JP7302656B2 - 積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、表面硬度と繰返し折曲げ特性に優れた積層フィルムに関する。
近年、電子機器などの小型化、軽量化にともないフレキシブル基板やフレキシブルプリント回路が用いられる傾向にある。また、その流れに伴い、ディスプレイ用途においてもフレキシブル性の要求が高まる傾向にある。そして、このような用途に用いる表示画面用の表面保護フィルムにおいては、高硬度、傷つき防止、耐汚染性、耐摩耗性などの表面保護特性ばかりではなく、折り曲げ性について、高度な耐久性が必要とされ、更なる性能向上が要望されていた。
そのため、近年、表面保護フィルムに関し、高硬度で耐擦傷性を保持しつつ、フレキシブル性乃至屈曲性を改善するために多くの提案がなされている。
例えば特許文献1には、積層構成からなるハードコ-ト層において、弾性率に関して中間層の方が表層よりも大きくすることで、表面硬度の向上を図るとともに、応力集中によるハードコートフィルムの損状を防ぎ、傷付きにくいハードコートフィルムに関する技術内容が開示されている。
特許文献2には、表層にラジカル系材料、中間層にはカチオン系材料を用いて、層間密着性が良好である積層構成のハードコート層が開示されている。
特許文献3には、シリカ粒子を塗膜中に含むことで、ハードコート塗膜の弾性率を制御する技術内容が開示されている。
特許文献4には、積層構成からなるハードコ-ト層において、弾性率に関して表層の方が中間層より大きく、硬化塗膜の伸び率を特定範囲にすることでは耐磨耗性と屈曲性に優れるハードコートフィルムに関する技術内容が開示されている。
特許第4574766号公報 特許第4160217号公報 特許第5320848号公報 特許第4569807号公報
前述のように近年、画像表示画面(ディスプレイ)を折り曲げたり、折り畳んだりすることができるフレキシブル携帯端末の開発が進められており、この類の画像表示画面に用いる表面保護フィルムに関しても、優れた表面硬度と共に、実用的に繰り返し折り曲げ可能、具体的には、例えば20万回以上繰り返し折り曲げ可能な耐久性が求められている。
しかしながら、特許文献1~特許文献4記載の発明はいずれも、繰り返し折り曲げする用途を想定しておらず、対応困難な場合があった。
そこで本発明は、優れた表面硬度を備えているばかりではなく、実用的な繰返し折曲げ特性に優れた、新たな積層フィルムを提案せんとするものである。
本発明は、基材フィルムの表面に、硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)が順次積層した構成を備えており、
微小硬度計測定(JIS Z 2255)により測定される弾性率に関し、硬化樹脂層(A)の弾性率よりも硬化樹脂層(B)の弾性率の方が大きく、かつ、硬化樹脂層(A)の弾性率と硬化樹脂層(B)の弾性率の差が0(MPa)より大きく、220(MPa)より小さいことを特徴とする、積層フィルムを提案する。
本発明は、上記積層フィルムの製造方法の一例として、硬化樹脂層(A)は、硬化性組成物を基材フィルム上に塗布し硬化させて形成することを特徴とし、当該硬化性組成物は、質量平均分子量が1,000~500,000の範囲であることを特徴とする、積層フィルムの製造方法を提案する。
本発明が提案する積層フィルムは、基材フィルムの表面に、硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)が順次積層した構成を備えており、硬化樹脂層(A)の弾性率と硬化樹脂層(B)の弾性率の差((B)-(A))が、0(MPa)より大きく、220(MPa)より小さいという特徴を有している。そのため、表面硬度を維持しつつ、実用的な繰返し折曲げ特性を高めることができ、具体的には、20万回以上繰り返し折り曲げても問題のない優れた繰返し折曲げ特性を得ることができる。
次に、実施の形態例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<<本積層フィルム>>
本発明の実施形態の一例に係る積層フィルム(「本積層フィルム」と称する)は、基材フィルム(「本基材フィルム」と称する)の少なくとも片面側表面に、硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)を順次積層してなる構成を備えた積層フィルムである。
なお、本積層フィルムは上記構成を備えていれば他の層を備えていてもよい。
<本基材フィルム>
本基材フィルムは、必要十分な剛性及び繰り返し折り曲げ性を得ることができるフィルムであれば、材質及び構成を限定するものではない。
本基材フィルムは、単層構成であっても、多層構成であってもよい。
本基材フィルムが多層構成の場合、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよい。
本基材フィルムは、単層構成であっても、多層構成であっても、各層の主成分樹脂はポリエステル又はポリイミド(PI)であるのが好ましい。このようなフィルムを「ポリエステルフィルム」又は「ポリイミドフィルム」と称する。
この際、「主成分樹脂」とは、本基材フィルムを構成する樹脂のうち最も含有割合の多い樹脂を意味し、例えば本基材フィルムを構成する樹脂のうち50質量%以上、特に70質量%以上、中でも80質量%以上(100質量%を含む)を占める樹脂である。
なお、本基材フィルムを構成する各層は、その主成分樹脂がポリエステル又はポリイミドであれば、ポリエステル又はポリイミド以外のその他の樹脂或いは樹脂以外の成分を含有していてもよい。
(ポリエステル)
本基材フィルムを構成する各層の主成分樹脂としてのポリエステル(「本ポリエステル」と称する)は、ホモポリエステルであっても、共重合ポリエステルであってもよい。
本ポリエステルが、ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。
前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸などを挙げることができる。
前記脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。
他方、本ポリエステルが、共重合ポリエステルである場合、そのジカルボン酸成分としては、例えばイソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、セバシン酸などの1種または2種以上を挙げることができる。他方、そのグリコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1、4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の1種または2種以上を挙げることができる。
代表的なポリエステルの具体例としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンフラノエート(PEF)などを例示することができる。中でも、PET、PENが取扱い性の点で好ましい。
なお、本基材フィルムを構成する各層の主成分樹脂が、例えばポリエチレンテレフタレートである場合、そのフィルムを「ポリエチレンテレフタレートフィルム」と称する。他の樹脂が主成分樹脂である場合も同様である。
(ポリイミド)
本基材フィルムは、ポリエステルフィルムの他に、ポリイミドフィルムも好適である。前記ポリイミドのイミド化に関しては、例えばジアミンとジアンヒドリド、特に芳香族ジアンヒドリドと芳香族ジアミンとを1:1の当量比でポリアミド酸重合した後にイミド化する方法が例示される。
当該芳香族ジアンヒドリドとしては、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸二無水物(TDA)、ピロメリット酸二無水物(1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、及びビスカルボキシフェニルジメチルシラン二無水物(SiDA)などが例示される。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
また、前記芳香族ジアミンとしては、オキシジアニリン(ODA)、p-フェニレンジアミン(pPDA)、m-フェニレンジアミン(mPDA)、p-メチレンジアニリン(pMDA)、m-メチレンジアニリン(mMDA)、ビストリフルオロメチルベンジジン(TFDB)、シクロヘキサンジアミン(13CHD、14CHD)、及びビスアミノヒドロキシフェニルヘキサフルオロプロパン(DBOH)などが例示される。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
(その他樹脂成分)
本基材フィルムを構成する各層が、ポリエステル及びポリイミド以外のその他の樹脂を主成分樹脂とするものであってもよい。その場合の主成分樹脂としては、例えば、エポキシ、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエステル系液晶ポリマー、トリアセチルセルロース、セルロース誘導体、ポリプロピレン、ポリアミド類、ポリシクロオレフィン類等を例示することができる。
(粒子)
本基材フィルムは、フィルム表面に易滑性を付与する目的及び各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を含有してもよい。
当該粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではない。例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機粒子、アクリル樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機粒子等を挙げることができる。これらは1種単独で用いても、これらのうちの2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
上記粒子の形状は、特に限定されるわけではない。例えば球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれであってもよい。
また、上記粒子の硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
上記粒子の平均粒径は、5μm以下であるのが好ましく、中でも0.01μm以上或いは3μm以下、その中でも0.5μm以上或いは2.5μm以下であるのがさらに好ましい。5μmを超える場合には、本基材フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において各種の硬化組成物からなる硬化樹脂層を形成させる場合等に不具合が生じる場合がある。
粒子含有量は、本基材フィルムの5質量%以下であるのが好ましく、中でも0.0003質量%以上或いは3質量%以下、その中でも0.01質量%以上或いは2質量%以下であるのがさらに好ましい。
粒子の平均粒径が上記範囲内であれば、本基材フィルムの表面粗度が粗過ぎることはないから、後工程において各種の硬化組成物からなる硬化樹脂層を形成させる場合等に生じる不具合を抑制することができる。
本基材フィルムに粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、ポリエステル等の原料樹脂を製造する任意の段階において添加することができる。ポリエステルである場合は、好ましくはエステル化もしくはエステル交換反応終了後、添加するのが良い。
(他の成分)
本基材フィルムには、必要に応じて、他の成分として、例えば従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料、紫外線吸収剤等を含有してもよい。
(厚み)
本基材フィルムの厚みは、必要十分な剛性と繰り返し折り曲げ性を得ることができる点から、例えば9μm~125μmであるのが好ましく、さらに好ましくは12μm以上或いは100μm以下、その中でも20μm以上或いは75μm以下であるのがさらに好ましい。
(製法)
本基材フィルムは、例えば樹脂組成物を溶融製膜方法や溶液製膜方法によりフィルム形状にすることにより形成することができる。多層構造の場合は、共押出してもよい。
また、一軸延伸又は二軸延伸したものであってもよく、剛性の点から、二軸延伸フィルムが好ましい。
(本基材フィルムの特性)
本基材フィルムの引張弾性率(JIS K 7161)は、必要十分な剛性と繰り返し折り曲げ性を得ることができる点から、2.0GPa以上であるのが好ましく、中でも9.0GPa以下、その中でも3.0GPa以上或いは8.0GPa以下、その中でも3.0GPa以上或いは7.0GPa以下であるのがさらに好ましい。
<硬化樹脂層(A)(B)>
本積層フィルムは、本基材フィルムの少なくとも片面側表面に、硬化樹脂層(A)を設け、その表面側にさらに硬化樹脂層(B)を設けてなる積層構成を備えている。
なお、架橋樹脂層とは、架橋樹脂構造を有する層を意味する。架橋樹脂構造を有しているか否かは、TOFSIMSやIRなどの装置を用いて結晶構造を分析して架橋樹脂構造の有無を判断することができる。但し、このような方法に限定するものではない。
(各層の弾性率)
これら硬化樹脂層(A)(B)はいずれも、硬化樹脂、言い換えれば架橋構造を有する樹脂を含有する層であり、硬化樹脂層(B)の弾性率よりも硬化樹脂層(A)の弾性率の方が低いことが好ましい。
さらに、微小硬度計測定(JIS Z 2255)により測定される弾性率に関し、硬化樹脂層(A)の弾性率と硬化樹脂層(B)の弾性率の差(硬化樹脂層(B)の弾性率-硬化樹脂層(A)の弾性率)が0(MPa)より大きく、220(MPa)より小さいことが好ましい。
本基材フィルムの少なくとも片面側表面に硬化樹脂層(B)だけが存在する場合は、当該積層フィルムに外力が加わった際に変形に耐えられず、積層フィルム表面に破壊が生じたり、不可逆的なクレーズが発生したりする。これに対し、硬化樹脂層(B)よりも硬化樹脂層(A)の方が、弾性率が低く、且つ、硬化樹脂層(A)の弾性率と硬化樹脂層(B)の弾性率の差が0(MPa)より大きく、220(MPa)より小さいことにより、応力集中を避けることが可能となり、更には、硬化樹脂層(A)が変形することによって外力を吸収することが出来る。そのため、優れた繰返し折曲げ特性を有する積層フィルムとすることができる。
中でも、硬化樹脂層(A)と硬化樹脂層(B)との前記弾性率の差は、折り曲げ性の観点から、50MPa以上であるのがさらに好ましく、中でも100MPa以上、その中でも特に150MPa以上であるのがさらに好ましい。その一方、表面硬度の観点から、当該差は210MPa以下であるのが好ましく、中でも200MPa以下、その中でも190MPa以下であるのがさらに好ましい。
また、微小硬度計測定(JIS Z 2255)により測定される弾性率に関し、硬化樹脂層(B)>硬化樹脂層(A)≧10MPaであるのが好ましい。
本基材フィルムの少なくとも片面側表面に硬化樹脂層(B)だけが存在する場合は、当該積層フィルムに外力が加わった際に変形に耐えられず、積層フィルム表面に破壊が生じたり、不可逆的なクレーズが発生したりする。これに対し、本積層フィルムは、硬化樹脂層(B)>硬化樹脂層(A)≧10MPaを満足する硬化樹脂層(A)が、硬化樹脂層(B)の下層として存在することにより、応力集中を避けることが可能となる。更には、硬化樹脂層(A)が変形することによって外力を吸収することが出来る。そのため、優れた繰返し折曲げ特性を有する積層フィルムとすることができる。
上記観点から、硬化樹脂層(A)の弾性率は、20MPa以上であるのがさらに好ましく、その中でも50MPa以上、その中でも特に100MPa以上であるのがさらに好ましい。一方、上限に関しては、495MPa以下であるのが好ましく、中でも400MPa以下、その中でも350MPa以下であるのがさらに好ましい。
他方、硬化樹脂層(B)の前記弾性率は、表面硬度の観点から、100MPa以上であるのが好ましく、その中でも200MPa以上、その中でも300MPa以上であるのがさらに好ましい。その一方、900MPa以下であるのが好ましく、その中で800MPa以下、その中でも700MPa以下であるのがさらに好ましい。
(各層の弾性率の調整方法)
硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)の弾性率は、各層の厚さ、粒子含有量、硬化性単量体の選択、硬化性単量体の組成比、架橋性単量体の含有割合、架橋密度(架橋点間の分子量)、各層を形成するベースポリマーの分子量乃至各層を形成する硬化樹脂組成物の分子量などを変更することで、調整することができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
なお、本発明において「ベースポリマー」とは、各層を構成する樹脂の中で最も質量割合の高い樹脂を示す。
(各層の厚さ)
硬化樹脂層(A)(B)それぞれの厚さを変更することで、硬化樹脂層(A)(B)の弾性率を調整することができるばかりか、表面硬度を向上させることができる。例えば、硬化樹脂層(A)の厚さよりも、硬化樹脂層(B)の厚さを大きくすることで、表面硬度を向上させることができる。
硬化樹脂層(A)の厚さは、硬化樹脂層(B)の厚さの10~300%であるのが好ましく、中でも20%以上或いは200%以下、その中でも30%以上或いは100%以下であるのがさらに好ましい。
上記関係を満足した上で、硬化樹脂層(A)層厚みは、1.0μm以上30.0μm以下であるのが好ましい。1.0μm以上であれば、例えば紫外線を照射して硬化樹脂層(A)を硬化させる際、酸素阻害等による硬化不足を防ぐことができる。一方、30.0μm以下であれば、本積層フィルムの表面平滑性を確保しやすくなり、透明性の確保が容易となる。かかる観点から、当該層厚みは、1.0μm以上30.0μm以下であるのが好ましく、中でも20.0μm以下、その中でも10.0μm以下、その中でも特に5.0μm以下であるのがさらに好ましい。
他方、硬化樹脂層(B)の層厚は、1.0μm以上30.0μm以下であるのが好ましく、さらに好ましくは20.0μm以下、その中でも10.0μm以下、その中でも特に5μm以下であるのがさらに好ましい。
なお、硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)の合計厚みは、折り曲げ性の観点から、20.0μm以下、好ましくは10.0μm以下、さらに好ましくは8.0μm以下、その中でも特に6.0μm以下、その中でも5.0μm以下であるのがよい。
(各層の粒子含有量)
また、硬化樹脂層(A)には粒子を含有させない一方、硬化樹脂層(B)には粒子を含有させたり、或いは、硬化樹脂層(A)の粒子含有量を、硬化樹脂層(B)のそれよりも少なくしたりして、硬化樹脂層(A)よりも硬化樹脂層(B)の弾性率が高くなるように調整することができる。
後者の具体例としては、硬化樹脂層(A)の粒子含有量を1質量%~20質量%とする一方、硬化樹脂層(B)の粒子含有量を20質量%~60質量%として、各層の弾性率を調整することができる。
この際、硬化樹脂層(A)の粒子含有量は1質量%以上、中でも2質量%以上、その中でも5質量%以上であるのがさらに好ましい一方、20質量%以下、中でも15質量%以下、その中でも10質量%以下であるのがさらに好ましい。
他方、硬化樹脂層(B)の粒子含有量は20質量%以上、中でも25質量%以上、その中でも30質量%以上であるのがさらに好ましい一方、60質量%以下、中でも55質量%以下、その中でも50質量%以下であるのがさらに好ましい
なお、硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)が含有する粒子の種類については後述する。
(各層の表面状態)
硬化樹脂層(A)の表面は、凹凸であっても平坦であってもよい。中でも、外観(表面光沢)の観点から、平坦であるのが好ましい。
他方、硬化樹脂層(B)の表面も、凹凸であっても平坦であってもよい。中でも、外観(表面光沢)の観点から、平坦であるのが好ましい。
(各層の光学特性)
硬化樹脂層(A)(B)はいずれも、光学用途を考慮すると、透明であるのが好ましい。
中でも、高度なレベルで視認性を良好とするために、硬化樹脂層(A)と硬化樹脂層(B)の屈折率差は0.15以下であるのが好ましい。
硬化樹脂層(A)と硬化樹脂層(B)の屈折率差が0.15以下であれば、視認性を高めることができる。具体的には、フィルム面に対して斜め45度の角度から目視した際、硬化樹脂層(A)由来の輪郭が見えにくくなる。
かかる観点から、硬化樹脂層(A)と硬化樹脂層(B)の屈折率差は0.15以下であるのが好ましく、中でも0.10以下、その中でも0.05以下であるのがさらに好ましい。屈折率差の下限は0である。
<<本積層フィルムの製造方法>>
硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)はいずれも、硬化性組成物、すなわち硬化させることができる性能を有する組成物を硬化させて形成することができる。
より具体的には、本基材フィルムの少なくとも片面側表面に、硬化性組成物を塗布し硬化させて硬化樹脂層(A)を形成した後、その上に、硬化性組成物を塗布し硬化させて硬化樹脂層(B)を形成するようにして、本積層フィルムを製造することができる。この際、硬化樹脂層(A)と硬化樹脂層(B)の硬化を同時に行うようにしてもよい。
また、硬化樹脂層(A)を形成した後、一旦、フィルムをロール状に巻き取った後、再度、フィルムを巻出して、硬化樹脂層(A)上に硬化性組成物を塗布し硬化させて硬化樹脂層(B)を形成するようにしてもよいし、基材フィルム表面に硬化樹脂層(A)を形成した後、連続して、硬化性組成物を塗布し硬化させて硬化樹脂層(B)を形成するようにしてもよい。本積層フィルムの製造方法はかかる方法に何ら限定するものではない。
<硬化性組成物>
硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)を形成するための硬化性組成物は、硬化性単量体のほか、必要に応じて、光重合開始剤、溶剤、粒子、架橋剤、その他の成分を含有するのが好ましい。以下、それぞれについて説明する。
硬化樹脂層(A)を形成するベースポリマーすなわち硬化性単量体の質量平均分子量乃至硬化樹脂層(A)を形成する硬化性樹脂組成物の質量平均分子量を、硬化樹脂層(B)を形成するベースポリマーすなわち硬化性単量体の質量平均分子量乃至硬化樹脂層(B)を形成する硬化性樹脂組成物の質量平均分子量よりも大きくすることにより、硬化樹脂層(A)よりも硬化樹脂層(B)の弾性率が高くなるように調整することができる。
中でも、硬化樹脂層(A)及び(B)の合計厚みを小さくしつつ、例えば硬化樹脂層(A)及び(B)の合計厚みを30μm以下、中でも20μm以下、その中でも10μm以下としつつ、表面硬度を維持して繰返し折曲げ特性を高めることができる観点から、硬化樹脂層(A)を形成するベースポリマーの質量平均分子量乃至硬化樹脂層(A)を形成する硬化性樹脂組成物の質量平均分子量を、硬化樹脂層(B)を形成するベースポリマーの質量平均分子量乃至硬化樹脂層(B)を形成する硬化性樹脂組成物の質量平均分子量よりも、1桁以上大きくする、すなわち10倍以上とすることにより、硬化樹脂層(A)よりも硬化樹脂層(B)の弾性率が高くなるように調整することもできる。
かかる観点から、硬化樹脂層(A)を形成するベースポリマーすなわち硬化性単量体の質量平均分子量乃至硬化樹脂層(A)を形成する硬化性樹脂組成物の質量平均分子量は1,000以上であるのが好ましく、中でも3,000以上、その中でも5,000以上であるのがさらに好ましい。その一方、500,000以下であるのが好ましく、中でも400,000以下、その中でも250,000以下であるのがさらに好ましい。
他方、硬化樹脂層(B)を形成するベースポリマーすなわち硬化性単量体の質量平均分子量乃至硬化樹脂層(B)を形成する硬化性樹脂組成物の質量平均分子量は100以上であるのが好ましく、中でも200以上、その中でも400以上であるのがさらに好ましい。その一方、500,000以下であるのが好ましく、中でも400,000以下、その中でも250,000以下であるのがさらに好ましい。
(硬化性単量体)
前記硬化性単量体は、硬化させることができる化合物であればよい。中でも、優れた表面硬度と繰り返し折り曲げ性を両立させる観点から、架橋性単量体、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類からなる群より選択される1種類以上を含有するものが好ましい。
その中でも、ハンドリング性、工業的な入手の容易さ、コストの観点から、架橋性単量体及び(メタ)アクリル酸エステル類の中から選択される少なくとも2種類以上からなる共混合物であるか、又は、メタクリル酸エステル類及びビニル系単量体の中から選択される少なくとも2種類以上からなる混合物であるのが好ましい。
上記のように、2種類の単量体(a/b)を用いる場合、配合比率(a/b)は、質量比で90/10~10/90の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、80/20~40/60の範囲、その中でも、70/30~40/60の範囲がよい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」という表現を用いた場合、「アクリル」と「メタクリル」の一方又は両方を意味するものとする。「(メタ)アクリレート」「(メタ)アクリロイル」についても同様である。また、「(ポリ)プロピレングリコール」は「プロピレングリコール」と「ポリプロピレングリコール」の一方又は両方を意味するものとする。「(ポリ)エチレングリコール」についても同様の意味をもつこととする。
これらの混合物の中から、硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)のそれぞれが、少なくとも前述した弾性率及び屈折率を満足できるように、各主成分を選択するのが好ましい。
中でも、硬化樹脂層(A)を形成するための硬化性組成物に用いる硬化性単量体は、前述した弾性率及び屈折率を満足できるように選択するのが好ましい。
他方、硬化樹脂層(B)を形成するための硬化性組成物に用いる硬化性単量体は、前述した弾性率及び屈折率を満足するように、選択するのが好ましい。
(架橋性単量体)
前記架橋性単量体は、一分子中に1つまたは2つ以上の重合性官能基を有する単量体のことを指す。
当該架橋性単量体としては、例えばアクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、1-アクリロキシ-3-ブテン、1-メタクリロキシ-3-ブテン、1,2-ジアクリロキシ-エタン、1,2-ジメタクリロキシ-エタン、1,2-ジアクリロキシ-プロパン、1,3-ジアクリロキシ-プロパン、1,4-ジアクリロキシ-ブタン、1,3-ジメタクリロキシ-プロパン、1,2-ジメタクリロキシ-プロパン、1,4-ジメタクリロキシ-ブタン、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、1.9-ノナンジオールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1.9-ノナンジオールジアクリレート、1,4-ペンタジエン、トリメチロールプロパントリアクリレートなどが例示される。
また、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、脂肪酸変性-グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、等のエチレン性不飽和基を1つ含有する(メタ)アクリレート系化合物;グリセリンジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイル-オキシプロピルメタクリレート等のエチレン性不飽和基を2つ含有する(メタ)アクリレート系化合物;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を3つ以上含有する(メタ)アクリレート系化合物がなどを挙げることができる。
ビニル基を有する架橋性単量体として、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグルシジル(メタ)アクリレート、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-p-ビニルベンジルグリシジルエーテルを例示することができ、その中ではo-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが例示される。これらは単独でも2種類以上を併用してもよい。
(アクリル酸エステル類)
上記アクリル酸エステル類としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec-ブチル、アクリル酸tert-ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n-ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ペンタデシル、アクリル酸ドデシルなどのアクリル酸非環状アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニルなどのアクリル酸環状アルキルエステル;アクリル酸フェニル、アクリル酸ナフチルなどのアクリル酸アリールエステル;アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-メトキシエチル、アクリル酸グリシジルなどの官能基含有アクリル酸非環状アルキルエステル等を例示することができる。
(メタクリル酸エステル類)
上記メタクリル酸エステル類としては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec-ブチル、メタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n-ヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ドデシルなどのメタクリル酸非環状アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニルなどのメタクリル酸環状アルキルエステル;メタクリル酸フェニルなどのメタクリル酸アリールエステル;メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-メトキシエチル、メタクリル酸グリシジルなどの官能基含有メタクリル酸非環状アルキルエステル等を例示することができる。これらは単独でも2種類以上を併用してもよい。
(光重合開始剤)
上記硬化性組成物を光硬化させる場合には、光重合開始剤を配合するのが好ましい。
当該光重合開始剤は、特に制限するものではなく、例えばケトン系光重合開始剤、アミン系光重合開始剤等を挙げることができる。具体的には、例えばベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-エチルアントラキノン、アセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-4’-イソプロピルプロピオフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、カンファーキノン、ベンズアントロン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4’-ジ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4’-トリ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’-テトラ(t-ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’-ジ(メトキシカルボニル)-4,4’-ジ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4’-ジ(メトキシカルボニル)-4,3’-ジ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’-ジ(メトキシカルボニル)-3,3’-ジ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-,2-(o-ベンゾイルオキシム)、2-(4’-メトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(3’,4’-ジメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(2’,4’-ジメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(2’-メトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4’-ペンチルオキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-[p-N,N-ジ(エトキシカルボニルメチル)]-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、1,3-ビス(トリクロロメチル)-5-(2’-クロロフェニル)-s-トリアジン、1,3-ビス(トリクロロメチル)-5-(4’-メトキシフェニル)-s-トリアジン、2-(p-ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2-(p-ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、3,3’-カルボニルビス(7-ジエチルアミノクマリン)、2-(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス(4-エトキシカルボニルフェニル)-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ビス(2,4-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ビス(2,4-ジブロモフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、3-(2-メチル-2-ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール、3,6-ビス(2-メチル-2-モルホリノプロピオニル)-9-n-ドデシルカルバゾール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、又は2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどを挙げることができる。これらの光重合開始剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
また、光硬化開始剤とともに、必要に応じて、増感剤を併用してもよい。増感剤の具体例として、n-ブチルアミン、トリエチルアミン、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル等の脂肪族アミン、芳香族アミン等を例示することができる。
光重合開始剤の含有量は、硬化性組成物100質量部に対して1~10質量部の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは1~5質量部の範囲がよい。
光重合開始剤の含有量が1質量部以上であることで、所望する重合開始効果が得られ、また、光重合開始剤の含有量が10質量部以下であることで、樹脂層の黄変を抑制することができる。光硬化開始剤及び増感剤は、光硬化性組成物の固形分基準として20質量%以下の割合で使用することが好ましい。
(溶剤)
前記の溶剤として、例えばメチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、アセトン等のケトン系溶媒;ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸アミル、酢酸プロピル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル等のエステル系溶媒;トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ヘキサン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の炭化水素系溶媒等の有機溶媒を例示することができる。これらの有機溶媒は単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
(粒子)
硬化性組成物には、滑り性やブロッキングの改良のため、さらには各層の弾性率を調整するため、所定量の粒子を含有させることができる。
当該粒子としては、例えばシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機粒子、アクリル樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機粒子等を挙げることができる。これらは1種単独で用いても、これらのうちの2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
上記粒子の形状は、特に限定されるわけではない。例えば球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれであってもよい。
また、上記粒子の硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
上記粒子の平均粒径は、大き過ぎると、表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において各種の硬化組成物からなる硬化樹脂層を形成させる場合等に不具合が生じる場合がある一方、小さ過ぎると、粒子を添加する効果が低減するため、5μm以下であるのが好ましく、中でも0.01μm以上或いは3μm以下、その中でも0.5μm以上或いは2.5μm以下であるのがさらに好ましい。
(架橋剤)
耐薬品性向上又は弾性率向上の観点からは、架橋剤を配合するのが好ましい。ここでいう架橋剤とは、前記の架橋性単量体以外のものを意味する。
当該架橋剤としては、例えばオキサゾリン化合物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン化合物、カルボジイミド化合物等を挙げることができる。中でも密着性向上の観点から、オキサゾリン化合物またはイソシアネート化合物の少なくとも1種を使用することがより好ましい。
(オキサゾリン化合物)
架橋剤に用いる上記オキサゾリン化合物とは、分子内にオキサゾリン基を有する化合物であり、特にオキサゾリン基を含有する重合体が好ましく、付加重合性オキサゾリン基含有モノマー単独もしくは他のモノマーとの重合によって作成することができる。
当該付加重合性オキサゾリン基含有モノマーとして、例えば2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-エチル-2-オキサゾリン等を挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。中でも2-イソプロペニル-2-オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。
上記の他のモノマーは、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば制限なく、例えばアルキル(メタ)アクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、2-エチルヘキシル基、シクロヘキシル基)等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等の不飽和カルボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、2-エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等のα-オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の含ハロゲンα,β-不飽和モノマー類;スチレン、α-メチルスチレン等のα,β-不飽和芳香族モノマー等を挙げることができ、これらの1種または2種以上のモノマーを使用することができる。
密着性向上の観点から、オキサゾリン化合物のオキサゾリン基量は、0.5~10mmol/gであるのが好ましく、中でも1mmol/g以上或いは9mmol/g以下、その中でも3mmol/g以上或いは8mmol/g以下、その中でも4mmol/g以上或いは6mmol/g以下であるのがさらに好ましい。
(イソシアネート化合物)
架橋剤に用いる上記イソシアネート化合物とは、例えばイソシアネート、あるいはブロックイソシアネートに代表されるイソシアネート誘導体構造を有する化合物のことである。
当該イソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族イソシアネート、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族イソシアネート等を例示することができる。また、これらイソシアネートのビュレット化物、イソシアヌレート化物、ウレトジオン化物、カルボジイミド変性体等の重合体や誘導体も挙げられる。これらは単独で用いても、複数種併用してもよい。上記イソシアネートの中でも、紫外線照射による黄変対策として、脂肪族イソシアネートまたは脂環族イソシアネートが好適である。
ブロックイソシアネートの状態で使用する場合、そのブロック剤としては、例えば重亜硫酸塩類、フェノール、クレゾール、エチルフェノールなどのフェノール系化合物、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ベンジルアルコール、メタノール、エタノールなどのアルコール系化合物、イソブタノイル酢酸メチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系化合物、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系化合物、ε‐カプロラクタム、δ‐バレロラクタムなどのラクタム系化合物、ジフェニルアニリン、アニリン、エチレンイミンなどのアミン系化合物、アセトアニリド、酢酸アミドの酸アミド化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物を挙げることができ、これらは単独でも2種以上の併用であってもよい。
イソシアネート系化合物は単体で用いてもよいし、各種ポリマーとの混合物や結合物として用いてもよい。イソシアネート系化合物の分散性や架橋性向上の点において、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂との混合物や結合物を使用することが好ましい。
(エポキシ化合物)
架橋剤に用いる上記エポキシ化合物とは、分子内にエポキシ基を有する化合物であり、例えばエピクロロヒドリンとエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ビスフェノールA等の水酸基やアミノ基との縮合物を挙げることができ、ポリエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物、グリシジルアミン化合物等を挙げることができる。
上記ポリエポキシ化合物としては、例えばソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアネート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジエポキシ化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、モノエポキシ化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルアミン化合物としてはN,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン等を挙げることができる。密着性向上の観点から、ポリエーテル系のエポキシ化合物が好ましい。また、エポキシ基の量としては、2官能より、3官能以上の多官能であるポリエポキシ化合物が好ましい。
(メラミン化合物)
架橋剤に用いる上記メラミン化合物とは、化合物中にメラミン骨格を有する化合物のことであり、例えばアルキロール化メラミン誘導体、アルキロール化メラミン誘導体にアルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、及びこれらの混合物を用いることができる。
エーテル化に用いるアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブタノール等が好適に用いられる。また、メラミン化合物としては、単量体、あるいは2量体以上の多量体のいずれであってもよく、あるいはこれらの混合物を用いてもよい。さらに、メラミンの一部に尿素等を共縮合したタイプ、メラミン化合物の反応性向上のために触媒を併用することもできる。
架橋剤の含有量は、良好な塗膜強度が得られる観点から、硬化性単量体100質量部に対して10質量部以上であるのが好ましく、中でも20質量部以上、その中でも25質量部以上であるのがさらに好ましい。他方、膜同士の良好な密着性が得られる観点からは、70質量部以下であるのが好ましく、中でも60質量部以下、その中でも40質量部以下の範囲であるのがさらに好ましい。
(カルボジイミド化合物)
架橋剤に用いる上記カルボジイミド化合物とは、カルボジイミド構造を有する化合物のことであり、分子内にカルボジイミド構造を1つ以上有する化合物である。より良好な密着性等のために、分子内に2つ以上有するポリカルボジイミド系化合物がより好ましい。
このカルボジイミド化合物は、従来公知の技術で合成することができ、一般的には、ジイソシアネート化合物の縮合反応が用いられる。当該ジイソシアネート化合物としては、特に限定されるものではなく、芳香族系、脂肪族系いずれも使用することができ、具体的には、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどを挙げることができる。
カルボジイミド化合物に含有されるカルボジイミド基の含有量は、カルボジイミド当量(カルボジイミド基1molを与えるためのカルボジイミド化合物の重さ[g])で、100~1000であるのが好ましく、中でも250以上或いは800以下、その中でも300以上或いは700以下であるのがさらに好ましい。上記範囲で使用することで、塗膜の耐久性が向上する。
(その他の成分)
(ポリオール系化合物)
ポリオール系化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、2,2-ジメチロールヘプタン、トリメチレングリコール、1,4-テトラメチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-テトラメチレンジオール、2-メチル-1,3-トリメチレンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタメチレンジオール、水添ビスフェノールA、ヒドロキシアルキル化ビスフェノールA、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、N,N-ビス-(2-ヒドロキシエチル)ジメチルヒダントイン等の低分子量のジオール;ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、(メタ)アクリル系ポリオール、ポリカプロラクトン系ポリオール、ポリシロキサン系ポリオール、ポリウレタン系ポリオール等の高分子量のポリオールが挙げられる。
ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等のオキシアルキレン構造含有ポリエーテル系ポリオールや、これらポリアルキレングリコールのランダム或いはブロック共重合体が挙げられる。
これらの中でも、オキシアルキレン構造含有ポリエーテル系ポリオールが好ましく、アルキレン構造の炭素数としては、好ましくは2~6、特に好ましくは2~4、更に好ましくは4である。
ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物;環状エステル(ラクトン)の開環重合物;多価アルコール、多価カルボン酸及び環状エステルの3種類の成分による反応物などが挙げられる。
上記多価アルコールとしては、前記の低分子量ジオール等が挙げられる。
上記多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
上記環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、β-メチル-δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトンなどが挙げられる。
ポリカーボネート系ポリオールとしては、例えば、多価アルコールとホスゲンとの反応物;炭酸エステルと多価アルコールとのエステル交換反応物などが挙げられる。
上記多価アルコールとしては、前記の低分子量ジオール等が挙げられ、上記アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ-n-プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート及びジフェニルカーボネートなどが挙げられる。
なお、ポリカーボネート系ポリオールは、分子内にカーボネート結合を有し、末端がヒドロキシル基である化合物であればよく、カーボネート結合とともにエステル結合を有していてもよい。
<硬化樹脂層(A)(B)を形成するための硬化性組成物>
硬化樹脂層(A)(B)を形成するための硬化性組成物の例として、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物とイソシアネート化合物との組み合わせ、あるいは水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物とイソシアネート化合物とポリオール系化合物との組み合わせにより得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物を挙げることができる。
また、アクリル酸エステル類とビニル基を有する架橋性単量体との組み合わせ、メタクリル酸エステル類とビニル基を有する架橋性単量体との組み合わせ、アクリル酸エステル類と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物との組み合わせ、メタクリル酸エステル類と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物との組み合わせなどを例示することができる。但し、これらに限定するものではない。
硬化樹脂層(A)(B)を形成するための硬化性組成物は、塗布性を良好とするためにE型粘度計で測定した25℃における粘度が10~60mPa・sであるのが好ましく、中でも30mPa・s以下、その中でも20mPa・s以下、その中でも15mPa・s以下、その中でも12mPa・s以下であるのがさらに好ましい。
<硬化樹脂層(A)の形成方法>
硬化樹脂層(A)は、例えばリバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート、インクジェット等、従来公知の塗布方式を用いて、硬化性組成物を塗布した後、光照射、例えば紫外線を照射して硬化させて形成するのが好ましい。
<硬化樹脂層(B)の形成方法>
硬化樹脂層(B)を設ける方法は、例えばリバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート、インクジェット等、従来公知の塗布方式を用いて、硬化性組成物を塗布した後、光照射、例えば紫外線を照射して硬化させて形成するのが好ましい。
<<本積層フィルムの物性>>
(鉛筆硬度)
上記構成を備えた本積層フィルムは、フィルムの表面硬度、具体的には、硬化樹脂層(B)表面の鉛筆硬度を2H以上とすることができ、中でも3H以上とすることができる。
(繰り返し折り曲げ性)
上記構成を備えた本積層フィルムは、本基材フィルムの表面に、硬化樹脂層(A)を設け、しかも、硬化樹脂層(A)の弾性率を硬化樹脂層(B)の弾性率よりも低く設定したことにより、実用的な繰り返し特性をさらに高めることができた。
よって、本積層フィルムは、繰り返し折り曲げ性評価(R=2.5の条件下)において20万回以上折り曲げても、クラックが生じない耐久性を得ることができる。
(フィルムヘーズ)
本積層フィルムは、光学用途への適用を想定する場合、フィルムヘーズが5.0%以下であるのが好ましく、中でも4.0%以下、その中でも特に3.0%以下であるのがさらに好ましい。
<<本積層フィルムの特徴及び用途>>
実施例及びこれまで発明者が行ってきた試験結果から、本積層フィルムを用いれば、高度なレベルで表面硬度(鉛筆硬度評価で例えば2H以上)と繰り返し折り曲げ性(R=2.5の条件下、20万回屈曲できること)との両立が可能であることが分かった。
一層目にあたる硬化樹脂層(A)と二層目の硬化樹脂層(B)の厚さを調整することにより、本積層フィルム屈曲時に加わる、硬化樹脂層(B)内への応力伝搬を低減することが可能になると推察される。そのため、従来法(単層構成による全面塗布処方)では、その使用が困難とされていたアクリル単量体から構成される樹脂成分も使用可能となり、積層フィルム設計時の自由度が増す利点を有する。さらに、硬化樹脂層(A)と硬化樹脂層(B)との二層構成とすることで、厚み方向への応力分散も期待できるため、さらなる屈曲耐久性の向上に寄与できることが推察される。
また、硬化樹脂層(A)の弾性率を、硬化樹脂層(B)の弾性率よりも低く設定することで、高度なレベルで表面硬度(鉛筆硬度評価で例えば2H以上)と繰り返し折り曲げ性(R=2.5の条件下、20万回屈曲できること)との両立が可能であることが分かった。これに対し、単純に前記のような二層構成とする(比較例3~比較例5)だけでは、所望するハードコート性と繰り返し折り曲げ性とを両立させるのが困難であることも分かった。
また、上記のような硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)からなる二層構成とすれば、使用する基材フィルムの引張弾性率を極端に大きくする必要がないことが分かった。
従来、表面硬度の高い表面層を有する、積層フィルムにおいて、目標とする表面硬度を所望するレベル(例えば2H以上など)に設計する際、必要に応じて、使用している基材フィルムを構成する原料の構造設計から見直して、引張弾性率をさらに大きくしなければならなかった。
これに対し、上記のような硬化樹脂層(A)と硬化樹脂層(B)との二層構成を用いれば、市場に流通している汎用の基材フィルムを適宜選択することも可能であり、基材フィルム選択の面で自由度が増す利点を有する。
本積層フィルムは、優れた表面硬度と、実用的な繰り返し折り曲げ性を備えており、さらには、透明性を得ることもできるから、表面保護用、ディスプレイ用、その中でも特に前面板用などの用途に用いることができる。例えば表面保護フィルム、中でもディスプレイ用の表面保護フィルム、その中でも、フレキシブルディスプレイ用の表面保護フィルムとして好適に用いることができる。但し、本積層フィルムの用途をこれらの用途に限定するものではない。
<<語句の説明>>
本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本発明において、「X~Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
本発明で用いた測定法及び評価方法は次のとおりである。
(1)硬化樹脂層の膜厚測定方法
各積層フィルムを、ガラス製スライドガラス上に東亜合成(株)製「アロンアルファシリーズ」を用いて、接着し、SAICS(サイカス)用サンプルとした。得られたSAICS用サンプルを、サイカス(ダイプラ・ウィンテス株式会社製 DN-01型)にセットして、あらかじめダイヤ刃先で、300μm幅、深さ1μmの切れ込みを入れた。切れ込みには、V角寸法80°、スクイ角5°、ニゲ角5°の単結晶ダイヤモンド刃を用いて行った。測定は前記あらかじめ300μm幅の切れ込みを入れたサンプルに、幅300μmのボラゾン切刃をセットして、任意の深さ、水平速度1μm/s、垂直速度0.5μm/sで、各硬化樹脂層の膜厚を測定した。測定には、刃幅寸法0.3mm、スクイ角20°、ニゲ角10°の窒化ホウ素製刃を使用した。垂直変位位置および切削力から材料強度を測定し各層の厚みを確認した。
(2)フィルムヘーズ(透明性)
JIS K 7136に準拠し、村上色彩技術研究所製ヘーズメーターHM-150を使用して、各積層フィルムのフィルムヘーズを測定した。
(判定基準)
A(good):5%以下
B(poor):5%より高い
(3)鉛筆硬度(ハードコート性)
JIS K 5600-5-4に準拠し、750g荷重条件で、鉛筆硬度試験機(安田精機社製)にて、鉛筆硬度の評価をした。その結果をもとに下記判定基準により判定した。
(判定基準)
A(good):鉛筆硬度が3H以上。
B(little good):鉛筆硬度が2H以上3H未満。
C(poor):鉛筆硬度が2H未満。
(4)繰り返し折り曲げ性
折り曲げ試験機(ユアサシステム機器(株)社製、DLDMLH-FS)を用いて、積層フィルムの硬化樹脂層側が外側表面となるように試験を行い、該外側表面における硬化樹脂層のクラック発生の有無を目視確認した。
そして、クラックが発生しない最小の半径(R)と共に繰り返し折り曲げ回数を測定し、その結果をもとに下記判定基準により判定した。
(判定基準)
A(good):R=2.5以下で且つ繰り返し折り曲げ回数が20万回可能。
B(little good):R=2.5を超えるか、または繰り返し折り曲げ回数が1万回以上20万回未満
C(poor):R=2.5を超えるか、または繰り返し折り曲げ回数が1万回未満。
(5)折り曲げ方向(In/Out)指定による評価
折り曲げ試験機(ユアサシステム機器(株)社製、DLDMLH-FS)を用いて、積層フィルムの硬化樹脂層側が内側表面(In)又は外側表面(Out)となるように試験を行い、内側表面(In)又は外側表面(Out)における硬化樹脂層のクラック発生の有無を目視確認した。
そして、クラックが発生しない最小の半径(R)を測定し、その結果をもとに下記判定基準により判定した。
(判定基準)
A(good):Out/In共にR=1.5以上2.0未満
B(little good):OutがR=2.0以上、R2.5未満
C(poor):OutがR=2.5以上
(6)硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)の弾性率
ダイナミック超微小硬度計(DUH-W201、島津製作所社製)を用いて、JIS Z 2255に準じて弾性率(MPa)を求めた。
この際、サンプル温度は25℃、試験力4mN、負荷速度0.7mN/S、保持時間5秒とした。
(7)硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)の屈折率
アッベ測定により、各層の屈折率を求めた。その結果をもとに下記判定基準により判定した。
(判定基準)
A(good):硬化樹脂層(A)と硬化樹脂層(B)との屈折率差が0.15以下。
B(poor):硬化樹脂層(A)と硬化樹脂層(B)との屈折率差が0.15を超えた。
(8)硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)の密着性
JIS K 5600-5-6に準拠し、クロスカット法(10×10の100マス)により、硬化樹脂層(A)と硬化樹脂層(B)との密着性の評価をした。その結果をもとに下記判定基準により判定した。
(判定基準)
A(good):全面密着性が良好(密着している面積:100%)
B(little good):部分的にはがれる。
(密着している面積:50%以上100%未満)
C(poor):部分的にはがれる、あるいは全面剥離が発生する。
(密着している面積:50%未満)
(9)総合評価
実施例及び比較例で得られた、各積層フィルムについて、下記判定基準により、判定を行った。
(判定基準)
A(good):透明性、ハードコート性、繰り返し折り曲げ性、折り曲げ方向性、硬化樹脂層(A)と硬化樹脂層(B)との屈折率差、硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)の密着性の各項目について、すべてがAである。
B(little good):透明性、ハードコート性、繰り返し折り曲げ性、折り曲げ方向性、硬化樹脂層(A)と硬化樹脂層(B)との屈折率差、硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)の密着性の各項目について、少なくとも一つがBであり、残りがAである。
C(poor):透明性、ハードコート性、繰り返し折り曲げ性、折り曲げ方向性、硬化樹脂層(A)と硬化樹脂層(B)との屈折率差、硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)の密着性の各項目について、少なくともハードコート性、繰り返し折り曲げ性及び折り曲げ方向性の何れか一つがCであり、残りがAまたはBである。
実施例及び比較例において使用した各種材料は、以下のようにして準備したものである。
<基材フィルムF1>
三菱ケミカル社製:ポリエチレンテレフタレート2軸延伸フィルム(製品名「ダイアホイルT612タイプ」)、厚み:50μm、引張弾性率(JIS K 7161)4.3GPa。
<基材フィルムF2>
帝人製:ポリエチレンナフタレート2軸延伸フィルム(グレード名「テオネックスW51」)、厚み:50μm、引張弾性率(JIS K 7161)6.4GPa。
<基材フィルムF3>
コーロン社製:ポリイミドフィルム(製品名「C50」)、厚み:50μm、引張弾性率(JIS K 7161)6.9GPa。
<アクリレート(A)>
撹拌機、還流冷却管及び温度計を取り付けた反応器に、グリシジルメタクリレート(三菱ケミカル社製「アクリエステルG」)98質量部、メチルメタクリレート(三菱ケミカル社製「アクリエステルM」)1質量部、エチルアクリレート(三菱ケミカル社製)1質量部、メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製「KBM803」)1.9質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)157.3質量部を仕込み、撹拌開始後に系内を窒素置換し、55℃に昇温した。ここへ、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(富士フィルム和光純薬工業社製「V-65」)1質量部を添加した後、系内を65℃まで昇温し、3時間撹拌した後、さらに、V-65を0.5質量部添加して65℃で3時間撹拌した。系内を100℃まで昇温し、30分間撹拌した後、p-メトキシフェノール(富士フィルム和光純薬工業社製)0.45質量部、PGM138.1質量部を加え、再度系内を100℃まで昇温した。次に、トリフェニルホスフィン(富士フィルム和光純薬工業社製)3.1質量部を添加した後、アクリル酸(三菱ケミカル社製)50.7質量部を加え、110℃まで昇温し6時間撹拌し、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート(A)の溶液を得た。なお、反応液の組成はX/PGM=30/70(質量比)であった。
[実施例1]
上記基材フィルムF2上に、下記のように調製した硬化性組成物aを、バーコーターで塗布厚さ(乾燥後)が2.0μmになるように、25℃で塗布し、90℃で1min加熱するようにして乾燥させた。
次に、硬化樹脂層(A)を被覆するように、下記のように調製した硬化性組成物bを、バーコーターで塗布厚さ(乾燥後)が3.0μmになるように塗布し、90℃で1min加熱するようにして乾燥させた後、積算光量で400mJ/cmの紫外線照射を施して硬化樹脂層(A)(B)を硬化させ、基材フィルムF2/硬化樹脂層(A)/硬化樹脂層(B)の積層構成からなる積層フィルムを得た。
(硬化性組成物a)
100質量部のアクリレート(A)に、5質量部の光重合開始剤を加えて硬化性組成物aを調製した。当該硬化性組成物aの質量平均分子量は15,000であり、硬化樹脂層(A)の屈折率は1.53であった。
(硬化性組成物b)
100質量部のウレタンアクリレート(三菱ケミカル株式会社製 紫光「UT-5670」)に、シリカ粒子(日産化学株式会社製 MEK-AC-2140Y)67質量部、光重合開始剤5質量部を加えて硬化性組成物bを調製した。当該硬化性組成物bの質量平均分子量は10,500であり、硬化樹脂層(B)の屈折率は1.50であった。
[実施例2]
実施例1において、硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)の厚みを変更した以外は、実施例1と同様にして製造し、積層フィルムを得た。
[実施例3]
実施例1において、硬化性組成物bを次の硬化性組成物b1に変更した以外は実施例1と同様にして製造し、積層フィルムを得た。
(硬化性組成物b1)
100質量部のアクリレート(A)に、アルミナ粒子(CIKナノテック株式会社製 ALTPGDA)67質量部、光重合開始剤5質量部を加えて硬化性組成物b1を調製した。当該硬化性組成物b1の質量平均分子量は15,000であり、硬化樹脂層(B)の屈折率は1.54であった。
[実施例4]
実施例1において、基材フィルムF2を上記基材フィルムF1に変更した以外は実施例1と同様にして製造し、積層フィルムを得た。
[実施例5]
実施例1において、基材フィルムF2を上記基材フィルムF3に変更した以外は実施例1と同様にして製造し、積層フィルムを得た。
[比較例1]
基材フィルムF2上に、実施例1同様、硬化性組成物aを、バーコーターで塗布厚さ(乾燥後)が5.0μmになるように25℃で塗布し、90℃で1min加熱するようにして乾燥させた後、積算光量で400mJ/cmの紫外線を照射して厚み(乾燥後)5.0μmの硬化樹脂層(A)を形成し、積層フィルムを得た。この際、硬化樹脂層(B)は形成しなかった。
[比較例2]
基材フィルムF2上に、実施例1同様、硬化性組成物bをバーコーターで塗布厚さ(乾燥後)が均等に5.0μmになるように塗布し、90℃で1min加熱するようにして乾燥させた後、積算光量で400mJ/cmの紫外線を照射して厚み(乾燥後)5.0μmの硬化樹脂層(B)を形成し、積層フィルムを得た。この際、硬化樹脂層(A)は形成しなかった。
[比較例3]
実施例1において、硬化性組成物aを次の硬化性組成物a1に変更し、硬化性組成物bを次の硬化性組成物b2に変更した以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(硬化性組成物a1)
100質量部のウレタンアクリレート(三菱ケミカル株式会社製紫光「UV-6640B」)に、5質量部の光重合開始剤を加えて硬化性組成物a1を調製した。当該硬化性組成物a1の質量平均分子量は5,000であり、硬化樹脂層(A)の屈折率は1.51であった。
(硬化性組成物b2)
100質量部のウレタンアクリレート(三菱ケミカル株式会社製 紫光「UV-1700B」)に、DPHA80質量部、光重合開始剤5質量部を加えて硬化性組成物b2を調製した。当該硬化性組成物b2の質量平均分子量は2,000であり、硬化樹脂層(B)の屈折率は1.51であった。
DPHA:東亜合成株式会社製アロニックス(aronix)M-404(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート/ジペンタエリスリトールペンタアクリレート)
[比較例4]
実施例1において、硬化性組成物a及び硬化性組成物bを塗布する順番を逆にした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
[比較例5]
実施例1において、硬化性組成物aを次の硬化性組成物a2に変更し、硬化性組成物bを次の硬化性組成物b3に変更した以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(硬化性組成物a2)
100質量部の上記DPHAに、6molEO変性DPHA100質量部、シリカ粒子(日産化学株式会社製 MEK-AC-2140Y)200質量部、光重合開始剤5質量部を加えて硬化性組成物a2を調製した。当該硬化性組成物a2の質量平均分子量は790であり、硬化樹脂層(A)の屈折率は1.50であった。
(硬化性組成物b3)
100質量部のウレタンアクリレート(三菱ケミカル株式会社製紫光「UV-7650B」)に、ペンタエリスリトールトリアクリレート100質量部、光重合開始剤5質量部を加えて硬化性組成物b3を調製した。当該硬化性組成物b3の質量平均分子量は2,300であり、硬化樹脂層(B)の屈折率は1.51であった。
[比較例6]
実施例1において、硬化性組成物aを次の硬化性組成物a3に変更し、硬化性組成物bを次の硬化性組成物b4に変更した以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(硬化性組成物a3)
100質量部の下記(メタ)アクリル重合体溶液に、下記ポリイソシアネート6質量部と、上記DPHA23質量部とを加えて硬化性組成物a3を調製した。当該硬化性組成物a3の質量平均分子量は15,000であり、硬化樹脂層(A)の屈折率は1.50であった。
((メタ)アクリル重合体溶液)
メチルイソブチルケトン283質量部、グリシジルメタアクリレート149質量部、メチルメタアクリレート276質量部、及びt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日本乳化剤株式会社製、商品名:パーブチルO)25質量部を合成して前駆体を得、これにアクリル酸76質量部を加えて合成して、(メタ)アクリル重合体のメチルイソブチルケトン溶液1000質量部(不揮発成分50.0質量%)を得た。
該(メタ)アクリル重合体の性状値は以下のようであった。
重量平均分子量(Mw):15,000、
固形分換算の理論アクリロイル基当量:478g/eq、
水酸基価:117mgKOH/g。
(ポリイソシアネート)
DIC株式会社製バーノックDN-950(アダクト(adduct)型ポリイソシアネート)
(硬化性組成物b4)
100質量部の下記(メタ)アクリル重合体溶液に、下記ポリイソシアネート6質量部と、上記DPHA8質量部とを加えて硬化性組成物b4を調製した。当該硬化性組成物b4の質量平均分子量は40,000であり、硬化樹脂層(B)の屈折率は1.52であった。
((メタ)アクリル重合体溶液)
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、メチルイソブチルケトン229質量部を仕込み、撹拌しながら系内温度が110℃になるまで昇温し、次いで、グリシジルメタアクリレート309質量部、メチルメタアクリレート34質量部、およびt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日本乳化剤株式会社製、製品名:パーブチルO)10質量部からなる混合液を3時間かけて滴下ロートより滴下した後、110℃で15時間保持した。次いで、90℃まで上記混合液の温度を下降した後、メトキノン0.1質量部、およびアクリル酸157質量部を仕込んだ後、トリフェニルホスフィン3質量部を添加し、100℃まで昇温して8時間保持した後にメチルイソブチルケトンで稀釈させて、(メタ)アクリル重合体(A1)のメチルイソブチルケトン溶液1000質量部(不揮発成分50.0質量%)を得た。
上記(メタ)アクリル重合体(A)の性状値は以下のようであった。
重量平均分子量(Mw):40,000、
固形分換算の理論アクリロイル基当量:230g/eq、
水酸基価:244mgKOH/g。
(ポリイソシアネート)
DIC株式会社製バーノック(Barnock)DN-980S(イソシアヌレート型ポリイソシアネート)
<評価結果>
上記実施例及び比較例で得られた、各積層フィルムの特性を下記表1に示す。
Figure 0007302656000001
Figure 0007302656000002
<考察>
上記実施例及びこれまで発明者が行ってきた試験結果から、基材フィルムの表面に、硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)が順次積層した構成を備えており、前記弾性率に関して、硬化樹脂層(B)>硬化樹脂層(A)であり、硬化樹脂層(A)の弾性率と硬化樹脂層(B)の弾性率の差((B)-(A))が0(MPa)より大きく、220(MPa)より小さいという特徴を有することにより、高度なレベルで表面硬度(鉛筆硬度評価で例えば2H以上)と、繰り返し折り曲げ性(R=2.5の条件下、20万回屈曲できること)との両立が可能であることが分かった。
これに対し、比較例3~比較例6のように二層構成とするだけでは、所望するハードコート性と繰り返し折り曲げ性とを両立させるのが困難であることも分かった。
このような差異が生じる要因は、硬化樹脂層(A)の弾性率と硬化樹脂層(B)の弾性率の差((B)-(A))が0(MPa)より大きく、220(MPa)より小さいことにより、積層フィルム屈曲時に加わる、硬化樹脂層(B)内への応力伝搬を低減することが可能となるほか、厚み方向への応力が分散され、屈曲耐久性の向上に寄与しているものと推察される。
この際、硬化樹脂層(A)(B)それぞれの厚さ及び組成、例えば粒子含有量を調整することにより、硬化樹脂層(A)(B)それぞれの弾性率を調整すればよいことを確認することができた。そのため、従来法(単層構成による全面塗布処方)では、その使用が困難とされていたアクリル単量体から構成される樹脂成分も使用可能となり、積層フィルム設計時の自由度が増す利点を有する。
なお、硬化樹脂層(A)の弾性率と硬化樹脂層(B)の弾性率の差((B)-(A))が0(MPa)より大きく、220(MPa)より小さくすれば、使用する基材フィルムの引張弾性率を極端に大きくする必要がないことも分かった。
従来、表面硬度の高い表面層を有する、積層フィルムにおいて、目標とする表面硬度を所望するレベル(例えば2H以上など)に設計する際、必要に応じて、使用している基材フィルムを構成する原料の構造設計から見直して、引張弾性率をさらに大きくしなければならなかった。
これに対し、前記硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)の二層構成とすれば、市場に流通している汎用の基材フィルムを適宜選択することも可能であり、基材フィルム選択の面で自由度が増す利点を有する。
上記実施例では、微小硬度計測定(JIS Z 2255)により測定される硬化樹脂層(A)の弾性率が330MPaの場合について検討している。例えば、粘着剤層など、極端に柔軟な層を除外する観点から、硬化樹脂層(A)の弾性率が10MPa以上であれば、それと同様の効果を得ることができると推察される。
本発明の積層フィルムは高度なレベルにおいて、ハードコート性(鉛筆硬度評価で例えば2H以上)及び繰り返し折り曲げ性(R=2.5の条件下、20万回屈曲できること)良好であり、各種表面保護用に対応可能である。その中でも特にフレキシブル性が必要とされるディスプレイ用部材(表面保護フィルムなど)などの光学用途に好適に利用することができる。




Claims (19)

  1. 基材フィルムの表面に、硬化樹脂層(A)及び硬化樹脂層(B)が順次積層した構成を備えており、
    微小硬度計測定(JIS Z 2255)により測定される弾性率に関し、硬化樹脂層(A)の弾性率が20MPa以上495MPa以下であり、硬化樹脂層(B)の弾性率が100MPa以上700MPa以下であり、硬化樹脂層(A)の弾性率よりも硬化樹脂層(B)の弾性率の方が大きく、かつ、硬化樹脂層(A)の弾性率と硬化樹脂層(B)の弾性率の差が0(MPa)より大きく、220(MPa)より小さく、
    硬化樹脂層(B)の層厚みが2.5μm以上30μm以下であり、硬化樹脂層(A)の厚みが硬化樹脂層(B)の厚みの30%以上100%以下であることを特徴とする、積層フィルム。
  2. 硬化樹脂層(B)表面の鉛筆硬度が2H以上である、請求項に記載の積層フィルム。
  3. 繰り返し折り曲げ性評価(R=2.5の条件下)において、20万回以上折り曲げ可能である、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. フィルムヘーズが5.0%以下である、請求項1~の何れかに記載の積層フィルム。
  5. 基材フィルムの引張弾性率(JIS K 7161)が2.0GPa以上である、請求項1~の何れかに記載の積層フィルム。
  6. 基材フィルムがポリエステルフィルムである、請求項1~の何れかに記載の積層フィルム。
  7. 基材フィルムがポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムである、請求項1~の何れかに記載の積層フィルム。
  8. 基材フィルムがポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムである、請求項1~の何れかに記載の積層フィルム。
  9. 基材フィルムがポリイミド(PI)フィルムである、請求項1~の何れかに記載の積層フィルム。
  10. 硬化樹脂層(A)と硬化樹脂層(B)の屈折率差が0.15以下である、請求項1~の何れかに記載の積層フィルム。
  11. 硬化樹脂層(A)と硬化樹脂層(B)の合計厚みが6.0μm以下である、請求項1~10の何れかに記載の積層フィルム。
  12. 硬化樹脂層(B)表面の鉛筆硬度が2H以上4H以下である、請求項1~11の何れかに記載の積層フィルム。
  13. 硬化樹脂層(B)よりも硬化樹脂層(A)の方が、屈折率が大きく、かつ、両者の屈折率差は0.15以下である、請求項1~12の何れかに記載の積層フィルム。
  14. 硬化樹脂層(A)を形成する硬化性単量体の質量平均分子量は、硬化樹脂層(B)を形成する硬化性単量体の質量平均分子量よりも大きい、請求項1~13の何れかに記載の積層フィルム。
  15. 硬化樹脂層(A)を形成する硬化性樹脂組成物の質量平均分子量は、硬化樹脂層(B)を形成する硬化性樹脂組成物の質量平均分子量よりも大きい、請求項1~14の何れかに記載の積層フィルム。
  16. 表面保護用である請求項1~15の何れかに記載の積層フィルム。
  17. ディスプレイ用である請求項1~15の何れかに記載の積層フィルム。
  18. 前面板用である、請求項1~15の何れかに記載の積層フィルム。
  19. 請求項1~15の何れかに記載の積層フィルムの製造方法であって、硬化樹脂層(A)は、硬化性組成物を基材フィルム上に塗布し硬化させて形成することを特徴とし、当該硬化性組成物は、質量平均分子量が1,000~500,000の範囲であることを特徴とする、積層フィルムの製造方法。
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