JP7300370B2 - 半導体装置の駆動装置および駆動方法、並びに電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置に用いられる半導体装置を駆動する駆動装置および駆動方法、並びにこれらが適用される電力変換装置に関する。
三相交流インバータなどの電力変換装置の主回路においては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの半導体スイッチング素子とダイオード(還流ダイオード)とが逆並列に接続されるアームが、2個直列に接続される。
半導体スイッチング素子のオン・オフ駆動に伴って、各アームの電圧は急峻に変化するが、許容される電圧変化率(dv/dt)は、電力変換装置によって電力が供給される負荷(モータなど)の絶縁性の確保や放射ノイズの抑制など、システム側の要求で設定される。
直列接続される2個のアーム、すなわち高電位側の上アームおよび低電位側の下アームの内、一方のアームのダイオードには、リカバリ時に、逆バイアス電圧が印加される。この逆バイアス電圧は、他方のアームにおいてターンオンする半導体スイッチング素子の電圧の減少に応じて増大する。ここで、半導体スイッチング素子の電圧変化率(dv/dt)は、ゲート駆動条件(ゲート抵抗、ゲート電圧など)に応じて変化する。したがって、一方のアームにおけるダイオードに印加される逆バイアス電圧のdv/dtは、他方のアームにおける半導体スイッチング素子のゲート駆動条件に応じて設定できる。
半導体スイッチング素子およびダイオードのdv/dtは、半導体スイッチング素子の動作状態によっても変化する。例えば、IGBTのターンオン時における対アームのダイオードのリカバリdv/dtは、半導体スイッチング素子に流れる電流が小さくなるとともに、また、半導体スイッチング素子の温度が低くなるとともに、増大する。したがって、ゲート駆動条件が標準値であっても、半導体スイッチング素子の動作状態によってはdv/dtが抑制されない。
これに対し、半導体スイッチング素子の動作状態に応じてゲート駆動条件を制御する技術として、特許文献1に記載の従来技術が知られている。この従来技術においては、電流指令値に基づいて半導体スイッチング素子の通電電流Icを推定するとともに、低電流領域での動作と推定されるときには低速スイッチングによりターンオンし、高電流領域での動作と推定されるときには高速スイッチングによりターンオンするように、駆動速度を制御する。
特開2009-27881号公報
上記従来技術においては、駆動速度の制御において、半導体スイッチング素子およびダイオードのdv/dtと、半導体スイッチング素子のターンオン時に発生するスイッチング損失とのトレードオフ関係については、十分な考慮がなされていない。このため、動作条件によっては、dv/dtを抑制できても、スイッチング損失を抑制することが難しい。
そこで、本発明は、動作条件に応じて、dv/dtを抑制しながらも、スイッチング損失を抑制できる、半導体装置の駆動装置および駆動方法、並びに電力変換装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明による半導体装置の駆動装置は、電力変換装置におけるアームを構成する半導体装置を駆動するものであって、半導体装置の制御端子に制御電流を出力する出力部を備え、出力部は、半導体装置の動作状態に応じて、アームにおける還流ダイオードの逆回復時の電圧変化率の大きさが所定の一定値になるように、制御電流の大きさを制御する。さらに、本発明による半導体装置の駆動装置は、動作状態に応じて、アームにおける還流ダイオードの逆回復時の電圧変化率の大きさが一定値になるように、制御電流指令を作成する演算部を備え、出力部は、制御電流指令に応じて、制御電流を出力し、演算部は、電圧変化率を一定値にするような制御電流と、動作状態との関係を表す線形モデルに基づいて、制御電流指令を作成し、線形モデルを学習する学習部を備え、学習部は、動作状態を変えながら、電圧変化率が一定値に一致する制御電流を計測して取得される、動作状態と制御電流とのデータセットに適合する線形モデルを学習し、動作状態は、半導体装置の電圧、電流および温度であり、線形モデルは、動作状態を特徴量とし、特徴量の線形和として表され、学習部は、回帰分析により線形和として表される線形モデルを学習し、演算部は、学習部が学習する線形モデルに基づいて制御電流指令を作成する。
また、上記課題を解決するために、本発明による半導体装置の駆動方法は、電力変換装置におけるアームを構成する半導体装置を駆動する方法であって、半導体装置の動作状態に応じて、アームにおける還流ダイオードの逆回復時の電圧変化率の大きさが所定の一定値になるように、電圧変化率を一定値にするような制御電流と、動作状態との関係を表す線形モデルに基づいて、半導体装置の制御端子への制御電流の大きさを制御する。この線形モデルは、動作状態を変えながら、電圧変化率が一定値に一致する制御電流を計測して取得される、動作状態と制御電流とのデータセットに適合し、動作状態は、半導体装置の電圧、電流および温度であり、線形モデルは、動作状態を特徴量とし、特徴量の線形和として表され、回帰分析により学習される。
上記課題を解決するために、本発明による電力変換装置は、上下一対のアームを備えるものであって、上下一対のアームの内、上アームを構成する第1半導体装置を駆動する第1駆動装置と、上下一対のアームの内、下アームを構成する第2半導体装置を駆動する第2駆動装置と、を備え、第1駆動装置および第2駆動装置は、上記本発明による半導体装置の駆動装置からなる
本発明によれば、半導体装置の動作状態が変化しても還流ダイオードの電圧変化率を一定値に制御されるので、低ノイズかつ低損失に半導体装置を駆動できる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1である三相インバータシステムの概略的な構成を示す回路図である。 実施例1におけるゲート駆動装置の構成を示す機能ブロック図である。 最適ゲート電流のデータセットの取得方法を示すフロー図である。 最適ゲート電流のデータセットの取得装置の構成図である。 IGBTのターンオン損失と、還流ダイオードの逆回復時の電圧変化率とのトレードオフ関係の一例を示すグラフである。 実施例1においてIGBTへゲート電流を出力するアナログ出力部の構成を示す回路図である。 実施例2である三相インバータシステムにおけるゲート駆動装置が備えているアナログ出力部の構成を示す回路図である。 実施例3である三相インバータシステムの概略的な構成を示す回路図である。
以下、本発明の実施形態について、下記の実施例1~3により、図面を用いながら説明する。各図において、参照番号が同一のものは、同一の構成要件あるいは類似の機能を備えた構成要件を示している。
図1は、本発明の実施例1である三相インバータシステムの概略的な構成を示す回路図である。
本三相インバータシステムでは、IGBT101とフィルタコンデンサ103により、パワーユニット100が構成される。UVW相それぞれにおいて、2個のIGBT101が直列接続されており、各IGBT101には、通流方向が互いに逆方向となるように還流ダイオード102が並列接続されている。すなわち、各相において、上下一対のアームが直列接続され、これらアームの直列接続回路が、フィルタコンデンサ103に並列接続される。また、各IGBT101のゲートには、指令論理部105からの指令信号に従い、IGBT101を駆動するゲート駆動装置104が接続される。
UVW相それぞれの上アームのIGBT101と下アームのIGBT101との直列接続点は、パワーユニット100の出力として、負荷であるモータ106に接続される。フィルタコンデンサ103の高電位側は、直流電源電位107に接続される。フィルタコンデンサ103の低電位側は、グランド電位108に接続される。また、直列接続される上下一対のアームは、直流電源電位107とグランド電位108との間に接続される。
三相インバータシステムは、パワーユニット100内のUVW相のIGBT101をオン・オフスイッチングすることにより、図示されない直流電源からパワーユニット100の直流側(フィルタコンデンサ103側)に入力される直流電力を三相交流電力に変換して、この三相交流電力をモータ106に出力する。
IGBT101やフィルタコンデンサ103とともにパワーユニット100内に配置されているゲート駆動装置104は、指令論理部105からの指令信号に従い、IGBT101を駆動する。指令論理部105は、演算装置、メモリおよび入出力部を備え、所定のプログラムを実行することにより、IGBT101を駆動するための指令信号を作成して、この指令信号をゲート駆動装置104へ出力する。
なお、ゲート駆動装置104によって駆動される半導体スイッチング素子は、IGBTに限らず、MOSFETなどの電圧駆動型半導体スイッチング素子であればよい。また、半導体スイッチング素子を構成する半導体は、シリコン(Si)でもよいし、ワイドギャップ半導体(炭化シリコン(SiC)や窒化ガリウム(GaN)など)でもよい。
図2は、実施例1におけるゲート駆動装置の構成を示す機能ブロック図である。図2においては、図1に示す三相インバータシステムにおけるU相の下アームのみ図示しているが、U相の上アーム、V相およびW相の上下アームの各ゲート駆動装置も同様の構成を有する。したがって、以下においてはU相の下アームのゲート駆動装置の構成および動作について説明するが、他のゲート駆動装置の構成および動作も同様である。
ゲート駆動装置104は、IGBT101のゲート端子Gおよびセンスエミッタ端子(補助エミッタ端子)SSと接続される。また、ゲート駆動装置104は、上位の指令論理部105に接続される。
図2に示すように、ゲート駆動装置104は、センシング部1、デジタル制御部2、アナログ出力部3から構成される。デジタル制御部2は、学習部2aおよび演算部2bを備える。
指令論理部105から駆動指令信号がゲート駆動装置104に入力される。ゲート駆動装置104は、駆動指令信号が入力されている間、IGBT101のゲート・エミッタ間(G-SS間)にIGBT101のゲート閾値電圧を超える電圧(たとえば+15V)を印加し、IGBT101をオンさせてIGBT101に電流を流す(ターンオン)。また、ゲート駆動装置104は、指令論理部105から駆動指令信号が入力されていない間は、IGBT101のゲート・エミッタ間(G-SS間)にゲート閾値電圧を下回る電圧(たとえば、-10V)を印加し、IGBT101をオフさせてIGBT101の電流を遮断する(ターンオフ)。
また、ゲート駆動装置104は、IGBT101の動作状態、すなわち、IGBT101に流れる電流I、IGBT101に印加される電圧V(図2では、フィルタコンデンサ103(図1)の両端電圧)、IGBT101の温度Tを、それぞれ、電流センサ201、電圧センサ202、温度センサ203によってセンシングする。これらセンシング情報(I,V,T)はセンシング部1に入力される。センシング部1は、アナログ信号入力部4を介してセンシング情報を受け取り、デジタル信号に変換し、変換されたセンシング情報を演算部2bに送る。
本実施例1におけるゲート駆動装置104は、I,V,Tの内、いずれか一つの情報、もしくは複数の情報を入力し、後述するように、入力される情報に応じて、還流ダイオードのdv/dtの大きさを一定値に制御するようなゲート電流を出力する。
電流センサ201としては、電流プローブ(CT(current transformer)、ロゴスキーコイルなど)やシャント抵抗が適用される。なお、モータ106を流れる負荷電流の計測値から、IGBT101に流れる電流の推定値を算出してもよい。
電圧センサ202は、フィルタコンデンサ103の両端電圧を検出するほか、IGBT101のコレクタ・エミッタ間電圧を直接検出してもよい。
温度センサ203としては、たとえば、サーミスタなどが適用される。なお、IGBT101のオン電圧など、温度に応じて変化する半導体素子の電気的特性パラメータTSEP(Temperature Sensitive Electrical Parameters)の計測値から、IGBT101の温度の推定値を算出してもよい。
学習部2aは、データ入力部5を介して学習データセット6を取得し、学習結果(たとえば、線形モデル)を演算部2bに送る。
演算部2bは、センシング情報(I,V,T)と学習結果とに基づいて、還流ダイオードのdv/dtの大きさを一定値に制御するようなゲート電流(I)、すなわち最適ゲート電流を演算し、演算値に応じたゲート電流出力指令をアナログ出力部3に送る。
アナログ出力部3は、演算部2bからのゲート電流出力指令に基づいて、最適ゲート電流IをIGBT101のゲート端子Gへ出力し、IGBT101を駆動(ターンオンまたはターンオフ)する。
以下、ゲート駆動装置104の動作について説明する。
以下では、動作条件(電圧V、電流I、温度T)が変化しても、還流ダイオードの逆回復時の電圧変化率(dv/dt)の大きさが所定の固定値になるように、ゲート駆動装置104が、現時点でのIGBT101の動作状態に基づいて最適ゲート電流を演算し出力するために適用される、最適ゲート電流(I)のデータセットを取得する手段と、データセットからI演算に用いる線形モデルを学習する手段について説明する。なお、最適ゲート電流のデータセットの取得および取得したデータセットに基づく線形モデルの学習は、個々のIGBT101ごとに実行される。以下では、U相下アームのIGBTの場合について説明するが、U相上アームのIGBT、V相およびW相の上下アームのIGBTについても同様である。
まず、最適ゲート電流(I)のデータセットを取得する手段について説明する。
図3は、最適ゲート電流のデータセットの取得方法を示すフロー図である。また、図4は、最適ゲート電流のデータセットの取得装置の構成図である。なお、図3の各ステップについて、図4の装置構成を参照しながら説明する。
まず、ステップS101(図3)において、IGBT101a(図4)の動作条件(電圧V、電流I、温度T)を固定する。ここでは、V,I,Tを、それぞれ、V1,I1,T1に固定するとする。
この場合、電圧V1は、電源電位107とグランド電位108との間の電圧値がV1になるように、図示されない外部電源により設定される。また、温度T1は、図4に示すように、三相インバータシステム(主回路およびゲート駆動装置)全体を、温度T1に設定した恒温槽109の内部に入れることにより設定される。また、電流I1は、IGBT101aをオンさせて電流を流す時間、すなわち、ゲート駆動装置104aへの駆動指令信号の入力時間に比例して増大するため、IGBT101aを流れる電流がI1になるように入力時間を制御することにより、設定される。
次に、ステップS102(図3)において、ゲート駆動装置104a(図4)がIGBT101aに出力するゲート電流値(I 1)を指定する。なお、本実施例1では、データ入力部5を介して、外部装置からの設定信号により、ゲート駆動装置104aに対して、IGBT101aに出力するゲート電流値としてI 1が設定される。最適ゲート電流のデータセットの取得時には、ゲート駆動装置104aは、設定されたゲート電流値(I 1)に従うゲート電流をIGBT101aのゲート端子へと出力する。
なお、ゲート電流値I 1は、デジタル制御部2(図2)へのプログラムデータとして、外部からソフトウェア的に書き換え可能にしておいても良い。このようなソフトウェア的な書き換え手段として、デジタル制御部2としてFPGA(Field Programmable Gate Array)を適用し、ゲート電流値I 1を指定したプログラムを、データ入力部5を介してコンパイルしてもよい。これにより、IGBT101aに出力するゲート電流値(I 1)を設定する際に、ゲート駆動装置104の出力ゲート抵抗の変更のようなハードウェア的な変更が削減されるので、データセットを効率よく取得することができる。
次に、ステップ103(図3)において、ゲート駆動装置104aによってIGBT101aがゲート電流値I 1で駆動され、このときのIGBT101aのスイッチング(ターンオン)損失(E)と、対アームの還流ダイオード102bの逆回復時の電圧変化率(dv/dt)が取得される。なお、このとき、他のIGBTも同様に駆動されて、三相インバータシステムが動作する。
本ステップ103(図3)においては、図4に示すように、IGBT101aのコレクタ・エミッタ間電圧(V)および対アームの還流ダイオード102bのカソード・アノード間電圧(v)が、たとえば、高電圧プローブで検出され、電圧検出値が演算機能を有する計測装置110(たとえばデジタルオシロスコープ)に入力される。また、IGBT101aを流れる電流(I)が、たとえば、電流プローブやカレントトランス等で検出され、電流検出値が計測装置110に入力される。計測装置110は、IGBT101aのターンオン時のコレクタ・エミッタ間電圧(V)の波形および電流(I)の波形から、電力値(V,Iの積算値)を時間積分することによって、IGBT101aのターンオン損失(E)を演算して、演算値(E1)を、処理装置111に出力する。また、計測装置110は、還流ダイオード102bのカソード・アノード間電圧(v)の波形から電圧変化率(dv/dt)を演算して、演算値((dv/dt)1)を処理装置111に出力する。これにより、IGBT101aの一動作条件(電圧V1、電流I1、温度T1)において、IGBT101aのゲート電流値I 1に対する、IGBT101aのターンオン損失値(E1)および還流ダイオード102bの電圧変化率値((dv/dt)1)が取得される。
なお、処理装置111は、コンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)であり、表示装置を備えている。
ここで、IGBT101aのターンオン損失(E)および電圧変化率(dV/dt)の間にはトレードオフ関係があるので、IGBT101aのターンオンに伴って逆回復する還流ダイオード102bの電圧変化率(dv/dt)とIGBT101aのターンオン損失(E)との間にもトレードオフ関係がある。
図5は、IGBT101aのスイッチング損失(ターンオン損失)Eと、還流ダイオード102bの逆回復時の電圧変化率dv/dtとのトレードオフ関係の一例を示すグラフである。なお、V,I,Tは固定され(V=V1,I=I1,T=T1)、ゲート電流Iをパラメータとしている。
処理装置111は、計測装置110から取得されるターンオン損失Eの演算値および電圧変化率の演算値に基づいて、図5に示すようなグラフを、処理装置111が備える表示装置に表示する。このグラフが示すように、Eとdv/dtとは、トレードオフの関係を示す。なお、V,I,Tが、それぞれV1,I1,T1に固定され、Ig=I 1としてステップS103(図3)が実行された時点では、処理装置111の表示装置において、図5におけるI 1に対応するプロットのみが表示されている。
次に、ステップS104において、処理装置111は、ステップS103において取得されたdv/dtの演算値((dv/dt)1)が制御目標値(dv/dt_target)と一致しているか否かを判定する。一致していれば(Yes)、次に、ステップS105が実行され、一致していなければ(No)、ステップS102に戻り、別のゲート電流値(I 2)を設定して、再度、ステップS102~S104が実行される。
制御目標値(dv/dt_target)は、三相インバータシステムによって電力が供給されるモータ106の絶縁性の確保や放射ノイズの抑制など、モータ駆動システム側の要求に応じて設定される。
ステップS105においては、ステップS104で、I 1に対する(dv/dt)1がdv/dt_targetに一致していると判定された場合、I 1が動作条件(V1,I1,T1)に対する最適ゲート電流(I1)に設定される(I1=I 1)。また、ステップS104で、(dv/dt)1がdv/dt_targetに一致していないと判定され、I=I 2として、再度、ステップS102~S104が実行された結果、I 2に対する(dv/dt)2がdv/dt_targetに一致していると判定された場合、処理装置111は、I 2が動作条件(V1,I1,温度T1)に対する最適ゲート電流(I1)に設定する(I1=I 2)。
なお、前述の図5は、I 2に対して、dv/dtが制御目標値に一致することを示している。
ステップS105において、動作条件(電圧V1、電流I1、温度T1)に対して、最適ゲート電流が設定されると、次に、別の動作条件(電圧V2、電流I2、温度T2)に固定してステップS101~S105を繰り返し、動作条件(電圧V2、電流I2、温度T2)に対する最適ゲート電流Ig2が設定される。
このように、学習に用いるデータサンプル数(n)だけ動作条件を変えながらステップS101~S105が繰り返し実行される。これにより、ステップS106において、動作条件(電圧Vk、電流Ik、温度Tk)に対応する最適ゲート電流(Ik)がn個取得される(k=1,2,…,n)。たとえば、電圧、電流、温度に対してそれぞれ3条件ずつ動作条件を変化させながらデータセットを取得する場合、データサンプル数27個のデータセットが取得される。
ここで、前述のデータセットは、式(1)に示す入力Xと式(2)に示す出力yとで表される。
式(1)が示すように、入力Xは、動作条件であり、第1列を定数1、第2列を電圧Vk、第3列を電流Ik、第4列を温度Tkとし、データサンプル数nだけ縦に並べたn×4の行列によって表される。
また、式(2)が示すように、出力yは、各動作条件のもとでの、還流ダイオードの電圧変化率(dv/dt)が制御目標値(dv/dt_target)に一致するような最適ゲート電流(Ik)であり、データサンプル数nだけ縦に並べたn×1の行列(列ベクトル)によって表される。
Figure 0007300370000001
Figure 0007300370000002
次に、データセットからI演算に用いる線形モデルを学習する手段について説明する。本手段は、図3におけるステップS107に対応する。
上述のデータセットy,Xの組[y X]を学習データセット6(図4)とし、この学習データセット6がデータ入力部5から、デジタル制御部2における学習部2a(図2)に入力される。なお、学習データセット6は、学習部2aへのプログラムデータとして、外部からソフトウェア的に学習部2aへ入力されてもよい。この場合、たとえば、学習部2aとしてFPGAを適用し、学習データセット[y X]を格納したプログラムがデータ入力部5からコンパイルされる。
学習部2aは、学習データセット[y X]を入力し、式(3)に示す線形モデルを出力する学習を行う。式(3)における「θ」は、式(4)に示すパラメータθ0~θ3からなる4×1の行列(列ベクトル)で表される。
Figure 0007300370000003
Figure 0007300370000004
すなわち、本実施例1において、学習部2aは、データセット[y X]に最も適合する線形モデルの係数パラメータθを求める重回帰分析を実行する。たとえば、学習部2aは、重回帰分析により、式(5)に示すような、ゲート電流IをIGBTの動作状態を表す電圧V、電流Iおよび温度Tの3つの特徴量の線形和で表す線形モデルを学習する。
Figure 0007300370000005
なお、線形モデルにおいては、V,IおよびTの内の任意の一つのみ、もしくは任意の二つのみを特徴量としてもよい。また、特徴量のべき乗項(例えば、I)を含んでもよい。
学習部2aは、ステップS107で学習した線形モデル(式(5))を演算部2b(図2)に送る。センシング部1(図2)は、三相インバータシステムの動作時に、IGBT101の動作状態(電圧V、電流I、温度T)を取得し、演算部2bに送る。演算部2bは、取得した動作状態(電圧V、電流I、温度T)と線形モデル(式(5))とを用いて、ゲート電流(I)を演算し、Iの演算値に応じたゲート電流出力指令をアナログ出力部3(図2)に送る。アナログ出力部3は、演算部2bからのゲート電流出力指令に基づいて、ゲート電流をIGBT101のゲート端子へと出力し、IGBT101を駆動する(図3のステップS108)。
これにより、ゲート駆動装置104(図2)は、IGBT101の動作状態(V,I,T)が変化しても、対アームの還流ダイオードの逆回復時のdv/dtを制御目標値(dv/dt_target)に抑制しつつ、ターンオン損失の発生を抑制するような最適ゲート電流でIGBT101を駆動することができる。
図6は、本実施例1においてIGBT101へゲート電流を出力するアナログ出力部3(図2)の構成を示す回路図である。
図6に示すように、アナログ出力部3は、信号分配器7、オンゲート回路の出力段を構成する複数個(n個)のpチャネルMOSFET(以下、「PMOS」と記す)およびPMOSと同じ個数(n個)のゲート抵抗(以下、「オンゲート抵抗」と記す)、並びに、オフゲート回路の出力段を構成する複数個(n個)のnチャネルMOSFET(以下、「NMOS」と記す)およびNMOSと同じ個数(n個)のゲート抵抗(以下、「オフゲート抵抗」と記す)を有する。
PMOS P1,P2,…,Pnのソース端子は、ゲート駆動装置104用の正側電源電位8に接続される。PMOS P1,P2,…,Pnのドレイン端子は、それぞれオンゲート抵抗 R1,R2,…,Rnの一端に接続される。オンゲート抵抗 R1,R2,…,Rnの他端は、IGBT101のゲートGに接続される。
また、NMOS N1,N2,…,Nnのソース端子は、ゲート駆動装置104用の負側電源電位9に接続される。NMOS N1,N2,…,Nnのドレイン端子は、それぞれオフゲート抵抗 r1,r2,…,rnの一端に接続される。オフゲート抵抗 r1,r2,…,rnの他端は、IGBT101のゲートGに接続される。
信号分配器7の入力部は、演算部2bに接続されている。信号分配器7の2n個の出力部は、n個のPMOSおよびn個のNMOSのゲート(2n個)に接続されている。
演算部2bは、ゲート電流Iの演算値に応じたゲート電流出力指令(Sig_pおよびSig_n)を信号分配器7に送る。信号分配器7は、ゲート電流出力指令(Sig_pおよびSig_n)をPMOSおよびNMOSに分配する。
Sig_pおよびSig_nの各々は、nビットのデジタル信号(1または0)であり、信号「1」は出力段のMOSFETをオンすることを表し、信号「0」は出力段のMOSFETをオフすることを表す。Sig_pは、IGBT101のターンオン時において、PMOS P1,P2,…,Pnの内、オンするPMOSを指定する。すなわち、Sig_pのkビット目の信号がPMOS Pk(k=1,2,…,n)のオン・オフを指定する。また、Sig_nは、IGBT101のターンオフ時において、NMOS N1,N2,…,Nnの内、オンするNMOSを指定する。すなわち、Sig_nのkビット目の信号がNMOS Nk(k=1,2,…,n)のオン・オフを指定する。
信号分配器7は、Sig_pのkビット目の信号をPMOS Pkに分配する。これにより、Sig_pによりオンすると指定されたPMOSがオンゲート抵抗を介して並列接続される。換言すれば、オンすると指定されたPMOSに直列に接続されるオンゲート抵抗が、PMOSを介して並列接続される。並列接続されるPMOSおよびオンゲート抵抗に応じてオンゲート電流の大きさが設定される。
また、信号分配器7は、Sig_nのkビット目の信号をNMOS Nkに分配する。これにより、Sig_nによりオンすると指定されたNMOSがオフゲート抵抗を介して並列接続される。換言すれば、オンすると指定されたNMOSに直列に接続されるオフゲート抵抗が、NMOSを介して並列接続される。並列接続されるNMOSおよびオフゲート抵抗に応じてオフゲート電流の大きさが設定される。
たとえば、出力段のPMOSが4個(n=4)のとき、Sig_pは4ビットのデジタル信号である。このような4ビットのSig_pが「0001」の場合、P1のみオンされる。したがって、PMOSおよびオンゲート抵抗の並列数はいわば「1」であり、アナログ出力部3が出力するオンゲート電流の大きさは最小値となる。また、4ビットのSig_pが「1111」の場合、P1~P4のすべてがオンされる。したがって、PMOSおよびオンゲート抵抗の並列数は「4」であり、オンゲート電流の大きさは最大値となる。また、4ビットのSig_pが「0011」の場合、P1およびP2はオンされ、P3およびP4はオフされる。したがって、PMOSおよびオンゲート抵抗の並列数は「2」であり、オンゲート電流の大きさは中間値となる。
このように、ゲート電流出力指令(Sig_pまたはSig_n)の値に応じて出力段のMOSFETおよびゲート抵抗の並列数を変更することにより、アナログ出力部3から出力されるゲート電流の大きさを制御できる。したがって、アナログ出力部3は、IGBT101の動作状態に応じて、IGBT101の対アームの還流ダイオードの逆回復時のdv/dtを制御目標値(dv/dt_target)に抑制しつつ、ターンオン損失の発生を抑制するような最適ゲート電流をIGBT101のゲートGへ出力することができる。
なお、本実施例1は、上アームのIGBTがターンオンし、下アームの還流ダイオードが逆回復する場合にも、同様に適用される(他の実施例も同様)。
上述のように、本実施例1によれば、IGBTの動作条件(電圧V、電流I、温度T)が変化しても、ダイオードの逆回復時の電圧変化率(dv/dt)を一定の制御目標値に一致するようにゲート電流を制御することにより、ダイオードの電圧変化率(dv/dt)およびスイッチング損失(ターンオン損失)を、バランス良く抑制することができる。例えば、dv/dtの過度な抑制により、スイッチング損失(ターンオン損失)の増大を招いたり、スイッチング損失(ターンオン損失)低減を優先するあまり、dv/dtが十分抑制されなかったりするような不都合が生じない。
また、本実施例1の駆動装置によれば、ゲート駆動装置が、アームを構成するIGBTを低損失かつ低ノイズで駆動することができる。したがって、アーム、すなわちIGBTと還流ダイオードの並列接続回路を含むパワーモジュールなどの半導体装置を低損失かつ低ノイズで駆動することができる。さらに、アームを複数備える三相インバータなどの電力変換装置を低損失化かつ低ノイズ化することができる。
図7は、本発明の実施例2である三相インバータシステムにおけるゲート駆動装置が備えているアナログ出力部の構成を示す回路図である。なお、アナログ出力部以外の構成は、実施例1と同様である。以下、実施例1(図6)と異なる点について説明する。
図7に示すように、本実施例2におけるアナログ出力部3は、信号分配器7、オンゲート回路の出力段を構成するpチャネルMOSFET(以下、「PMOS」と記す) P1およびPMOS P1に直列接続されるオンゲート抵抗R1、オンゲート回路側の電圧制御回路10a、オフゲート回路の出力段を構成するnチャネルMOSFET(以下、「NMOS」と記す) N1およびNMOS N1に直列接続されるオフゲート抵抗r1、並びに、オフゲート回路側の電圧制御回路10bを有する。
PMOS P1のソース端子は、ゲート駆動装置104の正側電源電位8に接続される。PMOS P1のドレイン端子は、オンゲート抵抗の一端に接続される。オンゲート抵抗 R1の他端は、IGBT101のゲートGに接続される。
また、NMOS N1のソース端子は、ゲート駆動装置104の負側電源電位9に接続される。NMOS N1のドレイン端子は、オフゲート抵抗 r1の一端に接続される。オフゲート抵抗 r1の他端は、IGBT101のゲートGに接続される。
信号分配器7の入力部は、演算部2bに接続されている。信号分配器7の4個の出力部は、電圧制御回路10a、電圧制御回路10b、PMOS P1のゲートおよびNMOS N1のゲートに接続されている。
電圧制御回路10aは、信号分配器7の出力部と正側電源電位8との間に接続され、正側電源電位8の大きさを制御する。
電圧制御回路10bは、信号分配器7の出力部と負側電源電位9との間に接続され、負側電源電位9の大きさを制御する。
演算部2bは、ゲート電流Iの演算値に応じたゲート電流出力指令(Sig_pおよびSig_n)を信号分配器7に送る。信号分配器7は、ゲート電流出力指令Sig_pおよびSig_nをそれぞれ電圧制御回路10aおよび電圧制御回路10bに分配するとともに、ゲート電流出力指令(Sig_p,Sig_n)に含まれるPMOS P1およびNMOS N1のオン・オフ制御情報をPMOS P1およびNMOS N1に分配する。電圧制御回路10aは、信号分配器7からのゲート電流出力指令Sig_pに応じて、正側電源電位8の大きさを制御する。また、電圧制御回路10bは、信号分配器7からのゲート電流出力指令Sig_nに応じて、負側電源電位9の大きさを制御する。
本実施例2では、以下に説明するように、実施例1とは異なり、出力段のPMOS P1およびNMOS N1に印加される電圧の大きさを変更することにより、アナログ出力部3からIGBT101のゲートGに出力されるゲート電流が制御される。
演算部2bは、ゲート電流出力指令(Sig_pおよびSig_n)を信号分配器7に送る。Sig_pおよびSig_nの各々は、nビットのデジタル信号(1または0)であり、ゲート電流出力指令の値の大小がゲート駆動装置104の電源電圧の大小に対応する。
たとえば、4ビットのゲート電流出力指令を適用する場合、電圧制御回路10aは、IGBT101のターンオン時において、Sig_p=0000からSig_p=1111までの16段階で正側電源電位8の大きさを制御する。Sig_p=0000の場合、正側電源電位8の大きさが最小(零)となるため、アナログ出力部3からIGBT101のゲート端子Gに出力されるオンゲート電流の大きさが最小(零)となる。また、Sig_p=1111の場合、正側電源電位8の大きさが最大となるため、出力されるオンゲート電流の大きさが最大となる。また、Sig_p=0000およびSig_p≠0000の場合、信号分配器7は、PMOS P1に、それぞれオフ制御情報(オフゲート信号)およびオン制御情報(オンゲート信号)を分配する。なお、Sig_p≠0000の場合、Sig_n=0000に設定され、NMOS_N1には、オフ制御情報(オフゲート信号)が分配される。
ターンオフ時においても同様に、電圧制御回路10bは、ゲート電流出力指令(Sig_n)の値に応じて負側電源電位9の大きさを調整することで、IGBT101のゲート端子Gに出力されるオフゲート電流の大きさが制御される。これにより、IGBT101のターンオフ時において、IGBT101および還流ダイオード102における電圧変化率を制御することができる。
本実施例2によれば、ゲート駆動装置の出力段のスイッチング素子であるPMOSおよびNMOSの個数を低減できるので、ゲート駆動装置の回路の簡素化できたり、ゲート駆動装置を小型化できたりする。
図8は、本発明の実施例3である三相インバータシステムの概略的な構成を示す回路図である。以下、主に、実施例1および実施例2と異なる点について説明する。
本実施例3では、実施例1(図2)においてはゲート駆動装置104が備えているセンシング部1とデジタル制御部2(学習部2aおよび演算部2b)が、指令論理部105に含まれている。
図8に示すように、センシング部1には、インバータシステム内の全相全アーム(U相上アーム、U相下アーム、V相上アーム、V相下アーム、W相上アーム、W相下アーム)のセンシング情報(電圧V、電流I、温度T)を格納するメモリ領域(U high,U low,V high,V low,W high,W low)が設けられている。アナログ信号入力部4を介してセンシング部1に入力された全相全アーム分のセンシング情報(電圧V、電流I、温度T)は、デジタル信号に変換後、それぞれ対応する格納領域に格納されるとともに、対応するメモリ領域を持つ演算部2bに送られる。
本実施例3では、実施例1と同様に、データセットy,X(式(1),式(2)参照)の組[y X]を学習データセット6とし、全相全アーム分の学習データセット6が、データ入力部5から学習部2aに入力される。入力された学習データセット6は、それぞれ対応する相およびアームのメモリ領域(U high,U low,V high,V low,W high,W low)に格納される。
なお、学習データセット6は、学習部2aへのプログラムデータとして、外部からソフトウェア的に学習部2aへ入力されてもよい。この場合、たとえば、学習部2aとしてFPGAを適用し、学習データセット[y X]を格納したプログラムがデータ入力部5からコンパイルされる。
指令論理部105に含まれる学習部2aは、入力された学習データセット6に基づいて、実施例1と同様に、各相各アームのIGBT101および還流ダイオード102について前述の式(5)に示す線形モデルを学習する。学習部2aは、学習によって得られた線形モデルを演算部2bにおける対応する相およびアームのメモリ領域(U high,U low,V high,V low,W high,W low)に格納する。
演算部2bは、センシング部1から取得されるセンシング情報すなわちIGBT101の動作状態(電圧V、電流I、温度T)と、線形モデル(式(5))とを用いて、ゲート電流(I)を演算し、Iの演算値に応じたゲート電流出力指令を、対応する相およびアームにおけるゲート駆動装置104のアナログ出力部3(図2)に送る。なお、図8では、U相上アームとU相下アームについてのみ図示しているが、その他のアームも同様である。
アナログ出力部3は、演算部2bからのゲート電流出力指令に基づいて、ゲート電流をIGBT101のゲート端子Gへと出力し、IGBT101を駆動する。
本実施例3によれば、センシング情報や学習データセットの入力を指令論理部105に集約しているため、ゲート駆動装置の入力インターフェース数が低減できたり、ゲート駆動装置を小型化できたりする。また、各相各アームの半導体装置(IGBT101および還流ダイオード102)のセンシング情報を指令論理部において一括管理し、相対比較することが可能になるため、指令論理部105によって三相インバータシステム全体の状態を監視することができる。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
例えば、上述の各実施例は、三相インバータシステムに限らず、上下一対のアームを備える電力変換装置に適用できる。
また、上下一対のアームは、アーム単体もしくは複数のアームがケース内に格納され、電極端子がケース外に引き出されるパワー半導体モジュール(1 in 1,2 in 1など)によって構成されてもよい。なお、パワー半導体モジュールには、アームのほか、ゲート駆動装置が格納されてもよい。
また、アームを構成する半導体スイッチング素子は、IGBTに限らずパワーMOSFETでもよい。この場合、還流ダイオードとして、パワーMOSFETの寄生ダイオード(ボディダイオード)を用いてもよい。また、還流ダイオードとしては、pn接合ダイオード、ショットキーバリアダイオード、pn接合とショットキー接合を併用するダイオードなど、各種のダイオードを用いることができる。
1 センシング部
2 デジタル制御部
2a 学習部
2b 演算部
3 アナログ出力部
4 アナログ信号入力部
5 データ入力部
6 学習データセット
7 信号分配器
10a,10b 電圧制御回路
100 パワーユニット
101,101a,101b IGBT
102,102a,102b 還流ダイオード
103 フィルタコンデンサ
104,104a,104b ゲート駆動装置
105 指令論理部
106 モータ
109 恒温槽
110 計測装置
111 処理装置

Claims (6)

  1. 電力変換装置におけるアームを構成する半導体装置を駆動する半導体装置の駆動装置において、
    前記半導体装置の制御端子に制御電流を出力する出力部を備え、
    前記出力部は、前記半導体装置の動作状態に応じて、前記アームにおける還流ダイオードの逆回復時の電圧変化率の大きさが、モータ駆動システム側からの要求に応じた所定の一定値になるように、前記制御電流の大きさを制御し、
    前記動作状態に応じて、前記アームにおける前記還流ダイオードの逆回復時の前記電圧変化率の大きさが前記一定値になるように、制御電流指令を作成する演算部を備え、
    前記出力部は、前記制御電流指令に応じて、前記制御電流を出力し、
    前記演算部は、前記電圧変化率を前記一定値にするような前記制御電流と、前記動作状態との関係を表す線形モデルに基づいて、前記制御電流指令を作成し、
    前記線形モデルを学習する学習部を備え、
    前記学習部は、前記動作状態を変えながら、前記電圧変化率が前記一定値に一致する前記制御電流を計測して取得される、前記動作状態と前記制御電流とのデータセットに適合する前記線形モデルを学習し、
    前記動作状態は、前記半導体装置の電圧、電流および温度であり、
    前記線形モデルは、前記動作状態を特徴量とし、前記特徴量の線形和として表され、
    前記学習部は、回帰分析により前記線形和として表される前記線形モデルを学習し、
    前記演算部は、前記学習部が学習する前記線形モデルに基づいて前記制御電流指令を作成することを特徴とする半導体装置の駆動装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置の駆動装置において、
    前記動作状態を検出するセンシング部を備え、
    前記出力部は、前記センシング部によって検出される前記動作状態に応じて、前記電圧変化率の大きさが前記一定値になるように、前記制御電流を出力し、
    前記センシング部は、
    前記電圧を検出するために、前記半導体装置の印加電圧、または前記電力変換装置の電源電圧を検出し、
    前記電流を検出するために、前記半導体装置に流れる電流、もしくは負荷電流を検出し、
    前記温度を検出するために、前記半導体装置の温度、もしくは前記半導体装置の温度依存性電気的特性パラメータTSEPを検出することを特徴とする半導体装置の駆動装置。
  3. 請求項に記載の半導体装置の駆動装置において、
    前記出力部は、前記制御端子と制御電源電位との間に接続される複数のスイッチング素子を備え、前記複数のスイッチング素子の内、オンするスイッチング素子を変更することにより前記制御電流を制御することを特徴とする半導体装置の駆動装置。
  4. 請求項に記載の半導体装置の駆動装置において、
    前記出力部は、制御電源電位の大きさを変更することにより前記制御電流を制御することを特徴とする半導体装置の駆動装置。
  5. 電力変換装置におけるアームを構成する半導体装置を駆動する半導体装置の駆動方法において、
    前記半導体装置の動作状態に応じて、前記アームにおける還流ダイオードの逆回復時の電圧変化率の大きさが、、モータ駆動システム側からの要求に応じた所定の一定値になるように、前記電圧変化率を前記一定値にするような制御電流と、前記動作状態との関係を表す線形モデルに基づいて、前記半導体装置の制御端子への前記制御電流の大きさを制御し、
    前記線形モデルは、前記動作状態を変えながら、前記電圧変化率が前記一定値に一致する前記制御電流を計測して取得される、前記動作状態と前記制御電流とのデータセットに適合し、
    前記動作状態は、前記半導体装置の電圧、電流および温度であり、
    前記線形モデルは、前記動作状態を特徴量とし、前記特徴量の線形和として表され、回帰分析により学習されることを特徴とする半導体装置の駆動方法。
  6. 上下一対のアームを備える電力変換装置において、
    前記上下一対のアームの内、上アームを構成する第1半導体装置を駆動する第1駆動装置と、
    前記上下一対のアームの内、下アームを構成する第2半導体装置を駆動する第2駆動装置と、
    を備え、
    前記第1駆動装置および前記第2駆動装置は、請求項1に記載される半導体装置の駆動装置からなることを特徴とする電力変換装置。
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