JP4813438B2 - 熱融着性積層フィルム - Google Patents
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Description
本発明者らは、特定の熱融解特性を有するエチレン系重合体を二軸延伸することにより、縦横何れの方向にも容易に引裂け、且つ透明性、収縮性に優れる二軸延伸エチレン系重合体フィルムが得られることを見出し、先に提案した(特許文献3)。そして、さらに検討した結果、二軸延伸エチレン系重合体フィルム基材層の少なくとも片面に、特定の密度を有するエチレン・α−オレフィンランダム共重合体から得られる熱融着層を備えることにより、ヒートシール性及び耐屈曲性にも優れる二軸延伸エチレン重合体多層フィルムが得られることを見出した(特許文献4)。
〔1〕密度が910〜938Kg/m3、示差走査熱量計(DSC)により得られる融
解熱量(ΔHT)が100〜140J/g、融解開始温度〜110℃の範囲の融解熱量(
ΔHL)が50〜80J/g、110℃〜融解終了温度の範囲の融解熱量(ΔHH)が35〜80J/gの範囲にあり、(ΔHH)/(ΔHL)が0.5〜1.5の範囲にあるエチレン系重合体(A)を二軸延伸してなるエチレン系重合体フィルムからなる熱融着層(I)と、ポリアミド、ポリエステルおよびポリプロピレンから選ばれる熱可塑性樹脂からなる基材層(II)を有することを特徴とする熱融着性積層フィルム。
〔3〕熱融着層(I)の厚さ(T)が20〜75μmの範囲にあり、突刺し強度(P)とTが下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の熱融着性積層フィルム;
P≧1.2T+70 (1)
〔Tはフィルム厚さ、Pは−30℃で測定した突刺し強度(単位;N)を示す。〕
〔4〕熱融着層(I)の厚さ(T)が20〜75μmの範囲にあり、耐ピンホール性試験後のピンホール数(H)とTが下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の熱融着性積層フィルム;
H≦−0.4T+30 (2)
〔Tはフィルム厚さ、Hは−30℃で測定した耐ピンホール性試験後に発生したピンホール数(単位;個/m2)を示す。〕
〔5〕厚さ25μmの積層フィルムのヘイズが7%以下である前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の熱融着性積層フィルム。
オレフィンランダム共重合体(a1)成分が5〜95重量部と、密度が926〜970Kg/m3のエチレン系重合体(a2)成分が95〜5重量部〔(a1)+(a2)=10
0重量部〕とからなるエチレン共重合体組成物(A−1)である前記〔1〕に記載の熱融着性積層フィルム。
オレフィンランダム共重合体(a1)成分、密度が926〜970Kg/m3のエチレン
系重合体(a2)成分及び密度が910〜935Kg/m3の高圧法低密度ポリエチレン
(a3)とからなるエチレン共重合体組成物(A−2)である前記〔1〕に記載の熱融着性積層フィルム。
系重合体(a2−1)成分と密度が946〜970Kg/m3のエチレン系重合体(a2
−2)成分とからなる前記〔6〕〜〔8〕のいずれかに記載の熱融着性積層フィルム。
[エチレン系重合体(A)]
本発明の熱融着性積層フィルムの熱融着層(I)となる二軸延伸してなるエチレン系重合体フィルムを形成するエチレン系重合体(A)は、密度が910〜938Kg/m3、
好ましくは915〜935Kg/m3、示差走査熱量計(DSC)により得られる融解熱
量(ΔHT)が100〜140J/g、好ましくは115〜135J/g、融解開始温度
〜110℃の範囲の融解熱量(ΔHL)が50〜80J/g、好ましくは55〜80J/
g、110℃〜融解終了温度の範囲の融解熱量(ΔHH)が35〜80J/g、好ましく
は45〜80J/gの範囲にあり、(ΔHH)/(ΔHL)が0.5〜1.5、好ましくは0.65〜1.4の範囲にあるエチレン系重合体である。
フィルムの成形が困難な場合がある、また、(ΔHH)が35J/g未満、あるいは(Δ
HH)/(ΔHL)が0.5未満のエチレン系重合体は、二軸延伸フィルムを成形しても、一方向の引裂き強度が大きくなり、突刺し強度、耐摩耗性、耐ピンホール性などに優れる熱融着性積層フィルムが得られない虞がある。
本発明に係るエチレン系重合体(A)の各熱融解量は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、以下の方法で測定した値である。
、試料約5mgを精秤し、JIS K 7122に準拠し、10℃から加熱速度:10℃/分で180℃迄昇温して試料を一旦融解させた後、180℃に10分間維持し、冷却速度:10℃/分で10℃迄降温して結晶化させた後、10℃に5分間維持した後、再度加熱速度:10℃/分で180℃迄昇温して熱融解曲線を得、得られた熱融解曲線から、試料の熱融解量(ΔHT)、得られた熱融解曲線を110℃で二分し、融解開始温度〜110
℃の範囲の融解熱量(ΔHL)及び110℃〜融解終了温度の範囲の融解熱量(ΔHH)を求めた。
)に含まれる低密度成分に由来し、(ΔHH)は、主としてエチレン系重合体(A)に含
まれる高密度成分に由来するものであり、(ΔHH)/(ΔHL)が上記範囲にあるということは、換言すれば、本発明に係るエチレン系重合体(A)は、特定の範囲の組成分布を有するエチレン系重合体とも言えるものである。
とにより得られるが、密度の異なるエチレン系重合体を適宜混合することによっても得られる。その場合は、密度の異なるエチレン系重合体、例えば、密度が895〜915kg/m3の範囲にある重合体の量及び密度が915〜965kg/m3の範囲にある重合体の量を夫々増減することによっても得られる。
本発明に係るエチレン共重合体組成物(A−1)は、密度が895〜925Kg/m3
、好ましくは900〜920Kg/m3の範囲にあるエチレン・α−オレフィン共重合体
(a1)成分と密度が926〜970Kg/m3、好ましくは930〜965Kg/m3の範囲にあるエチレン系重合体(a2)成分とからなるエチレン共重合体組成物であり、好ましくは、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a1)成分が5〜95重量部、より好ましくは20〜80重量部及びエチレン系重合体(a2)成分が95〜5重量部、より好ましくは80〜20重量部〔(a1)+(a2)=100重量部〕の範囲にある。
本発明に係るエチレン共重合体組成物(A−2)は、密度が895〜925Kg/m3
、好ましくは900〜920Kg/m3の範囲にあるエチレン・α−オレフィンランダム
共重合体(a1)成分、密度が926〜970Kg/m3、好ましくは930〜965K
g/m3の範囲にあるエチレン系重合体(a2)成分及び密度が910〜935Kg/m3、好ましくは915〜930Kg/m3の範囲にある高圧法低密度ポリエチレン(a3)
とからなるエチレン共重合体組成物である。エチレン共重合体組成物(A−2)は、(a1)、(a2)および(a3)のうち、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a1)成分が、好ましくは5〜95重量部、より好ましくは20〜80重量部及びエチレン系重合体(a2)成分が95〜5重量部、より好ましくは80〜20重量部〔(a1)+(a2)=100重量部〕の範囲にあることが望ましい。また、エチレン共重合体組成物(A−2)は、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a1)成分+エチレン系重合体(a2)成分が、好ましくは50〜95重量部、好ましくは60〜90重量部及び高圧法低密度ポリエチレン(a3)が50〜5重量部、好ましくは40〜10重量部〔[(a1)+(a2)]+(a3)=100重量部〕の範囲にあることが望ましい。
本発明の熱融着性積層フィルムの熱融着層(I)となる二軸延伸してなるエチレン系重合体フィルムを形成するエチレン共重合体組成物(A−1)またはエチレン共重合体組成物(A−2)を構成する成分であるエチレン・α−オレフィン共重合体(a1)は、密度が895〜925Kg/m3、好ましくは900〜920Kg/m3の範囲にあるエチレンと炭素数4以上のα−オレフィン、例えば、1−ブテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、
1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン、好ましくは炭素数が6以上のα−オレフィンとのランダム共重合体である。本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体(a1)は前記範囲の密度であれば、1種あるいは2種以上の混合物であってもよい。
本発明の熱融着性積層フィルムの熱融着層(I)となる二軸延伸してなるエチレン系重合体フィルムを形成するエチレン共重合体組成物(A−1)またはエチレン共重合体組成物(A−2)を構成する他の成分であるエチレン系重合体(a2)は、密度が926〜970Kg/m3、好ましくは930〜965Kg/m3の範囲にあるエチレンの単独重合体またはエチレンと炭素数3以上のα−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとのランダム共重合体である。本発明に係るエチレン系重合体(a2)は前記範囲の密度であれば、1種あるいは2種以上の混合物であってもよい。
は935〜945Kg/m3の範囲のエチレン系重合体(a2−1)成分と密度が946
〜970Kg/m3、好ましくは950〜965Kg/m3の範囲のエチレン系重合体(a2−2)成分と低密度成分と高密度成分を併用すると、より突刺し強度、耐摩耗性、耐ピンホール性などの機械的強度に優れ、且つ透明性などの光学特性にも優れる熱融着性積層フィルムが得られる。
本発明の熱融着性積層フィルムの熱融着層(I)となる二軸延伸してなるエチレン系重合体フィルムを形成するエチレン共重合体組成物(A−2)を構成する他の一つ成分である高圧法低密度ポリエチレン(a3)は、密度が910〜935Kg/m3、好ましくは
915〜930Kg/m3の範囲にある。かかる高圧法低密度ポリエチレンは、高圧下で
重合されるエチレンの単独重合体、若しくは5重量%以下の、他のα−オレフィンあるいは酢酸ビニル等のビニル化合物との共重合体で、低密度ポリエチレンの範疇に入るエチレン系重合体である。
成物(A−2)として二軸延伸フィルムを成形した場合に得られるフィルムがブロッキングし易く、引裂き強度が強く、本発明の目的が達成出来ない虞がある。
38 荷重2160g、温度190℃)は、前述のエチレン系重合体(a1)及びエチレ
ン系重合体(a1)との組成物(A−2)とした際に、フィルム形成能がある限りとくに限定はされないが、通常、0.1〜30g/10分、好ましくは0.1〜10g/10分の範囲にある。
本発明の熱融着性積層フィルムの熱融着層(I)となる二軸延伸エチレン系重合体フィルムは、前記エチレン系重合体(A)を二軸延伸してなるフィルムである。
本発明の熱融着性積層フィルムの熱融着層(I)となる二軸延伸エチレン重合体フィルムは、種々公知の方法、例えば、チューブラー方式又はフラット方式(テンター方式)により、一方向の延伸倍率が3〜14倍、好ましくは5〜10倍及び他方向の延伸倍率が3〜14倍、好ましくは5〜10倍の範囲で縦(MD)方向及び横(TD)方向に二軸延伸することにより得られる。二軸延伸は同時二軸延伸でも、逐次二軸延伸でもよい。これら方式の中でも、フラット方式により得られる二軸延伸エチレン重合体フィルムが、より透明性に優れるので好ましい。
本発明の熱融着性積層フィルムの基材層(II)となる熱可塑性樹脂は、ポリアミド、ポリエステルおよびポリプロピレンから選ばれる重合体である。
本発明に係るポリアミドはフィルム形成能がある限り、種々公知のポリアミドを使用することがでる。具体的には、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−612、ナイロン−11、ナイロン−12、ポリメタキシレンアジパミド等、を例示できる。
本発明に係るポリエステルはフィルム形成能がある限り、種々公知のポリエステルを使用することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレン2,6ナフタレート、ポリブチレン2,6ナフタレート等、を例示できる。
本発明に係るポリプロピレンはフィルム形成能がある限り、種々公知のポリプロピレンを使用することができる。具体的には、プロピレンの単独重合体、プロピレンと少量の炭素数2〜10のα−オレフィンとの共重合体を例示できる。プロピレンの共重合体としては、例えば、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体が挙げられる。これらポリプロピレンとしては、融点が135℃以上の重合体が好ましく、特に160以上のプロピレン単独重合体若しくはプロピレン・α−オレフィン共重合体が好ましい。
本発明に係る基材層(II)は、前記ポリアミド、ポリエステルおよびポリプロピレンから選ばれる熱可塑性樹脂からなるフィルムである。かかるフィルムとしては、延伸フィルム、特に二軸延伸フィルムが、得られる熱融着性積層フィルムの耐衝撃強度、突刺し強度、耐摩耗性、耐ピンホール性などの機械的強度に優れ、且つ透明性などの光学特性にも優れるので好ましい。これらフィルムの中でも、ポリアミドフィルム、特に二軸延伸ポリアミドフィルムが、突刺し強度、耐摩耗性に優れるので好ましい。
[熱融着性積層フィルム]
本発明の熱融着性積層フィルムは、前記エチレン系重合体(A)を二軸延伸してなる二軸延伸エチレン重合体フィルムを熱融着層(I)とし、前記ポリアミド、ポリエステルおよびポリプロピレンから選ばれる熱可塑性樹脂からなるフィルムを基材層(II)に有する積層フィルムである。
〔Tはフィルム厚さ、Pは−30℃で測定した突刺し強度(単位;N)を示す。〕
本発明の熱融着性積層フィルムは、好ましくは、熱融着層(I)の厚さ(T)が20〜75μmの範囲にあり、耐ピンホール性試験後のピンホール数(H)とTが下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする。
〔Tはフィルム厚さ、Hは−30℃で測定した耐ピンホール性試験後に発生したピンホール数(単位;個/m2)を示す。〕
本発明の熱融着性積層フィルムは、好ましくは、厚さ25μmまたは40μmの積層フィルムのヘイズが7%以下、より好ましくは6%以下である。
本発明の熱融着性積層フィルムは、種々公知の方法で、熱融着層(I)となる前記二軸延伸エチレン系重合体フィルムと基材層(II)となる前記ポリアミド、ポリエステルおよびポリプロピレンから選ばれる熱可塑性樹脂からなるフィルムとを貼り合せることにより製造し得る。
本発明における各種試験法および評価法は次の通りである。
(1)メルトフローレート(g/10分)
ASTM D1238に準拠し、荷重2160g、温度190℃の条件で測定した。
(2)密度(Kg/m3)
MFRを測定して得た重合体ストランドを120℃で2時間処理し、1時間かけて室温(23℃)まで徐冷した後、JIS K 7112に準拠し、D法(密度勾配管)により測定した。
(3)ヘイズ(曇価)(%)
Haze Meter(日本電色工業社製 NDH−2000)を使用して熱融着性積層フィルム1枚の曇り度をJIS K 7136に準拠して測定した。
(4)インパクト強度(KJ/m)
東洋精機製作所製のフィルムインパクトテスターを使用し、先端形状は0.5インチ径
半球を使用し、熱融着性積層フィルムから100mm四方の正方形の試験片を切り出し、23℃、0℃及び−30℃の雰囲気温度下にてインパクト強度を測定した。
(5)突刺強度(N)
オリエンテック社製テンシロンRT1225型を使用し、先端形状は0.25インチ径半球を用いて、熱融着性積層フィルムから幅60mm、長さ200〜300mm程度の試験片を切り出し、JIS Z1707に準拠して、23℃、0℃及び−30℃の雰囲気温度下にて基材側から打ち抜き、突刺強度を測定した。
(6)耐ピンホール性
テスター産業社製のゲルボフレックステスターを使用し、熱融着性積層フィルムから幅208mm、長さ205mmの試験片を切り出し、−10℃及び−30℃の雰囲気温度下にて、ねじれ角度440度、ストローク152mm及び屈曲回数42回/分で、1000回及び3000回の屈曲試験を行なった後、屈曲試験後の試験片で袋をつくり、三菱ガス化学製のエージレスシールチェックでピンホール数(個/m2)を測定した。
(7)ヒーシール強度(N/15mm)
東洋精機製ヒートシールテスターを使用し、熱融着性積層フィルムから幅100mm、長さ150mmの試験片を切り出し、半分に折ってシールバー温度(上部)が140℃及び150℃(下部温度23℃)で圧力が0.2MPaで、シール時間が0.5秒で、ヒートシールを行った後、シールした試験片を幅15mmの試験片に切り出し、オリエンテック製テンシロンRT1225型を使用し、剥離強度を測定し、ヒートシール強度とした。(8)耐摩耗性(往復回数)
熱融着性積層フィルムから幅200mm、長さ200mmの試験片を切り出し、試験片を4つ折後、三菱化学製のエージレス液を注入、ダンボール上で200mmの距離を摩擦往復させ、穴あきまでの摩擦往復回数をカウントした。なお、耐摩耗試験は5回行い、その平均値を求めた。
(i)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a1)
(1)エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体(a1−1):メタロセン触媒を用いた重合体、密度;905Kg/m3、MFR;0.5g/10分。
(ii)エチレン系重合体(a2)
(a2−1)
(1)エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体(a2−1−1):メタロセン触媒を用いた重合体、密度;930Kg/m3、MFR;60g/10分。
(a2−2)
エチレン・プロピレン・1−ブテンランダム共重合体(a2−2−1):チーグラー触媒を用いた重合体、密度;958Kg/m3、MFR;0.9g/10分。
(iii)高圧法低密度ポリエチレン(a3)
(1)高圧法低密度ポリエチレン(a3−1):密度;917Kg/m3、MFR;7g
/10分。
エチレン重合体組成物(A−1)
前記エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体(a1−1)、エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体(a2−1−1)、エチレン・プロピレン・1−ブテンランダム共重合体(a2−2−1)及び高圧法低密度ポリエチレン(a3−1)を36:24:25:15(重量部)の割合でドライブレンドした後、池貝鉄工社製二軸押出機(46mmφ)を用いて、温度190℃、押出量50Kg/時の条件で溶融混練し、エチレン重合体組成物(A−1)を得た。
g/10分、融解熱量(ΔHT);127.1J/g、融解開始温度〜110℃の範囲の
融解熱量(ΔHL);63.55J/g、110℃〜融解終了温度の範囲の融解熱量(Δ
HH);63.55J/g及び(ΔHH)/(ΔHL);1.00であった。
熱融着性積層フィルムの熱融着層として、前記エチレン重合体組成物(A−1)を二軸延伸フィルム成形機を用いて溶融押出しし、T−ダイで賦形した後、冷却ロール上にて急冷し厚さ約1.1mmのシートを得た。このシートを112℃に加熱しフィルムの流れ方向(縦方向)に5倍延伸した。この5倍延伸したシートを116℃に加熱し流れ方向に対して直交する方向(横方向)に8.5倍延伸して厚さ25μmの二軸延伸エチレン重合体フィルム(1)からなる熱融着層を得た。
)を溶融押出しして、二軸延伸エチレン重合体フィルム(1)と厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(商品名;エンブレム ユニチカ社製)からなる基材層とを貼り合わ
せて熱融着性積層フィルムを得た。なおアンカー剤は、コロネートL、ニッポラン1100(ともに日本ポリウレタン工業)に、溶剤として酢酸エチル(広島和光純薬製)を混合したものを使用した。
得られた熱融着性積層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
熱融着性積層フィルムの熱融着層として、前記エチレン重合体組成物(A−1)を二軸延伸フィルム成形機を用いて溶融押出しし、T−ダイで賦形した後、冷却ロール上にて急冷し厚さ約(1.6)mmのシートを得た。このシートを112℃に加熱しフィルムの流れ方向(縦方向)に5倍延伸した。この5倍延伸したシートを116℃に加熱し流れ方向に対して直交する方向(横方向)に8.5倍延伸して厚さ40μmの二軸延伸エチレン重合体フィルム(2)からなる熱融着層を得た。
層と貼り合わせて熱融着性積層フィルムを得た。
得られた熱融着性積層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
実施例2で用いた二軸延伸エチレン重合体フィルム(2)に換えて厚さ40μmの線状低密度ポリエチレンフィルム(商品名;T.U.X FCS 東セロ社製)を用いる以外は実施例2と同様に行い、二軸延伸ポリアミドフィルムと貼り合せ、熱融着性積層フィルムを得た。
得られた熱融着性積層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
実施例1で用いた厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(商品名;エンブレム
ユニチカ社製)からなる基材層に換えて、厚さ25μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(商品名;エンブレム ユニチカ社製)を用いる以外は実施例1と同様に行い、熱融着性積
層フィルムを得た。
得られた熱融着性積層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
実施例2で用いた厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(商品名;エンブレム
ユニチカ社製)からなる基材層に換えて、厚さ25μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(商品名;エンブレム ユニチカ社製)を用いる以外は実施例2と同様に行い、熱融着性積
層フィルムを得た。
得られた熱融着性積層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
実施例4で用いた二軸延伸エチレン重合体フィルム(2)に換えて厚さ40μmの線状低密度ポリエチレンフィルム(商品名;T.U.X FCS 東セロ社製)を用いる以外は実施例4と同様に行い、熱融着性積層フィルムを得た。
得られた熱融着性積層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
実施例1で用いた厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(商品名;エンブレム
ユニチカ社製)からなる基材層に換えて、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名;ルミラー 東レ社製)を用いる以外は実施例1と同様に行い、熱融着性積層フィルムを得た。
得られた熱融着性積層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
実施例2で用いた厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(商品名;エンブレム
ユニチカ社製)からなる基材層に換えて、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名;ルミラー 東レ社製)を用いる以外は実施例2と同様に行い、熱融着性積層フィルムを得た。
得られた熱融着性積層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
実施例6で用いた二軸延伸エチレン重合体フィルム(2)に換えて厚さ40μmの線状低密度ポリエチレンフィルム(商品名;T.U.X FCS 東セロ社製)を用いる以外は実施例6と同様に行い、熱融着性積層フィルムを得た。
得られた熱融着性積層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
実施例1で用いた厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(商品名;エンブレム
ユニチカ社製)からなる基材層に換えて、厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(商品名;OP U−1 東セロ社製)を用いる以外は実施例1と同様に行い、熱融着性積層フィルムを得た。
得られた熱融着性積層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
実施例2で用いた厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(商品名;エンブレム
ユニチカ社製)からなる基材層に換えて、厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(商品名;OP U−1 東セロ社製)を用いる以外は実施例2と同様に行い、熱融着
性積層フィルムを得た。
得られた熱融着性積層フィルムの物性等を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
実施例8で用いた二軸延伸エチレン重合体フィルム(2)に換えて厚さ40μmの線状低密度ポリエチレンフィルム(商品名;T.U.X FCS 東セロ社製)を用いる以外は実施例8と同様に行い、熱融着性積層フィルムを得た。
Claims (9)
- 密度が910〜938Kg/m3、示差走査熱量計(DSC)により得られる融解熱量
(ΔHT)が100〜140J/g、融解開始温度〜110℃の範囲の融解熱量(ΔHL)が50〜80J/g、110℃〜融解終了温度の範囲の融解熱量(ΔHH)が35〜80
J/gの範囲にあり、(ΔHH)/(ΔHL)が0.5〜1.5の範囲にあるエチレン系重合体(A)を二軸延伸してなるエチレン系重合体フィルムからなる熱融着層(I)と、ポリアミド、ポリエステルおよびポリプロピレンから選ばれる熱可塑性樹脂からなる基材層(II)を有することを特徴とする熱融着性積層フィルム。 - 基材層(II)が、二軸延伸されてなる請求項1に記載の熱融着性積層フィルム。
- 熱融着層(I)の厚さ(T)が20〜75μmの範囲にあり、突刺し強度(P)とTが下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の熱融着性積層フィルム;
P≧1.2T+70 (1)
〔Tはフィルム厚さ、Pは−30℃で測定した突刺し強度(単位;N)を示す。〕 - 熱融着層(I)の厚さ(T)が20〜75μmの範囲にあり、耐ピンホール性試験後のピンホール数(H)とTが下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の熱融着性積層フィルム;
H≦−0.4T+30 (2)
〔Tはフィルム厚さ、Hは−30℃で測定した耐ピンホール性試験後に発生したピンホール数(単位;個/m2)を示す。〕 - 厚さ25μmの積層フィルムのヘイズが7%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱融着性積層フィルム。
- エチレン系重合体(A)が、密度が895〜925Kg/m3のエチレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体(a1)成分が5〜95重量部と、密度が926〜970Kg/m3のエチレン系重合体(a2)成分が95〜5重量部〔(a1)+(a2)=100重量
部〕とからなるエチレン共重合体組成物(A−1)である請求項1に記載の熱融着性積層フィルム。 - エチレン系重合体(A)が、密度が895〜925Kg/m3のエチレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体(a1)成分、密度が926〜970Kg/m3のエチレン系重合
体(a2)成分及び密度が910〜935Kg/m3の高圧法低密度ポリエチレン(a3
)とからなるエチレン共重合体組成物(A−2)である請求項1に記載の熱融着性積層フィルム。 - エチレン重合体組成物(A−2)が、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a1)成分とエチレン系重合体(a2)成分との合計量が50〜95重量部及び高圧法低密度ポリエチレン(a3)が50〜5重量部〔[(a1)+(a2)]+(a3)=100重量部〕からなる請求項7に記載の熱融着性積層フィルム。
- エチレン系重合体(a2)成分が、密度が926〜945Kg/m3のエチレン系重合
体(a2−1)成分と密度が946〜970Kg/m3のエチレン系重合体(a2−2)
成分とからなる請求項6〜8のいずれか1項に記載の熱融着性積層フィルム。
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