JP6350301B2 - 負荷駆動制御装置および負荷駆動制御方法 - Google Patents

負荷駆動制御装置および負荷駆動制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、負荷駆動制御装置および負荷駆動制御方法に関する。
この種の負荷駆動制御装置としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、パワーMOSトランジスタに代表されるパワー半導体素子を接続して負荷を駆動するものがある。このようなパワー半導体素子は、その半導体構造をミクロ的に観察すると複数のセルが並列接続して構成されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の構成は、第1ゲート電圧駆動型半導体素子と、第1ゲート電圧駆動型半導体素子のゲートに接続された第1ゲートパターンと、第2ゲート電圧駆動型半導体素子と、第2ゲート電圧駆動型半導体素子のゲートに接続された第2ゲートパターンとからなっており、各セルの間のゲートインピーダンスに差を生じさせている。これにより、ターンオフ時の各セルの挙動に不均一を生じさせ、パワー半導体素子のターンオフ時のサージ電圧を低減でき、Eoff損失とサージ電圧のトレードオフを改善できる。
特開2004−319624号公報
特許文献1記載の構成を採用すると、パワー半導体素子がターンオフすると、複数セル(又は/及び複数デバイス)のうちの特定構造に電流が集中しやすくなり、素子劣化を誘発しやすくなることが判明している。
本発明の目的は、駆動時の素子劣化を抑制しつつパワー半導体素子の駆動時の信頼性を向上できるようにした負荷駆動制御装置及び負荷駆動制御方法を提供することにある。
請求項1または3に記載の発明によれば、パワー半導体素子はゲート入力端子に互いに電気的に接続された複数のセル又は/及び複数のデバイスからなる複数構造を有しており、これらの複数構造のゲート容量の充放電経路の時定数が少なくとも2つの構造の間で異なっている。駆動制御部は、このパワー半導体素子を駆動することに応じて負荷を駆動制御する。取得部は、パワー半導体素子を通じて流れる負荷の電流に対応する値を取得し、駆動制御部は、取得部の取得値に対応して検出される負荷の通電電流が高くなるに従ってスイッチングオフ速度を低速にしてパワー半導体素子を駆動する。これにより、複数構造のうち特定構造に電流が集中しにくくなり、駆動時の素子劣化を抑制しつつパワー半導体素子の駆動時の信頼性を向上できる。
第1実施形態における駆動制御装置を概略的に示す電気的構成図 車両用インバータ装置の全体構成例を概略的に示す電気的構成図 (a)パワー半導体素子の内部構成例を概略的に示す電気的構成図、(b)スイッチングオフ時の各ノードに流れる電流を概略的に示すタイミングチャート 各構造の間の電流の違いに応じた負荷電流変化特性を概略的に示す図 比較例における負荷電流と各構造に流れる電流との相関関係図 各ノードの信号変化を概略的に示すタイミングチャート 改善後の負荷電流と各構造に流れる電流との相関関係図 第2実施形態における駆動制御装置の要部を概略的に示す電気的構成図 改善後の負荷電流と各構造に流れる電流との相関関係図 第3実施形態における複数セルの構造を概略的に示す電気的構成図 第4実施形態における複数セルの構造を概略的に示す電気的構成図 第5実施形態における複数デバイスの構造を概略的に示す電気的構成図 第6実施形態における駆動制御装置の要部を概略的に示す電気的構成図 改善後の負荷電流と各構造に流れる電流との相関関係図
以下、負荷駆動制御装置及び負荷駆動制御方法の幾つかの実施形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、各実施形態で説明した構成と同一又は類似機能を備えた構成について同一符号又は類似符号を付し、第2実施形態以降では必要に応じて説明を省略する。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図7を参照しながら説明する。図2は本実施形態に係る車両用インバータ装置の電気的構成ブロックを概略的に示す図である。本実施形態では、誘導性負荷としての車両用モータのコイルを負荷とし、駆動制御部がパワー半導体素子をオンオフすることで負荷を駆動制御する形態について説明する。
図2に示す車両用インバータ装置1は、パワー半導体素子としてのIGBTデバイス2uu、2ud、2vu、2vd、2wu、2wdを例えば3相ブリッジ接続したインバータ部3と、このインバータ部3の各IGBTデバイス2uu、2ud、2vu、2vd、2wu、2wdのゲート入力端子のゲート信号を制御する負荷駆動制御装置4uu、4ud、4vu、4vd、4wu、4wdとを備え車両用モータ(負荷相当)5を駆動する。IGBTデバイス2uu、2ud、2vu、2vd、2wu、2wdは、マルチエミッタタイプのデバイスにより構成される。
電子制御装置(ECU)6は、車両に備えられた図示しないアクセルセンサにより検出されたアクセル開度からモータに対する要求トルクを算出し、当該要求トルクが得られるようにインバータ部3の各IGBTデバイス2uu、2ud、2vu、2vd、2wu、2wdのオン/オフ期間を設定する。
電子制御装置6が負荷駆動制御装置4uu、4ud、4vu、4vd、4wu、4wdに指令信号を出力すると、負荷駆動制御装置4uu、4ud、4vu、4vd、4wu、4wdはこの指令信号に応じてインバータ部3を駆動制御する。インバータ部3は、負荷駆動制御装置4uu、4ud、4vu、4vd、4wu、4wdによる駆動制御に基づいて、モータ駆動用電源VBから供給された直流電力を3相交流電力に変換し、変換された3相交流電力によりモータ5を駆動制御する。電源VBには平滑コンデンサ7が並列接続されている。IGBTデバイス2udを詳細に示すと、図1、図3(a)に示すように複数セル構造(複数構造相当)により構成される。ここでは、下アーム側の一つのIGBTデバイス2udを例に挙げて説明するが、他のIGBTデバイス2uu、2vu、2vd、2wu、2wdも同様であるため、他のIGBTデバイス2uu、2vu、2vd、2wu、2wdについての制御の詳細説明を省略する。
本実施形態では、図3(a)に示すように、IGBTデバイス2udは、第1セル(構造)8と第2セル(構造)9とを備える。第1セル8は、ゲート、コレクタ、エミッタを備えた第1IGBTセル8a及び第1ダイオードセル8bにより構成され、第2セル9は、ゲート、コレクタ、第1及び第2エミッタ(E1及びE2)を備えた第2IGBTセル9a並びに第2ダイオードセル9bにより構成される。第1IGBTセル8aと第2IGBTセル9aとはゲート幅及びゲート長が同サイズ(バラつき含む)であり、入力容量Ciss(=ゲートドレイン間容量Cgd+ゲートソース間容量Cgs)が互いに同一特性に設定されたデバイスである。第1セル8と第2セル9のゲート入力端子(ゲート入力ノード相当)10は互いに共通接続されている。ゲート入力端子10と第1IGBTセル8aのゲートとの間にはゲート抵抗11が接続されている。また、ゲート入力端子10と第2IGBTセル9aのゲートとの間は直接接続されている。第1IGBTセル8aのコレクタと第2IGBTセル9aのコレクタとは共通接続されると共にコレクタ端子12に接続されている。第1IGBTセル8aのエミッタと第2IGBTセル9aの第1エミッタE1とは共通接続されており、エミッタ端子13に接続されている。第1ダイオードセル8bは、アノードが第1IGBTセル8aのエミッタに接続されており、カソードが第1IGBTセル8aのコレクタに接続されている。第2ダイオードセル9bは、アノードが第2IGBTセル9aの第1エミッタE1に接続されており、カソードが第2IGBTセル9aのコレクタに接続されている。
第2IGBTセル9aの第2エミッタE2は、IGBTデバイス2udのセンス端子14を介して外部に出力されており、負荷駆動制御装置4udに入力されている。これにより、IGBTデバイス2udは、ゲート電荷の充放電経路の時定数が互いに異なる複数の第1セル8及び第2セル9を備える。言い換えれば、本実施形態においては、IGBTデバイス2udは、例えばゲート入力端子10からエミッタ端子13への通電経路のインピーダンス値(抵抗値)が互いに異なる複数の第1セル8及び第2セル9を備える。
<技術思想の説明>
以下、本実施形態に係る特徴部分の技術思想を説明する。前述したIGBTデバイス2udは、各第1及び第2IGBTセル8a、9aの充放電経路のインピーダンスの値を意図的に変化させている。まずこの理由について説明する。ここでは、第1及び第2IGBTセル8a、9aのスイッチング処理の挙動についても補足説明する。各第1セル8及び第2セル9が、充放電経路のインピーダンス(ゲート電荷の充放電経路の時定数相当)に差を生じていると、各IGBTセル8a、9aのスイッチングオフ時の各ノードの信号変化特性が図3(b)に示すように得られる。
例えば、第1セル8および第2セル9が同一特性であるときには、これらの第1セル8と第2セル9には本来同一のゲート電流が流れることになる。しかし、これらの第1セル8と第2セル9の充放電経路のインピーダンス値に差を生じているときには、ゲート電圧が概ね時間的に一定となる期間(図3(b)のT1参照:所謂ミラー期間)中、インピーダンスが異なることに応じて、各セル8、9のミラー電圧に差を生じる。これにより、各セル8、9が同一特性であれば、ミラー期間中に流れるコレクタ電流は、コレクタ電流Ic2が電流Ic1より多く流れるため、下記の(1−1)式、(1−2)式が成立する。また、負荷電流Irとすると、(1−3)式が成立する。
Figure 0006350301
ここでサージ電圧Vsuについて検討する。サージ電圧Vsuは、コレクタ電流の合計値Icの時間変化量dIc/dt、及び、モータ5の配線などのインダクタンス値Lを乗じた下記(2)式により決定される。
Figure 0006350301
一般に、コレクタ電流Icの時間変化量dIc/dtは、次の(3)式で決定される。
Figure 0006350301
第1セル8及び第2セル9の合計コレクタ電流Icの時間変化量dIc/dtは、第1セル8の電流値Ic1の時間変化量dIc1/dtと、第2セル9の電流値Ic2の時間変化量dIc2/dtとの和となるため、次の(4)式により決定される。
Figure 0006350301
ここで第1セル8及び第2セル9のゲート入力端子10が共通接続されており、第1セル8及び第2セル9が互いに同一特性であるときにはIg1=Ig2と仮定できる。このため、次の(5)式のように展開できる。
Figure 0006350301
さて、Ic1+Ic2=所定値(例えば10[mA])とした条件下において、|Ic1−Ic2|を横軸とし、sqrt(Ic1)+sqrt(Ic2)(sqrtはルートを示す)を縦軸としたグラフを図4に示す。図4の縦軸、横軸共にリニアメモリである。電流Ic1と電流Ic2とで差があるほど、sqrt(Ic1)+sqrt(Ic2)が小さくなることがわかる。つまり、コレクタ電流Ic1とIc2とで差を生じさせるように、ゲート電荷の充放電経路のインピーダンスに差を生じさせると、コレクタ電流の合計値Icの時間変化量dIc/dtを小さくできる。
サージ電圧Vsuは、(2)式に示すように時間変化量dIc/dtに比例するため、時間変化量dIc/dtを小さくすればサージ電圧Vsuも小さくできる。この結果、コレクタエミッタ間電圧Vceの時間変化量dVce/dtを変更することなくサージ電圧Vsuを低減できるので、ターンオフ損失Eoffとサージ電圧Vsuの両特性のトレードオフ効果を改善できる。また、第1セル8と第2セル9のコレクタ電流の差|Ic1−Ic2|が大きいほど、ターンオフ損失Eoffとサージ電圧Vsuの両特性のトレードオフ改善効果を高くできる。したがって、本実施形態では、ゲート電荷の充放電経路のインピーダンスをセル8、9毎に変化させる構造を採用している。
図5には、各セル8、9に流れる電流と負荷電流の関係を概略的に示している。特性A1は第1セル8に流れる電流を示し、特性A2は第2セル9に流れる電流を示す。特性Bは参考例として示すもので、各セル8、9のゲート容量の充放電経路のインピーダンスが共にR=0Ω(すなわちゲート抵抗11の抵抗値が0)であり、各セル8、9の充放電経路のインピーダンス値の差がバラつき以外に概ね存在しない場合の特性を示している。ここで、これらの特性A1、A2、Bに示すように、第1セル8に流れる電流特性A1は、インピーダンスに差が存在しない構成の特性Bに比較すれば大きくなり、第2セル9に流れる電流特性A2は特性Bに比較して小さくなる。
インピーダンスに差が存在しない構成と同様に、第1セル8の許容電流値を設計しようとすると、負荷電流が所定電流Iwより低く動作する動作領域R1では、第1セル8に電流集中したとしても電流許容値Iwhを超えることはない。しかし、負荷電流が所定電流Iwより高く動作する動作領域R2では電流許容値Iwhを超えてしまうことになる。電流許容値Iwhを上げるためには、第1セル8のサイズを大きくしなければならず、パワー半導体素子の大型化を招いてしまう。
発明者らが検討した結果、パワー半導体素子についてスイッチング速度を遅くする低速駆動を行うと、高速駆動を行う場合に比較して、特定の第1セル8への電流集中が緩和されることになることが見出されている。この点に着目すれば、負荷電流が小さいときには高速駆動を行い、負荷電流が大きいときに低速駆動とするようにスイッチング速度を変化させることが望ましい。この制御を行うことで、ターンオフ損失Eoffおよびサージ電圧Vsuの耐特性のトレードオフを改善できると共に、特定の第1セル8への電流集中に伴う素子劣化を抑制できるようになる。
すなわち、第1セル8と第2セル9とのコレクタ電流Ic1、Ic2は、それぞれ(1−1)式、(1−2)式により定められるが、低速駆動の場合には高速駆動に比較してゲート電流の値が低くなるため、ゲート抵抗11による電圧降下が小さくなる。したがって、(1−1)式の抵抗Rに依存する第3項Ig1・R/2の影響が小さくなり、この結果、第1セル8及び第2セル9間のコレクタ電流差|Ic1−Ic2|は小さくなる。
<実施例>
以下、前述した技術思想に基づく実施例について説明する。図1に示すように、負荷駆動制御装置4udは、電源端子及びグランドG間に電源電圧Vccが与えられることでIGBTデバイス2udを駆動するように構成され、IGBTデバイス2udのゲート入力端子10に制御信号を入力させる。この負荷駆動制御装置4udは、機能的には、駆動制御部15と、取得部16と、保持部17と、を備える。取得部16は、例えばセンス抵抗18、コンパレータ19、閾値電圧生成部20により構成される。センス抵抗18は、第2セル9の第2エミッタE2とグランドGとの間に接続されている。このセンス抵抗18には、IGBTデバイス2udのセンス端子14を通じて、IGBTデバイス2udのコレクタ端子12−第1エミッタE1間に流れる電流に対応(例えば比例)した電流が流れる。コンパレータ19は、このセンス抵抗18に印加されるセンス電圧Vsと、閾値電圧生成部20が生成する閾値電圧Vtとを比較し、例えばセンス電圧Vsが閾値電圧Vtより高くなればHレベルを出力し、センス電圧Vsが閾値電圧Vt以下となればLレベルを出力することでコンパレータ19の比較結果を保持部17に出力する。保持部17は、例えばDフリップフロップにより構成され、取得部16の取得値(コンパレータ19の比較結果)を、ECU6からの指令信号のレベルが「H」レベルに切り替わったときに保持する。
駆動制御部15は、保持部17に保持された取得部16の取得値に応じて、IGBTデバイス2udのゲート入力端子10に入力させるゲート信号を調整制御する。駆動制御部15は、例えば、ORゲート21、NANDゲート22、NORゲート23、ANDゲート24、プリインバータ25、26を組み合わせて構成されている。
プリインバータ25は、Pチャネル型のMOSトランジスタ(以下PMOSトランジスタ)27、Nチャネル型のMOSトランジスタ(以下NMOSトランジスタ)28を備え、これらのPMOSトランジスタ27及びNMOSトランジスタ28のドレイン間に複数の抵抗29、30を挟んで構成されている。
プリインバータ26は、Pチャネル型のMOSトランジスタ(以下PMOSトランジスタ)31、Nチャネル型のMOSトランジスタ(以下NMOSトランジスタ)32を備え、これらのPMOSトランジスタ31及びNMOSトランジスタ32のドレイン間に複数の抵抗33、34を挟んで構成されている。
PMOSトランジスタ27のドレインとゲート入力端子10との間には抵抗29が接続されており、PMOSトランジスタ31のドレインとゲート入力端子10との間には抵抗33が接続されている。これらの抵抗29、33は、IGBTデバイス2udをターンオンするときのスイッチングオン速度を調整するための抵抗であり、互いに異なる抵抗値(例えば、1〜数[kΩ]程度)に設定されている。ここでは、抵抗29の抵抗値が、抵抗33の抵抗値よりも小さい場合を例に挙げて説明する。
また、NMOSトランジスタ28のドレインとゲート入力端子10との間には抵抗30が接続されており、NMOSトランジスタ32のドレインとゲート入力端子10との間には抵抗34が接続されている。これらの抵抗30、34は、IGBTデバイス2udをターンオフするときのスイッチングオフ速度を調整するための抵抗であり互いに異なる抵抗値(例えば、1〜数[kΩ]程度)に設定されている。ここでは、抵抗30の抵抗値が、抵抗34の抵抗値よりも小さい場合を例に挙げて説明する。
PMOSトランジスタ27とNMOSトランジスタ28は何れか一方がオンするときには他方がオフする。PMOSトランジスタ31とNMOSトランジスタ32は何れか一方がオンするときには他方がオフする。NMOSトランジスタ28、32もまた何れか一方がオンするときには他方がオフする。PMOSトランジスタ27、31もまた何れか一方がオンするときには他方がオフする。これらの条件を満たすように論理ゲート21〜24により論理が組まれている。図1に図示したような各論理ゲート21〜24の組み合わせでも良いが、他種類の論理ゲートのトポロジを用いて構成しても良い。
上記構成の作用について説明する。図6に信号の時間的変化をタイミングチャートにより概略的に示している。ここでは、下アーム側のIGBTデバイス2udをオンオフする場合の動作について説明するが、他のIGBTデバイス2uu、2vu、2vd、2wu、2wdをオンオフする場合でも同様であり、その説明を省略する。電子制御装置6は、指令信号としてオン指令信号「L」又はオフ指令信号「H」を負荷駆動制御装置4udに出力する。負荷駆動制御装置4udの駆動制御部15は、この入力された指令信号に応じてIGBTデバイス2udをオンオフさせる。
例えば、IGBTデバイス2udがオフ状態となっていることを前提として通常動作を説明する。IGBTデバイス2udがオフ状態になっていると、IGBTデバイス2udにはコレクタ電流が流れない。するとセンス抵抗18には電流が流れないため、コンパレータ19はLレベルを出力する。負荷駆動制御装置4udの入力端子には、オフ指令信号「H」が入力されており、保持部17のQ出力は「L」であるため、ORゲート21の出力は「H」、NANDゲート22の出力は「H」、NORゲート23の出力は「H」、ANDゲート24の出力は「L」となる。したがって、グランドG側に接続されたMOSトランジスタ28がオンすると共に、他のMOSトランジスタ27、31、32がオフするため、IGBTデバイス2udのゲートは抵抗30及びMOSトランジスタ28を通じてグランドGの電位(0)に保持される。
例えば、電子制御装置6が、オフ状態となっているIGBTデバイス2udをターンオンするときには、指令信号としてオン指令信号「L」を出力する。駆動制御部15がこのオン指令信号「L」を入力すると、NORゲート23の出力は「H」から「L」に遷移し、ORゲート21の出力は「H」から「L」に遷移する。このため、MOSトランジスタ28がターンオフし、MOSトランジスタ27がターンオンする。この結果、IGBTデバイス2udのゲート入力端子10を通じて当該IGBTデバイス2udの各セル8、9のゲートに電荷を充電させることができる。この結果、IGBTデバイス2udがターンオンし、コレクタ電流の合計値Icは所定値まで増加し、コレクタ電圧Vcは概ね0まで低下する。
逆に、電子制御装置6が、オン状態となっているIGBTデバイス2udをターンオフするときには、指令信号としてオフ指令信号「H」を出力する。駆動制御部15がこのオフ指令信号「H」を入力すると、セル8、9に蓄積されたゲート電荷を放電させる。このとき、駆動制御部15は、モータ5の通電電流の大小に応じてゲート電荷の放電速度、すなわちIGBTデバイス2udのスイッチングオフ速度を変化させながらゲート電荷を放電させる。
例えば、取得部16が、モータ5の通電電流を所定電流値以下として取得した場合には、駆動制御部15は、当該駆動制御部15内の放電用抵抗の抵抗値を比較的小さくして放電するように切換える。モータ5の通電電流が所定電流値よりも小さいときには、IGBTデバイス2udのエミッタ電流も小さくなる。このため、センス抵抗18のセンス電圧Vsが閾値電圧生成部20の出力電圧を超えないため、コンパレータ19の出力は「L」のまま維持される。したがって、前述したように、グランドG側のMOSトランジスタ28がオンし、他のMOSトランジスタ27、31、32はオフするため、IGBTデバイス2udのゲート電荷は抵抗30を通じて放電される。この場合、IGBTデバイス2udのゲート電荷は、抵抗値が比較的小さい経路(抵抗30)を通じて放電されることになるため、IGBTデバイス2udを高速スイッチングオフ駆動できる。
他方、例えば、取得部16がモータ5の通電電流を所定電流値より大きいと取得した場合には、駆動制御部15は、当該駆動制御部15内の放電用の抵抗の抵抗値を比較的大きくして放電するように切換える。モータ5の通電電流が所定電流値より大きいときには、IGBTデバイス2udのエミッタ電流も大きくなる。このため、センス抵抗18のセンス電圧Vsが閾値電圧生成部20の出力電圧を超えるため、コンパレータ19の出力は「H」となる。したがって、保持部17は、このコンパレータ19の出力「H」をオフ指令信号「H」を入力するタイミングで保持し、この「H」レベルを各論理ゲート21〜24に出力する。この結果、ORゲート21は「H」を出力し、NANDゲート22は「H」を出力し、NORゲート23は「L」を出力し、ANDゲート24は「H」を出力する。グランドG側のMOSトランジスタ32がオンし、他のMOSトランジスタ27、28、31はオフするため、IGBTデバイス2udに蓄積されたゲート電荷は抵抗34を通じて放電される。この場合、IGBTデバイス2udのゲート電荷は比較的抵抗値の大きな経路(抵抗34)を通じて放電されることになるため、IGBTデバイス2udを低速オフ駆動できる。
その後、さらに電子制御装置6が、オフ状態となっているIGBTデバイス2udをターンオンするときには、指令信号としてオン指令信号「L」を出力する。駆動制御部15がこのオン指令信号「L」を入力すると、駆動制御部15は、モータ5の通電電流の大小に応じてゲート電荷の充電速度、すなわちIGBTデバイス2udのスイッチングオン速度を変化させながら当該IGBTデバイス2udをオン制御する。
他方、電子制御装置6がターンオフ指令し、オフ指令信号「H」が負荷駆動制御装置4udに入力されたときに、保持部17はそのDFFのクロック入力端子に「H」レベルを入力することになるため、コンパレータ19の出力を保持する。このため、取得部16が取得した取得結果は、IGBTデバイス2udがオンされている期間中も保持部17により保持されることになる(図6の期間X参照)。
オフ指令信号「H」が負荷駆動制御装置4udに入力されたときに、取得部16が負荷の通電電流を所定電流値以下と取得している場合には、駆動制御部15は、次回のオン指令信号「L」が入力されたときにも、当該駆動制御部15内の充電用の抵抗の抵抗値を比較的小さくするように切換える。負荷の通電電流が所定電流値よりも小さいときには、第2セル9のエミッタ電流も小さくなる。このとき、センス抵抗18のセンス電圧Vsが閾値電圧生成部20の閾値電圧Vtを超えないため、コンパレータ19の出力は「L」となる。この場合、保持部17は、このコンパレータ19の出力「L」を、オフ指令信号「H」が入力されてから次回のオン指令信号「L」を入力している間も保持し、この「L」レベルが各論理ゲート21〜24に出力される。この結果、次回のオン指令信号「L」が入力されると、ORゲート21は「L」を出力し、NANDゲート22は「H」を出力し、NORゲート23は「L」を出力し、ANDゲート24は「L」を出力する。電源側のMOSトランジスタ27がオンし、他のMOSトランジスタ28、31、32はオフするため、IGBTデバイス2udの各第1セル8、第2セル9のゲートには抵抗29を通じて充電される。この場合、IGBTデバイス2udのゲート電荷はゲート抵抗が小となる通電経路を用いて充電されるため、IGBTデバイス2udを高速オン駆動できる。
他方、オフ指令信号「H」が入力されたときに、取得部16が負荷の通電電流を所定電流値より大きいと取得している場合には、駆動制御部15は、次回のオン指令信号「L」が入力されたときにも当該駆動制御部15の中の充電用の抵抗の抵抗値を比較的大きくするように切換える。負荷の通電電流が所定電流値より大きいときには、第2セル9のエミッタ電流も大きくなる。このため、センス抵抗18のセンス電圧Vsが閾値電圧生成部20の閾値電圧Vtを超えるため、コンパレータ19の出力は「H」となる。保持部17は、このコンパレータ19の出力レベル「H」を、オフ指令信号「H」が入力されてから次回のオン指令信号「L」を入力している間も保持し、この「H」レベルが各論理ゲート21〜24に出力される。
この結果、次回のオン指令信号「L」が入力されると、ORゲート21は「H」を出力し、NANDゲート22は「L」を出力し、NORゲート23は「L」を出力し、ANDゲート24は「L」を出力する。電源側のMOSトランジスタ31がオンし、他のMOSトランジスタ27、28、32はオフするため、IGBTデバイス2udの各第1セル8、第2セル9のゲートは抵抗33を通じて充電される。この場合、IGBTデバイス2udのゲート電荷はゲート抵抗大の通電経路を用いて充電されることになるため、IGBTデバイス2udを低速オン駆動できる。以上が、IGBTデバイス2udのスイッチング動作説明となるが、負荷電流が小さいときに高速駆動とし、負荷電流が大きいときに低速駆動とするように、スイッチング速度を変化させることができる。
図7は改善後の特性A1a、A2aを示しており、負荷電流に応じた各第1セル8、第2セル9に流れる電流特性を示している。この図7では、負荷電流が所定閾値Iw2未満となるときにはIGBTデバイス2udを高速駆動としており、負荷電流が所定閾値Iw2以上となるときにはIGBTデバイス2udを低速駆動する。このため、図7の特性A1aに示すように、ゲート抵抗大の第1セル8には電流が比較的大きく流れやすく、図7の特性A2aに示すように、ゲート抵抗小の第2セル9に流れる電流は比較的小さくなる。
負荷電流が所定閾値Iw2を超えるときには、駆動制御部15のゲート抵抗を大きく切換える。電流は、ゲート抵抗大の第1セル8に比較的大きく流れ、第2セル9に比較的小さく流れる傾向は変わらないものの、負荷電流量に応じた電流量の変化勾配を低くすることができる。この結果、第1セル8に流れる電流の最大電流量を抑制できる。ここで、IGBTデバイス2udは、第1セル8のゲート電荷の充放電経路の時定数が最も大きく設定されているため、第1セル8に流れる電流を最大電流許容量Iwh未満に抑えるように、負荷電流に応じて駆動制御部15内の抵抗29、30、33、34を切換えることが望ましい。すると、第2セル9の素子劣化を極力抑制できる。
本実施形態によれば、駆動制御部15は、取得部16の取得値に対応して検出される負荷の通電電流が高くなるに従ってスイッチングオフ速度を低速にしてIGBTデバイス2udを駆動する。これにより、特定の第1セル8に電流集中しにくくなり、駆動時の素子劣化を抑制しつつ、素子を駆動する際の信頼性を向上できる。
保持部17は、IGBTデバイス2udのターンオフのタイミングにおいて、コンパレータ19の判定結果を次回のスイッチングオン期間用に保持し、駆動制御部15は、保持部17により保持されたコンパレータ19の判定結果に応じて、IGBTデバイス2udのスイッチングオン速度を変化させている。このため、ターンオフタイミングにおける負荷電流の大小に応じて、次回のIGBTデバイス2udのスイッチングオン速度について、低速駆動又は高速駆動に切換えることができる。
(第2実施形態)
図8及び図9は第2実施形態の追加説明図を示す。図8は、スイッチング速度の切換を3段階にした場合の回路構成を示す。図8に示すように、負荷駆動制御装置4udに代わる負荷駆動制御装置104udは、駆動制御部15に代わる駆動制御部115、取得部16に代わる取得部116、保持部17に代わる保持部117を備える。なお、図8には、駆動制御部115としてスイッチングオフ用の論理ゲートの構成を示しているが、スイッチングオン駆動用の論理ゲートについては図8への図示を省略している。
図8に示すように、取得部116が、複数のコンパレータ119a、119b及び複数の閾値電圧生成部120a、120bを備えており、保持部117として複数のDFF117a、117bを備えている。
駆動制御部115は、複数のMOSトランジスタ128〜132、131a、132a、NORゲート123、ANDゲート124、124a、及び、抵抗129、130、133、134、133a、134a等を図示形態に接続して構成され、保持部117(DFF117a、117b)の保持結果に応じて、パワー半導体素子2udのゲート入力端子10に接続されるゲート抵抗を切換可能になっている。なお、充電時に作用する論理ゲートの構成は図8には省略されている。
コンパレータ119bに入力される閾値電圧生成部120bの閾値電圧VT2は、コンパレータ119aに入力される閾値電圧生成部120aの閾値電圧VT1より高く設定されている。また、各抵抗130、134、134aの抵抗値は互いに異なるように設定され、各抵抗129、133、133aの抵抗値は互いに異なるように設定されている。一例を挙げれば、例えば抵抗130の抵抗値<抵抗134の抵抗値<抵抗134aの抵抗値に設定されており、例えば抵抗129の抵抗値<抵抗133の抵抗値<抵抗133aの抵抗値に設定されている。
具体的な論理ゲートの信号処理説明は省略するが、IGBTデバイス2udのゲート電荷の放電時において、センス抵抗118に流れる電流値が第1所定値(センス抵抗118の検出電圧の閾値電圧VT2相当)より高いと抵抗130及びMOSトランジスタ128を通じて放電され、センス抵抗118に流れる電流値が第1所定値と第2所定値(<第1所定値:センス抵抗118の検出電圧の閾値電圧VT1相当)の間の範囲内のときには、抵抗134及びMOSトランジスタ132を通じて放電され、センス抵抗118に流れる電流値が第2所定値より低いと抵抗134a及びMOSトランジスタ132aを通じて放電される。
図9はスイッチング速度の切換を3段階にした場合のIGBTデバイス2udの電流の負荷電流依存性を概略的に示す。特性A11は第1セル8に流れる電流を示し、特性A12は第2セル9に流れる電流を示す。スイッチング速度を多段階に設定することで、負荷電流に応じた電流量を細かく調整することができる。このとき、負荷電流に応じた電流量について電流許容量Iwh未満に調整することができ、ターンオフ時の損失とサージ電圧の耐特性のトレードオフを改善することができ、電流集中による素子劣化を抑制できる。図9に示したように、負荷電流が高い場合であっても、第1セル8に流れるコレクタ電流量を電流許容量Iwh未満に抑制できる(特性A11参照)。
またスイッチング速度を3段階以上に多段階切換えする場合、特性A11、A12は、2段階切換えする場合の特性A1a、A2aに比較して、負荷電流の所定変化領域R3における第1セル8と第2セル9との間のコレクタ電流差が大きくなる。これらのコレクタ電流差が大きいほど、ターンオフ時の損失とサージ電圧の耐特性のトレードオフ改善を図ることができるため、3段階以上に段階的に切換えることが望ましいものとなる。
(第3実施形態)
図10は第3実施形態の追加説明図を示す。この図10にIGBTデバイス2udに対応したIGBTデバイス202udを示すように、IGBTデバイス202udは、その内部セルの並列接続数を5とした多数個の並列接続セル208、209、219、229、239を備えている。並列接続数は3、4など他の個数としても良い。そして、これらの各セル208、209、219、229、239の間の充放電経路の時定数(例えばゲート抵抗211、221、231、241の抵抗値(インピーダンス値)等)が互いに異なるように構成されている。このような場合、負荷電流に応じて各セル208、209、219、229、239には互いに異なる電流が流れることになり、前述実施形態で説明した作用効果と同一又は類似の作用効果を奏する。なお、第1実施形態に示したIGBTデバイス2udにはセンス端子14が設けられていたが、本実施形態におけるセンス端子14に相当する出力は何れかのセル208、209、219、229、239のエミッタをマルチエミッタとして出力すれば良く図10には省略している。
(第4実施形態)
図11は第4実施形態の追加説明図を示す。この図11にIGBTデバイス2udに対応したIGBTデバイス302udを示すように、IGBTデバイス302udは、第1セル308及び第2セル309を備え、第1セル308のエミッタに抵抗311を接続して構成されている。
第1実施形態で説明したゲート抵抗11ではなく、このエミッタ抵抗311を用いて充放電経路の時定数に差を生じる場合であっても、第1及び第2セル308及び309間の充放電経路の時定数(例えばインピーダンス)が互いに異なるように構成されることになる。このような場合であっても、前述実施形態で説明した作用効果と同一又は類似の作用効果を奏する。なお、第1実施形態に示したIGBTデバイス2udにはセンス端子14が設けられていたが、本実施形態におけるセンス端子14に相当する出力はセル309のエミッタをマルチエミッタとして出力すれば良く図11には省略している。
(第5実施形態)
図12は第5実施形態の追加説明図を示す。第5実施形態では、パワー半導体素子としてのIGBTデバイス402uda、402udbによる複数構造の充放電経路の時定数が互いに異なる形態を示す。この図12に示すように、駆動制御部15は、IGBTデバイス402uda、402udbを複数(2個)接続している。ここで各IGBTデバイス402uda、402udbは、それぞれIGBT409、408を、それぞれ1つの半導体パッケージに収容して構成されている。IGBT409は、IGBTセル9a、ダイオードセル9bを備え、IGBT408は、IGBTセル8a、ダイオードセル8bを備える。そして各IGBTデバイス402uda、402udbの充放電経路の時定数が互いに異なるように設定されている。例えば、IGBTデバイス402udbのIGBT408のゲートにはゲート抵抗411が接続されており、IGBTデバイス402udaのセル409のゲートにはゲート抵抗が設けられていない。これにより、各IGBTデバイス402uda、402udbは、それらのセル409、408に通電する充放電経路の抵抗値が互いに異なる値に設定されている。そして、IGBT409、408のコレクタはパッケージ外部で共通接続されており、IGBT409の第1エミッタE1とIGBT408のエミッタとがパッケージ外部で共通接続されている。このような実施形態においても、電気的接続は前述実施形態と同様であるため、前述実施形態で説明した作用効果と同一又は類似の作用効果を奏する。
(第6実施形態)
図13及び図14は第6実施形態の追加説明図を示す。第6実施形態では、概ね無段階で制御する形態を示す。図13に示すように、IGBTデバイス2udには、負荷駆動制御装置4udに代えて負荷駆動制御装置504udが接続されている。負荷駆動制御装置504udは、電源端子及びグランドG間に電源電圧Vccが与えられることでIGBTデバイス2udを駆動するように構成され、駆動制御部515、A/D変換器550、選択部551、センス抵抗18を備える。駆動制御部515は、PMOSトランジスタ27、NMOSトランジスタ28、抵抗29の他、スイッチ552a〜552m、抵抗530a〜530n、を図示形態に接続して備える。センス抵抗18にはA/D変換器550が接続されており、A/D変換器550はセンス抵抗18による検出電圧をA/D変換する。ゲート入力端子10とグランドGとの間には、複数の抵抗530a〜530n、及び、Nチャネル型のMOSトランジスタ28のドレイン−ソース間、が直列接続されている。複数の抵抗530a〜530n間の共通接続点とMOSトランジスタ28のドレインとの間には、それぞれスイッチ552a〜552mが構成されている。これらのスイッチ552a〜552mの制御端子には選択部551が接続されており、選択部551は、A/D変換器550のA/D変換結果に応じてスイッチ552a〜552mをオンオフ切換可能になっている。
例えば、選択部551は、センス抵抗18の検出電圧が高く検出されることに応じてゲート入力端子10側に接続されているスイッチ(例えば552a)をオンし、他のスイッチ(例えば552b〜552m)をオフする。また、選択部551は、センス抵抗18の検出電圧が低く検出されることに応じて、グランドG側に接続されているスイッチ(例えば552m)をオンし他のスイッチ(例えば552a〜552l)をオフする。すなわち、センス抵抗18の検出電圧(∝第2セル9のエミッタ電流)が高ければ高いほど、MOSトランジスタ28がオンしたときのゲート入力端子10及びグランドG間における合成抵抗値を大きくすることでスイッチングオフ速度を遅くする。
逆に、第2セル9のエミッタ電流が低ければ、MOSトランジスタ28がオンしたときのゲート入力端子10及びグランドG間の合成抵抗値を小さくすることでスイッチングオフ速度を高速化する。これにより、負荷の通電電流が高くなるにしたがってスイッチングオフ速度を低速にしてIGBTデバイス2udを駆動できる。
図14は改善後の特性を示しており、負荷電流に応じた各第1セル8、第2セル9に流れる電流値の特性A51、A52を示している。この図14に示すように、負荷電流が小さいときには、IGBTデバイス2udを高速駆動としているため、ゲート抵抗大の第1セル8には電流が比較的大きく流れやすく、ゲート抵抗小の第2セル9に流れる電流が比較的小さくなる。
負荷電流がある所定値以上となると、選択部551はA/D変換器550の変換結果に応じて、スイッチ552a〜552mのうち何れかのスイッチをオンに選択切替えする。特に選択部551は、第2セル9のエミッタ電流が高いときにスイッチングオフ速度を遅くするようにスイッチ552a〜552mを選択切替えするため、図14に示すように、第1セル8に流れる電流の電流許容値Iwhを超えないようにスイッチングオフ速度を調整できるようになる。このような場合であっても、前述実施形態で説明した作用効果と同一又は類似の作用効果を奏すると共に、概ね無段階で調整することができる。
(他の実施形態)
前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形または拡張が可能である。前述した各実施形態は組み合わせて適用することができる。
パワー半導体素子としては、IGBTデバイス2uu、2ud、2vu、2vd、2wu、2wdに限らず、MOSFETデバイスなどを用いても良い。定電圧駆動で示したが、定電流駆動でも同様の効果を得られる。
IGBTの第1セル8、第2セル9などは、互いに同サイズで構成した形態を示したが、互いに異なるサイズで構成しても良い。同サイズで構成すれば整列した配列形態で構成できるためより望ましい。IGBTデバイス402uda、402udbを複数接続しても、複数のセル8、9を複数接続しても良く、さらにこれらを組み合わせて適用しても良い。負荷としてモータ5を適用した形態を説明したが、他種類の負荷(例えば誘導性負荷)であっても良い。
図面中、2ud、202ud、302udはIGBTデバイス(パワー半導体素子)、4uu、4ud、4vu、4vd、4wu、4wd、104ud、504udは負荷駆動制御装置、5はモータ(負荷)、8は第1セル(構造)、9は第2セル(構造)、10はゲート入力端子(ゲート入力ノード)、15、115、515は駆動制御部、16、116は取得部、17、117は保持部、208、209、219、229、239はセル(構造)、402uda、402udbはIGBTデバイス(構造、パワー半導体素子)、を示す。

Claims (14)

  1. 共通のゲート入力端子(10)に互いに電気的に接続された複数のセル(8,9;208,209,219,229,239)又は/及び複数のデバイス(402uda,402udb)からなる複数構造を有しゲート電荷の充放電経路の時定数が少なくとも2つの前記構造の間で異なるパワー半導体素子(2ud;202ud;302ud;402uda,402udb等)を駆動することに応じて負荷(5)を駆動制御する駆動制御部(15;115;515)と、
    前記パワー半導体素子を通じて前記負荷に流れる電流に対応する値を取得する取得部(16;116)と、を備え、
    前記駆動制御部は、前記取得部の取得値に対応して検出される負荷の通電電流が高くなるに従ってスイッチングオフ速度を低速にして前記パワー半導体素子を駆動するものであり、
    前記パワー半導体素子のターンオフのタイミングにおいて前記取得部により取得された取得値を次回の前記パワー半導体素子のスイッチングオン期間用に保持する保持部(17;117)を備え、
    前記駆動制御部は、前記保持部により保持された取得値に応じて前記パワー半導体素子のスイッチングオン速度を変化させることを特徴とする負荷駆動制御装置。
  2. 前記駆動制御部は、前記複数構造のうちゲート電荷の充放電経路の時定数が最も大きい構造の電流許容量に応じてスイッチングオフ速度を変化させることを特徴とする請求項1記載の負荷駆動制御装置。
  3. 共通のゲート入力端子(10)に互いに電気的に接続された複数のセル(8,9;208,209,219,229,239)又は/及び複数のデバイス(402uda,402udb)からなる複数構造を有しゲート電荷の充放電経路の時定数が少なくとも2つの前記構造の間で異なるパワー半導体素子(2ud;202ud;302ud;402uda,402udb等)を駆動することに応じて負荷(5)を駆動制御する駆動制御部(15;115;515)と、
    前記パワー半導体素子を通じて前記負荷に流れる電流に対応する値を取得する取得部(16;116)と、を備え、
    前記駆動制御部は、前記取得部の取得値に対応して検出される負荷の通電電流が高くなるに従ってスイッチングオフ速度を低速にして前記パワー半導体素子を駆動するものであり、
    前記駆動制御部は、前記複数構造のうちゲート電荷の充放電経路の時定数が最も大きい構造の電流許容量に応じてスイッチングオフ速度を変化させることを特徴とする負荷駆動制御装置。
  4. 前記駆動制御部は、前記取得部の取得値に応じて段階的にスイッチングオフ速度を切換えることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の負荷駆動制御装置。
  5. 前記複数構造は、互いに同サイズで構成されていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の負荷駆動制御装置。
  6. 前記負荷は、誘導性負荷であることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の負荷駆動制御装置。
  7. 前記ゲート電荷の充放電経路のインピーダンスは、ゲート抵抗(11;111;211,221,231,241;411)又はエミッタ抵抗(311)を含むことを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の負荷駆動制御装置。
  8. パワー半導体素子(2ud;202ud;302ud;402uda、402udb等)は共通のゲート入力ノード(10)に互いに電気的に接続された複数のセル(8,9;208,209,219,229,239)又は/及び複数のデバイス(402uda,402udb)からなる複数構造を有しゲート電荷の充放電経路の時定数が少なくとも2つの前記セルの間で異なるものであり、
    前記パワー半導体素子を通じて負荷に流れる電流に対応する値を取得し、
    取得される取得値に応じて検出される負荷の電流が高くなるに従ってスイッチングオフ速度を低速にして前記パワー半導体素子を駆動することに応じて前記負荷を駆動制御するものであり
    前記パワー半導体素子のターンオフのタイミングにおいて前記負荷に流れる電流に対応する値を取得した取得値を次回の前記パワー半導体素子のスイッチングオン期間用に保持し、
    保持された取得値に応じて前記パワー半導体素子のスイッチングオン速度を変化させる、ことを特徴とする負荷駆動制御方法。
  9. 前記複数構造のうちゲート電荷の充放電経路の時定数が最も大きい構造の電流許容量に応じてスイッチングオフ速度を変化させることを特徴とする請求項8記載の負荷駆動制御方法。
  10. パワー半導体素子(2ud;202ud;302ud;402uda、402udb等)は共通のゲート入力ノード(10)に互いに電気的に接続された複数のセル(8,9;208,209,219,229,239)又は/及び複数のデバイス(402uda,402udb)からなる複数構造を有しゲート電荷の充放電経路の時定数が少なくとも2つの前記セルの間で異なるものであり、
    前記パワー半導体素子を通じて負荷に流れる電流に対応する値を取得し、
    取得される取得値に応じて検出される負荷の電流が高くなるに従ってスイッチングオフ速度を低速にして前記パワー半導体素子を駆動することに応じて前記負荷を駆動制御するものであり
    前記複数構造のうちゲート電荷の充放電経路の時定数が最も大きい構造の電流許容量に応じてスイッチングオフ速度を変化させることを特徴とする負荷駆動制御方法。
  11. 前記取得される取得値に応じて段階的にスイッチングオフ速度を切換えることを特徴とする請求項8から10の何れか一項に記載の負荷駆動制御方法。
  12. 前記複数構造は、互いに同サイズで構成されていることを特徴とする請求項8から11の何れか一項に記載の負荷駆動制御方法。
  13. 前記負荷は、誘導性負荷であることを特徴とする請求項8から12の何れか一項に記載の負荷駆動制御方法。
  14. 前記ゲート電荷の充放電経路のインピーダンスは、ゲート抵抗又はエミッタ抵抗を含むことを特徴とする請求項8から13の何れか一項に記載の負荷駆動制御方法。

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