JP7298460B2 - 温度調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、温度調整装置に関し、特に、車両に搭載される走行モータを駆動するためのバッテリを温度調整対象として、当該バッテリに対する均一な温度調整を低コストで実現することが可能な温度調整装置に関する。
バッテリによって走行モータを駆動するHEV(Hybrid Electric Vehicle)又はBEV(Battery Electric Vehicle)等の車両においては、バッテリの入出力特性の向上と長寿命化とを図るべく、バッテリの温度を所定の範囲に保つ必要がある。
バッテリを対象とする温度調整方法としては、(1)バッテリの表面に沿って冷却水を循環させる方法、又は、(2)ペルチェ素子等の熱電変換素子を用いた冷却ユニットによってバッテリを冷却する方法等が知られている。
しかし、上記(1)の方法では、冷却水の流路の上流域で生じる熱交換によって冷却水の温度が上昇するため、下流域においてバッテリを十分に冷却できない。また、上記(2)の方法では、バッテリを均一に冷却することはできるが、ペルチェ素子は高価であるため、コストが上昇する。
そこで、ペルチェ素子を用いる方法よりは低コストで、バッテリの均一な温度調整を実現する方法として、相変化材等の蓄熱材を用いてバッテリの温度調整を行う方法が提案されている。例えば下記特許文献1には、複数層に積層された組電池の層間に、組電池と略同面積のブロック状の畜冷材がそれぞれ配置された、組電池の冷却構造が開示されている。
特開2013-229205号公報
しかし、上記特許文献1に開示された組電池の冷却構造によると、比較的高価な相変化材を大量に使用する必要があるため、依然としてコストが高い。
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、温度調整対象物に対する均一な温度調整を低コストで実現することが可能な温度調整装置を得ることを目的とする。
本発明の一態様に係る温度調整装置は、温度調整対象物の温度を調整する温度調整装置であって、固相と液相との間で相変化する所定濃度の相変化材と、前記温度調整対象物に接触する第1流路と、前記第1流路に繋がり前記温度調整対象物から離間する第2流路とを有し、前記相変化材が封入される相変化材流路と、前記第2流路において前記相変化材の固相液相割合を調整する状態調整手段と、前記相変化材の固相液相割合が所定範囲に収まるように前記状態調整手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
この態様によれば、相変化材流路は温度調整対象物に接触する第1流路と温度調整対象物から離間する第2流路とを有し、状態調整手段は第2流路において相変化材の固相液相割合を調整する。従って、潜熱蓄熱作用を有する相変化材との熱交換によって温度調整対象物の温度が調整されるため、温度調整対象物に対して均一な温度調整を実現できる。また、相変化材の固相液相割合が状態調整手段によって調整されるため、相変化材の濃度を低く設定できる。従って、比較的高価な相変化材の使用量を抑制できる。その結果、温度調整対象物に対する均一な温度調整を低コストで実現することが可能となる。しかも、状態調整手段は温度調整対象物から離間した第2流路に設けられるため、温度調整対象物の周辺構成を簡略化できる。その結果、温度調整対象物及び当該周辺構成をユニット化した場合に、当該ユニットを小型化することが可能となる。
また、上記態様において、前記温度調整対象物は、車両に搭載される走行モータを駆動するためのバッテリである。
この態様によれば、車両に搭載される走行モータを駆動するためのバッテリの温度を所定の範囲に保つことができるため、当該バッテリの入出力特性の向上と長寿命化とを図ることができる。
また、上記態様において、前記状態調整手段は、前記相変化材を冷却する冷却手段と、前記相変化材を加熱する加熱手段とを有し、前記第2流路は、前記冷却手段を経由する冷却流路と、前記加熱手段を経由する加熱流路と、前記冷却流路と前記加熱流路とを切り替える弁とを有し、前記制御手段はさらに前記弁の切り替えを制御することが望ましい。
この態様によれば、状態調整手段は、相変化材を冷却する冷却手段と、相変化材を加熱する加熱手段とを有する。従って、相変化材の固相液相割合を調整する調整幅が拡がるため、相変化材の使用量をさらに抑制でき、コストをより削減することが可能となる。
また、上記態様において、前記相変化材流路内で前記相変化材を循環させるポンプをさらに備え、前記制御手段はさらに前記ポンプの駆動を制御することが望ましい。
この態様によれば、制御手段は、相変化材流路内で相変化材を循環させるポンプの駆動を制御する。相変化材を循環させることにより、相変化材によるバッテリに対する温度調整量を増大することができる。
また、上記態様において、前記制御手段は、前記走行モータの駆動前又は前記走行モータの駆動後において、前記冷却手段に前記相変化材を冷却させる冷却処理、及び、前記加熱手段に前記相変化材を加熱させる加熱処理、の少なくとも一方を実行する時に、前記ポンプを駆動し、前記走行モータの駆動前又は前記走行モータの駆動後において、前記冷却処理及び前記加熱処理をいずれも実行しない時に、前記ポンプを駆動しないことが望ましい。
この態様によれば、冷却処理及び加熱処理の少なくとも一方を実行する時にポンプを駆動して相変化材を循環させることにより、相変化材の固相液相割合の調整を効率的に行うことができる。また、冷却処理及び加熱処理をいずれも実行しない時にポンプを駆動しないことにより、ポンプによる電力消費量を削減することができる。
また、上記態様において、前記冷却手段は、前記車両の走行風によって前記相変化材を冷却するラジエータを有することが望ましい。
この態様によれば、冷却手段は、車両の走行風によって相変化材を冷却するラジエータを有する。これにより、簡易な構成によって相変化材を冷却することができ、冷却によって相変化材を液相から固相へ相変化させることができる。
また、上記態様において、前記冷却手段は、前記ラジエータに送風するファンをさらに有することが望ましい。
この態様によれば、冷却手段は、ラジエータに送風するファンをさらに有する。これにより、簡易な構成によって相変化材をさらに冷却できるとともに、走行風が得られない駐停車時にも相変化材の冷却を行うことが可能となる。
また、上記態様において、前記制御手段は、前記走行モータの駆動前において前記相変化材を冷却させる時、又は、前記走行モータの駆動後において前記相変化材の吸熱対象量が吸熱可能量を超える時に、前記ファンを駆動することが望ましい。
この態様によれば、制御手段は、走行モータの駆動前において相変化材を冷却させる時に、ファンを駆動する。これにより、走行風が得られずラジエータによる冷却が不可能な走行モータの駆動前においても、相変化材を冷却することができる。また、制御手段は、走行モータの駆動後において相変化材の吸熱対象量が吸熱可能量を超える時に、ファンを駆動する。これにより、ラジエータによる冷却では不十分な場合であっても、ファンを駆動することによって相変化材を十分に冷却することができる。
また、上記態様において、前記加熱手段は、前記相変化材を加熱するヒータを有することが望ましい。
この態様によれば、加熱手段は、相変化材を加熱するヒータを有する。これにより、簡易な構成によって相変化材を加熱することができ、加熱によって相変化材を固相から液相へ相変化させることができる。
また、上記態様において、前記制御手段は、前記走行モータの駆動前において前記相変化材を加熱させる時、又は、前記走行モータの駆動後において前記冷却手段によって前記相変化材が過冷却される時に、前記ヒータを駆動することが望ましい。
この態様によれば、制御手段は、走行モータの駆動前において相変化材を加熱させる時に、ヒータを駆動する。従って、低温環境下での長時間駐車等に起因して相変化材の固相割合が過度に高くなった場合に、走行モータの駆動前にヒータを駆動することによって、相変化材の固相液相割合を良好な状態に回復させることができる。また、制御手段は、走行モータの駆動後において冷却手段によって相変化材が過冷却される時に、ヒータを駆動する。従って、冷却量を調整できないラジエータによって相変化材が過剰に冷却される場合に、ヒータを駆動して相変化材を加熱することにより、相変化材の固相液相割合を良好な状態に調整することができる。
また、上記態様において、前記第1流路の入口に繋がる前記第2流路の出口に配置され、前記相変化材の固相液相割合を検出してその検出値を出力する検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記検出値に基づいて前記状態調整手段による調整量を設定することが望ましい。
この態様によれば、相変化材の固相液相割合を検出する検出手段は、第1流路の入口に繋がる第2流路の出口に配置されている。これにより、第1流路に流入する直前の状態に基づいて相変化材の固相液相割合が調整されるため、最適な状態の相変化材によってバッテリの温度調整を行うことができる。
また、上記態様において、前記検出手段は、前記相変化材の熱伝導率を測定する熱伝導率センサと、前記相変化材に関する熱伝導率と固相液相割合との対応関係を表す情報を記憶する記憶部とを有することが望ましい。
この態様によれば、相変化材の熱伝導率を熱伝導率センサによって測定することにより、相変化材の固相液相割合を簡易かつ正確に求めることができる。
本発明によれば、温度調整対象物に対する均一な温度調整を低コストで実現することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る温度調整装置の全体構成を簡略化して示すブロック図である。 図1のうちバッテリ付近の構造を抜き出して示す斜視図である。 マイクロカプセル化された相変化材料の一部断面構造を示す斜視図である。 相変化材料の濃度と相変化材の熱伝導率との関係を示す図である。 状態検出部の構成の一例を示すブロック図である。 相変化材の熱伝導率と固相液相割合との対応関係の一例を示す図である。 相変化材の固相液相割合と温度との関係を示す図である。 車両の走行モータが駆動される前に制御部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。 車両の走行モータが駆動された後に制御部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。 車両の走行モータが駆動された後に制御部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。 車両の走行モータが駆動された後に制御部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
[温度調整装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る温度調整装置1の全体構成を簡略化して示すブロック図である。本実施の形態の例において、温度調整装置1の温度調整対象物は、HEV(Hybrid Electric Vehicle)又はBEV(Battery Electric Vehicle)等の車両において走行モータを駆動するためのバッテリ2である。バッテリ2は、例えば、48Vの高電圧を出力するリチウムイオンバッテリである。バッテリ2の入出力特性の向上と長寿命化とを図るべく、バッテリ2の温度を所定の温度(例えば40℃)に保つことが要求され、温度調整装置1によってバッテリ2の温度調整が行われる。
図2は、図1のうちバッテリ2付近の構造を抜き出して示す斜視図である。バッテリ2は、その側面及び上面に当接する蓋材3によって覆われている。また、パイプ状の流路Rが、蓋材3の上面に接触して配置されている。蓋材3及び流路Rの材質は、熱伝導率の高い銅又はアルミニウム等の金属である。蓋材3の上面内において流路Rは蛇行しており、これにより蓋材3と流路Rとの接触面積の増大が図られている。流路R内には、熱媒体としての相変化材が封入されている。
熱伝導率の高い金属製の蓋材3及び流路Rを介してバッテリ2と相変化材との間で熱交換が行われることにより、バッテリ2の温度調整が行われる。すなわち、相変化材の相変化温度よりもバッテリ2の温度が高い場合には、相変化材がバッテリ2から熱を奪う熱交換が行われることによって、バッテリ2は冷却され、相変化材は固相から液相に相変化する。一方、相変化材の相変化温度よりもバッテリ2の温度が低い場合には、相変化材がバッテリ2に熱を与える熱交換が行われることによって、バッテリ2は加熱され、相変化材は液相から固相に相変化する。
本実施の形態に係る温度調整装置1では、マイクロカプセル化された相変化材料が水等の溶媒に所定の濃度で混入された態様の相変化材が使用される。
図3は、マイクロカプセル化された相変化材料の一部断面構造を示す斜視図である。パラフィン系炭化水素又は遷移金属系セラミックス等から成る球体状のコア31が、酸化アルミニウム等から成る薄膜状のシェル32によって被覆されている。
本実施の形態に係る温度調整装置1において、溶媒に混入される相変化材料の濃度は、例えば3%である。
図4は、相変化材料の濃度と相変化材の熱伝導率との関係を示す図である。図4に示すように、相変化材料の濃度が低いほど相変化材の熱伝導率は高くなることが分かる。本実施の形態に係る温度調整装置1では十分に低濃度(例えば3%)の相変化材料が使用されるため、相変化材の熱伝導率は十分に高い。従って、温度調整対象物であるバッテリ2の温度を、応答性良く制御することができる。なお、相変化材の流速を高めることによっても、相変化材の熱伝導率を高めることは可能である。しかし、流速を高めるためには、相変化材を循環させるポンプの出力を上げる必要があり、当該ポンプの電力消費量が大きくなるため、望ましくない。
図1を参照して、温度調整装置1は、制御部11、ファン12、ラジエータ13、弁14、ヒータ15、状態検出部16、ポンプ17、温度センサ18、電流値センサ19、及び流路Rを備えている。温度センサ18は、バッテリ2の温度を検出して、その検出値をデータS5として制御部11に入力する。電流値センサ19は、バッテリ2を流れる電流の電流値を検出して、その検出値をデータS6として制御部11に入力する。
ファン12及びラジエータ13は冷却手段であり、ヒータ15は加熱手段である。これらの冷却手段及び加熱手段は、相変化材の固相と液相との混合割合(固相液相割合)を調整するための状態調整手段として機能する。また、弁14、ヒータ15、状態検出部16、ポンプ17、バッテリ2、及び蓋材3は、断熱筐体100内に収容されている。バッテリ2が断熱筐体100内に収容されることにより、車両の外気温がバッテリ2に及ぼす影響が緩和されている。
流路Rは、蓋材3を介してバッテリ2に接触する第1流路R1と、第1流路R1に繋がりバッテリ2から離間する第2流路R2とを有している。図2に示したように、蛇行する第1流路R1において、相変化材とバッテリ2との間で熱交換が行われる。
第2流路R2は、冷却流路R2Cと加熱流路R2Wとを有している。制御部11が制御信号S2によって弁14を制御することにより、冷却流路R2Cと加熱流路R2Wとが切り替えられる。制御部11は、液相から固相への相変化を促す(つまり液相割合を低めて固相割合を高める)ために上記冷却手段によって相変化材を冷却する時には、冷却流路R2Cに切り替える。一方、固相から液相への相変化を促す(つまり固相割合を低めて液相割合を高める)ために上記加熱手段によって相変化材を加熱する時には、加熱流路R2Wに切り替える。
冷却流路R2C及び加熱流路R2Wはいずれも、ポンプ17を経由する。制御部11は、制御信号S7によってポンプ17の駆動を制御する。ポンプ17が駆動されることにより、流路R内で相変化材が循環される。詳細は後述するが、制御部11は、走行モータの駆動前又は駆動後において、上記冷却手段によって相変化材を冷却させる冷却処理、及び、上記加熱手段によって相変化材を加熱させる加熱処理、の少なくとも一方を実行する時に、ポンプ17を駆動する。また、制御部11は、走行モータの駆動前又は駆動後において、上記冷却処理及び上記加熱処理をいずれも実行しない時には、ポンプ17を駆動しない。
冷却流路R2Cはラジエータ13を経由する。ラジエータ13は、例えば車両のフロントグリルの内側に配置されており、車両の走行時に生じる走行風によって、冷却流路R2C内の相変化材を冷却する。また、ラジエータ13の前面又は背面には、ラジエータ13に向けて送風するファン12が配置されている。制御部11は、制御信号S1によってファン12の駆動を制御する。詳細は後述するが、制御部11は、走行モータの駆動前において相変化材を冷却させる時、又は、走行モータの駆動後において相変化材の吸熱対象量Qが吸熱可能量Pを超える時に、ファン12を駆動する。
冷却流路R2C及び加熱流路R2Wはいずれも、ヒータ15を経由する。図2に示したように、第2流路R2の外周を包み込むようにシート状のヒータ15が配置されている。制御部11は、制御信号S3によってヒータ15の駆動を制御する。詳細は後述するが、制御部11は、走行モータの駆動前において相変化材を加熱させる時、又は、走行モータの駆動後、車両走行時のラジエータ13による冷却によって相変化材が過冷却される時に、ヒータ15を駆動する。
図1,2を参照して、状態検出部16(検出手段)は、第1流路R1の入口に繋がる第2流路R2の出口に配置されている。状態検出部16は、相変化材の固相液相割合を検出して、その検出値をデータS4として出力する。データS4は制御部11に入力される。制御部11は、データS4に基づいて上記状態調整手段による調整量を設定する。つまり制御部11は、データS4に基づいて、第2流路R2の出口における相変化材の固相液相割合が所定範囲に収まるように、弁14の切り替え、ポンプ17のオン又はオフ、ファン12のオン又はオフ、ヒータ15のオン又はオフを制御する。
図5は、状態検出部16の構成の一例を示すブロック図である。図5の接続関係で示すように、状態検出部16は、熱伝導率センサ41、記憶部42、及び固相液相割合検出部43を備えている。熱伝導率センサ41は、例えば、第2流路R2内に配置されたプローブの温度変化に基づいて、相変化材の熱伝導率を測定する。また、相変化材の熱伝導率と固相液相割合との対応関係を表すテーブル情報が予め作成されて、当該テーブル情報が、不揮発性の記憶部42に記憶されている。
図6は、相変化材の熱伝導率と固相液相割合との対応関係の一例を示す図である。縦軸の固相液相割合(0/100)は、固相割合が0%で液相割合が100%であることを意味している。また、固相液相割合(100/0)は、固相割合が100%で液相割合が0%であることを意味している。図6の特性で示されるように、相変化材の固相割合は熱伝導率にほぼ比例しており、熱伝導率が高いほど、固相割合が大きく液相割合が小さい。この特性は、溶媒に混入される相変化材料の濃度に応じて異なる。従って、実際に流路R内に封入される相変化材を対象とした実験又はシミュレーション等によって、この特性を表すテーブル情報が予め作成されて、当該テーブル情報が記憶部42に記憶されている。
固相液相割合検出部43は、記憶部42に記憶されているテーブル情報を参照することにより、熱伝導率センサ41から入力された熱伝導率Xに対応する固相液相割合Yを割り出す。そして、固相液相割合検出部43は、割り出した固相液相割合Yを示すデータS4を、制御部11に入力する。
図7は、相変化材の固相液相割合と温度との関係を示す図である。固相と液相とが混在している状態、つまり、固相液相割合が(100/0)超かつ(0/100)未満である場合には、相変化材の温度は相変化温度TPで一定である。従って、バッテリ2の目標温度(例えば40℃)と同一又は近似する相変化温度TPを有する相変化材を選択し、かつ、相変化材の状態として固相と液相とが混在した状態(以下「固液混在状態」と称す)を保つことによって、バッテリ2の温度を目標温度付近で維持することができる。本実施の形態に係る温度調整装置1では、固相液相割合が例えば(70/30)の許容下限値VLと、例えば(30/70)の許容上限値VHとが設定されている。これにより、許容下限値VL以上かつ許容上限値VH以下の許容範囲が設定されている。相変化温度TP、許容下限値VL、及び許容上限値VHは、制御部11が参照可能な不揮発性の記憶部に予め格納されている。制御部11は、状態検出部16から入力されたデータS4に基づいて、第2流路R2の出口における相変化材の固相液相割合が当該許容範囲に収まるように、上記状態調整手段を制御する。
[走行モータ駆動前の処理フロー]
図8は、車両の走行モータが駆動される前に制御部11が実行する処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、低温又は高温の環境下での長時間駐車等に起因して相変化材の固液混在状態が許容範囲から逸脱している場合に、固液混在状態を許容範囲内に回復させるための処理である。この処理は、例えば、車両の電源が投入されてから走行モータの駆動が開始されるまでの間に実行される。
まずステップSP101において制御部11は、状態検出部16からデータS4を取得することにより、その時点での相変化材の固相液相割合を検出する。
次にステップSP102において制御部11は、ステップSP101で検出した固相液相割合が許容下限値VL未満であるか否かを判定する。
ステップSP101で検出した固相液相割合が許容下限値VL未満である場合(ステップSP102:YES)には、次にステップSP103において制御部11は、制御信号S2によって弁14を駆動することにより、加熱流路R2Wに切り替える。
次にステップSP104において制御部11は、制御信号S3によってヒータ15の駆動を開始する。ヒータ15によって相変化材が加熱されることによって、固相から液相への相変化が促される。つまり制御部11は、走行モータの駆動前において、ヒータ15に相変化材を加熱させる加熱処理を実行する時に、ヒータ15を駆動する。
次にステップSP105において制御部11は、制御信号S7によってポンプ17の駆動を開始する。これにより、第1流路R1及び加熱流路R2W内において相変化材が循環される。つまり制御部11は、走行モータの駆動前において上記加熱処理を実行する時に、ポンプ17を駆動する。
次にステップSP106において制御部11は、状態検出部16からデータS4を取得することにより、その時点での相変化材の固相液相割合を検出する。
次にステップSP107において制御部11は、ステップSP106で検出した固相液相割合が許容下限値VL未満であるか否かを判定する。
ステップSP106で検出した固相液相割合が許容下限値VL未満である場合(ステップSP107:YES)には、制御部11は、ステップSP106,SP107の処理を繰り返し実行する。
ステップSP106で検出した固相液相割合が許容下限値VL以上である場合(ステップSP107:NO)には、相変化材の固液混在状態を許容範囲内に回復させることができたため、次にステップSP108において制御部11は、制御信号S3によってヒータ15の駆動を停止する。
次にステップSP109において制御部11は、制御信号S7によってポンプ17の駆動を停止し、処理を終了する。
ステップSP101で検出した固相液相割合が許容下限値VL以上である場合(ステップSP102:NO)には、次にステップSP110において制御部11は、ステップSP101で検出した固相液相割合が許容上限値VH超であるか否かを判定する。
ステップSP101で検出した固相液相割合が許容上限値VH超である場合(ステップSP110:YES)には、次にステップSP111において制御部11は、制御信号S2によって弁14を駆動することにより、冷却流路R2Cに切り替える。
次にステップSP112において制御部11は、制御信号S1によってファン12の駆動を開始する。ファン12によって相変化材が冷却されることによって、液相から固相への相変化が促される。つまり制御部11は、走行モータの駆動前において、ファン12に相変化材を冷却させる冷却処理を実行する時に、ファン12を駆動する。
次にステップSP113において制御部11は、制御信号S7によってポンプ17の駆動を開始する。これにより、第1流路R1及び冷却流路R2C内において相変化材が循環される。つまり制御部11は、走行モータの駆動前において上記冷却処理を実行する時に、ポンプ17を駆動する。
次にステップSP114において制御部11は、状態検出部16からデータS4を取得することにより、その時点での相変化材の固相液相割合を検出する。
次にステップSP115において制御部11は、ステップSP114で検出した固相液相割合が許容上限値VH超であるか否かを判定する。
ステップSP114で検出した固相液相割合が許容上限値VH超である場合(ステップSP115:YES)には、制御部11は、ステップSP114,SP115の処理を繰り返し実行する。
ステップSP114で検出した固相液相割合が許容上限値VH以下である場合(ステップSP115:NO)には、相変化材の固液混在状態を許容範囲内に回復させることができたため、次にステップSP116において制御部11は、制御信号S1によってファン12の駆動を停止する。
次にステップSP117において制御部11は、制御信号S7によってポンプ17の駆動を停止し、処理を終了する。
ステップSP101で検出した固相液相割合が許容上限値VH以下である場合(ステップSP110:NO)には、相変化材の固液混在状態が許容範囲内であるため、制御部11は処理を終了する。つまり制御部11は、走行モータの駆動前において上記冷却処理及び上記加熱処理をいずれも実行しない時には、ポンプ17を駆動しない。
なお、本実施の形態の例では、バッテリ2の目標温度は40℃であり、また、バッテリ2は断熱筐体100内に収容されており、さらに、バッテリ2は常に第1流路R1内の相変化材に接触している。従って、車両が高温環境下で長時間駐車された場合であっても、バッテリ2の温度が目標温度を超えて大幅に上昇するという状況はほぼ発生しないと考えられる。このように、走行モータの駆動前に相変化材の固相液相割合が許容上限値VHを超えるという状況が発生しない又はその可能性が極めて低い場合には、ステップSP110~SP117の処理は省略しても良い。
[走行モータ駆動後の処理フロー]
図9-11は、車両の走行モータが駆動された後に制御部11が実行する処理の流れを示すフローチャートである。図9-11に示したフローチャートは、接続点A-B及び接続点C-Dによって互いに接続される。この処理は、図8に示した処理によって相変化材の固液混在状態が許容範囲内に回復された後に実行される。
まずステップSP201において制御部11は、状態検出部16からデータS4を取得することにより、その時点での相変化材の固相液相割合を検出する。
次にステップSP202において制御部11は、ステップSP201で検出した固相液相割合が許容上限値VH超であるか否かを判定する。
ステップSP201で検出した固相液相割合が許容上限値VH超である場合(ステップSP202:YES)には、次にステップSP203において制御部11は、制御信号S2によって弁14を駆動することにより、冷却流路R2Cに切り替える。
次にステップSP204において制御部11は、制御信号S1によってファン12の駆動を開始する。ファン12によって相変化材が冷却されることによって、液相から固相への相変化が促される。つまり制御部11は、走行モータの駆動後において、ファン12に相変化材を冷却させる冷却処理を実行する時に、ファン12を駆動する。
次にステップSP205において制御部11は、制御信号S7によってポンプ17の駆動を開始する。これにより、第1流路R1及び冷却流路R2C内において相変化材が循環される。つまり制御部11は、走行モータの駆動後において上記冷却処理を実行する時に、ポンプ17を駆動する。
次にステップSP206において制御部11は、状態検出部16からデータS4を取得することにより、その時点での相変化材の固相液相割合を検出する。
次にステップSP207において制御部11は、ステップSP206で検出した固相液相割合が許容上限値VH超であるか否かを判定する。
ステップSP206で検出した固相液相割合が許容上限値VH超である場合(ステップSP207:YES)には、制御部11は、ステップSP206,SP207の処理を繰り返し実行する。
ステップSP206で検出した固相液相割合が許容上限値VH以下である場合(ステップSP207:NO)には、相変化材の固液混在状態を許容範囲内に回復させることができたため、次にステップSP208において制御部11は、制御信号S1によってファン12の駆動を停止する。
次にステップSP209において制御部11は、制御信号S7によってポンプ17の駆動を停止する。
次にステップSP210において制御部11は、温度センサ18からデータS5を取得することによって、その時点でのバッテリ2の温度を計測する。
次にステップSP211において制御部11は、ステップSP210で計測したバッテリ2の温度が相変化材の相変化温度TPを超えているか否かを判定する。
ステップSP210で計測したバッテリ2の温度が相変化温度TP以下である場合(ステップSP211:NO)には、相変化材の冷却処理及び加熱処理は不要であるため、制御部11は、ステップSP210,SP211の処理を繰り返し実行する。なお、ステップSP211の実行時点でポンプ17が駆動されている場合には、次にステップSP224において制御部11は、制御信号S7によってポンプ17の駆動を停止する。つまり制御部11は、走行モータの駆動後において相変化材の冷却処理及び加熱処理をいずれも実行しない時には、ポンプ17を駆動しない。
ステップSP210で計測したバッテリ2の温度が相変化温度TPを超えている場合(ステップSP211:YES)には、次にステップSP212において制御部11は、制御信号S2によって弁14を駆動することにより、冷却流路R2Cに切り替える。これにより、車両走行時にラジエータ13によって相変化材が冷却されることによって、液相から固相への相変化が促される。
次にステップSP213において制御部11は、制御信号S7によってポンプ17の駆動を開始する。これにより、第1流路R1及び冷却流路R2C内において相変化材が循環される。つまり制御部11は、走行モータの駆動後において相変化材の冷却処理を実行する時に、ポンプ17を駆動する。
次にステップSP214において制御部11は、状態検出部16からデータS4を取得することにより、その時点での相変化材の固相液相割合を検出する。
次にステップSP215において制御部11は、ステップSP214で検出した固相液相割合が許容下限値VL未満であるか否かを判定する。
ステップSP214で検出した固相液相割合が許容下限値VL未満である場合(ステップSP215:YES)には、ラジエータ13による冷却によって相変化材が過冷却されている状況であるため、次にステップSP216において制御部11は、制御信号S3によってヒータ15の駆動を開始する。ヒータ15によって相変化材が加熱されることによって、固相から液相への相変化が促される。なお、この時点ではポンプ17の駆動は継続されている。つまり制御部11は、走行モータの駆動後において相変化材の加熱処理を実行する時に、ポンプ17を駆動する。
次にステップSP217において制御部11は、状態検出部16からデータS4を取得することにより、その時点での相変化材の固相液相割合を検出する。
次にステップSP218において制御部11は、ステップSP217で検出した固相液相割合が許容下限値VL未満であるか否かを判定する。
ステップSP217で検出した固相液相割合が許容下限値VL未満である場合(ステップSP218:YES)には、制御部11は、ステップSP217,SP218の処理を繰り返し実行する。
ステップSP217で検出した固相液相割合が許容下限値VL以上である場合(ステップSP218:NO)には、相変化材の固液混在状態を許容範囲内に回復させることができたため、次にステップSP219において制御部11は、制御信号S3によってヒータ15の駆動を停止する。制御部11は、ステップSP219に続いてステップSP220を実行する。
ステップSP214で検出した固相液相割合が許容下限値VL以上である場合(ステップSP215:NO)には、次にステップSP220において制御部11は、電流値センサ19からデータS6を取得することによって、その時点でのバッテリ2の電流値を検出する。そして、制御部11は、バッテリ2の電流値(i)と既知の内部抵抗値(r)とを用いてi×rの演算を行うことにより、その時点でのバッテリ2の発熱量を算出する。
次にステップSP221において制御部11は、データS4を取得してその時点での固相液相割合を検出し、当該固相液相割合と、固液混在状態における固相液相割合の最大値(0/100)との差に基づいて、相変化材の吸熱可能量Pを算出する。この吸熱可能量Pは、バッテリ2から相変化材に移動させることができる熱量の最大値であり、上記の固相液相割合の差が大きいほど吸熱可能量Pは大きい。
次にステップSP222において制御部11は、データS5を取得してその時点でのバッテリ2の温度を検出し、当該温度と、ステップSP220で算出したバッテリ2の発熱量とに基づいて、バッテリ2に対する相変化材の吸熱対象量Qを算出する。この吸熱対象量Qは、相変化材によってバッテリ2から吸熱しなければならない熱量であり、バッテリ2の温度が高いほど吸熱対象量Qは大きく、バッテリ2の発熱量が大きいほど吸熱対象量Qは大きい。
次にステップSP223において制御部11は、ステップSP221で算出した吸熱可能量Pが、ステップSP222で算出した吸熱対象量Q以上であるか否かを判定する。
吸熱可能量Pが吸熱対象量Q以上である場合(ステップSP223:YES)は、ラジエータ13による冷却だけで相変化材を十分に冷却可能ということであるため、制御部11は、ステップSP210~SP223の処理を繰り返し実行する。
吸熱可能量Pが吸熱対象量Q未満である場合(ステップSP223:NO)は、ラジエータ13による冷却だけでは相変化材を十分に冷却できないということであるため、次にステップSP225において制御部11は、制御信号S1によってファン12の駆動を開始する。ファン12によって相変化材が冷却されることによって、液相から固相への相変化が促される。つまり制御部11は、走行モータの駆動後において、相変化材の吸熱対象量Qが吸熱可能量Pを超える時に、ファン12を駆動する。
次にステップSP226において制御部11は、温度センサ18からデータS5を取得することによって、その時点でのバッテリ2の温度を計測する。
次にステップSP227において制御部11は、状態検出部16からデータS4を取得することにより、その時点での相変化材の固相液相割合を検出する。
次にステップSP228において制御部11は、電流値センサ19からデータS6を取得し、その時点でのバッテリ2の発熱量を算出する。
次にステップSP229において制御部11は、ステップSP227で検出した固相液相割合に基づいて、相変化材の吸熱可能量Pを算出する。
次にステップSP230において制御部11は、ステップSP226で計測したバッテリ2の温度と、ステップSP228で算出したバッテリ2の発熱量とに基づいて、相変化材の吸熱対象量Qを算出する。
次にステップSP231において制御部11は、ステップSP229で算出した吸熱可能量Pが、ステップSP230で算出した吸熱対象量Q以上であるか否かを判定する。
吸熱可能量Pが吸熱対象量Q未満である場合(ステップSP231:NO)は、ラジエータ13による冷却だけでは相変化材を十分に冷却できないということであるため、制御部11は、ファン12の駆動を継続したまま、ステップSP226~SP231の処理を繰り返し実行する。
吸熱可能量Pが吸熱対象量Q以上である場合(ステップSP231:YES)は、ラジエータ13による冷却だけで相変化材を十分に冷却可能ということであるため、次にステップSP232において制御部11は、制御信号S1によってファン12の駆動を停止する。制御部11は、ステップSP232に続いてステップSP210を実行する。
[作用効果]
本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、相変化材の流路Rは温度調整対象物であるバッテリ2に接触する第1流路R1とバッテリ2から離間する第2流路R2とを有し、状態調整手段(冷却手段及び加熱手段)は第2流路R2において相変化材の固相液相割合を調整する。従って、潜熱蓄熱作用を有する相変化材との熱交換によってバッテリ2の温度が調整されるため、バッテリ2に対して均一な温度調整を実現できる。また、相変化材の固相液相割合が状態調整手段によって調整されるため、相変化材の濃度を低く設定できる。従って、比較的高価な相変化材の使用量を抑制できる。その結果、バッテリ2に対する均一な温度調整を低コストで実現することが可能となる。しかも、状態調整手段はバッテリ2から離間した第2流路R2に設けられるため、バッテリ2の周辺構成を簡略化できる。その結果、バッテリ2及び当該周辺構成をユニット化した場合に、当該ユニットを小型化することが可能となる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、車両に搭載される走行モータを駆動するためのバッテリ2の温度を所定の範囲に保つことができるため、当該バッテリ2の入出力特性の向上と長寿命化とを図ることができる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、状態調整手段は、相変化材を冷却する冷却手段(ファン12及びラジエータ13)と、相変化材を加熱する加熱手段(ヒータ15)とを有する。従って、相変化材の固相液相割合を調整する調整幅が拡がるため、相変化材の使用量をさらに抑制でき、コストをより削減することが可能となる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、制御部11は、相変化材の流路R内で相変化材を循環させるポンプ17の駆動を制御する。相変化材を循環させることにより、相変化材によるバッテリ2に対する温度調整量を増大することができる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、制御部11は冷却処理及び加熱処理の少なくとも一方を実行する時にポンプ17を駆動して相変化材を循環させることにより、相変化材の固相液相割合の調整を効率的に行うことができる。また、制御部11は冷却処理及び加熱処理をいずれも実行しない時にポンプ17を駆動しないことにより、ポンプ17による電力消費量を削減することができる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、冷却手段は、車両の走行風によって相変化材を冷却するラジエータ13を有する。これにより、簡易な構成によって相変化材を冷却することができ、冷却によって相変化材を液相から固相へ相変化させることができる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、冷却手段は、ラジエータ13に送風するファン12をさらに有する。これにより、簡易な構成によって相変化材をさらに冷却できるとともに、走行風が得られない駐停車時にも相変化材の冷却を行うことが可能となる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、制御部11は、走行モータの駆動前において相変化材を冷却させる時に、ファン12を駆動する。これにより、走行風が得られずラジエータ13による冷却が不可能な走行モータの駆動前においても、相変化材を冷却することができる。また、制御部11は、走行モータの駆動後において相変化材の吸熱対象量Qが吸熱可能量Pを超える時に、ファン12を駆動する。これにより、ラジエータ13による冷却では不十分な場合であっても、ファン12を駆動することによって相変化材を十分に冷却することができる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、加熱手段は、相変化材を加熱するヒータ15を有する。これにより、簡易な構成によって相変化材を加熱することができ、加熱によって相変化材を固相から液相へ相変化させることができる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、制御部11は、走行モータの駆動前において相変化材を加熱させる時に、ヒータ15を駆動する。従って、低温環境下での長時間駐車等に起因して相変化材の固相割合が過度に高くなった場合に、走行モータの駆動前にヒータ15を駆動することによって、相変化材の固相液相割合を良好な状態に回復させることができる。また、制御部11は、走行モータの駆動後において冷却手段によって相変化材が過冷却される時に、ヒータ15を駆動する。従って、冷却量を調整できないラジエータ13によって相変化材が過剰に冷却される場合に、ヒータ15を駆動して相変化材を加熱することにより、相変化材の固相液相割合を良好な状態に調整することができる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、相変化材の固相液相割合を検出する状態検出部16(検出手段)は、第1流路R1の入口に繋がる第2流路R2の出口に配置されている。これにより、第1流路R1に流入する直前の状態に基づいて相変化材の固相液相割合が調整されるため、最適な状態の相変化材によってバッテリ2の温度調整を行うことができる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、相変化材の熱伝導率を熱伝導率センサ41によって測定することにより、相変化材の固相液相割合を簡易かつ正確に求めることができる。
1 温度調整装置
2 バッテリ
11 制御部
12 ファン
13 ラジエータ
14 弁
15 ヒータ
16 状態検出部
17 ポンプ
18 温度センサ
19 電流値センサ
41 熱伝導率センサ
42 記憶部
43 固相液相割合検出部
R 流路
R1 第1流路
R2 第2流路
R2C 冷却流路
R2W 加熱流路

Claims (12)

  1. 温度調整対象物の温度を調整する温度調整装置であって、
    固相と液相との間で相変化する所定濃度の相変化材と、
    前記温度調整対象物に接触する第1流路と、前記第1流路に繋がり前記温度調整対象物から離間する第2流路とを有し、前記相変化材が封入される相変化材流路と、
    前記第2流路において前記相変化材の固相液相割合を調整する状態調整手段と、
    前記相変化材の固相液相割合が所定範囲に収まるように前記状態調整手段を制御する制御手段と、
    を備える、温度調整装置。
  2. 前記温度調整対象物は、車両に搭載される走行モータを駆動するためのバッテリである、請求項1に記載の温度調整装置。
  3. 前記状態調整手段は、前記相変化材を冷却する冷却手段と、前記相変化材を加熱する加熱手段とを有し、
    前記第2流路は、前記冷却手段を経由する冷却流路と、前記加熱手段を経由する加熱流路と、前記冷却流路と前記加熱流路とを切り替える弁とを有し、
    前記制御手段はさらに前記弁の切り替えを制御する、請求項2に記載の温度調整装置。
  4. 前記相変化材流路内で前記相変化材を循環させるポンプをさらに備え、
    前記制御手段はさらに前記ポンプの駆動を制御する、請求項3に記載の温度調整装置。
  5. 前記制御手段は、
    前記走行モータの駆動前又は前記走行モータの駆動後において、前記冷却手段に前記相変化材を冷却させる冷却処理、及び、前記加熱手段に前記相変化材を加熱させる加熱処理、の少なくとも一方を実行する時に、前記ポンプを駆動し、
    前記走行モータの駆動前又は前記走行モータの駆動後において、前記冷却処理及び前記加熱処理をいずれも実行しない時に、前記ポンプを駆動しない、請求項4に記載の温度調整装置。
  6. 前記冷却手段は、前記車両の走行風によって前記相変化材を冷却するラジエータを有する、請求項3~5のいずれか一つに記載の温度調整装置。
  7. 前記冷却手段は、前記ラジエータに送風するファンをさらに有する、請求項6に記載の温度調整装置。
  8. 前記制御手段は、前記走行モータの駆動前において前記相変化材を冷却させる時、又は、前記走行モータの駆動後において前記相変化材の吸熱対象量が吸熱可能量を超える時に、前記ファンを駆動する、請求項7に記載の温度調整装置。
  9. 前記加熱手段は、前記相変化材を加熱するヒータを有する、請求項3~8のいずれか一つに記載の温度調整装置。
  10. 前記制御手段は、前記走行モータの駆動前において前記相変化材を加熱させる時、又は、前記走行モータの駆動後において前記冷却手段によって前記相変化材が過冷却される時に、前記ヒータを駆動する、請求項9に記載の温度調整装置。
  11. 前記第1流路の入口に繋がる前記第2流路の出口に配置され、前記相変化材の固相液相割合を検出してその検出値を出力する検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記検出値に基づいて前記状態調整手段による調整量を設定する、請求項1~10のいずれか一つに記載の温度調整装置。
  12. 前記検出手段は、前記相変化材の熱伝導率を測定する熱伝導率センサと、前記相変化材に関する熱伝導率と固相液相割合との対応関係を表す情報を記憶する記憶部とを有する、請求項11に記載の温度調整装置。
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