発明に係る絶縁性粒子付き導電性粒子は、粒子径の異なる2種以上の絶縁性粒子を併用してもよい。粒子径の異なる2種以上の絶縁性粒子を併用することにより、粒子径の大きい絶縁性粒子により被覆された隙間に、粒子径の小さい絶縁性粒子が入り込み、上記被覆率をより一層効果的に高めることができる。粒子径の異なる2種以上の絶縁性粒子を併用する場合には、上記絶縁性粒子は、粒子径が0.1μm以上0.25μm未満の第1の絶縁性粒子と、粒子径が0.25μm以上0.8μm以下の第2の絶縁性粒子とを含むことが好ましい。上記第1の絶縁性粒子の粒度分布は、上記第2の絶縁性粒子の粒度分布と重複する部分がないことが好ましい。上記第1の絶縁性粒子の平均粒子径と上記第2の絶縁性粒子の平均粒子径とは、異なることが好ましい。
上記絶縁性粒子の粒子径の変動係数(CV値)は、20%以下であることが好ましい。上記絶縁性粒子の粒子径の変動係数が、上記上限以下であると、得られる絶縁性粒子付き導電性粒子の絶縁性粒子の厚みがより一層均一となり、導電接続の際に均一に圧力をより一層容易に付与することができ、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができる。
上記変動係数(CV値)は、以下のようにして測定できる。
CV値(%)=(ρ/Dn)×100
ρ:絶縁性粒子の粒子径の標準偏差
Dn:絶縁性粒子の粒子径の平均値
上記絶縁性粒子の形状は特に限定されない。上記絶縁性粒子の形状は、球状であってもよく、球状以外の形状であってもよく、扁平状等であってもよい。
(導電材料)
本発明に係る導電材料は、上述した絶縁性粒子付き導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む。上記絶縁性粒子付き導電性粒子は、バインダー樹脂中に分散されて用いられることが好ましく、バインダー樹脂中に分散されて導電材料として用いられることが好ましい。上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。上記導電材料は、電極間の電気的な接続に用いられることが好ましい。上記導電材料は回路接続用導電材料であることが好ましい。上記導電材料では、上述した絶縁性粒子付き導電性粒子が用いられているので、上記絶縁性粒子付き導電性粒子をバインダー樹脂中に分散させる等の導電接続前に絶縁性粒子付き導電性粒子の表面から絶縁性粒子が意図せずに脱離することを防止でき、電極間の絶縁信頼性をより一層高めることができる。
上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂として、公知の絶縁性の樹脂が用いられる。上記バインダー樹脂は、熱可塑性成分(熱可塑性化合物)又は硬化性成分を含むことが好ましく、硬化性成分を含むことがより好ましい。上記硬化性成分としては、光硬化性成分及び熱硬化性成分が挙げられる。上記光硬化性成分は、光硬化性化合物及び光重合開始剤を含むことが好ましい。上記熱硬化性成分は、熱硬化性化合物及び熱硬化剤を含むことが好ましい。
上記バインダー樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニル樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂又は湿気硬化型樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は、硬化剤と併用されてもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体としては、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーとしては、例えば、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル-スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
上記導電材料は、上記絶縁性粒子付き導電性粒子及び上記バインダー樹脂の他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
上記バインダー樹脂中に上記絶縁性粒子付き導電性粒子を分散させる方法は、従来公知の分散方法を用いることができ、特に限定されない。上記バインダー樹脂中に上記絶縁性粒子付き導電性粒子を分散させる方法としては、例えば、以下の方法等が挙げられる。上記バインダー樹脂中に上記絶縁性粒子付き導電性粒子を添加した後、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法。上記絶縁性粒子付き導電性粒子を水又は有機溶剤中にホモジナイザー等を用いて均一に分散させた後、上記バインダー樹脂中に添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法。上記バインダー樹脂を水又は有機溶剤等で希釈した後、上記絶縁性粒子付き導電性粒子を添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法。
上記導電材料の25℃での粘度(η25)は、好ましくは30Pa・s以上、より好ましくは50Pa・s以上であり、好ましくは400Pa・s以下、より好ましくは300Pa・s以下である。上記導電材料の25℃での粘度が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができ、電極間の導通信頼性をより一層効果的に高めることができる。上記粘度(η25)は、配合成分の種類及び配合量により適宜調整することができる。
上記粘度(η25)は、例えば、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)等を用いて、25℃及び5rpmの条件で測定することができる。
本発明に係る導電材料は、導電ペースト及び導電フィルム等として使用され得る。本発明に係る導電材料が、導電フィルムである場合には、導電性粒子を含む導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されていてもよい。上記導電ペーストは、異方性導電ペーストであることが好ましい。上記導電フィルムは、異方性導電フィルムであることが好ましい。
上記導電材料100重量%中、上記バインダー樹脂の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上であり、好ましくは99.99重量%以下、より好ましくは99.9重量%以下である。上記バインダー樹脂の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間に導電性粒子が効率的に配置され、導電材料により接続された接続対象部材の接続信頼性をより一層高めることができる。
上記導電材料100重量%中、上記絶縁性粒子付き導電性粒子の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下、特に好ましくは20重量%以下、最も好ましくは10重量%以下である。上記絶縁性粒子付き導電性粒子の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の導通信頼性及び絶縁信頼性をより一層高めることができる。
(接続構造体)
本発明に係る接続構造体は、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、上記第1の接続対象部材と、上記第2の接続対象部材を接続している接続部とを備える。本発明に係る接続構造体では、上記接続部の材料が、上述した絶縁性粒子付き導電性粒子であるか、又は上記絶縁性粒子付き導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料である。本発明に係る接続構造体では、上記第1の電極と上記第2の電極とが、上記絶縁性粒子付き導電性粒子における上記導電部により電気的に接続されている。
上記接続構造体は、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材との間に、上記絶縁性粒子付き導電性粒子又は上記導電材料を配置する工程と、熱圧着することにより、導電接続する工程とを経て、得ることができる。上記熱圧着時に、上記絶縁性粒子が上記絶縁性粒子付き導電性粒子から脱離することが好ましい。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る絶縁性粒子付き導電性粒子を用いた接続構造体を模式的に示す断面図である。
図4に示す接続構造体81は、第1の接続対象部材82と、第2の接続対象部材83と、第1の接続対象部材82及び第2の接続対象部材83を接続している接続部84とを備える。接続部84は、絶縁性粒子付き導電性粒子1を含む導電材料により形成されている。接続部84は、絶縁性粒子付き導電性粒子1を複数含む導電材料を硬化させることにより形成されていることが好ましい。なお、図4では、絶縁性粒子付き導電性粒子1は、図示の便宜上、略図的に示されている。絶縁性粒子付き導電性粒子1にかえて、絶縁性粒子付き導電性粒子21又は41を用いてもよい。
第1の接続対象部材82は表面(上面)に、複数の第1の電極82aを有する。第2の接続対象部材83は表面(下面)に、複数の第2の電極83aを有する。第1の電極82aと第2の電極83aとが、1つ又は複数の絶縁性粒子付き導電性粒子1における導電性粒子2により電気的に接続されている。従って、第1接続対象部材82及び第2の接続対象部材83が絶縁性粒子付き導電性粒子1における導電部により電気的に接続されている。
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例としては、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との間に上記導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。上記熱圧着の圧力は好ましくは40MPa以上、より好ましくは60MPa以上であり、好ましくは90MPa以下、より好ましくは70MPa以下である。上記熱圧着の加熱の温度は、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上であり、好ましくは140℃以下、より好ましくは120℃以下である。上記熱圧着の圧力及び温度が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電接続時に絶縁性粒子付き導電性粒子の表面から絶縁性粒子が容易に脱離でき、電極間の導通信頼性をより一層高めることができる。
上記積層体を加熱及び加圧する際に、上記導電性粒子と、上記第1の電極及び上記第2の電極との間に存在している上記絶縁性粒子を排除することができる。例えば、上記加熱及び加圧の際には、上記導電性粒子と、上記第1の電極及び上記第2の電極との間に存在している上記絶縁性粒子が、上記絶縁性粒子付き導電性粒子の表面から容易に脱離する。なお、上記加熱及び加圧の際には、上記絶縁性粒子付き導電性粒子の表面から一部の上記絶縁性粒子が脱離して、上記導電部の表面が部分的に露出することがある。上記導電部の表面が露出した部分が、上記第1電極及び上記第2の電極に接触することにより、上記導電性粒子を介して第1の電極と第2の電極とを電気的に接続することができる。
上記第1接続対象部材及び第2の接続対象部材は、特に限定されない。上記第1接続対象部材及び第2の接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、半導体パッケージ、LEDチップ、LEDパッケージ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びに樹脂フィルム、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル、リジッドフレキシブル基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板等の電子部品等が挙げられる。上記第1接続対象部材及び第2の接続対象部材は、電子部品であることが好ましい。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極、銀電極、SUS電極、及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極、銀電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極、銀電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)導電性粒子の作製
粒子径が3μmのテトラメチロールメタンテトラアクリレートとジビニルベンゼンとの共重合樹脂により形成された樹脂粒子を用意した。パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液100重量部に、基材粒子10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子を取り出した。次いで、基材粒子をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子の表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、分散液を得た。次に、ニッケル粒子スラリー(平均粒子径100nm)1gを3分間かけて上記分散液に添加し、芯物質が付着された基材粒子を含む懸濁液を得た。
また、硫酸ニッケル0.35mol/L、ジメチルアミンボラン1.38mol/L及びクエン酸ナトリウム0.5mol/Lを含むニッケルめっき液(pH8.5)を用意した。
得られた懸濁液を60℃にて攪拌しながら、上記ニッケルめっき液を懸濁液に徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子の表面にニッケル-ボロン導電層(厚み0.15μm)が形成され、導電部を表面に有する導電性粒子を得た。
(2)絶縁性粒子の作製
4つ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管及び温度プローブを取り付けた1000mLセパラブルフラスコに、下記の重合性化合物を含む組成物を入れた後、200rpmで攪拌し、窒素雰囲気下50℃で5時間重合を行った。上記組成物は、蒸留水500mL、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールメタクリレート0.2重量部(0.5mmol)、2,2’-アゾビス{2-[N-(2-カルボキシエチル)アミジノ]プロパン}0.2重量部(0.5mmol)と、重合性化合物とを含む。上記重合性化合物は、メタクリル酸メチル90重量部(0.9mol)、第1の官能基を有する化合物であるメタクリル酸グリシジル7重量部(0.05mol)、及び第2の官能基を有する化合物であるメタクリルアミド4重量部(0.05mol)を含む。反応終了後、凍結乾燥して、メタクリルアミドに由来するアミド基、及びメタクリル酸グリシジルに由来するエポキシ基を表面に有する絶縁性粒子(粒子径300nm)を得た。
(3)絶縁性粒子付き導電性粒子の作製
上記で得られた絶縁性粒子を超音波照射下で蒸留水に分散させ、絶縁性粒子の10重量%水分散液を得た。得られた導電性粒子10gを蒸留水500mLに分散させ、絶縁性粒子の10重量%水分散液1gを添加し、室温で8時間攪拌した。3μmのメッシュフィルターで濾過した後、さらにメタノールで洗浄、乾燥し、絶縁性粒子付き導電性粒子を得た。
(4)導電材料(異方性導電ペースト)の作製
得られた絶縁性粒子付き導電性粒子7重量部と、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂25重量部と、フルオレン型エポキシ樹脂4重量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂30重量部と、SI-60L(三新化学工業社製)とを配合して、3分間脱泡及び攪拌することで、導電材料(異方性導電ペースト)を得た。
(5)接続構造体の作製
L/Sが10μm/10μmであるIZO電極パターン(第1の電極、電極表面の金属のビッカース硬度100Hv)が上面に形成された透明ガラス基板を用意した。また、L/Sが10μm/10μmであるAu電極パターン(第2の電極、電極表面の金属のビッカース硬度50Hv)が下面に形成された半導体チップを用意した。
上記透明ガラス基板上に、得られた異方性導電ペーストを厚さ30μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、異方性導電ペースト層上に上記半導体チップを、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電ペースト層の温度が100℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、60MPaの圧力をかけて異方性導電ペースト層を100℃で硬化させ、接続構造体を得た。
(実施例2)
絶縁性粒子付き導電性粒子の作製の際に、絶縁性粒子付き導電性粒子を得た後、さらに、90℃及び2時間の条件で加熱し、絶縁性粒子の表面のアミド基とエポキシ基とを反応させた絶縁性粒子付き導電性粒子(絶縁性粒子がアミド基とエポキシ基とが反応した構造を含む)を得た。得られた絶縁性粒子付き導電性粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電材料、接続構造体を得た。
(実施例3)
絶縁性粒子の作製の際に、上記重合性化合物に関して、メタクリル酸メチルの配合量を80重量部(0.8mol)に変更し、第1の官能基を有する化合物であるメタクリル酸グリシジルの配合量を14重量部(0.1mol)に変更し、第2の官能基を有する化合物であるメタクリルアミドの配合量を9重量部(0.1mol)に変更した。上記の変更以外は、実施例2と同様にして、絶縁性粒子付き導電性粒子、導電材料、接続構造体を得た。
(実施例4)
絶縁性粒子の作製の際に、上記重合性化合物に関して、メタクリル酸メチルの配合量を80重量部(0.8mol)に変更した。さらに、第1の官能基を有する化合物であるメタクリル酸グリシジル7重量部(0.05mol)の代わりに、第1の官能基を有する化合物であるメタクリロニトリル7重量部(0.1mol)を用いた。さらに、第2の官能基を有する化合物であるメタクリルアミド4重量部(0.05mol)の代わりに、第2の官能基を有する化合物であるメタクリル酸9重量部(0.1mol)を用いた。上記の変更以外は、実施例2と同様にして、絶縁性粒子付き導電性粒子、導電材料、接続構造体を得た。
(実施例5)
絶縁性粒子の作製の際に、上記重合性化合物に関して、メタクリル酸メチルの配合量を92重量部(0.92mol)に変更し、第1の官能基を有する化合物であるメタクリル酸グリシジルの配合量を4重量部(0.03mol)に変更し、第2の官能基を有する化合物であるメタクリルアミドの配合量を3重量部(0.03mol)に変更した。さらに、架橋剤であるエチレングリコールジメタクリレートを4重量部(0.02mol)追加した。上記の変更以外は、実施例2と同様にして、絶縁性粒子付き導電性粒子、導電材料、接続構造体を得た。
(実施例6)
絶縁性粒子の作製の際に、上記重合性化合物に関して、メタクリル酸メチルの配合量を58重量部(0.58mol)に変更し、第1の官能基を有する化合物であるメタクリル酸グリシジルの配合量を14重量部(0.1mol)に変更し、第2の官能基を有する化合物であるメタクリルアミドの配合量を9重量部(0.1mol)に変更した。さらに、ベンジルメタクリレートを35重量部(0.2mol)追加し、架橋剤であるトリメチロールプロパントリアクリレートを6重量部(0.02mol)追加した。上記の変更以外は、実施例2と同様にして、絶縁性粒子付き導電性粒子、導電材料、接続構造体を得た。
(実施例7)
絶縁性粒子の作製の際に、上記重合性化合物に関して、メタクリル酸メチルの配合量を56重量部(0.56mol)に変更し、第1の官能基を有する化合物であるメタクリル酸グリシジルの配合量を14重量部(0.1mol)に変更し、第2の官能基を有する化合物であるメタクリルアミドの配合量を9重量部(0.1mol)に変更した。さらに、ベンジルメタクリレートを35重量部(0.2mol)追加し、架橋剤であるエチレングリコールジメタクリレートを8重量部(0.04mol)追加した。上記の変更以外は、実施例2と同様にして、絶縁性粒子付き導電性粒子、導電材料、接続構造体を得た。
(比較例1)
絶縁性粒子の作製の際に、上記重合性化合物に関して、メタクリル酸メチルの配合量を88重量部(0.88mol)に変更し、第1の官能基を有する化合物であるメタクリル酸グリシジルの配合量を14重量部(0.1mol)に変更し、第2の官能基を有する化合物であるメタクリルアミド4重量部(0.05mol)を加えなかった。さらに、架橋剤であるエチレングリコールジメタクリレートを4重量部(0.02mol)追加した。上記の変更以外は、実施例1と同様にして、絶縁性粒子付き導電性粒子、導電材料、接続構造体を得た。
(比較例2)
絶縁性粒子の作製の際に、上記重合性化合物に関して、メタクリル酸メチルの配合量を85重量部(0.85mol)に変更し、第1の官能基を有する化合物であるメタクリル酸グリシジル7重量部(0.05mol)を加えなかった。また、第2の官能基を有する化合物であるメタクリルアミドの配合量を9重量部(0.1mol)に変更した。さらに、架橋剤であるトリメチロールプロパントリアクリレートを15重量部(0.05mol)追加した。上記の変更以外は、実施例1と同様にして、絶縁性粒子付き導電性粒子、導電材料、接続構造体を得た。
(評価)
(1)絶縁性粒子の密着性
絶縁性粒子の密着性を以下のようにして評価した。絶縁性粒子の密着性を下記の基準で判定した。
絶縁性粒子の密着性の評価方法:
任意の50個の絶縁性粒子付き導電性粒子を、作製の直後に走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。また、得られた導電材料を用いて、絶縁性粒子付き導電性粒子分散液を調製した後にも任意の50個の絶縁性粒子付き導電性粒子を、SEMを用いて観察した。これらのSEMによる観察の結果から、作製直後の絶縁性粒子付き導電性粒子における絶縁性粒子の被覆数と、分散液調整後の絶縁性粒子付き導電性粒子における絶縁性粒子の被覆数とを比較した。なお、SEM観察において、観察された絶縁性粒子の総数を被覆数とした。
[絶縁性粒子の密着性の判定基準]
○○○:作製直後の絶縁性粒子付き導電性粒子における絶縁性粒子の被覆数に対する分散液調整後の絶縁性粒子付き導電性粒子における絶縁性粒子の被覆数の割合が90%以上
○○:作製直後の絶縁性粒子付き導電性粒子における絶縁性粒子の被覆数に対する分散液調整後の絶縁性粒子付き導電性粒子における絶縁性粒子の被覆数の割合が70%以上90%未満
○:作製直後の絶縁性粒子付き導電性粒子における絶縁性粒子の被覆数に対する分散液調整後の絶縁性粒子付き導電性粒子における絶縁性粒子の被覆数の割合が50%以上70%未満
×:作製直後の絶縁性粒子付き導電性粒子における絶縁性粒子の被覆数に対する分散液調整後の絶縁性粒子付き導電性粒子における絶縁性粒子の被覆数の割合が50%未満
(2)導通信頼性(上下の電極間)
得られた20個の接続構造体の上下の電極間の接続抵抗をそれぞれ、4端子法により測定した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めることができる。導通信頼性を下記の基準で判定した。
[導通信頼性の判定基準]
○○○:接続抵抗が1.5Ω以下
○○:接続抵抗が1.5Ωを超え2.0Ω以下
○:接続抵抗が2.0Ωを超え5.0Ω以下
△:接続抵抗が5.0Ωを超え10Ω以下
×:接続抵抗が10Ωを超える
(3)絶縁信頼性(横方向に隣り合う電極間)
上記(2)導通信頼性の評価で得られた20個の接続構造体において、隣接する電極間のリークの有無を、テスターで抵抗値を測定することにより評価した。絶縁信頼性を下記の基準で評価した。
[絶縁信頼性の判定基準]
○○○:抵抗値が10Ω以上の接続構造体の個数が、20個
○○:抵抗値が10Ω以上の接続構造体の個数が、18個以上20個未満
○:抵抗値が10Ω以上の接続構造体の個数が、15個以上18個未満
△:抵抗値が10Ω以上の接続構造体の個数が、10個以上15個未満
×:抵抗値が10Ω以上の接続構造体の個数が、5個以上10個未満
××:抵抗値が10Ω以上の接続構造体の個数が、5個未満
結果を下記の表1に示す。
Figure 0007312109000001
1…絶縁性粒子付き導電性粒子
2…導電性粒子
3…絶縁性粒子
11…基材粒子
12…導電部
21…絶縁性粒子付き導電性粒子
22…導電性粒子
31…導電部
32…芯物質
33…突起
41…絶縁性粒子付き導電性粒子
42…導電性粒子
51…導電部
52…突起
81…接続構造体
82…第1の接続対象部材
82a…第1の電極
83…第2の接続対象部材
83a…第2の電極
84…接続部

Claims (16)

  1. 導電部を少なくとも表面に有する導電性粒子と、
    前記導電性粒子の表面上に配置された複数の絶縁性粒子とを備え、
    前記絶縁性粒子が、重合性化合物の重合体であり、
    前記重合性化合物が、第1の官能基を有する化合物と、前記第1の官能基とは異なる第2の官能基を有する化合物とを含み、
    前記重合体が、前記第1の官能基と前記第2の官能基とを有し、
    前記第1の官能基が、環状エーテル基、イソシアネート基、アルデヒド基又はニトリル基である、絶縁性粒子付き導電性粒子。
  2. 前記重合性化合物が、架橋剤を含まないか、又は、前記重合性化合物100重量%中に架橋剤を10重量%以下で含む、請求項1に記載の絶縁性粒子付き導電性粒子。
  3. 前記第1の官能基と前記第2の官能基とが、刺激により反応可能な性質を有する、請求項1又は2に記載の絶縁性粒子付き導電性粒子。
  4. 前記刺激が、加熱又は光の照射である、請求項3に記載の絶縁性粒子付き導電性粒子。
  5. 導電部を少なくとも表面に有する導電性粒子と、
    前記導電性粒子の表面上に配置された複数の絶縁性粒子とを備え、
    前記絶縁性粒子が、重合性化合物の重合体であり、
    前記重合性化合物が、第1の官能基を有する化合物と、前記第1の官能基とは異なる第2の官能基を有する化合物とを含み、
    前記重合体が、前記第1の官能基と前記第2の官能基とが反応した構造を含み、
    前記第1の官能基が、環状エーテル基、イソシアネート基、アルデヒド基又はニトリル基である、絶縁性粒子付き導電性粒子。
  6. 前記重合性化合物が、架橋剤を含まないか、又は、前記重合性化合物100重量%中に架橋剤を10重量%以下で含む、請求項5に記載の絶縁性粒子付き導電性粒子。
  7. 下記式(1)により求められる前記絶縁性粒子の架橋度が、10以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の絶縁性粒子付き導電性粒子。
    架橋度=A×[(B/D)×100]+[(C/D)×100] 式(1)
    前記式(1)中、Aは架橋剤の重合性官能基数であり、Bは架橋剤のモル数であり、Cは前記第1の官能基を有する化合物及び前記第2の官能基を有する化合物の合計のモル数であり、Dは前記重合性化合物の合計のモル数である。
  8. 前記環状エーテル基が、エポキシ基又はオキセタニル基である、請求項1~7のいずれか1項に記載の絶縁性粒子付き導電性粒子。
  9. 前記第2の官能基が、アミド基、水酸基、カルボキシル基、イミド基又はアミノ基である、請求項1~のいずれか1項に記載の絶縁性粒子付き導電性粒子。
  10. 前記導電性粒子の粒子径が、1μm以上5μm以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の絶縁性粒子付き導電性粒子。
  11. 導電部を少なくとも表面に有する導電性粒子と、複数の絶縁性粒子とを用いて、
    前記導電性粒子の表面上に前記絶縁性粒子を配置する配置工程を備え、
    前記絶縁性粒子が、重合性化合物の重合体であり、
    前記重合性化合物が、第1の官能基を有する化合物と、前記第1の官能基とは異なる第2の官能基を有する化合物とを含み、
    前記第1の官能基が、環状エーテル基、イソシアネート基、アルデヒド基又はニトリル基である、絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法。
  12. 前記重合性化合物が、架橋剤を含まないか、又は、前記重合性化合物100重量%中に架橋剤を10重量%以下で含む、請求項11に記載の絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法。
  13. 前記配置工程の温度が50℃未満であり、
    前記重合体が、前記第1の官能基と前記第2の官能基とを有する絶縁性粒子付き導電性粒子を得る、請求項11又は12に記載の絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法。
  14. 前記配置工程の後に、前記絶縁性粒子付き導電性粒子を加熱する加熱工程を備え、
    前記加熱工程の加熱温度が70℃以上であり、前記加熱工程の加熱時間が1時間以上であり、
    前記重合体が、前記第1の官能基と前記第2の官能基とが反応した構造を含む絶縁性粒子付き導電性粒子を得る、請求項1113のいずれか1項に記載の絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法。
  15. 請求項1~10のいずれか1項に記載の絶縁性粒子付き導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む、導電材料。
  16. 第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、
    第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、
    前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、
    前記接続部の材料が、請求項1~10のいずれか1項に記載の絶縁性粒子付き導電性粒子であるか、又は前記絶縁性粒子付き導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料であり、
    前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記絶縁性粒子付き導電性粒子における前記導電部により電気的に接続されている、接続構造体。
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