JP7306304B2 - 判定装置 - Google Patents
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Description
このような技術として、封筒におけるウラ面部とフラップ(「ベロ」とも称される)との間に存在する段差によって生じる影に着目し、封筒の裏返り(いわば姿勢の良否)を検出する判定手法が提案されている。この判定手法では、下記の事項X1,X2を前提としており、固定された受光部において封筒からの受光量が経時的に変化したことが検出された場合に、封筒のウラ面部が受光部側を向く姿勢であると判定する(特許文献1参照)。
・事項X1:封筒の延在する平面に沿う方向およびこの方向に直交する方向の双方に
対して傾斜した方向であってウラ面部からフラップに向かう方向に照射
する
・事項X2:ウラ面部とフラップとが並ぶ方向に封筒が搬送される
よって、検査対象の移動状態とは独立して検査対象の良否を判定するうえで、改善の余地がある。
本判定装置は、前記カートンにおいて前記第一重合部および前記第二重合部が重合した部分を含む所定領域の静止画像を撮像する撮像部と、前記撮像部で撮像された前記静止画像における影の有無または影の領域に基づいて前記カートンの良否を判定する判定部と、を備えている。
本実施形態の判定装置は、検査対象の物体に生じうる影に基づいて、検査対象の良否を判定する装置である。
この判定装置では、カートンを検査対象とし、カートンのなす姿勢(向き)の良否が判定される。本実施形態では、製造ラインにおいて搬送されているカートンを判定対象として例示する。このカートンには、ボックスフェイスフェイシャルティシュ(「BF」と略称される)が収容されている。
重力の作用方向を下方とし、下方の反対方向を上方とする。また、水平方向においてカートンの搬送方向(いわゆる「MD方向」)に直交する方向を側方(いわゆる「CD方向」)とする。
下記の一実施形態では、判定装置に関する構成を項目[1]で述べる。この項目[1]では、判定装置で良否が判定されるカートンの基本的な構成を小項目[1-1]で説明し、このカートンの良否を判定する判定装置を小項目[1-2]で詳述し、判定装置による判定方法を小項目[1-3]で述べる。
そして、項目[1]の構成による作用および効果を項目[2]で述べる。
[1-1.カートン]
図1に示すように、カートン1は、直方体状の物体であり、直方体の表面に沿った外形をなす。
本実施形態で例示するカートン1は、コンベア2(搬送装置)によって搬送され、コンベア2の搬送方向に間隔をあけて載置されている。すなわち、コンベア2で搬送されているカートン1の良否がつぎつぎと判定(検査)される。
所望の姿勢をなすカートン1では、水平方向に沿って延在する底壁部1Bが下側に位置するとともに水平方向に沿って延在する天壁部1Uが上側に位置し、搬送方向に沿う方向かつ上下方向に沿って平面状に側壁部1Sが延在している。
すなわち、「所望の姿勢」とは、コンベア2の搬送面2Fに対してカートン1の底壁部1Bが載置されて天壁部1U(上壁部)を上方に向けた姿勢であって、カートン1の側壁部1Sを側方に向けた姿勢である。
側壁部1Sには、外フラップFo(第二フラップ)および内フラップFi(第一フラップ)からなるフラップ対Fo,Fi(一対のフラップ)が露出している。ここでは、所望の姿勢をなすカートン1において、天壁部1Uに連設された外フラップFoのほうが底壁部1Bに連設された内フラップFiよりも上方に配置された側壁部1Sを例示する。
上記のように構成されるカートン1は、つぎに説明する判定装置3によって良否が判定される。
図1に示すように、判定装置3には、以下に示す入力系,制御系(判定系),出力系の構成が設けられている。
・入力系:判定に必要な情報を検出してその情報を制御系に入力するもの
・制御系:入力系から入力された情報に基づいて制御信号を生成するもの
・出力系:制御系で生成された制御信号によって作動するもの
なお、判定装置3の最小構成は、制御系の構成のみである。判定装置3の最大構成は、入力系の構成,制御系の構成および出力系の構成である。
本実施形態の判定装置3では、カメラ4で撮像された静止画像が制御部5へ入力され、入力された静止画像に基づいて制御部5で生成された制御信号が出力部6へ出力される。すなわち、カメラ4で撮像された静止画像に基づく判定の主体が制御部5であり、制御部5による制御の対象が出力部6である。
以下、入力系,制御系,出力系の順に判定装置3の構成を述べる。
判定装置3の入力系には、上述のカメラ4(撮像部)が設けられるほか、検査対象のカートン1を照射するライト4L(照射部)が設けられ、カメラ4を作動させるためのトリガー部4Tやシャッター部4Sも設けられている。
ライト4Lは、所望の姿勢をなすカートン1における側壁部1S(カートン1における側方の部位)を照射する照明機器である。
・上位置P1:カートン1に対して斜め上方から照射する位置
・下位置P2:カートン1に対して斜め下方から照射する位置
上記の位置P1,P2に配置されたライト4Lからの光が照射される方向は、側壁部1Sをなすフラップ対Fo,Fiが平板状に延在する方向(上下方向および搬送方向の双方に沿う方向)およびこの方向の法線方向(いわゆるCD方向)の双方に対して傾斜した所定方向である。
・方向D1:上方(外フラップFoの基端側)から下方(内フラップFiの基端側)
へ向かう方向
・方向D2:下方(内フラップFiの基端側)から上方(外フラップFoの基端側)
へ向かう方向
このカメラ4は、検査対象のカートン1が所望に姿勢であれば、天壁部1Uが上側であって底壁部1Bが下側に位置するカートン1における側壁部1Sの少なくとも所定領域RPを撮像する。ここでいう「所定領域RP」とは、側壁部1Sにおいて影が生じうるエリアを含む領域を意味する。すなわち、外フラップFoの下端縁FEおよびその周辺領域(いわば段差による影が形成される領域)が所定領域RPに含まれる。
トリガー部4Tは、カメラ4による撮像タイミングを発信するタイミング機器である。トリガー部4Tから発信された撮像タイミングは、シャッター部4Sに入力される。シャッター部4Sは、トリガー部4Tから入力された撮像タイミングでカメラ4のシャッターを切る開閉機器である。
ここでは、同期型の光電スイッチTS(反射型の光電センサ)と、光電スイッチTSからの検査光を反射するリフレクタTR(反射板)とがトリガー部4Tとして設けられる。
搬送されているカートン1が撮像箇所Pに到達すると、カートン1における搬送方向下流側の端部によって光電スイッチTSの検査光が遮断される。このとき、リフレクタTRで反射した検査光が光電スイッチTSに受光されなくなり、このタイミングが撮像タイミングとしてシャッター部4Sに発信される。
このようにして、トリガー部4T,シャッター部4S,カメラ4が協働することにより、ライト4Lで側方から照射されたカートン1が撮像箇所Pで順次撮像される。
なお、ライト4L,カメラ4,トリガー部4T,シャッター部4Sのそれぞれは、搬送されるカートン1が移動するのに対し、固定された状態に設けられている。
ここでは、カメラ4で撮像されるカートン1の背部にアルミパネル4Pが撮像補助部として設けられている。たとえば、アルミパネル4Pはアルミ色(銀色)の単色をなしているのに対し、これとは異なる色をなす側壁部1Sがカメラ4で撮像される。
上記のようにカメラ4で撮像されるカートン1の背景に映り込む背景領域がカートン1の色と相違する単色に設けられた撮像補助部によって、カメラ4で撮像されたカートン1の外形と背景とのコントラストが確保される。
判定装置3の制御系には、制御部5が設けられている。たとえば、コンベア2の近傍に設けられた制御盤に制御部5が内蔵される。
なお、制御部5は、プロセッサー(中央処理装置),メモリやストレージなどの記憶装置,インターフェース装置などが内蔵され、これらが内部バスを介して互いに接続されたコンピュータ(演算装置)として構成されている。
・入力インターフェース部5i:カメラ4で撮像された画像(入力系からの情報)が
入力されるインターフェース(図1では「IF部」
と略記する)
・出力インターフェース部5o:制御部5で生成された制御信号を出力するインター
フェース(図1では「IF部」と略記する)
記憶部51では、カートン1の良否を判定するための情報を記憶している。判定部52では、入力インターフェース部5iから入力されたカメラ4で撮像された静止画像と記憶部51に記憶された情報とに基づいて、カートン1の良否を判定(演算)する。
記憶部51には、カートン1の良否を判定するための基準(情報)が予め登録(記憶)されている。
具体的には、カメラ4で撮像された静止画像において影の存在する領域の大小を判定するための基準として、カメラ4で静止画像が撮像される上記の所定領域RPに収まる所定の大きさに予め設定された基準領域RSが記憶部51に予め登録されている。
たとえば、外フラップFoの外重合部Moが内フラップFiの内重合部Miから捲れている不良品のカートン1において側壁部1Sの捲れた箇所による影の範囲は、上記の基準領域RSからはみ出す、または、上記の基準領域RSに含まれない。
判定部52は、側壁部1Sに生じうる影に着目して、カートン1の良否を判定する。判定部52で良品と判定されるカートン1は、少なくとも所望の姿勢をなす。
図3に示すように、所望の姿勢をなす良品のカートン1における側壁部1Sでは、上位置P1にライト4Lが配置された場合に外フラップFoの下端縁FEから下方に影Sが生じるのに対し、下位置P2にライト4Lが配置された場合には下端縁FEの周辺に影が生じない。
図4に示すように、所望の姿勢ではないカートン1における側壁部1Sでは、上位置P1にライト4Lが配置された場合に外フラップFoの下端縁FEの周辺に影が生じないのに対し、下位置P2にライト4Lが配置された場合には下端縁FEから上方に影S′が生じる。
図2に示すようにフラップFoの外重合部Moが捲れた不良品のカートン1は、上記の影よりも大きい領域の影が外フラップFoの下端縁FEから生じうる。
この判定部52は、少なくとも下記の必須判定条件の成否を判定して、カートン1のなす姿勢の良否を判定する。
・必須判定条件:カメラ4で撮像された静止画像における影の有無に基づく条件
・第一必須条件:カメラ4で撮像された静止画像に影が有ると成立する条件
(カメラ4で撮像された静止画像に影が無いと成立しない条件)
・第二必須条件:カメラ4で撮像された静止画像に影が無いと成立する条件
(カメラ4で撮像された静止画像に影が有ると成立しない条件)
・加重判定条件:所定領域RP内で基準領域RS以外に影が無いと成立する条件
(所定領域RP内で基準領域RS以外に影が有ると成立する条件)
必須判定条件の成立に加えて加重判定条件の成立も判定した判定部52は、カートン1を良品と判定する。たとえば、フラップ対Fo,Fiどうしが正常に貼合されたカートン1の側壁部1Sでは、側壁部1Sに生じうる影が基準領域RSに収まるとともに基準領域RS以外に影が無いため、カートン1が良品と判定される。
このように、基準領域RSよりも静止画像における影の領域が大きい場合に判定部52は、おいてフラップ対Fo,Fiどうしが正常に貼合されていない不良品と判定する。
・ケース1:必須判定条件の不成立が判定された場合
・ケース2:必須判定条件の成立が判定されたものの
加重判定条件の不成立が判定された場合
・ケース3:必須判定条件および加重判定条件の成立が判定された場合
上記のケース1,2のようにカートン1が不良品であると判定した判定部52は、出力系の構成を作動させる制御信号を生成する。この制御信号は、つぎに説明する出力系の構成へ出力インターフェース部5oを介して出力される。
判定装置3の出力系には、カートン1が不良品と判定された際に生成される制御信号で作動する出力部6が設けられている。
出力部6の一例としては、不良品のカートン1が判定された旨をオペレータに報知するアラーム灯やブザーなどの報知器が挙げられる。出力部の他の例としては、不良品と判定されたカートン1を製造ラインから排出するもの,不良品と判定されたカートン1の製造ラインを停止させるものなどが挙げられる。
つぎに、図5のフローチャートを参照して、上記の判定装置3によるカートン1の良否を判定する手順を例示する。ここで例示する手順は、所定の周期で繰り返し実施される。
まず、検査対象のカートン1が撮像箇所Pに到達したか否かを判定する(ステップA1)。この判定は、トリガー部4Tから撮像タイミングが発信されたときに肯定判定され、そうでなければ否定判定される。
検査対象のカートン1が撮像箇所Pに到達していないと判定されると(ステップA1の否定判定)、再び、検査対象のカートン1が撮像箇所Pに到達したか否かを判定する(ステップA1)。
それから、判定部52によってカートン1の良否を判定する(ステップA3~A6)。具体的には、必須判定条件の成否を判定し(ステップA3)、その後に加重判定条件の成否も判定する(ステップA4)。
一方、必須判定条件または加重判定条件の不成立が判定されると(ステップA3,A4の何れかの否定判定)、カートン1が不良品であると判定する(ステップA6)。
そして、本手順の周期を終了する(リターン)。
本実施形態の判定装置3は、上述のような構成を備えるため、下記のような作用および効果を得ることができる。
(1)判定装置3によれば、カメラ4で撮像したカートン1の静止画像に基づいて判定部52がカートン1の良否を判定するため、カートン1が上述のように搬送される状態に限らず静止した状態であっても、原理的にカートン1の良否を判定することができる。
よって、検査対象であるカートン1の移動状態とは独立してカートン1の良品を判定することができる。
・課題イ:受光量の変化を検出可能な期間以下には判定時間の短縮が不能である
・課題ロ:検査対象における影の延在方向と搬送方向とが交差することが必須である
これに対し、判定装置3によれば、カメラ4で撮像したカートン1の静止画像に基づいて判定部52がカートン1の良否を判定することから、上記の課題イ,ロを以下に述べるように解決することができる。
課題ロについては、カートン1において影が生じうる所定領域PRがカメラ4で撮像された静止画像に基づいてカートン1の良否が判定されることから、カートン1における影の延在方向やカートン1の搬送方向にかかわらず、カートン1の良否を判定することができる。
そのほか、アルミパネル4P(撮像補助部)がカートン1とは相違する単色に設けられていることから、カメラ4によって撮像されたカートン1の静止画像の識別性が底上げされる。よって、カートン1の良否を判定する精度を向上させるのに資する。
上述の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
たとえば、判定部は少なくとも必須判定条件に基づいてカートンのなす姿勢の良否を判定すればよく、加重判定条件に基づくカートンの良否判定は省略してもよい。この場合には、制御部から基準領域の登録および基準領域の登録された記憶部を省略することができ、カートンの良否判定に要する演算処理を簡素化することができる。
さらに、一実施形態で上述の方向D1,D2からカートン1の周囲に既設の光源や自然光が照射されていれば、カートンの側壁部を照射するライトを省略することもできる。
なお、出力部は、上述の例に限らず不良品のカートンが判定されたことに応じて機能する種々の構成を適用することができ、最小構成の判定装置で上述のように必須ではない。
1B 底壁部
1S 側壁部
1U 天壁部
2 コンベア(搬送装置)
3 判定装置
4 カメラ(撮像部)
4L ライト(照射部)
4S シャッター部
4T トリガー部
4P アルミパネル(撮像補助部)
5i 入力インターフェース部
5o 出力インターフェース部
5 制御部
51 記憶部
52 判定部
6 出力部
FE 下端縁(先端縁)
Fo 外フラップ(第二フラップ)
Fi 内フラップ(第一フラップ)
M オーバーラップ部
Mo 外重合部(第二重合部)
Mi 内重合部(第一重合部)
P 撮像箇所
RP 所定領域
RS 基準領域
S,S′ 影
TR リフレクタ
TS 光電スイッチ
X 側壁部1Sの法線方向
Claims (3)
- 平板状をなす一対のフラップを構成する第一フラップおよび第二フラップの各先端側の部位どうしが互いに重合し、前記第一フラップにおける前記先端側の部位である第一重合部に対して外側に前記第二フラップの前記先端側の部位である第二重合部が重合している検査対象のカートンの良否を判定する装置であって、
前記カートンにおいて前記第一重合部および前記第二重合部が重合した部分を含む所定領域の静止画像を撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像された前記静止画像における影の有無または影の領域に基づいて前記カートンの良否を判定する判定部と、
前記一対のフラップが平板状に延在する方向および当該方向の法線方向の双方に対して傾斜した方向であって前記第一フラップの基端側から前記第二フラップの基端側に向かう方向に前記一対のフラップを照射する照射部と、を備え、
前記判定部は、前記第二重合部の先端縁に沿う影が無いと検出された場合に前記カートンの向きが設定されたとおりの良品と判定し、前記第二重合部の先端縁に沿う影が有ると検出された場合に前記カートンの向きが設定されたとおりではない不良品と判定する
ことを特徴とする判定装置。 - 前記第二重合部の先端縁に沿う方向に搬送される前記カートンの良否を判定する装置であって、
搬送される前記カートンが前記撮像部による撮像箇所に到達したことを検出するトリガー部と、
前記トリガー部によって前記撮像箇所に到達したことが検出された場合に、前記撮像部によって前記カートンを撮像させるシャッター部と、を備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の判定装置。 - 前記判定部によって不良品の前記カートンが判定されると、不良品と判定された前記カートンの製造ラインからの排出,前記カートンが不良品であることの報知,および,不良品と判定された前記カートンの製造ラインの停止の少なくとも何れかを実施する出力部を備えた
ことを特徴とする請求項1または2に記載の判定装置。
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