JP2023140859A - アプレミラストを含有する錠剤の製造方法、アプレミラストを含有する錠剤、及びアプレミラストを含有する錠剤の打錠性の改善方法 - Google Patents

アプレミラストを含有する錠剤の製造方法、アプレミラストを含有する錠剤、及びアプレミラストを含有する錠剤の打錠性の改善方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023140859A
JP2023140859A JP2022046900A JP2022046900A JP2023140859A JP 2023140859 A JP2023140859 A JP 2023140859A JP 2022046900 A JP2022046900 A JP 2022046900A JP 2022046900 A JP2022046900 A JP 2022046900A JP 2023140859 A JP2023140859 A JP 2023140859A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
apremilast
tablet
granules
tablet containing
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022046900A
Other languages
English (en)
Inventor
裕貴 岩本
Yuki Iwamoto
雅志 千々石
Masashi Chichiishi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Towa Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Towa Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Towa Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Towa Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2022046900A priority Critical patent/JP2023140859A/ja
Publication of JP2023140859A publication Critical patent/JP2023140859A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、薬効成分としてアプレミラストを含有し、打錠性が改善された錠剤の製造方法、薬効成分としてアプレミラストを含有し、打錠性が改善された錠剤、及びアプレミラストを含有する錠剤の打錠性の改善方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係る薬効成分としてアプレミラストを含有する錠剤の製造方法は、前記アプレミラストを造粒して顆粒を調製する工程、及び、前記顆粒を含む組成物を打錠する工程を含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、薬効成分としてアプレミラストを含有し、打錠性が改善された錠剤の製造方法、薬効成分としてアプレミラストを含有し、打錠性が改善された錠剤、及び薬効成分としてアプレミラストを含有する錠剤の打錠性の改善方法に関するものである。
アプレミラスト(化学名:N-{2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル}アセトアミド)は、主に炎症性細胞に分布しているホスホジエステラーゼ(PDE)4を阻害することにより細胞内cAMP濃度を上昇させ、IL-17、TNF-α、IL-23、及びその他の炎症性サイトカインの発現を制御することにより、炎症反応を抑制する、尋常性乾癬、関節症性乾癬、及びベーチェット病による口腔潰瘍の治療薬である(非特許文献1)。
薬効成分としてアプレミラストを含有する錠剤は、アプレミラストと添加剤を混合した上で打錠した後、コーティングすることにより製造されていると考えられる(特許文献1)。
特許第6161629号公報
「オテズラ(登録商標)錠」添付文書
上述したように、薬効成分としてアプレミラストを含有する錠剤は既に製造販売されているが、その大きさは非常に大きい。例えば、アプレミラストを30mg含有する錠剤(オテズラ(登録商標)錠30mg)の長径は11.81mm、短径は6.35mm、厚さは4.97mmと大きく(非特許文献1)、患者によっては飲み込み難く感じることがあった。
本発明者らは、アプレミラスト含有錠剤を小型化すべく検討したが、1錠剤あたりのアプレミラスト含量は減らせないため、その他の添加成分を減らす必要が生じた。その結果、1錠剤あたりのアプレミラストの相対割合が増加し、打錠性が損なわれてしまった。
そこで本発明は、薬効成分としてアプレミラストを含有し、打錠性が改善された錠剤の製造方法、薬効成分としてアプレミラストを含有し、打錠性が改善された錠剤、及びアプレミラストを含有する錠剤の打錠性の改善方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、薬効成分であるアプレミラストを造粒して顆粒にした上で打錠することによって、添加成分量が比較的少なくても打錠性が顕著に改善されることを見出して、本発明を完成した。
以下、本発明を示す。
[1] 薬効成分としてアプレミラストを含有する錠剤を製造するための方法であって、
前記アプレミラストを造粒して顆粒を調製する工程、及び、
前記顆粒を含む組成物を打錠する工程を含むことを特徴とする方法。
[2] 前記アプレミラストと結合剤を混合して造粒する前記[1]に記載の方法。
[3] 前記結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、及びポリビニルピロリドンから選択される1以上の結合剤である前記[2]に記載の方法。
[4] 前記アプレミラストと崩壊剤を混合して造粒する前記[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5] 前記崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、トウモロコシデンプン、及び部分アルファー化デンプンから選択される1以上の崩壊剤である前記[4]に記載の方法。
[6] 更に、コーティング層を形成する工程を含む前記[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7] 薬効成分としてアプレミラストを含有する顆粒を含有することを特徴とする錠剤。
[8] 前記顆粒が更に結合剤を含有する前記[7]に記載の錠剤。
[9] 前記結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、及びポリビニルピロリドンから選択される1以上の結合剤である前記[8]に記載の錠剤。
[10] 前記顆粒が更に崩壊剤を含有する前記[7]~[9]のいずれかに記載の錠剤。
[11] 前記崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、トウモロコシデンプン、及び部分アルファー化デンプンから選択される1以上の崩壊剤である前記[10]に記載の錠剤。
[12] コーティング層を有する前記[7]~[11]のいずれかに記載の錠剤。
[13] 薬効成分としてアプレミラストを含有する錠剤の打錠性を改善するための方法であって、
前記アプレミラストを造粒して顆粒を調製する工程、及び、
前記顆粒を含む組成物を打錠する工程を含むことを特徴とする方法。
本発明に係るアプレミラスト含有錠剤は、改善された打錠性をもって良好に製造することが可能である。また、アプレミラストは水に対して難溶性であり、溶出性が比較的悪いといえるが、本発明に係るアプレミラスト含有錠剤からのアプレミラストの溶出性は良好であるため、消化管からのアプレミラストの有効な吸収が可能になる。よって本発明に係るアプレミラスト含有錠剤は、薬効成分としてアプレミラストを含有する製剤の一つの形態として、産業上非常に優れている。
図1は、アプレミラストを原薬のまま直打して製造した錠剤と、アプレミラストを造粒して顆粒化した上で打錠して製造した本発明に係る錠剤の溶出性を比較したグラフである。
本発明に係る薬効成分としてアプレミラストを含有する錠剤を製造するための方法、及び、本発明に係る薬効成分としてアプレミラストを含有する錠剤の打錠性を改善するための方法は、前記アプレミラストを造粒して顆粒を調製する工程、及び、前記顆粒を含む組成物を打錠する工程を含む。
本発明に係る錠剤は、薬効成分としてアプレミラストを含有する。アプレミラストの化学名はN-{2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル}アセトアミドであり、アプレミラストは以下の化学構造を有し、主に炎症性細胞に分布しているホスホジエステラーゼ(PDE)4を阻害することにより細胞内cAMP濃度を上昇させ、IL-17、TNF-α、IL-23、及びその他の炎症性サイトカインの発現を制御することにより、炎症反応を抑制する、尋常性乾癬、関節症性乾癬、及びベーチェット病による口腔潰瘍の治療薬である。
Figure 2023140859000001
原薬であるアプレミラストは、非晶質であっても結晶であってもよいが、結晶が好ましい。また、原薬粒子径は特に制限されず、適宜調整すればよい。例えば、体積基準の累積50%粒子径(D50)を1μm以上、100μm以下とすることができる。当該粒子径としては、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、また、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、25μm以下がより更に好ましい。また、体積基準の累積90%粒子径(D90)は、20μm以上、500μm以下とすることができ、50μm以上が好ましく、また、300μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、100μm以下がより更に好ましい。なお、本開示において体積基準の累積50%粒子径(D50)や体積基準の累積90%粒子径(D90)は、レーザー回折式粒度分布測定装置により体積基準で測定するものとする。
本発明に係る錠剤におけるアプレミラストの量や割合は、アプレミラストがその作用効果を発揮可能な範囲で適宜調整すればよい。例えば、1錠剤あたりのアプレミラストの量としては、1mg以上、100mg以下とすることができ、2mg以上が好ましく、5mg以上がより好ましく、また、50mg以下が好ましく、40mg以下がより好ましく、10±0.1mg、20±0.2mg、又は30±0.3mgがより更に好ましい。また、1錠剤あたりのアプレミラストの割合は、1質量%以上、30質量%以下とすることができ、2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、また、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
本発明に係るアプレミラスト含有錠剤は、医薬製剤に配合される一般的な添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、流動化剤、界面活性剤、甘味料、香料などが挙げられる。
賦形剤は、製剤の成形性や服用し易さの向上のために薬効成分を希釈したり製剤を増量したりするために配合される添加剤である。賦形剤としては、例えば、乳糖、結晶セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、デキストリン、白糖などが挙げられる。賦形剤の量は適宜調整すればよいが、例えば、製剤全体に対して20質量%以上、90質量%以下とすることができ、30質量%以上または40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がより更に好ましく、また、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましい。
崩壊剤は、水分を取り込んで錠剤の崩壊を促進させ、薬効成分が放出され易くするために配合される成分である。崩壊剤としては、特に制限されないが、例えばクロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン(架橋ポリビニルピロリドン)、デンプングリコール酸ナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、トウモロコシデンプン等の澱粉、部分アルファー化デンプン、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。崩壊剤の量は、製剤が服用後に良好に崩壊して薬効成分を放出できる範囲で適宜調整すればよい。例えば、製剤全体に対して0.5質量%以上、10質量%以下とすることができ、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、また、5質量%以下が好ましい。
結合剤は、各成分を結合し、顆粒や錠剤の強度を増すために加えられる成分である。結合剤としては、特に制限されないが、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等を用いることができる。製剤における結合剤の量や割合は、所望の製剤強度や顆粒強度などに応じて適宜調整すればよい。例えば、製剤全体に対して0.1質量%以上、10質量%以下とすることができる。当該割合としては、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、また、5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。
滑沢剤は、各成分の表面に付着してその流動性を高めたり、各成分の装置への付着を抑制したりするために加えられる成分である。滑沢剤としては、特に制限されないが、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等を用いることができ、ステアリン酸マグネシウムが好ましい。滑沢剤の量や割合は、例えば各成分の混合や打錠が良好に行える範囲で適宜調整すればよい。例えば、製剤全体に対して0.05質量%以上、5質量%以下とすることができる。当該割合としては、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、また、4質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。
甘味料や香料は、各成分、特に薬効成分であるアプレミラストの作用効果が阻害されない範囲で、それぞれの作用効果が発揮される範囲で微量配合すればよい。
本発明に係るアプレミラスト含有錠剤は、素錠の表面にコーティング層を有するフィルムコーティング錠剤であってもよい。
錠剤のコーティング層は、皮膜形成剤として、一般的に、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体などを含む。コーティング層100質量%における皮膜形成剤の割合は、例えば、40質量%以上、80質量%以下とすることができる。当該割合としては、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましい。
錠剤を被覆するコーティング層は、その強度を高めるため一般的に可塑剤を含む。フィルムコーティング層の可塑剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、コポリビドン等が挙げられる。フィルムコーティング層100質量%における可塑性の割合は、例えば、1質量%以上、20質量%以下とすることができる。
コーティング層には、色素を配合してもよい。コーティング層を色素で着色することにより、錠剤の意匠性が改善されたり、また有効成分であるアプレミラストの安定性がより一層向上する可能性がある。かかる色素としては、例えば、酸化チタン、タルク、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、酸化亜鉛などの金属酸化物;硫酸バリウム等が挙げられる。フィルムコーティング層100質量%における色素の割合は、例えば、1質量%以上、25質量%以下とすることができる。
本発明では、薬効成分であるアプレミラストを造粒して顆粒を調製する。本発明では錠剤の小型化を志向しているが、錠剤を小型化すると薬効成分であるアプレミラストの錠剤における相対割合が増加し、その結果、打錠性が低下した。本発明では、アプレミラストを顆粒化することにより、打錠性を改善している。
本発明において打錠性とは、打錠前の打錠用末の流動性、打錠質量の偏り、及び打錠機などへの付着性を意味し、良好な打錠性とは、打錠前の打錠用末の流動性が高く、打錠質量の偏りがより少なく、打錠機などへの付着がより少ないことを意味する。
アプレミラストを含む顆粒には、薬効成分であるアプレミラストに加えて、結合剤、賦形剤、崩壊剤、及び/又は滑沢剤の全部または一部を配合してもよい。例えば結合剤は、湿式造粒法では噴霧される溶媒中に配合してもよい。
造粒は、常法により行うことができる。例えば、顆粒は、転動または流動させた微細な原料粉末に溶媒を噴霧して結合させる湿式造粒法や、原料粉末に滑沢剤を配合した上で圧力を負荷して板状などのバルク状に成形した後、粉砕し、整粒する乾式造粒法により製造することができるが、粉塵や微粉を発生し難く、また顆粒の圧縮成形性や錠剤の崩壊性に問題が生じ難い湿式造粒法が好ましい。顆粒の湿式造粒法で用いられる溶媒としては、水、エタノール、及びこれらの混合溶媒が用いられる。
湿式造粒に用いられる造粒装置は、主に流動型造粒装置と攪拌型造粒装置に分類される。流動型造粒装置は、造粒室の下部から熱風を送り込み、原料粉体を空中に巻き上げることにより粒子が流動する状態になる層を形成してから、造粒液を噴霧して、凝集または被覆により原料粉体を顆粒に成長させる装置である。攪拌型造粒装置は、種々の攪拌羽根などにより原料粉体に剪断・転動・圧密作用を与えつつ、造粒液を添加して顆粒を調製する方法である。また、攪拌造粒と流動層造粒のそれぞれの特徴を生かした複合型の転動式複合造粒法も開発されている。
本発明では、前記造粒工程で得られた顆粒を含む組成物、即ち打錠用末を打錠することにより、アプレミラスト含有錠剤を得る。
本発明に係るアプレミラスト含有錠剤の大きさは、適宜調整すればよい。例えば錠剤の形状は経口で服用し易い円盤形やレンズ形などとし、その直径を4mm以上、8mm以下、厚さを2mm以上、4mm以下、1錠あたりの重さを50mg以上、180mg以下程度とすることができる。
本発明に係るアプレミラスト含有錠剤の硬度は特に制限されないが、例えば、25N以上、200N以下が好ましく、30N以上、150N以下がより好ましい。当該硬度は、例えば、打錠圧により調整することができる。
本発明に係るアプレミラスト含有錠剤の投与量は、患者の症状、重篤度、年齢、性別などに応じて適宜調整すればよいが、例えば、アプレミラストの投与量に換算して、1日あたり5mg以上、80mg以下を1回以上、3回以下、5日間以上投与すればよい。特に、Cockcroft-Gault式によるクレアチニンクリアランス値が30mL/min未満である重度の腎機能障害患者では、投与量を比較的低くし、例えば一日あたりアプレミラスト30mgを1日1回のみ投与することが好ましい。
本発明に係るアプレミラスト含有錠剤は、特にアプレミラスト含有顆粒を用いることから、良好な打錠性をもって製造することが可能である。その上、アプレミラストの溶出性にも優れている。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1: 湿式造粒法による顆粒を用いたアプレミラスト錠剤の作製
アプレミラスト225.0g、乳糖水和物(「Lactochem Fine Powder」DFE pharma社製)646.5g、結晶セルロース(「セオラスPH-101」旭化成社製)127.5g、ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC-SSL」日本曹達社製)21.00g、及びクロスカルメロースナトリウム(「Ac-di-sol」DuPont社製)24.00gを湿式高せん断造粒機内で十分混合した。得られた混合物に水290.0gを添加して造粒した後、孔径6350μmのスクリーンに通して解砕した。更に、流動層乾燥機で乾燥した後、孔径1575μmのスクリーンに通して整粒することにより主剤顆粒を得た。
得られた主剤顆粒348.0g、結晶セルロース(「セオラスUF-702」旭化成社製)42.50g、及びクロスカルメロースナトリウム(「Ac-di-sol」DuPont社製)4.00gを、拡散式混合機で混合した後、更にステアリン酸マグネシウム(太平化学産業社製)3.00gを添加して混合し、ロータリー式打錠機を使って打錠することにより、アプレミラスト30mgを含有する質量159mgの錠剤を得た。
比較例1: 直接打錠法によるアプレミラスト錠剤の作製
アプレミラスト30.00g、乳糖水和物(「ダイラクトーズS」フロイント産業社製)86.40g、結晶セルロース(「セオラスUF-702」旭化成社製)36.60g、及びクロスカルメロースナトリウム(「Ac-di-sol」DuPont社製)4.80gを混合した後、更にステアリン酸マグネシウム(太平化学産業社製)1.20gを添加して混合し、ロータリー式打錠機を使って打錠することにより、アプレミラスト30mgを含有する質量159mgの錠剤を得た。
比較例2: 直接打錠法によるアプレミラスト錠剤の作製
アプレミラスト39.00g、乳糖水和物(「ダイラクトーズS」フロイント産業社製)110.24g、結晶セルロース(「セオラスUF-702」旭化成社製)47.58g、クロスカルメロースナトリウム(「Ac-di-sol」DuPont社製)6.24g、及び軽質無水ケイ酸(「アドソリダー-101」富士シリシア化学社製)2.08gを混合した後、更にステアリン酸マグネシウム(太平化学産業社製)1.56gを添加して混合し、ロータリー式打錠機を使って打錠することにより、アプレミラスト30mgを含有する質量159mgの錠剤を得た。
比較例3: 直接打錠法によるアプレミラスト錠剤の作製
アプレミラスト39.00g、乳糖水和物(「ダイラクトーズS」フロイント産業社製)169.13g、結晶セルロース(「セオラスUF-702」旭化成社製)71.37g、及びクロスカルメロースナトリウム(「Ac-di-sol」DuPont社製)9.36gを混合した後、更にステアリン酸マグネシウム(太平化学産業社製)2.34gを添加して混合し、ロータリー式打錠機を使って打錠することにより、アプレミラスト30mgを含有する質量224mgの錠剤を得た。
試験例1: 打錠性試験
(1)打錠用末の流動性評価
多機能型粉体物性測定器(「マルチテスターMT-02」セイシン企業社製)を用い、実施例1および比較例1~3の打錠用末の安息角、スパチュラ角、圧縮度、及び凝集度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2023140859000002
得られた測定値より、各項目のCarrの流動性指数を合算し、流動性を評価した。結果を表2に示す。
(2)オリフィス流出速度
流体流動性試験器(「BEP2」Copley Scientific社製)を用い、実施例1および比較例1~3の打錠用末のオリフィス流出速度を測定した。なお、オリフィス径は25mm、打錠用末の投入量は100g、静置時間は30秒に設定し、測定を3回行い、その平均値を算出した。結果を表2に示す。
(3)打錠後における杵の状態
実施例1および比較例1~3において、打錠後の杵の状態を観察した。打錠後の杵に打錠用末の付着が無く、光沢が維持されている場合を〇、打錠用末が付着して曇りが生じている場合を×と評価した。結果を表2に示す。
Figure 2023140859000003
表2に示された結果の通り、薬効成分であるアプレミラストを他の添加剤と混合したのみの比較例の打錠用末は、アプレミラストの相対割合が大きいためか流動性が悪く、打錠後の杵に付着するなど、打錠性が悪いものであった。なお、比較例1の打錠用末は、オリフィスから落下しないほど流動性が悪かった。
それに対して、造粒して顆粒化した本発明に係る打錠用末は、流動性に優れ、打錠後の杵への付着も無く、打錠性に優れるものであった。
試験例2: 溶出性試験
37±0.5℃に加温したpH4.0の試験液900mL中に、実施例1または比較例1の錠剤を1個ずつ入れ、パドルを50rpmで回転させ、5,10,15,30,45,60,90,及び120分後に10mLを採取し、採取した試験液に、別途、37±0.5℃に加温した試験液10mLを直ちに加えて混合し、得られた混合液を孔径0.45μmのメンブランフィルターで濾過した。初めの濾液5mL以上を除き、次の濾液3mLを正確に量り、メタノール3mLを加えて試料液とした。
別途、定量用アプレミラスト約28mgを精密に量り、メタノールを加えて総量を100mLに正確に調整した。この液6mLを量り取り、メタノールを加えて総量を50mLに調整した。この液3mLに試験液3mLを加えて標準液とした。
試料液と標準液10μLずつを、以下の条件の液体クロマトグラフィーで分析し、アプレミラストを定量した。結果を図1に示す。
分析装置: 「高速液体クロマトグラフ」島津製作所社製,Waters社製
検出器: 「紫外吸光光度計」島津製作所社製,Waters社製
カラム: YMC-Triart C18,4.6mm×150mm,3μm
検出波長: 230nm
流速: 1.0mL/min
サンプルクーラー温度: 10℃
カラム温度: 約40℃
移動相: 希釈トリフルオロ酢酸(3→10000)/アセトニトリル混液(1:1)
図1に示される結果の通り、薬効成分であるアプレミラストを他の添加剤と混合して直打した比較例の錠剤に比べて、アプレミラストを造粒して顆粒化した上で打錠した本発明に係る錠剤は、薬効成分の溶出性により優れたものであった。

Claims (13)

  1. 薬効成分としてアプレミラストを含有する錠剤を製造するための方法であって、
    前記アプレミラストを造粒して顆粒を調製する工程、及び、
    前記顆粒を含む組成物を打錠する工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記アプレミラストと結合剤を混合して造粒する請求項1に記載の方法。
  3. 前記結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、及びポリビニルピロリドンから選択される1以上の結合剤である請求項2に記載の方法。
  4. 前記アプレミラストと崩壊剤を混合して造粒する請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、トウモロコシデンプン、及び部分アルファー化デンプンから選択される1以上の崩壊剤である請求項4に記載の方法。
  6. 更に、コーティング層を形成する工程を含む請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. 薬効成分としてアプレミラストを含有する顆粒を含有することを特徴とする錠剤。
  8. 前記顆粒が更に結合剤を含有する請求項7に記載の錠剤。
  9. 前記結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、及びポリビニルピロリドンから選択される1以上の結合剤である請求項8に記載の錠剤。
  10. 前記顆粒が更に崩壊剤を含有する請求項7~9のいずれかに記載の錠剤。
  11. 前記崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、トウモロコシデンプン、及び部分アルファー化デンプンから選択される1以上の崩壊剤である請求項10に記載の錠剤。
  12. コーティング層を有する請求項7~11のいずれかに記載の錠剤。
  13. 薬効成分としてアプレミラストを含有する錠剤の打錠性を改善するための方法であって、
    前記アプレミラストを造粒して顆粒を調製する工程、及び、
    前記顆粒を含む組成物を打錠する工程を含むことを特徴とする方法。
JP2022046900A 2022-03-23 2022-03-23 アプレミラストを含有する錠剤の製造方法、アプレミラストを含有する錠剤、及びアプレミラストを含有する錠剤の打錠性の改善方法 Pending JP2023140859A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022046900A JP2023140859A (ja) 2022-03-23 2022-03-23 アプレミラストを含有する錠剤の製造方法、アプレミラストを含有する錠剤、及びアプレミラストを含有する錠剤の打錠性の改善方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022046900A JP2023140859A (ja) 2022-03-23 2022-03-23 アプレミラストを含有する錠剤の製造方法、アプレミラストを含有する錠剤、及びアプレミラストを含有する錠剤の打錠性の改善方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023140859A true JP2023140859A (ja) 2023-10-05

Family

ID=88205590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022046900A Pending JP2023140859A (ja) 2022-03-23 2022-03-23 アプレミラストを含有する錠剤の製造方法、アプレミラストを含有する錠剤、及びアプレミラストを含有する錠剤の打錠性の改善方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023140859A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
BRPI0613611A2 (pt) formulações de alta concentração de fármaco e formas de dosagens
JP2023182650A (ja) 粒状組成物、粒状組成物の製造方法、および粒状組成物の溶出性改善方法
US6726929B1 (en) Pharmaceutical mixture comprising a profen
JP5823401B2 (ja) 不快な味が遮蔽された薬物含有膜被覆粒子
JPH07206674A (ja) 錠剤形のチオクト酸含有医薬品処方物
RU2613192C1 (ru) Таблетки клозапина с пролонгированным высвобождением
TWI721946B (zh) 色瑞替尼調配物
TWI745598B (zh) 非布司他控釋組合物及其製備方法
JP2023140859A (ja) アプレミラストを含有する錠剤の製造方法、アプレミラストを含有する錠剤、及びアプレミラストを含有する錠剤の打錠性の改善方法
JP6419347B2 (ja) 胃腸疾患治療用医薬組成物
JP6918393B1 (ja) 漢方エキス又は植物性生薬エキスを含む固形製剤及びその製造方法、並びに固形製剤の崩壊性を向上させる方法
JP6328138B2 (ja) N−[5−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エチル]−2h−ピラゾール−3−イル]−4−[(3r,5s)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル]ベンズアミドの医薬製剤
CA2355291C (en) A pharmaceutical mixture comprising a profen
WO2012056471A2 (en) Novel process for preparing dexibuprofen ready to compress granules
EP2671569B1 (en) Stable pharmaceutical compositions with fast onset
WO2021136381A1 (zh) 含硝羟喹啉的药物组合物、硝羟喹啉片剂及其制备方法和用途
RU2804350C2 (ru) Фармацевтические композиции немедленного высвобождения, содержащие кетопрофена лизиновую соль
US20160022661A1 (en) Dosage Form Comprising Crizotinib
JP2017075138A (ja) ジエノゲスト含有錠剤
CN108236609B (zh) 一种gpr40激动剂药物组合物及其制备方法
TWI595871B (zh) 含有兒茶酚-o-甲基轉移酶抑制劑之口服醫藥組成物及其製造方法
JP6002869B1 (ja) ジエノゲスト含有錠剤
WO2023149546A1 (ja) 経口固形製剤
JP6002870B1 (ja) 低用量薬物を含有する口腔内崩壊錠
CN113368032A (zh) 药物组合物、口服固体制剂及其制备方法和用途