JP7307572B2 - 車両制御装置 - Google Patents

車両制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7307572B2
JP7307572B2 JP2019058476A JP2019058476A JP7307572B2 JP 7307572 B2 JP7307572 B2 JP 7307572B2 JP 2019058476 A JP2019058476 A JP 2019058476A JP 2019058476 A JP2019058476 A JP 2019058476A JP 7307572 B2 JP7307572 B2 JP 7307572B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
control unit
braking
control
sharp turn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019058476A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020157894A (ja
Inventor
亮一 水谷
勇太 石塚
誠 中内
陽宣 堀口
正樹 砂川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Subaru Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Subaru Corp filed Critical Subaru Corp
Priority to JP2019058476A priority Critical patent/JP7307572B2/ja
Publication of JP2020157894A publication Critical patent/JP2020157894A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7307572B2 publication Critical patent/JP7307572B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、乗用車等の自動車に設けられ旋回時の車両挙動を制御する車両制御装置に関する。
自動車によるスポーツ走行、競技走行などにおいて、曲率半径の小さい曲線路(タイトコーナ)を走行する際に、ステアリング操作による車体ヨーの発生とほぼ同時に、手動式ブレーキ(サイドブレーキ・パーキングブレーキ)を用いて後輪をロックさせ、車両を故意にスピンモードに入れることで急激な車体ヨー挙動を発生させて急旋回するテクニック(サイドブレーキターン)が知られている。
このようなサイドブレーキターンを行う際の車両側の制御に関する従来技術として、例えば特許文献1には、パーキングブレーキを利用したスピンターンを実行する際に、駆動輪である前輪のスリップが過大となることを防止するスリップ制御を中止させることが記載されている。
また、近年の車両には、各車輪のブレーキの制動力を個別に制御することにより、旋回内外輪の制動力差を発生させ、車体に任意のヨーレートを付与する挙動制御装置が設けられている。
このような挙動制御装置に関する従来技術として、例えば特許文献2には、車両の旋回制動中に運転者により行われた追加操舵操作が能動操舵である場合には、車両の回頭性が向上する挙動制御を行うことが記載されている。
特開昭63-192644号公報 特開2015-182516号公報
従来、パーキングブレーキを用いたスピンターンを行うためには、ドライバによるステアリング操作や、フットブレーキ(サービスブレーキ)の操作により、車体のヨー挙動を十分に発生させてから、後輪を短時間でロックさせるために強い力で操作する必要があった。
すなわち、十分なヨー挙動が得られていない状態で後輪をロックさせたり、ヨー挙動が十分であってもサイドブレーキの操作が不十分であって後輪をロックできなかった場合には、車両がスピンモードに入ることはなく、ドライバが意図する急旋回を行えない結果、ドライバが意図するラインをトレースすることができない場合があった。
このため、従来パーキングブレーキを用いたスピンターンを適切に行うためには、高度な熟練と体力が要求されていた。
これに対し、特許文献2に記載されたような挙動制御装置を用いれば、旋回初期のヨーレートを高めて十分なヨー挙動を発生させることが容易となるが、その後で後輪をロックさせて車両をスピンモードに入れようとした際に、既存の挙動制御では異常なオーバーステア挙動であると認識して回復方向(ヨーレート低減方向)のヨーモーメントを発生させてしまうため、やはりドライバの意図に忠実な急旋回ができないという問題があった。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、ドライバの意図に忠実な急旋回を容易に行うことが可能な車両制御装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、車両の後輪の制動力を前輪の制動力とは独立してアクチュエータにより制御可能な後輪制動制御部と、ドライバの急旋回要求を検出する急旋回要求検出部と、前記車両の左右前輪に制駆動力差を発生させて車体にヨーモーメントを与える挙動制御部とを備える車両制御装置であって、前記急旋回要求の検出に応じて、前記後輪制動制御部が前記後輪の制動力を車輪ロックが発生するよう増加させるとともに、前記挙動制御部が前記車体のヨーレートを増加する方向の前記制駆動力差を与える急旋回制御を行ない、ドライバによる旋回状態の終了操作を検出する終了操作検出部を備え、前記終了操作の検出に応じて前記急旋回制御を終了することを特徴とする車両制御装置である。
これによれば、急旋回要求に応じて後輪をロックさせることによって車両をスピンモードに入れ、急激にヨーレートを立ち上げるとともに、挙動制御によって車体のヨーレートを増加する方向のヨーモーメントを発生させることにより、ドライバが急旋回を意図した場合にスピンモードの挙動を伴う高ヨーレートの急旋回(いわゆるスピンターン)を容易に行うことができる。
また、急旋回制御を適切かつ自動的に終了し、車両状態を急曲線部を脱出する状態に移行させることができる。
求項に係る発明は、前記終了操作検出部は、舵角の減少に基づいて前記終了操作を検出することを特徴とする請求項に記載の車両制御装置である。
請求項に係る発明は、前記挙動制御部は、前記舵角が減少する際の操舵速度の増加に応じて、前記制駆動力差の低下速度を速くすることを特徴とする請求項に記載の車両制御装置である。
請求項に係る発明は、前記終了操作検出部は、ドライバによるアクセル操作量の増加に応じて前記終了操作を検出することを特徴とする請求項に記載の車両制御装置である。
請求項に係る発明は、前記挙動制御部は、前記アクセル操作量の増加速度に応じて、前記制駆動力差の低下速度を速くすることを特徴とする請求項に記載の車両制御装置である。
これらの各発明によれば、簡単な制御により急旋回制御を適切かつ自動的に終了し、車両状態を急曲線部を脱出する状態に移行させることができる。
また、請求項3,5に係る発明によれば、旋回状態終了を判別する要因となった終了操作の操作速度の増加に応じて、オーバーステア傾向のヨーモーメントを発生させる制駆動力差の低下速度を速くすることにより、ドライバの意図(急旋回状態からの回復を急速に行うか、緩慢に行うか)に忠実な急旋回状態からの回復を図ることができる。
請求項に係る発明は、車両の後輪の制動力を前輪の制動力とは独立してアクチュエータにより制御可能な後輪制動制御部と、ドライバの急旋回要求を検出する急旋回要求検出部と、前記車両の左右前輪に制駆動力差を発生させて車体にヨーモーメントを与える挙動制御部とを備える車両制御装置であって、前記急旋回要求の検出に応じて、前記後輪制動制御部が前記後輪の制動力を車輪ロックが発生するよう増加させるとともに、前記挙動制御部が前記車体のヨーレートを増加する方向の前記制駆動力差を与える急旋回制御を行ない、エンジンと動力伝達機構との間に設けられるクラッチの接続及び切断を制御するクラッチ制御部を備え、前記クラッチ制御部は、前記急旋回制御の開始に応じて前記クラッチを切断するとともに、前記急旋回制御の終了に応じて前記クラッチを接続し、前記クラッチ制御部は、前記急旋回制御の終了時に前記クラッチを接続する際の締結力の増加速度を、前記制駆動力差の低下速度が速くなることに応じて速くすることを特徴とする車両制御装置である。
これによれば、ドライバが意図する急旋回状態からの回復速度に応じたクラッチ接続操作を自動的に行うことができる。
請求項に係る発明は、車両の後輪の制動力を前輪の制動力とは独立してアクチュエータにより制御可能な後輪制動制御部と、ドライバの急旋回要求を検出する急旋回要求検出部と、前記車両の左右前輪に制駆動力差を発生させて車体にヨーモーメントを与える挙動制御部とを備える車両制御装置であって、前記急旋回要求の検出に応じて、前記後輪制動制御部が前記後輪の制動力を車輪ロックが発生するよう増加させるとともに、前記挙動制御部が前記車体のヨーレートを増加する方向の前記制駆動力差を与える急旋回制御を行ない、前記挙動制御部は、前記急旋回制御の終了時におけるアクセル操作量、アクセル操作速度、舵角の少なくとも一つが所定の閾値以上である場合には、後輪の制動力を低下させた後における車両のオーバーステア挙動の抑制制御を制限することを特徴とする車両制御装置である。
これによれば、ドライバが急旋回制御の終了後も例えばパワーオーバーステアによる旋回状態の維持(例えば定常円旋回への移行)を意図する場合に、適切な車両姿勢制御を行うことができる。
請求項に係る発明は、車両の後輪の制動力を前輪の制動力とは独立してアクチュエータにより制御可能な後輪制動制御部と、ドライバの急旋回要求を検出する急旋回要求検出部と、前記車両の左右前輪に制駆動力差を発生させて車体にヨーモーメントを与える挙動制御部とを備える車両制御装置であって、前記急旋回要求の検出に応じて、前記後輪制動制御部が前記後輪の制動力を車輪ロックが発生するよう増加させるとともに、前記挙動制御部が前記車体のヨーレートを増加する方向の前記制駆動力差を与える急旋回制御を行ない、車両の前輪駆動力伝達機構と後輪駆動力伝達機構との回転速度差を拘束するトランスファクラッチを制御するトランスファクラッチ制御部を備え、前記トランスファクラッチ制御部は、前記急旋回制御の実行中は前記トランスファクラッチを解放状態に維持することを特徴とする車両制御装置である。
これによれば、急旋回制御において後輪をロックさせる際にトランスファクラッチを解放状態とすることにより、前輪側から後輪へ入力されるトルクによって後輪のロックが妨げられたり、4輪が同時にロックするカスケードロック状態に陥ることを防止できる。
請求項9に係る発明は、前記急旋回要求検出部は、ドライバによる急旋回要求操作に応じて前記急旋回要求を検出することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の車両制御装置である。
これによれば、ドライバの操作に応じて急旋回制御を開始することにより、ドライバの意図に忠実に急旋回を行うことができる。
請求項10に係る発明は、前記急旋回要求検出部は、車両の旋回初期における舵角、操舵速度、ヨーレート、旋回求心加速度の少なくとも一つが所定の閾値を超過した場合に前記急旋回要求を検出することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の車両制御装置である。
これによれば、ドライバが急旋回を意図していると認められる運転操作に応じて、自動的に急旋回制御が開始されることにより、最低限の操作によりドライバの意図に忠実に急旋回を行うことができる。
請求項11に係る発明は、前記急旋回制御が許可される第1の走行モードと、前記急旋回制御が禁止される第2の走行モードとをユーザが選択可能な選択操作部を備えることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の車両制御装置である。
これによれば、第2の走行モードが選択された場合には急旋回制御が禁止されることにより、ドライバの誤操作などにより意図しない急旋回が行われることを防止できる。

以上説明したように、本発明によれば、ドライバの意図に忠実な急旋回を容易に行うことが可能な車両制御装置を提供することができる。
本発明を適用した車両制御装置の第1実施形態を有する車両の構成を模式的に示すブロック図である。 第1実施形態の車両制御装置における急旋回時の動作を示すフローチャートである。 本発明の比較例の車両制御装置を有する車両における急旋回時の車両状態推移の一例を示す図である。 比較例の車両制御装置を有する車両における急旋回時の車両挙動推移の一例を示す図である。 第1実施形態の車両制御装置を有する車両における急旋回時の車両状態推移の一例を示す図である。 第1実施形態の車両制御装置を有する車両における急旋回時の車両挙動推移の一例を示す図である。 本発明を適用した車両制御装置の第2実施形態を有する車両の構成を模式的に示すブロック図である。 第2実施形態の車両制御装置を有する車両における急旋回時の車両状態推移の一例を示す図である。 本発明を適用した車両制御装置の第3実施形態における急旋回時の動作を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明を適用した車両制御装置の第1実施形態について説明する。
第1実施形態の車両制御装置は、例えば、前後左右に車輪を有する乗用車等の4輪の自動車に設けられるものである。
また、車両は、前輪及び後輪にエンジンの出力が伝達される4輪駆動(AWD)の駆動力伝達機構を備えている。
第1実施形態において、車両は、ドライバの操作により変速機の変速及びクラッチ動作が行われる手動変速機が搭載されている。
図1は、第1実施形態の車両制御装置を有する車両の構成を模式的に示すブロック図である。
車両は、エンジン制御ユニット10、AWD制御ユニット20、電動パワーステアリング制御ユニット30、挙動制御ユニット40、マスタシリンダ50、ハイドロリックユニット60等を有して構成されている。
エンジン制御ユニット10は、車両の走行用動力源であるエンジン及びその補機類を統括的に制御する装置である。
エンジン制御ユニット10には、アクセルペダルセンサ11が接続されている。
アクセルペダルセンサ11は、ドライバがアクセル操作(加速要求操作)を入力する図示しないアクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出するものである。
エンジン制御ユニット10は、アクセル開度に基づいてドライバ要求トルクを設定するとともに、エンジン10の実際の出力トルクがドライバ要求トルクと一致するように出力制御を行う。
エンジンの出力は、図示しない手動変速機及びAWDトランスファを介して、各車輪に伝達される。
エンジンと手動変速機との間には、ドライバによる切断操作に応じて切断される図示しないクラッチが設けられている。
AWD制御ユニット20は、変速機構部の出力を前輪及び後輪の駆動系に伝達するAWDトランスファに設けられるトランスファクラッチ21を制御するものである。
トランスファクラッチ21は、前輪側の動力伝達機構と後輪側の動力伝達機構との回転速度差を拘束する拘束状態と、回転速度差を許容する解放状態とを、例えば油圧式あるいは電磁式の湿式多板クラッチ等を用いて切換可能となっている。
電動パワーステアリング制御ユニット30は、車両の操舵装置に設けられ、ドライバによる操舵操作をアシストする電動パワーステアリング(EPS)装置及びその補機類を統括的に制御するものである。
電動パワーステアリング制御ユニット30には、舵角センサ31が接続されている。
舵角センサ31は、例えば、ステアリングシャフトの回転角度位置等を検出することにより、現在の車両の舵角(ステア角)を検出するものである。
挙動制御ユニット40は、例えば、挙動安定化制御、アンチロックブレーキ制御、動的パーキングブレーキ制御等を行うものである。
挙動安定化制御は、車両にオーバーステア挙動、アンダーステア挙動が発生した場合に、旋回内外輪の制動力差を発生させて挙動を抑制(回復)する方向のヨーモーメントを発生させるものである。
アンチロックブレーキ制御は、制動力によるホイールロック(車輪の回転停止)が発生した場合に、当該車輪のホイルシリンダ液圧を周期的に減圧して回転の回復を図るものである。
動的パーキングブレーキ制御は、車両の走行中にパーキングブレーキスイッチ42が操作された場合に、各車輪のホイルシリンダに液圧を与えて制動力を発生させるものである。
挙動制御ユニット40には、モード選択スイッチ41、パーキングブレーキスイッチ42、ヨーレートセンサ43、横Gセンサ44、車速センサ45等が接続されている。
モード選択スイッチ41は、挙動制御スイッチにおける車体挙動制御(挙動安定化制御等)の制御モードを、予め準備された複数の制御モードからユーザが選択する操作が入力されるものである。
制御モードとして、例えば、通常走行用の通常モード、スポーツ走行に適したスポーツモード等が準備される。
スポーツモードにおいては、挙動安定化制御の介入閾値が、通常モードに対して介入しにくくなる傾向に設定されるほか、後述する急旋回制御の実行が許可される。
この点については、後に詳しく説明する。
急旋回制御の実行時において、挙動制御ユニット40は、車両の後輪の制動力を前輪の制動力とは独立して制御可能な後輪制動制御部として機能する。
パーキングブレーキスイッチ42は、車両の後2輪のみを制動して停車時等における車両の動き出しを防止するパーキングブレーキ作動操作、及び、後2輪の制動を解除するパーキングブレーキ解除操作等が入力される操作部である。
また、パーキングブレーキスイッチ42は、車両の走行中に前輪及び後輪の制動を行う動的制動の開始操作を行うことも可能である。
さらに、パーキングブレーキスイッチ42は、上述したスポーツモードが選択されている場合であって、所定の旋回条件を充足した場合に、後輪のみを制動してロックさせ、車両をスピンモードに入れ、急旋回させる急旋回制御の開始要求を入力することが可能である。
パーキングブレーキスイッチ42は、本発明にいう急旋回要求検出部として機能する。
パーキングブレーキスイッチ42は、例えば、車両のセンターコンソール、インストルメントパネル、ステアリングホイールなどに、プル式、プッシュ式等の各種スイッチとして設けることが可能である。
ヨーレートセンサ43は、車体のヨーレート(鉛直軸回りの自転速度)を検出するものである。
横Gセンサ44は、車体の車幅方向加速度を検出するものである。
車速センサ45は、前後左右の各車輪にそれぞれ設けられ、対応する車輪の回転速度を検出するものである。
車輪がスリップ状態でない場合には、車輪の回転速度に基づいて、車両の走行速度(車速)を検出することが可能である。
上述した各ユニットは、例えば、CPU等の情報処理部、RAMやROM等の記憶部、入出力インターフェイス及びこれらを接続するバス等を有して構成されている。
また、各ユニットは、例えば車載LANシステムを介して、あるいは直接に、通信可能に接続されている。
マスタシリンダ50は、ドライバがブレーキ操作を行う図示しないブレーキペダルの操作量に応じて液圧式サービスブレーキのブレーキフルード液圧を加圧するものである。
液圧式サービスブレーキは、各車輪とともに回転するロータと、摩擦材を有するブレーキパッドをロータに加圧接触させてロータを挟持するキャリパとを備えている。
前後左右の各車輪にそれぞれ設けられたキャリパには、左前ホイルシリンダ61、右前ホイルシリンダ62、左後ホイルシリンダ63、右後ホイルシリンダ64がそれぞれ設けられている。
各ホイルシリンダ61乃至64は、ハイドロリックユニット60から伝達されるブレーキフルード液圧により、摩擦材をロータに加圧接触させて制動力を発生させる。
ハイドロリックユニット60は、マスタシリンダ50により加圧されたブレーキフルードの液圧を、挙動制御ユニット40からの指令に応じて、車輪毎に独立して加圧、減圧する液圧制御装置(ブレーキアクチュエータ)である。
ハイドロリックユニット60は、モータ等の電動アクチュエータにより駆動される加圧ポンプ、及び、加圧弁、減圧弁、保持弁などの電磁弁を有して構成されている。
ハイドロリックユニット60は、前後左右の車輪にそれぞれ設けられた左前ホイルシリンダ61、右前ホイルシリンダ62、左後ホイルシリンダ63、右後ホイルシリンダ64のブレーキフルード液圧を個別に制御する機能を有する。
次に、第1実施形態の車両制御装置の動作について説明する。
図2は、第1実施形態の車両制御装置における急旋回時の動作を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:挙動制御モード判断>
挙動制御ユニット40は、モード選択スイッチ41において、スポーツモードが選択されているか否かを判別する。
スポーツモードが選択されている場合はステップS02に進み、その他の場合は一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS02:旋回開始判定>
挙動制御ユニット40は、舵角センサ31、ヨーレートセンサ43、横Gセンサ44、車速センサ45等からの情報に基づいて、車両が今後急旋回制御が介入し得る所定の旋回状態を開始したか否かを判別する。
例えば、車速が所定の閾値(例えば、20km/h)以下であり、舵角センサ31が検出する舵角が所定の閾値以上であり、舵角を微分して得られる操舵速度が所定の閾値(例えば、200deg/sec)以上であり、ヨーレートが所定の閾値(例えば、10deg/sec)以上であり、かつ、横Gが所定の閾値以上である場合には、ステップS03に進み、その他の場合は一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS03:パーキングブレーキスイッチ操作判断>
挙動制御ユニット40は、ステップS02において旋回開始を検出してから所定時間以内に、ドライバがパーキングブレーキスイッチ42を操作したか否かを判別する。
パーキングブレーキスイッチ42が操作された場合は、車両をスピンターン状態とする急旋回制御を開始するためにステップS04に進み、その他の場合は一連の処理を終了する。
<ステップS04:急旋回制御開始>
挙動制御ユニット40は、ハイドロリックユニット60に指令を与え、左後ホイルシリンダ63、右後ホイルシリンダ64のブレーキフルード液圧を高めて左右後輪をロック(回転停止)させるとともに、旋回内輪側の前輪にロックに至らない程度のブレーキフルード液圧を与えて制動力を発生させ、車両のヨーレートが増大する(回頭性が向上する)方向のヨーモーメントを発生させる急旋回制御を開始する。
このとき、AWD制御ユニット20は、トランスファクラッチ21を解放(切断)し、前輪が回転した状態で後輪がロックすることを許容する状態とする。
その後、ステップS05に進む。
<ステップS05:急旋回終了検出>
挙動制御ユニット40は、ドライバが車両の急旋回状態(スピンターン状態)を終了する操作を行ったか否かを判別する。
例えば、舵角センサ31が検出する舵角が所定値以下まで減少した(舵が戻された)場合、あるいは、アクセルペダルセンサ11が検出するアクセル開度(アクセルペダル踏込量)が所定値以上に増加した場合に、急旋回状態を終了する操作があったと判別することができる。
挙動制御ユニット40は、ドライバによる旋回状態の終了操作を検出する終了操作検出部として機能する。
急旋回状態を終了する操作があった場合はステップS06に進み、その他の場合はステップS05を所定の時間間隔をおいて繰り返す。
<ステップS06:オーバーステア維持要求有無判断(1)>
挙動制御ユニット40は、急旋回制御による後輪のロックが回復した後も、ドライバが車両のオーバーステア挙動を維持することを意図しているか否かを判別する。
例えば、舵角センサ31が検出する舵角が旋回内側方向に所定値以上切り込まれており、アクセルペダルセンサ11が検出するアクセル開度が所定値以上(例えば全開)である場合には、ドライバがパワーオーバーステアによるオーバーステア挙動の維持を意図していると判断することが可能である。
このようなオーバーステア挙動を維持する要求が認められる場合はステップS08に進み、その他の場合はステップS07に進む。
<ステップS07:急旋回制御終了・通常スポーツモードに復帰>
挙動制御ユニット40は、ハイドロリックユニット60に指令を与え、左後ホイルシリンダ63、右後ホイルシリンダ64のブレーキフルード液圧を低下させて後輪を非ロック状態(回転状態)とし、挙動安定化制御をスポーツモードにおける通常の制御に復帰させる。
すなわち、この時点で車両にオーバーステア挙動が発生している場合には、挙動制御ユニット40は、ハイドロリックユニット60に指令を与えて旋回外輪側の前輪に制動力を与え、オーバーステア挙動を抑制する方向のヨーモーメントを発生させる。
このとき、旋回内輪側の前輪のホイルシリンダのブレーキフルード液圧を低下させる速さ(左右前輪の制動力差を低下させる速さ)は、舵角が減少する際の操舵速度(戻し速度)、アクセルが踏み込まれる際のアクセル開度の増加速度の少なくとも一方の増加に応じて速くなるよう制御される。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS08:オーバーステア維持制御>
挙動制御ユニット40は、ハイドロリックユニット60に指令を与え、左後ホイルシリンダ63、右後ホイルシリンダ64のブレーキフルード液圧を低下させて後輪を非ロック状態とする。
また、挙動制御ユニット40は、現在のオーバーステア挙動が維持されるよう車体のヨーモーメントを制御するオーバーステア維持制御を行う。すなわち、ヨーレートがさらに増加し発散傾向(スピンモード)にある場合には、ヨーレートを抑制する制御を行う一方、ヨーレートが急減してアンダーステア傾向となる前兆がある場合には、ヨーレートを増大させてオーバーステア挙動を維持する制御を行う。
その後、ステップS09に進む。
<ステップS09:オーバーステア維持要求有無判断(2)>
挙動制御ユニット40は、ステップS06と同様に、ドライバが車両のオーバーステア挙動を維持することを意図しているか否かを判別する。
オーバーステア挙動を維持する要求が認められない場合はステップS07に進み、その他の場合はステップS09を所定の時間間隔をおいて繰り返す。
以下、上述した第1実施形態の効果を、以下説明する本発明の比較例の車両制御装置と対比して説明する。
なお、比較例及び後述する各実施形態において、上述した第1実施形態と共通する箇所には同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
比較例の車両制御装置は、パーキングブレーキスイッチ42の操作により後輪をロックさせた場合であっても、オーバーステア挙動の発生に応じて、これを抑制する方向のヨーモーメントを発生させる通常の挙動安定化制御を行うものである。
図3は、比較例の車両制御装置を有する車両における急旋回時の車両状態推移の一例を示す図である。
図3において、横軸は時間を示し、縦軸は車速、舵角、ヨーレート、パーキングブレーキ状態、前後左右ホイルシリンダのブレーキフルード液圧、フットブレーキ制動力、クラッチ状態、アクセル開度、エンジントルクを示している。(後述する図5、図8において同じ)
図4は、比較例の車両制御装置を有する車両における急旋回時の車両挙動推移の一例を示す図である。
図4において、黒で塗りつぶした車輪はロック状態にあることを示し、網掛けされた車輪はロックには至らない程度の制動力が与えられていることを示している。なお、図4において、車両Vに付される添字(数字)の増加は、時系列における状態の推移を示している。(図6において同じ)
図3、図4においては、車両Vが直線路から左旋回のタイトコーナに進入する状態を示している。(図5、図6において同じ)
先ず、ドライバはアクセルを全開状態から全閉状態に戻した後にフットブレーキによって減速し、その後左方向への転舵を行い、直後にスピンターンを意図してクラッチを切断し、パーキングブレーキスイッチ42を操作している。
図4に示す車両V1のように、先ず左前輪Wfl、右前輪Wfrが左方向に転舵されることにより、車両には反時計回り方向のヨーレートが発生し、車両は左旋回を開始する。
その後、車両V2のように、左後輪Wrl、右後輪Wrrをロックさせると、これらの後輪は方向安定性を失って慣性力によって旋回外側(この場合右側)に降り出され、車両Vは強いオーバーステア挙動を伴うスピンモードに入ろうとする。
しかし、比較例においては、挙動制御ユニット40の挙動安定化制御の介入により、右前輪Wfrに制動力Fが与えられ、オーバーステア挙動が抑制されるヨーモーメントが発生する。
その結果、車両V3のように、車両はアンダーステア傾向のまま車線を逸脱する方向へ走行し、結果的に図3に示すように、例えば後輪をロックさせたまま再加速に移れず、クラッチを切断し後輪をロックさせたまま停止してしまうことになる。
図5は、第1実施形態の車両制御装置を有する車両における急旋回時の車両状態推移の一例を示す図である。
図6は、第1実施形態の車両制御装置を有する車両における急旋回時の車両挙動推移の一例を示す図である。
第1実施形態においても、比較例と同様に、図6に示す車両V1のように、先ず左前輪Wfl、右前輪Wfrが左方向に転舵されることにより、車両には反時計回り方向のヨーレートが発生し、車両は左旋回を開始する。
その後、車両V2のように、左後輪Wrl、右後輪Wrrをロックさせると、これらの後輪は方向安定性を失って慣性力によって旋回外側(この場合右側)に降り出され、車両は強いオーバーステア挙動を伴うスピンモードに入ろうとする。
このとき、第1実施形態においては、挙動制御ユニット40が旋回内輪側の左前輪Wflに制動力Fを与えることによって、オーバーステア挙動を促進する方向のヨーモーメントが発生し、車両V2は、スピンモードを伴う急旋回挙動を示す。
その後、車両V3の位置においてドライバがクラッチを接続してアクセルを踏み込みつつ、舵角を戻し始めると、挙動制御ユニット40は急旋回制御を終了し、後輪はロック状態から回復する。
この状態では車両V3はコーナの出口方向に向きを変えており、引き続き車両V4に示す状態のように、小舵角で加速しながら迅速にコーナを脱出することができる。
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)旋回開始時のパーキングブレーキスイッチ42の操作に応じて、左右の後輪Wrl、Wrrをロックさせることによって、車両Vをスピンモードに入れ、急激にヨーレートを立ち上げるとともに、旋回内輪側の前輪に制動力Fを与えて車体のヨーレートを増加する方向のヨーモーメントを発生させることにより、ドライバが急旋回を意図した場合に高ヨーレートの急旋回であるスピンターンを容易に行うことができる。
また、ドライバによるパーキングブレーキスイッチ42の操作に応じて急旋回制御を開始することにより、ドライバの意図に忠実にスピンターンを行うことができる。
(2)モード選択スイッチ41においてスポーツモードが選択された場合にのみ急旋回制御を許可することにより、通常モードでの走行時にドライバの誤操作などにより意図しない急旋回が行われることを防止できる。
(3)舵角の減少又はアクセル開度の増加に応じて急旋回制御を終了することによって、簡単な制御により急旋回制御を適切かつ自動的に終了し、車両状態をタイトコーナを脱出する状態に移行させることができる。
また、舵角減少又はアクセル開度増加の速度増加に応じて、旋回内輪側の前輪の制動力の低下速度を増加させることにより、急旋回状態からコーナ脱出状態へ移行しようとするドライバの意図(穏やかに回復させるか、あるいは急激に回復させるか)に応じたスピンターン状態からの回復を図ることができる。
(4)急旋回制御の終了時に、ドライバがオーバーステア挙動を維持する意図を判定した場合には、後輪のロック回復後も、左右前輪の制動力差によりオーバーステア挙動を維持する挙動制御を行うことによって、ドライバが急旋回制御の終了後も例えばパワーオーバーステアによる旋回状態の維持(例えば定常円旋回への移行)を意図する場合に、適切な車両姿勢制御を行うことができる。
(5)急旋回制御において後輪をロックさせる際に、前輪側動力伝達機構と後輪側動力伝達機構とを拘束するトランスファクラッチ21を解放状態とすることにより、前輪側から後輪へ入力されるトルクによって後輪のロックが妨げられたり、4輪が同時にロックするカスケードロック状態に陥ることを防止できる。
<第2実施形態>
次に、本発明を適用した車両制御装置の第2実施形態について説明する。
図7は、第2実施形態の車両制御装置を有する車両の構成を模式的に示すブロック図である。
第2実施形態の車両は、変速機として、第1実施形態の手動変速機に変えて、手動変速機と同様の変速機構及びクラッチをアクチュエータにより駆動する自動化手動変速機(AMT)を備えている。
図7に示すように、第2実施形態においては、第1実施形態のAWD制御ユニット20に変えて、トランスミッション制御ユニット20Aが設けられている。
トランスミッション制御ユニット20Aには、第1実施形態と同様に制御されるトランスファクラッチ21のほか、変速アクチュエータ22、クラッチアクチュエータ23が接続されている。
トランスミッション制御ユニット20は、車両の走行状態に応じて変速アクチュエータ22に指令を与え、変速動作を行わせる。
また、トランスミッション制御ユニット20は、変速時、停車時等には、クラッチアクチュエータ23に指令を与え、クラッチを解放(切断)させる。
第2実施形態においては、急旋回制御の開始に応じて自動的にクラッチを解放させるとともに、急旋回制御の終了に応じて自動的にクラッチを締結(接続)させる。
クラッチを締結する際の締結力の増加速度は、旋回内輪側の前輪の制動力低下速度が速くなることに応じて速くなるように設定されている。
図8は、第2実施形態の車両制御装置を有する車両における急旋回時の車両状態推移の一例を示す図である。
図8に示すように、第2実施形態においては、急旋回制御を終了した後、自動的にクラッチを接続してからアクセルオン操作を許可することにより、後輪のロック回復直後に、クラッチの接続により駆動力が急激に変化することによって車両挙動が不安定となることを防止し、急旋回制御におけるスピンモードからの回復から、車両の再加速に至る一連の挙動をスムースにする発進補助制御を実行している。
以上説明した第2実施形態によれば、急旋回制御において後輪をロックさせる際にクラッチを切断し、急旋回制御の終了に応じてクラッチを接続する一連の操作を自動化し、ドライバの負担を軽減することができる。
また、急旋回制御が終了してクラッチを接続する際の締結力の増加速度を、旋回内輪側の前輪の制動力低下速度が速くなることに応じて速くすることにより、ドライバが意図する急旋回状態からの回復の速さに応じたクラッチ接続操作を自動的に行うことができる。
<第3実施形態>
次に、本発明を適用した車両制御装置の第3実施形態について説明する。
第3実施形態の車両制御装置は、旋回初期における舵角、操舵速度、ヨーレート、横G等により、ドライバが急旋回を意図していると判定された場合に、パーキングブレーキスイッチ42の操作によらず自動的に急旋回制御が開始されることを特徴とする。
第3実施形態においては、挙動制御ユニット40自体がドライバの急旋回要求を検出する急旋回要求検出部として機能する。
図9は、第3実施形態の車両制御装置における急旋回時の動作を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS11:挙動制御モード判断>
挙動制御ユニット40は、モード選択スイッチ41において、スポーツモードが選択されているか否かを判別する。
スポーツモードが選択されている場合はステップS12に進み、その他の場合は一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS12:急旋回開始検出判断>
挙動制御ユニット40は、舵角センサ31、ヨーレートセンサ43、横Gセンサ44、車速センサ45等からの情報に基づいて、ドライバが急旋回(スピンターン)を意図する運転操作を行ったか否かを判別する。
例えば、車速が所定の閾値以下、舵角が所定の閾値以上、操舵速度が所定の閾値以上、ヨーレートが所定の閾値以上、横Gが所定の閾値以上である場合には、ドライバが急旋回の開始を意図していると判断し、ステップS13に進み、その他の場合は一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS13:急旋回制御開始>
挙動制御ユニット40は、上述したステップS04と同様に、左右後輪をロック(回転停止)させるとともに、旋回内輪側の前輪に制動力を発生させる急旋回制御を開始する。
このとき、AWD制御ユニット20は、トランスファクラッチ21を解放する。
その後、ステップS14に進む。
<ステップS14:急旋回終了検出>
挙動制御ユニット40は、上述したステップS05と同様に、ドライバが車両の急旋回状態(スピンターン状態)を終了する操作を行ったか否かを判別する。
急旋回状態を終了する操作があった場合はステップS15に進み、その他の場合はステップS14を所定の時間間隔をおいて繰り返す。
<ステップS15:オーバーステア維持要求有無判断(1)>
挙動制御ユニット40は、上述したステップS06と同様に、ドライバが車両のオーバーステア挙動を維持することを意図しているか否かを判別する。
オーバーステア挙動を維持する要求が認められる場合はステップS17に進み、その他の場合はステップS16に進む。
<ステップS16:急旋回制御終了・通常スポーツモードに復帰>
挙動制御ユニット40は、上述したステップS07と同様に、急旋回制御を終了し、通常のスポーツモードの制御に復帰させる。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS17:オーバーステア維持制御>
挙動制御ユニット40は、上述したステップS08と同様にオーバーステア維持制御を行う。
その後、ステップS18に進む。
<ステップS18:オーバーステア維持要求有無判断(2)>
挙動制御ユニット40は、ステップS15と同様に、ドライバが車両のオーバーステア挙動を維持することを意図しているか否かを判別する。
オーバーステア挙動を維持する要求が認められない場合はステップS16に進み、その他の場合はステップS18を所定の時間間隔をおいて繰り返す。
以上説明した第3実施形態によれば、ドライバが急旋回を意図していると認められる運転操作に応じて、自動的に急旋回制御が開始されることにより、最低限の操作によりドライバの意図に忠実に急旋回を行うことができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)車両制御装置及びこれにより制御される車両の構成は、上述した各実施形態に限らず、適宜変更することが可能である。
例えば、各実施形態においては、車両はエンジンを走行用動力源とする4輪駆動(AWD)のものであったが、本発明はエンジン-電気ハイブリッド車や電気自動車等の電動車両にも適用することが可能であり、また、駆動方式も特に限定されない。
(2)各実施形態においては、急旋回時における後輪のロックを、液圧式ブレーキにより行っているが、例えば電動アクチュエータにより制動力を発生させる電動式ブレーキを用いて行ってもよい。
(3)各実施形態においては、車両の変速機は手動変速機又はAMTであったが、変速機はこれらに限定されず、他種のものであってもよい。例えば、無段変速機(CVT)、プラネタリギヤセットを用いたステップAT、DCTなどであってもよい。
(4)各実施形態においては、挙動制御部は旋回内輪側に外輪側よりも大きい制動力を与えることにより回頭性を向上する方向のヨーモーメントを発生させているが、これに限らず、旋回外輪側に内輪側よりも大きい駆動力を与えてもよい。また、制動力及び駆動力を併用した制御を行ってもよい。
(5)各実施形態においては、舵角、アクセル開度等に基づいて自動的に急旋回制御を終了させる構成としているが、本発明はこれに限定されず、ドライバからの操作に応じて急旋回制御を終了させる構成としてもよい。
(6)第1実施形態においては、車速、舵角、操舵速度、ヨーレート、横Gの全てが所定の条件を充足した場合にのみ急旋回制御を許可しているが、これらのうち一部の条件のみが充足した場合に急旋回制御を許可する構成としてもよい。また、これら以外の条件に基づいて急旋回制御を許可する構成としてもよい。同様に、第3実施形態において自動的に急旋回制御を開始する条件も、第3実施形態の構成には限定されない。
(7)第1実施形態においては、急旋回状態を終了する際の舵角及びアクセル開度がともに所定値以上であった場合にオーバーステア挙動の抑制制御を制限しているが、この判別条件はこれに限らず、適宜変更することが可能である。
例えば、舵角、アクセル開度、アクセル操作速度の少なくとも一つが所定値以上である場合に、オーバーステア挙動の抑制制御を制限するようにしてもよい。
10 エンジン制御ユニット 11 アクセルペダルセンサ
20 AWD制御ユニット
20A トランスミッション制御ユニット
21 トランスファクラッチ 22 変速アクチュエータ
23 クラッチアクチュエータ
30 電動パワーステアリング制御ユニット
31 舵角センサ 40 挙動制御ユニット
41 モード選択スイッチ 42 パーキングブレーキスイッチ
43 ヨーレートセンサ 44 横Gセンサ
45 車速センサ 50 マスタシリンダ
60 ハイドロリックユニット 61 左前ホイルシリンダ
62 右前ホイルシリンダ 63 左後ホイルシリンダ
64 右後ホイルシリンダ
V 車両 F 制動力
Wfl 左前輪 Wfr 右先輪
Wrl 左後輪 Wrr 右後輪

Claims (11)

  1. 車両の後輪の制動力を前輪の制動力とは独立してアクチュエータにより制御可能な後輪制動制御部と、
    ドライバの急旋回要求を検出する急旋回要求検出部と、
    前記車両の左右前輪に制駆動力差を発生させて車体にヨーモーメントを与える挙動制御部と
    を備える車両制御装置であって、
    前記急旋回要求の検出に応じて、前記後輪制動制御部が前記後輪の制動力を車輪ロックが発生するよう増加させるとともに、前記挙動制御部が前記車体のヨーレートを増加する方向の前記制駆動力差を与える急旋回制御を行ない、
    ドライバによる旋回状態の終了操作を検出する終了操作検出部を備え、
    前記終了操作の検出に応じて前記急旋回制御を終了すること
    を特徴とする車両制御装置。
  2. 前記終了操作検出部は、舵角の減少に基づいて前記終了操作を検出すること
    を特徴とする請求項に記載の車両制御装置。
  3. 前記挙動制御部は、前記舵角が減少する際の操舵速度の増加に応じて、前記制駆動力差の低下速度を速くすること
    を特徴とする請求項に記載の車両制御装置。
  4. 前記終了操作検出部は、ドライバによるアクセル操作量の増加に応じて前記終了操作を検出すること
    を特徴とする請求項に記載の車両制御装置。
  5. 前記挙動制御部は、前記アクセル操作量の増加速度に応じて、前記制駆動力差の低下速度を速くすること
    を特徴とする請求項に記載の車両制御装置。
  6. 車両の後輪の制動力を前輪の制動力とは独立してアクチュエータにより制御可能な後輪制動制御部と、
    ドライバの急旋回要求を検出する急旋回要求検出部と、
    前記車両の左右前輪に制駆動力差を発生させて車体にヨーモーメントを与える挙動制御部と
    を備える車両制御装置であって、
    前記急旋回要求の検出に応じて、前記後輪制動制御部が前記後輪の制動力を車輪ロックが発生するよう増加させるとともに、前記挙動制御部が前記車体のヨーレートを増加する方向の前記制駆動力差を与える急旋回制御を行ない、
    エンジンと動力伝達機構との間に設けられるクラッチの接続及び切断を制御するクラッチ制御部を備え、
    前記クラッチ制御部は、前記急旋回制御の開始に応じて前記クラッチを切断するとともに、前記急旋回制御の終了に応じて前記クラッチを接続し、
    前記クラッチ制御部は、前記急旋回制御の終了時に前記クラッチを接続する際の締結力の増加速度を、前記制駆動力差の低下速度が速くなることに応じて速くすること
    を特徴とする車両制御装置。
  7. 車両の後輪の制動力を前輪の制動力とは独立してアクチュエータにより制御可能な後輪制動制御部と、
    ドライバの急旋回要求を検出する急旋回要求検出部と、
    前記車両の左右前輪に制駆動力差を発生させて車体にヨーモーメントを与える挙動制御部と
    を備える車両制御装置であって、
    前記急旋回要求の検出に応じて、前記後輪制動制御部が前記後輪の制動力を車輪ロックが発生するよう増加させるとともに、前記挙動制御部が前記車体のヨーレートを増加する方向の前記制駆動力差を与える急旋回制御を行ない、
    前記挙動制御部は、前記急旋回制御の終了時におけるアクセル操作量、アクセル操作速度、舵角の少なくとも一つが所定の閾値以上である場合には、後輪の制動力を低下させた後における車両のオーバーステア挙動の抑制制御を制限すること
    を特徴とする車両制御装置。
  8. 車両の後輪の制動力を前輪の制動力とは独立してアクチュエータにより制御可能な後輪制動制御部と、
    ドライバの急旋回要求を検出する急旋回要求検出部と、
    前記車両の左右前輪に制駆動力差を発生させて車体にヨーモーメントを与える挙動制御部と
    を備える車両制御装置であって、
    前記急旋回要求の検出に応じて、前記後輪制動制御部が前記後輪の制動力を車輪ロックが発生するよう増加させるとともに、前記挙動制御部が前記車体のヨーレートを増加する方向の前記制駆動力差を与える急旋回制御を行ない、
    車両の前輪駆動力伝達機構と後輪駆動力伝達機構との回転速度差を拘束するトランスファクラッチを制御するトランスファクラッチ制御部を備え、
    前記トランスファクラッチ制御部は、前記急旋回制御の実行中は前記トランスファクラッチを解放状態に維持すること
    を特徴とする車両制御装置。
  9. 前記急旋回要求検出部は、ドライバによる急旋回要求操作に応じて前記急旋回要求を検出すること
    を特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の車両制御装置。
  10. 前記急旋回要求検出部は、車両の旋回初期における舵角、操舵速度、ヨーレート、旋回求心加速度の少なくとも一つが所定の閾値を超過した場合に前記急旋回要求を検出すること
    を特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の車両制御装置。
  11. 前記急旋回制御が許可される第1の走行モードと、前記急旋回制御が禁止される第2の走行モードとをユーザが選択可能な選択操作部を備えること
    を特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の車両制御装置。
JP2019058476A 2019-03-26 2019-03-26 車両制御装置 Active JP7307572B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019058476A JP7307572B2 (ja) 2019-03-26 2019-03-26 車両制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019058476A JP7307572B2 (ja) 2019-03-26 2019-03-26 車両制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020157894A JP2020157894A (ja) 2020-10-01
JP7307572B2 true JP7307572B2 (ja) 2023-07-12

Family

ID=72641383

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019058476A Active JP7307572B2 (ja) 2019-03-26 2019-03-26 車両制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7307572B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112793561B (zh) * 2021-02-26 2022-07-19 常州机电职业技术学院 一种基于独立式epb的快速过弯控制方法
WO2023150274A1 (en) * 2022-02-04 2023-08-10 Zimeno, Inc. Dba Monarch Tractor Tight turn wheel locking

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006015790A (ja) 2004-06-30 2006-01-19 Nissan Motor Co Ltd 車両用制動制御装置
JP2006213323A (ja) 2006-05-15 2006-08-17 Toyota Motor Corp 電動式パーキングブレーキ装置
JP2008143353A (ja) 2006-12-11 2008-06-26 Fuji Heavy Ind Ltd 車両制御装置
JP2015182516A (ja) 2014-03-20 2015-10-22 トヨタ自動車株式会社 車両挙動制御装置
JP2017206152A (ja) 2016-05-19 2017-11-24 本田技研工業株式会社 車両制御システム、車両制御方法、および車両制御プログラム

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63192644A (ja) * 1987-02-02 1988-08-10 Mazda Motor Corp 車両の制動制御装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006015790A (ja) 2004-06-30 2006-01-19 Nissan Motor Co Ltd 車両用制動制御装置
JP2006213323A (ja) 2006-05-15 2006-08-17 Toyota Motor Corp 電動式パーキングブレーキ装置
JP2008143353A (ja) 2006-12-11 2008-06-26 Fuji Heavy Ind Ltd 車両制御装置
JP2015182516A (ja) 2014-03-20 2015-10-22 トヨタ自動車株式会社 車両挙動制御装置
JP2017206152A (ja) 2016-05-19 2017-11-24 本田技研工業株式会社 車両制御システム、車両制御方法、および車両制御プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020157894A (ja) 2020-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7693639B2 (en) Vehicle dynamics control apparatus
JP5763217B2 (ja) 自動車、自動車を制御するための方法
JP5857593B2 (ja) 車両の制動制御装置
CN108349470A (zh) 操作具有电动液压行车制动器和机械驻车制动器的机动车辆制动系统的方法
CN106553632B (zh) 一种控制车辆从静止起步的方法
US20100009808A1 (en) Braking/driving force control apparatus for vehicle
CN107444373B (zh) 具有电子动态控制功能的电子制动系统
US20160229290A1 (en) A Method for Limiting Clutch Torque to Reduce High MU Wheel Slip
US7079933B2 (en) Automatic clutch control device
JP2004533967A (ja) 車両の減速装置を自動制御する方法と装置
CN104125901A (zh) 车辆的驻车锁定装置
CN105813909A (zh) 用于调节行驶稳定性的方法
JP2004156669A (ja) 自動クラッチ制御装置
JP2012176731A (ja) アクセルペダル誤操作対応装置およびアクセルペダル誤操作対応装置用のプログラム
US11820374B2 (en) Control device for responding to failure of brake system of four-wheel drive electric vehicle
JP5154379B2 (ja) 車両制動制御装置
US11161499B2 (en) Vehicle driving assistance device
JP7307572B2 (ja) 車両制御装置
EP1488974B1 (en) Drive control system and method for detecting vehicle instability
KR102303223B1 (ko) 차량 자동 홀드 제어 방법
JP2009143292A (ja) 車両用運動制御装置
JP2020016314A (ja) 四輪駆動車両の挙動制御装置
US20190023275A1 (en) Controlling the automatic starting of a motor vehicle uphill in a mu split situation
KR20190068898A (ko) 차량의 제동 제어 장치 및 방법
JP2012091656A (ja) 車両の走行制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230303

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230630

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7307572

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150