JP2004325153A - マイクロチップ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも一方の表面に所定の形状の流路を構成するマイクロチャネルが配設された、ポリジメチルシロキサン(PDMS)からなる基板を、ポリジメチルシロキサン以外の素材からなる第1及び第2の外面部材の間に間挿したサンドイッチ構造としたマイクロチップ。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はマイクロチップに関する。更に詳細には、本発明はPDMS基板内にキャピラリチャネルや反応ポートなどの極微細構造を有するマイクロチップ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、マイクロスケール・トータル・アナリシス・システムズ(μTAS)又はラブ・オン・チップ(Lab−on−Chip)などの名称で知られるように、基板内に所定の形状の流路を構成するマイクロチャネル及び反応ポートなどの微細構造を設け、該微細構造内で物質の化学反応、合成、精製、抽出、生成及び/又は分析など各種の操作を行うことが提案され、一部実用化されている。このような目的のために製作された、基板内にマイクロチャネル及び反応ポートなどの微細構造を有する構造物は総称して「マイクロチップ」と呼ばれる。
【0003】
マイクロチップは遺伝子解析、臨床診断、薬物スクリーニング及び環境モニタリングなどの幅広い用途に使用できる。常用サイズの同種の装置に比べて、マイクロチップは▲1▼サンプル及び試薬の使用量が著しく少ない、▲2▼分析時間が短い、▲3▼感度が高い、▲4▼現場に携帯し、その場で分析できる、及び▲5▼使い捨てできるなどの利点を有する。
【0004】
マイクロチップの材質や構造及び製造方法は例えば、特許文献1、特許文献2及び非特許文献1などに提案されている。図10に示されるように、マイクロチップ100は基本的に、透明基板102に流路を構成するマイクロチャネル104を設け、このマイクロチャネル104を封止すると共に、該チャネル104に連通するポート106,108が開設された対面基板110とからなる。
【0005】
透明基板102の形成材料としては前記各文献に開示されているように、エラストマータイプのシリコン樹脂でありPDMS(ポリジメチルシロキサン)が使用される。PDMSは良好なモールド転写性や透明性、耐薬品性、生体適合性などマイクロチップの部材として優れた特徴を有する。従って、PDMSにより形成されたマイクロチップは、微細構造たるマイクロチャネルを形成する際に、作業が繁雑なエッチングや接合などの処理プロセスが不要であり、単純かつ安価な型取りと封止だけで極めて簡単にマイクロチャネルを形成することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−157855号公報
【特許文献2】
米国特許第5965237号明細書
【非特許文献1】
David C. Duffy et al, Rapid Prototyping of Microfluidic Systems in Poly(dimethylsiloxane), Analytical Chemistry, Vol.70, No.23, December 1, 1988, pp.4974−4984
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、PDMS基板を用いたマイクロチップには以下に述べるような問題点があった。
▲1▼PDMSの原料(主剤と硬化剤)が非常に高価である(例えば、1〜1.5万円/kg)、
▲2▼硬化後のPDMSは静電気を帯びやすく、塵埃を吸い付ける欠点がある。また、高い粘着性を有し、ビニール包装やガラスなどの平面に貼り付いてしまう。更に、バルク形態(すなわち、或る程度の厚みがある固体)では、脆くて、機械的な強度が不十分となる。従って、実際問題として、PDMSで製作されたマイクロチップは非常に取り扱い難いものである。
▲3▼鋳型によりPDMSのモールド成型を行っているが、硬化前のPDMS(主剤と硬化剤の混合液)の粘性が高く、鋳込みなどが難しく時間を要する。特に、PDMSの使用量を減らすために、PDMS基板の板厚を薄く設計すると、鋳込みが一層困難になるばかりか、鋳型やその製造設備が高価となる。
【0008】
従って、本発明の目的は、安価で取り扱い易いPDMS製マイクロチップとその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、少なくとも一方の表面に所定の形状の流路を構成するマイクロチャネルが配設された、ポリジメチルシロキサン(PDMS)からなる基板を、ポリジメチルシロキサン以外の素材からなる第1及び第2の外面部材の間に間挿したサンドイッチ構造のマイクロチップとすることにより解決される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明のマイクロチップについて具体的に説明する。
図1は本発明の第1の実施態様に係るマイクロチップの概要断面図である。図1に示されるように、本発明のマイクロチップ1は、PDMS基板3を第1の外面部材5と第2の外面部材7とで狭持するサンドイッチ構造を有する。PDMS基板3の少なくとも一方の表面には所定の形状の流路を構成するマイクロチャネル9が配設されている。このマイクロチャネル9に連通するホール(穴)11,13が第2の外面部材7に配設されている。従って、ホール11及び13はマイクロチャネル9を通して相互に連通する。ホール11及び13はマイクロチャネル9内に電気泳動用のゲル(例えば、アガロースゲル)を流し込んだり、バッファ液及び被分析サンプルなどを注入してゲル電気泳動のための電極を挿入し高電圧を印加するなどの目的に使用される。また、マイクロチップ1がゲル電気泳動に使用されない場合には、ホール11及び13は所定の目的に適した反応溶液、試薬、サンプルなどを注入及び/又は排出するために使用される。
【0011】
マイクロチャネル9は図示されたような直線状のものに限定されない。曲線状であることもできるし、あるいは途中に所定の容積のポットを有することもできる。このポット内で必要な化学反応、増幅反応、分析反応などの所定の操作を行うことができる。マイクロチャネル9の長さは数mm〜数百mm程度の範囲内であることができる。マイクロチャネル9の深さは一般的に、数μm〜数百μm程度の範囲内である。また、マイクロチャネル9の幅は一般的に、数μm〜数百μm程度の範囲内である。マイクロチャネル9の深さと幅は同じ値であることもできるし、あるいは異なることもできる。一例として、マイクロチップ1がゲル電気泳動に使用される場合、マイクロチャネル9の長さは15mm、幅は300μm、深さは50μmとすることができる。これ以外の値も当然使用できる。
【0012】
ホール11及び13は図示されているような真円状の他に、楕円状、矩形状など任意の形状に成形することができる。形成容易性の点からホールは真円状であることが好ましい。また、ホールは下部のマイクロチャネルに連通していればよいので、上下同径であるばかりか、上方に向かって拡開する擂鉢状であることもできる。ホール11及び13の内径は数mm〜数十mm程度の範囲内である。ホールの内径があまり小さすぎると、マイクロチャネル9内へアガロースゲルなどの必要な溶液類を注入しづらくなり、作業性が低下する。一方、ホールの内径があまり大きすぎると注入溶液などが過剰に蒸発し、不経済となる。
【0013】
図2は本発明の第2の実施態様に係るマイクロチップの概要断面図である。図2に示されたマイクロチップ1は図1に示されたマイクロチップ1と上下が逆転している。また、ホール11,13が第1の外面部材5だけでなく、PDMS基板3を貫いて、マイクロチャネル9に連通されている。
【0014】
図3は本発明の第3の実施態様に係るマイクロチップの概要断面図である。図3に示されたマイクロチップ1は、PDMS基板3の両面にマイクロチャネル9a及び9bが配設されており、第1の外面部材5及び第2の外面部材7にはそれぞれ対応するマイクロチャネル9a及び9bに連通するホール11a,13a及び11b,13bが配設されている。この実施態様のマイクロチップ1は1枚で2回使用できるという優れた経済的メリットを有する。マイクロチャネル9a及び9b及びホール11a,13a及び11b,13bは上下対称の位置に配設することもできるが、機械的強度の点から上下方向では相互に偏位させて配設する事が好ましい。
【0015】
図1〜図3に示された各実施態様のマイクロチップ1において、PDMS基板3の厚さは一般的に、数十μm〜数百μm程度の範囲内である。言うまでもなく、PDMS基板3の厚さはこのフィルム内に配設されるマイクロチャネル9の深さよりも厚くなければならない。従来のPDMS製マイクロチップではPDMS部材の厚さが数mmであったから、本発明のマイクロチップ1によれば、PDMSの使用量が大幅に低減され、非常に低コストでマイクロチップを製造することができる。また、PDMS基板3の両方の面が第1の外面部材5と第2の外面部材7により被覆されているため、PDMSが露出せず、PDMSの持つ帯電性、粘着性、脆性などの悪影響を受けない。
【0016】
また、図1〜図3に示された各実施態様のマイクロチップ1において、第1の外面部材5及び第2の外面部材7はPDMS以外の素材から形成されている。第1の外面部材5及び第2の外面部材7は同一の素材で形成することもできるし、或いはそれぞれ異なる素材で形成することもできる。例えば、第1の外面部材5はポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ナイロン、ポリアクリレートなどの合成樹脂フィルムであることができる。第1の外面部材5は透明であることもできるし、或いは不透明であることもできる。第1の外面部材5が前記のような合成樹脂フィルムの場合、その厚さは数十μm〜数百μm程度の範囲内である。一方、第2の外面部材7は例えば、ガラス、Si/SiOなどのシリコン、セラミック、金属箔などの無機材料の他、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ナイロン、ポリアクリレートなどの合成樹脂有機材料から形成することもできる。第2の外面部材7の厚さはマイクロチップ1の機械的強度を発揮する観点から、1mm〜数mm程度の範囲内であることが好ましい。第2の外面部材7も透明であることもできるし、或いは不透明であることもできる。但し、光学的検出を行う場合、第1の外面部材5及び第2の外面部材7の何れか一方は透明でなければならない。第1の外面部材5と第2の外面部材7は同じ厚さ(例えば、1mm)であることもできる。
【0017】
次に、本発明のマイクロチップの製造方法について説明する。説明の便宜上、図1に示された本発明の第1の実施態様のマイクロチップの製造を代表例として挙げる。
【0018】
先ず、図4に示されるように、表面上にマイクロチャネル9の形状と反対の形状の微細構造15が形成されたマスター17を用意する。マスター17の製造方法については、例えば、シリコンウエハ上にフォトリソグラフィーの技術を用いて、レジストパターンを形成する簡便な手法が知られている。このようなフォトリソグラフィーによるマスターの製造方法は前掲の特許文献1の第2図にも詳細に記載されている。フォトリソグラフィー以外にも、例えば、電鋳法やその他の公知慣用の微細加工技術による金属金型製造方法も同様に使用できる。マスター17の上面を有機溶剤(例えば、イソプロピルアルコールなど)で洗浄し、次いで、蒸留水で洗浄し、更に、反応性イオンエッチング装置を用い、フルオロカーボンで処理することもできる。マスター17の上面をフルオロカーボンで処理しておくと、PDMS基板3をマスター17から剥離し易くなるというメリットがある。
【0019】
次に、前記のマスター17の上面に、PDMSプレポリマーと硬化剤を適度な割合で混合し、脱気したPDMSプレポリマー混合液をスピンコーターなどの公知常用の塗布手段を用いて薄く塗布する。PDMSプレポリマー混合液としては、例えば、米国のダウ・コーニング社製のSYLGARD 184 SILICONE ELASTOMERが好適に使用できる。これは液状のPDMSプレポリマーと硬化剤を10対1の割合で混合したものである。塗布後、常温で十分な時間放置するか、又は、例えばオーブン中で65℃で1時間加熱するか若しくは135℃で15分間加熱して硬化させ、図5に示すような、PDMS基板3を生成させる。PDMS基板3は透明性の高いゴム状の樹脂であり、マスター17の微細構造15が転写されている。硬化前のPDMSプレポリマー混合液は粘度が約5000cp(センチポアズ)という高い粘性を示す。従って、このPDMSプレポリマー混合液粘度を考慮し、目的のPDMS基板3の厚さとなるように、スピンコータの回転数や塗布量を調節する。
【0020】
PDMS基板は粘着性を有するゴム状の被膜であり、このままではマスター17から引き剥がしても取り扱いが非常に困難である。このため、図6に示されるように、PDMS基板3がマスター17に付着したままの状態で、PDMS基板3の上面に第1の外面部材5を接着させる。後の工程でPDMS基板3をマスター17から剥離するため、剥離作業の際の取り扱い性の観点から、第1の外面部材5としては或る程度の「コシ」があるものを選択する事が好ましい。第1の外面部材5としては例えば、合成樹脂フィルム又はガラスあるいはシリコンなどの適宜の材料を使用できる。PDMSは難接着性であるため、PDMS基板3と第1の外面部材5との接着には必要に応じて適当な接着剤を使用することもできる。また、このような接着剤を使用する場合には、PDMS基板3の上面に適当な前処理剤を塗布するなどの対策を講じることもできる。しかし、PDMSは一部の材料に対しては、接着剤を使用しなくても、恒久的な貼り合せ(パーマネントボンディング)ができることが知られている。例えば、ガラスやシリコンなどの無機素材又はポリエチレンやポリスチレンなどの合成樹脂有機素材と恒久的な貼り合せが可能である。PDMS基板3との恒久的貼り合せを行う場合は、PDMS基板3の貼り合せ面の平滑性が必要である。また、恒久的貼り合せの前処理として、PDMS基板3及び第1の外面部材5の各貼り合せ面を酸素プラズマなどにより適切な表面改質を行っておくことが好ましい。
【0021】
その後、マスター17から第1の外面部材5とPDMS基板3との接合体を剥離し、図7に示されるような中間製品を得る。剥離の際に、マスター17にPDMS基板3が残らないように、マスター17の一端より徐々にPDMS基板3を剥離させることが好ましい。
【0022】
次いで、図7の中間製品のPDMS基板3のマイクロチャネル9形成面側に第2の外面部材7を貼り合せ、図8に示されるような最終製品を得る。この場合、第2の外面部材7には予めホール11,13が配設されていることが好ましい。これにより、PDMS基板3のマイクロチャネル9は第2の外面部材7により封止された微小空間となり、同時に、第2の外面部材7に開設されたホール11,13によりマイクロチャネル9は外部と連通する流体用流路となる。マイクロチャネル9に流される流体としては、例えば、溶液、分散液、懸濁液、乳濁液などの液体又は気体の他に、微細なビーズなどの固体を含有した液体なども流体として流すことができる。第2の外面部材7の素材としては、前記の恒久的貼り合せの観点から、ガラスなどの透明素材が好ましい。実際には、この後、第2の外面部材7からはみ出したPDMS基板3及び第1の外面部材5の部分を切り落とす外形トリミングを行う。また、図2に示されるような本発明の第2の実施態様のマイクロチップの場合、図7に示されるような中間製品を得た段階で、連通用ホール11,13を第1の外面部材5からPDMS基板3のマイクロチャネル9に達するように開設する。連通用ホール11,13は、ドリルなどの機械的方法又はレーザ光による光学的方法など任意の方法により穿設することができる。
【0023】
図9は、図3に示されるようなマイクロチップを製造する方法を示す模式的工程図である。(A)工程において、二枚のマスター17a,17bの間にPDMSプレポリマー混合液を注入し、重合、硬化させてPDMS基板3を形成する。次に、(B)工程において、一方のマスター17a又は17bをPDMS基板3から剥離する。その後、(C)工程において、露出されたPDMS基板3の表面に第1の外面部材5を貼り合わせる。次いで、(D)工程において、他方のマスターを剥離する。最後に、(E)工程において、PDMS基板3の他方の露出表面に第2の外面部材7を貼り合わせる。
【0024】
図10は本発明の第4の実施態様に係るマイクロチップの概要断面図である。この実施態様では、PDMS基板3a及び3bが積層され、この積層体を第1の外面部材5と第2の外面部材7とで狭持するサンドイッチ構造を有する。PDMS基板は図示された2枚に限定されない。3枚以上のPDMS基板を積層することもできる。PDMS基板の積層体を使用する場合、第1のPDMS基板3a内のマイクロチャネル9aに連通するホール11及びホール13を設けるが、このホール13は更に、下部の第2のPDMS基板3b内のマイクロチャネル9bの一方の端部にも同時に連通している。また、この実施態様では、第2のPDMS基板3b内のマイクロチャネル9bの他方の端部に連通するホール19も配設されている。このようなPDMS基板の積層体を使用する場合、第1のPDMS基板3a内のマイクロチャネル9aと下部の第2のPDMS基板3b内のマイクロチャネル9bの深さを変えることもできる。例えば、第1のPDMS基板3a内のマイクロチャネル9aの深さを30μmとし、第2のPDMS基板3b内のマイクロチャネル9bの深さを5μmとすることもできる。前記のような構成の他に、例えば、同じマイクロチャネルパターンを有する複数枚のPDMS基板を重ね、これらを全て貫通するホールを配設することもできる。
【0025】
図11は図10に示されるようなPDMS基板が多層構造を有するマイクロチップ1の製造方法を示す模式的工程図である。(A)工程において、別のマスター(図示されていない)で作製された第1のPDMS基板3aと第1の外部部材5とからなる第1の中間製品(例えば、図7参照)を、新たなマスター17で作製された第2のPDMS基板3bに、PDMS基板同士が対面するように貼り合わせる。次いで、(B)工程において、マスター17から剥離し、第2の中間製品を得る。その後、(C)工程において、第2の中間製品の第2のPDMS基板3bの下面に第2の外面部材7を貼り合わせ、ホール11,13及び19を穿設し、図10に示されるような最終製品を得る。
【0026】
以上説明したように、本発明によるPDMS製マイクロチップの製造においては、金型によるPDMSのモールド成型を全く必要としない。金型を用いた場合、型合わせ、注型、PDMS硬化後の型開き、離型・製品取り出しと工程が多く、粘着性の高いPDMSでは、これらの工程はどれも容易ではない。また、量産を目指した金型や製造設備は高価なものになる。一方、本発明による製造方法では、扱い難いPDMS基板を貼り合せて一体化することで製造を容易にしている。また、特別な設備を必要とせず、量産にも適している。しかし、前記説明は本発明のマイクロチップの製造において、注型成型又は射出成型などの製造方法の使用を絶対的に排除するものではないことを理解すべきである。当業者は所望によりこのような製造方法により本発明のマイクロチップを製造することもできる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高価なPDMSの使用量を激減させることにより極めて安価にマイクロチップを製造することができる。また、完成したマイクロチップはPDMSの露出部分が極めて少なく、取り扱いが容易である。また、本発明のマイクロチップは特別な製造設備などを使用しなくても量産可能であり、製造コストを安価に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施態様のマイクロチップの概要断面図である。
【図2】本発明の第2の実施態様のマイクロチップの概要断面図である。
【図3】本発明の第3の実施態様のマイクロチップの概要断面図である。
【図4】本発明の第1の実施態様のマイクロチップの製造工程を示す概要断面図である。
【図5】本発明の第1の実施態様のマイクロチップの製造工程を示す概要断面図である。
【図6】本発明の第1の実施態様のマイクロチップの製造工程を示す概要断面図である。
【図7】本発明の第1の実施態様のマイクロチップの製造工程を示す概要断面図である。
【図8】本発明の第1の実施態様のマイクロチップの製造工程を示す概要断面図である。
【図9】本発明の第3の実施態様のマイクロチップの製造工程(A)〜(E)を示す概要断面図である。
【図10】本発明の第4の実施態様のマイクロチップの概要断面図である。
【図11】本発明の第4の実施態様のマイクロチップの製造工程(A)〜(C)を示す概要断面図である。
【図12】従来のマイクロチップの一例の概要断面図である。
【符号の説明】
1 本発明のマイクロチップ
3 PDMS基板
5 第1の外面部材
7 第2の外面部材
9 マイクロチャネル
11,13 ホール
15 微細構造
17 マスター
Claims (5)
- 少なくとも一方の表面に所定の形状の流路を構成するマイクロチャネルが配設された、ポリジメチルシロキサン(PDMS)からなる少なくとも1枚の基板を、ポリジメチルシロキサン以外の素材からなる第1及び第2の外面部材の間に間挿したサンドイッチ構造としたことを特徴とするマイクロチップ。
- 第1の外面部材又は第2の外面部材の何れか一方に、前記PDMS基板の前記マイクロチャネルに連通する、垂直方向に延在するホールが配設されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチップ。
- 両方の表面に所定の形状の流路を構成するマイクロチャネルが配設されたPDMS基板を、前記第1の外面部材と第2の外面部材で狭持し、前記第1の外面部材及び第2の外面部材のそれぞれに、前記PDMS基板の各マイクロチャネルに連通する、垂直方向に延在するホールが配設されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチップ。
- 一方の表面に所定の形状の流路を構成するマイクロチャネルが配設されたPDMS基板の2枚以上の積層体を、ポリジメチルシロキサン以外の素材からなる第1及び第2の外面部材の間に間挿したサンドイッチ構造を有し、第1の外面部材又は第2の外面部材の何れか一方に、前記各PDMS基板の前記各マイクロチャネルに連通する、垂直方向に延在するホールが配設されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチップ。
- (a)一方の表面に所定の形状の流路を構成するマイクロチャネルに対応する微細構造を有するマスターを用意するステップと、
(b)前記マスターの前記微細構造が配設された表面上にPDMSプレポリマーと硬化剤との混合物を塗布し、硬化させ、PDMS基板を形成させるステップと、
(c)前記形成されたPDMS基板の表面上に第1の外面部材を貼り合せるステップと、
(d)前記PDMS基板から前記マスターを剥離し、前記PDMS基板と前記第1の外面部材との接合中間製品を形成するステップと、
(e)前記中間製品の前記PDMS基板の前記マイクロチャネル形成面に第2の外面部材を貼り合せて該マイクロチャネルを封止することにより最終製品を形成するステップとからなることを特徴とするマイクロチップの製造方法。
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