JP2013108026A - サブミクロン重合体粒子及びこれを備えた絶縁被覆導電粒子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】重合性モノマは溶解するが生成するポリマは溶解しない媒体中、分散安定剤の非存在下、(A)二重結合及び加水分解性シリル基を有する重合性モノマと、(B)親水性官能基を有する重合性モノマとを重合させることにより得られるサブミクロン重合体粒子。
【選択図】図1
Description
(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、及び、炭素数6〜10のアラルキル基からなる群から選ばれる炭化水素基を示し、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、又は、ハロゲン原子を示し、nは1〜3の整数を示す。)
サブミクロン重合体粒子(以下、絶縁被覆用粒子ともいう。)は有機高分子からなる絶縁性粒子であり、(A)二重結合及び加水分解性シリル基を有する重合性モノマと、(B)親水性官能基を有する重合性モノマとを重合させることにより得られ、(A)二重結合及び加水分解性シリル基を有する重合性モノマが、全重合性モノマ中で15〜70mol%を占めるものである。
(A)二重結合及び加水分解性シリル基を有する重合性モノマにおいて、加水分解性シリル基とは下記の構造を有するものである。
式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアラルキル基からなる群から選ばれる炭化水素基を示す。Xは、例えば−OCH3、−OC2H5等のアルコキシ基、−Cl、−Br等のハロゲン原子等の加水分解可能な基である。nは1〜3の整数を示す。また、二重結合とは、ラジカル重合可能な二重結合である。
(B)親水性官能基を有する重合性モノマの親水性官能基としては、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、カルボニル基、エーテル基、シアノ基、アミド基、スルホ基、リン酸基、第4級アンモニウム(塩)基、アルキレンオキサイド基等が挙げられる。なお、重合性モノマには、上記親水性官能基が1種が単独で存在していてもよく、2種以上が混在していてもよい。このような親水性官能基を有する重合性モノマとしては、例えば、下記のものが挙げられる。以下の説明において「C」は炭素原子を意味する。
アクリル酸アミノエチル、アクリル酸−N−プロピルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−N−エチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸−N−フェニルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−N−シクロヘキシルアミノエチル等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル誘導体、アリルアミン、N−メチルアリルアミン等のアリルアミン系誘導体、p−アミノスチレン等のアミノ基含有スチレン誘導体、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン等のトリアジン誘導体等が挙げられる。これらの中でも1級又は2級アミノ基を有する化合物が好ましい。なお、これらの化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸、イタコン酸モノブチル等のイタコン酸モノC1〜8アルキルエステル、マレイン酸モノブチル等のマレイン酸モノC1〜8アルキルエステル、ビニル安息香酸等のビニル基含有芳香族カルボン酸等の各種カルボキシル基含有単量体及びこれらの塩等が挙げられる。なお、これらの化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル系単量体、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリル系単量体、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル系単量体、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル等の水酸基含有アリル単量体等が挙げられる。なお、これらの化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸2−メルカプトエチル、(メタ)アクリル酸2−メルカプト−1−カルボキシエチル、N−(2−メルカプトエチル)アクリルアミド、N−(2−メルカプト−1−カルボキシエチル)アクリルアミド、N−(2−メルカプトエチル)メタクリルアミド、N−(4−メルカプトフェニル)アクリルアミド、N−(7−メルカプトナフチル)アクリルアミド、マレイン酸モノ2−メルカプトエチルアミド等が挙げられる。
ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等が挙げられる。なお、これらの化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる
。
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系単量体が挙げられる。
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ヘキセンニトリル、4−ペンテンニトリル、p−シアノスチレン等が挙げられる。なお、これらの化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル−p−スチレンスルホンアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。なお、これらの化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸等のアルケンスルホン酸、スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、C1〜10アルキル(メタ)アリルスルホコハク酸エステル、スルホプロピル(メタ)アクリレート等のスルホC2〜6アルキル(メタ)アクリレート、メチルビニルスルホネート,2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有不飽和エステル及びこれらの塩等が挙げられる。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルリン酸モノエステル、ビニルリン酸等のリン酸基含有不飽和エステル及びこれらの塩等が挙げられる。なお、これらの化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
C1〜12アルキルクロライド、ジアルキル硫酸、ジアルキルカーボネート、ベンジルクロライド等の4級化剤により、3級アミンを4級化したものが挙げられる。具体例としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリレート系第4級アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリルアミド系第4級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウム(メタ)アクリレート、トリメチルベンジルアンモニウム(メタ)アクリレート、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムジメチルホスフェート等が挙げられる。なお、これらの化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリル系単量体、メトキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリル系単量体等が挙げられる。なお、これらの化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、上記(A)二重結合及び加水分解性シリル基を有する重合性モノマ及び(B)親水性官能基を有する重合性モノマに加え、これらと共重合可能な重合性モノマを併用することもできる。
サブミクロン重合体粒子の合成においては、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、公知のラジカル重合開始剤から適宜選択して用いることができる。油溶性開始剤の具体例としては、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物等が挙げられる。親水性官能基、活性水素基を有する重合性開始剤の具体例としては2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミジノプロパン、2,2’−アゾビス[2−(フェニルアミジノ)プロパン]ジヒドロクロリド(VA−545、和光純薬製)、2,2’−アゾビス{2−[N−(4−クロロフェニル)アミジノ]プロパン}ジヒドロクロリド(VA−546、和光純薬製)、2,2’−アゾビス{2−[N−(4−ドロキシフェニル)アミジノ]プロパン}ジヒドロクロリド(VA−548、和光純薬製)、2,2’−アゾビス[2−(N−ベンジルアミジノ)プロパン]ジヒドロクロリド(VA−552、和光純薬製)、2,2’−アゾビス[2−(N−アリルアミジノ)プロパン]ジヒドロクロリド(VA−553、和光純薬製)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(V−50、和光純薬製)、2,2’−アゾビス{2−[N−(4−ヒドロキシエチル)アミジノ]プロパン}ジヒドロクロリド(VA−558、和光純薬製)、2,2−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VA−041、和光純薬製)、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VA−044、和光純薬製)、2,2−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VA−054、和光純薬製)、2,2−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VA−058、和光純薬製)、2,2−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VA−059、和光純薬製)、2,2−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロリド(VA−060、和光純薬製)、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](VA−061、和光純薬製)、ペルオキソ二硫酸カリウム(和光純薬製)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム(和光純薬製)が挙げられる。また高分子アゾ開始剤としてポリジメチルシロキサンユニット含有高分子アゾ重合開始剤(VPS−1001、和光純薬製)、ポリエチレングリコールユニット含有高分子アゾ重合開始剤(VPE−0201,VPE−0401,VPE−0601、和光純薬製)等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、上記ラジカル重合開始剤の配合量は、通常、重合性モノマ100質量部に対して、0.1〜50質量部である。
サブミクロン重合体粒子の合成は、重合性モノマは溶解するが生成するポリマは溶解しない媒体中で行うことが好ましく、分散安定剤の非存在下で行うこともできる。合成用媒体(溶媒)としては、重合性モノマは溶解するが生成するポリマ(微粒子)は溶解しない媒体であれば特に限定されるものではなく、一般的な溶媒の中から、使用する原料等に応じて適宜なものを選択すればよい。使用可能な溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチルブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、(アルキル)セロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のエステル類;ペンタン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、デカン、ノナン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、ジシクロヘキシル、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の脂肪族又は芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、テトラブロムエタン等のハロゲン化炭化水素類;エチルエーテル、ジメチルエーテル、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪酸類;ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリドン等の硫黄、窒素含有有機化合物類等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、中でもアセトニトリルを使用することが、粒径の制御、分散性の点で好ましい。
上記方法によって得られる重合体粒子は加水分解性シリル基を含有するため、酸又はアルカリによって加水分解すると該シリル基はシラノール基となり、シラノール基相互反応してシラン架橋を生成する。この際用いられる酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、蟻酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸等、トリクロロ酢酸等の有機酸があり、アルカリとしては水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、アミン等がある。また、マレイン酸ジ−n−ブチル錫、ラウリン酸−n−ジブチル錫等の錫系触媒を加えて架橋を進行させる。硬化触媒は架橋後、遠心分離による洗浄により除去されることが好ましい。触媒の添加は、粒子合成後、遠心分離後であってもよい。望ましくは遠心分離後に硬化触媒を添加する。
平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて粒子径を100個観察した平均値である。粒径の変動係数(C.V.)は以下の式(1)を用いて算出される。
C.V.={(粒径の標準偏差)/(平均粒径)}×100(%) ・・・(1)
同じ実験を5回ロット合成し、ロット間の粒径の変動係数(C.V.)を算出した。ロット間粒径C.V.は以下の式(2)を用いて算出される。
ロット間粒径の変動係数(C.V.)={(ロット間粒径の標準偏差)/(ロット間平均粒径)}×100 ・・・(2)
溶存酸素量は、サブミクロン重合体粒子の合成における重合溶媒中に溶存している酸素量である。溶存酸素量が低い場合、溶存酸素による重合阻害を防止できるためロット間の粒径の変動係数(C.V.)を低下することができる。好ましくは2mg/L以下であり、更に好ましくは1mg/L以下、最も好ましくは0.1mg/L以下である。
絶縁被覆用粒子がその表面にシラノール基を有する場合、シランカップリング剤又はシランカップリング剤をオリゴマー化したシリコーンオリゴマーにより処理することによって、後述する絶縁被覆導電粒子の絶縁信頼性を向上することができる。また、粒子表面への反応のし易さから上記シランカップリング剤をシリコーンオリゴマー化して使用することが好ましい。シリコーンオリゴマーは、縮合反応により予め3次元架橋されていることが好ましい。また、シリコーンオリゴマーは、疎水性基と、シリカ等の無機材料と反応する官能基とを有していることが好ましい。
重合度=重量平均分子量/シロキサン単位の分子量 ・・・(3)
なお、シリコーンオリゴマー中に複数種のシロキサン単位が含まれる場合、それらの平均値によって重合度が計算される。
基材粒子は、その表面が導電性を有する金属からなり、導電粒子として機能するものである。この場合、図1に示されるように、基材粒子2は無機化合物や有機化合物からなる球状芯材粒子2aの表面に導電性を有する金属の層2bがめっき等で形成されたものでもよく、導電性を有する金属のみからなる金属粒子であってもよい。なかでも、有機化合物からなる球状芯材粒子の表面に導電性の金属層が形成されたものは、基板間を導電接続する際の圧着時に変形して接合面積を増やすことができることから、接続安定性の点で好ましい。
本実施形態の絶縁被覆導電粒子は、上記基材粒子の表面が上記絶縁被覆用粒子(サブミクロン重合体粒子)で被覆されてなるものである。ここで、絶縁被覆用粒子は、その表面積の20%以下が上記基材粒子の表面と接触していることが好ましい。接触する表面積が20%を超えると、上記絶縁被覆用粒子の変形が大きく、得られる被覆導電粒子の大きさが不均一となる傾向がある。なお、下限については特に限定されず、絶縁被覆用粒子と基材粒子とが、例えば鎖長の長いポリマ等により結ばれている場合には、実質的に0%であってもよい。
被覆率(%)={(基材粒子表面の絶縁被覆用粒子で覆われている部分の面積)/(基材粒子の全表面積)}×100 ・・・(4)
絶縁被覆導電粒子を絶縁性のバインダー樹脂中に分散させることによって、接着剤組成物を調製することができる。そして、この接着剤組成物は、異方導電性材料(回路接続材料)として使用することができる。異方導電性材料は、フィルム状に成形して異方導電性フィルムを使用してもよい。図2に示す異方導電性フィルム50は、絶縁性のバインダー樹脂20に導電粒子10を分散させた接着剤組成物を、フィルム状に成形したものである。
図3に示す接続構造体100は、相互に対向する第1の回路部材30及び第2の回路部材40を備えており、第1の回路部材30と第2の回路部材40との間には、これらを接続する接続部50aが設けられている。
図4は、異方導電性材料を用いて上記接続構造体を製造する工程を概略断面図により示す工程図である。本実施形態では、異方導電性材料を熱硬化させて接続構造体を製造する。
<実施例1>
(粒子の合成)
500mlフラスコに下記に示した各化合物を一括して仕込み、窒素(100mL/min)にて1h溶存酸素を置換した後、溶存酸素計(飯島電子工業DoメーターB506)を用いて溶存酸素を測定した所、0.07mg/mLであった。その後、攪拌機を用い、ウォーターバス温度80℃で、約6時間加熱撹拌をして、重合体粒子分散液を得た。
メタクリル酸 2.5g
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 0.36g
アセトニトリル 350g
次に、得られた分散液を遠心分離機を用いて粒子を沈降させ、上澄みを捨てた後、再度アセトニトリルを添加し、粒子を再分散させた。その後、粒子硬化触媒としてアンモニア水溶液(28wt%)を1.76g(粒子の仕込みカルボキシル基量に対して等モル)添加し、粒子を架橋させた。続いて、再度遠心分離にて粒子を沈降させ、上澄みを捨てた後メタノールに粒子を再分散させた。ここまでの一連の実験を5回繰り返し、平均粒径、粒径の変動係数(C.V.)、ロット間の粒径の変動係数(C.V.)を算出した。結果を表1に示す。
最終的に得られた粒子分散液中にシリコーンオリゴマー(信越化学KR−212)を粒子重量と等量添加し、60℃、2時間撹拌を行った。その後、トルエンを粒子分散液の重量に対し、2倍量添加した後、さらに3倍量の水を添加し、粒子がオリゴマーにより処理され、トルエン層に移行するかどうかを確認した。結果を表1に示す。
500mlフラスコに下記に示した各化合物を一括して仕込み、窒素(100mL/min)にて1h溶存酸素を置換した後、溶存酸素を測定した所、0.07mg/mLであった。その後、攪拌機を用い、ウォーターバス温度80℃で、約6時間加熱撹拌をして、重合体粒子分散液を得た。
アクリル酸メチル 1.0g
メタクリル酸 4.0g
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 0.36g
アセトニトリル 350g
500mlフラスコに下記に示した各化合物を一括して仕込み、窒素(100mL/min)にて1h溶存酸素を置換した後、溶存酸素を測定した所、0.07mg/mLであった。その後、攪拌機を用い、ウォーターバス温度80℃で、約6時間加熱撹拌をして、重合体粒子分散液を得た。
アクリル酸メチル 1.1g
メタクリル酸 5.5g
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 0.36g
アセトニトリル 350g
500mlフラスコに下記に示した各化合物を一括して仕込み、窒素(100mL/min)にて1h溶存酸素を置換した後、溶存酸素を測定した所、0.07mg/mLであった。その後、攪拌機を用い、ウォーターバス温度80℃で、約6時間加熱撹拌をして、重合体粒子分散液を得た。
アクリル酸メチル 4.1g
メタクリル酸 6.9g
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 0.36g
アセトニトリル 350g
実施例1において溶媒の溶存酸素濃度を0.52mg/Lにした以外は同様にして行った。
実施例1において溶媒の溶存酸素濃度を0.98mg/Lにした以外は同様にして行った。
特許文献1の実施例1と同様に高分子分散安定剤の存在下で分散重合により粒子を合成した。高分子分散安定剤として、ポリビニルピロリドンを使用した。得られた粒子について、実施例1と同様に粒子の精製、評価、オリゴマー処理を行った。
特許文献2の実施例3と同様に高分子分散安定剤の存在下で分散重合により粒子を合成した。高分子分散安定剤として、ポリビニルピロリドンを使用した。得られた粒子について、実施例1と同様に粒子の精製、評価、オリゴマー処理を行った。
500mlフラスコに下記に示した各化合物を一括して仕込み、窒素(100mL/min)にて1h溶存酸素を置換した後、溶存酸素を測定した所、0.07mg/mLであった。その後、攪拌機を用い、ウォーターバス温度80℃で、約6時間加熱撹拌をして、重合体粒子分散液を得た。
ジビニルベンゼン 10.9g
メタクリル酸 3.0g
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 0.36g
アセトニトリル 350g
500mlフラスコに下記に示した各化合物を一括して仕込み、窒素(100mL/min)にて1h溶存酸素を置換した後、溶存酸素を測定した所、0.07mg/mLであった。その後、攪拌機を用い、ウォーターバス温度80℃で、約6時間加熱撹拌をして、重合体粒子分散液を得た。
メタクリル酸 9.2g
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 0.36g
アセトニトリル 350g
(導電粒子)
平均粒径3.0μmの架橋ポリスチレン粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を無電界めっきで形成し、さらにそのニッケルの外側に厚み0.04μmのパラジウム層を形成させて、導電粒子を得た。
実施例4で得られた粒子を絶縁被覆用粒子1とした。
コロイダルシリカ分散液(濃度20質量%、扶桑化学工業社製、製品名クオートロンPL−13、平均粒子径130nm)を絶縁被覆用粒子2とした。
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管、及び、温度プローブを取り付けた1000mLのセパラブルフラスコに、メタクリル酸グリシジル20mmol、メタクリル酸メチル180mmol、ジメタクリル酸エチレングリコール6mmol、メタクリル酸フェニルジメチルスルホニウムメチル硫酸塩1mmol、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミノ]ジプロパン}1mmolを含有するモノマ組成物を作製した。モノマ組成物の固形分率が5重量%となるようにイオン交換水に分散させた後、200rpmで攪拌し、窒素雰囲気下70℃で24時間重合した。反応終了後、凍結乾燥して、表面にスルホニウム基及びエポキシ基を有する平均直径310nm、粒径の変動係数(C.V.値)7%の絶縁被覆用粒子3を作製した。
比較例4で得られた粒子を絶縁被覆用粒子4とした。
メルカプト酢酸8mmoLをメタノール200mLに溶解させて反応液を作製した。この反応液に導電粒子1を10g加え、室温で2時間スリーワンモータと直径45mmの攪拌羽を用いて攪拌して、上記導電粒子の表面をメルカプト酢酸で処理した。φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過により処理後の導電粒子を取出し、取り出された導電粒子をメタノールで洗浄して、表面にカルボキシル基を有する導電粒子1gを得た。
得られた絶縁被覆導電粒子をトルエン/酢酸エチル(5/5wt%)溶液に浸漬し、5分超音波照射(24kHz)後、SEMにて絶縁被覆導電粒子を確認し、絶縁被覆用粒子が剥離しているかどうかを確認した。絶縁被覆用粒子の吸着量に変化が無い場合を○、絶縁被覆用粒子が部分的に剥離した場合を×とした。
フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製商品名、PKHC)100gと、アクリルゴム(ブチルアクリレート40部、エチルアクリレート30部、アクリロニトリル30部、グリシジルメタクリレート3部の共重合体、分子量:85万)75gを酢酸エチル400gに溶解し、30質量%溶液を得た。この溶液に、マイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(エボキシ当量185、旭化成エポキシ株式会社製、ノバキュアHX−3941)300gを加え、撹拌して接着剤溶液を準備した。
ii)セパレータを剥離し、チップのバンプとITO回路付きガラス基板の位置合わせを行った。
iii)190℃、40MPa(低圧実装条件)、10秒の条件でチップ上方から加熱及び加圧を行い、本接続を行った。
作製した接続構造体サンプルについて絶縁抵抗試験及び導通抵抗試験を行った。異方性導電接着フィルムはチップ電極間の絶縁抵抗が高く、チップ電極/ガラス電極間の導通抵抗が低いことが重要である。10サンプルのチップ電極間の絶縁抵抗を測定した。絶縁抵抗は初期値と、気温60℃、湿度90%、20V印加の条件で1000時間放置する信頼性試験(マイグレーション試験)後の値を測定した。また、信頼性試験後の絶縁抵抗が>109(Ω)であったものを良品とした場合の歩留まりを算出した。さらに、チップ電極/ガラス電極間の導通抵抗に関しては14サンプルの平均値を測定した。導通抵抗は初期値と気温85℃、湿度85%の条件で1000時間放置する信頼性試験(吸湿耐熱試験)後の値を測定した。測定結果を表2に示す。
Claims (10)
- (A)二重結合及び加水分解性シリル基を有する重合性モノマと、(B)親水性官能基を有する重合性モノマとを重合させることにより得られ、
前記(A)二重結合及び加水分解性シリル基を有する重合性モノマが、全重合性モノマ中で15〜70mol%を占めるサブミクロン重合体粒子。 - (A)二重結合及び加水分解性シリル基を有する重合性モノマと、(B)親水性官能基を有する重合性モノマと、(C)(メタ)アクリル基を有する重合性モノマとを重合させることにより得られ、
前記(A)二重結合及び加水分解性シリル基を有する重合性モノマが、全重合性モノマ中で15〜70mol%を占めるサブミクロン重合体粒子。 - 重合反応を分散安定剤の非存在下で行うことにより得られる、請求項1又は2に記載のサブミクロン重合体粒子。
- 前記(B)親水性官能基を有する重合性モノマが、全重合性モノマ中で30mol%以上を占める請求項1〜3のいずれか一項に記載のサブミクロン重合体粒子。
- 前記(A)二重結合及び加水分解性シリル基を有する重合性モノマは、二重結合を含む部分構造として(メタ)アクリル基を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のサブミクロン重合体粒子。
- 粒子表面又は粒子内部に加水分解性シリル基又はシラノール基を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のサブミクロン重合体粒子。
- 平均粒径が1μm以下、かつ、粒径の変動係数(C.V.)が10%以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載のサブミクロン重合体粒子。
- 前記媒体中の溶存酸素量を1mg/L以下として前記重合性モノマを重合させることにより得られる請求項1〜8のいずれか一項に記載のサブミクロン重合体粒子。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のサブミクロン重合体粒子と、前記サブミクロン重合体粒子によって表面の少なくとも一部が被覆された導電性を有する基材粒子とを備える、絶縁被覆導電粒子。
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