JP7201176B2 - 水素利用システム及び水素利用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水素吸蔵合金を利用した水素利用システム及び水素利用方法に関する。
2014年4月に閣議決定されたエネルギー基本計画において、水素を日常の生活や産業活動で利活用する「水素社会」の実現に向け取り組みを加速することが定められ、国や東京都では2020年東京五輪での水素の積極活用、その後の水素社会普及に向けた動きが活発化している。2012年7月の再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の導入は、非住宅用の太陽光発電市場(公共・産業分野)を大きく変えることとなった。JPEA PV OUTLOOK 2030によると、国内総出荷に占める非住宅用の割合は、2012年度で(国内総出荷量3.8GWに対し)50%、2013年度で(同8.4GWに対し)73%、2014年度上半期で(上期国内総出荷量4.3GWに対し)77%と大幅に伸張している。
太陽光発電の大量の設備認定量に伴い、それらが全て稼動した場合、電力需要の小さい軽負荷期に太陽光発電の供給電力量が需要電力量を上回る懸念が出てきたため、指定電気事業者において「無制限・無補償の出力抑制」を条件として系統接続を行うこととなった。今後、更なる太陽光発電の系統接続量の増加に伴い、電力需給調整を目的とした出力抑制の実施は現実のものとなる。
出力抑制が実施されると、その分の再生可能エネルギーは捨てられてしまうため、エネルギーの効率的な利用という観点から見ると、蓄電池等を用いて捨てる分のエネルギー(以下、余剰電力と呼ぶ)は貯蔵しておくことが望ましい。余剰電力の貯蔵手段として、近年注目されているのが水素である。蓄電池による貯蔵に比べると、電気から水素への変換、また水素から電気への変換に伴う効率低下が大きいというデメリットはあるが、大容量、長期的なエネルギー貯蔵に適している。
電力を使用して水素を製造・貯蔵・利用(発電)するシステムとしては、例えば特許文献1に記載されているシステムがある。このシステムは、電力系統に連系された需要家に水素製造装置、水素貯蔵装置、燃料電池、負荷モニタ装置、監視制御装置を設け、需要予測、負荷変動に基づき水素を製造・貯蔵・利用するシステムである。
特開2003-061251号公報
特許文献1に示されているようなシステムでは、水素をコンパクトかつ安全に貯蔵するために水素吸蔵合金を利用することも挙げられている。しかしながら、一般的な水素吸蔵合金は着火すると燃えるため、消防法上の危険物に該当する。消防法の危険物に該当しない水素吸蔵合金として、粘性が比較的高く微粉化しにくいTiFe系の合金に少量の第三、第四元素を付与した合金を用いる方法がある。しかしながら、このような合金を用いると、温度帯の管理と熱の有効利用が困難になる。すなわち、図5は、TiFe系の水素吸蔵合金の一例のPCT(Pressure Composition Temperature)線図である。図において、横軸は水素組成(水素原子Hと金属原子Mの比)を示し、縦軸は平衡水素圧を示す。この例では、摂氏20度と、摂氏30度と、摂氏60度のときのPCT線図が示されている。図5に示すように、TiFe系の水素吸蔵合金では、PCT線図上で圧力がプラトーになる領域が少なく、また吸放出時の圧力ヒステリシスも大きい。このため、省エネルギーで水素の吸放出を行うためには、広い温度帯の管理と熱の有効利用が必要となる。具体的には吸蔵時には摂氏20度程度、放出時には摂氏60度程度に管理することが望ましい。
上述の課題を鑑み、本発明は、広い温度帯において効率的に適温に設定して水素吸蔵合金の吸蔵及び放出が行える水素利用システム及び水素利用方法を提供することを目的とする。
上述の課題を鑑み、本発明の一態様に係る水素利用システムは、水素吸蔵合金が封入される水素吸蔵合金タンクと、熱媒水を蓄える蓄熱槽と、冷熱源と、燃料電池と、制御装置とを有する水素利用システムであって、前記制御装置は、水素を吸蔵する場合において、前記蓄熱槽の下部に蓄えられた冷水と、前記蓄熱槽の上部に蓄えられた温水を前記冷熱源によって冷却して生成された冷水とを混合して前記水素吸蔵合金タンクに供給して冷却し、前記水素吸蔵合金タンクからの戻りの冷水を前記蓄熱槽の下部に戻す制御を行う冷却制御部と、水素を放出する場合において、前記蓄熱槽の上部に蓄えられた温水と、前記蓄熱槽の下部に蓄えられた冷水を前記燃料電池によって加熱して生成された温水とを混合して前記水素吸蔵合金タンクに供給して加温し、前記水素吸蔵合金タンクからの戻りの温水を前記蓄熱槽の上部に戻す制御を行う加温制御部と、を有する。
本発明の一態様に係る水素利用方法は、水素吸蔵合金タンクに水素吸蔵合金を封入して水素を貯蔵する水素利用方法であって、熱媒水を蓄える蓄熱槽を設け、前記蓄熱槽の下部に蓄えられた冷水と、前記蓄熱槽の上部に蓄えられた温水を冷熱源によって冷却して生成された冷水とを混合して前記水素吸蔵合金タンクに供給し、前記水素吸蔵合金タンクからの戻りの冷水を前記蓄熱槽の下部に戻すことで、前記水素吸蔵合金タンクに封入された水素吸蔵合金に水素を吸蔵させる冷却工程と、前記蓄熱槽の上部に蓄えられた温水と、前記蓄熱槽の下部に蓄えられた冷水を燃料電池によって加熱して生成された温水とを混合して前記水素吸蔵合金タンクに供給し、前記水素吸蔵合金タンクからの戻りの温水を前記蓄熱槽の上部に戻すことで、前記水素吸蔵合金タンクに封入された水素吸蔵合金から水素を放出させる加温工程と、を含む。
本発明によれば、幅広い温度帯で厳しい温度管理が必要な水素吸蔵合金を扱う場合でも、効率的に熱利用が行え、適切な管理を行うことができる。また、本発明によれば、様々な温度差、流量を要する各装置を最低限の構成で実現可能であり、コストの低減を図ることができる。
本発明の実施形態に係る水素利用システムの熱系統の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る水素利用システムにおける水素吸蔵時の熱系統の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る水素利用システムにおける水素放出時の熱系統の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る水素利用システムにおいて水素放出時に蓄熱槽が温水で満蓄になる場合の熱系統の構成を示す図である。 TiFe系の水素吸蔵合金の一例のPCT線図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る水素利用システム1の熱系統の構成を示す図である。図1に示すように、本発明の実施形態に係る水素利用システム1は、水素吸蔵合金タンク10と、蓄熱槽11と、冷熱源12と、燃料電池13と、三方弁14と、ポンプ15及び16と、制御装置17と、電磁弁21~30とから構成される。
水素吸蔵合金タンク10には水素吸蔵合金が封入されている。水素吸蔵合金タンク10に封入される水素吸蔵合金としては、粘性が高く微粉化しにくい水素吸蔵合金、例えばTiFe系の合金に第三、第四元素を付与した合金を用いることができる。水素吸蔵合金タンク10内の水素吸蔵合金は、冷却により水素吸蔵が開始され、加温により水素放出が開始される。一例として、水素吸蔵合金タンク10内の水素吸蔵合金は、摂氏20度程度で吸蔵となり、摂氏60度程度で放出となる。なお、水素吸蔵合金は、TiFe系の合金に限定されるものではない。
蓄熱槽11は、熱媒水を一時的に蓄えて蓄熱する。本実施形態では、後に説明するように、水素吸蔵合金タンク10に送られる経路の熱媒水の流量と、冷熱源12や燃料電池13で冷却或いは加熱される経路の熱媒水の流量とが異なっている。蓄熱槽11は、このような異なる流量の経路を混在させるために設けられている。
冷熱源12は、熱媒水を冷却する。燃料電池13は、水素と酸素を反応させて発電を行う。また、燃料電池13は、発電の際に生じる熱によって、熱媒水を加熱する。
三方弁14は、冷熱源12や燃料電池13により冷却或いは加熱された熱媒水と、蓄熱槽11の上方又は下方からの熱媒水とを混合することで、熱媒水の水量を増量させポンプ15に供給する。ポンプ15は、三方弁14で混合した熱媒水を水素吸蔵合金タンク10に供給する。ポンプ16は、蓄熱槽11からの熱媒水を冷熱源12や燃料電池13に供給する。
制御装置17は、水素吸蔵時と水素放出時とに応じて、電磁弁21~30を開閉制御する。すなわち、制御装置17は、電磁弁21~30を開閉制御することにより、水素を吸蔵する場合に、蓄熱槽11の下部に蓄えられた冷水と、蓄熱槽11の上部に蓄えられた温水を冷熱源12によって冷却して生成された冷水とを混合して水素吸蔵合金タンク10に供給して冷却し、水素吸蔵合金タンク10からの戻りの冷水を蓄熱槽11の下部に戻す制御を行う冷却制御部を実現する。また、制御装置17は、電磁弁21~30を開閉制御することにより、水素を放出する場合に、蓄熱槽11の上部に蓄えられた温水と、蓄熱槽11の下部に蓄えられた冷水を燃料電池13によって加熱して生成された温水とを混合して水素吸蔵合金タンク10に供給して加温し、水素吸蔵合金タンク10からの戻りの温水を蓄熱槽11の上部に戻す制御を行う加温制御部とを実現する。
電磁弁21及び22は、水素吸蔵合金タンク10からの戻り水を蓄熱槽11の上部に戻すか、又は蓄熱槽11の下部に戻すかに応じて、開または閉状態となる。ここでは電磁弁21は、蓄熱槽11の深さ方向のうち下部側に連結された配管に接続されており、電磁弁22は、蓄熱槽11の深さ方向のうち上部側に連結された配管に接続されている。すなわち、電磁弁21が「開」状態で、電磁弁22が「閉」状態なら、水素吸蔵合金タンク10からの戻り水は、蓄熱槽11の下部に戻される。電磁弁22が「開」状態で、電磁弁21が「閉」状態なら、水素吸蔵合金タンク10からの戻り水は、蓄熱槽11の上部に戻される。蓄熱槽11における熱媒水は、蓄熱槽11の深さ方向において上部側は、下部側に比べて温度が高く、蓄熱槽11の下部側は、上部側に比べて温度が低い状態となる。
電磁弁23及び24は、ポンプ16へ供給する熱媒水を、蓄熱槽11の上部から取り出すか、又は蓄熱槽11の下部から取り出すかに応じて、開または閉状態となる。ここでは電磁弁23は、蓄熱槽11の深さ方向のうち上部側に連結された配管に接続されており、電磁弁24は、蓄熱槽11の深さ方向のうち下部側に連結された配管に接続されている。すなわち、電磁弁23が「開」状態で、電磁弁24が「閉」状態なら、蓄熱槽11の上部から熱媒水が取り出される。電磁弁24が「開」状態で、電磁弁23が「閉」状態なら、蓄熱槽11の下部から熱媒水が取り出される。
電磁弁25及び26は、ポンプ16から送り出された熱媒水を冷熱源12で冷却するか否かに応じて、開または閉状態となる。ここでは電磁弁25は、冷熱源12に連結された配管に接続されており、電磁弁26は、冷熱源12の出口側に連結された配管に接続されている。すなわち、電磁弁25が「開」状態で、電磁弁26が「閉」状態なら、ポンプ16から送り出された熱媒水は冷熱源12に供給されることで冷熱源12によって冷却される。電磁弁26が「開」状態で、電磁弁25が「閉」状態なら、ポンプ16から送り出された熱媒水は冷熱源12には供給されずに、冷熱源12の下流側(出口側)に供給されるため、冷熱源12による冷却はされない。
電磁弁27及び28は、ポンプ16から送り出された熱媒水を燃料電池13で加熱するか否かに応じて、開または閉状態となる。ここでは電磁弁28は、燃料電池13に連結された配管に接続されており、電磁弁27は、燃料電池13の出口側に連結された配管に接続されている。すなわち、電磁弁28が「開」状態で、電磁弁27が「閉」状態なら、ポンプ16から送り出された熱媒水は燃料電池13に供給されることで、燃料電池13からの熱によって加熱される。電磁弁27が「開」状態で、電磁弁28が「閉」状態なら、ポンプ16から送り出された熱媒水は燃料電池13には供給されずに、燃料電池13の下流側(出口側)に供給されるため、燃料電池13による加熱はされない。
電磁弁29及び30は、冷熱源12や燃料電池13により冷却或いは加熱された熱媒水と蓄熱槽11に蓄積されている熱媒水とを混合する際に、蓄熱槽11の上部からの熱媒水と混合するか、又は蓄熱槽11の下部からの熱媒水と混合するかに応じて、開または閉状態となる。ここでは電磁弁29は、蓄熱槽11の深さ方向のうち下部側に連結された配管に接続されており、電磁弁30は、蓄熱槽11の深さ方向のうち上部側に連結された配管に接続されている。すなわち、電磁弁29が「開」状態で、電磁弁30が「閉」状態なら、冷熱源12や燃料電池13により冷却或いは加熱された熱媒水は、三方弁14によって蓄熱槽11の下部側から取り出された熱媒水と混合され、ポンプ15に供給され、ポンプ15から水素吸蔵合金タンク10に送られる。電磁弁30が「開」状態で、電磁弁29が「閉」状態なら、冷熱源12や燃料電池13により冷却或いは加熱された熱媒水は、三方弁14によって蓄熱槽11の上部から取り出された熱媒水と混合され、ポンプ15に供給され、ポンプ15から水素吸蔵合金タンク10に送られる。
次に、本発明の実施形態に係る水素利用システム1の水素吸蔵時の熱系統の処理について説明する。
水素吸蔵時には、電磁弁21~30は、制御装置17により以下のように開閉制御され、冷却制御が行われる。すなわち、電磁弁21が「開」状態、電磁弁22が「閉」状態に設定される。電磁弁23が「開」状態、電磁弁24が「閉」状態に設定される。電磁弁25が「開」状態、電磁弁26が「閉」状態に設定される。電磁弁27が「開」状態、電磁弁28が「閉」状態に設定される。電磁弁29が「開」状態、電磁弁30が「閉」状態に設定される。
図1において、水素吸蔵時には、電磁弁23が「開」状態となり、電磁弁24が「閉」状態となるため、蓄熱槽11の上部の温水が電磁弁23を介してポンプ16に送られる。このとき、電磁弁25が「開」状態であり、電磁弁26が「閉」状態である。また、電磁弁27が「開」状態であり、電磁弁28が「閉」状態である。このため、ポンプ16から送り出された温水は、冷熱源12により冷却されて冷水となり、三方弁14に送られる。このとき、電磁弁29が「開」状態となり、電磁弁30が「閉」状態となる。このため、冷熱源12からの冷水は、三方弁14により蓄熱槽11の下部の冷水と混合され、ポンプ15を介して、水素吸蔵合金タンク10に送られる。水素吸蔵合金タンク10内では、ポンプ15から冷水を送ることで、水素吸蔵が行われる。このとき、電磁弁21が「開」状態となり、電磁弁22が「閉」状態となる。このため、水素吸蔵合金タンク10からの戻りの冷水は、蓄熱槽11の下部に戻される。
図2は、本発明の実施形態に係る水素利用システムにおける水素吸蔵時の熱系統の構成を示す図である。この図は、図1に示す経路から、電磁弁22、24、26、28、30を閉じることにより流路が形成されない部分を削除したものである。
図2に示すように、水素吸蔵時には、蓄熱槽11の上部に蓄えられた温水は、冷熱源12により冷却され、三方弁14で蓄熱槽11の下部に蓄えられた冷水と混合して増量され、水素吸蔵合金タンク10に送られる。水素吸蔵合金タンク10内では、水素吸蔵合金が冷却され、水素の吸蔵が行われる。そして、水素吸蔵合金タンク10からの戻り水は、蓄熱槽11の下部に戻される。
本実施形態では、三方弁14により、冷熱源12により冷却された冷水と蓄熱槽11の下部に蓄えられた冷水と混合することで、水素吸蔵合金タンク10に大流量の熱媒水を流している。したがって、水素吸蔵合金タンク10からの戻り水の温度は大きく上昇しない。このため、水素吸蔵合金タンク10からの戻り水を蓄熱槽11の下部に戻している。また、冷熱源12に送られる熱媒水は低流量である。このため、冷熱源12の入口の熱媒水の温度と、冷熱源12の出口の熱媒水の温度との差を大きくすることができ、熱媒水の温度を効率的に適温に設定できる。
なお、水素吸蔵時には、蓄熱槽11が冷水で満蓄になることが考えられる。その場合には、冷熱源12を停止させることで熱媒水の冷却を抑えることができ、蓄熱槽11が冷水で満蓄になることを抑制できる。
次に、本発明の実施形態に係る水素利用システム1の水素放出時の熱系統の処理について説明する。
水素放出時には、電磁弁21~30は、制御装置17により以下のように開閉制御され、加温制御が行われる。すなわち、電磁弁21が「閉」状態、電磁弁22が「開」状態に設定される。電磁弁23が「閉」状態、電磁弁24が「開」状態に設定される。電磁弁25が「閉」状態、電磁弁26が「開」状態に設定される。電磁弁27が「閉」状態、電磁弁28が「開」状態に設定される。電磁弁29が「閉」状態、電磁弁30が「開」状態に設定される。
図1において、水素放出時には、電磁弁24が「開」状態となり、電磁弁23が「閉」状態となるため、蓄熱槽11の下部からの冷水が電磁弁24を介してポンプ16に送られる。このとき、電磁弁26が「開」状態となり、電磁弁25が「閉」状態となる。また、電磁弁28が「開」状態となり、電磁弁27が「閉」状態となる。このため、ポンプ16から送り出された冷水は、燃料電池13により加熱されて、三方弁14に送られる。このとき、電磁弁30が「開」状態となり、電磁弁29が「閉」状態となる。このため、燃料電池13により加熱された熱媒水は、蓄熱槽11の上部の温水と混合され、ポンプ15を介して、水素吸蔵合金タンク10に送られる。水素吸蔵合金タンク10内では、ポンプ15から温水を送ることで、水素が放出される。この水素は、燃料電池13で発電を行うのに用いることができる。また、このとき、電磁弁22が「開」状態となり、電磁弁21が「閉」状態となる。このため、水素吸蔵合金タンク10からの戻りの温水は、蓄熱槽11の上部に戻される。
図3は、本発明の実施形態に係る水素利用システムにおける水素放出時の熱系統の構成を示す図である。この図において、図1に示す経路から、電磁弁21、23、25、27、29を閉じることにより流路が形成されない部分については、この実施形態における水素利用システムの理解を深めるために図示を省略している。
図3に示すように、水素放出時には、蓄熱槽11の下部に蓄えられた冷水は、燃料電池13により加熱され、三方弁14で蓄熱槽11の上部に蓄えられた温水と混合して増量されて、水素吸蔵合金タンク10に送られる。水素吸蔵合金タンク10内では、水素吸蔵合金が加温され、水素の放出が行われる。そして、水素吸蔵合金タンク10からの戻り水は、蓄熱槽11の上部に戻される。
本実施形態では、三方弁14により、燃料電池13により加熱された温水と蓄熱槽11の上部に蓄えられた温水と混合することで、水素吸蔵合金タンク10に大流量の熱媒水を流している。したがって、水素吸蔵合金タンク10から戻る熱媒水の温度は大きく下降しない。このため、水素吸蔵合金タンク10からの戻り水を蓄熱槽11の上部に戻している。また、燃料電池13に送られる熱媒水は低流量である。このため、燃料電池13の入口の熱媒水の温度と、燃料電池13の出口の熱媒水の温度との差を大きくすることができ、熱媒水の温度を効率的に適温に設定できる。
なお、水素放出時に、蓄熱槽11が温水で満蓄になることが考えられる。水素吸蔵時には、冷熱源12を停止させることで、蓄熱槽11が冷水で満蓄になることに対処できる。しかし、水素放出時には、放出された水素を燃料電池13の発電に用いているので、燃料電池13を停止して、蓄熱槽11が温水で満蓄になることに対処することは難しい。
そこで、本実施形態では、水素放出時に蓄熱槽11が温水で満蓄になる場合には、冷熱源12を併用させることで、燃料電池13に供給する熱媒水の温度を低下させている。すなわち、図4は、本発明の実施形態に係る水素利用システムにおいて水素放出時に蓄熱槽11が温水で満蓄になる場合の熱系統の構成を示している。この図において、図1に示す経路において、水素放出時に蓄熱槽11が温水で満蓄になる場合の熱系統として流路が形成されない部分については、この実施形態における水素利用システムの理解を深めるために図示を省略している。
水素放出時に蓄熱槽11が温水で満蓄になる場合には、電磁弁25を「開」状態とし、電磁弁26を「閉」状態とする。これにより、図4に示すように、燃料電池13には、冷熱源12で冷却された熱媒水が送られることになり、蓄熱槽11が温水で満蓄となることを防止できる。また、冷熱源12で冷却された熱媒水を送ることで、燃料電池13の冷却が行える。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る水素利用システム1では、冷熱源12や燃料電池13により冷却或いは加熱された熱媒水と、蓄熱槽11に蓄積されている熱媒水とを混合して、水素吸蔵合金タンク10に送っているので、水素吸蔵合金タンク10に大量の熱媒水を供給することができる。また、本発明の実施形態に係る水素利用システム1では、冷熱源12や燃料電池13に送られる熱媒水を低流量とすることができ、冷熱源12や燃料電池13の入口と出口の熱媒水の温度差を大きくして、熱媒水の温度を効率的に適温に設定できる。流量の異なるこれらの系を混在させるために、蓄熱槽11が設けられる。これにより、水素吸蔵合金の特性を考慮しつつ、効率的に熱利用をすることが可能となり、TiFe系水素吸蔵合金のような、幅広い温度帯で、厳しい温度管理が必要な水素吸蔵合金を扱う場合でも、効率的に熱利用が行え、適切な管理を行うことができる。また、本実施形態では、様々な温度差、流量を要する各装置を最低限の構成で実現可能であり、コストの低減を図ることができる。
10…水素吸蔵合金タンク、11…蓄熱槽、12…冷熱源、13…燃料電池、14…三方弁、15,16…ポンプ、17…制御装置、21~30…電磁弁

Claims (4)

  1. 水素吸蔵合金が封入される水素吸蔵合金タンクと、熱媒水を蓄える蓄熱槽と、冷熱源と、燃料電池と、制御装置とを有する水素利用システムであって、
    前記制御装置は、
    水素を吸蔵する場合において、前記蓄熱槽の下部に蓄えられた冷水と、前記蓄熱槽の上部に蓄えられた温水を前記冷熱源によって冷却して生成された冷水とを混合して前記水素吸蔵合金タンクに供給して冷却し、前記水素吸蔵合金タンクからの戻りの冷水を前記蓄熱槽の下部に戻す制御を行う冷却制御部と、
    水素を放出する場合において、前記蓄熱槽の上部に蓄えられた温水と、前記蓄熱槽の下部に蓄えられた冷水を前記燃料電池によって加熱して生成された温水とを混合して前記水素吸蔵合金タンクに供給して加温し、前記水素吸蔵合金タンクからの戻りの温水を前記蓄熱槽の上部に戻す制御を行う加温制御部と、
    を有する水素利用システム。
  2. 前記加温制御部は、前記水素を放出する場合において、前記蓄熱槽が温水で満畜になったときには、前記蓄熱槽の下部に蓄えられた温水を前記冷熱源により冷却した後、前記燃料電池によって加熱する
    請求項1記載の水素利用システム。
  3. 前記水素吸蔵合金タンクには、TiFe系の水素吸蔵合金が封入される請求項1又は2に記載の水素利用システム。
  4. 水素吸蔵合金タンクに水素吸蔵合金を封入して水素を貯蔵する水素利用方法であって、
    熱媒水を蓄える蓄熱槽を設け、
    前記蓄熱槽の下部に蓄えられた冷水と、前記蓄熱槽の上部に蓄えられた温水を冷熱源によって冷却して生成された冷水とを混合して前記水素吸蔵合金タンクに供給し、前記水素吸蔵合金タンクからの戻りの冷水を前記蓄熱槽の下部に戻すことで、前記水素吸蔵合金タンクに封入された水素吸蔵合金に水素を吸蔵させる冷却工程と、
    前記蓄熱槽の上部に蓄えられた温水と、前記蓄熱槽の下部に蓄えられた冷水を燃料電池によって加熱して生成された温水とを混合して前記水素吸蔵合金タンクに供給し、前記水素吸蔵合金タンクからの戻りの温水を前記蓄熱槽の上部に戻すことで、前記水素吸蔵合金タンクに封入された水素吸蔵合金から水素を放出させる加温工程と、
    を含む水素利用方法。
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