JP2004045930A - マーキング方法 - Google Patents

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北 雅俊
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Abstract

【課題】偏光フィルタに簡単に品名、ロット番号等を付すことができるマーキング方法を提供する。
【解決手段】所望の光透過性を有するフィルタ層8と、フィルタ層8の表裏面に積層される光透過性を有する保護層9、9とからなる偏光フィルタ7のフィルタ層8にマーキングを施すマーキング方法であって、レーザ加工機1によりレーザ6を発振させ、このレーザ6を偏光フィルタ7に入射し、保護層9を透過させてフィルタ層8の表面で集光させ、フィルタ層8の表面に品名、ロット番号等のマーキングを施す。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マーキング方法に関し、特に、光透過性の特性が異なる内側層と外側層とを積層してなる積層体の内側層に品名、ロット番号等を付すのに有効なマーキング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光透過性の特性が異なる内側層と外側層とを積層してなる積層体の一例として、一定方向からの光を透過させ、他の一定方向からの光を吸収する性質を有する、着色剤を混入させた樹脂フィルム等からなる内側層であるフィルタ層と、フィルタ層の表裏面に積層される、光透過性を有する透明又は半透明の樹脂、ガラス等からなる外側層である保護層とを備えた偏光フィルタが一般に知られている。
【0003】
このような構成の偏光フィルタは、カメラのレンズ、メガネのレンズ、ディスプレイ等に用いることで、余分な反射光を除去することができて、風景等を鮮やかに写したり、眩しさを除去したり、画面のチラツキを防止すること等ができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような構成の偏光フィルタにあっては、品名、ロット番号等を付して製品管理を行う場合に、偏光フィルタ自体に直接に品名、ロット番号等を付すことができないため、偏光フィルタの表面に品名等を付したシールを貼着し、又は偏光フィルタを収納するケースに品名、ロット番号等を付して、製品管理を行っている。
【0005】
しかしながら、シールを製品に貼着して管理する方法は、シールが剥がれる虞があり、また、使用する際にシールを剥がさなければならない煩わしさがある。さらに、ケースにより管理する方法は、ケースが必要になるとともに、ケースと製品とを一緒に管理しなければならないために、管理に手間がかかることになる。
【0006】
一方、上記のような構成の偏光フィルタにあっては、製造上のばらつきの問題から、製品によって特性が少しずつ異なるため、所望の特性のものを得ようとする場合には、そのような条件にあったものを購入しなければならない。
【0007】
本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされたものであって、例えば偏光フィルタに用いた場合には、偏光フィルタに簡単に品名、ロット番号等を付すことができて、製品管理を容易に行うことができるとともに、偏光フィルタに固有の特性を所望の特性に容易に変更することができるマーキング方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、光透過性の特性が異なる内側層と外側層とからなる積層体の前記内側層の表面にマーキングを施すマーキング方法であって、前記積層体にレーザを照射し、このレーザを前記外側層を透過させて前記内側層の表面で集光させ、前記内側層の表面にマーキングを施す手段を採用したものである。また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のマーキング方法において、前記積層体は、偏光フィルタである手段を採用したものである。さらに、請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のマーキング方法において、前記レーザは、YAGレーザである手段を採用したものである。
【0009】
【作用】
本発明は、上記のような手段を採用したことにより、積層体にレーザを照射すると、そのレーザは積層体の外側層を透過して内側層の表面で集光され、内側層の表面にマーキングが施されることになる。積層体が偏光フィルタである場合には、レーザは保護層を透過してフィルタ層の表面で集光され、フィルタ層の表面にマーキングが施されることになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2には、本発明によるマーキング方法の一実施の形態が示されていて、このマーキング方法は、光透過性の特性の異なる内側層と外側層とを積層してなる積層体、例えば偏光フィルタ7にマーキングを施すのに有効なものであって、レーザ加工機1を用いて偏光フィルタ7にマーキングを施すものである。
【0011】
偏光フィルタ7は、一定方向からの光を透過させ、他の一定方向からの光を吸収する性質を有する、着色剤を混入させた樹脂、ガラス等からなるフィルム状のフィルタ層8と、フィルタ層8の表裏面に接着剤等を介して積層される、光透過性を有する透明又は半透明の樹脂、ガラス等からなる薄板状の保護層9、9とから構成されている。
【0012】
そして、上記のような構成の偏光フィルタ7に品名、ロット番号等を付すには、図1に示すようなレーザ加工機1を使用する。このレーザ加工機1は、レーザ6を発振させる発振器2と、発振器2から発振されたレーザ6を偏光フィルタ7に照射させる出射部3とを備えたものであって、出射部3には発振器2からのレーザ6を集光させる集光レンズ4が設けられている。この場合、レーザ6としては、YAGレーザが有効であるが、YAGレーザ以外の固体レーザ、炭酸ガス等のガスレーザ、半導体レーザ等のレーザであっても良い。
【0013】
そして、このような構成のレーザ加工機1の発振器2によりレーザ6を発振させ、このレーザ6を集光レンズ4を介して出射部3の下端部のノズル5から偏光フィルタ7に照射し、偏光フィルタ7の保護層9を透過させてフィルタ層8の表面において集光させることにより、フィルタ層8の表面に品名、ロット番号等のマーキングを施すことができるものである。
【0014】
上記のように構成したこの実施の形態によるマーキング方法にあっては、レーザ6によって偏光フィルタ7の保護層9に傷を付けることなく、フィルタ層8の表面に品名、ロット番号等をマーキングすることができるので、品名等を付したシールを保護層9の表面に貼着したもののように、使用中にシールが剥がれてしまうようなこともなく、また、ケースと一緒に管理する場合のように、製品管理に手間がかかるようなこともなく、偏光フィルタ7の製品管理を容易にかつ確実に行うことができることになる。
【0015】
また、フィルタ層8の表面に付したマーキングをフィルタ層8の特性(一定方向からの光を透過させ、他の一定方向からの光を吸収する)により、隠しマーキングとしても機能させることができるので、偽造の防止、類似品との区別等にも役立つものである。
【0016】
さらに、偏光フィルタ7のフィルタ層8に施すマーキングは、レーザ6の照射を調整することにより、位置、形状、面積等を自由に変更できるので、フィルタ層8を所望の特性に変更することができ、所望の特性を有するフィルタ層8を得るために、新たなものを購入する必要がなくなり、経済的に有利なものを提供することができることになる。
【0017】
そして、レンズに使用した場合には、特殊な画像形成効果が得られ、ディスプレイに使用した場合には、画面のチラツキの度合いに応じたチラツキの防止効果が得られることになる。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、前記のように構成したことにより、レーザを積層体に照射し、積層体の外側層を透過させて内側層の表面で集光させることにより、外側層に傷を付けることなく、内側層の表面にマーキングを施すことができることになる。従って、製品管理を行うために、品名等を付したシールを貼着して管理したり、品名等を付したケースと一緒に管理する必要がなくなり、製品管理が容易となる。また、積層体が偏光フィルタである場合には、偏光フィルタのフィルタ層の特性により、マーキングを隠しマーキングとして使用することができるので、偽造防止、類似品との区別に役立つものである。さらに、マーキングの位置、形状、面積をレーザの照射により自由に変更できるので、所望の特性のフィルタ層を備えた偏光フィルタが容易に得られることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマーキング方法の一実施の形態を示したものであって、本発明によるマーキング方法の実施に使用されるレーザ加工機と被加工物との関係を示した説明図である。
【図2】本発明のマーキング方法によりマーキングが施された被加工物を示した概略断面図である。
【符号の説明】
1……レーザ加工機
2……発振器
3……出射部
4……集光レンズ
5……ノズル
6……レーザ
7……偏光フィルタ
8……フィルタ層
9……保護層
10……マーキング

Claims (3)

  1. 光透過性の特性が異なる内側層と外側層とからなる積層体の前記内側層の表面にマーキングを施すマーキング方法であって、前記積層体にレーザを照射し、このレーザを前記外側層を透過させて前記内側層の表面で集光させ、前記内側層の表面にマーキングを施すことを特徴とするマーキング方法。
  2. 前記積層体は、偏光フィルタであることを特徴とする請求項1に記載のマーキング方法。
  3. 前記レーザは、YAGレーザであることを特徴とする請求項1又は2に記載のマーキング方法。
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