JP7305578B2 - 車両用ペダル装置 - Google Patents
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Description
(ペダルアーム12)
図1は車両用ブレーキペダル装置10の全体構成を示す。図2は図1のII-II線矢視断面図で、ペダルアーム12の回動作動をブースタ等のブレーキ力発生装置(不図示)に伝達するための伝達機構14を示す。図1に示す車両用ブレーキペダル装置10は、一般的に、自動車等車両の運転席の前部の下部に配設される。ブレーキペダル装置10は図1に示されるように上下方向に配設されるペダルアーム12を備える。ペダルアーム12は、長尺形状のペダルアーム本体16と、図1で見てペダルアーム本体16の下端部に取付けられるペダル踏面18と、上端部においてペダルアーム本体16を回動可能に取付けるボス部20とを備える。
自動車等車両の運転席前部には、車体構成部材としてインストルメントパネル(不図示)やダッシュパネル(不図示)が配置されており、これらのパネルに図1に示される車両用ブレーキペダル装置10がペダルサポート部材(不図示)に取付けられて配設される。ペダルアーム12上端のボス部20はペダルサポート部材に軸支されて取付けられる。これにより、ペダルアーム12はペダルサポート部材に回動可能に支持され、下端のペダル踏面18を足で踏み込み操作することにより、ブレーキ作動が行われる。
したがって、ペダル踏面18は長尺形状のペダルアーム本体16の下端に一体的に取付けられており、運転者が足で踏み込み操作ができる位置とされている。ペダル踏面18は操作が容易にできる形状とされており、本実施形態ではその踏み込み板は横長の長方形状とされている。なお、ペダル踏面18による踏み込み操作は、ペダルアーム本体16の回動により、図1に示すペダルアーム本体16の中途に配設される伝達機構14を介してブースタ等のブレーキ力発生装置(不図示)に伝達される。
伝達機構14の詳細構成は図2に示される。伝達機構14を説明する前に、先ず、図2に基づいて、ペダルアーム本体16の構成を説明する。本実施形態のペダルアーム本体16は、当該ペダルアーム本体16の軽量化を図る観点から、中空形状の構成とされている。そのため、ペダルアーム本体16は2枚の鋼板部材が間隔空間をおいて配設されて断面が中空形状に形成される。本実施形態では、図2で見て、上側に配設される一方のペダルアーム本体16を形成する鋼板部材と下側に配設される他方のペダルアーム本体16を形成する鋼板部材とから構成される。本実施形態では、上側に配設される一方のペダルアーム本体16を第1鋼板部材16Rと称し、下側に配設される他方のペダルアーム本体16を形成する鋼板部材を第2鋼板部材16Lと称する。第1鋼板部材16Rは自動車の車幅方向で見て右側位置に配設され、第2鋼板部材16Lは自動車の車幅方向で見て左側位置に配設される。
伝達機構14は、ペダルアーム本体16に形成される貫通孔22と、貫通孔22に嵌合されるカラー部材24と、クレビス26と、クレビス26に形成される連結孔28と、ペダルアーム本体16とクレビス26とを連結する伝達軸30とにより構成される。
図3は図2におけるlll矢視個所を拡大して示す。図3に詳細に示されるように、貫通孔22はペダルアーム本体16の第1鋼板部材16Rに形成される第1貫通孔22Rと、第2鋼板部材16Lに形成される第2貫通孔22Lとからなる。本実施形態では、第1貫通孔22Rと第2貫通孔22Lとの孔径の大きさは異なっており、第1貫通孔22Rの孔径は相対的に小径の小径孔とされており、第2貫通孔22Lの孔径は相対的に大径の大径孔とされている。すなわち、貫通孔22の孔径は第1貫通孔22R<第2貫通孔22Lとされている。
第1貫通孔22Rと第2貫通孔22Lに、1個のカラ―部材24が跨って嵌合して取付けられている。カラー部材24は鋼材等の鉄系材料で形成される。カラー部材24の外形形状は2段階に形成されており、大径の外形形状24Lと小径の外形形状24Sとに形成されている。大径の外形形状24Lは第2貫通孔22Lの大径孔に対応する径で形成されており、小径の外形形状24Sは第1貫通孔22Rの小径孔に対応する径で形成されている。そして、大径の外形形状24Lがペダルアーム本体16の第2貫通孔22Lに嵌合し、小径の外形形状24Sが第1貫通孔22Rに嵌合して配設される。
図3に示すように、本実施形態では、カラー部材24は小径孔の第1貫通孔22Rを形成する第1鋼板部材16Rの外側面側(図3で見て上面側)にカシメ固定される構成となっている。カシメ固定は、カラー部材24の小径の外形形状24Sの図3で見て第1鋼板部材16Rより突出した部分を径方向外方に塑性変形させることにより行われる。このカシメ固定は当該個所を仮想線で示した状態から実線で示す状態に塑性変形させることにより行われる。
図3に示すように、カラー部材24の軸心部には軸孔32が形成されており、図2に示すように、この軸孔32に伝達軸30が回動可能に嵌合している。伝達軸30は、ペダルアーム本体16の幅狭範囲の中空形状箇所の外側位置に配設されたクレビス26に連結されて、ペダルアーム本体16とクレビス26とを連結している。
図2に示すように、クレビス26の右端部は二股に分岐して形成されており、ペダルアーム本体16の第1鋼板部材16R側に配設される第1分岐部26Rと、第2鋼板部材16L側に配設される第2分岐部26Lとから成っている。第1分岐部26Rには伝達軸30が嵌合する第1連結孔28Rが形成されており、第2分岐部26Lには伝達軸30が嵌合する第2連結孔28Lが形成されている。この第1連結孔28Rと第2連結孔28Lに伝達軸30が連結されて、ペダルアーム本体16の回動動作がクレビス26に軸方向動作として伝達される。
上記の本実施形態のカラ―部材24は1個で形成される。これにより、図5に示すカラー部材124が2個配設される従来構成の場合に比べ、部品点数が少なくなり、コスト低減を図ることができる。
<その他の実施形態>
以上、本発明の特定の実施形態について説明したが、本発明は、その他各種の形態でも実施できる。
なお、最後に上述の「課題を解決するための手段」における各発明に対応する上記実施形態の作用効果を付記しておく。
12 ペダルアーム
14 伝達機構
16 ペダルアーム本体
16R 第1鋼板部材
16L 第2鋼板部材
18 ペダル踏面
20 ボス部
22 貫通孔
22R 第1貫通孔
22L 第2貫通孔
24 カラー部材
24S 小径の外径形状
24L 大径の外径形状
26 クレビス
26R 第1分岐部
26L 第2分岐部
28R 第1連結孔
28L 第2連結孔
30 伝達軸
32 軸孔
Claims (4)
- 鋼板部材が間隔空間をおいて配設されて断面が中空形状に形成される長尺形状のペダルアーム本体と、前記中空形状を形成するために対設して配置される前記ペダルアーム本体の鋼板部材のそれぞれに形成される2個の貫通孔と、前記2個の貫通孔を貫通して配設されて前記ペダルアーム本体の作動を伝達する伝達軸と、前記貫通孔と前記伝達軸との間に配設されるカラー部材とを備える車両用ペダル装置であって、
前記カラー部材は1個であり、当該1個のカラー部材が前記2個の貫通孔に跨って配設されており、前記2個の貫通孔の孔径は異なっており、相対的に見て大径の大径孔と相対的に見て小径の小径孔とが形成されており、
前記カラー部材の外形形状は大径と小径の2段階の外形形状で形成されており、大径の外形形状は前記貫通孔の大径孔に対応する径で形成されており、小径の外形形状は前記貫通孔の小径孔に対応する径で形成されており、前記大径の外形形状と前記小径の外形形状とは段差形状で接続されており、前記カラー部材は小径の外形形状の方から前記大径孔の貫通孔に挿入されて、前記大径の外径形状が前記貫通孔の大径孔と嵌合し且つ前記貫通孔の小径孔が形成される剛板部材の内側面まで延在し、前記段差形状が前記貫通孔の小径孔が形成される鋼板部材の内側面に当接されて取付けられ、前記カラー部材は前記2個の貫通孔のうち一方の貫通孔を形成する前記鋼板部材の外側面側でカシメ固定されている車両用ペダル装置。 - 請求項1に記載の車両用ペダル装置であって、
前記1個のカラー部材のカシメ固定は、前記小径孔の貫通孔を形成する前記鋼板部材の外側面側で行われる車両用ペダル装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の車両用ペダル装置であって、
前記カラー部材をカシメ固定しない貫通孔への前記カラー部材の嵌合状態は、前記カラー部材の端面が当該貫通孔が形成される鋼板部材の外側面から突出した状態として嵌合配設される車両用ペダル装置。 - 請求項1~請求項3の何れかの請求項に記載の車両用ペダル装置であって、
当該車両用ペダル装置は車両用ブレーキペダル装置である車両用ペダル装置。
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