JP7301576B2 - 流体デバイス用部材およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、微細な流路を有する流体デバイスに用いられる流体デバイス用部材およびその製造方法に関する。
微細な流路を有するマイクロ流体デバイスを用いると、反応、抽出、分離、測定などの各種操作を、極めて少量の試料で短時間に行うことができる。マイクロ流体デバイスを構成する部材の材料としては、ガラスが一般的である。しかしながら、ガラス製の部材に微細な凹凸を形成するには、フォトリソグラフィおよびドライエッチングなどの工程が必要である。このため、部材の製造に時間がかかり生産性が低い。また、部材がガラス製の場合、焼却による廃棄ができないという問題もある。そこで、ガラスに代わる材料として、微細加工が容易であり、光透過性、耐薬品性に優れるという理由から、シリコーンが注目されている。
特開2006-181407号公報 特開2017-154036号公報 特開2004-151041号公報
顕微鏡を用いた光学検査などに用いられるマイクロ流体デバイスは、小型で薄い。このため、デバイスの材料としてシリコーンを用いると、その軟らかさ故に形状が保持しにくく取り扱いが難しい。加えて、シリコーンは粘着性を有する。よって、例えば顕微鏡の試料台にデバイスを設置する際、デバイスのすべり性が悪く試料台に貼り付いてしまうため、位置合わせしにくい。検査終了後においても、試料台との密着性が高いため、デバイスを取り外しにくい。また、試料台とデバイスとの間に気泡が入り込むと、それを取り除くことは難しいため、デバイスが微小変形して顕微鏡の焦点が合わなくなるおそれがある。
シリコーンの軟らかさだけが問題なのであれば、例えばシリコーンを硬くすることにより改善できるかもしれない。しかし、マイクロ流体デバイスには、凹部などの微細な流路パターンが形成される。このため、そのような流路パターンを有するシリコーン製の部材を成形する際、部材が硬すぎると成形後に成形型から部材を取り出せない、あるいは部材を取り出せても流路パターンが変形したり欠けたりするおそれがある。したがって、成形型からの離型性を考慮すると、シリコーンの硬さを大きくすることはできない。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、取り扱い性と成形型からの離型性とが共に優れるシリコーン製の流体デバイス用部材を提供することを課題とする。また、当該流体デバイス用部材の製造方法を提供することを課題とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の流体デバイス用部材は、シリコーン製の流体デバイス用部材であって、厚さ方向の二つの面のうち、凹部を有し流体が接触する側の面を第一面、該第一面と反対側の面を第二面として、該第二面の硬さは、該第一面の硬さよりも大きいことを特徴とする。
(2)本発明の流体デバイス用部材の第一の製造方法は、上記本発明の流体デバイス用部材の製造方法であって、第一の液状シリコーン材料を硬化する第一硬化工程と、該第一の液状シリコーン材料の硬化物の表面に、硬化後の硬さが該硬化物とは異なる第二の液状シリコーン材料を配置して、該第二の液状シリコーン材料を硬化する第二硬化工程と、を有することを特徴とする。
(3)本発明の流体デバイス用部材の第二の製造方法は、上記本発明の流体デバイス用部材の製造方法であって、第一の液状シリコーン材料を配置し、該第一の液状シリコーン材料の表面に、硬化後の硬さが該第一の液状シリコーン材料の硬化物とは異なる第二の液状シリコーン材料を配置する材料配置工程と、該第一の液状シリコーン材料および該第二の液状シリコーン材料を硬化する硬化工程と、を有することを特徴とする。
(1)本発明の流体デバイス用部材は、シリコーン製であり、凹部を有し流体が接触する側の第一面の硬さよりも、反対側の第二面の硬さが大きい。すなわち、流体デバイス用部材全体の硬さを大きくするのではなく、設置面となる第二面の硬さを大きくする。これにより、流体デバイス用部材の形状保持性が向上する。したがって、本発明の流体デバイス用部材は、シリコーン製であっても扱いやすい。
例えば、本発明の流体デバイス用部材を顕微鏡の試料台に設置する場合、第二面側を下にして試料台に載置する。第二面の硬さは大きいため、従来よりもすべり性が良くなり、位置合わせがしやすくなる。また、検査などの操作終了後においても、試料台から流体デバイス用部材を取り外しやすい。仮に、試料台と流体デバイス用部材との間に気泡が入り込んでも、流体デバイス用部材と試料台との密着力が小さいため、気泡を取り除くことはそれほど難しくない。
また、本発明の流体デバイス用部材においては、流路パターンが形成される第一面の硬さを大きくする必要はない。換言すると、流路パターンが形成される第一面は軟らかいままである。このため、流体デバイス用部材を成形型を用いて成形しても、成形型からの離型性が低下するおそれは少ない。このように、本発明の流体デバイス用部材によると、シリコーン材料の有用な特性を生かしたまま、取り扱い性と成形型からの離型性とを両立することができる。
また、第一面の硬さを大きくしないことにより、積層される相手部材の形状に合わせて第一面が変形しやすくなる。これにより、相手部材との密着性が向上し、流体デバイス用部材の剥離や、流路を流れる流体の漏れなどを抑制することができる。
ちなみに、上記特許文献3には、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)などのアクリル樹脂製の板状部材と、アクリル樹脂またはシリコーン樹脂製のシール部材と、を備えるバイオチップが記載されている。しかし、板状部材はアクリル樹脂製であり、バイオチップは、当該板状部材とシール部材とを接合して製造されるものであるため、シリコーン製の一体物ではない。また、特許文献3においては、板状部材およびシール部材の硬さに関する記載はない。
シリコーン製の部材は、ガラス製の部材と比較して、水に対する親和性が低い。このため、流路に親水性の液体を流す場合、流れ性の悪さから、所望の操作を正確に行えないおそれがある。また、部材上に形成された凹部に、捕捉したい成分が入りにくいという問題がある。したがって、シリコーン製の部材を用いる場合、流路に親水性を付与する処理を施すことがある(例えば、特許文献1、2参照)。
上述したように、シリコーン製の部材は、その軟らかさ故に取り扱い時(試料台への設置時、取り外し時など)に変形しやすい。したがって、シリコーン製の部材に表面処理を施して、親水性層などのバリア層を形成した場合、変形によりバリア層にクラックや割れが生じてしまい、所望の効果を発揮させることができないおそれがある。この点、本発明の流体デバイス用部材によると、形状保持性が高いため、取り扱い時に変形しにくい。したがって、流体が接触する第一面にバリア層を形成しても、バリア層にクラック、割れなどが生じにくい。したがって、バリア層の所望の効果を充分に発揮させることができる。
(2)本発明の第一の製造方法においては、硬化物の硬さが異なる二種類の液状シリコーン材料を使用して、まず第一の液状シリコーン材料を硬化させてから、それに重ねて第二の液状シリコーン材料を硬化させる。第二の液状シリコーン材料は硬化する際に、第一の液状シリコーン材料の硬化物と接着される。これにより、硬さの異なる二層が積層され一体化した流体デバイス用部材が製造される。本発明の第一の製造方法によると、硬化物の硬さが大きい液状シリコーン材料から第二面を有する層を成形することにより、第二面の硬さが第一面の硬さより大きい本発明の流体デバイス用部材を容易に製造することができる。
(3)本発明の第二の製造方法においては、硬化物の硬さが異なる二種類の液状シリコーン材料を使用して、まず第一の液状シリコーン材料を配置し、それに重ねて第二の液状シリコーン材料を配置した後、二つの液状シリコーン材料を同時に硬化させる。二つの液状シリコーン材料は、硬化しながら接着される。これにより、硬さの異なる二層が積層され一体化した流体デバイス用部材が製造される。本発明の第二の製造方法によると、硬化物の硬さが大きい液状シリコーン材料から第二面を有する層を成形することにより、第二面の硬さが第一面の硬さより大きい本発明の流体デバイス用部材を容易に製造することができる。また、本発明の第二の製造方法においては、第一の液状シリコーン材料と第二の液状シリコーン材料が、互いに液の状態で重ねて配置される。硬化する際に界面で二つの材料が混ざり合うことにより、二層間の接着性が向上し一体性を高めることができる。
第一実施形態の流体デバイス用部材を備える流体デバイスの透過上面図である。 同流体デバイスのII-II断面図である。 同流体デバイスのIII-III断面図である。 第二実施形態の流体デバイス用部材を備える流体デバイスの厚さ方向断面図である。 第三実施形態の流体デバイス用部材を備える流体デバイスの厚さ方向断面図である。 同流体デバイス部材の製造における改質工程の概略図である。 同流体デバイス部材の製造における疎水性層形成工程の概略図である。 同流体デバイス部材の製造における親水性層形成工程の概略図である。 同流体デバイスの製造における積層工程の概略図である。
以下、本発明の流体デバイス用部材およびその製造方法の実施の形態を説明する。
<第一実施形態>
[流体デバイス用部材の構成]
まず、第一実施形態の流体デバイス用部材の構成を説明する。図1に、本実施形態の流体デバイス用部材を備える流体デバイスの透過上面図を示す。図2に、同流体デバイスのII-II断面図を示す。図3に、同流体デバイスのIII-III断面図を示す。本実施形態において、流体デバイス用部材は、流体デバイスの下側部材として具現化されている。以下の図においては、上下方向が流体デバイスの厚さ方向に対応している。
図1~図3に示すように、流体デバイス1は、上側部材10と、下側部材20と、を有している。上側部材10と下側部材20とは上下方向に積層されている。上側部材10と下側部材20との間には、流路11が区画されている。
上側部材10は、本体部12と、親水性層13と、を有している。本体部12は、シリコーンゴム(PDMS)製であり、長方形板状を呈している。本体部12の下面には、上側凹部14が形成されている。本体部12の前端部中央には、本体部12を上下方向に貫通する導入孔15が穿設されている。流路11の上流端は、導入孔15と連通している。流路11の下流端には、後面に開口する排出口16が配置されている。親水性層13は、導入孔15の内周面を含めて本体部12の下面全体に配置されている。親水性層13は、有機成分を含むケイ素酸化物膜である。
下側部材20は、シリコーンゴム製であり、長方形板状を呈している。下側部材20の厚さは500μmである。下側部材20は、第一層21と、第二層22と、を有している。第一層21と第二層22とは、上下方向(厚さ方向)に積層されている。第一層21および第二層22の厚さは、共に250μmである。
上側の第一層21は、低硬度のシリコーンゴムからなる。第一層21は、流路11を流れる流体が接触する上面210を有している。上面210のタイプAデュロメータ硬さはA31である。上面210の中央付近には、7本の溝状の下側凹部23が形成されている。下側凹部23は、各々、左右方向に延びる直線状を呈している。下側凹部23は、各々、前後方向に所定の間隔で離間して平行に配置されている。下側凹部23の上下方向断面は矩形状を呈している。下側凹部23は、流路11の一部を構成しており、流路11を流れる流体の一部を捕捉する。
下側の第二層22は、高硬度のシリコーンゴムからなる。第二層22は、設置面としての下面220を有している。下面220のタイプAデュロメータ硬さはA70である。下面220の硬さは、上面210の硬さよりも大きい。本実施形態においては、第一層21の硬さがそのまま上面210の硬さになり、第二層22の硬さがそのまま下面220の硬さになる。よって、下側の第二層22の硬さは、上側の第一層21の硬さよりも大きい。また、上面210の硬さおよび下面220の硬さの平均値はA50.5である。第二層22の硬さはA70であるため、下面220から上面210に向かって、硬さがA50.5以上である硬質層の厚さは、下側部材20の全体の厚さの50%である。上面210と下面220とは、下側部材20の上下方向(厚さ方向)の二つの面であり、上面210は、本発明における第一面の概念に含まれ、下面220は、本発明における第二面の概念に含まれる。
[流体デバイス用部材の製造方法]
次に、流体デバイス1の製造方法を説明する。はじめに、二種類の液状シリコーン材料を使用して下側部材20を製造する。まず、第二層22を形成するための液状シリコーン材料(高硬度液状シリコーンゴムポリマーを含む)を成形型に配置してプレス成形する(第一硬化工程)。続いて、第一層21を形成するための液状シリコーン材料(低硬度液状シリコーンゴムポリマーを含む)を、成形された第二層の上に配置してプレス成形する(第二硬化工程)。得られた成形物を、乾燥炉に入れ乾燥させて、下側部材20を製造する。ここで、第二層22を形成するための液状シリコーン材料は、本発明における第一の液状シリコーン材料の概念に含まれる。第一層21を形成するための液状シリコーン材料は、本発明における第二の液状シリコーン材料の概念に含まれる。
次に、上側部材10を以下のようにして製造する。所定の形状に成形した本体部12の下面全体に、テトラエトキシシラン(TEOS)ガスを含む雰囲気中でマイクロ波プラズマを照射して、有機成分を含むケイ素酸化物膜(親水性層13)を形成する。そして、下側部材20の第一層21側に上側部材10を重ね合わせて、前出図1~図3に示す流体デバイス1が製造される。
[作用効果]
次に、本実施形態の流体デバイス用部材およびその製造方法の作用効果を説明する。本実施形態において、下側部材20の下面220の硬さはA70であり、上面210の硬さよりも大きい。このため、下側部材20は形状保持性に優れ、シリコーンゴム製であっても扱いやすい。例えば、流体デバイス1を下面220を下にして顕微鏡の試料台に設置すると、従来よりもすべり性が向上しているため、位置合わせがしやすい。また、検査などの操作終了後においても、試料台から流体デバイス1を取り外しやすい。仮に、試料台と下面220との間に気泡が入り込んでも、試料台との密着力が小さいため、気泡を取り除くことはそれほど難しくない。また、下側部材20によると、下面220から上面210に向かって、硬さがA50.5以上である硬質層の厚さは、下側部材20の全体の厚さの50%である。このため、下側部材20の剛性は大きく、形状保持性に優れる。
一方、下側部材20の上面210の硬さはA31であり、上面210は下面220よりも軟らかい。このため、成形する際、成形型からの離型性は良好である。このように、下側部材20においては、シリコーンゴムの有用な特性を生かしたまま、取り扱い性と成形型からの離型性とが両立されている。また、上面210が比較的軟らかいため、上側部材10に対する密着性が高い。このため、上側部材10と下側部材20とが剥離しにくく、流路11を流れる流体の漏れなども抑制することができる。また、本実施形態の製造方法によると、下面220の硬さが上面210の硬さより大きい下側部材20を容易に製造することができる。
本実施形態の流体デバイス1において、導入孔15から注入された流体は、流路11を流れて排出口16から排出される。上側部材10において、流路11を区画する本体部12の下面全体には親水性層13が配置される。このため、例えば、有機溶媒に粒子が分散されている疎水性のサンプル液を流体デバイス1に流した場合、上側部材10に疎水性のサンプル液が付着、残留しにくい。したがって、サンプル液中の所望の粒子を下側凹部23に漏れなく捕捉することができる。
<第二実施形態>
第一実施形態の流体デバイスと、本実施形態の流体デバイスと、の相違点は、下側部材(流体デバイス用部材)の構成とその製造方法である。よって、ここでは主に相違点を説明する。
[流体デバイス用部材の構成]
図4に、本実施形態の流体デバイス用部材を備える流体デバイスの厚さ方向の断面図を示す。図4は、図2と対応しており、図2と同じ部位については同じ符号で示す。図4に示すように、流体デバイス1は、上側部材10と、下側部材30と、を有している。上側部材10と下側部材30とは上下方向に積層されている。上側部材10と下側部材30との間には、流路11が区画されている。
下側部材30は、シリコーンゴム製であり、長方形板状を呈している。下側部材30の厚さは500μmである。下側部材30は、第一層31と、第二層32と、中間層33と、を有している。第一層31と第二層32とは上下方向(厚さ方向)に積層されており、中間層33は第一層31と第二層32との間に介在している。
上側の第一層31は、低硬度のシリコーンゴムからなる。第一層31は、流路11を流れる流体が接触する上面310を有している。上面310のタイプAデュロメータ硬さはA31である。上面310の中央付近には、7本の溝状の下側凹部34が形成されている。下側凹部34の形状、配置形態は、第一実施形態と同じである。
下側の第二層32は、高硬度のシリコーンゴムからなる。第二層32は、設置面としての下面320を有している。下面320のタイプAデュロメータ硬さはA70である。下面320の硬さは、上面310の硬さよりも大きい。本実施形態においても、第一層31の硬さがそのまま上面310の硬さになり、第二層32の硬さがそのまま下面320の硬さになる。よって、下側の第二層32の硬さは、上側の第一層31の硬さよりも大きい。
中間層33の硬さは、下面320から上面310に向かう方向に漸次小さくなっている。上面310の硬さおよび下面320の硬さの平均値はA50.5である。下面320から上面310に向かって、硬さがA50.5以上である硬質層の厚さは、下側部材30の全体の厚さの60%である。上面310と下面320とは、下側部材30の上下方向(厚さ方向)の二つの面であり、上面310は、本発明における第一面の概念に含まれ、下面320は、本発明における第二面の概念に含まれる。
[流体デバイス用部材の製造方法]
上記第一実施形態と同様に、二種類の液状シリコーン材料を使用して下側部材30を製造する。まず、第二層32を形成するための液状シリコーン材料(高硬度液状シリコーンゴムポリマーを含む)を成形型に配置する。続いて、第一層31を形成するための液状シリコーン材料(低硬度液状シリコーンゴムポリマーを含む)を第二層の上に配置する(材料配置工程)。そして、プレス成形することにより、二種類の液状シリコーン材料を同時に硬化する(硬化工程)。得られた成形物を、乾燥炉に入れ乾燥させて、下側部材30を製造する。ここで、第二層32を形成するための液状シリコーン材料は、本発明における第一の液状シリコーン材料の概念に含まれる。第一層31を形成するための液状シリコーン材料は、本発明における第二の液状シリコーン材料の概念に含まれる。最後に、第一実施形態と同様にして製造された上側部材10を、下側部材30の第一層31側に重ね合わせて、前出図4に示す流体デバイス1が製造される。
[作用効果]
本実施形態の流体デバイス用部材およびその製造方法と、第一実施形態のそれとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態の下側部材30は、中間層33を有する。中間層33の硬さは、下面320から上面310に向かう方向に漸次小さくなっている。中間層33は、二種類の液状シリコーン材料が混じり合って形成される。よって、第一層31と第二層32との接着性は高い。上面310の硬さおよび下面320の硬さの平均値はA50.5である。下面320から上面310に向かって、硬さがA50.5以上である硬質層の厚さは、下側部材30の全体の厚さの60%である。このため、下側部材30の剛性は大きく、形状保持性に優れる。本実施形態の製造方法によると、二種類の液状シリコーン材料が硬化する際、界面で混ざり合う。これにより、中間層33を有する下側部材30を容易に製造することができる。
<第三実施形態>
第一実施形態の流体デバイスと、本実施形態の流体デバイスと、の相違点は、下側部材(流体デバイス用部材)がバリア層を有する点である。よって、ここでは主に相違点を説明する。
[流体デバイス用部材の構成]
図5に、本実施形態の流体デバイス用部材を備える流体デバイスの厚さ方向の断面図を示す。図5は、図2と対応しており、図2と同じ部位については同じ符号で示す。図5に示すように、流体デバイス1は、上側部材10と、下側部材40と、を有している。上側部材10と下側部材40とは上下方向に積層されている。上側部材10と下側部材40との間には、流路11が区画されている。
下側部材40は、第一実施形態と同じ第一層21および第二層22に加えて、疎水性層41と、親水性層42と、を有している。第一層21の上面210は、上側部材10との間に流路11を区画する流路区画部211を有している。流路区画部211は、流路11を流れる流体の一部を捕捉する下側凹部23と、それ以外の流路部24と、からなる。
疎水性層41は、下側凹部23を含む第一層21の上面210全体に配置されている。疎水性層41は、フッ化炭素膜である。親水性層42は、下側凹部23を除く領域において疎水性層41の上面を覆うように配置されている。親水性層42は、ケイ素酸化物膜である。これにより、流路区画部211の下側凹部23の表面は疎水性層41により被覆され、流路部24の表面は疎水性層41および親水性層42により被覆されている。流路部24の最表層は、親水性層42である。疎水性層41および親水性層42は、本発明におけるバリア層の概念に含まれる。
[流体デバイス用部材の製造方法]
まず、第一実施形態と同様にして、第一層21と第二層22との積層体(第一実施形態における下側部材20に相当)を製造する。次に、第一層21の上面210に、疎水性層41と親水性層42とを形成する。図6に、下側部材(流体デバイス用部材)の製造における改質工程を示す。図7に、下側部材の製造における疎水性層形成工程を示す。図8に、下側部材の製造における親水性層形成工程を示す。図9に、上側部材と下側部材との積層工程を示す。
図6に示すように、改質工程においては、アルゴンガス雰囲気中で上面210にマイクロ波プラズマPを照射して、改質処理を行う。改質処理により、上面210に水酸基が付与される。図7に示すように、疎水性層形成工程においては、改質処理された上面210に、フッ化炭素ガスを含む雰囲気中でマイクロ波プラズマPを照射して、フッ化炭素膜を形成する。これにより、下側凹部23を含む上面210全体に疎水性層41が形成される。図8に示すように、親水性層形成工程においては、第一層21と第二層22との積層体を反転させて、疎水性層41側をスタンプ部材50に押しつける。スタンプ部材50には、予めポリシラザンを含む試薬(ポリシラザン液)500が含浸されている。これにより、下側凹部23以外の疎水性層41の表面に、試薬500が付着する。その後、付着した試薬500を乾燥させて、下側凹部23以外の疎水性層41の表面に、親水性層42としてのケイ素酸化物膜を形成する。このようにして、後出の図9に示すように、第一層21の上面210に疎水性層41と親水性層42とを有する下側部材40が製造される。最後に、図9中、白抜き矢印で示すように、積層工程において、第一実施形態と同様にして製造された上側部材10を、下側部材40に重ね合わせて、前出図5に示す流体デバイス1が製造される。
[作用効果]
本実施形態の流体デバイス用部材およびその製造方法と、第一実施形態のそれとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態の下側部材40は、上面210に、疎水性層41および親水性層42を有する。例えば、有機溶媒に粒子が分散されている疎水性のサンプル液を流体デバイス1に流した場合、サンプル液と下側部材40の上面210との直接的な接触は、疎水性層41および親水性層42により回避される。このため、上面210にサンプル液が染み込みにくく、第一層21の膨潤が抑制される。したがって、第一層21の変形が抑制され、下側凹部23の大きさが変化しにくい。また、下側凹部23は疎水性層41で被覆され、流路部24の最表層は親水性層42である。さらに、流路11を区画する上側部材10の本体部12の下面全体にも親水性層13が配置される。流路11における下側凹部23以外の部分は全て親水性を有するため、下側凹部23以外の部分に疎水性のサンプル液が付着、残留しにくい。したがって、サンプル液中の所望の粒子を下側凹部23に漏れなく捕捉することができる。
本実施形態の製造方法においては、疎水性層41を、マイクロ波プラズマを用いたプラズマCVD法により形成した。マイクロ波プラズマを用いると、成膜速度が大きいため生産性が高い。また、第一層21へのプラズマダメージも少ない。また、親水性層42を形成する際に、ポリシラザン液を疎水性層41の表面に転写させる転写法を採用した。これにより、下側凹部23以外の部分に容易に親水性層42を形成することができる。このように、本実施形態の製造方法によると、下側凹部23の全体が疎水性層41で被覆され、流路部24が疎水性層41および親水性層42で被覆され、流路部24の最表層が親水性層42である形態の下側部材40を、容易に製造することができる。
<その他の形態>
以上、本発明の流体デバイス用部材およびその製造方法の実施の形態を示したが、本発明の流体デバイス用部材を備える流体デバイスの構成は、上記形態に限定されない。例えば、本発明の流体デバイス用部材に積層される相手部材の材質は、PDMSなどのシリコーンの他、フッ素樹脂、ガラスなどでもよい。相手部材の形状、大きさなども何ら限定されない。本発明の流体デバイス用部材と相手部材とは、単に積層させるだけでもよいが、接着剤などを用いて接着してもよい。
また、本発明の流体デバイス用部材およびその製造方法は、上記形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良などを施した種々の形態にて実施することができる。次に、本発明の流体デバイス用部材およびその製造方法について詳しく説明する。
[流体デバイス用部材]
流体デバイス用部材は、シリコーン製である。本明細書において「シリコーン」とは、シリコーン樹脂およびシリコーンゴムの両方を含む概念である。流体デバイス用部材を製造するためのシリコーン材料は、白金などの触媒、硬化剤などを適宜含んでいてもよい。例えば、白金触媒を使用すると、シリコーン材料の硬化温度を低下させることができる。白金触媒の含有量は、硬化温度、硬化速度、流体デバイス用部材の光学特性などを考慮して適宜決定すればよい。例えば白金触媒の含有量が多いと、硬化温度は低下するが、ポットライフが短くなる、ヘイズ(濁度)が大きくなり光学特性が低下する、コストが高くなるなどの問題がある。
流体デバイス用部材の厚さは、用途により適宜決定すればよい。例えば、顕微鏡を用いた光学検査などに用いる場合には、1mm以下、750μm以下、さらには500μm以下であることが望ましい。
流体デバイス用部材は、凹部を有し流体が接触する第一面と、厚さ方向において該第一面と反対側に配置される第二面と、を有する。第二面の硬さは、第一面の硬さよりも大きければよい。本明細書においては、二つの面の硬さとしてタイプAデュロメータ硬さを採用する。例えば、測定対象の面を有する層(第一層または第二層)を形成している材料の硬さを、当該面の硬さとして採用することができる。この場合、層の形成材料から50mm角、厚さ6.0mmの試験片を作製し、作製した試験片のタイプAデュロメータ硬さを、JIS K6253-3:2012に準じて測定する。また、測定対象の面のマルテンス硬度を測定し、測定されたマルテンス硬度とデュロメータ硬さとの硬度換算表に基づいて、タイプAデュロメータ硬さを算出してもよい。マルテンス硬度については、ユニバーサル硬度計(ヘルムート・フィッシャー社製「フィッシャースコープH100」を用い、表面から5mN/30秒の定荷重にて触針を押し込み測定する。
例えば、第一面のタイプAデュロメータ硬さは、A30以上A65以下であることが望ましい。第一面の硬さがA30未満の場合には、軟らかすぎて凹部の形状が保持しにくくなったり、べたついたりする。好適な硬さは、A40より大きい、あるいはA45以上である。反対に、第一面の硬さがA65を超えると、硬くなるため、成形型から離型する際に凹部が欠けたり変形するおそれがある。好適な硬さは、A60以下である。第二面のタイプAデュロメータ硬さは、A60以上A90以下であることが望ましい。第二面の硬さがA60未満の場合には、軟らかいため取り扱い性が向上しにくい。好適な硬さは、A65以上である。反対に、第一面の硬さがA90を超えると、硬くなり過ぎるため端部が破損しやすい。また、A90を超えるシリコーンを製造する場合、高価なシリコーンポリマーを添加したり、シリカなどの無機粒子を添加する必要が生じるため、コスト高になり、透明性が低下するおそれもある。好適な硬さは、A85以下である。
流体デバイス用部材は、硬さが異なる第一面と第二面とを有すれば、厚さ方向における構成は特に限定されない。例えば、第一実施形態のように、第一面を有する第一層と、第二面を有する第二層と、の積層体でもよく、二層の間にさらに一つ以上の層が介在していてもよい。二層の間に介在する層としては、厚さ方向に硬さが変わらない層でも、硬さが変わる層でもよい。後者の場合には、第二実施形態のように、第二面から第一面に向かう方向に硬さが漸次小さくなる中間層にすることができる。また、一つの材料から製造され、第一面の硬さと第二面の硬さのみが異なる一体物であってもよい。あるいは、一つの材料から製造され、第二面から第一面に向かう方向に硬さが漸次小さくなる構成にしてもよい。流体デバイス用部材の厚さ方向における構成は、例えば原子間力顕微鏡(AFM)により測定することができる。
流体デバイス用部材の剛性を大きくして、形状保持性を高めるという観点から、流体デバイス用部材においては、第一面の硬さおよび第二面の硬さの平均値を平均硬さとした場合に、該平均硬さ以上の硬さを有する硬質層の割合が大きい方がよい。例えば、第二面を起点とする硬質層の厚さは、全体の厚さの40%以上、さらには50%以上であることが望ましい。一方、成形型からの離型性、相手部材との密着性などを考慮すると、第二面を起点とする硬質層の厚さは、90%以下であることが望ましい。
流体デバイス用部材の第一面に形成される凹部の大きさ、形状、配置形態は、特に限定されない。例えば、凹部は、溝状でも窪み状でもよい。凹部の深さ方向の断面は、正方形、長方形、台形などの矩形状、半円、楕円などの曲面状、V字状などであればよい。流体デバイス用部材の凹部を含む領域は、流体が流れる流路、または流路の一部になる。流路を流れる流体は、疎水性でも親水性でもよい。第一面の少なくとも一部、具体的には、凹部を含む領域を流路区画部とした場合に、当該流路区画部の少なくとも一部は、親水性または疎水性を有するバリア層を有する形態が望ましい。例えば第三実施形態のように、流路区画部が凹部とそれ以外の流路部とから構成される場合、バリア層は、凹部のみ、流路部のみ、凹部および流路部の全体または一部に配置すればよい。バリア層は、配置する場所に応じて、親水性と疎水性とを変えてもよい。バリア層は、親水性層または疎水性層の一層でも、これらの積層体であってもよい。バリア層は、改質により形成されたものでもよく、成膜されたものでもよい。
例えば、凹部に親水性のバリア層を配置すると、親水性の液体を流した場合の凹部における流れ性が向上する。この場合、凹部以外の流路部はシリコーンが表出しており水との親和性が低いため、親水性を有する凹部に捕捉したい成分を確実に捕捉することができる。これにより、試料のロスを少なくし、分析精度を向上させることができる。他方、凹部に疎水性のバリア層を配置すると、オイル、有機溶剤などの疎水性の液体を流した場合に、当該液体と第一面との直接的な接触がバリア層により回避され、当該液体の流体デバイス用部材への染み込みが抑制される。これにより、流体デバイス用部材の膨潤が抑制され、凹部の大きさが変化するおそれが少なくなる。加えて、凹部以外の流路部に親水性のバリア層を配置すると、流路部に疎水性の流体が残留しにくくなるため、疎水性の流体に含まれる捕捉対象物を流路部に付着させることなく、凹部に漏れなく捕捉することができる。
このように、バリア層を配置することにより、用途に応じて分析精度や回収率などを向上させることができる。本明細書においては、JIS R3257:1999に準じて測定された水接触角が80°未満の場合を親水性、80°以上の場合を疎水性と定義する。
[流体デバイス用部材の製造方法]
本発明の流体デバイス用部材の製造方法は、特に限定されない。例えば、一種類のシリコーン材料を使用して成形物を製造した後、第二面側から紫外線などの電磁波を照射して、第二面側のみを追加で硬化させることにより、第二面の硬さを第一面の硬さより大きくしてもよい。これ以外の好適な製造方法を、以下に説明する。
(1)本発明の流体デバイス用部材の第一の製造方法は、第一硬化工程と、第二硬化工程と、を有する。以下に、各工程を説明する。
(a)第一硬化工程
本工程は、第一の液状シリコーン材料を硬化する工程である。第一の液状シリコーン材料は、第一面を有する第一層、第二面を有する第二層のどちらかを形成するものであればよい。液状シリコーン材料は、シリコーンポリマーの他、硬化剤、触媒などを含むものである。上述したように、例えば白金触媒を使用した場合には、硬化温度を低くすることができる。具体的には、100℃以下の温度下であっても実用的な硬化時間で硬化物を得ることができる。本工程は、成形型を用いた射出成形法、プレス成形法などにより行えばよい。硬化温度、硬化時間などの条件は、液状シリコーン材料に応じて適宜決定すればよい。
(b)第二硬化工程、
本工程は、第一の液状シリコーン材料の硬化物の表面に、硬化後の硬さが該硬化物とは異なる第二の液状シリコーン材料を配置して、第二の液状シリコーン材料を硬化する工程である。
第二の液状シリコーン材料は、硬化させた場合に、その硬化物の硬さが、第一の液状シリコーン材料の硬化物と異なるものであればよい。シリコーンポリマーの種類が異なるものでもよく、硬化剤などの添加剤の種類が異なるものでもよい。白金触媒による硬化温度の低下効果については上述したとおりである。例えば、第二の液状シリコーン材料の硬化物の硬さが第一の液状シリコーン材料の硬化物の硬さよりも大きい場合には、第二の液状シリコーン材料により、第二面を有する第二層が形成される。本工程も、先の工程と同様に、成形型を用いた射出成形法、プレス成形法などにより行えばよい。硬化温度、硬化時間などの条件は、液状シリコーン材料に応じて適宜決定すればよい。
(c)その他の工程
流体デバイス用部材における第二面の硬さをより大きくするという観点から、第一、第二硬化工程により二層からなる積層体を製造した後、第二面側から紫外線などの電磁波を照射して、第二面側のみを追加で硬化させる追加硬化工程を含めてもよい。また、第一面にバリア層を形成する場合には、第三実施形態にて説明したように、改質工程、疎水性層形成工程、親水性層形成工程などからなるバリア層形成工程を含めてもよい。
バリア層は、スパッタ法、真空蒸着などの乾式処理、または転写法、スプレーコーティング、ディップ処理などの湿式処理などの種々の方法により形成することができる。スプレーコーティングなどの湿式処理によると、薄膜化のために、コーティング材料に有機溶剤を加えて希釈することが必要になる。この際、有機溶剤が染み込んで下側部材が膨潤したり、有機溶剤に溶解して変形するおそれがある。よって、乾式処理による形成が望ましい。なかでも、膜組成の調整が行いやすく、製造が容易であることから、プラズマCVD法(化学気相蒸着)法が好適である。
プラズマCVD法においては、真空容器内に、原料ガスおよびキャリアガスを供給して所定のガス雰囲気を形成した後、プラズマを発生させて成膜を行う。プラズマの発生方法は、RFプラズマ、マイクロ波プラズマなどを採用すればよい。なかでも、マイクロ波プラズマは、プラズマ密度が大きく成膜速度が大きいため生産性が高い、プラズマダメージが少なく薄膜の形成に適している、などの理由から好適である。マイクロ波の周波数は、特に限定されない。8.35GHz、2.45GHz、1.98GHz、915MHzなどが挙げられる。
疎水性層を形成する場合の原料ガスは、膜の種類に応じて適宜選択すればよい。例えば、フッ化炭素膜を形成する場合には、C(x、yは任意の整数)ガスを用いればよい。Cは、水素原子(H)またはフッ素以外のハロゲン原子を含んでいてもよい。具体的には、CHF、CH、CHF、CF、C、Cなどのガスを用いればよい。また、これらのガスを酸素(O)ガスやキャリアガスと混合して用いればよい。キャリガスとしては、アルゴン(Ar)、ヘリウムなどの希ガスや窒素などが挙げられる。成膜する際の圧力は、0.1~100Pa程度にすればよい。
親水性層を形成する場合の原料ガスは、膜の種類に応じて適宜選択すればよい。例えば、有機成分を含む金属酸化物膜を形成する場合には、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、TEOS、オルトチタン酸テトライソプロピル(TTIP)、チタン酸テトラエチル、チタン酸イソプロピルなどのガスを単独、または酸素(O)ガスと混合して用いればよい。キャリガスとしては、アルゴン(Ar)、ヘリウムなどの希ガスや窒素などが挙げられる。成膜する際の圧力は、1~100Pa程度にすればよい。
(2)本発明の流体デバイス用部材の第二の製造方法は、材料配置工程と、硬化工程と、を有する。以下に、各工程を説明する。
(a)材料配置工程
本工程は、第一の液状シリコーン材料を配置し、該第一の液状シリコーン材料の表面に、硬化後の硬さが該第一の液状シリコーン材料の硬化物とは異なる第二の液状シリコーン材料を配置する工程である。
第一の液状シリコーン材料および第二の液状シリコーン材料については、上述した第一の製造方法と同じである。本工程においては、二種類の液状シリコーン材料を順番に配置するだけで硬化は行わない。第一面には微細な凹部が形成されるため、液状シリコーン材料を注入する際のゲート跡が残留しないことが望ましい。したがって、本工程においては、先に配置される第一の液状シリコーン材料を、第一層を形成するための材料、すなわち硬化物の硬さが小さい方の材料にするとよい。
(b)硬化工程
本工程は、第一の液状シリコーン材料および第二の液状シリコーン材料を硬化する工程である。本工程においては、二種類の液状シリコーン材料を同時に硬化させる。硬化温度、硬化時間などの条件は、液状シリコーン材料に応じて適宜決定すればよい。
(c)その他の工程
第二の製造方法においても、上述した第一の製造方法と同様に、追加硬化工程、バリア層形成工程などを含めてもよい。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<流体デバイス用部材の製造>
[実施例1~6]
二種類の液状シリコーン材料を使用して、上述した第一の製造方法により、上記第一実施形態の下側部材(流体デバイス用部材)を製造した。製造した下側部材の前後方向長さは50mm、左右方向長さは10mmである。下側凹部の前後方向長さ(幅)は6μm、左右方向長さは5mm、深さは10μm、凹部と凹部との間隔は10μmである(前出図1参照)。なお、下側部材の形状および寸法は、以下の実施例7~12および比較例1、2についても同じである。
まず、高硬度液状シリコーンゴムポリマーD~Fのうちの一つ、硬化剤、触媒などを含む高硬度液状シリコーン材料を混合して脱泡した後、成形型の下型のキャビティに注入した。そして、下型に上型を重ねて型締めし、120℃下で10分間プレス成形することにより、高硬度液状シリコーン材料を硬化して第二層を成形した。次に、上型を取り外し、低硬度液状シリコーンゴムポリマーA~Cのうちの一つ、硬化剤、触媒などを含む低硬度液状シリコーン材料を混合して脱泡した後、下型に配置されている第二層の上に注入した。そして、型面に流路形成用の凸部を有する別の上型を下型に重ねて型締めし、120℃下で5分間プレス成形することにより、低硬度液状シリコーン材料を硬化して第一層を成形し、第一層と第二層とが積層された成形物を得た。それから上型を外し、得られた成形物を下型から取り出した後、乾燥炉に入れ、150℃下で1時間乾燥した。このようにして、第一層と第二層との積層体からなり、第一層の上面(第一面)に所定の凹部を有する下側部材を製造した。第一層および第二層の厚さは、各々250μmであり、下側部材の厚さは500μmである。製造した下側部材を、実施例1~6の下側部材と称す。実施例1~6の下側部材は、本発明の流体デバイス用部材の概念に含まれる。なお、使用した液状シリコーンゴムポリマーの詳細については、後でまとめて示す。
[実施例7~12]
実施例1~6と同じ二種類の液状シリコーン材料を使用し、製造方法を上述した第二の製造方法に変更して、上記第二実施形態の下側部材(流体デバイス用部材)を製造した。まず、高硬度液状シリコーンゴムポリマーD~Fのうちの一つ、硬化剤、触媒などを含む高硬度液状シリコーン材料を混合して脱泡した後、成形型の下型のキャビティに注入した。高硬度液状シリコーン材料の注入量は、成形後の厚さが250μmになるように調整した。次に、低硬度液状シリコーンゴムポリマーA~Cのうちの一つ、硬化剤、触媒などを含む低硬度液状シリコーン材料を混合して脱泡した後、下型に配置されている高硬度液状シリコーン材料の上に注入した。低硬度液状シリコーン材料の注入量も、成形後の厚さが250μmになるように調整した。そして、型面に流路形成用の凸部を有する上型を下型に重ねて型締めし、120℃下で10分間プレス成形することにより、高硬度液状シリコーン材料と低硬度液状シリコーン材料とを同時に硬化して、成形物を得た。それから、上型を外し、得られた成形物を下型から取り出した後、乾燥炉に入れ、150℃下で1時間乾燥した。このようにして、上面(第一面)に所定の凹部を有する下側部材を製造した。下側部材の厚さは500μmである。製造した下側部材を、実施例7~12の下側部材と称す。実施例7~12の下側部材は、本発明の流体デバイス用部材の概念に含まれる。
[比較例1]
一種類の液状シリコーン材料を使用して、下側部材を製造した。まず、低硬度液状シリコーンゴムポリマーC、硬化剤、触媒などを含む低硬度液状シリコーン材料を混合して脱泡した後、成形型の下型のキャビティに注入した。次に、型面に流路形成用の凸部を有する上型を下型に重ねて型締めし、120℃下で10分間プレス成形することにより、低硬度液状シリコーン材料を硬化して成形物を得た。それから、上型を外し、得られた成形物を下型から取り出した後、乾燥炉に入れ、150℃下で1時間乾燥した。このようにして、上面に所定の凹部を有する下側部材を製造した。下側部材の厚さは500μmである。製造した下側部材を、比較例1の下側部材と称す。
[比較例2]
一種類の液状シリコーン材料を使用して、下側部材を製造した。まず、高硬度液状シリコーンゴムポリマーE、硬化剤、触媒などを含む高硬度液状シリコーン材料を混合して脱泡した後、成形型の下型のキャビティに注入した。次に、型面に流路形成用の凸部を有する上型を下型に重ねて型締めし、120℃下で10分間プレス成形することにより、高硬度液状シリコーン材料を硬化して成形物を得た。それから、上型を外し、得られた成形物を下型から取り出した後、乾燥炉に入れ、150℃下で1時間乾燥した。このようにして、上面に所定の凹部を有する下側部材を製造した。下側部材の厚さは500μmである。製造した下側部材を、比較例2の下側部材と称す。
表1に、製造した下側部材の原料および製造方法などを示す。使用した液状シリコーンゴムポリマーは、以下のとおりである。
液状シリコーンゴムポリマーA:信越化学工業(株)製「KE-1950-30-A/B」、硬化物のタイプAデュロメータ硬さ(以下同じ):A31
液状シリコーンゴムポリマーB:同社製「KE-1950-50-A/B」、硬化物の硬さ:A49
液状シリコーンゴムポリマーC:同社製「KE-1950-60-A/B」、硬化物の硬さ:A57
液状シリコーンゴムポリマーD:同社製「KEG-2000-60-A/B」、硬化物の硬さ:A60
液状シリコーンゴムポリマーE:同社製「KEG-2000-70-A/B」、硬化物の硬さ:A70
液状シリコーンゴムポリマーF:同社製「KEG-2000-80-A/B」、硬化物の硬さ:A81
Figure 0007301576000001
<流体デバイスの製造>
製造した下側部材に、上記実施形態の流体デバイスを構成する上側部材を積層して、流体デバイスを製造した(前出図1~図4参照)。上側部材については以下の手順で製造した。まず、低硬度液状シリコーンゴムポリマーC、硬化剤、触媒などを含む低硬度液状シリコーン材料を混合して脱泡した後、成形型の下型のキャビティに注入した。次に、上型を下型に重ねて型締めし、120℃下で10分間プレス成形することにより、低硬度液状シリコーン材料を硬化して成形物を得た。それから、得られた成形物を成形型から取り出し、乾燥炉に入れて、150℃下で1時間乾燥した。このようにして、所定の形状の上側部材を製造した。上側部材において、流路を区画する上側凹部の深さは150μm、導入孔の直径は100μmである。製造した上側部材と下側部材とを積層して両者を接合した。このようにして製造された流体デバイスを、下側部材の番号に対応させて、実施例1の流体デバイスなどと称す。
<流体デバイス用部材の評価>
[表面硬さ]
実施例および比較例の下側部材の上面(第一面)および下面(第二面)の硬さとして、使用した液状シリコーン材料のタイプAデュロメータ硬さを採用した。タイプAデュロメータ硬さは、使用した液状シリコーン材料から50mm角、厚さ6.0mmの試験片を作製し、JIS K6253-3:2012に準じて測定した。先の表1に、表面硬さの値をまとめて示す。
表1に示すように、実施例1~12の下側部材の全てにおいて、第一面のタイプAデュロメータ硬さはA30以上A65以下であり、第二面のタイプAデュロメータ硬さはA60以上A90以下であった。また、実施例1~6の下側部材は、第一層と第二層との積層体からなり、第一層よりも硬さが大きい第二層の厚さは、全体の厚さの50%(半分)である。したがって、実施例1~6の下側部材における硬質層の厚さは、全体の厚さの40%以上90%以下であることが確認された。一方、実施例7~12の下側部材においても、AFMによる測定を行った結果、下面(第二面)から上面(第一面)に向かって硬さが平均硬さ以上である硬質層の厚さは、全体の厚さの40%以上90%以下であることが確認された。なお、比較例1、2の下側部材は、一種類の液状シリコーン材料から製造した。このため、比較例1、2の下側部材における上面の硬さと下面の硬さは同じであった。
[取り扱い性]
実施例および比較例の下側部材をガラス板の上に載置し、1分間放置した後、ピンセットで下側部材をガラス板から剥がす際の剥がしやすさを比較した。比較例1の下側部材を基準にして、剥がしやすい場合を取り扱い性良好(先の表1中、〇印で示す)と評価し、剥がしにくい場合を取り扱い性不良(同表中、×印で示す)と評価した。
先の表1に、取り扱い性の評価結果をまとめて示す。表1に示すように、下面の硬さが上面の硬さと同じで小さい比較例1の下側部材を除く全ての下側部材において、取り扱い性は良好であった。
[成形型からの離型性]
下側部材の製造過程において、成形型から成形物を取り出すために上型を外した際に、下側部材の上面における凹部の欠けまたは変形の有無を調べた。実施例および比較例の下側部材を、各々、10個ずつ製造し、10個全てにおいて凹部に欠けまたは変形が見られなかった場合を離型性良好(先の表1中、○印で示す)と評価し、1個でも凹部に欠けまたは変形が見られた場合を離型性不良(同表中、×印で示す)と評価した。
先の表1に、離型性の評価結果をまとめて示す。表1に示すように、下面の硬さが上面の硬さと同じで大きい比較例2の下側部材を除く全ての下側部材において、離型性は良好であった。
<その他>
AFMによる測定を行った結果、実施例7~12の下側部材は、下面(第二面)から上面(第一面)に向かう方向に硬さが漸次小さくなる中間層を有することが確認された。実施例7~12の下側部材によると、二種類の液状シリコーン材料を同時に硬化するため、界面で材料が混ざり合い中間層が形成される。このため、第一層と第二層との積層体からなる実施例1~6の下側部材と比較して、部材の一体性が高まり層間剥離しにくい。
また、実施例1~12の流体デバイスにおける下側部材と上側部材との密着性は良好であった。なかでも、下側部材の上面の硬さが比較的小さい実施例1、2、4~8、10~12の流体デバイスが良好であり、特に、下側部材の上面の硬さが最も小さい実施例1、7の流体デバイスが優れていた。
1:流体デバイス、10:上側部材、11:流路、12:本体部、13:親水性層、14:上側凹部、15:導入孔、16:排出口、20:下側部材(流体デバイス用部材)、21:第一層、22:第二層、23:下側凹部、24:流路部、30:下側部材(流体デバイス用部材)、31:第一層、32:第二層、33:中間層、34:下側凹部、40:下側部材(流体デバイス用部材)、41:疎水性層(バリア層)、42:親水性層(バリア層)、210:上面(第一面)、220:下面(第二面)、211:流路区画部、310:上面(第一面)、320:下面(第二面)、50:スタンプ部材、500:試薬、P:マイクロ波プラズマ。

Claims (5)

  1. シリコーン製の流体デバイス用部材であって、厚さ方向の二つの面のうち、凹部を有し流体が接触する側の面を第一面、該第一面と反対側の面を第二面として、
    該第一面を有する第一層と、該第二面を有し該流体と接触しない第二層と、該第一層と該第二層との間に配置され、該第二面から該第一面に向かう方向に硬さが漸次小さくなる中間層と、を有し、
    該第一層のタイプAデュロメータ硬さはA30以上A65以下であり、該第二層のタイプAデュロメータ硬さはA60以上A90以下であり、該第二層の硬さは該第一層の硬さよりも大きいことを特徴とする流体デバイス用部材。
  2. 前記第二面は、流体デバイス用部材の設置面である請求項1に記載の流体デバイス用部材。
  3. 前記第一層の硬さおよび前記第二層の硬さの平均値を平均硬さとして、
    前記第二面から前記第一面に向かって硬さが該平均硬さ以上である硬質層の厚さは、全体の厚さの40%以上90%以下である請求項1または請求項2に記載の流体デバイス用部材。
  4. 前記第一面の少なくとも一部に、親水性または疎水性を有するバリア層を有する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の流体デバイス用部材。
  5. 請求項1に記載の流体デバイス用部材の製造方法であって、
    前記第一層および前記第二層のうちの一方を形成するための第一の液状シリコーン材料を配置し、該第一の液状シリコーン材料の表面に、該第一層および該第二層のうちの他方を形成するための第二の液状シリコーン材料を配置する材料配置工程と、
    該第一の液状シリコーン材料および該第二の液状シリコーン材料を硬化する硬化工程と、
    を有することを特徴とする流体デバイス用部材の製造方法。
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