JP7311340B2 - スパウト付きパウチおよびエアゾール容器 - Google Patents
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Description
しかしながら、パウチ本体85に折り線F1,F2を形成すると、シール部におけるスパウト90との接触する部位には折り線F1,F2に沿って強度の低下が生じるため、落下したときの衝撃力や、内容物を充填するときに過度の応力が加わることにより、シール部に損傷が生じやすくなる。
前記スパウトが固着された前記パウチ本体を捲回するときに前記パウチ本体に折り線を形成する折り線形成部を有し、
前記シール部の内縁と前記折り線形成部によって形成される折り線との交点が、前記内縁上において、前記接合部の両端よりも外方に位置し、前記折り線形成部は、前記接合部に形成されていることを特徴とする。
前記スパウトが固着された前記パウチ本体を捲回するときに前記パウチ本体に折り線を形成する折り線形成部を有し、
前記シール部の内縁と前記折り線形成部によって形成される折り線との交点が、前記内縁上において、前記接合部の両端よりも外方に位置し、前記折り線形成部は、前記パウチ本体内に配置された折り線形成部材によって形成されていることを特徴とする。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るスパウト付きパウチにおける要部の構成を示す説明図である。このスパウト付きパウチ10は、積層フィルムにより形成された、内容物を収容するパウチ本体20と、このパウチ本体20内に収容された内容物を注出する樹脂製のスパウト30とを有する。また、この例のスパウト付きパウチ10においては、スパウト30には、パウチ本体20の内部の密閉空間に伸びるディップチューブ40が接続されている。
また、折り線F1,F2と、シール部21の内縁E1上における接合部32の両端を通過する、スパウト30の軸方向に伸びる仮想線V1,V2との距離は、シール部21の幅の1%以上の大きさであることが好ましく、より好ましくはシール部21の幅の5%以上の大きさであり、更に好ましくはシール部21の幅の10%以上の大きさである。折り線F1,F2と仮想線V1,V2との距離が過小である場合には、パウチ本体20に折り線F1,F2を形成する際に、シール部21における接合部32との接触する部位に強度の低下が生じやすくなるため、落下したときの衝撃力や、内容物を充填するときに過度の応力が加わることにより、シール部21に損傷が生じる虞れがある。
また、折り線F1,F2の間の距離は、エアゾール容器本体の開口に挿入可能な捲回体が得られる大きさであればよく、例えばエアゾー容器本体の開口の径が1インチである場合には、折り線F1,F2の間の距離は1インチ未満である。
そして、このスパウト付きパウチ10は、パウチ本体20におけるシール部21の内縁E1と折り線形成部35,36によって形成される折り線F1,F2との交点P1,P2が、シール部21の内縁E1上において、スパウト30における接合部32の両端よりも外方に位置するものとされる。具体的には、折り線形成部材37の外径(外周が円形でない場合は、パウチ本体20における接合部32が固着されたシール部21の一辺が伸びる方向の幅)が、シール部21の内縁E1上における接合部32の幅より大きいものとされている。
また、折り線形成部35,36が、スパウト30の接合部32とは別体の折り線形成部材37によって形成されているため、接合部32の形態などの設計において大きい自由度が得られる。
エアゾール容器本体およびバルブとしては、一般にエアゾール容器に使用されているものであれば、特に限定されず、種々の構造のものを採用することができる。
また、本発明のエアゾール容器は、1つのエアゾール容器本体に複数のスパウト付きパウチ10が収容されてなるもの、例えばいわゆるデュアルバルブ構造のエアゾール容器であってもよい。
このようなエアゾール容器によれば、エアゾール容器を組み立てる際に、パウチ本体20のシール部21におけるスパウト30と接触する部位において強度の低下が生じることを回避することができるので、落下等による衝撃力や、内容物を充填するときに過度の応力が加わっても、パウチ本体20のシール部21に損傷が生じることを抑制することができる。
例えば接合部32に折り線形成部35,36が形成されたスパウト30を備えた第1の実施の形態においては、接合部32は、図1に示す形状のものに限定されず、例えば図5に示すように、平面形状が六角形の接合部32を有するものであってもよい。この例では、図5において接合部の左右の頂点が折り線形成部35,36となる。また、接合部32は、図6に示すように、折り線形成部35,36が他の部分から外方に突出する形状のものであってもよい。
また、折り線形成部材37が設けられた第2の実施の形態においては、折り線形成部材37は、図3に示す形状のものに限定されず、所要の折り線F1,F2を形成し得るものであれば、種々の形状を採用することができる。
図1に示す構成に従い、下記の仕様のスパウト付きパウチを作製した。
(1)パウチ本体
材質:12μmのポリエチレンテレフタレート層、9μmのアルミニウム層、15μmのナイロン層および70μmのポリプロピレン層の積層体よりなる積層フィルム
寸法:縦幅(高さ)=140mm,横幅=90mm,ガセットの幅=22mm,シール部の幅=7mm
規格容量:200mL
(2)スパウト
材質:ポリプロピレン
接合部の平面形状(台形)の寸法:シール部の外縁側の一辺(長辺)=15mm,シール部の内縁側の一辺(短辺)=10mm,高さ(長辺-短辺間の長さ)=7mm このスパウト付きパウチにおいては、折り線(F1,F2)と仮想線(V1,V2)との距離が2.5mmであり、折り線(F1,F2)の間の距離が15mmである。
得られたスパウト付きパウチについて、スパウトを軸としてパウチ本体を捲回することにより、直径が1インチ以下の捲回体を作製し、捲回状態が維持されるよう捲回体の両端部を紙テープで固定した。
図3に示す構成に従い、下記の仕様のスパウト付きパウチを作製した。
(1)パウチ本体
実施例1と同様のものを使用した。
(2)スパウト
材質:ポリプロピレン
接合部の平面形状(矩形)の寸法:縦幅=7mm,横幅=12mm
(3)折り線形成部材
材質=ポリプロピレン
形状および寸法:円形のリング状,外径=15mm
このスパウト付きパウチにおいては、折り線(F1,F2)と仮想線(V1,V2)との距離が1.5mmであり、折り線(F1,F2)の間の距離が15mmである。
得られたスパウト付きパウチについて、実施例1と同様にして直径が1インチ以下の捲回体を作製し、捲回状態が維持されるよう捲回体の両端部を紙テープで固定した。
図5に示す構成に従い、下記の仕様のスパウト付きパウチを作製した。
(1)パウチ本体
実施例1と同様のものを使用した。
(2)スパウト
材質:ポリプロピレン
接合部の平面形状(六角形)の寸法:シール部の外縁側の一辺(上辺)=12mm,シール部の内縁側の一辺(下辺)=12mm,高さ(上辺-下辺間の長さ)=7mm
このスパウト付きパウチにおいては、折り線(F1,F2)と仮想線(V1,V2)との距離が1.5mmであり、折り線(F1,F2)の間の距離が15mmである。
得られたスパウト付きパウチについて、実施例1と同様にして直径が1インチ以下の捲回体を作製し、捲回状態が維持されるよう捲回体の両端部を紙テープで固定した。
図6に示す構成に従い、下記の仕様のスパウト付きパウチを作製した。
(1)パウチ本体
材質:12μmのポリエチレンテレフタレート層、9μmのアルミニウム層、15μmのナイロン層および70μmのポリエチレン層の積層体よりなる積層フィルム
寸法:縦幅(高さ)=140mm,横幅=90mm,ガセットの幅=22mm,シール部の幅=7mm
規格容量:200mL
(2)スパウト
材質:ポリエチレン
接合部の平面形状の寸法:シール部の外縁側の一辺(上辺)=10mm,シール部の内縁側の一辺(下辺)=10mm,高さ(上辺-下辺間の長さ)=7mm
このスパウト付きパウチにおいては、折り線(F1,F2)と仮想線(V1,V2)との距離が1mmであり、折り線(F1,F2)の間の距離が12mmである。
得られたスパウト付きパウチについて、実施例1と同様にして直径が1インチ以下の捲回体を作製し、捲回状態が維持されるよう捲回体の両端部を紙テープで固定した。
図7に示す構成に従い、下記の仕様のスパウト付きパウチを作製した。
(1)パウチ本体
実施例1と同様のものを使用した。
(2)スパウト
材質:ポリプロピレン
接合部の平面形状(台形)の寸法:短辺(シール部の外縁側の辺)=7mm,長辺(シール部の内縁側の辺)=12mm,高さ(長辺-短辺間の長さ)=7mm
得られたスパウト付きパウチについて、実施例1と同様にして直径が1インチ以下の捲回体を作製し、捲回状態が維持されるよう捲回体の両端部を紙テープで固定した。
図8に示す構成に従い、下記の仕様のスパウト付きパウチを作製した。
(1)パウチ本体
実施例4と同様のものを使用した。
(2)スパウト
材質:ポリエチレン
接合部の平面形状(凸形)の寸法:短辺(シール部の外縁側の辺)=8mm,長辺(シール部の内縁側の辺)=12mm,高さ(長辺-短辺間の長さ)=7mm
得られたスパウト付きパウチについて、実施例1と同様にして直径が1インチ以下の捲回体を作製し、捲回状態が維持されるよう捲回体の両端部を紙テープで固定した。
試験1(外観試験)
実施例1~4および比較例1~2に係るスパウト付きパウチの捲回体をそれぞれ30個用意し、それぞれのパウチ本体のシール部におけるスパウトとの接触する部位を観察し、シール部の内縁と折り線との交点(P1、P2)の少なくともいずれか一方に、肉眼で損傷が認められた場合を外観不良としてその有無を調べた。下記表1に外観不良のスパウト付きパウチの個数を示す。
試験2(ストレス充填試験)
実施例1~4および比較例1~2に係るスパウト付きパウチの捲回体をそれぞれ30個用意し、それぞれのパウチ本体内に220mL(規格容量の1.1倍の量)の内容物を充填し、それぞれのパウチ本体のシール部におけるスパウトとの接触する部位における破損の有無を調べた。下記表1にシール部に破損が生じたスパウト付きパウチの個数を示す。 試験3(落下試験)
実施例1~4および比較例1~2に係るスパウト付きパウチの捲回体をそれぞれ30個用意し、それぞれのパウチ本体内に200mL(規格容量と同量)の内容物を充填し、当該スパウト付きパウチを1mの高さの位置から3回落下させた後、それぞれのパウチ本体のシール部におけるスパウトとの接触する部位における破損の有無を調べた。下記表1にシール部に破損が生じたスパウト付きパウチの個数を示す。
20 パウチ本体
21 シール部
30 スパウト
31 筒状部
32 接合部
35,36 折り線形成部
37 折り線形成部材
40 ディップチューブ
80 スパウト付きパウチ
85 パウチ本体
86 シール部
90 スパウト
91 筒状部
92 接合部
E1 内縁
E2 外縁
F1,F2 折り線
P1,P2 シール部の内縁と折り線との交点
V1,V2 仮想線
Claims (3)
- 内容物を収容するパウチ本体と、前記パウチ本体内の内容物を注出するスパウトとを備え、前記スパウトに設けられた接合部が前記パウチ本体のシール部に固着されたスパウト付きパウチであって、
前記スパウトが固着された前記パウチ本体を捲回するときに前記パウチ本体に折り線を形成する折り線形成部を有し、
前記シール部の内縁と前記折り線形成部によって形成される折り線との交点が、前記内縁上において、前記接合部の両端よりも外方に位置し、
前記折り線形成部は、前記接合部に形成されていることを特徴とするスパウト付きパウチ。 - 内容物を収容するパウチ本体と、前記パウチ本体内の内容物を注出するスパウトとを備え、前記スパウトに設けられた接合部が前記パウチ本体のシール部に固着されたスパウト付きパウチであって、
前記スパウトが固着された前記パウチ本体を捲回するときに前記パウチ本体に折り線を形成する折り線形成部を有し、
前記シール部の内縁と前記折り線形成部によって形成される折り線との交点が、前記内縁上において、前記接合部の両端よりも外方に位置し、
前記折り線形成部は、前記パウチ本体内に配置された折り線形成部材によって形成されていることを特徴とするスパウト付きパウチ。 - 請求項1または請求項2に記載のスパウト付きパウチと、前記スパウト付きパウチにおけるパウチ本体を収容するエアゾール容器本体とを備えてなることを特徴とするエアゾール容器。
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