JP7306104B2 - 車両用接近通報装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用接近通報装置に関する。
例えば、電動モータにより駆動する電気自動車は、低速走行時の走行音が極めて静かである。このように走行音が小さい車両が歩行者等に接近して走行するとき、当該歩行者は、車両の接近に気付かない可能性がある。歩行者等に車両が接近していることを知らせるために、例えば特許文献1に開示されているように、接近通報装置を搭載した車両が知られている。
特許文献1に開示された装置は、車速変化に応じて、第1の発音信号の周波数及び出力を変化させる第1発音信号生成部と、第2の発音信号の周波数を一定に保持したまま車速に応じた出力変化を行う第2発音信号生成部を備え、通報音信号を合成している。
特開2015-67029号公報
しかしながら、上記例の通報装置では、第1の発音信号の周波数変化が低中周波帯域(20~800Hz程度)であった場合には、車体の応答感度が高い周波数帯域を第1の発音信号が推移することになる。ピーク感のある第1の発音信号の周波数の変化及び出力の変化は、車体の応答感度が高い周波数を推移するため、車体の遮音性能に改良余地がある場合に、車体による十分な遮音効果が発揮されず、室内に発音が伝達されてしまい乗員に対して不快感を与える可能性がある。
また、人の聴力は、例えば1kHz前後の音を聞き取りやすい性質を有している。周波数の相対変位(周波数の推移)は訓練せずとも認知性を十分に有することが知られている。この中高周波数帯域で周波数変化可能な第1の発音信号を割り当てることで歩行者等に対して車両の存在を知らせることは可能となる。しかし、この帯域の発音周波数は、同時に乗員にも聞き取ることが可能となってしまうため、不快感を伴う可能性がある。すなわち、歩行者等の車両接近の認知と、乗員に対する静粛性の確保する上で、上記例には、改善の余地がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、車両の乗員に対する静粛性を確保しつつ、車両が接近したことを歩行者等に効率よく知らせることが可能な車両用接近通報装置を提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係る車両用接近通報装置は、第1通報音及び第2通報音を有する通報音発生部を備えている。当該車両接近通報装置において、前記第1通報音の第1音圧は前記車速に応じて可変となるように設定され、前記第2通報音の第2周波数は、前記第1通報音の第1周波数よりも高く設定され、且つ前記車速に応じて可変となるように設定され、前記第2通報音の第2音圧は、所定のピークを有し、前記第2通報音の前記第2音圧の前記所定のピークは、2kHzより高く6kHz未満の周波数帯域内で変化するように設定されている。
本発明によれば、車両の乗員に対する静粛性を確保しつつ、車両が接近したことを歩行者等に効率よく知らせることができる。
本発明に係る車両用接近通報装置の第1通報音及び第2通報音の特性を示すグラフであり、横軸は周波数で縦軸は音圧を示しており、車速が5km/hの状態を示している。 図1で示す第1通報音及び第2通報音に対して、車速15km/hで走行時の第1通報音及び第2通報音の特性を示すグラフである。 図1及び図2の第1周波数及び第2周波数の車速に対する変化率を示すグラフであり、横軸は車速を示し、縦軸は周波数を示している。 図1及び図2の第1音圧及び第2音圧について、車速に対する音圧レベルを示すグラフであり、横軸は車速を示し、縦軸は音圧を示している。 図1等の第1通報音及び第2通報音について、周波数に対する伝達率を示しており、横軸は周波数を示し、縦軸は伝達率を示している。 図1の第1ピークのZ領域を拡大して示す拡大図である。 図1の第1通報音及び第2通報音と、従来の通報音を比較したグラフである。 図2の第1通報音及び第2通報音と、従来の通報音を比較したグラフである。
以下、本発明に係る車両用接近通報装置の一実施形態について、図面(図1~図8)を参照しながら説明する。本実施形態の車両用接近通報装置は、低速走行時に走行音が極めて静かなハイブリットカー及び電気自動車等に搭載されている。
本実施形態の車両用接近通報装置は、2種類の可聴の通報音、すなわち、第1通報音S1及び第2通報音S2を出力可能に構成されている。第1通報音S1は、第1周波数と第1音圧を有し、第2通報音S2は、第2周波数と第2音圧を有する。ここで、第1通報音S1及び第2通報音S2は、可聴であり、20Hz~20kHz程度の周波数帯域に設定される音である。また、第1音圧及び第2音圧は、例えば30dB~70dBの範囲に設定されていればよいが、これに限られるものではない。
第1周波数は、車速に関わらず一定に設定され、第1音圧は車速に応じて可変となるように設定されている。また、第2通報音S2の第2周波数は、第1周波数よりも高く設定され、且つ車速に応じて可変となるように設定されている。また、車速に対する第2周波数の変化率は、1.5~3.5%/(km/h)に設定されている。以下、第1通報音S1及び第2通報音S2の詳細について説明する。
第1通報音S1及び第2通報音S2について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、車両の走行直後の車速(低速)時における第1通報音S1及び第2通報音S2の特性を示している。本実施形態では、車速5km/hにおける第1通報音S1及び第2通報音S2の特性を示している。図2は、図1で示す車速よりも大きい車速で走行中の第1通報音S1及び第2通報音S2の特性を示している。本実施形態では、図2は、車速15km/hにおける第1通報音S1及び第2通報音S2の特性を示している。
第1通報音S1の第1周波数の帯域は、ゼロHzよりやや高い値から2kHzよりやや低い値の間に存在する。また、第1通報音S1の第1音圧は、800Hz以上で1.6kHz以下の周波数帯域に2つのピークを有するように設定されている。この例では、第1音圧は、1.1kHzより高い低い周波数値(例えば1.2kHz付近)に最大ピークとなる第1ピークP1を有し、1.1kHzより低い周波数値(例えば、0.9kHz付近)に第2ピークP2を有している。なお、第1ピークP1の詳細は、図6に示すように、1230Hzに設定されている。
また、上記したように、第1音圧は、車速に応じて可変であるため、図1に示す車速5km/hの第1音圧に対して、図2に示す15km/hの第1音圧は大きい。また、図1に示す第1通報音S1の波形と図2に示す第1通報音S1の波形は、同じ形状である。すなわち、車速の変化に対して、図2の矢印A1の方向に波形は不変のままで音圧のみ変化する。
第2通報音S2の第2周波数の帯域は、第1通報音の第1周波数S1よりも高周波側に設定されており、例えば、図1に示すように、5km/hの車速では、1.6kHzよりやや高い値から4kHzよりやや低い値の間に存在する。また、図2に示すように、車速15km/hでは、当該周波数帯域は、2~4kHzの間に存在する。また、第2通報音S2の第2音圧は、第3ピークP3を有している。第3ピークP3は、図1に示す車速5km/hでは、ほぼ3kHzに設定され、図2に示す車速15km/hでは、3.7~3.8kH付近に設定されている。
本実施形態における変化率とは、車速の変化(増減)に対する周波数の変化率を示している。図3の縦軸は、周波数の変化率(%)を示しており、線L1は、第1周波数の特性を示している。この例では、例えば、第1ピークP1を第1周波数の代表値として示している。なお、当該代表値を、第2ピークP2としてもよい。
また、図3の線L2~L6は、第2周波数の特性の例を示している。線L2は、第2周波数の変化率が1.5%/(km/h)の特性を示している。同様に、線L3は第2周波数の変化率が2.2%/(km/h)の特性を示し、線L4は変化率2.7%/(km/h)の特性を示し、線L5は変化率3.0%/(km/h)の特性を示し、線L6は変化率3.5%/(km/h)の特性を示している。また、線L7は、従来の通報音を示し、変化率は0.8%/(km/h)である。
上記したように、本実施形態の第2周波数の変化率は、1.5%~3.5%/(km/h)に設定されている。すなわち、図3における線L2より上方で線L6より下方の領域内に、変化率を設定することができる。本実施形態の変化率は、線L3と線L4との間の2.5%/(km/h)に設定されている。
本実施形態の変化率2.5%/(km/h)について、図1及び図2における第2通報音S2を比較して説明する。上記したように図1は車速5km/hの状態を示し、図2は車速15km/hの状態を示している。よって、車速は、図1の状態と図2の状態とを比較すると、10km/h増加している。変化率は2.5%/(km/h)であるため、図1の第2通報音S2に対して、図2の第2通報音S2は、25%増加する。第2通報音S2の代表値を第3ピークP3とすると、図1の第2通報音の第3ピークP3は3kHzに対して、図2の第2通報音S2の第3ピークP3は、図2の矢印A2の方向に約25%増加し、3.7~3.8kHzとなる。
第1通報音S1が車速に応じて音圧のみが変化することにより、車両によって異なる車体感度の高い周波数帯域を、第1通報音S1が跨ぐことを防止できる。車体の遮音性能を発揮しやすい帯域において第1通報音S1の周波数特性を一定とすることができ、車両室内に侵入する通報音を低減させることが可能となる。また、第1通報音S1のピーク周波数(第1ピークP1、第2ピークP2)と離隔した車体感度を有する車体開発が容易となる。
また、第2通報音S2の第3ピークP3は、車速に応じて出力と周波数が高周波側に移動し、且つ第1ピークP1よりも高周波側の周波数帯域に移るため、第3ピークP3の周波数帯域は、第1ピークP1の周波数帯域とは重ならず、第1通報音S1の第1音圧の不必要な増大が防止される。また、第3ピークP3の周波数変化により、加減速感を模擬することが可能となり、遮音性能に改善の余地のある車体であっても、遮音性能を発揮しやすい周波数帯域となるため乗員に対する不快感を軽減できる。
また、第3ピークP3の周波数変化率は、車両状態を想起させ注意喚起を促す効果がある。高い変化率は車両の認知性能を向上させる。相対的な音の変化(周波数の変化)であれば、可聴訓練をせずとも認識が可能である。本実施形態で設定された変化率は、図3の線L7で示す従来から規定されている0.8%/(km/h)の変化率と比較しても、車両が移動したことを体感すること、すなわち移動感を模擬することに対して優位である。
本実施形態では、変化率を1.5~3.5%/(km/h)に設定されている。当該範囲では認識しやすい。さらに、1.5~2.7%(km/h)であれば、第3ピークP3の推移による加速音が車速に一致した速度感を有する。また、2.2~3.0%(km/h)であれば、認識しうる範囲で急速なピーク推移を行うことで、車両の急な状態変化を歩行者に意識させることができる。また、乗員に対して不快感を軽減できる。よって、本実施形態では、2.2~2.7%(km/h)の範囲内で、2.5%(km/h)に設定している。
第1通報音S1が発音していると、第2通報音S2が1.5%以上の変化率であれば、認知率が向上する。認知率が上がるという判断基準の根拠は以下に記す。前提として、本実施形態では、車速の変化が5km/h以内で、周波数変化を6%以上に設定している。すなわち、変化率を1.2%/(km/h)以上としている。
この理由として、3kHz付近の周波数帯域では、周波数が6%上がると基準音に対して半音分の周波数が向上したことになる。例えば、音階の「ソ」と「ソ#」との関係である。このような音程であれば、人は訓練せずとも音の違いを認識できる。
一方で、変化率を1%/(km/h)とすると、6%の周波数変化を得るためには、6km/hの車速変化が必要となる。この場合、第2通報音S2の変化が認識される前に、車速が上がりすぎてしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、1.2%/(km/h)よりやや大きい1.5%/(km/h)を下限としている。
また、変化率を3.5%/(km/h)よりも大きくすると音が潰れる可能性があるため、当該値を上限に設定している。
第2通報音S2の第2周波数は、上記したように、第3ピーク(所定のピーク)P3が設定されている。また、第2周波数は、ゼロ~5km/h(所定速度)の車速域では、一定の状態を保ち、5km/hを超える車速域では、車速に応じて変化するように設定されている。この例では、5~20km/hの車速域で、車速の増加に伴い第2周波数は高周波側に移動する。
第2通報音S2の発生により、車両が移動していることを想起させることができる。すなわち、第2通報音S2は、車両移動を想起させるための音である。車度に応じて周波数を一定とした後に、5km/hを超えたときに第2周波数を変化させることにより、停車時から走り出しを基準音として車両位置の変化を、歩行者に知らせることができる。
また、乗員に対しても車両状態の変位を認識させることができる。この例では5km/hを基準にして第2周波数が変化するが、これに限らない。第2周波数の変化が開始する車速は、ゼロより大きく20km/m未満に設置することが可能であるが、好ましくは、ゼロより大きく10km/m未満とするとよい。
ここで、第1通報音S1の第1音圧と、第2通報音S2の第2音圧の車速に対する変化について説明する。上記したように、第1音圧は、車速に応じて可変であり、図1及び図2に示すように、車速が5km/hのときと15km/hのときとでは,図2に示す車速が15km/hのときの方が、第1音圧は大きい。また、本実施形態では、第2音圧も、車速に応じて可変となるように設定されている。
図4は、車速に対する音圧レベルを示すグラフであり、横軸は車速を示し、縦軸は音圧を示している。線L11は、第1音圧の特性を示し、線L12は第2音圧の特性を示している。ここで、線L11は、第1音圧の第1ピークP1または第2ピークP2を代表値とすることができるが、この例では、第1ピークP1を代表値としている。
図4に示すように、第1音圧は、第2音圧よりも、大きく設定されている。ゼロ~20km/hの車速域で、第1音圧は、車速の変化に対応して変化する。すなわち、上記車速域で、車速が高速になるに従い、第1音圧は大きくなる。また、20km/hよりも高速側の車速域では、第1音圧は、車速に対して一定となる。
5~20km/hの車速域では、第2音圧は、車速の変化に対応して変化する。すなわち、上記車速域で、車速が高速になるに従い、第2音圧は大きくなる。
また、車速が10km/hのときの第1音圧X1dBは、第2音圧Y1dBよりも大きく、車速20km/hのときの第1音圧X2dBは、第2音圧Y2dBよりも大きい。さらに、5~20km/hの車速域では、第1音圧の変化率は、第2音圧の変化率よりも高く設定されている。当該車速域で、図4おける線L11の傾きは、線L12の傾きよりも大きく設定されている。
車速が増加するに従い、距離減衰において有利な特性を有する通報音を大きくする必要がある。第1通報音S1の第1ピークP1及び第2ピークP2は、距離によって減衰されにくい音であるため、車両と歩行者が離れている場合でも歩行者に認識されやすく、第1ピークP1及び第2ピークP2は、加速時に遠方の歩行者に認識されやすくなる。よって、図4に示すように、第1音圧の変化率を、第2音圧より大きくすることで、第1ピークP1及び第2ピークP2により、車両からより遠方にいる歩行者に、車両を認知させ、第2通報音S2で車両の加減速を認識させることが可能となる。
また、図4に示すように、第2音圧は、車速が時速20km以上のときに、車速に関わらず一定の状態を保つように設定されている。これにより、十分に加速した状態を乗員に認識させることができる。
また、本実施形態では、上記したように、800Hz以上で1.6kHz以下の周波数帯域に、第2ピークP2を0.8kHz付近に設定し、第1ピークP1を1,2kHz付近に設定している。このように、第1通報音S1が1.1kHz未満と、1.1kHz以上に音圧レベルの第1ピークP1及び第2ピークP2を設定することにより、歩行者に対して車両の接近を知らせることができる。1.1kHz付近の比較的高い周波数を使用することにより、車体の固体伝搬を防止でき、乗員の不快感が低減することができ、さらに、歩行者に対しても車両の認知性能が向上する。
第2通報音S2の第3ピークP3は、図5に示すように、3kHzより高く6kHz未満の周波数帯内で変化するように設定されている。図5では、周波数に対する透過音の伝達率を示すグラフであり、高周波になるに従い伝達率は低下することを示している。すなわち、図5のグラフは、高周波になるに従い伝わりにくくなることを示している。図5におけるF1で示す周波数帯域に第1通報音S1の第1ピークP1及び第2ピークP2が設定され、F2に示す周波数帯域に第3ピークP3が設定されている。
2~6kHzの周波数帯域では、環境騒音に対して可聴性能が高く、さらに、当該周波数帯域内を第3ピークP3が推移することにより車両の接近等を想起させることができる。低周波から高周波への推移は車両の加速感を想起させ、高周波から低周波への推移は、車両の減速感を想起させることができる。
第1通報音S1の第1ピークP1及び第2ピークP2で、歩行者に対して車両を認識させ、さらに、第2通報音S2は、上記周波数帯域に設定することにより、周辺環境での認識性を向上させることができる。第3ピークP3の周波数帯域に対して、車体は遮音性を有しているため、車体は第3ピークP3を有する第2通報音S2を低減させることができ、その結果、車体は、乗員に対しては防音効果を奏する。
また、本実施形態では、第1ピークP1及び第2ピークP2は、800Hz以上で1.6kHz以下の周波数帯域に位置し、互いに200Hz以上離間しており、第3ピークP3に対して1kHz以上離間している。
第1ピークと第2ピークの周波数が近接すると、差音によるうなり音が発生する可能性があり、この場合、車体の透過率が高いため、防音効果が発揮できない可能性がある。これに対して、本実施形態では、第1通報音S1及び第2通報音S2において、最大ピークとなる第1ピークP1と2番目のピーク値となる第2ピークP2は音階として協和するように設定され、200Hz以上離間することにより、十分な周波数差を有することになり、協和した音となり、音色の受容性が向上する。また、第3ピークP3が、第1ピークP1及び第2ピークP2に対して、500Hz以上離間していれば、第3ピークP3は、第1ピークP1及び第2ピークP2に対して干渉せずに発音することができ、歩行者に対する認知性を向上できる。また、第3ピークP3が1kHz以上離間していれば協和音の関係が成立せず認知性が向上する。
また、本実施形態では、図6に示すように、第1ピークP1及び第2ピークP2のそれぞれの周波数バンド幅が、第2周波数の第3ピーク(所定のピーク)P3の周波数バンド幅よりも広く設定されている。この例では、図6に示すように、第1ピークP1のピーク値から6dB低い音圧レベルでの周波数バンド幅は30Hz(5Hz/dB)に設定されている。
周波数バンド幅の狭いピークでは、中心周波数の有する指向性が問題となる。当該指向性により音圧にバラつきが発生する。このバラつきが発生し歩行者にとって聞こえる音量を下回る場合には、音圧を大きくする対策が必要となってしまい、車両室内に侵入する通報音レベルが増大する。また、想定した音量を上回る場合には、不必要に歩行者に対して接近を知らせることになり、不快感を発生させる可能性がある。
図7の破線S10で示す特性は、車速5km/hのときの、従来の通報音の周波数に対する音圧を示している。図8の破線S10で示す特性は、車速15km/hのときの、従来の通報音の周波数に対する音圧を示している。図8の従来の通報音S10の周波数帯域は、図7の従来の通報音S10の周波数帯域に対して、高周波側(図8の矢印A3の方向)に移動している。従来の通報音S10の変化率は0.8%/(km/h)であるため、図8の従来の通報音S10の周波数帯域は、図7の破線S10の周波数帯域に対して、8%だけ高周波側に移動している。一方で、図7及び図8の実線で示す特性は、図1及び図2の第1通報音及び第2通報音の特性である。
従来の通報音S10は複数のピークを有しており、各ピークは、第1通報音S1の第1ピークP1及び第2ピークP2に比べて、周波数バンド幅が狭い。また、図7及び図8示すように、車速が増加するとき、すべてのピークが高周波側に推移するため、歩行者等が通報音の変動を感じやすくなる。その結果、通報音の変動感が高くなりすぎるため、歩行者等は不快になる可能性がある。
これに対して、本実施形態では、周波数バンド幅を上記のように設定しているので、各ピークの中心周波数に対して周波数バンド幅を有する周波数帯域が加えられるため、周波数の有する指向性を抑制することがでる。その結果、歩行者に第1ピークP1及び第2ピークP2が到達した場合に、音圧のバラつきが発生することを低減できる。すなわち、第1通報音S1及び第2通報音S2について、必要な音圧を適切に設定することができ、車両認知性能と静粛性を両立することが可能となる。
本実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
S1:第1通報音
S2:第2通報音
S10:従来の通報音
P1:第1ピーク
P2:第2ピーク
P3:第3ピーク
L1:第1周波数の特性を示す線
L2:第2周波数の変化率が1.5%/(km/h)の特性を示す線
L3:第2周波数の変化率が2.2%/(km/h)の特性を示す線
L4:第2周波数の変化率が2.7%/(km/h)の特性を示す線
L5:第2周波数の変化率が3.0%/(km/h)の特性を示す線
L6:第2周波数の変化率が3.5%/(km/h)の特性を示す線
L7:従来の通報音の周波数の特性を示す線
L11:第1音圧の音圧レベルを示す線
L12:第2音圧の音圧レベルを示す線
F1:第1通報音の周波数帯域
F2:第2通報音の周波数帯域

Claims (12)

  1. 可聴の第1通報音及び第2通報音を有する通報音発生部を備えている車両接近通報装置において、
    記第1通報音の第1音圧は、車速に応じて可変となるように設定され、
    前記第2通報音の第2周波数は、前記第1通報音の第1周波数よりも高く設定され、且つ前記車速に応じて可変となるように設定され、
    前記第2通報音の第2音圧は、所定のピークを有し、
    前記第2通報音の前記第2音圧の前記所定のピークは、2kHzより高く6kHz未満の周波数帯域内で変化するように設定されていることを特徴とする、車両用接近通報装置。
  2. 記第2周波数は、前記車速がゼロから所定速度までの車速域では、一定の状態を保ち、前記所定速度を超える車速域では、前記車速に応じて変化するように設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用接近通報装置。
  3. 前記第2音圧は、前記車速に応じて可変となるように設定され、
    前記所定速度は、ゼロより大きく20km/h未満に設定され、
    前記車速が前記所定速度から20km/hまでの車速域では、前記第1音圧の変化率は、前記第2音圧の変化率よりも高く設定されていることを特徴とする、請求項2に記載の車両用接近通報装置。
  4. 前記第2音圧は、前記車速が20km/h以上のときに、前記車速に関わらず一定の状態を保つように設定されていることを特徴とする、請求項3に記載の車両用接近通報装置。
  5. 前記第1音圧は、800Hz以上で1.6kHz以下の周波数帯域に、最大ピークとなる第1ピークと、前記第1ピークよりも小さい第2ピークと、を有していることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の車両用接近通報装置。
  6. 前記第1ピーク及び前記第2ピークは、800Hz以上で1,6kHz以下の周波数帯域に設定され、互いに200Hz以上離間していることを特徴とする、請求項2に従属する請求項5に記載の車両用接近通報装置。
  7. 前記第1ピーク及び前記第2ピークのそれぞれの周波数バンド幅は、前記2周波数の前記所定のピークの周波数バンド幅よりも広く設定されていることを特徴とする、請求項2に従属する請求項5に記載の車両用接近通報装置。
  8. 前記第1通報音の第1周波数は、前記車速に関わらず一定に設定され、
    前記車速に対する前記第2周波数の変化率は、1.5~3.5%/(km/h)に設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用接近通報装置。
  9. 可聴の第1通報音及び第2通報音を有する通報音発生部を備えている車両接近通報装置において、
    前記第1通報音の第1周波数は、車速に関わらず一定に設定され、前記第1通報音の第1音圧は、前記車速に応じて可変となるように設定され、
    前記第2通報音の第2周波数は、前記第1周波数よりも高く設定され、且つ前記車速に応じて可変となるように設定されており、
    前記車速に対する前記第2周波数の変化率は、1.5~3.5%/(km/h)に設定され、
    前記第2通報音の第2音圧は、所定のピークを有し、
    前記第2周波数は、前記車速がゼロから所定速度までの車速域では、一定の状態を保ち、前記所定速度を超える車速域では、前記車速に応じて変化するように設定され、
    前記第2音圧は、前記車速に応じて可変となるように設定され、
    前記所定速度は、ゼロより大きく20km/h未満に設定され、
    前記車速が前記所定速度から20km/hまでの車速域では、前記第1音圧の変化率は、前記第2音圧の変化率よりも高く設定されていることを特徴とする、車両用接近通報装置。
  10. 可聴の第1通報音及び第2通報音を有する通報音発生部を備えている車両接近通報装置において、
    前記第1通報音の第1周波数は、車速に関わらず一定に設定され、前記第1通報音の第1音圧は、前記車速に応じて可変となるように設定され、
    前記第2通報音の第2周波数は、前記第1周波数よりも高く設定され、且つ前記車速に応じて可変となるように設定されており、
    前記車速に対する前記第2周波数の変化率は、1.5~3.5%/(km/h)に設定され、
    前記第1音圧は、800Hz以上で1.6kHz以下の周波数帯域に、最大ピークとなる第1ピークと、前記第1ピークよりも小さい第2ピークと、を有していることを特徴とする、車両用接近通報装置。
  11. 前記第2通報音の第2音圧は、所定のピークを有し、
    前記第2周波数は、前記車速がゼロから所定速度までの車速域では、一定の状態を保ち、前記所定速度を超える車速域では、前記車速に応じて変化するように設定され、
    前記第1ピーク及び前記第2ピークは、800Hz以上で1,6kHz以下の周波数帯域に設定され、互いに200Hz以上離間していることを特徴とする、請求項10に記載の車両用接近通報装置。
  12. 前記第2通報音の第2音圧は、所定のピークを有し、
    前記第2周波数は、前記車速がゼロから所定速度までの車速域では、一定の状態を保ち、前記所定速度を超える車速域では、前記車速に応じて変化するように設定され、
    前記第1ピーク及び前記第2ピークのそれぞれの周波数バンド幅は、前記2周波数の前記所定のピークの周波数バンド幅よりも広く設定されていることを特徴とする、請求項10に記載の車両用接近通報装置。
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