JP7305527B2 - リバーロキサバンと嬌味剤を含有する固形製剤 - Google Patents
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Description
(1)リバーロキサバンを含有する固形製剤であって、アスパルテーム以外の嬌味剤を含有することを特徴とする固形製剤。
(2)前記嬌味剤がメントール、スクラロース、及びアセスルファムカリウムから選ばれることを特徴とする固形製剤。
(3)固形製剤が錠剤(特に口腔内崩壊錠。)である、前記(1)又は(2)に記載の固形製剤。
(4)固形製剤の全重量に対して嬌味剤が0.1~10.0重量%含有される、前記(1)~(3)のいずれかに記載の固形製剤。
(5)前記嬌味剤が造粒物中に含まれる、前記(1)~(4)のいずれかに記載の固形製剤。
(6)リバーロキサバンと他の添加剤(賦形剤、崩壊剤等)との混合物に造粒液(結合剤等を含む。)を加えて湿式造粒(望ましくは攪拌造粒)する工程を含む、前記(1)~(5)のいずれかに記載の固形製剤の製造方法。
本発明に係るリバーロキサバンの粒子径分布については、体積基準の累積10%粒子径(d10)は好ましくは0.1~3.0μm、体積基準の累積50%粒子径(d50)が好ましくは0.5~12.0μm、より好ましくは0.5~7.0μm、体積基準の累積90%粒子径(d90)が1.0~40.0μmであることが望ましい。尚、上記粒子径はレーザー回析・散乱法によって測定することが可能であり、其の詳細な測定条件は[段落0023]に記載される乾式測定のものに従うことが可能である。
本発明の固形製剤はアスパルテームを含有せず、アスパルテーム以外の矯味剤を含有するものである。当該矯味剤として、具体的にはメントール、スクラロース、アセスルファムカリウム、サッカリン、ステビアエキス、ステビア抽出精製物、タウマチン、D―マンニトールが挙げられ、好ましくはメントール、スクラロース、アセスルファムカリウムから選ばれる。上記の矯味剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは0.1~10.0重量%、より好ましくは1.0~5.0重量%の範囲で当該固形製剤中に含有される。
本発明の固形製剤の剤形は、医療現場に提供される上で、顆粒剤、カプセル剤又は錠剤等としてあることが好ましく、より好ましくは錠剤である。本発明の錠剤は、打錠等により圧縮成形した素錠のまま、或いはコーティング剤を含むフィルムコーティング層で素錠を被覆してフィルムコーティング錠とした上で医療現場に提供される。本発明に係る錠剤の形状は、円形錠、円形R錠、円形隅角錠、円形2段R錠や異形錠(楕円錠等)等のいずれの形状でもよい。本発明に係る素錠の重量は好ましくは50.0~150.0mg、より好ましくは75.0~95.0mgである。
本発明の口腔内崩壊錠は、素錠(フィルムコーティング層や糖衣層等で覆われていない、打錠等により成形したままの錠剤を指す。以下同じ。)であることが好ましいが、素錠にフィルムコーティング層を施すことでフィルムコーティング錠とすることも可能である。
口腔内崩壊錠は口腔内で迅速に崩壊する錠剤として普通錠と区別して提供されるもので、口腔内崩壊時間が60秒未満のものであり、40秒未満であるものが特に好ましい。口腔内での崩壊時間は、例えば、錠剤を舌の上に乗せて唾液を浸潤させた際に其の崩壊にかかる時間を測定して求めたり、口腔内崩壊錠試験機(例:OD-mate/樋口商会)を用いて試験液:水(37℃)の条件における錠剤が崩壊する時間を測定して求めてもよく、またこれ以外の本発明が属する分野の当業者が口腔内での崩壊時間を測定するために一般的に行い得る方法によって求めてもよい。本発明の口腔内崩壊錠の形状は特に限定されず、円形錠{円形平錠(隅角錠等含む。)、円形R錠(隅角錠、2段R錠等含む。)等}や異形錠等のいずれの形状でもよいが、円形錠であることが特に好ましい。尚、本発明の口腔内崩壊錠を打錠により圧縮成形する際の打圧は、300~1500kgfの範囲内にあることが好ましい。
本発明の固形製剤を製造するためには、一般的に使用されている結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、可溶化剤等の添加剤を使用することができる。また当然であるが、本明細書における添加剤の語句の解釈において原薬が含まれることはない。
賦形剤として、具体的には乳糖水和物、結晶セルロース、無水乳糖、D-マンニトール、イソマルト、エリスリトール、デンプン(トウモロコシデンプン等)、シクロデキストリン等から選ばれ、好ましくは乳糖水和物又は結晶セルロースである。上記の賦形剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは25.0~90.0重量%、より好ましくは60.0~75.0重量%の範囲で当該固形製剤中に含有される。
結合剤として、具体的にはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、メチルセルロース、ポビドン、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリエチレングリコール、メタクリル酸コポリマー、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液等を挙げる事ができ、好ましくはヒプロメロースである。上記の結合剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは0.1~10.0重量%、より好ましくは1.0~5.0重量%の範囲内で当該固形製剤中に含有される。
崩壊剤として、具体的には低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン等を挙げる事ができ、好ましくはクロスカルメロースナトリウムである。崩壊剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは2.0~20.0重量%、より好ましくは1.0~10.0重量%の範囲内で当該固形製剤中に含有される。
滑沢剤として、具体的には軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、グリセリン脂肪酸エステル、硬化油等を挙げる事ができ、好ましくはステアリン酸マグネシウムである。滑沢剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは0.1~5.0重量%、より好ましくは0.5~3.0重量%の範囲内で当該固形製剤中に含有される。
可溶化剤として、具体的にはラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等を挙げる事ができ、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムである。可溶化剤は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して、好ましくは0.1~5.0重量%、より好ましくは0.3~2.0重量%の範囲内で当該固形製剤中に含有される。
本発明に係る固形製剤は、リバーロキサバンを含む造粒物を含有するものであることが好ましい。当該顆粒は、固形製剤(望ましくは素錠)の全重量に対して好ましくは30.0~99.5重量%の範囲で当該固形製剤中に含有される。リバーロキサバンを含む造粒物は、当該造粒物の全重量部に対して好ましくは8.0~30.0重量部のリバーロキサバンを含む。またリバーロキサバンを含む造粒物は、好ましくは、賦形剤又は崩壊剤(望ましくはそれら両方)を含み、更に結合剤(望ましくは可溶化剤も)をも含む。尚、矯味剤もリバーロキサバンを含む造粒物中に含まれることが好ましい、
本発明の固形製剤の製造方法においては、リバーロキサバンを用いて造粒されることが好ましい。本発明に係る造粒方法として湿式造粒法(流動層造粒法、攪拌造粒法)等が挙げられるが、好ましくは攪拌造粒法である。攪拌造粒法は、結合剤を含む造粒液を攪拌羽で混合された粉末に滴下し、錬合して造粒することを特徴とするものである。
本発明の固形製剤は、一般的な製造方法によって作成することが可能であり、例えば以下の製造方法(攪拌造粒法/流動層造粒法)によって製造することが可能である。
まず、原薬及び添加剤(賦形剤、崩壊剤、又は矯味剤)を攪拌/流動化しながら、これに結合剤(好ましくは可溶化剤も)を含む造粒液を滴下/噴霧し、造粒物を製造する。そして、得られた造粒物を整粒した後に滑沢剤等と混合して打錠機によって圧縮成形して錠剤(素錠)とする。其の素錠を打錠して製造する際の打圧は、好ましくは100~1100kgfの範囲内の任意の数値から選ばれる。また、上記で得られた造粒物を用いて顆粒剤やカプセル剤を製造することも可能である。
得られた顆粒24.42gとl-メントール(嬌味剤)0.9gを混合した後、ステアリン酸マグネシウム0.18gを加えさらに混合し、打圧400kgfで打錠して1錠質量85.0mg、直径6.0mm、厚み2.8mmの錠剤(R錠)を得た。
「l-メントール(嬌味剤)0.9g」を「アスパルテーム(嬌味剤)0.9g」に代えたこと以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
実施例1~3及び比較例1で得た各錠剤について、製造直後及び60℃相対湿度75%開放条件下で14日間保存した後で、各錠剤の明度(L*)、色相と彩度を示す色度(a*およびb*)について分光色差計(日本電色工業社製:SE6000型)を用いて測定した。これらの結果から、保存前後の色差(ΔE)を算出して下記の表2に示した。色差は色度値としてCIELab1976に規定されるL*a*b*を用い、ΔEについて下記の式にて算出した。ΔE={(ΔL*)^2+(Δa*)^2(Δb*)^2}^1/2(日本電色工業株式会社、Spectrophotometer SE6000型、取扱説明書より)。
成人男性である被験者3名其々に、実施例1~3及び比較例1に記載の錠剤の其々について、口腔内に1錠のみ含んでもらって舌を軽く動かしながら口腔内で崩壊させることを行ってもらった。その際に口腔内で感じた、各口腔内崩壊錠の味について上記の各被験者に評価してもらい、其の評価結果の平均値を下記の表2に示した。各被験者による前記評価は、味について、0:不快、1:普通、2:良好、のいずれかの数値項目から最も適当なものを被験者に選択してもらうことで行った。
また表2より、当該実施例1~3の錠剤は味について良好なものであることが示されたため、本発明の固形製剤は味についても問題ないことが確認された。
Claims (4)
- リバーロキサバンを含有する口腔内崩壊錠であって、アスパルテーム以外の嬌味剤を含有し、該嬌味剤がメントール、スクラロース、及びアセスルファムカリウムから選ばれることを特徴とする口腔内崩壊錠。
- 口腔内崩壊錠の全重量に対して嬌味剤が0.1~10.0重量%含有される、請求項1に記載の口腔内崩壊錠。
- 前記嬌味剤が造粒物中に含まれる、請求項1または2に記載の口腔内崩壊錠。
- リバーロキサバンと他の添加剤との混合物に造粒液を加えて湿式造粒する工程を含む、請求項1~3のいずれかに記載の口腔内崩壊錠の製造方法。
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