JP7310368B2 - 輸液バッグ収納用外装袋 - Google Patents

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Description

本発明は、医療現場などで使うための、輸液バッグ収納用外装袋に関するものである。特にシール強度に優れ、経時による強度低下を起こすことのない、輸液バッグ収納用外装袋に関するものである。
輸液バッグは、もともとはガラス製のアンプルやバイアルが使用されたことに起源を発し、現代の医療現場において、プラスチックボトルやプラスチックバッグに姿を変えて、頻繁に使用されている。
その種類もさまざまなものがあり、その機能も進化を遂げてきた。また二次容器としての輸液バッグ用外装袋も、輸液バッグの薬剤の変質や劣化を防止することや、清潔さを保持するなどの役割を担うものである。
したがって、輸液バッグ収納用外装袋に関しては、保管中はもとより、輸液バッグを使用する直前までは、確実な密封がなされていることが要求され、そのほかにも輸液バッグの薬剤の変質や劣化を防ぐための、例えば遮光性やガスバリア性などが要求される場合もある。
特許文献1には、輸液バッグのような重量物の包装用の積層フィルムが提案されているが、輸送中の振動や周囲との衝突によるピンホールの発生を抑えることや、ガスバリア性の保持に注目した内容であって、確実な、あるいは長期間にわたる包装袋としての密封性の維持については十分配慮したものではなかった。
特開2018-30313号公報
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、輸液バッグを収納してその保管性に優れており、かつシール強度に優れる、輸液バッグ収納用外装袋を提供しようとするものである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
プラスチックフィルムを基材とする積層体からなる、輸液バッグ収納用外装袋であって、
積層体は基材フィルム層、ガスバリア層、シーラント層を有しており、
シーラント層は、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムを含む単層構造または多層構造を有しており、
二軸延伸エチレン系共重合体フィルムは、常温から100℃に加熱した時の熱収縮率が、0.5%~2.0%の範囲であることを特徴とする、輸液バッグ収納用外装袋である。
また、請求項2に記載の発明は、
前記二軸延伸エチレン系共重合体フィルムが、密度915kg/m~938kg/m、示差熱走査熱量計による融解熱量(ΔH)が100J/g~140J/g、融解開
始温度から110℃の範囲の融解熱量(ΔH)が、50J/g~80J/g、110℃から融解終了温度の範囲の融解熱量(ΔH)が35J/g~80J/gの範囲にあり、ΔH/ΔHが0.5~1.5の範囲にあるエチレン系共重合体からなることを特徴とする、請求項1に記載の輸液バッグ収納用外装袋である。
また、請求項3に記載の発明は、
前記積層体を構成する各層が、熱による溶融押し出し樹脂層を介して積層されたものであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の輸液バッグ収納用外装袋である。
また、請求項4に記載の発明は、
前記基材フィルム層が、二軸延伸ポリオレフィン系フィルムからなることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれかに記載の輸液バッグ収納用外装袋である。
また、請求項5に記載の発明は、
前記ガスバリア層が、二軸延伸プラスチックフィルム上に金属蒸着層、または無機化合物蒸着層を有してなる、蒸着フィルムであることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれかに記載の輸液バッグ収納用外装袋である。
また、請求項6に記載の発明は、
前記シーラント層が、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムに加えて熱融着層を有することを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれかに記載の輸液バッグ収納用外装袋である。
本発明によれば、輸液バッグを収納してその保管性に優れており、かつシール強度に優れる、輸液バッグ収納用外装袋を提供が可能である。
すなわち、本発明において、シーラント層は、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムからなり、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムは、常温から100℃に加熱した時の熱収縮率が、0.5%~2.0%の範囲であることによって、保管性に優れており、かつシール強度に優れる輸液バッグ収納用外装袋とすることができる。
特に請求項2に記載の発明によれば、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムが、密度915kg/m~938kg/m、示差熱走査熱量計による融解熱量(ΔH)が100J/g~140J/g、融解開始温度から110℃の範囲の融解熱量(ΔH)が、50J/g~80J/g、110℃から融解終了温度の範囲の融解熱量(ΔH)が35J/g~80J/gの範囲にあり、ΔH/ΔHが0.5~1.5の範囲にあるエチレン系共重合体からなることによって、よりシール強度に優れる、輸液バッグ収納用外装袋の提供が可能である。
また特に請求項3に記載の発明によれば、積層体を構成する各層が、熱による溶融押し出し樹脂層を介して積層されたものであることによって、積層体がピンホールの発生に対して耐性を有するものとすることが可能であり、輸液バッグの保管性に優れており、かつシール強度に優れる、輸液バッグ収納用外装袋の提供が可能である。
また特に請求項4に記載の発明によれば、基材フィルム層が、二軸延伸ポリオレフィン系フィルムからなることによって、フィルムの機械的強度と価格において好ましい。特に耐ピンホール性において優れているために、輸液バッグ収納用外装袋の用途には、好ましく用いることができる。
また特に請求項5に記載の発明によれば、ガスバリア層が、二軸延伸プラスチックフィルム上に金属蒸着層、または無機化合物蒸着層を有してなる、蒸着フィルムであることによって、輸液バッグの保管性により優れており、かつシール強度に優れる、輸液バッグ収納用外装袋の提供が可能である。
また特に請求項6に記載の発明によれば、シーラント層が、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムに加えて熱融着層を有することによって、よりシール強度に優れ、またピンホールの発生に対して耐性を有する輸液バッグ収納用外装袋の提供が可能である。
図1は、本発明による輸液バッグ収納用外装袋を構成する積層体を説明するための部分断面模式図である。また、実施例、比較例の積層体の構成を説明するための部分断面模式図である。
以下、本発明を図1を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって特定されるものである。
図1は、本発明による輸液バッグ収納用外装袋を構成する積層体を説明するための部分断面模式図である。
本発明は、プラスチックフィルムを基材とする積層体(10)からなる、輸液バッグ収納用外装袋である。この積層体(10)は基材フィルム層(1)ガスバリア層(2)、シーラント層(5)を有している。
一般にプラスチックフィルムは、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン-6、ナイロン-66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途や要求品質に応じて適宜選択される。
本発明において、基材フィルム層(1)には特段の制約を設けるものではないが、例えばポリオレフィン系フィルムとすることができる。この場合にはフィルムの機械的強度と価格において好ましい。特に二軸延伸ポリプロピレン系フィルムとする場合には、耐ピンホール性において優れているために、輸液バッグ収納用外装袋の用途には、好ましく用いることができる。
また図1に示す例において、ガスバリア層(2)は、二軸延伸プラスチックフィルム(4)上に金属蒸着層、または無機化合物蒸着層などの蒸着膜層(3)を有してなる、蒸着フィルムとした例である。ガスバリア層は、主に内容物の保存性を向上させることなどを目的として設ける。
このうち、蒸着膜層(3)として金属蒸着層を用いる場合には、輸液バッグ収納用外装袋として、遮光性を求められる場合に、より好ましく用いることができる。例えば蒸着する金属として、アルミニウムを用いることができ、具体的には、金属蒸着層の厚さは60nm以上、光学濃度(OD値)は、3.4以上であることが好ましい。
一方、輸液バッグ収納用外装袋として、よりガスバリア性が要求される用途には、積層
体中にガスバリア層(2)として、無機化合物の蒸着膜層(3)を有するプラスチックフィルム、いわゆるガスバリアフィルムを設けることができる。
ガスバリアフィルムの場合には、用いられるプラスチックフィルムは、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン-6、ナイロン-66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートをプラスチックフィルム基材とする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。
ガスバリアフィルムの場合、表面の蒸着膜層(3)は無機化合物の蒸着層、コーティング層で構成することができ、プラスチックフィルムにアンカーコートを設けた後、蒸着層、コーティング層を順次設ける。
ガスバリアフィルムのアンカーコート層には、例えばウレタンアクリレートを用いることができる。アンカーコート層の形成には、樹脂を溶媒に溶解した塗料をグラビアコーティングなど印刷手法を応用したコーティング方法を用いるほか、一般に知られているコーティング方法を用いて塗膜を形成することができる。
蒸着膜層(3)を形成する方法としては、酸化ケイ素や酸化アルミニウムなどの無機化合物を真空蒸着法を用いて、アンカーコート層を設けたプラスチックフィルム上にコーティングし、真空蒸着法による無機化合物層を形成することができる。ちなみに蒸着層の厚みは15nm~30nmが良い。
コーティング層を形成する方法としては、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層を形成しコーティング層とすることができる。このときコーティング剤にはシランモノマーを添加しておくことによってアンカーコート層との密着の向上を図ることができる。
無機化合物層は真空蒸着法による蒸着膜のみでもガスバリア性を有するが、コーティング法による無機化合物層であるコーティング層を真空蒸着法による無機化合物層である蒸着層に重ねて形成し、ガスバリア層とすることができる。
これら2層の複合により、真空蒸着法による無機化合物層とコーティング法による無機化合物層との界面に両層の反応層を生じるか、或いはコーティング法による無機化合物層が真空蒸着法による無機化合物層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥あるいは微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成される。
そのため、ガスバリアフィルムとしてより高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現するとともに、外力による変形に耐えられる可撓性を有するため、輸液バック収納用外装袋の包装材料としての、輸送中の振動や周囲との衝突によるピンホールの発生への耐性も具備することができる。
またガスバリアの蒸着膜層(3)として、たとえば酸化ケイ素を用いる場合にはその被膜は透明であるために、内容物を外装袋の外側から目で見ることが可能である。金属蒸着膜の場合には不透明であるから、これらは、用途、要求品質によって適宜使い分けをすればよい。
図1に示す例において、積層体(10)を構成する各層は、接着層(6)、および接着層(7)で積層されている。すなわち、基材フィルム層(1)とガスバリア層(2)とは接着層(6)を介して積層されており、ガスバリア層(2)とシーラント層(5)とは、接着層(7)を介して積層されている。
この接着層(6)および接着層(7)は熱による溶融押し出し樹脂層とすることができ、例えばエクストルーダーを用いてサンドイッチラミネートの手法によって各層を積層することができる。
接着層(6)および接着層(7)の溶融押し出し樹脂として、たとえば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、を使用することができる。中でも、加工適性の観点からは、低密度ポリエチレン(LDPE)を、より好ましく用いることができる。
ちなみに、この低密度ポリエチレン(LDPE)を用いて接着層(7)として、ガスバリア層(2)と、シーラント層(5)をサンドイッチラミネーションで積層する場合には、低密度ポリエチレン(LDPE)もまたシール適性を有するために、この接着層(7)もまたシーラント層(5)の一部とみなすことも可能である。
これによって、シール強度の向上に効果的であり、またピンホールの発生の抑制においても効果的である。
また、本発明において、シーラント層(5)は、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムからなり、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムは、常温から100℃における熱収縮率が、0.5%~2.0%の範囲であることを特徴とする。
我々は、本発明を考案する過程において、鋭意検討を重ねた結果、シーラント層(5)を構成する二軸延伸エチレン系共重合体フィルムの熱収縮率は、この範囲であることが、シール強度の強化に効果的であることを見出した。
すなわち、この発明の課題とするところの、輸液バッグを収納してその保管性に優れること、かつシール強度に優れることを満足させ得る輸液バッグ収納用外装袋の実現に、最適であることを見出した。
熱収縮率の測定は、下記の方法で行うものとした。
・JIS K 7133:加熱寸法変化測定方法を参考にして独自の方法で測定するものとした。
・具体的には、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムから、100mm角の正方形を切り出し、100℃のオーブン内に15分間放置する。
・次に、オーブンから試験片を取り出し、常温で30分放置する。
・その後、正方形の各辺の長さ(単位mm)を測定する。
熱収縮率(%)=[(100-A)/100]×100=100-A
このとき、A(mm)は、オーブンから取り出した後の正方形の各辺の長さである。
また、シーラント層(5)を構成する、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムは、密度915kg/m~938kg/m、示差熱走査熱量計(DSC)による融解熱量(ΔH)が100J/g~140J/g、融解開始温度から110℃の範囲の融解熱量(ΔH)が、50J/g~80J/g、110℃から融解終了温度の範囲の融解熱量(ΔH
)が35J/g~80J/gの範囲にあり、ΔH/ΔHが0.5~1.5の範囲にあるエチレン系共重合体とすることができる。
我々は、本発明を考案する過程において、鋭意検討を重ねた結果、シーラント層(5)を構成する二軸延伸エチレン系共重合体フィルムは、この範囲であることが、この発明の課題とするところの、輸液バッグを収納し、その保管性に優れること、かつシール強度に優れること、を満足させ得る輸液バッグ収納用外装袋の実現に、最適であることを見出した。
また、シーラント層(5)の形成には、押出機などを用いて溶融した樹脂を製膜して、積層体(10)上に層形成することができる。あるいは、あらかじめフィルムの状態に製膜してある材料を、ラミネートによって積層することによって、積層体(10)の表面にシーラント層(5)を形成することも可能である。
必要に応じて、商品としてのイメージアップや、内容物である輸液バッグについての必要な情報表示を目的として、プラスチックフィルムを基材とする積層体(10)中の、輸液バッグ収納用外装袋外側から見える層に印刷層を設けることができる。印刷層は外装袋の最外層に設けるのでも構わない。
また印刷層は、外装袋の一部に設けるのでもよく、また外装袋の全面に渡って設けるのでもよい。あるいは、印刷層を用いずに表示部を設ける方法としては、たとえば外装袋の表面に、印刷されたシールやラベルを貼着することも可能である。
ここで、印刷方法、および印刷インキには、とくに制約を設けるものではないが、既知の印刷方法の中からプラスチックフィルムへの印刷適性、色調などの意匠性、密着性、医薬品容器としての安全性などを考慮すれば適宜選択してよい。
たとえば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、シルクスクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの既知の印刷方法から選択して用いることができる。中でもグラビア印刷法は、生産性、プラスチックフィルムへの印刷適性、および絵柄の高精細度において好ましく用いることができる。
このようにして、本発明によれば、その課題とするところの、輸液バッグを収納してその保管性に優れており、かつシール強度に優れる、輸液バッグ収納用外装袋の提供が可能である。
以下本発明を、実施例、および比較例によって、更に具体的な説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。
評価用の積層体サンプルを作成、製袋して評価した。
評価項目は、積層体をシールした部分のシール強度(N/10mm)、および輸液バッグを収納しての輸送試験である。シール強度はJIS Z 0238に準拠して測定した。輸送試験は、JIS Z 0232に準拠して行ない、ピンホールの発生など異常の発生がないかを確認した。
積層体の層構成は下記のとおりとした。
なお、以下の実施例、比較例の層構成は、図1に示す積層体(10)の部分断面摸式図を用いた説明とする。
基材フィルム層(1):
延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)フタムラ化学製 FOS(厚さ50μm)。
接着層(6):
低密度ポリエチレン(LDPE) 日本ポリエチレン製 LC600A(厚さ15μm)。
ガスバリア層(2):
アルミニウム蒸着層付きポリエチレンテレフタレートフィルム 凸版印刷製 GL-ME-RC(厚さ12μm)。
接着層(7):
低密度ポリエチレン(LDPE) 日本ポリエチレン製 LC600A(厚さ15μm)。
シーラント層(5):
実施例1~実施例5、比較例1~比較例6で異なるが、いずれも、線状低密度ポリエチレン(L-LDPE)を主な原料として製造された、密度の異なるエチレン系共重合体の共押出多層フィルムを二軸延伸したフィルムである。
<実施例1>
シーラント層(5)以外は、基材フィルム(1)、接着層(6)、ガスバリア層(2)、接着層(7)とも、上記積層体(10)の層構成とした。
シーラント層(5)の材料は下記のとおりである。
二軸延伸エチレン系共重合体フィルム(厚さ40μm)。
常温から100℃に加熱した時の熱収縮率0.5%。
<実施例2>
シーラント層(5)以外は、基材フィルム(1)、接着層(6)、ガスバリア層(2)、接着層(7)とも、上記積層体(10)の層構成とした。
シーラント層(5)の材料は下記のとおりである。
二軸延伸エチレン系共重合体フィルム(厚さ40μm)。
常温から100℃に加熱した時の熱収縮率1.2%。この部分は実施例1と異なるが、本発明による熱収縮率の範囲内である。
<実施例3>
シーラント層(5)以外は、基材フィルム(1)、接着層(6)、ガスバリア層(2)、接着層(7)とも、上記積層体(10)の層構成とした。
シーラント層(5)の材料は下記のとおりである。
二軸延伸エチレン系共重合体フィルム(厚さ40μm)。
常温から100℃に加熱した時の熱収縮率1.3%。この部分は実施例1と異なるが、本発明による熱収縮率の範囲内である。
<実施例4>
シーラント層(5)以外は、基材フィルム(1)、接着層(6)、ガスバリア層(2)、接着層(7)とも、上記積層体(10)の層構成とした。
シーラント層(5)の材料は下記のとおりである。
二軸延伸エチレン系共重合体フィルム(厚さ40μm)。
常温から100℃に加熱した時の熱収縮率1.6%。この部分は実施例1と異なるが、本発明による熱収縮率の範囲内である。
<実施例5>
シーラント層(5)以外は、基材フィルム(1)、接着層(6)、ガスバリア層(2)、接着層(7)とも、上記積層体(10)の層構成とした。
シーラント層(5)の材料は下記のとおりである。
二軸延伸エチレン系共重合体フィルム(厚さ40μm)。
常温から100℃に加熱した時の熱収縮率2.0%。この部分は実施例1と異なるが、本発明による熱収縮率の範囲内である。
<比較例1>
シーラント層(5)以外は、基材フィルム(1)、接着層(6)、ガスバリア層(2)、接着層(7)とも、上記積層体(10)の層構成とした。
シーラント層(5)の材料は下記のとおりである。
二軸延伸エチレン系共重合体フィルム 三井化学東セロ製 エルスマートC-1(厚さ40μm)
常温から100℃に加熱した時の熱収縮率2.5%。この部分は実施例1と異なる。本発明による熱収縮率の範囲外である。
<比較例2>
シーラント層(5)以外は、基材フィルム(1)、接着層(6)、ガスバリア層(2)、接着層(7)とも、上記積層体(10)の層構成とした。
シーラント層(5)の材料は下記のとおりである。
二軸延伸エチレン系共重合体フィルム 三井化学東セロ製 エルスマートC-1(厚さ40μm)
常温から100℃に加熱した時の熱収縮率2.9%。この部分は実施例1と異なる。本発明による熱収縮率の範囲外である。
<比較例3>
シーラント層(5)以外は、基材フィルム(1)、接着層(6)、ガスバリア層(2)、接着層(7)とも、上記積層体(10)の層構成とした。
シーラント層(5)の材料は下記のとおりである。
二軸延伸エチレン系共重合体フィルム 三井化学東セロ製 エルスマートC-1(厚さ40μm)。
常温から100℃に加熱した時の熱収縮率3.5%。この部分は実施例1と異なる。本発明による熱収縮率の範囲外である。
<比較例4>
シーラント層(5)以外は、基材フィルム(1)、接着層(6)、ガスバリア層(2)、接着層(7)とも、上記積層体(10)の層構成とした。
シーラント層(5)の材料は下記のとおりである。
未延伸共重合体フィルム タマポリ製 TTY02(厚さ60μm)。この部分は実施例1と異なる。本発明によるシーラント層(5)の規定範囲外である。
<比較例5>
シーラント層(5)以外は、基材フィルム(1)、接着層(6)、ガスバリア層(2)、接着層(7)とも、上記積層体(10)の層構成とした。
シーラント層(5)の材料は下記のとおりである。
未延伸共重合体フィルム タマポリ製 SE620L(厚さ60μm)。この部分は実施例1と異なる。本発明によるシーラント層(5)の規定範囲外である。
<比較例6>
シーラント層(5)以外は、基材フィルム(1)、接着層(6)、ガスバリア層(2)、接着層(7)とも、上記積層体(10)の層構成とした。
シーラント層(5)の材料は下記のとおりである。
未延伸共重合体フィルム タマポリ製 MZ180(厚さ60μm)。この部分は実施例1と異なる。本発明によるシーラント層(5)の規定範囲外である。
評価結果を表1に示す。
Figure 0007310368000001
評価および判定基準は下記のとおりである。
・シール強度:40N/10mm以上を〇評価とする。
・輸送試験:ピンホールなしを〇評価とする。
判定は、シール強度、輸送試験の両方とも〇評価の場合に〇判定とする。(いずれかまたは両方×評価の場合には×判定とする。)
表1に示す結果からは、本発明による実施例1~実施例5は、本発明による範囲を超えた比較例1~比較例6に比べて、シール強度、輸送試験共に優れており、その結果判定において明確な差が見て取れる。
実施例1~実施例5については、シーラント層(5)は、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムを使用しているものであり、その常温から100℃に加熱した時の熱収縮率はそれぞれ、0.5%、1.2%、1.3%、1.6%、2.0%であり、本発明によって規定するところの0.5%~2.0%の範囲である。その結果、判定は〇となった。
一方、比較例1~比較例3については、シーラント層(5)は、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムを使用しているものであり、その常温から100℃に加熱した時の熱収縮率はそれぞれ、2.5%、2.9%、3.5%であり、本発明によって規定するところの0.5%~2.0%の範囲を上回っている。その結果、シール強度は低下し、判定は×となった。
また、比較例4~比較例6については、シーラント層(5)に未延伸の共重合体フィルムを用いており、本発明による規定に含まれない。その結果、シール強度は大きいものの、輸送試験においてピンホール等の発生があり、判定は×となった。
すなわち、輸液バッグ収納用外装袋を構成する積層体は、基材フィルム層、ガスバリア層、シーラント層を有しており、シーラント層は、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムからなり、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムは、常温から100℃に加熱した時の熱収縮率が、0.5%~2.0%の範囲であることによって、輸液バッグを収納してその保
管性に優れており、かつシール強度に優れる、輸液バッグ収納用外装袋の提供が可能であることを検証することができた。
1・・・基材フィルム層
2・・・ガスバリア層
3・・・蒸着膜層
4・・・二軸延伸プラスチックフィルム層
5・・・シーラント層
6・・・接着層
7・・・接着層
10・・・積層体

Claims (6)

  1. プラスチックフィルムを基材とする積層体からなる、輸液バッグ収納用外装袋であって、
    積層体は基材フィルム層、ガスバリア層、シーラント層を有しており、
    シーラント層は、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムを含む単層構造または多層構造を有しており、
    二軸延伸エチレン系共重合体フィルムは、常温から100℃に加熱した時の熱収縮率が、0.5%~2.0%の範囲であることを特徴とする、輸液バッグ収納用外装袋。
  2. 前記二軸延伸エチレン系共重合体フィルムが、密度915kg/m~938kg/m、示差熱走査熱量計による融解熱量(ΔH)が100J/g~140J/g、融解開始温度から110℃の範囲の融解熱量(ΔH)が、50J/g~80J/g、110℃から融解終了温度の範囲の融解熱量(ΔH)が35J/g~80J/gの範囲にあり、ΔH/ΔHが0.5~1.5の範囲にあるエチレン系共重合体からなることを特徴とする、請求項1に記載の輸液バッグ収納用外装袋。
  3. 前記積層体を構成する各層が、熱による溶融押し出し樹脂層を介して積層されたものであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の輸液バッグ収納用外装袋。
  4. 前記基材フィルム層が、二軸延伸ポリオレフィン系フィルムからなることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれかに記載の輸液バッグ収納用外装袋。
  5. 前記ガスバリア層が、二軸延伸プラスチックフィルム上に金属蒸着層、または無機化合物蒸着層を有してなる、蒸着フィルムであることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれかに記載の輸液バッグ収納用外装袋。
  6. 前記シーラント層が、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムに加えて熱融着層を有することを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれかに記載の輸液バッグ収納用外装袋。
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