JP7299219B2 - マーキング装置、マーキング方法、偏光板の製造方法および偏光板 - Google Patents

マーキング装置、マーキング方法、偏光板の製造方法および偏光板 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示装置等に用いられる偏光板に対する欠点マーキングに関する。
液晶表示装置等に用いられる偏光板は、一般に、ヨウ素や、染料(二色性色素)を含むポリビニルアルコール(PVA)樹脂を延伸して偏光素膜を得、その後、偏光素膜を搬送しながら、可視光透過性の樹脂からなる支持膜等を両側から積層して製造される。
このような偏光板の製造ラインには、一般に、製造中に発生したキズや混入した異物等よる欠点を検出する欠点検出装置が備えられている。この欠点検出装置は、通常LED等の光源部と、CCDカメラ等の受光部を有し光の透過または反射による撮像システムと、得られたデータを処理するコンピューターで構成される。
製造ラインの下流側には、欠点検出装置で検出された欠点のデータに基づいて、欠点部にマーキングを施すマーキング装置が備えられる。偏光板の欠点についてマークを付しておくことで、製品の検査工程で欠点を含む部分を除外したり、偏光板の使用時にユーザの目視等でマークを確認し欠点を含む部分を除外して使用することができる。
ここで、マーキングの方式としては、インクジェットやフェルトペン等によりインクを塗布する方法、膜(フィルム)の端部に目印としてテープを貼る方法、レーザ照射による方法等が挙げられる。
インクを用いるマーキングの場合では、インクは希釈溶剤等を含むため乾燥時間が必要であることや、その後の生産工程においてインクが剥がれたり、ロールに転写したりすることがある。このため、剥がれたインクにより製造ラインが汚染され、また欠点部の位置が分からなくなってしまうおそれがある。また、端部にテープを用いるマーキング方法では、その後の生産工程、例えばスリット加工等によりマーキング箇所が除去されてしまい、欠点箇所が分からなくなってしまうことがある。従って、これらのマーキング方法は簡便に行うことができるが、十分なものとはいえない。
一方で、レーザ照射を用いるマーキング方法は、樹脂等のフィルムを直接加熱してマークできることから、前述のような問題を解消することができる。マーキング用のレーザ光源は、代表的には、赤外光レーザを用いたものであり、CO(二酸化炭素)を用いる波長10.6μmのレーザやYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)結晶を用いる波長1064nmのレーザ等が挙げられる。
例えば、特許文献1には、ワイヤグリッド偏光板上のアルミニウムをYAGレーザで焼き飛ばすことが開示されている。また、COレーザを用いると偏光板100基材となる樹脂に穴が空いてしまうことが記載されている。
特開2011-257343号公報
ここで、特許文献1では、フィルムにマーキングを行うことで発生する塵を集塵機などで捕集することについて記載されている。すなわち、このレーザ照射によるマーキングでは、マークした部分が損傷する。
また、マーキングのためのレーザ照射は、一般に、マークの視認性を高めるため、及びレーザ照射時間の短縮をするために、レーザ照射の出力を高くしたいという要求がある。従って、マーキングの際に発生する熱によってマーク部およびその周辺には、凹凸や歪み等の変形を伴い局所的に厚みが変化すると考えられる。従って、このようなマーキングが施された製品フィルムを枚葉に重ねたり、ロール状に連続で巻き取ったりした際に、この凹凸や歪みの形状が上下に重なったフィルム間で転写したりして、押し跡欠点等の二次的な欠点の原因となり、製品歩留まりを低下させる問題がある。また、レーザ照射の熱によりマーク部から発煙や発塵し、製造ラインの環境を汚染してしまう可能性がある。
本発明の目的は、レーザ照射により欠点についてのマーキングを施す場合に、表面の凹凸などの発生を抑制し、生産品質を向上させることができるマーキング装置およびマーキング方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、欠点マーキングのためのレーザ照射において、可視光レーザを用いることにより、当該可視光レーザは偏光板中の偏光素膜で吸収され、マーク部周辺の凹凸や歪み発生等の変形を抑え偏光素膜を変質させてマーキングできることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、可視光を偏光させる偏光素膜を含む偏光板において欠点についてマーキングを施すマーキング装置であって、可視光レーザを射出するレーザ源を含み、レーザ源からの可視光レーザを前記偏光素膜に吸収させて、前記偏光素膜を変質させて変質した部分の光学特性を変化させることでマーキングを行う。
また、前記偏光板は、前記偏光素膜を両側から挟む可視光透過性の支持膜を含み、可視光レーザが支持膜を透過して、前記偏光素膜に吸収されるとよい。
また、前記偏光素膜は、可視光レーザを吸収することによって変質し、(i)色味が変化する、(ii)偏光特性が変化する、のいずれか1つ以上により、マーキングされるとよい。
また、前記可視光レーザは、グリーン光であるとよい。
また、前記偏光素膜は、ヨウ素または染料の二色性色素を含むとよい。
前記可視光レーザは、直線偏光であり、前記可視光レーザの偏光方向を前記偏光板の吸収軸方向に対し、0~90°の範囲で変更可能であるとよい。
また、本発明は上述のような装置に対応するマーキング方法であるとよい。
また、本発明は、上述のマーキング方法を含む偏光板の製造方法であってもよく、その偏光板の製造方法によって製造された偏光板であってもよい。
また、前記変質部分は、偏光性を有さず、前記基材の表面を基準とする最大深度および最大隆起高さとがそれぞれ5μm以下であるとよい。
本発明によれば、偏光板の内部の偏光素膜を変質させてマーキングすることができる。これにより、レーザ照射に伴うマーク部およびその周辺の変形を抑えることができる。従って、変形部分の転写や押し跡の二次的な欠点の発生が防止して、生産品質を向上させることができる。
さらに、可視光レーザであることから、レーザ光は偏光板の支持膜に紫外線吸収剤を含有していても支持膜に吸収されず偏光素膜まで到達し、偏光素膜を変質させることができる。
一実施形態に係るマーキング装置を含む偏光板製造システムの全体構成を示す図である。 マーキング装置によるマーク跡の形状例を示す。 可視光レーザを用いた実施例1のマーク部の断面を示す写真である。 赤外線レーザを用いた比較例1のマーク部の断面を示す写真である。 紫外線レーザを用いた比較例3のマーク部の断面を示す写真である。 変形例1に係るマーキング装置を含む偏光板製造システムの全体構成を示す図である。 変形例2に係るマーキング装置を含む偏光板製造システムの全体構成を示す図である。 照射する可視光レーザの偏光軸を変化させ吸収量を変更すること説明する図である。 偏光特性の変化に応じたマーク検出(輝点検出)を示す図である。 偏光特性の変化に応じたマーク検出(暗点検出)を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、ここに記載される実施形態に限定されるものではない。
「全体構成」
図1には、一実施形態に係るマーキング装置を含む偏光板製造システムの全体構成が示してある。
長尺の帯状材として形成された偏光素膜10がロールなどから繰り出され搬送されてくる。ここで、偏光素膜10は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂からなる膜(フィルム)を二色性色素で染色したものを用いることができる。二色性色素は、代表的には、ヨウ素やアゾ化合物等の染料であり、可視光域において偏光特性を有する。例えば、液晶表示装置において、液晶の入射側や射出側に配置される。ここで、二色性色素は、後述するマーキングに用いる可視光レーザを十分に吸収できることが好ましい。
偏光素膜10の厚さは、特に限定されないが、例えば、1μm~100μm程度である。延伸のしやすさやレーザ光によるマーキング性やマークの視認性なども考慮すれば、その膜厚は5μm以上であるのが好ましい。
この例においては、偏光素膜10の両面を可視光透過性の支持膜12a,12bで挟持する。すなわち、搬送させてくる偏光素膜10の上側および下側に支持膜12a,12bを重ね、ローラ14a,14bで上下から押圧することで、偏光素膜10の両面を支持膜12a,12bで挟持して、偏光板100を形成する。
支持膜12a,12bは、光学的に無色透明であり、一般に、偏光素膜10の熱や水分に対する脆弱性を保護するために用いられる。その他の支持膜12の機能の例としては、液晶表示装置における視野角等の表示性を向上させるための補償機能を備えたものがある。偏光素膜10と支持膜12a,12bを積層する際には、特に限定されるものではないが、例えば、ビニルアルコール系樹脂からなる接着剤などの接着剤を介して支持膜12a,12bを積層するとよい。支持膜12a,12bの材質としては、酢酸セルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。また、支持膜12a,12bには、通常100μm以下の厚みのものが用いられ、一般的には80μm以下、偏光板100の薄型化の観点では60μm以下にするとよい。支持膜12a,12bの接着面と反対側の面(外側面)には、防眩層、ハードコート層、反射防止層、帯電防止層等、適宜の表面機能層が形成されていてもよい。なお、表面機能層も、可視光を吸収するものが不適であり、無色透明である。
また、本実施形態の場合では、可視光レーザによるマーキングを行うため、支持膜12a,12bや表面機能層に紫外線吸収能を有していてもよい。この紫外線吸収能は、例えば、フィルムや表面機能層中に紫外線吸収剤を添加することによって付与すればよい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、シアノアクリレート系、環状イミノエステル系など、周知のものを用いることができる。なお、市販の偏光板用の支持膜12として、代表的にはTAC(トリアセチルセルロース)があり、これには一般に紫外線吸収剤を含有している。一方、TACまたはアクリル樹脂等を成分とする前記の補償機能を有する支持膜には、一般に、紫外線吸収剤を含有していない。したがって、偏光板100における紫外線吸収能を有する層の設置個所は、太陽光等の紫外線による劣化を抑制する目的で付与されるものであるから、偏光板100を用いる最終製品の形態に合わせて設計される。
検査対象の偏光板100は、好ましくは上述の偏光板100及び表面機能層を有する偏光板100の態様であるが、レーザ光が偏光素膜に到達し吸収される態様であれば、保護フィルム(プロテクトフィルム)、位相差フィルム、視野角補償フィルム、粘着層、離型フィルム(セパレートフィルム)等のフィルム及び層などを1層または2層以上積層したものであってもよい。
なお、本実施形態においては、偏光素膜10の両側に、支持膜12a,12bを配置したものをマーキングの対象としているが、後述するように偏光素膜10単体についてマーキングを行ってもよい。その他に、偏光素膜10の片側のみ支持膜12を設ける場合もある。これらの構成は、例えば、液晶表示装置や偏光サングラス用レンズ等の最終製品の用途に合わせて設計される。後者の構成の場合、好ましくは支持膜側からレーザ光を照射することで、本発明の効果を得ることができる。なお、偏光板100の欠点においては、後述のように支持膜を積層または挟持することにより顕在化するものや、反対に接着層により埋もれたりすることで消失するものがあるため、欠点検出の効率性の観点では、偏光素膜10に支持膜12を付与した構成がより好ましい。
偏光素膜10の両面に支持膜12a,12bを重ねた偏光板100は、検出装置16によって検査される。この例では、検出装置16は、光照射装置16bと撮像装置16aとからなっている。光照射装置16bからの光が偏光板100を透過し、この透過像が撮像装置16aで撮像される。光照射装置16bは、レーザ光源でもよいし、各種のLED(発光ダイオード)でよく、撮像装置16aはCCD(電荷結合素子:Charge-Coupled Device)やC-MOS(Complementary MOS)カメラを採用すればよい。
撮像装置16aからの画像信号は、制御装置18に供給される。制御装置18は、画像処理機能を有しており、画像信号を解析し、キズ、異物混入などの欠点を検出する。この欠点の検出は、例えば撮像された画像を予め記憶している正常画像と比較して異常を検出するなど周知の手法で行えばよい。
なお、キズ、異物と称する偏光板の製造工程における欠点とは、例えば、フィルムの搬送時にロール表面にある凹凸によりフィルムに押し跡や擦れ跡が付いたもの、原材料に内在するもの、フィルム同士の擦れや切断により発生する粉塵、偏光素膜中に付着した微小粉塵等を支持膜で挟持されることで発生する光学的な歪み(クニック)、等が挙げられ、最終製品である液晶表示装置やサングラス等での使用時に品質的に影響を及ぼすものかどうかで判別される。これら欠点は、1~100μm以上の大きさで点状または線状等の形状で観察される。
そして、検出装置16の下流側には、マーキング装置20が配置されている。このマーキング装置は、可視光レーザ源を搭載しており、可視光レーザを偏光板100に照射する。すなわち、制御装置18において、欠点を検出した場合には、当該欠点位置(欠点の直上)またはその近傍など、後で欠点位置を認識することができる位置に可視光レーザを照射することで欠点をマーキングする。
ここで、可視光の範囲は、一般的には380~780nmである。一方、支持膜12a,12bには、上述した紫外線吸収剤が含まれる場合があり、この場合380nm以下の光は、ほぼ支持膜12a、12b吸収されてしまい、390nm付近でも支持膜12a,12b紫外線吸収剤の影響があると考えられる。従って、可視光レーザの実用的な範囲を考慮すると、その波長は400~780nmが適切と考えられる。
可視光レーザを備えるマーキング装置としては、代表的には、レッド光(635~690nm)及びグリーン光(532nm)を照射するものが挙げられ、市販の装置を入手し使用することができる。特に、可視光域に偏光特性を有する偏光板は、一般に、視感度の高い550nmに高い光学特性を備えるように設計されているため、これに合わせてグリーン光の可視光レーザを用いることが好ましい。これにより、染料系およびヨウ素系偏光板の各種光学特性に対して幅広く本発明を適用することができる。
また、上述の通り、偏光板の支持膜12における紫外線吸収剤の有無は、偏光板100が使用される最終製品の形態によって一様ではない。したがって、可視光レーザを用いることで、支持膜12中の紫外線吸収剤の有無を問わず、汎用的に本発明によるマーキングを施すことができる。
本発明の可視光レーザ光の照射による偏光板100内部の偏光素膜10の「変質」とは、レーザ光の吸収の熱効果によって偏光素膜が化学的または物理的に変化することである。具体的には、延伸PVAの軟化による二色性色素の配向緩和、含有する二色性色素の変化または分解、PVA層の破壊、等が生じていると考えられる。したがって、当該マーク跡は、目視では色味の変化、光学的には偏光特性の消失や劣化として観察される。
マーキングを終了した偏光板100は、保護フィルムを貼合し巻き取りローラ22によって巻き取られ、製品として出荷される。その他の製品出荷の形態の例としては、前記偏光板100は、保護フィルムを貼合し、そのまま連続してシートまたはチップ状に枚葉カットされる。さらにその他の例としては、巻き取った偏光板100は、保護フィルムを貼合し、粘着層や位相差フィルム等が積層され、シートまたはチップ状に枚葉毎にカットされた後、製品として出荷される形態がある。シートまたはチップ状の製品の場合、マーキングを有する偏光板は、不良製品として検査工程により取り除かれる。なお、上記のシートとは、大きい形状の製品であり、例えば、製品の一辺が0.5~1m程度を有するものであり、チップとは、小さい形状の製品であり、例えば、製品の対角線が0.1~10インチ程度の大きさのものである。
例えば、液晶表示装置の製造ラインでは、ロール状の偏光板から偏光板100を巻き出し、必要に応じて裁断して、使用する。この際に、目視あるいはセンサにより、欠点を示すマークを検出し、対応する部分を廃棄することで、欠点が存在する部分を使用することを避けて偏光板100を使用することができる。
「マーキングの具体例」
以下の実施例に基づいて本実施形態に係るマーキング装置に説明する。
(実施例1)
グリーン光の可視光レーザを射出する機能を備えるレーザ照射装置(YAGレーザの第2高調波 波長532nm)を用いて、染料系の偏光板100SHC-125U(ポラテクノ社製)の偏光板100に向けてマーキングを施す試験を行った。
染料系の偏光板100SHC-125Uは、偏光素膜としてPVAを機材とする染料系偏光素膜と、その両側に配置される支持膜としてのTAC層と、一方のTAC層上に配置されるPET(ポリエチレンテレフタレート)保護フィルム、他方のTAC層上に粘着層を介し配置される離型フィルムで構成される。
なお、この偏光板100の光学特性は、視感度補正透過率39.5%、視感度補正偏光度99.5%である。偏光板100からPET保護フィルムを剥離した後、レーザ光を偏光板100表面(TAC層)に照射した。このとき、レーザ光の偏光方向と偏光板100の吸収軸の関係は0°で行い、レーザ照射の出力は51%(100%のときのエネルギー密度4.8×10W/mm)、照射時間は1マーク当たり0.1秒、偏光板100までの照射距離は30cmであり、これにより施されるマークサイズは、直径約2mmで行った。
ここで、図2にマーキング装置によるマーク跡の形状例を示す(形状はこれらに限定されるものではない)。左から、(i)円形:4×4の格子、(ii)円形:9×9の格子、(iii)円形:縁ありドット、(iv)円形:同心円(等高線)、正方形:横縞である。
ここで、印字量が多いほど、見やすくなるが、その分、印字時間を要し、基材へのダメージが多くなる。生産工程のライン速度、後工程での視認性の観点で好ましい形状を選択すればよい。また、マークは、特定の形状にする必要はなく、全体に均一な照射としてもよい。
このレーザ照射によってマークされた部分の外観の目視による観察結果を表1に示す。観察したマーク部の評価は、(1)マークの視認性、(2)マーク部及びマーク部周辺の歪み、(3)視認されるマークの色味について行い、(1)、(2)についての判定は以下の通りである。なお、(1)については、実際の偏光板100製造における製品検査員6人による識別判定を行った。
(1)マーク跡の視認性
A:検査員6人全てが識別した
B:マークを識別した検査員が5人以下であった。
C:マークを識別した検査員が2人以下であった。
(2)マーク跡及びマーク跡周辺の歪み等
○:凹凸や歪みが殆どない。
×:凹凸や歪みがある。
(実施例2)
前記レーザ照射の出力を30%とした以外は、実施例1の記載内容と同じである。
(実施例3)
ヨウ素系の偏光板100JET-12PU(ポラテクノ社製)を用い、レーザ照射の出力を51%にした以外は、実施例1の記載内容と同じである。偏光板100はPET保護フィルム、偏光板100、粘着層及び離型フィルムで構成され、視感度補正透過率40.4%、及び視感度補正偏光度99.99%の光学特性である。
(実施例4)
ヨウ素系の偏光板100JET-12PU(ポラテクノ社製)を用い、レーザ照射の出力を30%にした以外は、実施例1の記載内容と同じである。
(比較例1)
COレーザ光照射を備えるレーザ照射装置(波長10.6μm)を用い、当該レーザ照射の出力を70%(100%のときのエネルギー密度1.9×10W/mm)で行った以外は、実施例1の記載内容と同じである。
(比較例2)
前記レーザ照射の出力を15%で行った以外は、比較例1の記載内容と同じである。レーザマークされた部分の外観の観察結果を表1に示す。
(比較例3)
UVレーザ光照射を備えるレーザ照射装置(355nm)を用い、当該レーザ照射の出力を70%(100%のときのエネルギー密度3.5×10W/mm)で行った以外は、実施例1の記載内容と同じである。
(比較例4)
前記レーザ照射の出力を15%で行った以外は、比較例3の記載内容と同じである。
Figure 0007299219000001
[レーザマークの顕微鏡観察]
レーザ照射によりマークされた層を詳細に観察するため、レーザによりマーキングされた偏光板100のマーク部についてミクロトーム法により切片を作成した。当該切片の断面観察は光学顕微鏡(マイクロサポート社製APS-004)を用いて行った。この断面の画像を図3~5に示す。図3は実施例1のマーク部、図4は比較例1のマーク部、図5は比較例3のマーク部である。
[マーク跡の凹凸形状の観察]
表1において、実施例1~4はグリーン光の可視光レーザを用いてマーキングを行った結果である。偏光板100に染料系の偏光板を用いた実施例1、2の場合では、レーザ出力を51%のとき、(1)及び(2)共に良好であった。実施例1における偏光板100の断面を図3に示す。マーク跡の輪郭の色味が比較例の白色に対して黒色をしていることからも、偏光板100内部の偏光素膜のみがレーザ光により変質していることが確認できた。また、実施例1、2のマーキング後の偏光板を白色LEDバックライト上に設置し、当該偏光板の上から、偏光軸が直交となるように、同種のマーク無し偏光板を設置して観察した。マーキングされた面を視認側に向けて設置、または、マーキングされた面をバックライト側に向けて設置のいずれの場合において、マーク跡は輝点状に見えた。このことから、マーク箇所は透光性を有し、且つ偏光性を有していないことを確認した。
また、偏光板100にヨウ素系偏光を用いた実施例3、4の場合では、実施例(1)及び(2)共に良好であると判定した。但し、レーザ出力が51%の場合では、支持膜表面の形状変化はないものの、マーク跡周辺の偏光板100の膜厚が増加していた。これは、マーク跡断面の観察から、偏光板100内部でレーザ光を吸収して急激に発生した熱により水分等が気化し偏光素膜が膨張したためと推測した。いずれの条件において、マーク跡の輪郭の色味は、赤茶を呈していることから、レーザ光を吸収した熱により偏光素膜中のヨウ素が変質していると推測した。また、実施例1、2と同様に、実施例3、4のマーキング後の偏光板100白色LEDバックライト上で観察した。マーキングされた面を視認側に向けて設置、または、マーキングされた面をバックライト側に向けて設置のいずれの場合において、マーク跡は輝点状に見えた。このことから、マーク箇所には透光性を有し、且つ偏光性を有していないことを確認した。
これらの結果から、偏光板100の透過率や含有する二色性色素の種類に合わせて、レーザ光出力を最適な設定することで、染料系及びヨウ素系いずれの偏光板100においても、歪みや変形を伴わずに偏光板100内部にレーザマーキングすることができる。また、マーク跡の視認性を有していることから、検査員や検出装置による欠点検査等の後加工工程において生産効率を落さずに偏光板100を加工することができる。
比較例1、2はCOレーザ光を用いて偏光板100にマーキングを行った結果である。図4は、比較例1におけるマーク部の断面観察の結果であるが、偏光板100の支持膜の表面がレーザ光により大きく変形していたこの変形は、マーク跡の凹凸だけでなく、それ中心に偏光板100に歪みを生じさせており、製品としてロール状またはシート状に重ねることは困難であった。レーザ出力を70%から15%に低下させることで、当該変形量は小さくなるが、マーク跡の視認性との両立は困難であった。
また、実施例1、2と同様に比較例1、2のマーキング後の偏光板100を白色LEDバックライト上で観察した。マーキングされた面を視認側に向けて設置した場合ではマーク跡は輝点状に見えたが、マーキングされた面をバックライト側に向けて設置した場合では、マーク跡は観察されなくなった。このことから、当該レーザ光によるマーキングは、上記の断面観察結果で示した通り、偏光板100の支持膜の表面を変形させており、偏光素膜10まで到達せず偏光素膜10は変質していないことを確認した。
比較例3、4はUVレーザ光を用いて偏光板100にマーキングを行った結果である。図5は、比較例3におけるマーク部の断面観察の結果であるが、偏光板100の支持膜の表面の変形は比較例1、2よりも小さくなっている。レーザ出力を70%から15%に低下させることで、さらに当該変形量は小さくなったが、マーク跡の視認性との両立は困難であった。
また、実施例1、2と同様に比較例3、4のマーキング後の偏光板100を白色LEDバックライト上で観察した。マーキングされた面を視認側に向けて設置した場合ではマーク跡は輝点状に見えたが、マーキングされた面をバックライト側に向けて設置した場合では、マーク跡は観察されなくなった。このことから、当該レーザ光によるマーキングは、上記の断面観察結果で示した通り、偏光板100の支持膜の表面を変形させており、偏光素膜10まで到達せず偏光素膜10は変質していないことを確認した。なお、この場合では、支持膜12は紫外線吸収剤を含有しているためであり、当該レーザ光は支持膜12で吸収されることになる。
Figure 0007299219000002
表2は、実施例1、および比較例2、3の試験において得られたマーク跡を、光学顕微鏡(キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX-6000)を用いてマーク跡の形状の状態を詳細に分析した結果である。表2における凹部は、前記装置の三次元測定による寸法計測機能によって得られた偏光板の支持膜上のマーク跡の凹部の最大深度(μm)であり、これはレーザ光直下の部分を示す。同様に、凸部はマーク跡が隆起した最大の高さ(μm)であり、これはレーザ光が照射された周辺部を示す。凹部及び凸部の値は、レーザ照射された側の支持膜において、マーク跡の無い正常部の表面(基材の表面)を基準(0μm)として算出した。
実施例1では、マーク跡は支持膜表面には形成されておらず、レーザ光を吸収した偏光膜の変質により支持膜面に歪みがあった。これに伴う凹部及び凸部の値は、0.1、1.0μmであり、目視観察と同様にマーキングによる偏光板の変形は殆どないことが示された。ここで、検証実験によれば、凹部および凸部の基準に対する深さ、高さが5μmを超えると、変形が目立つようになり好ましくない。そこで、基材の表面を基準とする最大深度(凹部)、最大隆起(凸部)とがそれぞれ5μm以下であるとよい。
一方、比較例1および3の場合では、凹部および凸部の値は、実施例1の場合よりも5~20μm以上大きく、より詳細には、マーク跡はレーザ照射の熱により支持体膜の表面が溶融した形跡がある、または、溶融した支持膜の成分が飛散した形状となっていた。これらの結果より、実施例1のグリーン光を用いた偏光板へのレーザマーキングでは、マーク跡による凹凸が殆ど発生しないため、偏光板製品のロール保管や枚葉積層において、マーク跡起因の押し跡欠点の発生を抑えることができる。さらに、本発明の場合は、マーク跡の凹凸が殆どないため、マーキングされた偏光板に保護フィルム等を積層する場合でもフィルム間がしっかりと密着することができるため、マーク跡の凹凸による気泡欠点(フィルムが浮いて空気層がある状態)を抑えることができる。
「変形例1」
変形例1の構成を図6に示す。この例では、検出装置16を支持膜12a,12bが積層する上流側に配置している。従って、検出装置16では、偏光素膜10を観察する。これによって、偏光素膜10における欠点を検出し、マーキング装置20において、欠点のマーキングが行える。
「変形例2」
変形例2の構成を図7に示す。この例では、偏光素膜10に支持膜12a,12bが積層した後、3つのローラ24により、偏光板100を蛇行させる。すなわち、1つ目のローラで進行方向の90°近く変え、その後2つ目のローラで、180°進行方向を変えて折り返す。そして、3つ目のローラ24において、90°近く進行方向を変えることで元々の進行方向に戻す。そして、2つ目のローラ24において折り返されている状態の偏光板100を反射方式の検出装置16によって検査する。すなわち、光照射装置16bによって折り返し状態にある偏光板100に光を照射し、反射光を撮像装置16aで撮像する。
このように、偏光板100を折り返すことで、偏光板100に所定のテンションを掛けることができ、偏光板100の両端部がロールに支持された状態となるため、偏光板100の幅方向で歪みがなくなり高精度に検査を行うことができる。なお、反射方式による検査に場合、偏光板100のカール(反り)等により生じる当該歪みは、検査光源のベースラインが不安定になる要因となる。また、前記の2つ目のロール表面に、検査光源に対して低反射率となるように黒色にしたり艶消し等の処理を施すことで、ベースラインが安定し、検出制度を向上させることができる。
「マーキング」
ここで、本実施形態では、偏光素膜10において可視光レーザを吸収させて、マーキングを行う。偏光素膜10は、もともと可視光について吸収軸と透過軸を有している。そこで、マーキング装置20により照射する可視光を直線偏光とし、その偏光方向を偏光素膜10の吸収軸の方向とすることが好ましい。これによって、マーキング装置20からの可視光の吸収効率を上昇することができ、効果的なマーキングが行える。
また、図8に示すように、照射する可視光レーザの偏光軸を変化させると、吸収量を変更することができる。そのため、偏光板100にマーキングする際に、偏光板100の吸収軸に対して照射装置から出射される偏光光の角度を変えることで、レーザ光の吸収量を変えることができる。これにより、マーク跡の濃度の調整をレーザ出力の調整だけでなく、偏光光の照射角度を制御することによっておこなうことができる。すなわち、直線偏光性を有する可視光レーザについて、偏光板100の吸収軸に対して0~90°の範囲で変更可能にするとよい。レーザ光の偏光方向を調整して照射することにより、偏光素膜で吸収される光量を調整し、マーキングの照射強度を調整することができる。
例えば、マーキング装置20を水平面内で回転可能とすることで、直線偏光の方向を制御したり、液晶偏光ローテータなどを用いて偏光方向を制御するとよい。
なお、偏光素膜10は、延伸方向が吸収軸方向となるため、偏光板100の進行方向に対し、レーザ光の偏光方向と平行(0°)の方向の光吸収が最大となり、直交(90°)の方向の光吸収が最小となる。したがって、マーク跡の視認性の良さ、およびマーク形成の効率性の観点においては、レーザ光を偏光素膜10により光吸収させる態様がよいから、前記角度の関係は、0~45°の範囲が好ましく、0~5°の範囲がより好ましい。
さらに、可視光レーザによるマーキングにおける強度(エネルギー密度)を大きくすれば、マーキングのための照射時間を少なくできる。しかし、強度を大きくすると、支持膜などにも影響が出る。一方、強度を小さくすると、マーキングのための時間が長くなり、偏光板100の移動(搬送速度)の影響を受けることになる。
そこで、マーキングの際に偏光板100の移動を一時的に遅くしたり、止めたりすることもできる。さらに、マーキング装置を偏光板100の移動に合わせて移動することもできる。欠点が存在する偏光板100は、一般的に一定長さ毎に使用禁止とするため、マーキングは、所定の長さ毎に行えばよく、マーキング装置の移動距離を一定長さに対応させることも好適である。その他に、マーキング装置による調整として、レーザ照射のスキャン速度(時間当たりの照射速度)を合わせ、偏光板100の移動に追随し適度なマーク跡濃度(印字濃度)が得られるようにしたり、一定面積に対してレーザ光を一度に掃引してマークする機能(エリアマーキング)を使用することも好適である。
「マークの検出」
本実施形態では、偏光素膜10に可視光レーザを吸収させ、発熱させる。これによって、偏光素膜10が変質するが、この場合に偏光機能が阻害される。従って、マークの検出の際に、偏光素膜10に偏光機能があるか否かを利用することができる。
図9には、マークを形成した透過軸方向90°の偏光板100に非偏光を照射し、透過光について、透過軸方向0°の偏光板を通過させてから検出する例を示してある。このように、光源からの光は、偏光板100を通過することで、透過軸方向90°の直線偏光となるが、マークの部分は偏光機能が失われているため、非偏光のままである。そして、偏光板100を透過した光を透過軸方向0°の偏光板を通過させると、マークの部分について透過軸方向0°の偏光が抜けてくる。従って、マークを輝点として検出することができる。
図10では、マークを形成した透過軸方向90°の偏光板100に非偏光を照射し、透過光について、透過軸方向90°を通過させてから検出する。図9と同様に、光源からの光は、偏光板100を通過することで、透過軸方向90°の直線偏光となるが、マークの部分は偏光機能が失われているため、非偏光のままである。そして、透過光を透過軸方向90°の偏光板を通過させると、マーク以外の部分はそのまま90°の直線偏光が抜けるが、マークの部分については非偏光から透過軸方向90°の偏光のみが抜けてくる。従って、マークを暗点として検出することができる。
特に、上述の検出方法においては、マークを輝点として検出する方法は、視認性がよく、目視及び機械においても容易に検出できることから好ましい。
また、偏光素膜10に直線偏光を照射して透過光を検出してもよい。すなわち、偏光素膜10に偏光方向が透過軸の方向の直線偏光を照射すれば、そのほとんどが透過する。一方、マークされた位置では、偏光機能がなくなっており、直線偏光の透過は少ない。そこで、暗点表示によってマークを検出することができる。反対に、偏光素膜10の吸収軸の方向に直線偏光を照射して透過光を検出してもよい。これによって、輝点表示によってマークを検出することができる。なお、マークの検出は通常支持膜12a,12bを重畳した状態(偏光板100)で行うが、支持膜12a,12bは可視光を透過するので問題は生じない。
ここで、偏光機能の消失については、偏光素膜10は延伸したPVAであるため、150℃前後、またはそれ以上の熱がかかると軟化し、延伸による配向規制力が失われるためと考えられる。グレー色に配合された染料系偏光板の場合は、配向していた色素がランダムな状態となって存在するため、目視において、配向している部分に比べ黒く見えることになる。
また、ヨウ素系偏光板の場合は、熱による昇華、素膜中のI 錯体の分解(I 錯体の存在比率が多くなる)により、色味が変化(赤茶っぽく変化)すると推測される。また、赤色への変化は、PVAそのものが変化し着色した可能性もある。すなわち、高熱に伴って、内在する水分による加水分解からの酸と、ヨウ素が触媒的に作用し、PVAをポリエンへと反応させた可能性もある。
いずれにしても、可視光レーザの照射によって、偏光素膜10が変質し、これを光学的に検出することができる。
なお、マークの検出は、人の目視によって行ってもよいし、検出装置によって機械的に行ってもよい。
「マークの種類」
マークは、図2に示すようのものを採用できるが、単に同一強度の可視光レーザを所定エリアに照射して形成したものでもよい。
ここで、図2のような各種のマークが採用できるため、バーコード、QRコードなどをマークとして採用することができる。このようなコードでは、欠点位置の情報を含めることができる。従って、偏光板100の任意の位置に、コードを書き込むことができ、このコードを読み込むことで、欠点位置を把握することができる。この場合、欠点位置をコード(マーク)の記載位置との関連で特定することが好適である。
10 偏光素膜、12a,12b 支持膜、14a,14b ローラ、16 検出装置、16a 撮像装置、16b 光照射装置、18 制御装置、20 マーキング装置、22,24 ローラ、100 偏光板。

Claims (15)

  1. 可視光を偏光させる偏光素膜を含む偏光板において欠点についてマーキングを施すマーキング装置であって、
    可視光レーザを射出するレーザ源を含み、
    レーザ源からの可視光レーザを前記偏光素膜に吸収させて、前記偏光素膜を変質させて変質した部分の光学特性を変化させることでマーキングを行う、
    マーキング装置。
  2. 請求項1に記載のマーキング装置であって、
    前記偏光板は、前記偏光素膜の少なくとも一方の面に可視光透過性の支持膜を含み、可視光レーザが支持膜を透過して、前記偏光素膜に吸収される、
    マーキング装置。
  3. 請求項2に記載のマーキング装置であって、
    前記偏光素膜は、可視光レーザを吸収することによって変質し、(i)色味が変化する、(ii)偏光特性が変化する、のいずれか1つ以上により、マーキングされる、
    マーキング装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1つに記載のマーキング装置であって、
    前記可視光レーザは、グリーン光である、
    マーキング装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1つに記載のマーキング装置であって、
    前記偏光素膜は、ヨウ素または染料の二色性色素を含む、
    マーキング装置。
  6. 請求項1~5のいずれか1つに記載のマーキング装置であって、
    前記可視光レーザは、直線偏光であり、
    前記可視光レーザの偏光方向を前記偏光板の吸収軸方向に対し、0~90°の範囲で変更可能である、
    マーキング装置。
  7. 可視光を偏光させる偏光素膜を含む偏光板において欠点についてマーキングを施すマーキング方法であって、
    可視光レーザを前記偏光板に照射し、
    前記偏光素膜に可視光レーザを吸収させることで可視光レーザが照射された部分の前記偏光素膜を変質させて変質した部分の光学特性を変化させることで、マーキングを行う、
    マーキング方法。
  8. 請求項7に記載のマーキング方法であって、
    前記偏光板は、前記偏光素膜の少なくとも一方の面に可視光透過性の支持膜を含み、可視光レーザが支持膜を透過して、前記偏光素膜に吸収される、
    マーキング方法。
  9. 請求項8に記載のマーキング方法であって、
    前記偏光素膜は、可視光レーザを吸収することによって変質し、(i)色味が変化する、(ii)偏光特性が変化する、のいずれか1つ以上により、マーキングされる、
    マーキング方法。
  10. 請求項7~9のいずれか1つに記載のマーキング方法であって、
    前記可視光レーザは、グリーン光である、
    マーキング方法。
  11. 請求項7~10のいずれか1つに記載のマーキング方法であって、
    前記偏光素膜は、ヨウ素または染料の二色性色素を含む、
    マーキング方法。
  12. 請求項7~11のいずれか1つに記載のマーキング方法であって、
    前記可視光レーザは、直線偏光であり、
    前記可視光レーザの偏光方向を前記偏光板の吸収軸方向に対し、0~90°の範囲で変更可能である、
    マーキング方法。
  13. 請求項7~11のいずれか1つに記載のマーキング方法を含む、
    偏光板の製造方法。
  14. 請求項13の偏光板の製造方法によって製造されたマーキングを有する偏光板。
  15. 請求項14に記載の偏光板であって、
    前記変質部分は、偏光性を有さず、前記基材の表面を基準とする最大深度及び最大隆起高さとがそれぞれ5μm以下である、
    マーキングを有する偏光板。
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