JP2016147430A - 二軸延伸エチレン重合体多層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】落袋強度に優れ、且つ、耐屈曲性、透明性に優れる二軸延伸エチレン重合体フィルムの提供。
【解決手段】密度が895〜920Kg/mの範囲にあるエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)を含むエチレン系重合体組成物(B)から得られる基材層の少なくとも片面に、密度が910〜938Kg/mの範囲にあり、且つ、基材層を構成する共重合体(b)の密度より高い密度を有するエチレン系重合体(A)から得られる表層が積層されてなり、且つ、基材層及び表層が共に二軸延伸され、厚い方の層の面配向度(ΔNp)が0.0070〜0.020に制御されている二軸延伸エチレン重合体多層フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、落袋強度に優れ、且つ、耐屈曲性に優れる二軸延伸エチレン重合体多層フィルムに関する。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体、所謂線状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、高圧法低密度ポリエチレンに比べ、透明性、耐ストレスクラッキング性、低温ヒートシール性、ヒートシール強度、耐衝撃性等に優れておりその特徴を活かして食品包装用のシーラントとして広く用いられている。中でも、シングルサイト触媒で重合されたエチレン・α−オレフィンランダム共重合体は、更に透明性、低温ヒートシール性、夾雑物シール性、ホットタック性にも優れている。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体フィルムの透明性、機械的強度等を改良する方法としてエチレン・α−オレフィンランダム共重合体を特定の条件下で二軸延伸する方法、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体及びエチレン・α−オレフィンランダム共重合体に高密度ポリエチレンあるいは高圧法低密度ポリエチレンを加えてなる組成物を二軸延伸してなる収縮フィルムが提案されている。
また、耐屈曲性が優れる二軸延伸エチレン系多層フィルムとして、密度が915〜938Kg/m3の二軸延伸エチレン重合体フィルム基材層の少なくとも片面に、密度が890Kg/m3〜910Kg/m3のエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体から得られる熱融着層が積層されてなる二軸延伸エチレン重合体多層フィルムが提案されている(特許文献1)。
特許文献1に記載された二軸延伸エチレン系重合体多層フィルムは、耐屈曲性(耐ピンホール性)は優れるものの、用途によっては、落袋強度が十分ではない。
また、耐屈曲性が優れる二軸延伸エチレン系多層フィルムの別の方策として、密度が895〜945Kg/m3のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体 もしくは、上記共重合体と、密度が910〜935Kg/m3の高圧法低密度ポリエチレンからなる密度が895〜945の組成物を二軸延伸し、ΔNxzとΔNyzの値がいずれも5×10−3〜4.5×10−2であることを特徴とするフィルムが提案されている(特許文献2)
さらに、落袋強度が改良された二軸延伸エチレン系多層フィルムとして、密度が895〜920Kg/m3の範囲にあるエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)を40質量%以上含むエチレン系重合体組成物から得られる基材層の少なくとも片面に、密度が910〜938Kg/m3の範囲にあり、且つ、基材層を構成するエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)の密度より高い密度を有するエチレン系重合体(A)から得られる表層が積層されてなり、且つ、基材層及び表層が共に二軸延伸されてなる二軸延伸エチレン重合体多層フィルムが提案されている。(特許文献3)
特許文献3に記載された二軸延伸エチレン系重合体多層フィルムは耐屈曲性、落袋強度が優れる。一方で用途の拡大により、耐屈曲性と落体性能のさらなる向上が望まれている。
特開2006−181831号公報 特開2010−270227号公報 WO2012−070373号公報
本発明は、耐屈曲性に優れる二軸延伸エチレン重合体フィルムを提供することを課題とする。さらには用途によっては落袋強度の向上も要求されることから、落体性能と耐屈曲性の向上を両立させる二軸延伸エチレン重合体フィルムを提供することを付随する課題とする。
本発明は、密度が895〜920Kg/m3の範囲にあるエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)を40質量%以上含むエチレン系重合体組成物(B)から得られる基材層の少なくとも片面に、密度が910〜938Kg/m3の範囲にあり、且つ、基材層を構成するエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)の密度より高い密度を有するエチレン系重合体(A)から得られる表層が積層されてなり、且つ、基材層及び表層が共に二軸延伸し、表層または基材層のうち厚い方の層の面配向度(ΔNp)を0.007から0.020の間に制御した二軸延伸エチレン重合体多層フィルムである。
本発明において、二軸延伸エチレン重合体多層フィルムが、縦方向(MD)の延伸倍率が2〜14倍、横方向(TD)の延伸倍率が2〜14倍の範囲にあることが好ましい。
また本発明において、エチレン系重合体組成物(B)の密度が、900〜925Kg/m3の範囲にあることが好ましい。
また発明のエチレン系重合体(A)が、密度が895〜925Kg/m3のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a1)成分、密度が926〜970Kg/m3のエチレン系重合体(a2)成分及び密度が910〜935Kg/m3の高圧法低密度ポリエチレン(a3)とからなるエチレン共重合体組成物(A−2)であることが好ましい。
さらに本発明は、上記二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの少なくとも片面に熱可塑性樹脂フィルムが積層されてなる二軸延伸エチレン重合体多層フィルムである。
また本発明は、この積層された二軸延伸エチレン重合体多層フィルムを熱融着層として用いてなる包装材料である。
また本発明者らは鋭意研究した結果、耐屈曲性、落袋性能の双方を両立させるためには、面配向度ΔPを制御することが有効であることを見出した。耐屈曲性、落袋性能の双方を両立させるため、本発明において表層または基材層のうち厚い方の層の面配向度(ΔNp)を0.007から0.016の間に制御した二軸延伸エチレン重合体多層フィルムであることが好ましい。
本発明の二軸延伸エチレン重合体多層フィルムは、耐屈曲性に優れる。
[エチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)]
本発明の二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの基材層を構成する成分であるエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)は、密度が895〜920Kg/m3、好ましくは895〜915Kg/m3、より好ましくは900〜910Kg/m3の範囲にある。
本発明に係るエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)は、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィン、例えば、1−ブテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン、好ましくは炭素数が6以上のα−オレフィンとのランダム共重合体である。本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体(b)は前記範囲の密度であれば、1種あるいは2種以上の混合物であってもよい。
密度が上記範囲のエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体を用いた場合は、得られる二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの落袋強度が向上する。
本発明に係るエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)は、フィルム形成能がある限り、メルトフローレート(MFR:ASTM D1238 荷重2160g、温度190℃)は特に限定はされないが、通常、0.1〜10g/10分、好ましくは0.5〜5g/10分の範囲にある。
[エチレン系重合体組成物(B)]
本発明の二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの基材層を形成するエチレン系重合体組成物(B)は、前記エチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)を40質量%以上含む、すなわち、エチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)単身であってもよく、好ましくはエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)を40〜85質量%、より好ましくは50〜80質量%、最も好ましくは65〜75質量%の範囲で含むエチレン系重合体組成物である。
本発明に係るエチレン系重合体組成物に含まれる他のエチレン系重合体は、例えば、密度が915〜970Kg/m3、好ましくは926〜965Kg/m3の範囲にあるエチレン・α−オレフィン共重合体あるいはエチレン単独重合体、密度が910〜935Kg/m3、好ましくは915〜930Kg/m3の範囲にある高圧法低密度ポリエチレンであり、密度が異なる二種以上のエチレン・α−オレフィン共重合体あるいはエチレン単独重合体、もしくは、密度が異なる二種以上のエチレン・α−オレフィン共重合体あるいはエチレン単独重合体と高圧法低密度ポリエチレンを含んでいてもよい。
上記エチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィン、例えば、1−ブテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとのランダム共重合体である。
本発明に係るエチレン系重合体組成物(B)は、密度が、900〜925Kg/m3の範囲にあることが好ましく、更には、904〜922Kg/m3の範囲にあることが好ましい、
密度が上記範囲内にあると、得られる二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの落袋強度、耐屈曲性が向上する。
本発明に係るエチレン系重合体組成物(B)は、フィルム形成能がある限り、メルトフローレート(MFR:ASTM D1238 荷重2160g、温度190℃)は特に限定はされないが、通常、0.5〜10g/10分、好ましくは0.8〜5g/10分の範囲にある。
本発明に係るエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)あるいはエチレン系重合体組成物(B)には、本発明の目的を損なわない範囲で、通常用いられる酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、滑剤、核剤、顔料等の添加剤或いは他の重合体を必要に応じて配合することができる。
[エチレン系重合体(A)]
本発明の二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの少なくとも片面の表層、好ましくは両表面を形成するエチレン系重合体(A)は、密度が910〜938Kg/m3、好ましくは920〜935Kg/m3の範囲にあり、且つ、基材層を構成するエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)の密度より高い密度を有する。密度が上記範囲のエチレン系重合体を用いた場合は、得られる二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの落袋強度が向上する。
本発明に係るエチレン系重合体(A)は、フィルム形成能がある限り、メルトフローレート(MFR:ASTM D1238 荷重2160g、温度190℃)は特に限定はされないが、通常、0.5〜10g/10分、好ましくは0.8〜5g/10分の範囲にある。
本発明に係るエチレン系重合体(A)は、特に、密度の異なるエチレン系重合体を混合することにより得られる下記エチレン共重合体組成物(A−1)またはエチレン共重合体組成物(A−2)が好ましい。
[エチレン共重合体組成物(A−1)]
本発明に係るエチレン共重合体組成物(A−1)は、密度が895〜925Kg/m3、好ましくは900〜920Kg/m3の範囲にあるエチレン・α−オレフィン共重合体(a1)成分と密度が926〜970Kg/m3、好ましくは930〜965Kg/m3の範囲にあるエチレン系重合体(a2)成分とからなるエチレン共重合体組成物であり、好ましくは、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a1)成分が5〜95質量%、より好ましくは20〜80質量%及びエチレン系重合体(a2)成分が95〜5質量%、より好ましくは80〜20質量%〔(a1)+(a2)=100質量%〕の範囲にある。
本発明に係るエチレン共重合体組成物(A−1)は、フィルム形成能がある限り、メルトフローレート(MFR:ASTM D1238 荷重2160g、温度190℃)は特に限定はされないが、通常、0.5〜10g/10分、好ましくは0.8〜5g/10分の範囲にある。
[エチレン共重合体組成物(A−2)]
本発明に係るエチレン共重合体組成物(A−2)は、密度が895〜925Kg/m3、好ましくは900〜920Kg/m3の範囲にあるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a1)成分、密度が926〜970Kg/m3、好ましくは930〜965Kg/m3の範囲にあるエチレン系重合体(a2)成分及び密度が910〜935Kg/m3、好ましくは915〜930Kg/m3の範囲にある高圧法低密度ポリエチレン(a3)とからなるエチレン共重合体組成物である。エチレン共重合体組成物(A−2)は、(a1)、(a2)および(a3)のうち、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a1)成分が、好ましくは5〜95質量%、より好ましくは20〜80質量%及びエチレン系重合体(a2)成分が95〜5質量%、より好ましくは40〜70質量%〔(a1)+(a2)=100質量%〕の範囲にあることが望ましい。また、エチレン共重合体組成物(A−2)は、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a1)成分+エチレン系重合体(a2)成分が、好ましくは50〜95質量%、好ましくは60〜90質量%及び高圧法低密度ポリエチレン(a3)が50〜5質量%、好ましくは30〜10質量%〔[(a1)+(a2)]+(a3)=100質量%〕の範囲にあることが望ましい。
本発明の係るエチレン共重合体組成物(A−2)は、フィルム形成能がある限り、メルトフローレート(MFR:ASTM D1238 荷重2160g、温度190℃)は特に限定はされないが、通常、0.5〜10g/10分、好ましくは0.8〜5g/10分の範囲にある。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体(a1)のメルトフローレート(MFR:ASTM D1238 荷重2160g、温度190℃)は、後述のエチレン系重合体(a2)との組成物(A−1)またはエチレン系重合体(a2)と高圧法低密度ポリエチレン(a3)との組成物(A−2)とした際に、フィルム形成能がある限りとくに限定はされないが、通常0.01〜10g/10分、好ましくは0.2〜5g/10分の範囲にある。
また、かかるエチレン・α−オレフィン共重合体(a1)は、分子量分布(重量平均分子量:Mw、と数平均分子量:Mn、との比:Mw/Mnで表示)が通常1.5〜4.0、好ましくは1.8〜3.5の範囲にある。このMw/Mnはゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定できる。
上記のようなエチレン・α−オレフィン共重合体(a1)は、チーグラー触媒、シングルサイト触媒等を用いた従来公知の製造法により調整することができるが、シングルサイト触媒(メタロセン触媒)により得られた共重合体がとくに好ましい。このメタロセン化合物を含む触媒は、(a)遷移金属のメタロセン化合物と、(b)有機アルミニウムオキシ化合物と、(c)担体とから形成されることが好ましく、さらに必要に応じて、これらの成分と(d)有機アルミニウム化合物および/または有機ホウ素化合物とから形成されていてもよい。
なお、このようなメタロセン化合物を含むオレフィン重合用触媒、および触媒を用いたエチレン・α−オレフィン共重合体(a1)の調整方法は、たとえば特開平8−269270号公報に記載されている。
[エチレン系重合体(a2)]
本発明の二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの少なくとも片面の表層を形成するエチレン共重合体組成物(A−1)またはエチレン共重合体組成物(A−2)を構成する他の成分であるエチレン系重合体(a2)は、密度が926〜970Kg/m3、好ましくは930〜965Kg/m3の範囲にあるエチレンの単独重合体またはエチレンと炭素数3以上のα−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとのランダム共重合体である。本発明に係るエチレン系重合体(a2)は前記範囲の密度であれば、1種あるいは2種以上の混合物であってもよい。
エチレン系重合体(a2)のメルトフローレート(MFR:ASTM D1238 荷重2160g、温度190℃)は、前述のエチレン系重合体(a1)との組成物(A−1)及びエチレン系重合体(a1)及び後述の高圧法低密度ポリエチレン(a3)との組成物(A−2)とした際に、フィルム形成能がある限りとくに限定はされないが、通常0.01〜100g/10分、好ましくは0.1〜80g/10分の範囲にある。
エチレン系重合体(a2)は、さらには、密度が926〜945Kg/m3、好ましくは935〜945Kg/m3の範囲のエチレン系重合体(a2−1)成分と密度が946〜970Kg/m3、好ましくは950〜965Kg/m3の範囲のエチレン系重合体(a2−2)成分と低密度成分と高密度成分を併用すると、より縦/横方向の何れにも容易に引裂け易い二軸延伸エチレン重合体多層フィルムが得られる。
エチレン系重合体(a2)としてエチレン系重合体(a2−1)成分とエチレン系重合体(a2−2)成分を用いる場合は、エチレン系重合体(a2−1)成分を1〜99質量%、好ましくは30〜70質量%及びエチレン系重合体(a2−2)成分を99〜1質量%、好ましくは70〜30質量%〔(a2−1)+(a2−2)=100質量%〕の割合とすることが望ましい。
また、かかるエチレン系重合体(a2)は、分子量分布(重量平均分子量:Mw、と数平均分子量:Mn、との比:Mw/Mnで表示)が通常1.5〜4.0、好ましくは1.8〜3.5の範囲にある。このMw/Mnはゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定できる。
上記のようなエチレン系重合体(a2)は、チーグラー触媒、シングルサイト触媒等を用いた従来公知の製造法により調整することができる。特に、エチレン系重合体(a2)としてエチレン系重合体(a2−1)を用いる場合は、シングルサイト触媒(メタロセン触媒)により得られた共重合体がとくに好ましい。このメタロセン化合物を含む触媒は、(a)遷移金属のメタロセン化合物と、(b)有機アルミニウムオキシ化合物と、(c)担体とから形成されることが好ましく、さらに必要に応じて、これらの成分と(d)有機アルミニウム化合物および/または有機ホウ素化合物とから形成されていてもよい。
なお、このようなメタロセン化合物を含むオレフィン重合用触媒、および触媒を用いたエチレン・α−オレフィン共重合体(a2)の調整方法は、たとえば特開平8−269270号公報に記載されている。
一方、エチレン系重合体(a2)としてエチレン系重合体(a2−2)を用いる場合は、シングルサイト触媒(メタロセン触媒)により得られる重合体であってもよいが、従来公知のチーグラー触媒等で製造されている、所謂高密度ポリエチレンであってもよい。
[高圧法低密度ポリエチレン(a3)]
本発明の二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの少なくとも片面の表層を形成するエチレン共重合体組成物(A−2)を構成する他の一つ成分である高圧法低密度ポリエチレン(a3)は、密度が910〜935Kg/m3、好ましくは915〜930Kg/m3の範囲にある。かかる高圧法低密度ポリエチレンは、高圧下で重合されるエチレンの単独重合体、若しくは5重量%以下の、他のα−オレフィンあるいは酢酸ビニル等のビニル化合物との共重合体で、低密度ポリエチレンの範疇に入るエチレン系重合体である。
密度が910Kg/m3未満の高圧法低密度ポリエチレンは、前記エチレン共重合体組成物(A−2)として二軸延伸多層フィルムを成形した場合に得られるフィルムがブロッキングし易く、引裂き強度が強く、本発明の目的が達成出来ない虞がある。
高圧法低密度ポリエチレン(a3)のメルトフローレート(MFR:ASTM D1238 荷重2160g、温度190℃)は、前述のエチレン系重合体(a1)及びエチレン系重合体(a1)との組成物(A−2)とした際に、フィルム形成能がある限りとくに限定はされないが、通常、0.1〜30g/10分、好ましくは0.1〜10g/10分の範囲にある。
本発明に係るエチレン共重合体組成物(A−1)及びエチレン共重合体組成物(A−2)は、各々別個にエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a1)、エチレン系重合体(a2)及び高圧法低密度ポリエチレン(a3)を得た後、ヘンシェルミキサー、タンブラーブレンダー、V−ブレンダー等によりドライブレンドする方法またはドライブレンドした後、単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー等により溶融混練することにより得られる。
本発明に係るエチレン共重合体組成物(A−1)はまた、連続・多段重合プロセスにより、複数の重合器を用いて、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a1)とエチレン系重合体(a2)を夫々重合した後、混合してエチレン共重合体組成物(A−1)とする方法、1個の重合器を用いて、先にエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a1)若しくはエチレン系重合体(a2)を重合した後、続いてエチレン系重合体(a2)若しくはエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a1)を重合する方法等、種々公知の重合方法を採り得る。
本発明に係るエチレン系重合体(A)、エチレン共重合体組成物(A−1)、エチレン共重合体組成物(A−2)若しくはそれら組成物を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(a1)、エチレン系重合体(a2)または高圧法低密度ポリエチレン(a3)には本発明の目的を損なわない範囲で、通常用いられる酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、滑剤、核剤、顔料等の添加剤或いは他の重合体を必要に応じて配合することができる。
[二軸延伸エチレン重合体多層フィルム]
本発明の二軸延伸エチレン重合体多層フィルムは、前記密度が895〜915Kg/m3の範囲にあるエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)を40質量%以上含むエチレン系重合体組成物(B)から得られる基材層の少なくとも片面に、密度が910〜938Kg/m3の範囲にあり、且つ、基材層を構成するエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)の密度より高い密度を有するエチレン系重合体(A)から得られる表層が積層されてなり、且つ、基材層及び表層が共に二軸延伸されてなることを特徴とする二軸延伸エチレン重合体多層フィルムである。
本発明の二軸延伸エチレン系多層フィルムは、前記基材層の両面に、前記密度が910〜938Kg/m3の範囲にあるエチレン系重合体(A)から得られる表層が積層されていてもよい。両面に密度が910〜938Kg/m3の範囲にあるエチレン系重合体(A)からなる表層を積層する場合は、密度が上記範囲にある限り、両面の表面層の各密度は同じ密度であっても、異なる密度であってもよい。
本発明の二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの厚さは用途により種々決定され得るが、通常、二軸延伸エチレン重合体フィルム基材層の厚さが約10〜200μm、好ましくは約15〜130μm、表層の厚さが約0.2〜60μm、好ましくは約0.4〜40μmの範囲、二軸延伸エチレン重合体多層フィルム全体の厚さが、約10〜320μm、好ましくは約15〜230μmの範囲にある。
また、本発明の二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの二軸延伸エチレン重合体フィルム基材層は一層であっても二層以上、即ち、中間層とラミネート層の多層であってもよい。
本発明の二軸延伸エチレン重合体多層フィルムは、印刷性あるいは後述の他の熱可塑性樹脂フィルムを含め他の基材との接着性を改良するために、二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの他の片面、基材層が二層以上であればラミネート層の表面を、両面が熱融着層であればその一方の表面を、例えば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、アンダーコート処理等の表面活性化処理を行っておいてもよい。
本発明の二軸延伸エチレン重合体多層フィルムは、種々用途により、少なくとも片面に熱可塑性樹脂フィルムが積層されていてもよい。
かかる熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリブテン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体もしくはその鹸化物、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマー、あるいはこれらの混合物等から得られるフィルムを例示することができる。
また、かかる熱可塑性樹脂フィルムは、無延伸フィルムであっても、延伸フィルムであっても良いし、1種または2種以上の共押し出し成形、押出しラミネート、ドライラミネート、サーマルラミネート等で得られる積層体であっても良い。中でも、二軸延伸熱可塑性フィルム、とくにポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドからなる二軸延伸熱可塑性フィルムが好ましい。
本発明の二軸延伸エチレン重合体多層フィルムには、紙、アルミニウム箔等からなる基材と積層してもよい。
[二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの製造方法]
本発明の二軸延伸エチレン重合体多層フィルムは、種々公知の方法、例えば、基材層を形成する前記密度が895〜915Kg/m3の範囲にあるエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)を40質量%以上含むエチレン系重合体組成物(B)と表層を形成する前記密度が910〜938Kg/m3の範囲にあり、且つ、基材層を構成するエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)の密度より高い密度を有するエチレン系重合体(A)とを共押出し成形し、チューブラー方式又はフラット方式(テンター方式)により、上記範囲で縦(MD)方向及び横(TD)方向に二軸延伸することにより得られる。二軸延伸は同時二軸延伸でも、逐次二軸延伸でもよい。これら方式の中でも、フラット方式により得られる二軸延伸エチレン重合体多層フィルムが、より透明性に優れるので好ましい。
また、フラット方式で、表層または基材層のうち厚い方の層のΔNpを0.0070〜0.0160に制御するために低倍率延伸(面倍率30倍以下)を行う場合、厚薄が最良な方式は、同時二軸延伸方式である。
フラット方式の逐次二軸延伸による場合は、通常、押出し成形して得た多層シートを90〜125℃の温度範囲で縦方向に、通常、2.0〜7.0倍、好ましくは2.3〜5.5倍延伸した後、90〜130℃の温度範囲で横方向に、通常、5.0〜12.0倍、好ましくは6.0〜10.5倍延伸することにより得られる。二軸延伸した後は、用途により、80〜140℃の温度範囲でヒートセットを行ってもよい。ヒートセットの温度は、目的とする面配向度(ΔNp)に応じて変える事が出来る。
また、フラット方式の同時二軸延伸による場合は、通常押出し成形して得た多層シートを80〜140℃の温度範囲で縦方向、横方向ともに、通常、2.0〜14.0倍、好ましくは2.5〜6.5倍に延伸することにより得られる。二軸延伸した後は、80〜140℃の温度範囲でヒートセットを行っても良い。ヒートセットの温度は、目的とする面配向度(ΔNp)に応じて変える事ができる。また、ヒートセット時に緩和を行っても良い。
本発明の二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの片面に、熱可塑性樹脂フィルムを積層する場合は種々公知の方法、例えば、必要に応じてコロナ処理した二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの基材層あるいは表層の表面にウレタン型接着剤、イソシアネート系接着剤を塗布した後、熱可塑性樹脂フィルムとドライラミネートする方法あるいは、ラミネート面あるいは両面が熱融着層と熱可塑性樹脂フィルムとを高圧法低密度ポリエチレンを用いて押出しラミネートする方法を採り得る。
次に本発明を、実施例を通して説明するが、本発明はそれら実施例によって限定されるものではない。
本発明における各種試験法および評価法は次の通りである。
(1)メルトフローレート(g/10分)
ASTM D1238に準拠し、荷重2160g、温度190℃の条件で測定した。
(2)密度(Kg/m3
MFRを測定して得たエチレン重合体ストランドを120℃で2時間処理し、1時間かけて室温(23℃)まで徐冷した後、JIS K 7112に準拠し、D法(密度勾配管)により測定した。
(3)ヘイズ(曇価)(%)
Haze Meter(日本電色工業社製 NDH−2000)を使用して二軸延伸エチレン重合体多層フィルム1枚の曇り度をJIS K 7136に準拠して測定した。
(4)引張試験
二軸延伸エチレン重合体多層フィルムから長さ方向がフィルムの流れ方向(MD)、幅方向(TD)となるように15mm幅、200mm長さの短冊状の試験片を切出し、オリエンテック社製テンシロンRT1225型を使用してJIS K 7127に準拠してヤング率(MPa)を測定した。
(5)熱収縮率(%)
二軸延伸エチレン重合体多層フィルムから100mm幅の正方形な試験片を切り出し、100℃のオーブン内に15分静置した。その後、オーブン内から試験片を取り出し、23℃の雰囲気温度下で30分以上静置後、正方形の試験片の各辺の長さを測定し、変化量とした。熱収縮率は、以下の式から算出した。
熱収縮値=(100−A)/100×100
A;オーブン内静置後の正方形の辺の長さ
(6)面配向度の測定
フィルムの屈折率をアッベ(abbe)屈折計DR−M2((株)アタゴ製)を用いて、下記のNx、Ny、NzをJIS K 7142に準拠して測定した。接触液は、ヨウ化メチレンを用いた。すなわち、測定光としてD線(波長589nm)を使用して、フィルムの直交3方向の屈折率Nx、Ny、Nzを測定し、その測定で得られた数値から以下の複屈折、面配向度を求めた。
Nx フィルム製造時の流れ方向(MD)の屈折率
Ny フィルム面の流れ方向に直交する方向(TD)の屈折率
Nz フィルムの厚み方向の屈折率
複屈折:ΔNxz=Nx−Nz、ΔNyz=Ny−Nz
面配向度:ΔNp=(1/2(ΔNxz+ΔNyz))
表層または基材層のうち厚い方の層よりも屈折率の低い層が存在するときは、測定原理上の必要性から、低い層を切削などで取り除いて測定した。
(7)ヒートシール強度
15μmのNy(銘柄:ユニチカ株式会社製ONBC−15)と二軸延伸エチレン重合体多層フィルムをドライラミネートした。ドライラミネートしたフィルムを東洋精機製ヒートシールテスターを使用し、二軸延伸エチレン重合体多層フィルム面同士を合わせて、ヒーター温度が100℃〜160℃で圧力が0.2MPaで、シール時間が1秒で、ヒートシールを行った後、シールした試験片を幅15mmの試験片に切り出し、オリエンテック製テンシロンRT1225型を使用し、剥離強度を測定した。
(8)耐屈曲性(個/m2
テスター産業製のゲルボフレックステスターを使用し、二軸延伸エチレン重合体多層フィルムから210mm幅、297mm長さの試験片を切り出し、屈曲角度440度、屈曲速度40回/分で、0℃、−30℃の各雰囲気下で、3000回の屈曲試験を行った後、屈曲試験後の試験片で袋をつくり、三菱ガス化学製のエージレスシールチェックでピンホール数(個/m2)を測定した。
(9)落袋試験
条件A:落袋試験に用いる積層体として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:12μm)、二軸延伸ポリアミドフィルム(厚さ:15μm)および二軸延伸エチレン重合体多層フィルムを用意し、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと二軸延伸ポリアミドフィルムを、ラミネート機を使用してドライラミで貼り合わせた後、二軸延伸エチレン重合体多層フィルムを、二軸延伸ポリアミドフィルム側に、メイヤーバーでアンカー剤を膜状に広げ、ゴムローラーにて加圧しながら、貼り合わせ、積層体を得た。積層体は、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/二軸延伸ポリアミドフィルム/二軸延伸エチレン重合体多層フィルムである。なお、アンカー剤は、タケラックA310、タケネートA3(三井化学製)に、溶剤として酢酸エチル(廣島和光純薬製)を混合してしたものを使用した。得られた積層体は、40℃で24時間、加圧した状態で保管した。得られた積層体の二軸延伸エチレン重合体多層フィルム面の表層側が、包装袋の内面を向くように配置し、高さ方向140mm、横方向100mmの三方袋を作製した。なおシール幅は、10mmである。作製した袋に、水90mlを充填し、エア抜きを行った上で、口部を10mm余らせ、その中側をシールした。このような袋を、5袋準備し、5℃の雰囲気下で12時間静置した後、袋の面を水平にして、袋と同じ大きさの面を有す平板状の300gの重りを落下方向と逆面に重ねるように載せ、高さ100cmから落下をさせた。破袋するまで落下を繰返し、破袋した回数を記録して、5袋分のデータを平均化した回数で評価した。回数が多いほど、性能が良い。100回以上を良好として、○と判断し、100回未満を不良として、×と判断した。
条件B:条件Aのうち、三方袋のサイズを高さ方向200mm、横方向150mmに変更、水の充填量を400mlに変更、落下時の重りを500gに変更、落下高さを50cmに変更した以外は、条件Aと同様に行なった。30回以上を良好として、○と判断し、30回未満を不良として×と判断した。
本発明の実施例及び比較例で用いた重合体及び組成物は次の通りである。
(i)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a1)
(1)エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体(a1−1):メタロセン触媒を用いた重合体、密度;905Kg/m3、MFR;0.5g/10分。
(2)エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体(a1−2):メタロセン触媒を用いた重合体、密度;918Kg/m3、MFR;3.8g/10分。
(ii)エチレン系重合体(a2−1)
(1)エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体(a2−1−1):メタロセン触媒を用いた重合体、密度;930Kg/m3、MFR;60g/10分。
(iii)エチレン系重合体(a2−2)
(1)エチレン・プロピレン・1−ブテンランダム共重合体(a2−2−1):チーグラー触媒を用いた重合体、密度;958Kg/m3、MFR;0.9g/10分。
(iv)高圧法低密度ポリエチレン(a3)
(1)高圧法低密度ポリエチレン(a3−1):密度;917Kg/m3、MFR;7g/10分。
(v)エチレン重合体組成物(A−2)
(1)エチレン重合体組成物(A−2−1)
前記エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体(a1−1)、エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体(a2−1−1)、エチレン・プロピレン・1−ブテンランダム共重合体(a2−2−1)及び高圧法低密度ポリエチレン(a3−1)を36:24:25:15(質量%)の割合でドライブレンドした後、池貝鉄工社製二軸押出機(46mmφ)を用いて、温度190℃、押出量50Kg/時の条件で溶融混練し、エチレン重合体組成物(A−2−1)を得た。
得られたエチレン重合体組成物(A−2−1)は密度;927Kg/m3、MFR;2.0g/10分であった。
(vi)エチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)
(1)エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体(b−1)(前記(a1−1)に同じ):メタロセン触媒を用いた重合体、密度;905Kg/m3、MFR;0.5g/10分。
(2)エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体(b−2):メタロセン触媒を用いた重合体、密度;903Kg/m3、MFR;3.8g/10分。
(3)エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体(b−3):メタロセン触媒を用いた重合体、密度;913Kg/m3、MFR;3.8g/10分。
(4)エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体(b−4):メタロセン触媒を用いた重合体、密度;918Kg/m3、MFR;3.8g/10分。
(vii)エチレン系重合体組成物(B)
(1)エチレン系重合体組成物(B−1)
前記エチレン重合体組成物(A−2−1):50質量%および前記エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体(b−2):50質量%とをドライブレンドして、エチレン系重合体組成物(B−1)を得た。エチレン系重合体組成物(B−1)に含まれるエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)の量は、68質量%〔(a1−1)+(b−2)〕であり、密度;915Kg/m3、MFR;2.9g/10分である。
〔実施例1〕
二軸延伸エチレン重合体フィルム基材層用のエチレン系重合体組成物(B)として、前記エチレン重合体組成物(B−1)を、及び表層用のエチレン系重合体(A)として前記エチレン重合体組成物(A−2−1)を用い、3台の押出を備えた二軸延伸フィルム成形機を用いて溶融押出しし、T−ダイで賦形した後、冷却ロール上にて急冷し厚さ約0.6〜0.7mmの三層シート(A−2−1/B−1/A−2−1=5/90/5の層比)を得た。このシートを104℃に加熱し、フィルムの流れ方向(縦方向)に4.4倍、流れ方向に対して直交する方向(横方向)に4.4倍同時二軸延伸をして、厚さ約40μmの二軸延伸エチレン重合体多層フィルムを得た。かかる二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。
結果を表1に示す。
〔実施例2〕
実施例1と同様な方法を行い、二軸延伸エチレン重合体多層フィルムを得た。得られたフィルムを、縦方向/横方向同時に10%緩和しながら、115℃の温度で熱処理を行って、二軸延伸エチレン重合体多層フィルムを得た。かかる二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
実施例2の熱処理温度のみ120℃に変更し、その他同様な方法を行い、二軸延伸エチレン重合体多層フィルムを得た。かかる二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
〔実施例4〕
実施例2の熱処理温度のみ122℃に変更し、その他同様な方法を行い、二軸延伸エチレン重合体多層フィルムを得た。かかる二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
Figure 2016147430
〔比較例1〕
実施例2の熱処理温度のみ124℃に変更し、その他同様な方法を行い、二軸延伸エチレン重合体多層フィルムを得た。かかる二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表2に示す。
〔実施例5〕
二軸延伸エチレン重合体フィルム基材層用のエチレン系重合体組成物(B)として、前記エチレン重合体組成物(B−1)を、及び表層用のエチレン系重合体(A)として前記エチレン重合体組成物(A−2−1)を用い、3台の押出を備えた二軸延伸フィルム成形機を用いて溶融押出しし、T−ダイで賦形した後、冷却ロール上にて急冷し厚さ約1.5mmの三層シート(A−2−1/B−1/A−2−1=5/90/5の層比)を得た。
このシートを用いて、縦方向(MD)はロールによる延伸を行い、その後、横方向(TD)はテンターにより延伸した。ロールによる延伸の温度は、95℃であり、テンターによる延伸の温度は116℃である。テンター延伸後、127℃で熱処理を実施し、二軸延伸エチレン重合体多層フィルムを得た。かかる二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表2に示す。
〔参考例〕
実施例5のテンター延伸温度を104℃、熱処理温度を118℃に変更し、その他同条件で二軸延伸重合体多層フィルムを得た。かかる二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表2に示す。
Figure 2016147430
表1に示す結果から、ΔNpが0.007〜0.020の範囲では、ピンホール数が500以下で耐屈曲性優れていることがわかる。比較例1のΔNpが0.006ではピンホール数が1000以上になり、耐屈曲性が劣ることがわかる。以上より、耐屈曲性は、ΔNpが0.007以上であれば、優れている。
また、表1に示す結果から、ΔNpが0.019になると、落体試験結果が、×と判断され、劣ることがわかる。よって、耐屈曲性と落体性能を両立させるためにはΔNpが0.007〜0.016の範囲が好ましい。
本発明の二軸延伸エチレン重合体多層フィルムは、落袋強度に優れ、且つ、耐屈曲性、に優れ、しかもヒートシール性に優れるので、内容物が液体や粉末などの包装袋に適している。

Claims (8)

  1. 密度が895〜920Kg/m3の範囲にあるエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)を40質量%以上含むエチレン系重合体組成物(B)から得られる基材層の少なくとも片面に、密度が910〜938Kg/m3の範囲にあり、且つ、基材層を構成するエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(b)の密度より高い密度を有するエチレン系重合体(A)から得られる表層が積層されてなり、且つ、基材層及び表層が共に二軸延伸され、基材層または表層のうち厚い方の層の面配向度(ΔNp)が0.0070〜0.020に制御されていることを特徴とする二軸延伸エチレン重合体多層フィルム。
  2. 二軸延伸エチレン重合体多層フィルムが、縦方向(MD)の延伸倍率が2〜14倍、横方向(TD)の延伸倍率が2〜14倍の範囲にある請求項1に記載の二軸延伸エチレン重合体多層フィルム。
  3. エチレン系重合体組成物(B)の密度が、900〜925Kg/m3の範囲にある請求項1または請求項2に記載の二軸延伸エチレン重合体多層フィルム。
  4. エチレン系重合体(A)が、密度が895〜925Kg/m3のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a1)成分、密度が926〜970Kg/m3のエチレン系重合体(a2)成分及び密度が910〜935Kg/m3の高圧法低密度ポリエチレン(a3)とからなるエチレン共重合体組成物(A−2)である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の二軸延伸エチレン重合体多層フィルム。
  5. 前記二軸延伸エチレン重合体多層フィルムの少なくとも片面に熱可塑性樹脂フィルムが積層されてなる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の二軸延伸エチレン重合体多層フィルム。
  6. 前記熱可塑性樹脂フィルムが、二軸延伸されてなる請求項5に記載の二軸延伸エチレン重合体多層フィルム。
  7. 前記熱可塑性樹脂がポリエステル、ポリアミド若しくはポリプロピレンのいずれかである請求項5または請求項6に記載の二軸延伸エチレン重合体多層フィルム。
  8. 請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の二軸延伸エチレン重合体多層フィルムを熱融着層として用いてなる包装材料。
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