JP7310241B2 - エンジン劣化推定方法およびエンジンの制御装置 - Google Patents

エンジン劣化推定方法およびエンジンの制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガソリンを含有する燃料と空気との混合気が燃焼する気筒を備えたエンジンの制御方法、ノック検出方法および制御装置に関する。
エンジンの分野では、特許文献1に開示されているように、エンジン負荷が高いとき等にノッキングが発生する場合があることが知られている。具体的には、エンジン負荷が高く燃焼室内の温度が高い条件では、主たる燃焼とは別に燃焼室の外周部等において燃料と空気との混合気が予期せず自着火燃焼してしまい、高い圧力波が生じてシリンダ等が振動し、振動音が生じる。このような振動音の発生つまりノッキングが生じるような燃焼が発生すると、シリンダブロックやピストンといったエンジンの部品が損傷するおそれがある。
特許第4559977号公報
ノッキングの発生に伴ってエンジン本体に生じた損傷が大きくなると、つまり、エンジンの劣化が進行すると、エンジンの適切な稼働は困難になる。これに対して、従来では、一般的に、エンジンの保証期間がエンジンを搭載している車両の走行距離やエンジンの稼働時間から定められている。しかしながら、保証期間に達する前でもエンジンは少しずつ劣化していく。これより、保証期間中のエンジンの確実な動作を保障するためにはエンジンの劣化の進行度合いに応じた対策をすることが望まれる。
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、エンジンの劣化度合をより精度よく推定することが可能なエンジン劣化推定方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本願発明者らは、鋭意研究の結果、気筒内の圧力あるいはこの圧力の増大量の1燃焼サイクル中の最大値が所定値を超えた回数と、エンジンの劣化度合とに高い相関関係があることを突き止めた。具体的には、気筒内の圧力あるいはこの圧力の増大量の最大値が所定値を超えると、シリンダブロックが浸食され、前記最大値が所定値を超えた回数が多くなるほどシリンダブロックの浸食量が大きくなることを突き止めた。
本発明は、この知見に基づくものであり、エンジンの劣化度合を推定するエンジン劣化推定方法であって、気筒内の圧力の1燃焼サイクル中の最大値あるいは当該圧力の増大量の1燃焼サイクル中の最大値であるノック強度が予め設定された判定値以上であるか否かを判定する判定工程と、前記判定工程で前記ノック強度が前記判定値以上であると判定された回数である強ノック回数を数えて、当該強ノック回数に基づいてエンジンの劣化度合を推定する劣化推定工程と、前記強ノック回数が所定の基準回数よりも大きいときに実施されて、前記強ノック回数が前記基準回数以下のときよりも前記気筒内の混合気に点火を行う時期である点火時期を遅角させる遅角工程と、前記判定値よりも小さい遅角実施ノック強度よりも前記ノック強度が大きいときに実施されて、前記ノック強度が前記遅角実施ノック強度よりも小さくなるまで前記点火時期を遅角させる基本遅角工程とを含み、前記強ノック回数は、エンジンが駆動停止したときもリセットされることなくエンジンが最初に駆動されてから継続してカウントアップされ、前記遅角工程では、前記強ノック回数が前記基準回数よりも大きいときの前記遅角実施ノック強度を、前記強ノック回数が前記基準回数以下のときの前記遅角実施ノック強度よりも小さい値に設定することで、前記強ノック回数が前記基準回数よりも大きいときの前記点火時期を前記基準回数以下のときの前記点火時期よりも遅角側の時期にする、ことを特徴とする。
この方法によれば、前記のように、シリンダブロックの浸食量つまりはエンジンの損傷具合と相関の高い、気筒内の圧力あるいはこの圧力の増大量の最大値であるノック強度が所定値を超えた回数、に基づいて、エンジンの劣化度合が推定される。従って、エンジン
の劣化度合をより精度よく推定することができる。
また、前記ノック強度が前記判定値を超えたと判定された回数が所定の基準回数よりも大きくなったとき、つまり、エンジンの劣化が進行していると推定されるときに、点火時期が遅角される。従って、エンジンの劣化が進行した状態で気筒内の圧力およびこの圧力の増大量が大きくなるのを抑制でき、エンジンの適切な稼働が困難になるまでの期間を延ばすことができる。そして、前記の回数が所定の基準回数以下であってエンジンの劣化があまり進行していないときには点火時期の遅角を抑制して高いエンジントルクを確保することができる。
前記構成において、好ましくは、前記判定工程および前記劣化推定工程は、エンジン回転数が所定の基準回転数以上で且つエンジン負荷が所定の基準負荷以上の高速高負荷領域でエンジン本体が運転されているときに実施される(請求項2)。
この構成によれば、気筒内の圧力あるいは圧力の増大量が大きくなりやすい、すなわち、これらの最大値であるノック強度が所定値を超えやすい高速高負荷領域でのみ前記判定工程および前記劣化推定行程が実施される。そのため、これらの工程の実施回数を少なく抑えて演算負荷を小さく抑えつつ、エンジンの劣化度合を精度よく推定することができる。
また、本発明は、エンジンの劣化度合を推定するエンジン劣化推定方法であって、
気筒内の圧力の1燃焼サイクル中の最大値あるいは当該圧力の増大量の1燃焼サイクル中の最大値であるノック強度が予め設定された判定値以上であるか否かを判定する判定工程と、前記判定工程で前記ノック強度が前記判定値以上であると判定された回数である強ノック回数を数えて、当該強ノック回数に基づいてエンジンの劣化度合を推定する劣化推定工程と、前記強ノック回数が所定の基準回数よりも大きく、かつ、エンジン回転数が所定の基準回転数以上で且つエンジン負荷が所定の基準負荷以上の高速高負荷領域でエンジンが運転されているときに実施されて、前記強ノック回数が前記基準回数未満のときよりも前記気筒内に供給する燃料の総量を低減させる燃料総量低減工程と、前記強ノック回数が前記基準回数以下で、かつ、前記判定値よりも小さい追加噴射実施強度よりも前記ノック強度が大きいときに実施されて、圧縮行程の後半から膨張行程の前半にかけての期間に燃料を噴射する追加噴射を実施する工程とを含み、前記強ノック回数は、エンジンが駆動停止したときもリセットされることなくエンジンが最初に駆動されてから継続してカウントアップされる、ことを特徴とするエンジン劣化推定方法を提供する(請求項)。
この構成によっても、前記ノック強度が判定値以上であると判定された回数が基準回数よりも大きくなってエンジンの劣化が進行していると推定されるときに、高速高負荷領域において燃料の総量が低減されることで、気筒内の圧力およびこの圧力の増大量が大きくなるのが抑制される。そのため、エンジンの適切な稼働が困難になるまでの期間を延ばすことができるとともに、前記の回数が所定の基準回数以下であってエンジンの劣化があまり進行していないときには燃料の総量を多くして高いエンジントルクを確保することができる。
また、本発明は、気筒が形成されたエンジン本体を備えるエンジンの制御装置であって、気筒内の圧力の1燃焼サイクル中の最大値あるいは当該圧力の増大量の1燃焼サイクル中の最大値であるノック強度を検出する検出手段と、エンジントルクを変更可能なトルク変更手段と、前記トルク変更手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記検出手段により検出された前記ノック強度が予め設定された判定値以上となった回数を数え、エンジン回転数が所定の基準回転数以上で且つエンジン負荷が所定の基準負荷以上の高速高負荷領域でエンジン本体が運転されているとき、前記回数が所定の基準回数よりも大きいときの方が当該回数が前記基準回数以下のときよりもエンジンの最大トルクが低くなるように、前記トルク変更手段を制御し、前記回数を、エンジンが駆動停止したときもリセットすることなくエンジンが最初に駆動されてから継続してカウントアップする、ことを特徴とするエンジンの制御装置を提供する(請求項5)。
この構成によれば、前記方法と同様にシリンダブロックの浸食量つまりはエンジンの劣化度合をより精度よく推定することができる。そして、ノック強度が判定値以上となった回数が基準回数よりも大きくなってエンジンの劣化が進行していると推定されるときに、エンジンの最大トルクが低減されることで、気筒内の圧力およびこの圧力の増大量が大きくなるのを抑制することができ、エンジンの適切な稼働が困難になるまでの期間を延ばすことができる。また、前記の回数が所定の基準回数以下であってエンジンの劣化があまり進行していないときには燃料の総量を多くして高いエンジントルクを確保することができる。
ここで、エンジン本体の幾何学的圧縮比が高いときは、気筒内の圧力およびこれの増大量が大きくなりやすく、これらの最大値とエンジン本体との劣化度合の相関が高くなる。これより、前記構成がエンジン本体の幾何学的圧縮比は15以上25以下に設定されたものに適用されれば、より精度よくエンジンの劣化度合を推定することができる。
以上説明したように、本発明によれば、エンジンの劣化度合をより精度よく推定することができる。
本発明の一実施形態にかかるエンジンシステムの構成を示した図である。 エンジンの制御系統を示すブロック図である。 制御マップを示した図である。 エンジン本体の一部の概略断面図である。 各運転ポイントにおけるノック強度を示したグラフであり、(a)~(d)はそれぞれ運転ポイントP1~P4のグラフである。 運転ポイントP4におけるノック強度を示したグラフである。 運転ポイントP4におけるノック強度と発生頻度との関係を示したグラフであり、(b)は(a)の一部を拡大した図である。 強ノック回数と浸食量との関係を示したグラフである。 燃焼室の圧力分布を示したグラフであり、(a)~(c)は各時刻の図である。 エンジンの劣化度の推定手順を示したフローチャートである。 点火時期の制御手順を示したフローチャートである。 強ノック回数と遅角実施ノック強度との関係を示した図である。 点火時期の制御結果を説明するための図である。 第1実施形態の作用を説明するための図である。 第2実施形態の制御手順を示したフローチャートである。 第2実施形態に係る噴射パターンと熱発生率とを示した図である。 強ノック回数と燃料低減量の関係を示した図である。 第2実施形態に係る噴射パターンと熱発生率とを示した図である。
(1)エンジンの全体構成
図1は、本発明のエンジンの制御装置が適用されるエンジンシステムの構成を示す図である。本実施形態のエンジンシステムは、4ストロークのエンジン本体1と、エンジン本体1に燃焼用の空気を導入するための吸気通路20と、エンジン本体1で生成された排気を排出するための排気通路30とを備える。
エンジン本体1は、例えば、4つの気筒2が図1の紙面と直交する方向に直列に配置された直列4気筒エンジンである。このエンジンシステムは車両に搭載され、エンジン本体
1は車両の駆動源として利用される。本実施形態では、エンジン本体1は、ガソリンを含む燃料の供給を受けて駆動される。なお、燃料は、バイオエタノール等を含むガソリンであってもよい。
エンジン本体1は、気筒2が内部に形成されたシリンダブロック3と、シリンダブロック3の上面に設けられたシリンダヘッド4と、気筒2に往復動(上下動)可能に嵌装されたピストン5とを有する。
ピストン5の上方には燃焼室6が形成されている。燃焼室6はいわゆるペントルーフ型であり、シリンダヘッド4の下面で構成される燃焼室6の天井面は吸気側および排気側の2つの傾斜面からなる三角屋根状をなしている。なお、ここでは、ピストン5の位置や混合気の燃焼状態によらず気筒2の内側空間のうちピストン5の冠面と燃焼室6の天井面との間の空間を、燃焼室6という。
エンジン本体1の幾何学的圧縮比、つまり、ピストン5が下死点にあるときの燃焼室6の容積とピストン5が上死点にあるときの燃焼室6の容積との比は、15以上25以下(例えば17程度)に設定されている。
シリンダヘッド4には、吸気通路20から供給される空気を気筒2(燃焼室6)内に導入するための吸気ポート9と、気筒2内で生成された排気を排気通路30に導出するための排気ポート10とが形成されている。これら吸気ポート9と排気ポート10とは、気筒2毎にそれぞれ2つずつ形成されている。
シリンダヘッド4には、燃焼室6に開口する吸気ポート9および排気ポート10と、吸気ポート9を開閉する吸気弁11と、排気ポート10を開閉する排気弁12とが設けられている。本実施形態のエンジンのバルブ形式は、吸気2バルブ×排気2バルブの4バルブ形式であり、吸気ポート9、排気ポート10、吸気弁11および排気弁12は、1つの気筒2についてそれぞれ2つずつ設けられている。図示は省略するが、本実施形態では、1つの気筒2に接続された2つの吸気ポート9のうちの一方に、開閉可能なスワール弁(不図示)が設けられており、気筒2内のスワール流(気筒軸線の回りを旋回する旋回流)の強さが変更されるようになっている。
シリンダヘッド4には、燃料を噴射するインジェクタ14が設けられている。インジェクタ14は、噴射口が形成された先端部が燃焼室6の天井面の中央付近に位置して燃焼室6の中央を臨むように取り付けられている。インジェクタ14は、その先端に複数の噴口を有し、燃焼室の天井面の中央付近からピストン5の冠面に向かって、気筒2の中心軸を中心としたコーン状(詳しくはホローコーン状)に燃料を噴射するように構成されている。なお、インジェクタ14の具体的な構成はこれに限らず、単噴口のものであってもよい。
シリンダヘッド4には、燃焼室6内の混合気を点火するための点火プラグ13が設けられている。点火プラグ13は、その先端が燃焼室6の天井面の中央付近に位置して燃焼室6の中央を臨むように配置されている。
シリンダヘッド4には、さらに、燃焼室6内の圧力である筒内圧を検出する筒内圧センサSN3が設けられている。筒内圧センサSN3は、各気筒2にそれぞれ1つずつ設けられている。本実施形態では、この筒内圧センサSN3が、請求項における「検出手段」として機能する。
吸気通路20には、上流側から順に、エアクリーナ21と、吸気通路20を開閉するた
めのスロットルバルブ22とが設けられている。本実施形態では、エンジンの運転中、スロットルバルブ22は基本的に全開もしくはこれに近い開度に維持されており、エンジンの停止時等の限られた運転条件のときにのみ閉弁されて吸気通路20を遮断する。
排気通路30には、排気を浄化するための浄化装置31が設けられている。浄化装置31は、例えば、三元触媒を内蔵している。
排気通路30には、排気通路30を通過する排気つまり既燃ガスの一部をEGRガスとして吸気通路20に還流するためのEGR装置40が設けられている。EGR装置40は、吸気通路20のうちスロットルバルブ22よりも下流側の部分と排気通路30のうち浄化装置31よりも上流側の部分とを連通するEGR通路41、および、EGR通路41を開閉するEGRバルブ42を有する。また、本実施形態では、EGR通路41に、これを通過するEGRガスを冷却するためのEGRクーラ43が設けられており、EGRガスはEGRクーラ43にて冷却された後吸気通路20に還流される。
(2)制御系統
図2、エンジンの制御系統を示すブロック図である。本実施形態のエンジンシステムは、PCM(パワートレイン・コントロール・モジュール、制御手段)100によって統括的に制御される。PCM100は、周知のとおり、CPU、ROM、RAM等から構成されるマイクロプロセッサである。
車両には各種センサが設けられており、PCM100はこれらセンサと電気的に接続されている。例えば、シリンダブロック3には、エンジン回転数を検出するクランク角センサSN1が設けられている。また、吸気通路20には、これを通って各気筒2に吸入される空気量を検出するエアフローセンサSN2が設けられている。また、シリンダヘッド4には、燃焼室6内の圧力を検出する筒内圧センサSN3が設けられている。筒内圧センサSN3は、各気筒2にそれぞれ1つずつ設けられている。また、車両には、運転者により操作される図外のアクセルペダルの開度(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサSN4が設けられている。
PCM100は、これらセンサSN1~SN4等からの入力信号に基づいて種々の演算を実行して、点火プラグ13、インジェクタ14、スロットルバルブ22、EGRバルブ42等のエンジンの各部を制御する。
(3)燃焼形態
図3は、横軸をエンジン回転数、縦軸をエンジン負荷とした制御マップである。本実施形態では、エンジンの運転領域が、エンジン回転数が予め設定された基準回転数N1未満の低速領域Aと、エンジン回転数が基準回転数N1以上の高速領域Bとに区画されている。
低速領域Aでは、SI燃焼とCI燃焼とをミックスした部分圧縮着火燃焼(以下、これをSPCCI燃焼という)が実行される。なお、SPCCI燃焼における「SPCCI」とは、「Spark Controlled Compression Ignition」の略である。
SI燃焼とは、点火プラグ13により混合気に点火し、その点火点から周囲へと燃焼領域を拡げていく火炎伝播により混合気を強制的に燃焼させる形態のことであり、CI燃焼とは、ピストン5の圧縮により高温・高圧化された環境下で混合気を自着火により燃焼させる形態のことである。そして、これらSI燃焼とCI燃焼とをミックスしたSPCCI燃焼とは、混合気が自着火する寸前の環境下で行われる火花点火により燃焼室6内の混合
気の一部をSI燃焼させ、当該SI燃焼の後に(SI燃焼に伴うさらなる高温・高圧化により)燃焼室6内の残りの混合気を自着火によりCI燃焼させる、という燃焼形態のことである。
SI燃焼によって、燃焼室6内の温度および圧力が高まると、これに伴い未燃混合気が自着火し、CI燃焼が開始される。CI燃焼の開始後は、SI燃焼とCI燃焼とが並行して行われる。SI燃焼はCI燃焼に比べて燃焼速度が遅い。これより、SI燃焼時の熱発生はCI燃焼時の熱発生よりも穏やかであり、SPCCI燃焼ではCI燃焼に比べて熱発生率の立ち上がりの傾きが相対的に小さくなる。CI燃焼は、SI燃焼よりも熱発生が大きいことで、熱発生率は相対的に大きくなるが、CI燃焼は、圧縮上死点の後に行われるため、熱発生率の波形の傾きが過大になることはない。すなわち、圧縮上死点を過ぎるとピストン5の下降によりモータリング圧力が低下するので、このことが熱発生率の上昇を抑制する。このように、SPCCI燃焼では、SI燃焼の後にCI燃焼が行われるという性質上、燃焼騒音の指標となるdP/dθ(クランク角に対する筒内圧の上昇速度)が過大になり難く、単純なCI燃焼(全ての燃料をCI燃焼させた場合)に比べて燃焼騒音を抑制することができる。また、CI燃焼はSI燃焼に比べて燃焼速度が速いことから、SPCCI燃焼では、単純なSI燃焼(全ての燃料をSI燃焼させた場合)に比べて燃焼終了時期を早めることができる。言い換えると、SPCCI燃焼では、燃焼終了時期を膨張行程内において圧縮上死点に近づけることができる。これにより、SPCCI燃焼では、単純なSI燃焼に比べて燃費性能を向上させることができる。
一方、高速領域Bでは、ピストン5の移動速度が速いことで、混合気を所望の時期に自着火させることが困難になるため、通常のガソリンエンジンにおいて採用されるSI燃焼が実施される。SI燃焼は、混合気のほぼ全体を火炎伝播によって燃焼させる燃焼形態であり、圧縮上死点付近において点火プラグ13から放電が行われて、点火プラグ13周りの混合気が強制的に着火される。そして、点火プラグ13周りから周囲に火炎が伝播していき、残りの混合気が火炎伝播によって強制的に燃焼する。
ECU100は、エンジン回転数とエンジン負荷とに基づいて現在の運転領域が低速領域Aと高速領域Bのいずれであるかを判定するとともに、その判定結果および現在のエンジン本体1の運転条件(エンジン回転数、エンジン負荷等)に基づき、適切なSPCCI燃焼あるいはSI燃焼が実現されるように、インジェクタ14、点火プラグ13等を制御する。なお、エンジン負荷は、エンジン回転数とアクセル開度等から算出される。ECU100は、請求項の「制御手段」に相当する。
(4)エンジン損傷のメカニズム
前記のように、SI燃焼では、基本的に熱発生は穏やかであり筒内圧の上昇は緩やかである。しかしながら、高速領域Bのうちエンジン負荷が所定の基準負荷T1以上の高速高負荷領域B-Hでエンジンが運転されており、エンジン負荷およびエンジン回転数が高いときは、燃焼室6内において一部の混合気の温度・圧力が急増してこの混合気が自着火燃焼し、これに伴って筒内圧が急増していわゆるノッキングが発生する場合がある。特に、本実施形態では、前記のように、気筒2の幾何学的圧縮比が高く設定されていることで燃焼室6内の温度・圧力が高くなりやすく、局所的に筒内圧が急増しやすい。筒内圧が急増すると、エンジン本体から発せられる騒音が大きくなる。また、筒内圧が過度に大きくなりその急増量が非常に大きくなるとエンジン本体が損傷すると言われている。
しかしながら、本願発明者らは、筒内圧が単に急増した場合であっても、その大きさによってはエンジン本体にほとんど損傷が加えられないこと、つまり、エンジン本体に損傷を与えるのは筒内圧があるレベルを超えて増大した場合のみであることを突き止めた。これについて、次に説明する。
まず、本願発明者らは、エンジン本体1が適切に稼働できなくなる状態について詳細に調べた。その結果、エンジン本体1を長時間にわたって運転した後では、シリンダブロック3の上面が浸食されている場合があることを突き止めた。
具体的には、エンジン本体1の一部の概略断面図のである図4に示すように、シリンダブロック3の上面3aとシリンダヘッド4の下面4aとの間にはガスケット19が挟み込まれている。ただし、シリンダブロック3はシリンダヘッド4の内周端よりも内周側にはみ出すように構成され、ガスケット19はシリンダヘッド4の内周端から外周側に延びるように構成されている。これに伴い、シリンダブロック3の上面3aの内周側の部分3baは、燃焼室6に露出することになり、この露出した部分が浸食される。例えば、シリンダブロック3がアルミ製の場合、そのアルミの地肌が燃焼室6に露出することになり、このアルミが浸食される。このようにシリンダブロック3の上面3aが浸食されて、その浸食量(浸食深さであってシリンダブロック3の上面3aからの浸食された部分の下端までの距離)が所定量以上になると、シリンダブロック3とシリンダヘッド4との間の隙間が大きくなる。この結果、ガスケット19が適切にシリンダブロック3とシリンダヘッド4に圧着しなくなり、これらの間に隙間ができてしまう。シリンダブロック3とシリンダヘッド4との間に隙間が生じると、燃焼室6内のガスの一部がこの隙間を通って燃焼室6の外部に漏えいすることになり、エンジン本体1を適切な稼働させることが不可能となる。このように、本願発明者らは、シリンダブロック3の上面3aが浸食されることでエンジン本体1の適切な稼働が不可能になることを突き止めた。つまり、エンジン本体1の損傷具合すなわち劣化度合は、シリンダブロック3の浸食量によって決定されることを突き止めた。
次に、本願発明者らは、シリンダブロック3が浸食されるときの燃焼室6の状態について調べた。その結果、シリンダブロック3の浸食は、前記のように、燃焼室6内で混合気が不適切に自着火燃焼して筒内圧が大きくなるときに生じるが、筒内圧の増大量があるレベルを超えない限り前記浸食はほとんど起こらないという知見を得た。
図5は、燃焼サイクル数を横軸とし、燃焼に伴って生じた筒内圧の増大量の最大値を縦軸としたグラフである。詳細には、縦軸の値は、各燃焼サイクルにおける実際の(筒内圧センサにより検出された)筒内圧から、モータリング時の筒内圧つまり燃焼室6内で燃焼が生じないときの燃焼室6内の圧力を差し引いた値(筒内圧の増大量)のうち最大となる値である。以下では、適宜、燃焼に伴って生じた筒内圧の増大量を筒内圧増大量といい、筒内圧の増大量の最大値をノック強度という。図5の(a)~(d)は、それぞれ図2の各運転ポイントP1~P4においてこれらの関係を示した結果である。図6は、高速高負荷領域B-Hに含まれる運転ポイントP4のグラフであり、図5(d)と同じグラフであるが、図6の縦軸の最大値は図5(d)の縦軸の最大値よりも大きい。図5(a)~(d)、図6の各グラフのY1は同じ値である。図7(a)は、横軸をノック強度とし、縦軸をその発生頻度としたグラフであって、運転ポイントP4における結果を示したものである。図7(b)は図7(a)の一部を拡大した図である。なお、これらのグラフは、後述する点火時期の遅角は行わず、予め設定された基本点火時期で点火を行ったときの結果である。
図5(a)~(d)において、K_aveは各運転ポイントのノック強度の平均値を示している。これらの図に示すように、ノック強度は燃焼サイクルに応じて変動するが、ノック強度は基本的にその運転ポイントにおける平均値K_aveの2~3倍程度の値よりも小さく抑えられる。しかしながら、図5(d)、図6に示すように、エンジン回転数が高く且つエンジン負荷が高い運転ポイントP4であって、高速高負荷領域B-H(図3)に含まれる運転ポイントでエンジンが運転されているときには、極稀に、ノック強度が平
均値K_aveの10倍程度の値K_Mを超える場合がある。このことは、図7(a)、(b)にも示されている。つまり、図7(a)に示すように、運転ポイントP4においても、ほとんどの燃焼サイクルにおいてノック強度は比較的小さい値に抑えられる。しかし、0.0001%(100万サイクルに1回)という非常に小さい頻度ではあるが、ノック強度が非常に高くなり平均値K_aveの10倍程度の値K_Mを超える場合がある。なお、運転ポイントP1~P3においてノック強度の平均値K_aveは例えば5bar程度であり、運転ポイントP4においてノック強度の平均値K_aveは例えば8bar程度、前記の値K_Mは例えば80bar程度である。
図8は、ノック強度が80barを超えた回数(燃焼サイクル数)と、シリンダブロック3の浸食量(浸食深さ)との関係を示したグラフである。なお、図8の〇印は実験結果であり、破線で示したラインは実験結果から推定される前記回数と浸食量との関係を示したラインである。図8に示されるように、ノック強度が80barを超えた回数とシリンダブロック3の浸食量とは比例し、前記回数が増大するのに従って浸食量は増大する。このことから明らかなように、主として、ノック強度が80bar程度であってノック強度の平均値に対して非常に高いレベルを超えたときに、シリンダブロック3は浸食される。図8における、上限浸食量は、燃焼室6から燃焼ガスの漏えいが生じる浸食量の最小値であり、例えば、450μm程度である。
なお、ノック強度が80bar程度というシリンダブロック3を浸食する程度にまで高くなるのは、次の理由によると考えられる。
図9(a)~(c)は、ノック強度がシリンダブロック3を浸食するレベルとなったときの燃焼室6内の圧力分布を計算した結果である。図9において、濃い色ほど圧力が高いことを示している。図9において、「EX」は排気側(排気弁12が配置される側)、「IN」は吸気側(吸気弁11が配置される側)であることを示している。図9の(a)~(c)は、各時刻での圧力分布を示しており、(a)~(c)の順で時間が経過している。
図9(a)に示す点B1は混合気の自着火が開始したポイントである。この図9(a)に示すように、高温の排気が流通する排気弁12回りは低温の吸気が流通する吸気弁11回りよりも温度が高いため、圧縮上死点付近において排気弁12側の領域の圧力の方が吸気弁11側の圧力よりも高くなる。これより、局所的に高温・高圧となり自着火を開始するポイントB1も排気側の領域に含まれる。図9(a)、(b)に示すように、ポイントB1で混合気が自着火すると、その圧力波が周囲に伝播してポイントB1回りの圧力は高くなる。このとき、基本的に、圧力波はシリンダブロック3の内周面3aで反射して燃焼室6全体に広がる。ところが、図9(c)に示すように、圧力波の一部がシリンダブロック3の内周面3aとピストン5の外周面5aとの間の隙間V1に入り込む場合がある。そして、このように隙間V1に圧力波が入り込むと、隙間V1に向かう圧力波と、隙間V1内に入り込んだ後ピストンリング5b(図4参照)で反射した圧力波とが重なり合って圧力波が増幅されてしまい、隙間V1内の圧力が非常に高くなってしまう。このように、ノック強度がシリンダブロック3を浸食するレベルにまで大きくなるのは、混合気の自着火で生じた圧力波が前記隙間V1に入り込んで増幅されるためと考えられる。
ここで、エンジン負荷が高いときは燃焼室6で生成される燃焼エネルギーが大きいことに伴って燃焼室6内の温度が高くなる。また、エンジン負荷が高いときは燃焼室6に供給される燃料の量が多いことに伴って、混合気が局所的にリッチ(燃料濃度が高く)なりやすく混合気が自着火しやすい。また、エンジン回転数が高いときは、1クランクあたりの時間が短くなることで燃焼室6の壁面から外部に逃げる熱エネルギーが少なくなって燃焼室6内の温度が高くなりやすい。これより、前記のように、エンジン回転数が高く且つエ
ンジン負荷が高いとき、つまり、高速高負荷領域B-Hでエンジンが運転されているときは、筒内圧が高くなりやすく、ノック強度が前記の値K_Mを超える場合がある。
(5)制御内容
(5-1)劣化度推定
前記の知見に基づき、本実施形態では、ノック強度がシリンダブロック3を浸食するレベルまで高くなった回数(ノック強度がシリンダブロック3を浸食するレベルまで高くなった燃焼サイクル数)に基づいてエンジン本体1の劣化度合を推定する。本実施形態では、予め設定された上限浸食量に対する各時刻のシリンダブロック3の浸食量の割合を劣化度として、これを推定する。なお、前記のように、ここでいうシリンダブロック3の浸食量はシリンダブロック3の浸食深さであり、前記の上限浸食量は燃焼室6から燃焼ガスの漏えいが生じる浸食深さの最小値に設定されている。
図10のフローチャートを用いて、ECU100にて実施される前記劣化度の推定手順を説明する。
まず、ステップS1にて、ECU100は、筒内圧センサSN3の検出値を読み込む。次に、ステップS2にて、ECU100は、ノック強度を算出する。本実施形態では、ECU100は、筒内圧センサSN3で検出された筒内圧をハイパスフィルタにかけることで筒内圧増大量を算出し、得られた筒内圧増大量の1燃焼サイクル中の最大値をノック強度として算出する。
次に、ステップS3にて、ECU100は、ステップS2で算出したノック強度が予め設定された強ノック判定値以上であるか否かを判定する。強ノック判定値は、シリンダブロック3を浸食するノック強度の最小値であって、予め実験等によって決定されてECU100に記憶されている。例えば、強ノック判定値は、80bar程度に設定されている。本実施形態では、前記強ノック判定値が請求項の「判定値」に相当し、ステップS3が判定工程に相当する。
ステップS3の判定がYESであってノック強度が強ノック判定値以上のときは、ECU100はステップS4に進む。ステップS4にて、ECU100は、ノック強度が強ノック判定値以上となった回数である強ノック回数をカウントアップする。具体的には、ECU100は、記憶していた強ノック回数に1を足し、得られた値を強ノック回数として新たに記憶する。なお、強ノック回数の初期値(エンジン本体1の出荷時等であってエンジン本体1が一度も駆動されていない時の値)はゼロであり、エンジン本体1の駆動が停止された後も、ECU100はエンジン本体1の駆動停止前の強ノック回数を記憶し続ける。
一方、ステップS3の判定がNOのときは、ECU100は、強ノック回数を更新することなく、ステップS5に進む。
ステップS5にて、ECU100は、強ノック回数に基づいてエンジン本体1の劣化度を算出する。具体的には、ECU100は、予め設定された上限強ノック回数に対する強ノック回数の割合を算出して、得られた値を劣化度とする。上限強ノック回数は、前記の浸食上限量に対応する値である。つまり、シリンダブロック3の浸食量が上限浸食量となるときの強ノック回数が予め実験等により求められて、この強ノック回数が上限強ノック回数としてECU100に記憶されている。
このように、本実施形態では、強ノック回数に応じてエンジン本体1の劣化度が推定される。本実施形態では、前記のステップS4とステップS5とが、請求項における「劣化
推定工程」に相当する。
(5-2)点火時期制御
前記のように筒内圧が急増するとエンジン本体から発せられる騒音が大きくなる。つまり、ノッキングが生じる。また、前記のように、筒内圧の増大量が非常に大きくなるとエンジン本体1の劣化が促進される。これより、本実施形態では、筒内圧の急増を防止するべく点火時期を制御する。ECU100にて実施される本実施形態に係る点火時期の制御について、図11のフローチャートを用いて説明する。
ステップS21にて、ECU100は、点火時期の基本的な値である基本点火時期を設定する。基本点火時期は、予め設定されてECU100に記憶されている。例えば、基本点火時期は、エンジン回転数とエンジン負荷とについてそれぞれ設定されてマップで記憶されており、ECU100はこのマップから現在のエンジン回転数とエンジン負荷とに対応する値を抽出する。なお、基本点火時期は、エンジン本体1の全運転領域において圧縮上死点付近に設定されている。
次に、ステップS22にて、ECU100は、後述するように点火時期の遅角を実施するか否かの判定に用いるノック強度の閾値である第1基準強度を設定する。第1基準強度は、予め設定されてECU100に記憶されている。第1基準強度は、エンジン本体1から発せられる騒音が所定のレベル以下に抑えることのできるノック強度の最大値であって、シリンダブロック3が浸食されるようなノック強度よりも十分に小さい値に設定される。本実施形態では、エンジン回転数とエンジン負荷とについてそれぞれ異なる第1基準強度が設定されてECU100に記憶されており、ステップS22では、現在のエンジン回転数とエンジン負荷とに対応した第1基準強度が抽出される。例えば、各第1基準強度は、10bar以上且つ30bar以下の値にそれぞれ設定される。
次に、ステップS23にて、ECU100は、強ノック回数が第1判定回数C1よりも大きく、且つ、エンジンが高速高負荷領域B-Hで運転されているという条件が成立するか否かを判定する。第1判定回数C1は予め設定されてECU100に記憶されている。この第1判定回数C1は、例えば800以上1200以下程度に設定される。この第1判定回数C1は、請求項の「基準回数」に相当する。
ステップS23の判定がNOであって、高速高負荷領域B-Hを除いた領域でエンジンが運転されている、あるいは、強ノック回数が第1判定回数C1以下の場合は、ステップS24に進む。ステップS24にて、ECU100は、遅角実施ノック強度を第1基準強度に設定して、ステップS28に進む。遅角実施ノック強度は、後述するように点火時期の遅角を実施するか否かの判定に用いる閾値であり、ノック強度がこの遅角実施ノック強度よりも高いときは点火時期を遅角する。
一方、ステップS23の判定がYESであって、強ノック回数が第1判定回数C1よりも大きく、且つ、エンジンが高速高負荷領域B-Hで運転されている場合は、ステップS25に進む。ステップS25にて、ECU100は、さらに、強ノック回数が第2判定回数C2以下であるか否かを判定する。第2判定回数C2は第1判定回数C1よりも大きい値に設定されている。第2判定回数C2は、例えば第1判定回数C1よりも300程度大きい値に設定される。
ステップS25の判定がNOであって強ノック回数が第2判定回数C2よりも大きい場合は、ステップS26に進む。ステップS26にて、ECU100は、遅角実施ノック強度を予め設定された第2基準強度に設定して、ステップS28に進む。第2基準強度は、第1基準強度よりも小さい値に設定されている。例えば、第2基準強度は、第1基準強度
よりも5~10bar程度小さい値に設定されてECU100に記憶されている。
一方、ステップS25の判定がYESであって強ノック回数が第2判定回数C2以下の場合(且つ第1判定回数C1よりも大きい場合)は、ステップS27に進む。ステップS27にて、ECU100は、遅角実施ノック強度を、第1基準強度と第2基準強度との間の値に設定する。具体的には、図12に示すように、第1基準強度と第2基準強度との間の値に、且つ、強ノック回数が大きくなるに従って遅角実施ノック強度が強ノック回数に比例して小さくなるように、遅角実施ノック強度は設定される。ステップS27の後はステップS28に進む。
ステップS28にて、ECU100は、ステップS3で算出したノック強度が、前記のステップS24、S26、S27のいずれかで設定された遅角実施ノック強度より大きいか否かを判定する。
ステップS28の判定がNOであって、ノック強度が遅角実施ノック強度以下の場合は、ステップS29に進む。ステップS29にて、ECU100は、点火リタード量(i)を、同じ運転ポイントでの先の演算時に算出した点火リタード量(i-1)から単位アドバンス量を減算した値に更新する。具体的には、本実施形態では、ステップS21~S31までのステップが1燃焼サイクル毎に実施される。そして、ECU100は、各運転ポイントについて(エンジン回転数とエンジン負荷とについて)それぞれ点火リタード量を記憶しており、記憶している値の中から現在の運転ポイントと同じ運転ポイントの点火リタード量を抽出する。そして、この抽出値から単位アドバンス量を差し引いて現在の運転ポイントにおける点火リタード量を算出し、これを新たに記憶する。
例えば、エンジンがある運転ポイントXで連続して運転されている場合において、1燃焼サイクル前までのノック強度の検出履歴から同運転ポイントXでの点火リタード量が既にZと特定されており、且つ、今回の燃焼サイクルで検出されたノック強度が遅角実施ノック強度以下であった(つまりステップS28でNOと判定された)と仮定する。この場合、ステップS29では、先の点火リタード量(i-1)であるZから単位アドバンス量が減算され、この減算後の値が運転ポイントXにおける新たな点火リタード量(i)として更新される。
前記の点火リタード量および単位アドバンス量の単位はクランク角度であり、単位アドバンス量は0より大きい値であって予め設定されてECU100に記憶されている。
一方、ステップS28の判定がYESであって、ノック強度が遅角実施ノック強度より大きい場合は、ステップS30に進む。ステップS30にて、ECU100は、点火リタード量(i)を、同じ運転ポイントでの先の演算時に算出した点火リタード量(i-1)に単位リタード量を加算した値に更新する。
例えば、エンジンがある運転ポイントXで連続して運転されている場合において、1燃焼サイクル前までのノック強度の検出履歴から同運転ポイントXでの点火リタード量が既にWと特定されており、且つ、今回の燃焼サイクルで検出されたノック強度が遅角実施ノック強度より大きくなった(つまりステップS28でYESと判定された)と仮定する。この場合、ステップS30では、先の点火リタード量(i-1)であるWから単位リタード量が加算され、この加算後の値が運転ポイントXにおける新たな点火リタード量(i)として更新される。
単位リタード量の単位もクランク角度である。また、単位リタード量も0より大きい値であって予め設定されてECU100に記憶されている。ただし、本実施形態では、単位
リタード量は、単位アドバンス量よりも大きい値に設定されている。
ここで、図3の運転ポイントP1、P2、P3のようにエンジン負荷もしくはエンジン回転数が比較的低い運転ポイントでは、ノック強度が大きくなり難いので、ノック強度が遅角実施ノック強度を超える(ステップS28でYESと判定される)頻度は少ない。このため、運転ポイントP1、P2、P3を含む領域であって高速高負荷領域B-Hを除く領域(以下、その他の領域という)では、点火リタード量(i)が0より大きくなる頻度は少なく、点火時期はほとんどの場合において基本点火時期もしくはその付近に制御される。これに対し、運転ポイントP4のように高速高負荷領域B-Hに含まれてエンジン回転数およびエンジン負荷が高い運転ポイントでは、ノック強度が大きくなり易いので、ノック強度が遅角実施ノック強度を超える頻度はその他の領域に比べて大きくなる。このため、高速高負荷領域B-Hでは、点火リタード量(i)が0より大きくなる頻度が相対的に高くなり、基本点火時期に対する点火時期の平均的な遅角量は増える傾向にある。この平均的な遅角量が無視できない値にまで増大すると、エンジンの最大トルクは実質的に低下する。
ステップS29、S30の後はステップS31に進む。ステップS31にて、ECU100は、ステップS5で設定した基本点火時期と、ステップS29またはS30で設定した点火リタード量(i)とに基づいて点火時期を決定し、処理を終了する(ステップS21に戻る)。
具体的には、ステップS29またはS30で設定された点火リタード量(i)が0より大きい値のときは基本点火時期に対して点火リタード量(i)だけ遅角させた時期を点火時期に設定し、ステップS29またはS30で設定された点火リタード量(i)が0より小さい値のときは基本点火時期に対して点火リタード量(i)だけ進角させた時期を点火時期に設定し、ステップS29またはS30で設定された点火リタード量(i)が0のときは基本点火時期を点火時期に設定する。つまり、本実施形態では、ノック強度が遅角実施ノック強度より大きい場合は、点火時期の基本点火時期からの遅角量が単位リタード量だけ増大されて、点火時期が1燃焼サイクル前の時期(最後に同じ運転ポイントで運転された燃焼サイクルでの点火時期)に対して遅角される。一方、ノック強度が遅角実施ノック強度以下の場合は、点火時期の基本点火時期からの遅角量が単位アドバンス量だけ低減されて、点火時期が1燃焼サイクル前の時期(最後に同じ運転ポイントで運転された燃焼サイクルでの点火時期)に対して進角される。
ただし、前記のように、単位アドバンス量が単位リタード量よりも小さい値に設定されていることで、ノック強度が遅角実施ノック強度を超えると点火時期は大きく遅角され、その後ノック強度が遅角実施ノック強度を低下しても点火時期は徐々にしか進角されない。これより、燃焼サイクル数とノック強度および点火時期との関係を模式的に示した図13のように、ノック強度が遅角実施ノック強度を超えるたびに点火時期はより遅角側の時期とされ、点火時期は、時間の経過に伴って、ノック強度が遅角実施ノック強度を超えない範囲のうち最も進角側の時期付近に制御される。
前記の点火時期の制御を実施したときの作用について、図14を用いて説明する。図14の各グラフは、車両の走行距離に対する各パラメータの変化を模式的に示したものであり、上から順に、ノック強度、点火時期、強ノック回数、エンジントルクを示している。また、この図14は、高速高負荷領域B-Hでエンジンを連続して稼働させた場合の各変化を示しており、図14のエンジントルクはエンジンの最大トルクをあらわしている。また、ノック強度のグラフにおいて破線は遅角判定値を示しており、点火時期のグラフにおいて破線は基本点火時期を示している。また、強ノック回数およびエンジントルク(エンジンの最大トルク)のグラフにおいて、鎖線は比較例であって強ノック回数の大きさに関
わらず遅角判定値を第1基準判定値に固定した場合の結果を示している。
強ノック回数が第1判定回数C1以下であって走行距離が距離L1以下のときは、遅角実施ノック強度は第1基準強度であって比較的高い値に設定される。このため、点火時期の基本点火時期からの遅角量は比較的小さく抑えられ、エンジンの最大トルクが高く維持される。強ノック判定値は第1基準強度よりも大きいので、強ノック回数が走行距離L1にて第1判定回数C1に達した時点で、それまでの間(距離L1未満)にノック強度が第1基準強度を超えた回数は少なくともC1以上であり、当該C1以上の回数は点火時期の遅角がなされている。しかしながら、第1基準強度は第2基準強度に比べれば十分に大きい。そのため、第1基準強度を超える頻度(点火時期を遅角させる頻度)はそう多くなく、エンジンの最大トルクの低下量は小さく抑えられる。
これに対して、強ノック回数が第1判定回数C1よりも大きくなると(走行距離が距離L1を超えると)、遅角実施ノック強度が第1基準強度よりも小さい値とされる。本実施形態では、前記のように、強ノック回数が第2判定回数C2よりも大きくなるまで、遅角実施ノック強度は強ノック回数に比例して低減される。遅角実施ノック強度が小さくなることで、点火時期の平均的な遅角量は大きくなる。これにより、ノック強度は低減していき、ノック強度が強ノック判定値を超える機会も少なくなる。そして、点火時期の遅角量が大きくなることでエンジンの最大トルクは低減することになる。すなわち、本実施形態では、強ノック回数が第1判定回数C1よりも大きくなると、強ノック回数が第1判定回数C1以下のときよりもエンジンの最大トルクが低下する。
さらに、強ノック回数が第2判定回数C2よりも大きくなるのに伴って、遅角実施ノック強度は第2基準強度とされる。これにより、ノック強度が強ノック判定値を超える機会はほとんどなくなり、強ノック回数は、上限強ノック回数よりも低い値に維持される。強ノック回数が上限強ノック回数よりも低い値に維持されることで、シリンダブロック3の浸食量は上限浸食量に到達せず、シリンダブロック3の浸食に伴う燃焼ガスの燃焼室6外部への漏えいは回避される。つまり、鎖線で示した比較例では、走行距離が距離L2付近において強ノック回数が上限強ノック回数に到達してしまい、シリンダブロック3の浸食量が上限浸食量となって燃焼ガスの漏えいが生じ出すのに対して、本実施形態では、距離L2を超えても燃焼ガスの漏えいが回避される。
なお、強ノック回数が第1判定回数C1よりも大きくなるのは、例えば、走行距離が25万km程度のときである。また、強ノック回数が第2判定回数C2となったときのエンジンの最大トルクは、強ノック回数が第1判定回数C1以下のときのエンジンの最大トルクの95%程度に低減される。
前記のように、本実施形態では、強ノック回数が第1判定回数C1よりも大きくなると、高速高負荷領域B-Hにおいて、ステップS25~S31の実施によって強ノック回数が第1判定回数C1以下のときよりも点火時期が遅角されて、これにより強ノック回数が第1判定回数C1以下のときよりもエンジンの最大トルクが低減されることになり、これらステップS25~S31を含む工程が請求項の「遅角工程」に相当し、点火プラグ13が請求項の「トルク変更手段」に相当する。
(6)作用等
以上のように、本実施形態によれば、シリンダブロック3の浸食量つまりはエンジン本体1の損傷具合と相関の高い、筒内圧の増大量の最大値であるノック強度が強ノック判定値であってシリンダブロック3を浸食するレベル以上となった回数に基づいて、エンジンの劣化度が推定される。そのため、エンジン本体1の劣化度合をより精度よく推定することができる。
しかも、本実施形態では、ノック強度が強ノック判定値以上となった回数が第1判定回数C1以上になると、高速高負荷領域B-Hにおいて、点火時期が大幅に遅角されてノック強度が強ノック判定値以上になる機会が低減される。つまり、エンジン本体1の劣化が進行している状態で、ノック強度が強ノック判定値以上になる機会が少なく抑えられる。そのため、エンジン本体1の劣化がさらに進行するのを回避して、エンジン本体の適切な稼働が困難になるまでの期間を延ばすことができる。また、ノック強度が強ノック判定値以上となった回数が第1判定回数C1以下のときには、点火時期の遅角量を少なく抑えることができ、これにより高いエンジントルクを確保することができる。
(7)第2実施形態
前記実施形態では、全運転領域において点火プラグ13による点火に伴って燃焼が開始する場合について説明したが、エンジンシステムは、全運転領域において混合気の自着火によって燃焼が開始するように構成されてもよい。つまり、全運転領域においてCI燃焼が実施されてもよい。この場合には、ノック強度を小さくするためにインジェクタ14から噴射される燃料の調整を行えばよい。図15のフローチャートを用いて、この第2実施形態に係る燃料噴射の制御について説明する。
第2実施形態においても図10のフローチャートに示したステップS1~S5が実施される。一方、第2実施形態では、ステップS5の後、図15のフローチャートに示したステップS41に進む。
ステップS41にて、ECU100は、基本噴射量を設定する。基本噴射量は、インジェクタ14から1燃焼サイクル中に燃焼室6に噴射される燃料の総量の基本値である。基本噴射量は、エンジン本体1に対して求められているトルクを出力するのに必要な燃料の最低量であり、ECU100は、燃焼室6の充填効率とエンジン回転数等に基づいて基本噴射量を算出する。なお、充填効率は、エアフローセンサSN2の検出値等から算出され、ECU100は、充填効率が、エンジン本体1に対して求められているトルクを出力するのに必要な充填効率の最低値となるようにスロットルバルブ22等の開度を変更する。
次に、ステップS42にて、ECU100は、強ノック回数が第1判定回数C1よりも大きく、且つ、エンジンが高速高負荷領域B-Hで運転されているという条件が成立するか否かを判定する。第1判定回数C1予め設定されてECU100に記憶されている。この判定回数は、第1実施形態の第1判定回数C1と同じ値、例えば800以上1200以下程度に設定される。
ステップS42の判定がNOであって、高速高負荷領域B-Hを除いた領域でエンジンが運転されている、あるいは、強ノック回数が第1判定回数C1以下の場合は、ステップS43に進む。
ステップS43にて、ECU100は、総噴射量をステップS41で設定した基本噴射量に設定する。総噴射量は、1燃焼サイクル中にインジェクタ14から噴射する燃料の量つまり噴射量の総量である。ただし、後述する追加噴射を実施する場合は、追加噴射によってインジェクタ14から噴射する燃料の量を除いた噴射量の総量である。ステップS43の後は、ステップS44に進む。
ステップS44にて、ECU100は、ノック強度が予め設定された追加噴射実施強度より大きいか否かを判定する。追加噴射実施強度は、予め設定されてECU100に記憶されている。追加噴射実施強度は、第1実施形態の第1基準強度と同様に、エンジン本体1から発せられる騒音が所定のレベル以下に抑えることのできるノック強度の最大値に設
定される。例えば、追加噴射実施強度は、10bar以上且つ30bar以下の値に設定される。第2実施形態においても、エンジン回転数とエンジン負荷とについてそれぞれ異なる追加噴射実施強度が設定されてECU100に記憶されており、ステップS34では、現在のエンジン回転数とエンジン負荷とに対応した値が抽出されて追加噴射実施強度に設定される。
ステップS44の判定がYESであって、ノック強度が追加噴射実施強度より大きい場合は、ステップS45に進む。ステップS45にて、ECU100は、追加噴射量(i)を、同じ運転ポイントでの先の演算時に算出した追加噴射量(i-1)に加算側単位噴射量を加算した値に更新する。具体的には、本実施形態では、ステップS1~S49までのステップが1燃焼サイクル毎に実施される。そして、ECU100は、各運転ポイントについて(エンジン回転数とエンジン負荷とについて)それぞれ追加噴射量を記憶しており、記憶している値の中から現在の運転ポイントと同じ運転ポイントの追加噴射量を抽出する。そして、この抽出値から加算側単位噴射量を加算して現在の運転ポイントにおける追加噴射量を算出し、これを新たに記憶する。例えば、連続して同じ運転ポイントでエンジンが運転されているときは、1燃焼サイクル前の追加噴射量(i-1)に対して加算側単位噴射量が加算されて、加算後の値が新たな追加噴射量(i)に設定される。
一方、ステップS44の判定がNOであって、ノック強度が追加噴射実施強度以下の場合は、ステップS46に進む。ステップS46にて、ECU100は、追加噴射量(i)を、同じ運転ポイントでの先の演算時に算出した追加噴射量(i-1)から減算側単位噴射量を減算した値に更新する。本実施形態では、減算側単位噴射量は、0より大きく且つ加算側単位噴射量よりも小さい値であって予め設定されてECU100に記憶されている。
ステップS45、S46の後はステップS47に進む。ステップS47にて、ECU100は、ステップS45、46で設定した追加噴射量が0より大きいか否かを判定する。ステップS47の判定がYESであって設定された追加噴射量が0より大きいときはステップS48に進む。そして、ステップS48にて、ECU100は、追加噴射を実施する。一方、ステップS47の判定がNOであって設定された追加噴射が0以下のときは、ステップS49に進み、追加噴射を停止する。
追加噴射とは、通常制御時(強ノック回数が第1判定回数C1以下で且つノック強度が追加噴射実施強度以下のとき)に実施する燃料噴射の後で、且つ、圧縮行程の後半から膨張行程の前半にかけての期間に実施される燃料噴射である。つまり、インジェクタ14は、圧縮行程の後半または膨張行程の前半に燃料を噴射する追加噴射と、それよりも前に燃料を噴射する主噴射とを実施できるようになっている。そして、通常制御時は、ECU100は、1燃焼サイクル中、ステップS43で設定した総噴射量分の燃料のみをインジェクタ14から噴射させる。これに対して、追加噴射の実施時は、ECU100は、ステップS33で設定した総噴射量分の燃料を噴射するとともに、その後、且つ、圧縮行程の後半または膨張行程の前半に、さらにインジェクタ14から燃料を噴射させる。例えば、噴射パターン(インジェクタ14のリフト量)と熱発生率とのクランク角に対する変化を模式的に示した図16のように、通常制御時に、吸気行程に一括して主噴射Q1が実施される(総噴射量分の燃料が吸気行程に1回で燃焼室6内に噴射される)場合に、追加噴射を実施するときは、この主噴射Q1に加えて膨張行程の前半に追加噴射Q2が実施される。なお、主噴射Q1は複数回に分けて実施されてもよい。つまり、総噴射量分の燃料が複数回に分けてインジェクタ14から燃焼室6に噴射されてもよい。なお、圧縮行程の後半から膨張行程の前半にかけての期間とは、圧縮上死点前90°CA(クランク角)から圧縮上死点後90°CAまでの期間をいう。
また、ステップS48にて、ECU100は、追加噴射によってインジェクタ14から噴射される燃料の量が、ステップS45またはS46で設定した追加噴射量になるようにインジェクタ14を制御する。
このように、第2実施形態では、強ノック回数が第1判定回数以下である、あるいは、エンジンが高速高負荷領域B-Hで運転されていない場合は、ノック強度が追加噴射実施強度よりも大きいときに追加噴射が実施されて、ノック強度が追加噴射実施強度以下のときは基本的に追加噴射が停止される。具体的には、前記のように、減算側追加噴射量は加算側追加噴射量がよりも小さい値に設定されている。そのため、ノック強度が追加噴射実施強度よりも大きくなって追加噴射が一旦実施されると、その後、ノック強度が追加噴射実施強度以下になっても追加噴射の噴射量は徐々にしか低減されず、追加噴射は継続して実施される。そして、ノック強度が追加噴射実施強度以下となる燃焼サイクルが所定サイクル連続すると、追加噴射量が0以下になるのに伴って追加噴射が停止される。
このように圧縮行程の後半または膨張行程の前半であって燃焼室6内の温度が高くなったタイミングに追加で燃料が燃焼室6に噴射されれば、追加噴射に係る燃料の気化潜熱によって燃焼室6内の温度上昇が抑制されて燃焼が緩慢になり、筒内圧の上昇が抑制される。例えば、熱発生率は、追加噴射を実施しないときは図16の実線に示すようになるのに対して、追加噴射を実施したときは図16の破線に示すようになる。これより、第2実施形態によれば、ノック強度が追加噴射実施強度より大きくなることに伴って追加噴射が実施されることでノック強度が低減されて、ノック強度は平均的に追加噴射実施強度付近に制御される。
図15に戻り、ステップS42の判定がNOであって、強ノック回数が第1判定回数C1よりも大きく、且つ、エンジンが高速高負荷領域B-Hで運転されている場合は、ステップS40に進む。
ステップS50にて、ECU100は追加噴射を停止する(追加噴射が実施されていない場合は、追加噴射の停止を継続する)。ステップS50の後はステップS51に進む。ステップS51にて、ECU100は、燃料低減量を設定する。ステップS51の後はステップS52に進む。ステップS52では、総噴射量を、ステップS41で設定した基本噴射量からステップS51で設定した燃料低減量を差し引いた値に設定する。そして、ECU100は、1燃焼サイクルで燃焼室6に噴射される燃料の総量がステップS52で設定した総噴射量となるようにインジェクタ14を制御する。つまり、燃料低減量は、1燃焼サイクルで燃焼室6に噴射される燃料の総量の基本噴射量に対する低減量である。燃料低減量は、予め設定されてECU100に記憶されている。本実施形態では、図17に示すように燃料低減量が設定されている。具体的には、強ノック回数が第1判定回数C1よりも大きくなると、強ノック回数に比例して燃料低減量が増大され、強ノック回数が所定の第2判定回数C2よりも大きくなると強ノック回数に関わらず燃料低減量は一定の値に維持される。第2判定回数C2は、判定回数よりも大きい値であって、予めECU100に記憶されている。第2判定回数C2は、例えば、第1実施形態の第2判定回数C2と同様に判定回数よりも300程度大きい値に設定される。
このように、強ノック回数が第1判定回数C1よりも大きい場合は、1燃焼サイクルで燃焼室6に噴射される燃料の総量が、基本噴射量つまり強ノック回数が第1判定回数以下のときの量よりも少なくされる。例えば、図18に示すように、1燃焼サイクル中に燃焼室6内に噴射される燃料の全てが吸気行程中に一括して噴射される場合、この吸気行程中に実施される噴射の噴射量が実線で示す基本噴射量Q1から破線で示す総噴射量Q11に低減される。総噴射量が低減されることで、熱発生率は図18の実線に示す状態に対して破線に示すようになり、熱発生は緩やかになる。なお、1燃焼サイクル中に複数回に分け
て燃料が噴射される場合は、噴射量の最も多い噴射を燃料低減量分低減させる。ただし、この場合において、各噴射の噴射量をそれぞれ低減して、各噴射量の低減量の総量が燃料低減量となるようにしてもよい。
1燃焼サイクルで燃焼室6に噴射される燃料の総量が少なくなるとエンジントルクも小さくなる。これより、第2実施形態では、強ノック回数が第1判定回数C1よりも大きくなると、強ノック回数が第1判定回数C1以下の時よりもエンジントルクが低減される。本実施形態では、高速高負荷領域B-Hでのみ、この総噴射量の低減が行われ、これに伴い、強ノック回数が第1判定回数C1よりも大きい場合は強ノック回数が第1判定回数C1以下の時よりもエンジンの最大トルクが低減されることになる。
ここで、ステップS32の判定がYESのときに実施されるステップS40、S41、S42は、請求項の「燃料総量低減工程」に相当する。
以上のように、第2実施形態においても、強ノック回数が第1判定回数C1以下で、且つ、ノック強度が追加噴射実施強度よりも大きい場合は追加噴射を実施してノック強度を低下させるようにしていることで、騒音が所定値よりも高くなるのを防止できる。また、ノック回数が第1判定回数C1よりも大きくなると、強ノック回数が第1判定回数C1以下のときよりも総噴射量を低減させてエンジンの最大トルクを小さくしていることで、エンジン本体1の劣化が進行している状態でノック強度が強ノック判定値よりも大きくなる機会を少なく抑えることができ、エンジン本体1の劣化がさらに進行するのを抑制できる。つまり、エンジン本体の適切な稼働が困難になるまでの期間を延ばすことができる。また、強ノック回数が第1判定回数C1以下であってエンジン本体1の劣化があまり進行していないときには、エンジンの最大トルクが低下するのを回避して高いエンジントルクを確保することができる。なお、第2実施形態では、前記のように強ノック回数が第1判定回数C1よりも大きいときは強ノック回数が第1判定回数C1以下のときよりも総噴射量が低減されることでエンジンの最大トルクが小さくされており、燃料を燃焼室6に噴射するインジェクタ14が請求項の「トルク変更手段」に相当する。
(8)その他の変形例
前記実施形態では、全運転領域においてノック強度が強ノック判定値を超えた回数を数え、この回数(強ノック回数)に基づいてエンジン本体1の劣化度を推定する場合について説明した。しかしながら、ノック強度が強ノック判定値を超えやすいのは、前記のように高速高負荷領域B-Hでエンジンが運転されているときである。従って、前記のノック強度が強ノック判定値を超えた回数を数えてこの回数(強ノック回数)に基づいてエンジン本体1の劣化度を推定するというステップ(ステップS3~S5)は、高速高負荷領域B-Hでのみ行うようにしてもよい。このようにすれば、強ノック回数を数えるステップや強ノック回数に基づいて遅角実施ノック強度を変更するステップの実施機会を少なく抑えてECU100の演算負荷を低減することができる。
また、気筒の幾何学的圧縮比は、15以上20以下に限らない。ただし、気筒の幾何学的圧縮比が15以上になると、ノック強度が高くなりやすい。そのため、このエンジンに前記の実施形態を適用すれば、シリンダブロック3の浸食量が上限浸食量に到達するまでの期間を効果的に延ばすことができる。また、気筒の幾何学的圧縮比が15以上のときは、ノック強度が高くなりやすいことでノック強度が強ノック回数を超えた回数とシリンダブロック3の浸食量との相関が特に高いため、このようなエンジンに前記の実施形態を適用すれば、エンジン本体1の劣化度をより精度よく推定できる。
また、前記実施形態では、燃焼に伴って生じた筒内圧の増大量の最大値をノック強度として、この筒内圧の増大量の最大値が所定値(強ノック判定値)を超えたと回数を強ノッ
ク回数とした場合を説明したが、1燃焼サイクル中の筒内圧の最大値をノック強度とし、この筒内圧の最大値が所定値を超えた回数を強ノック回数としてもよい。また、遅角実施ノック強度を筒内圧の最大値について設定して、筒内圧の最大値と所定値(遅角実施ノック強度)との比較に基づいて点火時期の調整や追加噴射の実施の有無を行うようにしてもよい。また、1燃焼サイクル中の筒内圧の変化速度の最大値をノック強度として、この筒内圧の変化速度の最大値が所定値を超えた回数を強ノック回数とし、筒内圧の変化速度の最大値と所定値(遅角実施ノック強度)との比較に基づいて点火時期の調整や追加噴射の実施の有無を行うようにしてもよい。また、これらノック強度を検出する手段は、筒内圧センサSN3に限らない。例えば、エンジン本体1の振動(例えば振幅)を検出する振動センサを設け、1燃焼サイクル中の振動センサの検出値の最大値をノック強度としてもよい。
1 エンジン本体
2 気筒
6 燃焼室
13 点火プラグ(第1実施形態のトルク変更手段)
14 インジェクタ(第2実施形態のトルク変更手段)
100 ECU(制御手段)
SN3 筒内圧センサ(検出手段)

Claims (6)

  1. エンジンの劣化度合を推定するエンジン劣化推定方法であって、
    気筒内の圧力の1燃焼サイクル中の最大値あるいは当該圧力の増大量の1燃焼サイクル中の最大値であるノック強度が予め設定された判定値以上であるか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程で前記ノック強度が前記判定値以上であると判定された回数である強ノック回数を数えて、当該強ノック回数に基づいてエンジンの劣化度合を推定する劣化推定工程と
    前記強ノック回数が所定の基準回数よりも大きいときに実施されて、前記強ノック回数が前記基準回数以下のときよりも前記気筒内の混合気に点火を行う時期である点火時期を遅角させる遅角工程と、
    前記判定値よりも小さい遅角実施ノック強度よりも前記ノック強度が大きいときに実施されて、前記ノック強度が前記遅角実施ノック強度よりも小さくなるまで前記点火時期を遅角させる基本遅角工程とを含み、
    前記強ノック回数は、エンジンが駆動停止したときもリセットされることなくエンジンが最初に駆動されてから継続してカウントアップされ、
    前記遅角工程では、前記強ノック回数が前記基準回数よりも大きいときの前記遅角実施ノック強度を、前記強ノック回数が前記基準回数以下のときの前記遅角実施ノック強度よりも小さい値に設定することで、前記強ノック回数が前記基準回数よりも大きいときの前記点火時期を前記基準回数以下のときの前記点火時期よりも遅角側の時期にする、ことを特徴とするエンジン劣化推定方法。
  2. 請求項1に記載のエンジン劣化推定方法において、
    前記判定工程および前記劣化推定工程は、エンジン回転数が所定の基準回転数以上で且つエンジン負荷が所定の基準負荷以上の高速高負荷領域でエンジン本体が運転されているときに実施される、ことを特徴とするエンジン劣化推定方法。
  3. エンジンの劣化度合を推定するエンジン劣化推定方法であって、
    気筒内の圧力の1燃焼サイクル中の最大値あるいは当該圧力の増大量の1燃焼サイクル中の最大値であるノック強度が予め設定された判定値以上であるか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程で前記ノック強度が前記判定値以上であると判定された回数である強ノック回数を数えて、当該強ノック回数に基づいてエンジンの劣化度合を推定する劣化推定工程と、
    前記強ノック回数が所定の基準回数よりも大きく、かつ、エンジン回転数が所定の基準回転数以上で且つエンジン負荷が所定の基準負荷以上の高速高負荷領域でエンジンが運転されているときに実施されて、前記強ノック回数が前記基準回数未満のときよりも前記気筒内に供給する燃料の総量を低減させる燃料総量低減工程と、
    前記強ノック回数が前記基準回数以下で、かつ、前記判定値よりも小さい追加噴射実施強度よりも前記ノック強度が大きいときに実施されて、圧縮行程の後半から膨張行程の前半にかけての期間に燃料を噴射する追加噴射を実施する工程とを含み、
    前記強ノック回数は、エンジンが駆動停止したときもリセットされることなくエンジンが最初に駆動されてから継続してカウントアップされる、ことを特徴とするエンジン劣化推定方法。
  4. 請求項に記載のエンジン劣化推定方法において、
    前記判定工程および前記劣化推定工程は、エンジン回転数が所定の基準回転数以上で且つエンジン負荷が所定の基準負荷以上の高速高負荷領域でエンジン本体が運転されているときに実施される、ことを特徴とするエンジン劣化推定方法。
  5. 気筒が形成されたエンジン本体を備えるエンジンの制御装置であって、
    気筒内の圧力の1燃焼サイクル中の最大値あるいは当該圧力の増大量の1燃焼サイクル中の最大値であるノック強度を検出する検出手段と、
    エンジントルクを変更可能なトルク変更手段と、
    前記トルク変更手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記検出手段により検出された前記ノック強度が予め設定された判定値以上となった回数を数え、
    エンジン回転数が所定の基準回転数以上で且つエンジン負荷が所定の基準負荷以上の高速高負荷領域でエンジン本体が運転されているとき、前記回数が所定の基準回数よりも大きいときの方が当該回数が前記基準回数以下のときよりもエンジンの最大トルクが低くなるように、前記トルク変更手段を制御し、
    前記回数を、エンジンが駆動停止したときもリセットすることなくエンジンが最初に駆動されてから継続してカウントアップする、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  6. 請求項5に記載のエンジンの制御装置において、
    エンジン本体の幾何学的圧縮比は15以上25以下に設定されている、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
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