JP2547134B2 - シリコーン複合体の製造方法 - Google Patents

シリコーン複合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコーンゲルからな
る基相と、該相の上に形成されたエラストマーまたはレ
ジンからなる表面層とからなるシリコーン複合体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコーンのゲル状硬化物は、所謂シリ
コーンゲルと称され、電気絶縁性、電気特性の安定性、
柔軟性等の優れた特性を有するため、電気、電子部品の
ポッティング、封止用として、特にパワートランジスタ
ー、IC、コンデンサー等の制御用回路素子を被覆し、
熱的および機械的障害から保護するための被覆材料とし
て使用されている。
【0003】しかし、シリコーンゲルの表面は粘着性が
強いため、ゴミやホコリが付着しやすく、また、シリコ
ーンゲル上に成形物を重ね置きできない等の作業上の問
題点がある。さらに、機械的強度が不十分であるため付
着したゴミ等を除去する際に、シリコーンゲルが欠損し
たりする問題がある。上述したような欠点を解消する方
法として、以下に述べるように、シリコーンゲル表面に
表面保護層を設ける方法がある。
【0004】(1) シリコーンゲルの表面に、他の有機系
高硬度樹脂の保護層を設ける方法、
【0005】(2) 特公平1−25704 号公報に記載されて
いるように、シリコーンゲルの表面にオルガノハイドロ
ジェンポリシロキサン等を付与し、ゲル表面に拡散させ
た後、加熱硬化させ、表面にエラストマー状もしくはレ
ジン状のシリコーン層を設ける方法、
【0006】(3) 特開昭61−277414号公報に記載されて
いるように、未硬化状態のシリコーンゲル組成物の表面
にオルガノハイドロジェンポリシロキサンを付与し、拡
散しないうちに加熱して内側のシリコーンゲル組成物と
オルガノハイドロジェンポリシロキサンが取り込まれた
表面層を同時硬化させて、シリコーンゲル組成物の表面
にシリコーンエラストマー層を設ける方法、
【0007】(4) 硬化したシリコーンゲルの表面に、硬
化によりシリコーンエラストマー層もしくはシリコーン
レジン層になる組成物を付与し、それを硬化させて表面
層を設ける方法等が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記 (1)
の方法では、層間接着力が不十分のため層間剥離が発生
しやすい。 (2)の方法では、シリコーンゲル表面上にオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンが未硬化のまま残
存することのないように、シリコーンゲル中の残存官能
基と反応する官能基を持ったオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンの種類、量を選択しなければならず、ある
いは硬化後洗浄または払拭する必要がある。 (3)の方法
では、加熱を行う際にはシリコーンゲル組成物は未硬化
状態であるため、該組成物の表面に付与されたオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンが対流によってシリコー
ンゲル組成物中に巻き込まれる。その結果、表面層が不
均一に硬化し、良好な保護層が得られない上に、表面保
護層の厚さおよび硬度の制御が困難である。 (4)の方法
では、シリコーンゲル組成物を硬化した後にシリコーン
エラストマー層もしくはシリコーンレジン層になる組成
物を硬化するため、工程が煩雑になり、時間的にも不利
である。
【0009】そこで本発明の課題は、シリコーンゲルか
らなる基相と、該基相と良好な密着性を有し信頼性の高
いシリコーンエラストマーまたはシリコーンレジンでで
きた表面保護相からなるシリコーン複合体を簡単な工程
で容易に製造することができる製造方法を提供すること
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、シ
リコーンゲルからなる基相とその表面に形成されたシリ
コーンエラストマーまたはシリコーンレジンからなる表
面層とからなるシリコーン複合体の製造方法であって、
【0011】(a) 1分子中に含有されるケイ素原子に結
合した全有機基のうち平均 0.025モル%以上がアルケニ
ル基であり、かつ25℃における粘度が10〜100,000 cPの
範囲にある、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニ
ル基を平均 0.1〜2個有するオルガノポリシロキサン、
【0012】(b) ケイ素原子に結合した水素原子を1分
子中に1〜50個有するオルガノハイドロジェンポリシロ
キサンであって、該水素原子の数が前記オルガノポリシ
ロキサン(a) 中のケイ素原子に結合したアルケニル基1
個当たり 0.3〜2.0 個になるように配合されるもの、お
よび
【0013】(c) 付加反応触媒、を含有する、硬化して
シリコーンゲルを生成する硬化性シリコーン組成物(A)
からなる相を設ける工程、次に、前記組成物(A) の相の
上に、
【0014】(d) 1分子中に含有されるケイ素原子に結
合した全有機基のうち平均0.05モル%以上がアルケニル
基であり、かつ25℃における粘度が10〜100,000 cPの範
囲にある、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル
基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、
【0015】(e) ケイ素原子に結合した水素原子を1分
子中に5〜100 個有するオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンであって、該水素原子の数が前記オルガノポリ
シロキサン(a) 中のケイ素原子に結合したアルケニル基
1個当たり 0.3〜2.0 個になるように配合されるもの、
および
【0016】(f) 付加反応触媒を含有してなり、前記組
成物(A) よりも比重が小さく、硬化してエラストマー状
もしくはレジン状の硬化物になる硬化性シリコーン組成
物(B) からなる層を設ける工程、および、前記組成物
(A) からなる相および組成物(B) からなる層を同時に硬
化に供する工程を有してなる製造方法を提供するもので
ある。
【0017】本発明の製造方法は、相対的に大きな比重
を有するシリコーン組成物(A) からなる相の表面に、相
対的に小さな比重を有するシリコーン組成物(B) からな
る層を積層したものを、硬化に供するというものであ
る。組成物(A) と組成物(B) とは比重が異なるので、積
層された組成物(B) の表面層が組成物(A) の基相に巻き
こまれることがない。そのため、同時に硬化処理に供さ
れると、組成物(A) の硬化基相(シリコーンゲル)とそ
の表面に密着状態で設けられた組成物(B) の硬化表面保
護層(シリコーンエラストマーまたはシリコーンレジ
ン)とからなるシリコーン複合体が得られる。
【0018】シリコーン組成物(A) とシリコーン組成物
(B) との比重の差は、0.05以上であることが好ましく、
さらには 0.2〜0.5 であることが好ましい。シリコーン
組成物(A) とシリコーン組成物(B) とに、このような比
重差を設ける方法は特に制限されない。下記に例示の方
法をとることができる。
【0019】本発明の第1の態様によれば、組成物(A)
に、組成物(B) よりも比重が大きくなるような充填剤が
添加される。第2の態様によれば、組成物(B) に、組成
物(A) よりも比重が小さくなるような充填剤および/ま
たは有機溶剤が添加される。第3の態様として、組成物
(A) に比重を増す充填剤を添加し、組成物(B) に比重を
減少させる充填剤や溶剤を添加することも勿論可能であ
る。以下、順を追って説明する。
【0020】シリコーン組成物(A) シリコーン組成物(A) は硬化することによりゲル状の硬
化物、すなわち、シリコーンゲルを生成するものであ
る。なお、本明細書において、シリコーンゲルとは、JI
S K-6301に規定され、A型スプリング式硬度計で測定さ
れたゴム硬度が0であるシリコーン硬化物を意味する。
また、ゲル状とは、シリコーン硬化物がこのようなシリ
コーンゲルの状態にあることを意味する。かかるシリコ
ーンゲルは、一般に、架橋度が低い3次元的網目構造を
有し、応力により変形して振動を吸収したり流動性を示
す。これに対し、エラストマーとは、前記ゴム硬度が0
より大で 100未満の範囲の硬度を有する硬化物を意味
し、レジンとは、前記ゴム硬度が 100以上の硬度を有す
る硬化物を意味する。
【0021】(a) オルガノポリシロキサン このオルガノポリシロキサン(a) は、1分子中に含有さ
れるケイ素原子に結合した全有機基のうち平均 0.025モ
ル%以上がアルケニル基であり、かつ25℃における粘度
が10〜100,000 cPの範囲にある、1分子中にケイ素原子
に結合したアルケニル基を平均して 0.1〜2個有するも
のである。1分子に含有されるケイ素原子に結合した全
有機基のうちアルケニル基の割合が平均 0.025モル%よ
り少ないと、シリコーンゲルが得られにくい。かかるア
ルケニル基としては、ビニル基、アリル基、イソプロペ
ニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。 (a)成分
の合成が容易であること、および多くの種類の触媒によ
って容易に反応することから、ビニル基が好ましい。
【0022】ケイ素原子に結合したアルケニル基以外の
有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、等のアルキル基、ベンジル基、2-フェニルエチル基
等のアラルキル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基
等のアリール基、あるいはこれらの基の水素原子の一部
または全部をハロゲン原子等で置換したクロロメチル
基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等の、炭素原子数1
〜10、好ましくは炭素原子数1〜8の非置換または置換
の1価炭化水素基が挙げられる。合成が容易なこと、お
よび得られるシリコーンゲルの耐熱性や物理的性質が優
れたものであることから、メチル基が好ましい。
【0023】また、このオルガノポリシロキサンの25℃
における粘度は、10〜100,000 cP、好ましくは 100〜1
0,000cPである。粘度が10cPよりも低いと、得られるシ
リコーン組成物(A) が流れやすく作業性が低下するし、
さらに該組成物(A) の硬化により得られる硬化物の損失
正接等の物理的性質が不満足なものとなる。一方、粘度
が 100,000cPよりも高いと、得られる組成物の作業性が
悪くなる。
【0024】シリコーン組成物(a) を硬化させて得られ
る硬化物がゲル状のものになるためには、 (a)成分は、
1分子中に含有されるケイ素原子に結合した全有機基の
うち、平均 0.025モル%以上がアルケニル基であり、か
つ、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を平
均 0.1〜2個有するものであることが必要である。さら
に、このオルガノポリシロキサン(a) の分子構造は、直
鎖状でも分岐状でもよい。これらの混合物の形でもよ
い。
【0025】以上に述べたような (a)成分のオルガノポ
リシロキサンとしては、例えば下記の一般式で表される
ものが挙げられる。
【化1】 〔ここで、0≦x≦1.9 , 0.1≦y≦2の正数で、x+
y=2、nは正の整数である〕
【0026】(b) オルガノハイドロジェンポリシロキサ
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(b) は、前記
(a)成分中のアルケニル基と反応してシリコーンゲルを
形成するもので、そのために、ケイ素原子に結合する水
素原子が1分子中に1〜50個存在しなければならない。
このような水素原子は、オルガノハイドロジェンポリシ
ロキサン分子鎖の末端、あるいは途中のいずれのケイ素
原子に結合していてもよい。
【0027】オルガノハイドロジェンポリシロキサン
(b) のケイ素原子に結合した水素原子以外の1価の原子
もしくは基としては、前記 (a)のオルガノポリシロキサ
ンのケイ素原子に結合したアルケニル基以外の基として
例示されたものと同様のものを例示することができる。
(b)成分を容易に合成することができること、および得
られるシリコーンゲルの耐熱性がより優れたものとなる
ことから、メチル基が好ましい。
【0028】オルガノハイドロジェンポリシロキサン
(b) は、オルガノポリシロキサン(a)と相溶性を有する
必要があり、そのためにはオルガノポリシロキサン(a)
中のアルケニル基以外の有機基と、異なる種類の有機基
を有するケイ素原子の数が (b)成分中に少なければよ
く、通常オルガノハイドロジェンポリシロキサン(b) 中
の全ケイ素原子に対して、上記ケイ素原子が10モル%以
下であることが好ましい。
【0029】(b)成分の配合量は、 (a)成分中のケイ素
原子に結合するアルケニル基1個に対して (b)成分中の
ケイ素原子に結合する水素原子が 0.3〜2.0 個、好まし
くは0.5〜1.5 個となる量である。 0.3個より少ない量
であると、得られるシリコーンゲル中に未反応アルケニ
ル基が残存し、硬化物の耐熱性が低下する。また、 2.0
個より多い量であると、得られる組成物(A) が硬化の際
に発泡する恐れがある。
【0030】シリコーン組成物(A) が硬化により生成す
る硬化物がゲル状のものになるためには、 (b)成分は、
ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に1〜50個有
するものであることが必要である。粘度は特に制限され
ないが、 (b)成分を合成するのに容易であること、およ
び作業性がよいことから、25℃において10〜1,000 cPの
範囲であることが好ましい。
【0031】以上に述べたような (b)成分のオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンとしては、例えば下記の一
般式で表されるものが挙げられる。
【化2】 〔ここで、x, yはx≧0, y≧0, x+y=2の数で
あり、mとnは0≦n≦250,0≦m≦50, 0≦m+n≦
250 を満たす整数である〕
【0032】(c) 付加反応触媒 付加反応触媒は、 (a)成分中のケイ素原子に結合するア
ルケニル基と、 (b)成分中のケイ素原子に結合する水素
原子との付加反応(ヒドロシリル化反応)を促進するも
のとして従来知られているいかなる触媒でもよい。通
常、白金族金属系触媒が用いられ、例えば塩化白金酸、
アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とビニルシロキ
サンとの錯体、塩化白金酸−2-エチルヘキサノール溶液
等の白金系触媒、テトラキス( トリフェニルホスフィ
ン) パラジウム、パラジウム黒とトリフェニルホスフィ
ンとの混合物等のパラジウム系触媒、ロジウム触媒等が
挙げられる。中でも塩化白金酸−2-エチルヘキサノール
溶液が好ましい。
【0033】これらの触媒の配合量はいわゆる触媒量で
よい。通常、 (a)成分と (b)成分の合計量に対して、
0.1〜100 ppm (触媒金属元素換算)の範囲である。
【0034】比重調整剤 前記第1の態様により組成物(A) の比重を組成物(B) の
比重より高める場合には、比重調整剤として充填材が添
加される。この充填材は比重が 1.5以上が好ましく、2
〜7程度がより好ましい。このような充填材としては、
例えばヒュームドシリカ、沈降性シリカ、粉砕石英、ケ
イソウ土、酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無
機充填剤、炭酸マンガン、カーボンブラック、アルミ
ナ、炭化ケイ素、窒素ケイ素等が挙げられる。
【0035】充填剤の配合量は、シリコーン組成物(A)
がシリコーン組成物(B) に対して前述の比重差を有する
ように選択されるが、通常 (A)成分と (B)成分の合計量
100重量部当たり10〜100 重量部の範囲でよい。
【0036】シリコーン組成物(B) 組成物(B) は硬化により、シリコーンエラストマーまた
はシリコーンレジンを生成する。組成物(B) は、硬化に
よりエラストマー状ないしはレジン状になる上で、 (d)
成分のオルガノポリシロキサンは、1分子中に含有され
るケイ素原子に結合した全有機基のうち、平均0.05モル
%以上がアルケニル基であり、かつ、1分子中にケイ素
原子に結合したアルケニル基を2個以上有するものであ
ることが必要であり、オルガノハイドロジェンポリシロ
キサン(e) は、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子
中に5〜100 個有するものであることが必要である。
【0037】このような条件を備えたオルガノポリシロ
キサン(d) としては、下記の一般式で表されるものが挙
げられる。
【化3】 〔ここで、mとnは0以上の整数〕
【0038】また、オルガノハイドロジェンポリシロキ
サン(e) としては、下記の一般式で表されるものが挙げ
られる。
【化4】 〔ここで、x, yはx≧0, y≧0, x+y=2の数で
あり、mとnは、0≦m, 3≦n≦100 の整数である〕
【0039】また、硬化性シリコーン組成物(B) の組
成、および該組成物(B) の使用量を変化させることによ
って、表面層の硬度および厚さを調節することが可能で
ある。具体的には、 (d)成分中のアルケニル基量、 (e)
成分中のケイ素原子結合水素原子(Si-H基)の量を増加
することにより硬化物の硬度を上げることができ、ま
た、組成物(B) の使用量を増加することで表面層の厚さ
を厚くすることができる。
【0040】比重調整剤 前記第2の態様により組成物(B) の比重を組成物(A) の
比重より低くする場合には、組成物(B) に比重調整剤と
して充填材および/または有機溶剤がが添加される。こ
の充填材や溶剤は比重が 0.9以下が好ましく、 0.5〜0.
8 程度がより好ましい。具体的には、トルエン、キシレ
ン、ヘキサン等のハイドロカーボン系溶剤、フロン、四
塩化炭素等のハロゲン化ハイドロカーボン系溶剤等の溶
媒、シリコーン発泡体、ウレタン発泡体等の発泡体、中
空シリカ粉、中空フェノール樹脂粉等が挙げられる。中
でも、中空シリカ粉が特に好ましい。
【0041】充填剤や溶剤の配合量は、シリコーン組成
物(B) がシリコーン組成物(A) に対して前述の比重差を
有するように選択されるが、通常 (a)成分と (b)成分の
合計量 100重量部当たり10〜50重量部の範囲でよい。溶
剤は、組成物(B) の比重を低下させるばかりでなく、組
成物(B) の粘度も下げ、組成物(A) からなる相の上に組
成物(A) を流延して均一な表面層を形成するのにも役立
つ。
【0042】その他の配合剤 シリコーン組成物(A) およびシリコーン組成物(B) に
は、さらに、必要に応じて、前記の成分以外にも、硬化
性シリコーン組成物に従来添加することが知られている
添加剤を添加してよい。例えばアセチレンアルコール化
合物等の反応制御剤、炭酸マンガン、カーボンブラック
等の難燃性付与剤、染料、顔料等の着色剤、耐熱安定
剤、耐油安定剤等である。さらに、硬化して得られる硬
化物の振動吸収性を向上させるために、内部に低沸点化
合物を含む有機ポリマー充填剤等を必要に応じて配合し
てよい。ただし、これらの任意的な添加剤は、組成物
(A) が組成物(B) よりも比重が相対的に小さいという関
係を害しないように添加する必要がある。
【0043】シリコーン組成物(A) からなる相を設ける
工程 シリコーン組成物(A) からなる相を設けるには、目的と
する所定の形状の型内もしくは支持体表面に該組成物
(a) を塗布する、噴霧する、注入する、射出する、押し
出す、滴下する、落下させる等の方法がある。
【0044】シリコーン組成物(B) からなる層を設ける
工程 上記のようにして設けられたシリコーン組成物(A) から
なる相の表面に、シリコーン組成物(B) を塗布する、噴
霧する、注入する、射出する、押し出す等の方法により
適用し、組成物(B) の表面層を設ける。組成物(B) の比
重は組成物(A)の比重よりも大きいため、表面層が基相
と互いに混じり合うことがない。
【0045】硬化工程 上記の工程により、未硬化の基相に未硬化の表面層が積
層されたものが得られるが、これらを一体として同時に
硬化処理に供する。これにより、シリコーンゲルからな
る基相とエラストマーまたはレジンからなる表面層とか
らなるシリコーン複合体を得ることができる。硬化の条
件としては、通常の硬化条件でよく、例えば60〜150 ℃
程度の温度で、30〜180 分程度の加熱処理でよい。
【0046】用途 本発明の方法により得られるシリコーン複合体は、内部
のシリコーンゲル相が応力緩和相として、表面層である
シリコーンエラストマーまたはレジンの層が表面保護層
として効果的に機能するので、各種の電気、電子部品や
半導体素子の表面の被覆剤として有用である。また、本
発明のシリコーン複合体は、各種のプラスチック、金
属、ガラス等のいずれの基材の表面にも成形することが
できる。
【0047】
【実施例】以下の記載において粘度は25℃における値を
示す。実施例1 (1) 平均で下記の式:
【化5】 で表され(ビニル基含有量 0.4モル%)、粘度1000cPで
あるジメチルポリシロキサン 100重量部、下記の式:
【化6】
【0048】で表され、粘度28cPのオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサン5重量部、塩化白金酸−2-エチルヘ
キサノール溶液5ppm (白金換算)、および、結晶性粉
砕シリカ35重量部を混合機に仕込み、均一に混合して、
シリコーン組成物(A-1)を得た。
【0049】(2) 平均で下記の式:
【化7】 で表され(ビニル基含有量 2.1モル%)、粘度60cPのジ
メチルポリシロキサン 100重量部、平均で下記の式:
【化8】
【0050】(ただし、該式は構成単位の数を便宜的に
表現したもので、これらの単位はランダムに配列されて
いてもよい)で表され、粘度10cPのオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサン7重量部、および、塩化白金酸−2-
エチルヘキサノール溶液5ppm (白金換算)を混合機に
仕込み、均一に混合して、シリコーン組成物(B-1) を得
た。
【0051】(3) 前記のシリコーン組成物(A-1)20gを
直径5cmのアルミシャーレに注入し均一な厚さにし、次
いでその表面にシリコーン組成物(B-1)2gを均一に積
層した。この積層された組成物を温度60℃で2時間加熱
したところ、粘着性のないエラストマー状の表面層と、
耐寒性を有するゲル状の基相からなる透明なシリコーン
複合体が得られた。
【0052】実施例2 (1) 下記の構造式:
【化9】 で表され(ビニル基含有量0.40モル%)、粘度1000cPの
オルガノポリシロキサン100重量部、平均で下記の式:
【化10】
【0053】(ただし、式中の構成単位はランダムに配
列されている)で表され、粘度28cPのオルガノハイドロ
ジェンポリシロキサン5重量部、塩化白金酸−2-エチル
ヘキサノール溶液5ppm (白金換算)、および、結晶性
粉砕シリカ35重量部、を混合機に仕込み、均一に混合し
て、シリコーン組成物(A-2) を得た。
【0054】(2) 平均で下記の式:
【化11】 で表され、粘度 100cPのオルガノポリシロキサン 100重
量部、下記の式:
【化12】
【0055】(ただし、式中、構成単位はランダムに配
列されている)で表され、粘度10cPのオルガノハイドロ
ジェンポリシロキサン7重量部、および、塩化白金酸−
2-エチルヘキサノール溶液5ppm (白金換算)を混合機
に仕込み、均一に混合した後、得られた混合物をトルエ
ンを用いて2倍に希釈して、シリコーン組成物(B-2) を
得た。
【0056】(3) 前記のシリコーン組成物(A-2) 20gを
直径5cmのアルミシャーレに注入し均一な厚さとし、次
いでその表面にシリコーン組成物(B-2)4gを均一に積
層した。この積層された組成物を温度60℃で2時間加熱
したところ、粘着性のないエラストマー状の表面層と、
耐寒性を有するゲル状の基相からなる透明なシリコーン
複合体が得られた。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、高い硬度、高い強度、
高い耐溶剤性等を有し、硬度と厚さの調節が容易な表面
層と、低い硬度、低い強度、高い耐溶剤性、粘着性等を
有する基相からなるシリコーン複合体を1回の硬化処理
で容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡見 健英 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平3−178433(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーンゲルからなる基相とその表面
    に形成されたシリコーンエラストマーまたはシリコーン
    レジンからなる表面層とからなるシリコーン複合体の製
    造方法であって、 (a) 1分子中に含有されるケイ素原子に結合した全有機
    基のうち平均0.025モル%以上がアルケニル基であり、
    かつ25℃における粘度が10〜100,000 cPの範囲にある、
    1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を平均
    0.1〜2個有するオルガノポリシロキサン、 (b) ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に1〜50
    個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであっ
    て、該水素原子の数が前記オルガノポリシロキサン(a)
    中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当たり 0.3
    〜2.0 個になるように配合されるもの、および (c) 付加反応触媒、 を含有する、硬化してシリコーンゲルを生成する硬化性
    シリコーン組成物(A) からなる相を設ける工程、 次に、前記組成物(A) の相の上に、 (d) 1分子中に含有されるケイ素原子に結合した全有機
    基のうち平均0.05モル%以上がアルケニル基であり、か
    つ25℃における粘度が10〜100,000 cPの範囲にある、1
    分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上
    有するオルガノポリシロキサン、 (e) ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に5〜10
    0 個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであ
    って、該水素原子の数が前記オルガノポリシロキサン
    (a) 中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当たり
    0.3〜2.0 個になるように配合されるもの、および (f) 付加反応触媒を含有してなり、前記組成物(A) より
    も比重が小さく、硬化してエラストマー状もしくはレジ
    ン状の硬化物になる硬化性シリコーン組成物(B) からな
    る層を設ける工程、および、 前記組成物(A) からなる相および組成物(B) からなる層
    を同時に硬化に供する工程を有してなる製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法であって、前記組成
    物(A) が、前記組成物(B) よりも比重が大きくなるよう
    な充填剤を含有するものである方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の方法であって、
    前記組成物(B) が前記組成物(A) よりも比重が小さくな
    るような充填剤および/または有機溶剤をさらに含有す
    るものである方法。
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